JPH0726209B2 - 黒色皮膜形成方法および処理剤 - Google Patents
黒色皮膜形成方法および処理剤Info
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- JPH0726209B2 JPH0726209B2 JP31054288A JP31054288A JPH0726209B2 JP H0726209 B2 JPH0726209 B2 JP H0726209B2 JP 31054288 A JP31054288 A JP 31054288A JP 31054288 A JP31054288 A JP 31054288A JP H0726209 B2 JPH0726209 B2 JP H0726209B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、各種材料、特に鉄鋼、ステンレス鋼、亜鉛お
よびその合金、アルミニウムおよびその合金、銅および
その合金などで代表される各種の金属(表面がめっきさ
れた材料も含む)およびセラミックス、ガラスなどで代
表される無機質材料などを対象として、それらの表面に
黒色皮膜を形成する方法及びこの方法に使用する処理剤
に関するものであって、具体的には、光学機器類、電気
機器類、電子部品、建材などの意匠性が要求される黒色
処理、太陽エネルギーのコレクター材などの吸熱面形
成、エンジンブロックなどの放熱面形成の黒色処理に適
用される。
よびその合金、アルミニウムおよびその合金、銅および
その合金などで代表される各種の金属(表面がめっきさ
れた材料も含む)およびセラミックス、ガラスなどで代
表される無機質材料などを対象として、それらの表面に
黒色皮膜を形成する方法及びこの方法に使用する処理剤
に関するものであって、具体的には、光学機器類、電気
機器類、電子部品、建材などの意匠性が要求される黒色
処理、太陽エネルギーのコレクター材などの吸熱面形
成、エンジンブロックなどの放熱面形成の黒色処理に適
用される。
(従来の技術) 鉄鋼、ステンレス鋼、亜鉛およびその合金、アルミニウ
ムおよびその合金、銅およびその合金などの各種の金属
表面に対する黒色皮膜形成方法は、金属の種類ごとに独
立的に存在し、それぞれ処理液の組成、処理条件などを
異にしているので、多種類の金属を扱う表面処理メーカ
ーにあっては、此等の金属表面を黒色となすためには金
属ごとに処理剤、処理装置などの準備が必要であり、ま
た金属の種類により黒色調が異なるといった問題があ
る。
ムおよびその合金、銅およびその合金などの各種の金属
表面に対する黒色皮膜形成方法は、金属の種類ごとに独
立的に存在し、それぞれ処理液の組成、処理条件などを
異にしているので、多種類の金属を扱う表面処理メーカ
ーにあっては、此等の金属表面を黒色となすためには金
属ごとに処理剤、処理装置などの準備が必要であり、ま
た金属の種類により黒色調が異なるといった問題があ
る。
また、ガラス、セラミックスなどの無機質材料表面を黒
色とする方法としては黒色染料および/または黒色顔料
を含む樹脂液を塗布して焼付ける方法、導電性物質で被
覆したのち黒色めっきするなどの方法があるが、前者は
膜厚が10μm以以上となるのが通例であってこの様な膜
厚は寸法精度の厳しい精密加工部品に対しては適用でき
ない。また、この様な塗布膜は付着性が充分に満足でき
るものではないので適用上大きな制約を受けるといった
問題を有しているのである。他の手段として、例えば非
導電性表面の黒色処理としてその表面を導電性物質で被
覆してから黒色めっきを施す方法などがあるがこの方法
は非能率的でかつ満足し得る黒色度が得にくいといった
問題を有しているのである。
色とする方法としては黒色染料および/または黒色顔料
を含む樹脂液を塗布して焼付ける方法、導電性物質で被
覆したのち黒色めっきするなどの方法があるが、前者は
膜厚が10μm以以上となるのが通例であってこの様な膜
厚は寸法精度の厳しい精密加工部品に対しては適用でき
ない。また、この様な塗布膜は付着性が充分に満足でき
るものではないので適用上大きな制約を受けるといった
問題を有しているのである。他の手段として、例えば非
導電性表面の黒色処理としてその表面を導電性物質で被
覆してから黒色めっきを施す方法などがあるがこの方法
は非能率的でかつ満足し得る黒色度が得にくいといった
問題を有しているのである。
以上説明したごとき各種材料の表面を黒色化する場合の
一般的問題点の対応策としては表面処理液を材料表面に
塗布して焼付け、黒色皮膜化する技術の開発が有望視さ
れるのである。この様な観点から当該技術に関する従来
技術を検討してみると、例えば、本出願人により出願さ
れた特公昭56-33155号(発明の名称:アルミニウムまた
はアルミニウム合金の表面に黒色皮膜を形成する方法)
がある。この出願の特許請求の範囲は「アルミニウムま
たはアルミニウム合金の表面に六価クロム化合物、還元
剤および水溶性樹脂を含有する水溶液を塗布後焼付け
て、皮膜重量が2.5〜5g/m2になるようにしたことを特徴
とするアルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に黒
色皮膜を形成する方法」である。この処理剤はアルミニ
ウムを対象とするものであって、それ以外の表面にには
黒色化の目的を充分に達成せず、例えば不均一、赤褐色
味を帯びた皮膜を形成するといった問題を有している。
一般的問題点の対応策としては表面処理液を材料表面に
塗布して焼付け、黒色皮膜化する技術の開発が有望視さ
れるのである。この様な観点から当該技術に関する従来
技術を検討してみると、例えば、本出願人により出願さ
れた特公昭56-33155号(発明の名称:アルミニウムまた
はアルミニウム合金の表面に黒色皮膜を形成する方法)
がある。この出願の特許請求の範囲は「アルミニウムま
たはアルミニウム合金の表面に六価クロム化合物、還元
剤および水溶性樹脂を含有する水溶液を塗布後焼付け
て、皮膜重量が2.5〜5g/m2になるようにしたことを特徴
とするアルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に黒
色皮膜を形成する方法」である。この処理剤はアルミニ
ウムを対象とするものであって、それ以外の表面にには
黒色化の目的を充分に達成せず、例えば不均一、赤褐色
味を帯びた皮膜を形成するといった問題を有している。
(発明が解決しようとする課題) 前記各種材料表面を対象として当該技術を適用した場合
充分な黒色化が達成されず、具体的には不均一な黒色皮
膜または不均一でかつ暗褐色味を帯びた皮膜が形成され
るといった問題がある。
充分な黒色化が達成されず、具体的には不均一な黒色皮
膜または不均一でかつ暗褐色味を帯びた皮膜が形成され
るといった問題がある。
本発明は、従来技術の抱える問題を解決することに加え
て、各種材料表面に適度にツヤを有し均一でしかも付着
性の優れた黒色調皮膜を形成するものである。
て、各種材料表面に適度にツヤを有し均一でしかも付着
性の優れた黒色調皮膜を形成するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、各種材料の表面に略同様の方法で黒色調
皮膜を形成させる技術を確立するための、技術的手段と
しては塗布焼付によるのが重要との認識に立って先述の
特公昭56-33155号の発明の改良研究を行なった結果、六
価クロム、三価クロム、水系樹脂の三成分系処理液に
鉄、コバルト、ニッケルなどの重金属イオンを配合する
ことによって、アルミニウム系のみに限らず各種金属表
面およびセラミックス、ガラスなどの無機材料表面に塗
布して焼付けることにより黒色調皮膜を形成し得ること
を見出し、この改良処理液を使用しての黒色皮膜の形成
方法を完成するに到った。すなわち、本発明は、表面清
浄な材料表面にて下記組成の水系処理液を焼付けること
を特徴とする材料表面に黒色皮膜を形成する方法であ
る。
皮膜を形成させる技術を確立するための、技術的手段と
しては塗布焼付によるのが重要との認識に立って先述の
特公昭56-33155号の発明の改良研究を行なった結果、六
価クロム、三価クロム、水系樹脂の三成分系処理液に
鉄、コバルト、ニッケルなどの重金属イオンを配合する
ことによって、アルミニウム系のみに限らず各種金属表
面およびセラミックス、ガラスなどの無機材料表面に塗
布して焼付けることにより黒色調皮膜を形成し得ること
を見出し、この改良処理液を使用しての黒色皮膜の形成
方法を完成するに到った。すなわち、本発明は、表面清
浄な材料表面にて下記組成の水系処理液を焼付けること
を特徴とする材料表面に黒色皮膜を形成する方法であ
る。
水系処理液の組成 Cr6+ 30〜150g/l Cr3+ 20〜100g/l Cr6+/Cr3+5/1〜1/1(重量比) Fe、Co、Niの各化合物から選ばれる1種または2種以上
の金属の化合物を(金属イオンとして) 0.5〜50g/l 有機高分子樹脂エマルジョン (固形分として) 5〜200g/l 本発明に使用する水系処理液に関して説明する。先づ、
Cr6+は無水クロム酸によって供給され、そのイオン濃度
は30〜150g/l、より好ましくは50〜120g/lである。しか
しながらこの濃度は他の成分から独立して決められるの
ではなくCr6+/Cr3+の重量比(以下、クロム比と呼称す
る)を5/1〜1/1に保つようにCr3+濃度と関連づけられ
る。Cr6+の濃度が30g/l未満では黒色化が不完全で、褐
色調皮膜となり易く、逆に150g/lを超えると有機高分子
樹脂エマルジョンがゲル化する恐れがあるので何れの場
合も好ましくない。
の金属の化合物を(金属イオンとして) 0.5〜50g/l 有機高分子樹脂エマルジョン (固形分として) 5〜200g/l 本発明に使用する水系処理液に関して説明する。先づ、
Cr6+は無水クロム酸によって供給され、そのイオン濃度
は30〜150g/l、より好ましくは50〜120g/lである。しか
しながらこの濃度は他の成分から独立して決められるの
ではなくCr6+/Cr3+の重量比(以下、クロム比と呼称す
る)を5/1〜1/1に保つようにCr3+濃度と関連づけられ
る。Cr6+の濃度が30g/l未満では黒色化が不完全で、褐
色調皮膜となり易く、逆に150g/lを超えると有機高分子
樹脂エマルジョンがゲル化する恐れがあるので何れの場
合も好ましくない。
次にCr3+の濃度は20〜100g/l、より好ましくは30〜80g/
lであって、Cr3+の濃度は前述のクロム比の特定によっ
てCr6+濃度との関連によって律せられる。クロム比が5/
1超ではCr6+の濃度が高くなるので水系処理液に配合さ
れる樹脂をゲル化し易くし塗布膜の機能を著しく低下さ
せる。また逆にクロム比が1/1未満のときは水系処理液
中のCr3+の濃度が高くなりクロムが沈殿しやすくなり、
かつ、この処理液から形成される皮膜の密着性が劣るの
で何れの場合も好ましくない。
lであって、Cr3+の濃度は前述のクロム比の特定によっ
てCr6+濃度との関連によって律せられる。クロム比が5/
1超ではCr6+の濃度が高くなるので水系処理液に配合さ
れる樹脂をゲル化し易くし塗布膜の機能を著しく低下さ
せる。また逆にクロム比が1/1未満のときは水系処理液
中のCr3+の濃度が高くなりクロムが沈殿しやすくなり、
かつ、この処理液から形成される皮膜の密着性が劣るの
で何れの場合も好ましくない。
以上の様にクロムの濃度を特定した範囲内とするために
は計算量の無水クロム酸を所定量の水に溶解したのち、
計算量の還元剤好ましくは一価アルコール(例えばメチ
ルアルコールまたはエチルアルコール)、二価アルコー
ル(例えばエチレングリコールまたはポリエチレングリ
コール)もしくはオキシカルボン酸(例えばしゅう酸、
くえん酸、こはく酸などの有機酸)から任意に選んだ有
機系の還元剤を加えるとよい。かくして、処理液のクロ
ム比を任意に保持することができる。
は計算量の無水クロム酸を所定量の水に溶解したのち、
計算量の還元剤好ましくは一価アルコール(例えばメチ
ルアルコールまたはエチルアルコール)、二価アルコー
ル(例えばエチレングリコールまたはポリエチレングリ
コール)もしくはオキシカルボン酸(例えばしゅう酸、
くえん酸、こはく酸などの有機酸)から任意に選んだ有
機系の還元剤を加えるとよい。かくして、処理液のクロ
ム比を任意に保持することができる。
次に水系処理液に加えられるFe、Co、Niの各化合物は好
ましくは水酸化物、炭酸塩もしくは硝酸塩から任意に1
種または2種以上選んで加えることができる。この場合
に加えられる金属の原子価を問うものではなく、例えば
鉄化合物の場合は2価、3価何れでもよい。此等の化合
物の添加量は金属イオンとして0.5〜50g/l、より好まし
くは2〜40g/lの範囲である。化合物の添加量が2g/l未
満では水系処理液の塗布焼付後に形成される黒色皮膜の
均一性に劣り、逆に化合物添加量が50g/lを越えても添
加効果が向上せず処理液を高価にするのみであるので何
れにしても好ましくない。
ましくは水酸化物、炭酸塩もしくは硝酸塩から任意に1
種または2種以上選んで加えることができる。この場合
に加えられる金属の原子価を問うものではなく、例えば
鉄化合物の場合は2価、3価何れでもよい。此等の化合
物の添加量は金属イオンとして0.5〜50g/l、より好まし
くは2〜40g/lの範囲である。化合物の添加量が2g/l未
満では水系処理液の塗布焼付後に形成される黒色皮膜の
均一性に劣り、逆に化合物添加量が50g/lを越えても添
加効果が向上せず処理液を高価にするのみであるので何
れにしても好ましくない。
最後に本発明の水系処理液に加えられる有機高分子樹脂
エマルジョンは好ましくはアクリル系、酢酸ビニル系、
スチレン系、フェノール系などを挙げることができる
が、より好ましくはアクリル系である。この樹脂エマル
ジョンの配合量は固形分として5〜200g/lである。樹脂
エマルジョン配合量が5g/l未満では得られる黒色皮膜の
付着性ならびに金属材料を対象として塗布した場合の耐
食性が低下し、かつ皮膜のツヤが低下するので外観的に
も見劣りする。逆に樹脂配合量が200g/lを超えると黒色
化を阻害して褐色調皮膜を形成し易くしかつ皮膜の耐熱
性を悪くするので何れの場合も好ましくない。有機高分
子樹脂エマルジョンには該樹脂の外に乳化剤が配合され
ているが、この乳化剤は該樹脂の分散性を保持する作用
の外に水系処理液における樹脂のゲル化を抑制する作用
も併せ有するものであって、この様な作用効果と関連し
て水系処理液の均一塗布性に寄与し均一黒色化に間接的
に多少貢献するのである。
エマルジョンは好ましくはアクリル系、酢酸ビニル系、
スチレン系、フェノール系などを挙げることができる
が、より好ましくはアクリル系である。この樹脂エマル
ジョンの配合量は固形分として5〜200g/lである。樹脂
エマルジョン配合量が5g/l未満では得られる黒色皮膜の
付着性ならびに金属材料を対象として塗布した場合の耐
食性が低下し、かつ皮膜のツヤが低下するので外観的に
も見劣りする。逆に樹脂配合量が200g/lを超えると黒色
化を阻害して褐色調皮膜を形成し易くしかつ皮膜の耐熱
性を悪くするので何れの場合も好ましくない。有機高分
子樹脂エマルジョンには該樹脂の外に乳化剤が配合され
ているが、この乳化剤は該樹脂の分散性を保持する作用
の外に水系処理液における樹脂のゲル化を抑制する作用
も併せ有するものであって、この様な作用効果と関連し
て水系処理液の均一塗布性に寄与し均一黒色化に間接的
に多少貢献するのである。
本発明の水系処理液は通常冷暗室に貯蔵されるが、長期
貯蔵により該処理液中の樹脂がゲル化する傾向を示す。
このゲル化は樹脂の種類、Cr6+の濃度、クロム比、液温
などによって左右されるが、この様な現象が顕在化する
前に使用すべく、液の品質管理を必要とするのである。
貯蔵により該処理液中の樹脂がゲル化する傾向を示す。
このゲル化は樹脂の種類、Cr6+の濃度、クロム比、液温
などによって左右されるが、この様な現象が顕在化する
前に使用すべく、液の品質管理を必要とするのである。
上記した水系処理液はそのまま材料表面に均一に塗布し
焼付けることにより各種材料表面に薄く、均一黒色の優
美なそして付着性の優れた皮膜を形成させ得る黒色処理
剤ではあるが、その後の調査検討の結果、この処理剤に
含まれる有機高分子が経時的にゲル化の方向に進行して
処理剤の粘度を上昇させもって均一塗布が不能となると
いった状態に意外と速く到達する場合があることを見出
した。この状態をポットライフ称する。さらに検討した
結果、前記発明の水系処理液はポットライフが一定せ
ず、その組成範囲内において配合を変えることによっ
て、約40℃の環境下におけるポットライフが調製後72時
間以内といった非常に寿命が短い場合があること、そし
て寿命が短いものは沈殿物が析出していることなどを見
出した。その理由について研究した結果、ポットライフ
に影響する要因として黒色処理剤のpHが極めて重要な係
わりを持つこと、そしてpHを多少高めることによってそ
の形成皮膜の品質を損なうことなしにポットライフ延ば
し得ることを見出した。また、pHを高めることによっ
て、ポットライフの安定に伴い、処理液の黒色能力が高
められ、重金属イオンを含まない組成であっても重金属
イオンを含む組成と同等の特性の黒色皮膜の形成が可能
になることが分かった。
焼付けることにより各種材料表面に薄く、均一黒色の優
美なそして付着性の優れた皮膜を形成させ得る黒色処理
剤ではあるが、その後の調査検討の結果、この処理剤に
含まれる有機高分子が経時的にゲル化の方向に進行して
処理剤の粘度を上昇させもって均一塗布が不能となると
いった状態に意外と速く到達する場合があることを見出
した。この状態をポットライフ称する。さらに検討した
結果、前記発明の水系処理液はポットライフが一定せ
ず、その組成範囲内において配合を変えることによっ
て、約40℃の環境下におけるポットライフが調製後72時
間以内といった非常に寿命が短い場合があること、そし
て寿命が短いものは沈殿物が析出していることなどを見
出した。その理由について研究した結果、ポットライフ
に影響する要因として黒色処理剤のpHが極めて重要な係
わりを持つこと、そしてpHを多少高めることによってそ
の形成皮膜の品質を損なうことなしにポットライフ延ば
し得ることを見出した。また、pHを高めることによっ
て、ポットライフの安定に伴い、処理液の黒色能力が高
められ、重金属イオンを含まない組成であっても重金属
イオンを含む組成と同等の特性の黒色皮膜の形成が可能
になることが分かった。
すなわち、水系処理液の処理液のpHを1.5〜3.0に調節し
たものは約40℃付近の環境下において72時間以上ゲル化
現象が起こりにくく従ってポットライフが72時間以上を
示し、特にpH2.0〜3.0の範囲内のものは240時間以上の
ポットライフを示すことを見出したのである。
たものは約40℃付近の環境下において72時間以上ゲル化
現象が起こりにくく従ってポットライフが72時間以上を
示し、特にpH2.0〜3.0の範囲内のものは240時間以上の
ポットライフを示すことを見出したのである。
かかる知見の基づく黒色処理剤は、Cr6+の30〜150g/l
と、Cr3+の20〜100g/lと、有機高分子樹脂エマルジョン
の固形分として5〜200g/lとを含みかつクロム比が1〜
5の範囲の水系処理剤のpHを1.5〜3.0としたことを特徴
とする。
と、Cr3+の20〜100g/lと、有機高分子樹脂エマルジョン
の固形分として5〜200g/lとを含みかつクロム比が1〜
5の範囲の水系処理剤のpHを1.5〜3.0としたことを特徴
とする。
次に本発明者は、更に検討を進めた結果、Fe,Zn,Co,Ni,
Mn,Mo,W,As,Sb,Bi,Sn,Pb,Ge,Ti,Zr,Al等の金属の炭酸塩
および水酸化物から選ばれる化合物の1種または2種以
上を金属イオンとして0.05〜0.5Mol/l(処理剤)加えて
該水系処理剤のpHを1.5〜3.0とすることにより、この処
理剤の液寿命が少なくとも72時間以上安定すると共に、
この処理剤を塗布焼付けして形成された皮膜は上記pH制
御処理剤と同様に薄く(乾燥膜厚0.5〜4μm)均一で
かつ付着性の優れた黒色優美な皮膜を形成させることが
できるのに加え、さらに黒色皮膜に導電性をも付与させ
ることもできることを見出したのである。従って、例え
ば金属材料の表面にこの黒色処理剤で黒色優美な皮膜を
形成させた金属材料は黒色皮膜を付けたままで溶接が可
能なのである。
Mn,Mo,W,As,Sb,Bi,Sn,Pb,Ge,Ti,Zr,Al等の金属の炭酸塩
および水酸化物から選ばれる化合物の1種または2種以
上を金属イオンとして0.05〜0.5Mol/l(処理剤)加えて
該水系処理剤のpHを1.5〜3.0とすることにより、この処
理剤の液寿命が少なくとも72時間以上安定すると共に、
この処理剤を塗布焼付けして形成された皮膜は上記pH制
御処理剤と同様に薄く(乾燥膜厚0.5〜4μm)均一で
かつ付着性の優れた黒色優美な皮膜を形成させることが
できるのに加え、さらに黒色皮膜に導電性をも付与させ
ることもできることを見出したのである。従って、例え
ば金属材料の表面にこの黒色処理剤で黒色優美な皮膜を
形成させた金属材料は黒色皮膜を付けたままで溶接が可
能なのである。
即ちこの発明は、Cr6+の30〜150g/lと、Cr3+の20〜100g
/lと、有機高分子樹脂エマルジョンの固形分として5〜
200g/lとを含み、かつ、クロム比が1〜5の範囲にある
水系処理剤にFe,Zn,Co,Ni,Mn,Mo,W,As、Sb,Bi,Sn,Pb,G
e,Ti,Zr,Al等の金属の炭酸塩および水酸化物から選ばれ
る化合物の1種または2種以上を金属イオンとして0.05
〜0.5Mol/l加えて該水系処理剤のpHを1.5〜3.0としたこ
とを特徴とする黒色処理剤である。
/lと、有機高分子樹脂エマルジョンの固形分として5〜
200g/lとを含み、かつ、クロム比が1〜5の範囲にある
水系処理剤にFe,Zn,Co,Ni,Mn,Mo,W,As、Sb,Bi,Sn,Pb,G
e,Ti,Zr,Al等の金属の炭酸塩および水酸化物から選ばれ
る化合物の1種または2種以上を金属イオンとして0.05
〜0.5Mol/l加えて該水系処理剤のpHを1.5〜3.0としたこ
とを特徴とする黒色処理剤である。
尚、pHを制御した本発明の実施によって得られる黒色皮
膜は以上述べた品質に加えて、充分に実用に供し得る耐
変色性と耐熱性とを示し、被処理材料が鋼板、亜鉛めっ
き鋼板、アルミ系などの場合にはさらにかなりの耐食性
をも付与するのである。
膜は以上述べた品質に加えて、充分に実用に供し得る耐
変色性と耐熱性とを示し、被処理材料が鋼板、亜鉛めっ
き鋼板、アルミ系などの場合にはさらにかなりの耐食性
をも付与するのである。
以下、pH制御した本発明の黒色処理剤の構成を説明す
る。
る。
本発明の黒色処理剤の中心成分であるクロムイオンは6
価と3価とを含むものであってCr6+は無水クロム酸によ
って供給される。Cr6+の濃度は30〜150g/l(黒色処理剤
以下同じ)であり、より好ましくは、50〜120g/lであ
る。また主としてCr6+の還元によって存在するCr3+の濃
度は20〜100g/l、より好ましくは30〜80g/lであって、
かつクロム比(Cr6+/Cr3+の重量比)が1〜5より好ま
しくは2〜4の範囲においてそれぞれのクロムイオンが
存在することが重要である。
価と3価とを含むものであってCr6+は無水クロム酸によ
って供給される。Cr6+の濃度は30〜150g/l(黒色処理剤
以下同じ)であり、より好ましくは、50〜120g/lであ
る。また主としてCr6+の還元によって存在するCr3+の濃
度は20〜100g/l、より好ましくは30〜80g/lであって、
かつクロム比(Cr6+/Cr3+の重量比)が1〜5より好ま
しくは2〜4の範囲においてそれぞれのクロムイオンが
存在することが重要である。
Cr6+の濃度が30g/l未満では黒色化が不完全で褐色調皮
膜となり易く、逆に150g/l超では黒色処理剤中に含む有
機高分子樹脂エマルジョンのゲル化が進行し易いので何
れの場合も好ましくない。
膜となり易く、逆に150g/l超では黒色処理剤中に含む有
機高分子樹脂エマルジョンのゲル化が進行し易いので何
れの場合も好ましくない。
次に、クロム比が5を超えるとCr3+に対するCr6+の濃度
が高くなるので前述の様なゲル化現象が起こり易く、こ
の様な現象の現われ始めた黒色処理剤を塗布したときに
均一塗布が不可能となり塗布膜の機能も著しく低下す
る。
が高くなるので前述の様なゲル化現象が起こり易く、こ
の様な現象の現われ始めた黒色処理剤を塗布したときに
均一塗布が不可能となり塗布膜の機能も著しく低下す
る。
また、逆にクロム比が1未満のときは黒色処理剤中のCr
3+濃度が高くなってCr3+が沈殿し易くなりかつ皮膜の密
着性が低下するので何れの場合も好ましくない。
3+濃度が高くなってCr3+が沈殿し易くなりかつ皮膜の密
着性が低下するので何れの場合も好ましくない。
以上の様なCr6+の量との関連からCr3+の量は前記の様な
範囲に律せられるのである。
範囲に律せられるのである。
以上の様な関連においてクロムイオン濃度を保持する適
切な手段としては、黒色処理剤の製造において先ずCr6+
のあらかじめ定められる濃度(30〜150g/lの範囲内、特
に50〜120g/lの範囲内の任意の濃度)よりも余剰となる
ようにCrO3を水に溶かし、その中に計算量の還元剤を加
えてCr6+を部分還元し、Cr6+とCr3+の濃度およびクロム
比をそれぞれ好ましい範囲内に保つようにする。還元剤
としては、好ましくは、一価アルコール、例えばメチル
アルコールまたはエチルアルコール、2価アルコール、
例えばエチレングリコールまたはポリエチレングリコー
ルもしくはオキシカルボン酸例えば酸、くえん酸、こ
はく酸などの有機酸などが挙げられ、これらの化合物か
ら任意に選んで適用することができる。次に黒色処理剤
に配合される有機高分子樹脂エマルジョンは、アクリル
系、酢酸ビニル系、スチレン系、フェノール系などが挙
げられ、それ等の中でアクリル系が特に好ましい。
切な手段としては、黒色処理剤の製造において先ずCr6+
のあらかじめ定められる濃度(30〜150g/lの範囲内、特
に50〜120g/lの範囲内の任意の濃度)よりも余剰となる
ようにCrO3を水に溶かし、その中に計算量の還元剤を加
えてCr6+を部分還元し、Cr6+とCr3+の濃度およびクロム
比をそれぞれ好ましい範囲内に保つようにする。還元剤
としては、好ましくは、一価アルコール、例えばメチル
アルコールまたはエチルアルコール、2価アルコール、
例えばエチレングリコールまたはポリエチレングリコー
ルもしくはオキシカルボン酸例えば酸、くえん酸、こ
はく酸などの有機酸などが挙げられ、これらの化合物か
ら任意に選んで適用することができる。次に黒色処理剤
に配合される有機高分子樹脂エマルジョンは、アクリル
系、酢酸ビニル系、スチレン系、フェノール系などが挙
げられ、それ等の中でアクリル系が特に好ましい。
この樹脂エマルジョンの濃度は固形分として5〜200g/l
であり、5g/l未満では形成される黒色皮膜の付着性とつ
やが低下し外観的にも見劣りする。また鋼板、亜鉛めっ
き鋼板、アルミなどの金属材料を対象として皮膜を形成
させたときはさらに耐食性が低下するので好ましくな
い。逆に、樹脂エマルジョンの濃度が逆に200g/l超で
は、皮膜の黒色化を阻害して暗褐色皮膜となり易くかつ
耐熱性も悪くなるので好ましくない。
であり、5g/l未満では形成される黒色皮膜の付着性とつ
やが低下し外観的にも見劣りする。また鋼板、亜鉛めっ
き鋼板、アルミなどの金属材料を対象として皮膜を形成
させたときはさらに耐食性が低下するので好ましくな
い。逆に、樹脂エマルジョンの濃度が逆に200g/l超で
は、皮膜の黒色化を阻害して暗褐色皮膜となり易くかつ
耐熱性も悪くなるので好ましくない。
市販されている有機高分子樹脂エマルジョンは通常乳化
剤が配合されているが、これは樹脂の水分散性を保持す
る作用の外に樹脂のゲル化を抑制する作用を多少有して
いることから、黒色処理剤の均一塗布性に多少貢献する
ものであるが、このゲル化抑制作用効果と樹脂そのもの
が有する分散性が黒色処理剤のpHによって大きく左右さ
れる。
剤が配合されているが、これは樹脂の水分散性を保持す
る作用の外に樹脂のゲル化を抑制する作用を多少有して
いることから、黒色処理剤の均一塗布性に多少貢献する
ものであるが、このゲル化抑制作用効果と樹脂そのもの
が有する分散性が黒色処理剤のpHによって大きく左右さ
れる。
pHが1.5未満では有機高分子樹脂のゲル化の進行が速く
黒色処理剤を調製したのち24時間以内に黒色処理剤がゼ
リー状になってしまい、良好な塗布ができなくなってし
まうのである。また、このようにゲル化した有機高分子
樹脂を含む黒色処理剤を塗布焼き付けすると、黒色度、
密着性が不充分になってしまう。
黒色処理剤を調製したのち24時間以内に黒色処理剤がゼ
リー状になってしまい、良好な塗布ができなくなってし
まうのである。また、このようにゲル化した有機高分子
樹脂を含む黒色処理剤を塗布焼き付けすると、黒色度、
密着性が不充分になってしまう。
逆にpHが3.0よりも高くなると樹脂のゲル化は起こりに
くいが、金属塩が析出し易くなるので皮膜品質が低下す
る。黒色処理剤のpHを1.5〜3.0の範囲内とするにはアル
カリ金属、アルカリ土金属およびアンモニアの水酸化物
および炭酸塩から選ばれるアルカリ化合物の1種または
2種以上を任意に選んで該処理剤に添加するとよい。好
ましいものとしてたとえばNa2CO3,(NH4)2CO3,MgCO3,CaC
O3,NaOH,NH4OH,などがある。
くいが、金属塩が析出し易くなるので皮膜品質が低下す
る。黒色処理剤のpHを1.5〜3.0の範囲内とするにはアル
カリ金属、アルカリ土金属およびアンモニアの水酸化物
および炭酸塩から選ばれるアルカリ化合物の1種または
2種以上を任意に選んで該処理剤に添加するとよい。好
ましいものとしてたとえばNa2CO3,(NH4)2CO3,MgCO3,CaC
O3,NaOH,NH4OH,などがある。
かくして黒色処理剤は調製後少なくとも72時間、pH1.8
以上では少なくとも120時間ゲル化を抑制することがで
きるので黒色処理作業に適応し得るポットライフを保つ
ことができる。
以上では少なくとも120時間ゲル化を抑制することがで
きるので黒色処理作業に適応し得るポットライフを保つ
ことができる。
次に、本発明者等は、さらに検討を進めた結果、前記ア
ルカリ化合物の代わりにFe,Zn,Co,Ni,Mn,Mo,W,As,Sb,B
i,Sn,Ge,Ti,ZrおよびAlの炭酸塩および水酸化物から選
ばれる1種または2種以上を配合して黒色処理剤のpHを
少なくとも1.5以上3.0までの範囲内とすることにより、
ポットライフを少なくとも72時間以上とすることができ
ると共に品質的に優れた黒色皮膜を形成させることがで
きかつ皮膜に導電性を付与し得ることを見出した。
ルカリ化合物の代わりにFe,Zn,Co,Ni,Mn,Mo,W,As,Sb,B
i,Sn,Ge,Ti,ZrおよびAlの炭酸塩および水酸化物から選
ばれる1種または2種以上を配合して黒色処理剤のpHを
少なくとも1.5以上3.0までの範囲内とすることにより、
ポットライフを少なくとも72時間以上とすることができ
ると共に品質的に優れた黒色皮膜を形成させることがで
きかつ皮膜に導電性を付与し得ることを見出した。
従って、例えば鋼板、亜鉛めっき鋼板などにこの黒色処
理剤で黒色皮膜を形成させたのちにスポット溶接を可能
ならしめるなどの効果を付与するのである。
理剤で黒色皮膜を形成させたのちにスポット溶接を可能
ならしめるなどの効果を付与するのである。
本発明の水系処理液は表面清浄な材料表面にて焼付され
る。この清浄手段としてはトリクレンなどによる蒸気洗
浄またはアルカリ洗浄などにより行なわれるが、此等の
手段を問うものではない。また処理される材料としては
本発明においては特定するものではなく、後述の焼付処
理に耐える耐熱性を有すればよい。具体的には鉄鋼、ス
テンレス鋼、アルミニウムおよびその合金、亜鉛および
その合金、銅およびその合金などの金属材料、各種めっ
き材(各種めっき及び/又は化成処理がなされた金属お
よび非金属材料)、セラミックス、ガラスなどの無機質
材料であって此等の表面を対象として黒色化することが
できる。次に、塗布法としてはロールコート法、浸漬
法、スプレー法何れの方法も任意に適用できるが、要は
処理液が均一に材料面に存在する様な工夫を必要とす
る。エアブロー、エアーナイフ、スクウィージング(sq
ueezing)などの何れかの手段で余剰の液を除外すると
いった技法を併用することが通常必要となる。以上の塗
布された材料は速かに焼付けられるが焼付は具体的には
100〜350℃の炉内温度で5秒〜10分間行なわれる。此等
の条件は材料の種類、形状、厚さ、塗布量、水系処理液
中の樹脂の濃度などによって左右されるので予め実験的
に決定される。焼付によって得られる皮膜量は特定する
ものではないが2.5〜10g/m2または厚さにして0.5〜4μ
の範囲が好ましい。従って、予め塗布量の望ましい範囲
を決めておくのが望ましい。
る。この清浄手段としてはトリクレンなどによる蒸気洗
浄またはアルカリ洗浄などにより行なわれるが、此等の
手段を問うものではない。また処理される材料としては
本発明においては特定するものではなく、後述の焼付処
理に耐える耐熱性を有すればよい。具体的には鉄鋼、ス
テンレス鋼、アルミニウムおよびその合金、亜鉛および
その合金、銅およびその合金などの金属材料、各種めっ
き材(各種めっき及び/又は化成処理がなされた金属お
よび非金属材料)、セラミックス、ガラスなどの無機質
材料であって此等の表面を対象として黒色化することが
できる。次に、塗布法としてはロールコート法、浸漬
法、スプレー法何れの方法も任意に適用できるが、要は
処理液が均一に材料面に存在する様な工夫を必要とす
る。エアブロー、エアーナイフ、スクウィージング(sq
ueezing)などの何れかの手段で余剰の液を除外すると
いった技法を併用することが通常必要となる。以上の塗
布された材料は速かに焼付けられるが焼付は具体的には
100〜350℃の炉内温度で5秒〜10分間行なわれる。此等
の条件は材料の種類、形状、厚さ、塗布量、水系処理液
中の樹脂の濃度などによって左右されるので予め実験的
に決定される。焼付によって得られる皮膜量は特定する
ものではないが2.5〜10g/m2または厚さにして0.5〜4μ
の範囲が好ましい。従って、予め塗布量の望ましい範囲
を決めておくのが望ましい。
前記の乾燥条件は材料表面への焼付けと黒色化の目的を
達成させるよう選定される。焼付条件が甘くなると皮膜
の黒色化の不完全、付着性の低下さらには金属材料を対
象として塗布した場合の耐食性の低下などが生ずるので
ある。逆に焼付温度を350℃よりも極端に高くすると、
変色の問題が起こる。すなわち本発明の方法で形成され
る黒色皮膜は300℃の雰囲気温度に1時間曝す程度では
変色しないが、500℃では1時間で変色して緑色味を帯
びるようになり、変色の問題が起こり得るのでその様な
高温焼付けは回避されなければならない。
達成させるよう選定される。焼付条件が甘くなると皮膜
の黒色化の不完全、付着性の低下さらには金属材料を対
象として塗布した場合の耐食性の低下などが生ずるので
ある。逆に焼付温度を350℃よりも極端に高くすると、
変色の問題が起こる。すなわち本発明の方法で形成され
る黒色皮膜は300℃の雰囲気温度に1時間曝す程度では
変色しないが、500℃では1時間で変色して緑色味を帯
びるようになり、変色の問題が起こり得るのでその様な
高温焼付けは回避されなければならない。
(作用) 皮膜の黒色化の作用機構は未だ充分に解明することはで
きないが、焼付乾燥の過程で黒色化が行なわれるもので
あって、黒色処理材中のCr6+が被処理材の表面と化学反
応するかまたは有機高分子樹脂と化学反応するかまたは
双方の反応によりCr3+の存在と共に複雑な架橋結合体を
皮膜中に構成して、その立体構造が各波長の光を吸収し
て均一で深みのある美麗な黒色調を示すものと考えられ
る。Fe,Co,Niなどの重金属イオンは樹脂と3価クロムと
共に複雑な架橋結合体を構成し、その立体構造が均一で
深みのある黒色調をもたらすものと考えられるが、まだ
その解明をなすには至っていない。Fe,Co,Niから選ばれ
る金属イオンを含まない場合は、pHを適切に選択、すな
わち1.5〜3.0の範囲内とすることにより、処理剤中の有
機高分子樹脂のゲル化を抑制するので、それだけゲル化
に伴う黒色化反応への妨害要因を除外することができ
る。
きないが、焼付乾燥の過程で黒色化が行なわれるもので
あって、黒色処理材中のCr6+が被処理材の表面と化学反
応するかまたは有機高分子樹脂と化学反応するかまたは
双方の反応によりCr3+の存在と共に複雑な架橋結合体を
皮膜中に構成して、その立体構造が各波長の光を吸収し
て均一で深みのある美麗な黒色調を示すものと考えられ
る。Fe,Co,Niなどの重金属イオンは樹脂と3価クロムと
共に複雑な架橋結合体を構成し、その立体構造が均一で
深みのある黒色調をもたらすものと考えられるが、まだ
その解明をなすには至っていない。Fe,Co,Niから選ばれ
る金属イオンを含まない場合は、pHを適切に選択、すな
わち1.5〜3.0の範囲内とすることにより、処理剤中の有
機高分子樹脂のゲル化を抑制するので、それだけゲル化
に伴う黒色化反応への妨害要因を除外することができ
る。
本発明の黒色処理剤で形成された黒色皮膜の耐熱性は約
300℃の雰囲気温度に1時間曝しても変色せず、約500℃
では1時間で緑色味を帯びるという優れたものであり、
太陽熱コレクターなどへ応用した場合に優れた特性を長
期に持続して保持できるものである。
300℃の雰囲気温度に1時間曝しても変色せず、約500℃
では1時間で緑色味を帯びるという優れたものであり、
太陽熱コレクターなどへ応用した場合に優れた特性を長
期に持続して保持できるものである。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
(実施例) その1 1.水系処理液の製造例 (1) クロム含有溶液 CrO3粉末350gを水に溶解して全量を800gとする。次にエ
チルアルコール30gを水に溶かして全量を150gとし、こ
れを前記800gのCrO3水溶液に添加する。更に、これに炭
酸ニッケル(Ni含有率=35%)40gを添加した後、この
溶液を80℃で2時間加熱し続けて常温に冷却した後、水
を加えて全量を1kgにする。
チルアルコール30gを水に溶かして全量を150gとし、こ
れを前記800gのCrO3水溶液に添加する。更に、これに炭
酸ニッケル(Ni含有率=35%)40gを添加した後、この
溶液を80℃で2時間加熱し続けて常温に冷却した後、水
を加えて全量を1kgにする。
(2) 黒色処理液 (1)で得られたクロム溶液中に30%固形分アクリル系
高分子樹脂エマルジョンを100g投入し撹拌する。続いて
水を加えて全量を1とする。
高分子樹脂エマルジョンを100g投入し撹拌する。続いて
水を加えて全量を1とする。
上記製造法により得られた水系処理液の組成を表1に示
す。
す。
(イ) 材料と工程は次のとおりである。
1) 供試試料 7cm×15cm 板厚 0.2〜2.0mm 2) 素材 アルミニウム:A1100 鉄 :SPCC ステンレス :SUS−304 銅 :純度99%の電気銅 Znメッキ :電気亜鉛メッキ鋼材 ガラス :耐熱ガラス 3) 表面洗浄工程 [A] 錆がない場合 トリクレン等による蒸気洗浄 アルカリ樹脂→水洗 ショット等による研摩 [B] 錆がある場合 トリクレン等による蒸気洗浄→酸洗(硝酸
・硫酸等)→水洗 アルカリ脱脂→水洗→酸洗→水洗 ショット等による研摩→酸洗→水洗 4) 塗布焼付工程 黒色処理液塗布(ディップ、スプレー、ロール)等によ
り瞬時以上の時間で塗布)→焼付乾燥(100〜350℃、5
秒〜10分) 平均膜厚2.4μ (ロ) 試験方法は次のとおりである。
・硫酸等)→水洗 アルカリ脱脂→水洗→酸洗→水洗 ショット等による研摩→酸洗→水洗 4) 塗布焼付工程 黒色処理液塗布(ディップ、スプレー、ロール)等によ
り瞬時以上の時間で塗布)→焼付乾燥(100〜350℃、5
秒〜10分) 平均膜厚2.4μ (ロ) 試験方法は次のとおりである。
1) 外観(黒色度均一性) 黒色度計によるW値1 15未満=黒色 ……◎ 15以上20未満=黒褐色 ……△ 20以上=褐色〜黄色 ……× 均一性 W値の標準偏差 3未満=均一 ……◎ 3以上5未満=少しムラあり ……△ 5以上=ムラ大 ……× 2) 変色性 湿潤試験を50±1℃、湿度95%以上の条件にて72
時間行ない、その後の外観を評価する。
時間行ない、その後の外観を評価する。
◎:異常ナシ ○:面積比5%未満変色 △:面積比5〜20%未満変色 ×:面積比20%以上変色 3) 耐熱性 炉温300℃の炉内に試験片を1時間放置後の外観
を評価する。
を評価する。
◎:異常ナシ △:W値(黒色度)15〜20の黒緑色 ×:W値(黒色度)20以上の黒緑色 4) 耐食性 JIS-Z-2371に拠る塩水噴霧試験(クロスカットなし)を
行ない、外観で錆、フクレが全く認められない時間を測
定する。
行ない、外観で錆、フクレが全く認められない時間を測
定する。
時間数値が大なほど耐食性は優れ、時間数値が小なほど
耐食性は劣る。
耐食性は劣る。
5) 密着性 1m/m角ゴバン目100個をセロテープにて圧着し、剥離後
の残存目数を数える。試験結果を表2に示す。
の残存目数を数える。試験結果を表2に示す。
その2 1.被処理材 1) 種類と材質 種類 材質 アルミニウム:A1100 鉄 :SPCC ステンレス :SUS-304 銅 :純度99% Znメッキ :電気亜鉛メッキ材 ガラス :耐熱ガラス 2) 寸法 7cm×15cm 板厚 0.2〜2.0mm 2.前処理 弱アルカリ洗浄 [ファインクリーナー 4328A(日本パーカライジング
(株)製)20g/l,50±2℃ 2分スプレー] 水洗 常温 15秒 水洗 常温 15秒 3.黒色処理剤の組成と処理条件 1) 組成−表3に示す。
(株)製)20g/l,50±2℃ 2分スプレー] 水洗 常温 15秒 水洗 常温 15秒 3.黒色処理剤の組成と処理条件 1) 組成−表3に示す。
2) 黒色処理条件:その1と同じ 4.試験方法: 1) 外観 黒色度計によるW値 黒色度(ホワイト値)および均一性(その1と
同じ) 2) 変色性:その1と同じ 3) 耐熱性:その1と同じ 4) 耐食性:その1と同じ 5) 密着性:その1と同じ 5.試験結果を表4に示す。
同じ) 2) 変色性:その1と同じ 3) 耐熱性:その1と同じ 4) 耐食性:その1と同じ 5) 密着性:その1と同じ 5.試験結果を表4に示す。
その3 ポットライフの試験 その2の処理液1〜15および下記処理液につきポットラ
イフを試験した。
イフを試験した。
ポットライフ時間の測定は次の様に行なわれた。有機高
分子樹脂エマルジョン添加直後の黒色処理剤を直ちに恒
温槽にて40±1℃に加熱する。約40℃になったときに直
ちにBL型アダプターを用いて60rpmで該黒色処理剤の粘
度を測定する(粘度A)。次に黒色処理剤を40±1℃に
維持しながら前記と同様の測定手段にて黒色処理剤の粘
度を適宜測定する(粘度B)。
分子樹脂エマルジョン添加直後の黒色処理剤を直ちに恒
温槽にて40±1℃に加熱する。約40℃になったときに直
ちにBL型アダプターを用いて60rpmで該黒色処理剤の粘
度を測定する(粘度A)。次に黒色処理剤を40±1℃に
維持しながら前記と同様の測定手段にて黒色処理剤の粘
度を適宜測定する(粘度B)。
この様にして高分子樹脂エマルジョンのゲル化の進行に
より黒色処理剤の粘度が経時的に上昇する度合をチェッ
クする。粘度Bが粘度Aよりも20±1%上昇した時点、
即ち、黒色処理剤を被処理物に均一に塗布できない時点
をポットライフとし、黒色処理剤を恒温槽に入れてから
ポットライフまでの時間で示す。
より黒色処理剤の粘度が経時的に上昇する度合をチェッ
クする。粘度Bが粘度Aよりも20±1%上昇した時点、
即ち、黒色処理剤を被処理物に均一に塗布できない時点
をポットライフとし、黒色処理剤を恒温槽に入れてから
ポットライフまでの時間で示す。
試験結果を表6に示す。
表5,6において、処理液22から25まではpHが請求項7,8の
発明の範囲未満であり、請求項1の発明の実施例であ
る。これらの処理液ではポットライフ時間は著しく短
く、一方pH値を制御した処理液1〜15においては、ポッ
トライフが長いことが明らかである。
発明の範囲未満であり、請求項1の発明の実施例であ
る。これらの処理液ではポットライフ時間は著しく短
く、一方pH値を制御した処理液1〜15においては、ポッ
トライフが長いことが明らかである。
その4 導電性の比較 1) 被処理材 電気Znめっき鋼板 2) 前処理 その2の2項の通り 3) 黒色処理 (1) 黒色処理剤:その2の処理液No.6,7,8,9,15
(本発明実施例)、16,17(比較例) (2) 処理条件:その1と同じ 4) 導電性の測定法 Core-Plate Enamel Tester(GARDNER ASSOCIATES INC.
製)を用いて黒色処理試験材の黒色皮膜面に21kg/cm2の
接触荷重をかけて0.5Vの電圧をかける。その際に黒色皮
膜を通して流れる直流電流値(アンペア)を読み取る。
(本発明実施例)、16,17(比較例) (2) 処理条件:その1と同じ 4) 導電性の測定法 Core-Plate Enamel Tester(GARDNER ASSOCIATES INC.
製)を用いて黒色処理試験材の黒色皮膜面に21kg/cm2の
接触荷重をかけて0.5Vの電圧をかける。その際に黒色皮
膜を通して流れる直流電流値(アンペア)を読み取る。
電流値が大きい程導電性が優れていることを示す。
試験結果を表7に示す。
(発明の効果) 本発明は、均一で、深みがあり且つ耐熱性、耐食性、密
着性に優れた黒色皮膜を形成するものである。また金属
化合物を水系処理液へ配合することによって、黒色皮膜
の耐熱性と金属材料を対象として塗布した場合の耐食性
が向上する付加的効果がもたらされる。
着性に優れた黒色皮膜を形成するものである。また金属
化合物を水系処理液へ配合することによって、黒色皮膜
の耐熱性と金属材料を対象として塗布した場合の耐食性
が向上する付加的効果がもたらされる。
本発明法により得られる黒色皮膜の色調は均一でかつ深
みがあり、意匠性に優れたものであり、最近需要が多い
黒色外観の電気製品等へ応用された際に従来の着色法に
よるものと、外観品質の面で十分に競合できる。
みがあり、意匠性に優れたものであり、最近需要が多い
黒色外観の電気製品等へ応用された際に従来の着色法に
よるものと、外観品質の面で十分に競合できる。
また、本発明法により得られる黒色皮膜は変色性及び密
着性が優れているために、長期に亘ってすぐれた色調を
維持する。しかも、本発明法は薄膜化が可能であるた
め、コスト面での優位性を有する。
着性が優れているために、長期に亘ってすぐれた色調を
維持する。しかも、本発明法は薄膜化が可能であるた
め、コスト面での優位性を有する。
以上のような特長を有する本発明に係る皮膜は従来皮膜
よりすぐれた総合性能を有すると言える。
よりすぐれた総合性能を有すると言える。
さらに、すぐれた耐食性は特に太陽エネルギーのコレク
タ等の屋外で使用される部材の性質として極めて有益で
ある。また、すぐれた耐熱性は特にエンジンブロック等
の高温にて使用される部品の性質として極めて有益であ
る。
タ等の屋外で使用される部材の性質として極めて有益で
ある。また、すぐれた耐熱性は特にエンジンブロック等
の高温にて使用される部品の性質として極めて有益であ
る。
本発明の黒色処理剤はセラミックス、ガラスなどの無機
質表面に塗布焼付けにより黒色度が強く深味がありかつ
密着性ならびに耐熱性の優れた黒色皮膜を形成し、鉄、
アルミ、亜鉛などの金属表面に対してはさらに耐食性の
優れた黒色皮膜を形成させるなどの数々の効果を付与す
るものである。
質表面に塗布焼付けにより黒色度が強く深味がありかつ
密着性ならびに耐熱性の優れた黒色皮膜を形成し、鉄、
アルミ、亜鉛などの金属表面に対してはさらに耐食性の
優れた黒色皮膜を形成させるなどの数々の効果を付与す
るものである。
さらにpHを制御した処理液はポットライフが長いため
に、比較的長期の貯蔵に耐えるために、取り扱いが容易
になり、また処理液メーカーから供給された1ロットの
製品使用中の性能が安定する。
に、比較的長期の貯蔵に耐えるために、取り扱いが容易
になり、また処理液メーカーから供給された1ロットの
製品使用中の性能が安定する。
Claims (10)
- 【請求項1】清浄な材料表面にて下記組成の水系処理液
を焼付けることを特徴とする材料表面に黒色皮膜形成方
法。 Cr6+: 30〜150g/l Cr3+: 20〜100g/l Cr6+/Cr3+:5/1〜1/1(重量比) Fe、Co、及びNiから選ばれる1種または2種以上の金属
の化合物: (金属イオンとして)0.5〜50g/l 有機高分子樹脂エマルジョン: (固形分として)5〜200g/l - 【請求項2】前記金属の化合物が水酸化物、炭酸塩およ
び硝酸塩の1種または2種以上である請求項1記載の方
法。 - 【請求項3】アクリル系有機高分子樹脂エマルジョンを
含む水系処理液を用いる請求項1または2記載の方法。 - 【請求項4】100〜350℃の炉内温度で5秒〜10分間焼付
けを行なう請求項1から3の何れか1項に記載の方法。 - 【請求項5】2.5〜10g/m2の皮膜重量または0.5〜4μm
の膜厚の黒色皮膜を形成させる請求項1から4の何れか
1項に記載の方法。 - 【請求項6】鉄鋼、ステンレス鋼、アルミニウムおよび
その合金、亜鉛およびその合金、銅およびその合金、こ
れら金属または合金のめっき材、およびセラミック、ガ
ラスなどの無機質材料に黒色皮膜を形成する請求項1か
ら5の何れか1項記載の方法。 - 【請求項7】Cr6+の30〜150g/lと、Cr3+の20〜100g/l
と、有機高分子樹脂エマルジョンの固形分として5〜20
0g/lとを含み、Cr6+/Cr3+重量比(以下クロム比とい
う)が1〜5の範囲にあり、且つpHが1.5〜3.0に調整さ
れた水溶液からなる黒色処理剤。 - 【請求項8】Cr6+の30〜150g/lと、Cr3+の20〜100g/l
と、有機高分子樹脂エマルジョンの固形分として5〜20
0g/lとを含み、かつ、クロム比が1〜5の範囲にある水
溶液に、金属の炭酸塩および水酸化物から選ばれる化合
物の1種または2種以上を金属イオンとして0.05〜0.5M
ol/l加えて該水溶液のpHを1.5〜3.0に調整したことを特
徴とする黒色処理剤。 - 【請求項9】請求項7または8記載の黒色処理剤を金属
に塗布した後、100〜350℃の温度で焼付けて黒色皮膜を
形成させることを特徴とする黒色皮膜形成方法。 - 【請求項10】前記黒色処理剤を調製後72時間以上経過
後塗布を行なう請求項9記載の黒色皮膜形成方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31054288A JPH0726209B2 (ja) | 1988-03-30 | 1988-12-08 | 黒色皮膜形成方法および処理剤 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63-74671 | 1988-03-30 | ||
| JP7467188 | 1988-03-30 | ||
| JP31054288A JPH0726209B2 (ja) | 1988-03-30 | 1988-12-08 | 黒色皮膜形成方法および処理剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01316465A JPH01316465A (ja) | 1989-12-21 |
| JPH0726209B2 true JPH0726209B2 (ja) | 1995-03-22 |
Family
ID=26415853
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31054288A Expired - Lifetime JPH0726209B2 (ja) | 1988-03-30 | 1988-12-08 | 黒色皮膜形成方法および処理剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0726209B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH1060315A (ja) * | 1996-08-14 | 1998-03-03 | Nippon Parkerizing Co Ltd | 亜鉛系めっきを施した鋼材もしくは鋼構造物用の表面処理剤 |
-
1988
- 1988-12-08 JP JP31054288A patent/JPH0726209B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01316465A (ja) | 1989-12-21 |
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