JPH0726211B2 - 溶液電解の電極用表面非晶質合金の活性化処理法 - Google Patents
溶液電解の電極用表面非晶質合金の活性化処理法Info
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- JPH0726211B2 JPH0726211B2 JP23792191A JP23792191A JPH0726211B2 JP H0726211 B2 JPH0726211 B2 JP H0726211B2 JP 23792191 A JP23792191 A JP 23792191A JP 23792191 A JP23792191 A JP 23792191A JP H0726211 B2 JPH0726211 B2 JP H0726211B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば種々の濃度、温
度、pHの塩化ナトリウム水溶液の電解のため電極材料
として好適である非晶質合金の活性化処理法に関するも
のである。
度、pHの塩化ナトリウム水溶液の電解のため電極材料
として好適である非晶質合金の活性化処理法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、チタンなどの耐食性金属上に貴金
属あるいは貴金属酸化物を被覆した電極が塩化ナトリウ
ム水溶液電解のために工業的に用いられている。また、
本発明者らは、同様な目的のための材料として、白金族
非晶質合金を用いる特許第1153531号および同第
1213069号を登録し、また特願昭58−1711
62号として出願した。
属あるいは貴金属酸化物を被覆した電極が塩化ナトリウ
ム水溶液電解のために工業的に用いられている。また、
本発明者らは、同様な目的のための材料として、白金族
非晶質合金を用いる特許第1153531号および同第
1213069号を登録し、また特願昭58−1711
62号として出願した。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】現在工業的に用いら
れている耐食性金属に貴金属を被覆した電極は、例えば
海水中で陽極として用いると剥離しやすく、また耐食性
が低く寿命が短いなどの欠点がある。一方、耐食性金属
上に貴金属酸化物を被覆した電極も、使用中に酸化物が
剥離したり、塩素イオンの酸化と併せて酸素が比較的多
量に発生して、エネルギー効率が低いことなどの欠点が
ある。更に貴金属被覆電極、貴金属酸化物被覆電極、お
よび非晶質白金族合金電極の共通の問題点は高価な貴金
属を主原料とすることである。
れている耐食性金属に貴金属を被覆した電極は、例えば
海水中で陽極として用いると剥離しやすく、また耐食性
が低く寿命が短いなどの欠点がある。一方、耐食性金属
上に貴金属酸化物を被覆した電極も、使用中に酸化物が
剥離したり、塩素イオンの酸化と併せて酸素が比較的多
量に発生して、エネルギー効率が低いことなどの欠点が
ある。更に貴金属被覆電極、貴金属酸化物被覆電極、お
よび非晶質白金族合金電極の共通の問題点は高価な貴金
属を主原料とすることである。
【0004】
【問題を解決するための手段】本考案は、例えば各種塩
化ナトリウム水溶液の電解に陽極として用いた場合、低
い電圧で多量の塩素ガスを発生し、混入する酸素量が低
く、かつ長寿命電極として使用し得るなど、省エネルギ
ー高耐食性電極として優れた性能を備え、しかも高価な
白金族元素濃度が低い非晶質合金の表面活性化処理法を
提供することを目的とするものである。従って、本考案
の技術的構成は下記のとおりである: (1) Nbを25−65原子%とRu,Rh,Pd,Ir
およびPtの群から選ばれた1種または2種以上の元素
0.01−10原子%とを含み、残部は実質的にNiよりな
る溶液電解の電極用非晶質合金において、該電極用非晶
質合金を、Ni及びNbを優先的に溶解させる腐食溶液
に浸漬し、電極活性を担う白金族金属を表面に濃縮させ
ることを特徴とする溶液電解の電極用非晶質合金の活性
化処理方法。 (2) Ti,Zrおよび20原子%未満のTaとの3種の
金属の群から選ばれた1種または2種以上と10原子%
以上のNbとの合計で25−65原子%含み、更にR
u,Rh,Pd,IrおよびPtの群から選ばれた1種
または2種以上の元素0.01−10原子%を含み、残部は
実質的にNiよりなる溶液電解の電極用非晶質合金にお
いて、該電極用非晶質合金を、Ni,Nb,Ta,Ti
及びZrを優先的に溶解させる腐食溶液に浸漬し、電極
活性を担う白金族金属を表面に濃縮させることを特徴と
する溶液電解の電極用非晶質合金の活性化処理方法。 (3) Nbを25−65原子%とRu,Rh,Pd,Ir
およびPtの群から選ばれた1種または2種以上の元素
0.01−10原子%と7原子%以下のPを含み、残部は実
質的にNiよりなる溶液電解の電極用非晶質合金におい
て、該電極用非晶質合金を、Ni及びNbを優先的に溶
解させる腐食溶液に浸漬し、電極活性を担う白金族金属
を表面に濃縮させることを特徴とする溶液電解の電極用
非晶質合金の活性化処理方法及び (4) Ti,Zrおよび20原子%未満のTaとの3種の
金属の群から選ばれた1種または2種以上と10原子%
以上のNbとの合計で25−65原子%含み、更 に、R
u,Rh,Pd,IrおよびPtの群から選ばれた1種
または2種以上の元素0.01−10原子%と7原子%以下
のPを含み、残部は実質的にNiよりなる溶液電解の電
極用非晶質合金において、該電極用非晶質合金を、N
i,Nb,Ta,Ti及びZrを優先的に溶解させる腐
食溶液に浸漬し、電極活性を担う白金族金属を表面に濃
縮させることを特徴とする溶液電解の電極用非晶質合金
の活性化処理方法。
化ナトリウム水溶液の電解に陽極として用いた場合、低
い電圧で多量の塩素ガスを発生し、混入する酸素量が低
く、かつ長寿命電極として使用し得るなど、省エネルギ
ー高耐食性電極として優れた性能を備え、しかも高価な
白金族元素濃度が低い非晶質合金の表面活性化処理法を
提供することを目的とするものである。従って、本考案
の技術的構成は下記のとおりである: (1) Nbを25−65原子%とRu,Rh,Pd,Ir
およびPtの群から選ばれた1種または2種以上の元素
0.01−10原子%とを含み、残部は実質的にNiよりな
る溶液電解の電極用非晶質合金において、該電極用非晶
質合金を、Ni及びNbを優先的に溶解させる腐食溶液
に浸漬し、電極活性を担う白金族金属を表面に濃縮させ
ることを特徴とする溶液電解の電極用非晶質合金の活性
化処理方法。 (2) Ti,Zrおよび20原子%未満のTaとの3種の
金属の群から選ばれた1種または2種以上と10原子%
以上のNbとの合計で25−65原子%含み、更にR
u,Rh,Pd,IrおよびPtの群から選ばれた1種
または2種以上の元素0.01−10原子%を含み、残部は
実質的にNiよりなる溶液電解の電極用非晶質合金にお
いて、該電極用非晶質合金を、Ni,Nb,Ta,Ti
及びZrを優先的に溶解させる腐食溶液に浸漬し、電極
活性を担う白金族金属を表面に濃縮させることを特徴と
する溶液電解の電極用非晶質合金の活性化処理方法。 (3) Nbを25−65原子%とRu,Rh,Pd,Ir
およびPtの群から選ばれた1種または2種以上の元素
0.01−10原子%と7原子%以下のPを含み、残部は実
質的にNiよりなる溶液電解の電極用非晶質合金におい
て、該電極用非晶質合金を、Ni及びNbを優先的に溶
解させる腐食溶液に浸漬し、電極活性を担う白金族金属
を表面に濃縮させることを特徴とする溶液電解の電極用
非晶質合金の活性化処理方法及び (4) Ti,Zrおよび20原子%未満のTaとの3種の
金属の群から選ばれた1種または2種以上と10原子%
以上のNbとの合計で25−65原子%含み、更 に、R
u,Rh,Pd,IrおよびPtの群から選ばれた1種
または2種以上の元素0.01−10原子%と7原子%以下
のPを含み、残部は実質的にNiよりなる溶液電解の電
極用非晶質合金において、該電極用非晶質合金を、N
i,Nb,Ta,Ti及びZrを優先的に溶解させる腐
食溶液に浸漬し、電極活性を担う白金族金属を表面に濃
縮させることを特徴とする溶液電解の電極用非晶質合金
の活性化処理方法。
【0005】通常、合金は固体状態では結晶化している
が、合金組成を限定して溶融状態から超急冷凝固させる
など、固体形成の過程で原子配列に長周期的規則性を形
成させない方法を適用すると、結晶構造を持たず、液体
に類似した非晶質構造が得られ、このような合金を非晶
質合金という。非晶質合金は、従来の実用金属に比べて
著しく高い強度を保有し、かつ組成に応じて異常に高い
耐食性をはじめ種々の特性を示す。
が、合金組成を限定して溶融状態から超急冷凝固させる
など、固体形成の過程で原子配列に長周期的規則性を形
成させない方法を適用すると、結晶構造を持たず、液体
に類似した非晶質構造が得られ、このような合金を非晶
質合金という。非晶質合金は、従来の実用金属に比べて
著しく高い強度を保有し、かつ組成に応じて異常に高い
耐食性をはじめ種々の特性を示す。
【0006】一方、本発明者らの2人は先に特許第11
53531号および第1213069号により白金族金
属と半金属を主成分とする電解用非晶質合金電極材料を
発明して出願し、これらの材料は高温濃厚水溶液の電解
用陽極として使用した場合、塩素ガスの製造には、きわ
めて高い電極触媒活性を示すが、競合する妨害反応であ
る酸素の発生には不活性であって、効率の高い省エネル
ギー材料であると共に高耐食性を備えていることをこれ
らの特許により開示した。
53531号および第1213069号により白金族金
属と半金属を主成分とする電解用非晶質合金電極材料を
発明して出願し、これらの材料は高温濃厚水溶液の電解
用陽極として使用した場合、塩素ガスの製造には、きわ
めて高い電極触媒活性を示すが、競合する妨害反応であ
る酸素の発生には不活性であって、効率の高い省エネル
ギー材料であると共に高耐食性を備えていることをこれ
らの特許により開示した。
【0007】更に、本発明者らは、特願昭58−171
162号により、白金族金属と半金属を主成分とする溶
液電解の電極用表面活性化非晶質合金を発明して出願し
た。これは、優れた電極触媒活性を示す上述の合金に本
発明者らの2人が先に特願昭56−84413号により
出願した非晶質金属表面の活性化方法を適用して作製す
るものである。これは海水程度の濃度で、かつ加熱して
いない希薄NaCl溶液のように塩素発生が困難な溶液
の電解によって塩素を発生し、次亜塩素酸ナトリウムを
製造するための陽極として優れた電極触媒活性を備えた
材料を提供したものである。これらの発明は、それぞれ
優れた特性を備えた電極材料を提供するものであるが、
いずれも主成分が、白金族金属であるために高価であっ
た。
162号により、白金族金属と半金属を主成分とする溶
液電解の電極用表面活性化非晶質合金を発明して出願し
た。これは、優れた電極触媒活性を示す上述の合金に本
発明者らの2人が先に特願昭56−84413号により
出願した非晶質金属表面の活性化方法を適用して作製す
るものである。これは海水程度の濃度で、かつ加熱して
いない希薄NaCl溶液のように塩素発生が困難な溶液
の電解によって塩素を発生し、次亜塩素酸ナトリウムを
製造するための陽極として優れた電極触媒活性を備えた
材料を提供したものである。これらの発明は、それぞれ
優れた特性を備えた電極材料を提供するものであるが、
いずれも主成分が、白金族金属であるために高価であっ
た。
【0008】そこで本発明者らは、更に研究を行った結
果、白金族金属を10原子%以下とし、残部をバルブメ
タルの1種又は2種以上及びNiからなり、場合によっ
ては少量のPを含有する非晶質合金をフッ化水素酸に浸
漬することによって、十分に高い電極触媒活性を保有し
た材料が、高価な白金族元素濃度が低くても得られるこ
とを見出し本発明を達成した。
果、白金族金属を10原子%以下とし、残部をバルブメ
タルの1種又は2種以上及びNiからなり、場合によっ
ては少量のPを含有する非晶質合金をフッ化水素酸に浸
漬することによって、十分に高い電極触媒活性を保有し
た材料が、高価な白金族元素濃度が低くても得られるこ
とを見出し本発明を達成した。
【0009】
【作用】電解用電極としての触媒活性を更に高めるため
には、電気化学的に有効な表面積を増すと共に電極反応
の活性点として作用する白金族金属を表面に集める必要
がある。しかし、Cu−Ti、Cu−Zr、Fe−Zr
等の非晶質合金がフッ化水素酸によってTiまたはZr
が選択溶解するが、Ni−Ta及びNi−Nb等が選択
溶解しないことが知られている。
には、電気化学的に有効な表面積を増すと共に電極反応
の活性点として作用する白金族金属を表面に集める必要
がある。しかし、Cu−Ti、Cu−Zr、Fe−Zr
等の非晶質合金がフッ化水素酸によってTiまたはZr
が選択溶解するが、Ni−Ta及びNi−Nb等が選択
溶解しないことが知られている。
【0010】これに対し、本発明者らは、Ni−バルブ
メタル系合金に白金族金属が加わった場合に、バルブメ
タルを1種または2種以上と白金族金属を1種または2
種以上を含み、実質的に残部がニッケルからなる非晶質
合金をフッ化水素酸に浸漬することによって、ニッケル
及びバルブメタルが選択溶解することを見出した。前記
フッ化水素酸の濃度と温度は、対象となる非晶質合金の
組成に応じて適当に選ぶことができ、市販濃フッ化水素
酸をそのまま使用することもできる。Ni−バルブメタ
ル−白金族金属の非晶質合金をフッ化水素酸に浸漬する
と合金を構成するNiおよびNb,Ta,Ti,Zrの
一部が、優先的に合金表面から均一に溶解し、合金表面
が微細化するため黒色を帯びると共に電極活性を担う白
金族金属が表面に濃縮される。したがって表面活性化処
理は、表面が黒色を帯びた時をもって終了とすればよ
い。なお表面活性化処理を本発明非晶質合金と平均組成
が等しい結晶質合金に適用しても結晶質合金は多相構造
でかつ化合物相を含むため、NiおよびNb,Ta,T
i,Zrなどの溶解が均一に起こりにくいため、表面活
性化処理が有効ではない。これに対し本発明の非晶質合
金は成分元素が均一に分布しているためフッ化水素酸中
にNiおよびNb,Ta,Ti,Zrなどが均一に溶解
し、有効表面積が著しく増大すると共に、電極活性を担
う白金族金属が表面に濃縮され、合金表面全体を十分に
活性化することができる。
メタル系合金に白金族金属が加わった場合に、バルブメ
タルを1種または2種以上と白金族金属を1種または2
種以上を含み、実質的に残部がニッケルからなる非晶質
合金をフッ化水素酸に浸漬することによって、ニッケル
及びバルブメタルが選択溶解することを見出した。前記
フッ化水素酸の濃度と温度は、対象となる非晶質合金の
組成に応じて適当に選ぶことができ、市販濃フッ化水素
酸をそのまま使用することもできる。Ni−バルブメタ
ル−白金族金属の非晶質合金をフッ化水素酸に浸漬する
と合金を構成するNiおよびNb,Ta,Ti,Zrの
一部が、優先的に合金表面から均一に溶解し、合金表面
が微細化するため黒色を帯びると共に電極活性を担う白
金族金属が表面に濃縮される。したがって表面活性化処
理は、表面が黒色を帯びた時をもって終了とすればよ
い。なお表面活性化処理を本発明非晶質合金と平均組成
が等しい結晶質合金に適用しても結晶質合金は多相構造
でかつ化合物相を含むため、NiおよびNb,Ta,T
i,Zrなどの溶解が均一に起こりにくいため、表面活
性化処理が有効ではない。これに対し本発明の非晶質合
金は成分元素が均一に分布しているためフッ化水素酸中
にNiおよびNb,Ta,Ti,Zrなどが均一に溶解
し、有効表面積が著しく増大すると共に、電極活性を担
う白金族金属が表面に濃縮され、合金表面全体を十分に
活性化することができる。
【0011】なお、本発明の活性化処理法に用いる非晶
質合金の作製は、既に広く用いられている種々の方法、
即ち、液体合金を超急冷凝固させる種々の方法、気相を
経て非晶質合金を形成させる種々の方法、イオン注入な
どによって固体表面の長周期構造を破壊すると共に必要
元素を合金化させる方法など非晶質合金を作製するいず
れの方法でもよい。
質合金の作製は、既に広く用いられている種々の方法、
即ち、液体合金を超急冷凝固させる種々の方法、気相を
経て非晶質合金を形成させる種々の方法、イオン注入な
どによって固体表面の長周期構造を破壊すると共に必要
元素を合金化させる方法など非晶質合金を作製するいず
れの方法でもよい。
【0012】実施例1 自家製のリン化ニッケルおよび市販金属を原料として用
い、表1に示す組成となるように原料金属を混合し、ア
ルゴン雰囲気中の高周波誘導加熱により溶融し原料合金
を作製した。これらの合金をアルゴン雰囲気中で再溶融
し、単ロール法を用いて超急冷凝固させることにより、
厚さ0.01〜0.05mm、幅1−5mm、長さ3−
20mの非晶質合金薄板を得た。アモルフアス構造形成
の確認はX線回折により行った。これら合金試料表面を
シリコンカーバイド紙1000番までシクロヘキサン中
で研磨した。これらの合金の耐食性が十分に高いことを
確認するため、これらすべての合金のアノード分極曲線
を30℃の0.5M NaCl溶液中で測定した。図1
に例を示すようにこれらの合金の分極曲線はNi−Nb
系非晶質合金に共通のものであて、ほとんど区別しがた
いほど類似している。これらの合金はいずれも自己不働
態化しており、アノード分極すると、1.0〜1.1V
(SCE)まで2×10-2A−m-2以下の低い不働態保
持電流を示す。更に電位が上ると、ほぼ1.2V(SC
E)附近から、塩素および酸素の発生による電流の上昇
が観察される。
い、表1に示す組成となるように原料金属を混合し、ア
ルゴン雰囲気中の高周波誘導加熱により溶融し原料合金
を作製した。これらの合金をアルゴン雰囲気中で再溶融
し、単ロール法を用いて超急冷凝固させることにより、
厚さ0.01〜0.05mm、幅1−5mm、長さ3−
20mの非晶質合金薄板を得た。アモルフアス構造形成
の確認はX線回折により行った。これら合金試料表面を
シリコンカーバイド紙1000番までシクロヘキサン中
で研磨した。これらの合金の耐食性が十分に高いことを
確認するため、これらすべての合金のアノード分極曲線
を30℃の0.5M NaCl溶液中で測定した。図1
に例を示すようにこれらの合金の分極曲線はNi−Nb
系非晶質合金に共通のものであて、ほとんど区別しがた
いほど類似している。これらの合金はいずれも自己不働
態化しており、アノード分極すると、1.0〜1.1V
(SCE)まで2×10-2A−m-2以下の低い不働態保
持電流を示す。更に電位が上ると、ほぼ1.2V(SC
E)附近から、塩素および酸素の発生による電流の上昇
が観察される。
【0013】
【表1】
【0014】
【0015】これらの合金を常温の46%フッ化水素酸
に数分ないし数10分表面が黒変するまで浸漬し、表面
活性化処理を施した表面活性化処理後、30℃0.5N
NaCl溶液中で2度繰り返して測定したアノード分
極曲線を図2に示す。本発明非晶質合金の活性化処理後
の分極曲線はいずれも図2と同様であって、1つの図に
重ねるといずれの合金の分極曲線か区別が困難である。
活性化処理後1回目の分極曲線では0.4〜0.8V
(SCE)附近にわたり約10°A・m-2程度の電流密
度が観察される。これは活性化処理の際に完全にはフッ
化水素酸中に溶け出さなかった表面の成分が溶解するこ
とに対応する。しかし、更に高い電位に分極したあと電
位を戻し活性化処理後2度目の分極曲線測定を行うと
0.4〜0.8V(SCE)附近の電流密度はもはや観
察されなくなる。したがって一度塩素発生の高い電位に
分極して表面から溶解する成分をすべて溶解させてしま
うと2度目以降は合金が溶解しないことを示す。1.0
V(SCE)附近より高い電位は1回目、2回目とも差
がなく塩素発生の電流が観察される。例えば1.2V
(SCE)附近で活性化処理前後の電流密度を比較する
と活性化処理は実に4桁以上に塩素発生電流を向上させ
る。
に数分ないし数10分表面が黒変するまで浸漬し、表面
活性化処理を施した表面活性化処理後、30℃0.5N
NaCl溶液中で2度繰り返して測定したアノード分
極曲線を図2に示す。本発明非晶質合金の活性化処理後
の分極曲線はいずれも図2と同様であって、1つの図に
重ねるといずれの合金の分極曲線か区別が困難である。
活性化処理後1回目の分極曲線では0.4〜0.8V
(SCE)附近にわたり約10°A・m-2程度の電流密
度が観察される。これは活性化処理の際に完全にはフッ
化水素酸中に溶け出さなかった表面の成分が溶解するこ
とに対応する。しかし、更に高い電位に分極したあと電
位を戻し活性化処理後2度目の分極曲線測定を行うと
0.4〜0.8V(SCE)附近の電流密度はもはや観
察されなくなる。したがって一度塩素発生の高い電位に
分極して表面から溶解する成分をすべて溶解させてしま
うと2度目以降は合金が溶解しないことを示す。1.0
V(SCE)附近より高い電位は1回目、2回目とも差
がなく塩素発生の電流が観察される。例えば1.2V
(SCE)附近で活性化処理前後の電流密度を比較する
と活性化処理は実に4桁以上に塩素発生電流を向上させ
る。
【0016】電解時の耐食性を調べるためまず1.25
V(SCE)で12時間定電流電解したのち、蒸溜水お
よびアセトンで洗浄し、12時間デシケーター中で乾燥
した。この試料をマイクロバランスで秤量したのち、2
4時間1.25V(SCE)で電解し、前述と同様にし
て洗浄、乾燥、秤量して24時間定常的電解を行った際
の腐食減量を定量した。このような測定を本発明合金の
典型である活性化処理を施した試料No. 3,13,1
8,21,24,32,について行ったところ、24時
間の定電位電解前後の試料重量変化が検出できなかっ
た。したがって、これらの電極は塩素発生のための電極
として0.5N NaCl溶液中で使用しても、全く腐
食されないことが判明した。また本発明合金の代表的合
金の幾つかを用い、種々の電流密度で定電流電解を行い
1000クーロン/lの電解時において発生した塩素を
ヨードメトリーで測定した。結果を表2に示す。このよ
うな条件の電解用実用電極として最も活性であるPt−
Ir/Ti電極より、本発明の非晶質合金電極はほとん
どがより活性である。またいずれの合金も白金族金属含
量が低いため安価である。
V(SCE)で12時間定電流電解したのち、蒸溜水お
よびアセトンで洗浄し、12時間デシケーター中で乾燥
した。この試料をマイクロバランスで秤量したのち、2
4時間1.25V(SCE)で電解し、前述と同様にし
て洗浄、乾燥、秤量して24時間定常的電解を行った際
の腐食減量を定量した。このような測定を本発明合金の
典型である活性化処理を施した試料No. 3,13,1
8,21,24,32,について行ったところ、24時
間の定電位電解前後の試料重量変化が検出できなかっ
た。したがって、これらの電極は塩素発生のための電極
として0.5N NaCl溶液中で使用しても、全く腐
食されないことが判明した。また本発明合金の代表的合
金の幾つかを用い、種々の電流密度で定電流電解を行い
1000クーロン/lの電解時において発生した塩素を
ヨードメトリーで測定した。結果を表2に示す。このよ
うな条件の電解用実用電極として最も活性であるPt−
Ir/Ti電極より、本発明の非晶質合金電極はほとん
どがより活性である。またいずれの合金も白金族金属含
量が低いため安価である。
【0017】
【表2】
【0018】実施例2 実施例1と同様に作製し、表面活性化処理を施した本発
明の非晶質合金についてソーダ電解工業において塩素製
造に用いられるpH4、80℃の4M NaCl溶液中
における塩素発生特性を調べた。図3は分極曲線の1例
であって、本発明のように安価な材料が十分に高い電極
触媒活性をもつことを示している。
明の非晶質合金についてソーダ電解工業において塩素製
造に用いられるpH4、80℃の4M NaCl溶液中
における塩素発生特性を調べた。図3は分極曲線の1例
であって、本発明のように安価な材料が十分に高い電極
触媒活性をもつことを示している。
【0019】
【発明の効果】以上詳述したとおり、高価な白金族元素
量がきわめて低濃度であるにもかかわらず、塩化ナトリ
ウム水溶液の電解用電極としてきわめて高い電極触媒能
を有するとともに電解条件で腐食がマイクロバランスで
も検出できない高い安定性を備えた長寿命、省エネルギ
ーでかつ安定な電極材料である。
量がきわめて低濃度であるにもかかわらず、塩化ナトリ
ウム水溶液の電解用電極としてきわめて高い電極触媒能
を有するとともに電解条件で腐食がマイクロバランスで
も検出できない高い安定性を備えた長寿命、省エネルギ
ーでかつ安定な電極材料である。
【図1】30℃の0.5N NaCl溶液中で測定した
急冷凝固のままの非晶質合金の分極曲線(試料No.1
6,No.17)、
急冷凝固のままの非晶質合金の分極曲線(試料No.1
6,No.17)、
【図2】30℃の0.5N NaCl溶液中で測定した
表面活性化処理を施した非晶質合金の分極曲線(試料N
o.26)、
表面活性化処理を施した非晶質合金の分極曲線(試料N
o.26)、
【図3】80℃、pH4の4M NaCl溶液中で測定
した表面活性化処理を施した非晶質合金の分極曲線(試
料No.16)である。
した表面活性化処理を施した非晶質合金の分極曲線(試
料No.16)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25B 1/14 11/08 A 11/10 B
Claims (4)
- 【請求項1】 Nbを25−65原子%とRu,Rh,
Pd,IrおよびPtの群から選ばれた1種または2種
以上の元素0.01−10原子%とを含み、残部は実質的に
Niよりなる溶液電解の電極用非晶質合金において、該
電極用非晶質合金を、Ni及びNbを優先的に溶解させ
る腐食溶液に浸漬し、電極活性を担う白金族金属を表面
に濃縮させることを特徴とする溶液電解の電極用非晶質
合金の活性化処理方法。 - 【請求項2】 Ti,Zrおよび20原子%未満のTa
との3種の金属の群から選ばれた1種または2種以上と
10原子%以上のNbとの合計で25−65原子%含
み、更にRu,Rh,Pd,IrおよびPtの群から選
ばれた1種または2種以上の元素0.01−10原子%を含
み、残部は実質的にNiよりなる溶液電解の電極用非晶
質合金において、該電極用非晶質合金を、Ni,Nb,
Ta,Ti及びZrを優先的に溶解させる腐食溶液に浸
漬し、電極活性を担う白金族金属を表面に濃縮させるこ
とを特徴とする溶液電解の電極用非晶質合金の活性化処
理方法。 - 【請求項3】 Nbを25−65原子%とRu,Rh,
Pd,IrおよびPtの群から選ばれた1種または2種
以上の元素0.01−10原子%と7原子%以下のPを含
み、残部は実質的にNiよりなる溶液電解の電極用非晶
質合金において、該電極用非晶質合金を、Ni及びNb
を優先的に溶解させる腐食溶液に浸漬し、電極活性を担
う白金族金属を表面に濃縮させることを特徴とする溶液
電解の電極用非晶質合金の活性化処理方法。 - 【請求項4】 Ti,Zrおよび20原子%未満のTa
との3種の金属の群から選ばれた1種または2種以上と
10原子%以上のNbとの合計で25−65原子%含
み、更に、Ru,Rh,Pd,IrおよびPtの群から
選ばれた1種または2種以上の元素0.01−10原子%と
7原子%以下のPを含み、残部は実質的にNiよりなる
溶液電解の電極用非晶質合金において、該電極用非晶質
合金を、Ni,Nb,Ta,Ti及びZrを優先的に溶
解させる腐食溶液に浸漬し、電極活性を担う白金族金属
を表面に濃縮させることを特徴とする溶液電解の電極用
非晶質合金の活性化処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23792191A JPH0726211B2 (ja) | 1985-08-02 | 1991-09-18 | 溶液電解の電極用表面非晶質合金の活性化処理法 |
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60169764A JPS6296633A (ja) | 1985-08-02 | 1985-08-02 | 溶液電解の電極用表面活性化非晶質合金及びその活性化処理方法 |
| JP23792191A JPH0726211B2 (ja) | 1985-08-02 | 1991-09-18 | 溶液電解の電極用表面非晶質合金の活性化処理法 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60169764A Division JPS6296633A (ja) | 1985-08-02 | 1985-08-02 | 溶液電解の電極用表面活性化非晶質合金及びその活性化処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0586432A JPH0586432A (ja) | 1993-04-06 |
| JPH0726211B2 true JPH0726211B2 (ja) | 1995-03-22 |
Family
ID=26493006
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23792191A Expired - Fee Related JPH0726211B2 (ja) | 1985-08-02 | 1991-09-18 | 溶液電解の電極用表面非晶質合金の活性化処理法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0726211B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE102008007605A1 (de) * | 2008-02-04 | 2009-08-06 | Uhde Gmbh | Modifiziertes Nickel |
| JP6406938B2 (ja) * | 2014-09-04 | 2018-10-17 | キヤノン株式会社 | アモルファス合金、成形用型及び光学素子の製造方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6296633A (ja) * | 1985-08-02 | 1987-05-06 | Daiki Rubber Kogyo Kk | 溶液電解の電極用表面活性化非晶質合金及びその活性化処理方法 |
-
1991
- 1991-09-18 JP JP23792191A patent/JPH0726211B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0586432A (ja) | 1993-04-06 |
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