JPH07242533A - 米糠からの入浴剤 - Google Patents

米糠からの入浴剤

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JPH07242533A
JPH07242533A JP6062116A JP6211694A JPH07242533A JP H07242533 A JPH07242533 A JP H07242533A JP 6062116 A JP6062116 A JP 6062116A JP 6211694 A JP6211694 A JP 6211694A JP H07242533 A JPH07242533 A JP H07242533A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 人体に対し安全で、肌に対しベトツキがな
く、米糠の持つ有効成分をより効果的に皮膚から吸収し
やすいものにして、より温浴および美容効果を高めた入
浴剤を提供する。 【構成】 米糠の加水物を酵素分解または麹を作用さ
せたもの、米糠の抽出物、米糠を抽出するに当た
り、その抽出前、抽出と同時または抽出後に酵素分解ま
たは麹を作用させたもの、米糠の加水物を酵素分解ま
たは麹を作用させた後、さらにアルコール発酵を行った
もの、米糠を抽出するに当たり、その抽出前、抽出と
同時または抽出後に酵素分解または麹を作用させた後、
さらにアルコール発酵を行ったもの、以上それぞれをそ
のまま、あるいはこれを含有してなる入浴剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、玄米を精米(100〜
92%)した際に生じる糠を原料として得られる入浴剤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】化粧品関係における糠の利用について
は、糠そのものの利用に糠袋があり、古来より美容的用
途に使われている。糠を原料としたものについては、ア
ルコール抽出したもの(特開昭59−154971)、
米糠または米糠を水あるいはアルコール抽出したエキス
を含有する貼布剤(特開平4−368314)、また、
米糠から単離した多糖類(特公平1−49688)の美
容用途としての利用が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】米糠の温浴および美容
的効果を高めるためには、米糠中の有効成分が皮膚から
吸収されることが重要な要件と考えられるが、米糠の主
要成分は、でんぷん、蛋白質、脂肪など分子量の大きい
もので、これらが直接吸収されるのはむつかしいことで
ある。本発明は、人体に対し安全で、肌に対しベトツキ
がなく、米糠の持つ有効成分をより効果的に皮膚から吸
収しやすいものにすることによって、より温浴および美
容効果を高めることを目的としたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、動植物合
和すの観点から、主食である米を中心に種々の植物成分
の研究を進めてきた。その過程で、米糠について鋭意検
討を重ねた結果、下記の処理を行うことによって、温浴
効果、つるつる効果および肌のキメを細かくする効果が
あることを見出し、本発明を完成するに至った。 米糠の加水物を酵素分解または麹を作用させる。 米糠を抽出する。 米糠を抽出するに当たり、その抽出前、抽出と同時
または抽出後に酵素分解または麹を作用させる。 米糠の加水物を酵素分解または麹を作用させた後、
さらにアルコール発酵を行う。 米糠を抽出するに当たり、その抽出前、抽出と同時
または抽出後に酵素分解または麹を作用させた後、さら
にアルコール発酵を行う。
【0005】以下、本発明について詳細に説明する。米
糠は玄米を92%精白するときに得られるものであり、
その玄米は品種、種類を問わない。原料処理において
は、蒸煮、焙煎(砂焙り、網焙り、熱風焙煎等全てを指
す)、蒸煮焙煎、凍結乾燥等の表面変性、UV照射等の
光変性、パットライス等の加圧焙煎、揚げる等の原料処
理をしてもよく、また、効果も変ることはない。
【0006】米糠を酵素分解する場合、まず、米糠に加
水した後、酵素を添加する。加水量は、収率、作業性、
最終使用目的などに応じて適宜選定する。また、加水温
度は、酵素あるいは麹の至適温度が効率的であるが、低
温でも長時間おけば酵素分解は充分に行われる。ただ
し、40℃以下の低温の場合は、なんらかの防腐を行う
ことが必要である。また、分解さえすれば温度は高温で
もよい。分解時間は、分解さえ行われれば短くても長く
てもよい。すなわち、分解さえ行われれば本効果を有す
るエキスが得られる。
【0007】ここで使用する酵素は、澱粉分解酵素、蛋
白分解酵素および脂肪分解酵素であり、これらの酵素の
うち1種または2種以上を用いる。また、麹を使用する
場合においては、加水量、作用温度、作用時間は、酵素
分解の場合と同様に行なう。使用する麹は、一般に使用
される麹を使用すればよく、麹菌の種類および品種は問
わない。
【0008】米糠を抽出する場合、抽出温度は高温が効
率的であるが、低温でも十分に抽出することができる。
ただし、40℃以下の低温の場合は、pHを酸性あるい
はアルカリ性にするか、防腐剤あるいはアルコールを加
えて、米糠が腐敗しないように処理することが望まし
い。抽出時間は、有効成分さえ抽出できれば長くても短
かくてもよく、抽出温度により定めればよい。また、抽
出は、加圧下または常圧下で行っても、減圧下で行って
もよい。
【0009】水抽出の場合最も問題になるのは糊化現象
である。糊状になれば抽出効率が悪くなるばかりでな
く、実作業においては困難を極める。これを防ぐために
は、アミラーゼを加えて反応させるか、塩酸などで酸性
にして澱粉を切ってやればよく、この方法を用いること
により、十分に解決でき、実用上も全く問題はない。抽
出物中の有効成分は、酸、アルカリに安定であるため
か、酸分解抽出あるいはアルカリ分解抽出を行うのも有
効である。この場合、必要により中和、脱塩を行う。
【0010】有機溶媒で抽出を行うことも有効である。
有機溶媒はアルコール、アセトン、n−ヘキサン、メタ
ノール等の一般的な有機溶媒でよいが、人体に対して有
害なものは、抽出後、溶媒を完全に除去する必要がある
ので安全なものがよい。抽出を行うに当たり、その抽出
前、抽出と同時、または抽出後に、酵素分解または麹を
作用させると効果的である。ここで、抽出と同時に酵素
分解あるいは麹を作用させる場合、具体的には、有機溶
媒中で酵素分解あるいは麹を作用させるか、減圧抽出下
で酵素分解あるいは麹を作用させるなどの方法により行
う。本発明においては、上記の各処理を行うと同時また
は処理後、アルコール発酵を行えば、さらに有効であ
る。
【0011】このアルコール発酵を行う場合、上記のよ
うにして得られた抽出物、酵素分解物(酵素分解、抽出
を組み合わせて得られるものも含む)、また、麹を作用
させたものをそのまま、あるいは圧搾、濾過して得た液
をアルコール発酵させる。酵素分解とアルコール発酵と
を同時に行ってもよい。すなわち、米糠に加水後、酵素
または麹、さらには酒母または酵母を添加して、糖化、
アルコール発酵を同時に行う。澱粉分解酵素または麹を
使用しないものにおいては、補糖をすればよい。大量に
製造する場合、糖化と発酵のバランスを考えながら、清
酒醸造に準じて3段階あるいは何段階にも分けて、米糠
を添加するのが望ましい。特に少量を処理する場合にお
いては、一度に添加するのが有効である。糖化およびア
ルコール発酵は約10〜24日間行い、この際、腐敗が
心配な場合は、酸を添加するか、発酵の阻害にならない
適当な防腐を施す。
【0012】なお、アルコール発酵を行うと、ベトツキ
がなくなること、濃縮がしやすく有効成分の濃縮が容易
になることなどの利点もある。以上のようにして得られ
た本発明品は、残渣を分離することなくそのまま、ある
いは圧搾、濾過して用いる。そのまま用いるときは、殺
菌あるいは除菌して製品にする。
【0013】次に、本発明の効果を調べるために行った
試験とその結果について説明する。 試験例1 温浴効果は、被験者15名で、サーモグラフィーで皮膚
温度を測定することによって調べた。方法は以下のとお
り行った。
【0014】室温20℃±1℃程度で空気の流れのない
検査室において、被験者の前腕部を30分程度露出した
状態で室温に順応させ、その後、人体表面から放射され
る赤外線を検知し、その強度から温度情報を検出するサ
ーモグラフィー装置を用いて、被験者の右前腕上背部の
サーモグラムを撮影した。次に、被験者の右前腕肘部ま
でを、41℃に設定した恒温水槽(9リットル)に10
分間浸漬した。撮影の間隔は、浸漬終了後2分、5分、
10分、15分、20分、25分、30分、40分と
し、皮膚表面温度の経時変化を観察した。これを対照試
験として本試験では恒温水槽(9リットル)に各実施例
で得られた本発明品5mlを添加して、上記と同様にサ
ーモグラムを撮影した。添加量は一般家庭用浴槽180
リットルに100mlの添加に相当する。結果を表1
に、皮膚表面温度の経時変化を被験者15名の平均値で
示す。
【0015】
【表1】
【0016】表1に示したように、すべての実施例より
得られた本発明品において、対照と比較し、皮膚表面温
度が高く、温浴効果が認められた。その効果は、5分後
より現われていた。40分後において、実施例1〜2の
酵素分解したもの、および抽出したもので0.5〜0.
7℃の差、実施例9〜11の抽出および酵素分解を組み
合わせたものについては約1.0℃の差、そして、実施
例12,13の発酵したものについては1.5〜2.0
℃で極めて大きな差を示した。上腕部のみでのこの差
は、実際の入浴での体全体における温度差は、さらに開
くことが推定され、顕著な温浴効果を持つことが判明し
た。
【0017】試験例2 肌のつるつる効果、さらに、肌のキメが細かくなる効果
を動摩擦計による測定で調べた。被験者15名で、一般
家庭用浴槽180リットルに本発明品100mlを添加
し、1週間毎日入浴した。入浴前後の前腕部の変動係数
(MMD)および摩擦係数(MIU)を測定した。測定
条件は以下のとおりである。
【0018】温 度 25℃ 湿 度 60% 使用センサー KES−SE摩擦感テスターSE−2タ
イプ(0.5mmピアノワイヤー使用) 摩擦静荷重 50gf 測定速度 1mm/sec 測定距離 30mm(積分有効範囲20mm) 結果を表2に被験者15名の平均値で示す。
【0019】
【表2】
【0020】表2において、MMDは皮膚表面の凹凸の
状態を示し、MIUは摩擦抵抗を示す。したがって、M
MDの値が低くなることは、肌のキメが細かくなること
を示し、MIUの値が低くなるのは、肌のつるつるさが
増すことを示す。この表2のとおり、本発明品のすべて
において、対照と比較してMMD、MIU共値が低くな
った。実施例9〜13において顕著に低くなっているこ
とが分かった。以上の結果より、本発明品は、温浴効
果、つるつる効果、そして、肌のキメを細かくする効果
を有することが明らかとなった。
【0021】
【実施例】
(実施例1)米糠500gに水1500mlと澱粉分解
酵素2gを加え、55℃で20時間放置した。その後、
濾過して、本発明品1050mlと残渣930gを得
た。 (実施例2)米糠500gに蛋白分解酵素2gと水15
00mlを加え、50℃で20時間放置した。その後、
絞り機で絞り、本発明品1030mlと残渣940gを
得た。
【0022】(実施例3)米糠500gに脂肪分解酵素
2gと水1500mlを加え、50℃で20時間放置し
た。その後、絞り機で絞り、本発明品1050mlと残
渣920gを得た。 (実施例4)米糠500gに澱粉分解酵素2g、蛋白分
解酵素2g、脂肪分解酵素2gと水1500mlを加
え、50℃で20時間放置した。その後、絞り機で絞
り、本発明品1080mlと残渣900gを得た。
【0023】(実施例5)米糠500gに米麹100g
と水1500mlを加え、55℃で20時間放置した。
その後、絞り機で絞り、本発明品990mlと残渣10
90gを得た。 (実施例6)米糠500gに液化酵素10gと水150
0mlを添加した。その後、徐々に温度を上げていき、
5分間煮沸抽出した後、冷却した。その後、濾過して、
本発明品990mlと残渣990gを得た。
【0024】(実施例7)米糠500gに2N−NaO
H1500mlを添加して5日間放置した。その後、濾
過して、清澄液1100mlと残渣870gを得た。こ
の清澄液を10N−HClで中和して、本発明品132
0mlを得た。 (実施例8)米糠500gに95%エタノール1500
mlを添加して5日間放置した。その後、濾過して清澄
液1200mlと残渣680gを得た。この清澄液に水
2000mlを添加し、ロータリーエバポレーターで濃
縮し、本発明品1500mlを得た。
【0025】(実施例9)実施例4と同様の操作をし
て、米糠の酵素分解物2000gを得た。その後、徐々
に温度を上げていき、5分間煮沸抽出した後、冷却し
た。その後、絞り機で絞り、本発明品980mlと残渣
1000gを得た。 (実施例10)米糠に麹300gと40%エタノール1
500mlを加え、55℃で48時間放置した。その
後、絞り機で絞り、清澄液1020mlと残渣960g
を得た。その後、清澄液に1000mlの水を加え、ロ
ータリーエバポレーターで濃縮し、本発明品1000m
lを得た。
【0026】(実施例11)実施例6と同様にして、米
糠の抽出物2000gを得た。この抽出物に蛋白分解酵
素2g、脂肪分解酵素2g、澱粉分解酵素2gを添加
し、50℃で24時間放置した。その後、絞り機で絞
り、本発明品1010mlと残渣970gを得た。 (実施例12)実施例4と同様にして、米糠糖化物20
00gを得た。この糖化物に酵母を添加し、18日間ア
ルコール発酵を行った。その後、濾過して、本発明品1
610mlと残渣360gを得た。
【0027】(実施例13)実施例9と同様にして、米
糠の酵素分解抽出物2000gを得た。この酵素分解抽
出物に酵母を加え、18日間アルコール発酵を行った。
その後、濾過して、本発明品1650mlと残渣330
gを得た。
【0028】
【発明の効果】本発明は、米糠を原料にして、簡単な処
理によって、温浴効果、つるつる効果、肌のキメを細か
くする効果を有する素材を得たものである。米糠は原料
として豊富にあり、かつ、安価である。また、全く安全
な天然物であり、米の副産物利用の用途を拡げるもので
発明の意義は大きい。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米糠の加水物を酵素分解または麹を作用
    させたものをそのまま、あるいはこれを含有してなる入
    浴剤。
  2. 【請求項2】 米糠の抽出物をそのまま、あるいはこれ
    を含有してなる入浴剤。
  3. 【請求項3】 米糠を抽出するに当たり、その抽出前、
    抽出と同時または抽出後に酵素分解または麹を作用させ
    たものをそのまま、あるいはこれを含有してなる入浴
    剤。
  4. 【請求項4】 米糠の加水物を酵素分解または麹を作用
    させた後、さらにアルコール発酵を行ったものをそのま
    ま、あるいはこれを含有してなる入浴剤。
  5. 【請求項5】 米糠を抽出するに当たり、その抽出前、
    抽出と同時または抽出後に酵素分解または麹を作用させ
    た後、さらにアルコール発酵を行ったものをそのまま、
    あるいはこれを含有してなる入浴剤。
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