JPH07265092A - 正しく連結されたシスチン架橋を有するインシュリンを得る方法 - Google Patents

正しく連結されたシスチン架橋を有するインシュリンを得る方法

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JPH07265092A
JPH07265092A JP7028946A JP2894695A JPH07265092A JP H07265092 A JPH07265092 A JP H07265092A JP 7028946 A JP7028946 A JP 7028946A JP 2894695 A JP2894695 A JP 2894695A JP H07265092 A JPH07265092 A JP H07265092A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 正しく連結されたシスチン架橋を有するイン
シュリンを得る方法の提供。 【構成】 酵素を用いてプロインシュリンをインシュリ
ンに直接変換し、そして疎水性吸着樹脂を用いて反応混
合液からインシュリンを直接分離すると共に、メルカプ
タン、カオトロピック助剤の存在下及びpH10〜11に
おいて、相当するプロインシュリンアミノ酸鎖から正し
く連結されたシスチン架橋を有するインシュリンを得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】ヒトインシュリンは全部で51個のアミノ
酸残基を含む2個のアミノ酸鎖を有する蛋白質である。
6個のシステイン残基は2個のアミノ酸鎖に存在してお
り、各々2個のシステイン残基はジスルフィド架橋を通
じて互いに連結している。生物学的に活性なヒトインシ
ュリンでは、A及びB鎖は2個のシスチン架橋を通じて
互いに連結され、そして更なるシスチン架橋がA鎖に存
在する。統計的にみれば、ヒトインシュリン分子内のジ
スルフィド架橋形成には15の可能性がある。この15
の可能性内の唯一つのものが生物学的活性ヒトインシュ
リン中に起こっている。以下のシステイン残基は、お互
いにヒトインシュリン中で連結している: A6−A11 A7−B7 A20−B19 文字A及びBは特定のインシュリンアミノ酸鎖を表し、
アミノ酸残基の位置の数字は特定のアミノ酸鎖のアミノ
末端よりカルボキシ末端に数えられたものである。ジス
ルフィド架橋は2個のヒトインシュリン分子間にも形成
され得るので無限の多くの異なるジスルフィド架橋が容
易に形成され得る。
【0002】ヒトインシュリン製造の既知の方法はヒト
プロインシュリンを使用することに基づいている。ヒト
プロインシュリンは86個のアミノ酸残基の線状のアミ
ノ酸鎖を有する蛋白質であり、ヒトインシュリンのB及
びA鎖は35個のアミノ酸残基を有するCペプチドを介
して互いに連結されている。ヒトインシュリン中に起こ
るジスルフィド架橋の形成は中間体を通じて形成され、
ヒトインシュリンのシステイン残基は、例えばS−スル
ホネート(−S−SO3 -)基(EP 0 037 255)のような
硫黄保護基を具備する。正しく連結されたシステイン架
橋を有するプロインシュリンを得る方法もまた知られて
おり(Biochemistry, 60, 1968, 622〜629頁)、それは
システイン残基がチオール残基(−SH)として存在す
る豚の膵臓より得られるプロインシュリンを出発材料と
するものである。“正しく連結されたシスチン架橋”の
言葉は哺乳動物からの生物学的に活性なインシュリン中
に見い出されるジスルフィド架橋を意味するものと解釈
される。
【0003】遺伝子工学の複数の方法がヒトインシュリ
ンと異なるアミノ酸配列および/またはアミノ酸鎖長を
有するヒトプロインシュリンまたはプロインシュリンを
微生物中で製造することを可能にしている。遺伝子工学
により改変された大腸菌細胞から製造されたプロインシ
ュリンが全て正しく連結されたシスチン架橋を持ってい
るものではない。大腸菌(EP 0 055 945)を用いてヒト
インシュリンを得る方法は以下の製造段階を基礎として
いる:微生物の発酵−細胞分裂−融合蛋白の単離−融合
蛋白の臭化シアン切断−プロインシュリン配列を含有す
る切断生成物の単離−S-スルホネート基によるプロイン
シュリンのシステイン残基の保護−正しく連結されたシ
スチン架橋の形成−亜硫酸分解−プロインシュリンの脱
塩−正しく連結されたシスチン架橋を含有するプロイン
シュリンのクロマトグラフィーによる精製−プロインシ
ュリン溶液の濃縮−濃縮プロインシュリン溶液のクロマ
トグラフィーによる精製−プロインシュリンの酵素切断
によるヒトインシュリンの取得−得られたヒトインシュ
リンのクロマトグラフィー精製。
【0004】この方法の不利な点は多数の製造段階より
なっていることと、精製段階での損失があることで、こ
れらがインシュリンの低収率をもたらしている。この多
段階製法ゆえに多大なる損失が危惧されねばならない。
分離された融合蛋白の段階から、臭化ジシアン切断、亜
硫酸分解及びプロインシュリンの精製の段階(EP 0 055
945)を通じ、40%迄のプロインシュリン損失を見込
まなければならない。同様に最終生成物に至るまでの以
下の精製段階の間で大きな損失が生じる。遺伝子工学的
方法により、もし必要とする製造段階が相当減らせるな
らば、ヒトインシュリン又はインシュリン誘導体製造に
おける収率増加が達成できる。本発明の目的は、製造段
階がより少なく、そして全体としての精製損失がより少
ない、インシュリンアミノ酸鎖中で正しく連結されたシ
スチン架橋を有するインシュリンを得るための方法を開
発するにある。
【0005】本発明によれば、次の一般式(I)
【化2】 のインシュリンの製造方法が見出されたのである。そし
てこの方法は
【0006】A) 次の式(II) R2−R1−B2−B29−Y−X−Gly−A2−A20−R3 (II) の蛋白質を水性媒質1リットル当たり0.05〜0.3g
の式(II)の蛋白質濃度で、水性媒質中でpH10〜11
において、少なくとも1つのカオトロピック助剤(chao
tropic auxiliary)の存在下に、式(II)の蛋白質のシ
ステイン残基当たり2〜10個のメルカプタンの−SH
基を産生する量のメルカプタンと反応させ、そして B) 正しく連結されたシスチン架橋を有する得られた
プロインシュリンとトリプシン、トリプシン様の酵素及
び場合によっては追加的にカルボキシペプチダーゼBま
たは前述した酵素の混合物と反応させて、正しく連結さ
れたシスチン架橋を有する式(I)のインシュリンを製
造し、 C) このようにして得られた反応生成物を水性媒質1
リットル当たり疎水性吸着樹脂3〜50gとpH4〜7に
おいて処理し、 D) 式(I)の吸着されたインシュリンを含有する吸
着樹脂を分離し、そして E) この吸着樹脂から式(I)のインシュリンを脱着
することよりなるものである。ここで、上記した式
(I)及び式(II)において、
【0007】Xはa) Lys及びArgよりなる群のア
ミノ酸残基、または b) ペプチドのN−末端及びカルボキシル末端にアミノ
酸残基ArgまたはLysを含有する2〜35個のアミ
ノ酸残基を有するペプチドであり、Yは遺伝子的にコー
ド可能なアミノ酸残基であり、 Zはa) Arg及びLysよりなる群のアミノ酸残基、 b) ペプチドのカルボキシ末端にアミノ酸残基Argま
たはLysを含有する2〜3個のアミノ酸残基を有する
ペプチド、または c) OHであり R1はフェニルアラニン残基または共有結合であり、 R2はa) 水素原子、 b) LysおよびArgよりなる群のアミノ酸残基、ま
たは c) ペプチドのカルボキシ末端にアミノ酸残基Lys又
はArgを含有する2〜45個のアミノ酸残基を有する
ペプチドであり、R3は遺伝子的にコード可能なアミノ
酸残基、ヒトインシュリン、動物インシュリンまたはイ
ンシュリン誘導体のA鎖のアミノ酸配列に対応する残基
A2−A20、およびヒトインシュリン、動物インシュ
リンまたはインシュリン誘導体のB鎖のアミノ酸配列に
対応する残基B2−B29であるものとする。
【0008】好ましく用いられる式(II)の蛋白質は、
式中、Xがアミノ酸残基Argまたはヒトインシュリン
のC鎖のアミノ酸配列を有するペプチドであり、YがA
la、ThrおよびSerよりなる群のアミノ酸残基で
あり、R1がアミノ酸残基Pheであり、 R2がa) 水素原子、または b) カルボキシル末端にArgを含有する2〜25個の
アミノ酸残基を有するペプチドであり、R3がAsn、
SerおよびGlyからなる群のアミノ酸残基、および
ヒトインシュリンのA鎖およびB鎖のアミノ酸配列に対
応する残基A2−A20およびB2−B29であり、そ
して得られる正しく連結されたシスチン架橋を有する式
(I)のインシュリンは、式中、Y、R1、R2、R3
A2−A20およびB2−B29が前述の定義を有する
ものであり、そしてZがアミノ酸残基Arg、ペプチド
残基Arg−ArgまたはOHであるものである。
【0009】特に好ましく用いられる式(II)の蛋白質
は、式中、Xがアミノ酸残基Arg、または2〜35個
のアミノ酸残基を有し、2個の塩基性アミノ酸残基、特
にArgおよび/またはLysがペプチドの初めと末端
に存在するペプチドであり、Yがアミノ酸残基Thrで
あり、R1がアミノ酸残基Pheであり、 R2がa) 水素原子、または b) カルボキシ末端がアミノ酸残基Argである2〜1
5個のアミノ酸残基を有するペプチドであり、R3がア
ミノ酸残基GlyまたはAsn、およびヒトインシュリ
ンのA鎖およびB鎖のアミノ酸配列に対応する残基A2
−A20およびB2−B29であり、また得られる正し
く連結されたシスチン架橋を有する式(I)のインシュ
リンは、式中、Y、R1、R2、R3、A2−A20およ
びB2−B29が上述の定義を有するものであり、そし
てZがアミノ酸残基Arg、ペプチド残基Arg−Ar
gまたはLys−LysまたはOHであるものである。
【0010】驚くべきことに、式(II)の蛋白質は慣習
的に“再生(refolding)”(R. Jaenicke, R. Rudolph,
1989, Folding Proteins, in Protein Structure, a pr
actical Approach; Ed. Creighton, T.E., 191-224頁,
JRL Press Oxford; EP 0 219874)に先立つ反応段階で
完全に還元される必要のないことが見出されているが、
前述の方法においては異質蛋白質の割合が高い(50〜
90%)にも拘わらず、−SH保護基を含有する適切に
精製されたプロインシュリンの折りたたみに比肩しうる
水準で折りたたみ収率が達成されていることである。さ
らに驚くべきことに、正しく連結されたシスチン架橋を
有する式(I)のインシュリンを産するために正しく折
りたたまれたプロインシュリンの酵素的反応が50〜9
0%の異質蛋白質の存在下に、高収率で可能であること
も見出され、式(I)のインシュリンは疎水性吸着樹脂
と選択的によく結合することが判った。
【0011】既知の方法と比較し、本発明の方法は尚一
層高収率で、かなり速い製造を可能にする。その理由は
亜硫酸分解の回避と、場合によっては臭化シアン切断方
法段階及び以前には未知のプロインシュリンを限定量の
カオトロピック塩の存在下で、その変性した状態から正
しく結合されたシスチン架橋を有するプロインシュリン
に変換し、そして次にそのプロインシュリンを酵素的に
変換して、それ以上の精製を必要とせず式(I)のイン
シュリンにするからである。こうして吸着により折りた
たみ溶液から式(I)のインシュリンを分離することが
可能となる。脱着後、中間的分離又は精製をすることな
く吸着剤より式(I)のインシュリンをこのように得る
ことが出来る。本発明による方法は、既知の方法に比
し、立ち上がり時間が短いために実質的に短時間製法で
あり、そして損失が避けられるため既知の方法に較べて
25〜100%の収率増加を可能にする。
【0012】ペプチドと蛋白質のアミノ酸配列は、アミ
ノ酸鎖N−末端から指定される。式(I)の括弧内に与
えられた情報、つまりA6、A20、B1、B7又はB
19はインシュリンのA鎖又はB鎖中のアミノ酸残基の
位置に対応する。アミノ酸Gly、Ala、Ser、T
hr、Val、Leu、Ile、Asp、Asn、Gl
u、Gln、Cys、Met、Arg、Lys、Hi
s、Tyr、Phe、Trp、Pro及びセレノシステ
インは、“遺伝子的にコード可能なアミノ酸基”という
意味を表す。動物インシュリンの“残基A2〜A20”
及び“残基B2〜B29”という言葉は、例えば牛、豚
又は雌鳥のアミノ酸配列という意味に理解される。イン
シュリン誘導体のA2〜A20及びB2〜B29基とい
う言葉は、他の遺伝子的にコード可能なアミノ酸により
アミノ酸を置換して形成された対応するヒトインシュリ
ンのアミノ酸配列を表す。
【0013】残基Zは常にXのアミノ酸配列の一部であ
り、トリプシン、トリプシン様の酵素又はカルボキシペ
プチダーゼBのようなプロテアーゼ活性により形成され
る。残基R3はインシュリンのA鎖の位置A21のアミ
ノ酸残基である。残基YはインシュリンのB鎖の位置B
30のアミノ酸残基である。トリプシン又はトリプシン
様酵素はアルギニン又はリジンでアミノ酸鎖を切断する
プロテアーゼである。カルボキシペプチダーゼBはアミ
ノ酸鎖のカルボキシ末端にあるArg又はLysのよう
な塩基性アミノ酸残基を切断するエクソプロテアーゼで
ある(Kemmler et al., J. Biol. Chem. 246, 6786〜67
91頁)。
【0014】ヒトインシュリンのA鎖は以下の配列(配
列番号1)を有する:Gly、Ile、Val、Gl
u、Gln、Cys、Cys、Thr、Ser、Il
e、Cys、Ser、Leu、Tyr、Gln、Le
u、Glu、Asn、Tyr、Cys、Asn ヒトインシュリンのB鎖は以下の配列(配列番号2)を
有する:Phe、Val、Asn、Gln、His、L
eu、Cys、Gly、Ser、His、Leu、Va
l、Glu、Ala、Leu、Tyr、Leu、Va
l、Cys、Gly、Glu、Arg、Gly、Ph
e、Phe、Tyr、Thr、Pro、Lys、Thr ヒトインシュリンのC鎖は以下の配列(配列番号3)を
有する:Arg、Arg、Glu、Ala、Glu、A
sp、Leu、Gln、Val、Gly、Gln、Va
l、Glu、Leu、Gly、Gly、Gly、Pr
o、Gly、Ala、Gly、Ser、Leu、Gl
n、Pro、Leu、Ala、Leu、Glu、Gl
y、Ser、Leu、Gln、Lys、Arg
【0015】カオトロピツク助剤は例えば、硫酸アンモ
ニウム、塩酸グアニジン、炭酸エチレン、チオシアネー
ト、ジメチルスルホキシド及び尿素のような水性溶液中
で水素結合を破る化合物である。疎水性吸着樹脂という
用語は例えば、ポリアクリレート又はポリスチレン又は
スチレンとジビニルベンゼンの共重合体、殊に大きな表
面積と多くの大きな空孔(large pores)を有する高分
子吸着樹脂、例えば商業製品としてのローム アンド ハ
ース社又は三菱化成株式会社のXAD16、XAD1600又はHP20
のような非イオン性で疎水性の架橋された重合体及び/
又は共重合体を表す。メルカプタンという用語は、少な
くとも1個の−SH基を有する化合物を意味するものと
理解される。水溶性のメルカプタンが好ましい。これ等
化合物の例としてはジチオトレイトール、ジチオエリト
リトール、2−メルカプトエタノール、システイン、グ
ルタチオン、メチルチオグリコレート、3−メルカプト
−1,2−プロパンジオール及び3−メルカプトプロピ
オン酸がある。
【0016】式(II)の蛋白質は多くの遺伝子工学構築
法の助けにより微生物中で形成出来る(EP 0 489 780、
EP 0 347 781、EP 0 453 969)。遺伝子工学構築法は大
腸菌又はストレプトマイセテスのような微生物を発酵さ
せて発現できる。形成された蛋白質は微生物内に保持さ
れ(EP 0 489 780)又は発酵溶液に排出される。本発明
による方法では、式(II)の蛋白質は、細胞を破壊した
直後であって発酵溶液及び微生物に由来する多数の蛋白
質が夾雑したものが使用できる。式(II)の蛋白質は、
しかしながら、例えば沈澱又はクロマトグラフィーによ
る精製後のように予め精製された形でも使用できる。
【0017】製造段階A)の工程は次のとおりである。
蛋白質をカオトロピツク助剤又は種々のカオトロピツク
助剤の混合液に溶解する。好ましくは尿素又は塩酸グア
ニジンを水を溶媒として濃度6〜9M、好ましくは8M
で用いる。反応混合物のpHは8.5〜10.8である。使
用できる緩衝剤の例としてはリン酸塩、トリ(ヒドロキ
シメチル)アミノメタン(tris)、ホウ酸塩又はグリシ
ン緩衝剤である。水性媒質中の緩衝剤物質の濃度は0.
5Mまでであり、好ましくは0.005M〜0.5M、特
に好ましくは0.05〜0.1Mである。蛋白質混合液は
次に水性メルカプタン溶液と混合される。この手段によ
り以下の濃度が反応液中(水に基づいて)で確立する。
【0018】式(II)の蛋白質濃度は0.05〜0.6g
/リットルで、好ましくは0.1〜0.3g/リットルで
ある。メルカプタンの量は式(II)の蛋白質のシステイ
ン残基当たり2〜10のメルカプタンの−SH残基であ
り、好ましくは6〜9である。溶液のpHは10〜11
で、好ましくは10.8である。上述の緩衝液成分が用
いられる。正確なpHは水酸化ナトリウム溶液を加えるこ
とにより確立する。緩衝液成分の濃度は0.005〜0.
5Mで、好ましくは0.05〜0.1Mである。メルカプ
タンを含有する反応混合液中のカオトロピツク助剤の濃
度は1M以下で、好ましくは0.1〜0.8M、特に好ま
しくは0.3〜0.6Mである。使用するメルカプタンは
好ましくはシステイン又は2−メルカプトエタノールの
単独又は混合物である。製造段階A)における折りたた
み中の温度は0℃〜50℃で、好ましくは2℃〜30
℃、特には4℃〜10℃である。反応時間は3〜12時
間で、好ましくは4〜8時間、特には5時間である。製
造段階A)の結果として正しく連結されたシスチン架橋
を含有するプロインシュリンが得られる。
【0019】製造段階B)においては、製造段階A)か
らの反応溶液はpHを6.5〜9.0、好ましくは8〜9に
調整する。これにトリプシン又はトリプシン様酵素を正
しく連結されたシスチン架橋を有するプロインシュリン
3gに対し1〜3mgの量を加える。これに場合により、
カルボキシペプチダーゼBを式(I)のインシュリン1
gに対し、3〜8単位の量で加える。トリプシン及びカ
ルボキシダーゼBの混合液もまた加えてもよい。得られ
た溶液を次に4℃〜15℃で4〜16時間撹拌する。製
造段階B)の結果として正しく連結されたシスチン架橋
を含有する式Iのインシュリンが得られる。製造段階
C)においては、製造段階B)の反応液を塩酸又は硫酸
のような酸を用いてpH2.5〜4.5に調整する。もし溶
液に濁りが生じるなら場合によりそれを濾過又は遠心分
離により除去する。残っている溶液を疎水性吸着樹脂で
処理する。XAD又はHP20タイプの樹脂が適切であ
る。樹脂量は反応液1リットル当たり3〜50gで、好
ましくは20〜40g/リットルである。
【0020】得られた懸濁液を0.1Mの濃度までの塩
化ナトリウムのような塩で処理し、次に3〜4時間撹拌
する。樹脂の式Iのインシュリンの吸着はサンプリング
し、高速液体クロマトグラフィー分析(HPLC分析)
によりチェックする。溶液中にインシュリンが残ってい
ないのを確認後、即座に吸着樹脂を水性反応溶液かせ分
離する(製造段階D)。これは例えば、すでに知られて
いる方法により濾過又は遠心分離により行われる。式
(I)の吸着されたインシュリンを含有する樹脂を純水
性又は水性溶液を含む緩衝液で洗浄する。特に、洗浄溶
液中の伝導性が0.4mS/cmになるまで洗浄する。
【0021】式(I)のインシュリンの脱着(製造段階
E)は使用される疎水性吸着樹脂の如何に応じた既知の
方法により行われる。脱着がXAD又はHP20吸着樹
脂を用いた場合には、例えば(C1〜C6)アルカノール
のような水混和性で非イオン有機溶剤を20〜65%含
有する水性溶液により行われる。好ましくはイソプロパ
ノール又はn−プロパノールの35%が溶媒の水中で使
用される。式(I)のインシュリンの脱着は、例えばイ
ソプロパノール溶剤で洗浄することにより行われる。こ
の洗浄はイソプロパノール溶液と混合しながら撹拌圧力
フィルター上で洗浄するか又はカラム中でクロマトグラ
フィーにより行われる。樹脂/イソプロパノールの量比
は1:1〜1:10であり、好ましくは1:11〜1:
2である。洗浄段階は1〜5回好ましくは2回繰り返さ
れる。一緒にしたイソプロパノール画分は直接又は水で
希釈後、更にクロマトグラフィーによる精製に用いられ
る。次の実施例中で本発明の方法を詳述する。百分率の
データは別に記載しない場合は重量によるものである。
【0022】実施例1 遺伝子工学により変性した大腸菌(EP 0 489 780)の発
酵によって次のアミノ酸配列を有する融合蛋白質を調製
した。 プロインシュリン配列1(配列番号4): Met Ala Thr Thr Ser Thr Gly Asn Ser Ala Arg Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys Thr Arg Arg Glu Ala Glu Asp Leu Gln Val Gly Gln Val Glu Leu Gly Gly Gly Pro Gly Ala Gly Ser Leu Gln Pro Leu Ala Leu Glu Gly Ser Leu Gln Lys Arg Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Gly
【0023】プロインシュリン配列1は式(II)に対応
するもので、式中、Xは、ヒトインシュリン由来のCペ
プチドであり、Yは、Thr(B30)であり、R1は、
Phe(B1)であり、R2は、アミノ酸残基11個を有
するペプチドであり、R3は、Gly(A21)であり、
そしてA2−A20はヒトインシュリンのA鎖(アミノ
酸残基2〜20)のアミノ酸配列であり、そしてB2−
B29はヒトインシュリンのB鎖(アミノ酸残基2〜2
9)のアミノ酸配列である。
【0024】発現されたプロインシュリン配列1を有す
る融合蛋白質を大腸菌細胞中で集め、そして封入体を作
成する。発酵完了後、大腸菌細胞を遠心分離により除去
し、そして慣用の高圧ホモジナイゼイションにより破砕
する。遊離された融合蛋白質封入体を遠心分離する。プ
ロインシュリン配列1を有する分離された融合蛋白質封
入体2600g(冷凍乾燥後の乾燥重量)をpH10.8
の8M塩酸グアニジン溶液200リットルに溶解する。
場合により少量の懸濁物質を遠心分離後、清澄溶液をpH
10.8の水性システイン溶液(塩酸システイン水和物
250g)1800リットルに4℃で撹拌注入する。イ
ンシュリン含有融合蛋白質の比率はSDS電気泳動走査
(U.K.Laemmli, Nature, 227巻, 680〜685頁, 1970)に
より測定され、それは45%であった。折りたたみ反応
終結後、反応混合液中の正しく連結されたシスチン架橋
を有するプロインシュリン配列1の含有量がHPLC分
析により測定され760gであった。
【0025】この溶液の2000リットルを6N塩酸を
用いてpH8.5に調整した。次にトリプシン500mgを
加えた。HPLC測定によればインシュリン2が350
mg形成されていた。インシュリン2は式(I)に対応す
るもので、式中、Yは、Thr(B30)であり、Zは、
Arg−Argであり、R1は、Phe(B1)であり、
3は、Gly(A21)であり、そしてA2−A20は
ヒトインシュリンのA鎖(アミノ酸残基2〜20)のア
ミノ酸配列であり、そしてB2−B29はヒトインシュ
リンのB鎖(アミノ酸残基2〜29)のアミノ酸配列で
ある。
【0026】インシュリン2は配列表の配列番号6及び
9よりなり、正しく結合されたシスチン架橋を通じて互
いに連結されたものである。この溶液を6N塩酸を用い
てpH3.5に調整し、そして伝導度の値を飽和塩化ナト
リウム溶液を用いて約10mS/cmに調整した。僅かな濁
りを遠心分離により除去した。HP20(三菱化成社
製、ドイツ−デュッセルドルフ)75kgを澄んだ溶液に
加えた。インシュリン2が上清中に検出されなくなるま
で懸濁液を徐々に4℃で16時間撹拌した。吸入フィル
ターによる濾過で樹脂を除去し、そして洗浄液中の伝導
度が0.4mS/cm以下になるまで水で洗浄した。生成物
を50%濃度の水性イソプロパノール溶液75リットル
中で樹脂を懸濁させて脱着した。濾過及びイソプロパノ
ールでのインキュベーションを2回反復する。60分
後、樹脂を濾過しそして次に35%濃度のイソプロパノ
ール溶液中でインキュベーションを数回反復し、そして
濾過した。インシュリン2の収量は288gであった。
インシュリン2を含有する溶出液は水で希釈及びpH調整
後に直ちにクロマトグラフィーカラム上で更に精製し得
る。
【0027】HPLC分析 蛋白質0.5gを6M塩酸グアニジン、50mM tris、pH
8.5、5mMエチレンジアミンテトラアセテート(ED
TA)、1% 2−メルカプトエタノール及び10mMジ
チオトレイレールの溶液40mlに95℃で2分間溶解
し、そして次に14000gで20分間遠心分離した。
澄んだ上清0.02mlを高速液体クロマトグラフィーカ
ラムに付した。 カラム:ニュークリオゲル(RNucleogel)RP 300-5/46
(マカリー & ネルゲル社製,アーヘン,ドイツ) 勾配:緩衝液A:0.1%トリフルオロ酢酸(TFA) 緩衝液B:アセトニトリル中0.09%TFA 温度:55℃ 合計溶出時間:40分間 勾配は溶出時間後の下記の緩衝液Bの量を特徴とする。
10分間25%、12分間60%、13分間90%、1
5分間100% 流速:1ml/分 検出:215nm インシュリンの保持時間:約19分間
【0028】実施例2 遺伝子工学により変性した大腸菌(EP 0 347 781)の発
酵によって次のアミノ酸配列を有する融合蛋白質を調製
した。 融合蛋白質3(配列番号5): Met Ala Pro Thr Ser Ser Ser Thr Lys Lys Thr Gln Leu Gln Leu Glu His Leu Leu Leu Asp Leu Gln Met Ile Leu Asn Gly Ile Asn Asn Tyr Lys Asn Pro Lys Leu Thr Arg Met Ile Glu Gly Arg Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys Thr Arg Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Asn
【0029】この融合蛋白質はプロインシュリン3のア
ミノ酸配列を含有している。発現された融合蛋白質3を
大腸菌細胞内で集め、そして封入体を作成する。細胞の
破砕を実施例1のように行った。このようにして得られ
た融合蛋白質3を臭化シアン開裂に付し、プロインシュ
リンを作成した(配列番号:8)。プロインシュリン3
は式IIに対応するもので、式中、Xは、Argであり、
Yは、Thr(B30)であり、R1は、Phe(B1)で
あり、R2は、4個のアミノ酸残基を有するペプチドで
あり、R3は、Asn(A21)であり、そしてA2−A
20及びB2−B29はヒトインシュリンのA及びB鎖
のアミノ酸配列に対応するものである。
【0030】臭化シアン開裂の後、プロインシュリン3
の含量を9.2%インシュリン含有蛋白質を含む冷凍乾
燥試料中でSDS電気泳動により定量分析した。実施例
1のようにプロインシュリン3の2000gを塩化シス
テイン水和物と共にインキュベートする。次に正しく連
結されたシスチン架橋を有するプロインシュリン3の1
260gの含量をHPLC分析により全反応混合液中で
測定した。この生成物を実施例1のようにトリプシン5
00mgで処理した。インシュリン4が作成された。この
インシュリン4は式Iに対応するもので、式中、Yは、
Thr(B30)であり、Zは、Argであり、R1は、
Phe(B1)であり、R3は、Asn(A21)であり、
そしてA2−A20及びB2−B29はヒトインシュリ
ンのA及びB鎖のアミノ酸配列に対応するものである。
【0031】インシュリン4は配列表の配列番号:1及
び7よりなり、そり等は正しく結合されたシスチン架橋
により互いに連結されていた。得られた溶液(2m3)は
インシュリン誘導体800gを含有し、それを実施例1
のようにHP20 75kgで処理した。吸着及び脱着後
合体した溶出液はインシュリン4を703g含有してい
た(収率88%)。
【0032】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:アミノ酸21個 配列の型:アミノ酸 鎖の数:単鎖 トポロジー:直鎖状 分子型:蛋白質 起源: 生物名:大腸菌 配列の特徴: 名称/記号:蛋白質 存在位置:1..21 配列 Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln Leu 1 5 10 15 Glu Asn Tyr Cys Asn 20
【0033】配列番号:2 配列の長さ:アミノ酸30個 配列の型:アミノ酸 鎖の数:単鎖 トポロジー:直鎖状 分子型:蛋白質 起源: 生物名:大腸菌 配列の特徴: 名称/記号:蛋白質 存在位置:1..30 配列 Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Tyr 1 5 10 15 Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys Thr 20 25 30
【0034】配列番号:3 配列の長さ:アミノ酸35個 配列の型:アミノ酸 鎖の数:単鎖 トポロジー:直鎖状 分子型:蛋白質 起源: 生物名:大腸菌 配列の特徴: 名称/記号:蛋白質 存在位置:1..35 配列 Arg Arg Glu Ala Glu Asp Leu Gln Val Gly Gln Val Glu Leu Gly Gly 1 5 10 15 Gly Pro Gly Ala Gly Ser Leu Gln Pro Leu Ala Leu Glu Gly Ser Leu 20 25 30 Gln Lys Arg 35
【0035】配列番号:4 配列の長さ:アミノ酸97個 配列の型:アミノ酸 鎖の数:単鎖 トポロジー:直鎖状 分子型:蛋白質 起源: 生物名:大腸菌 配列の特徴: 名称/記号:蛋白質 存在位置:1..97 配列 Met Ala Thr Thr Ser Thr Gly Asn Ser Ala Arg Phe Val Asn Gln His 1 5 10 15 Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu 20 25 30 Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys Thr Arg Arg Glu Ala Glu Asp Leu 35 40 45 Gln Val Gly Gln Val Glu Leu Gly Gly Gly Pro Gly Ala Gly Ser Leu 50 55 60 Gln Pro Leu Ala Leu Glu Gly Ser Leu Gln Lys Arg Gly Ile Val Glu 65 70 75 80 Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln Leu Glu Asn Tyr Cys 85 90 95 Gly
【0036】配列番号:5 配列の長さ:アミノ酸96個 配列の型:アミノ酸 鎖の数:単鎖 トポロジー:直鎖状 分子型:蛋白質 起源: 生物名:大腸菌 配列の特徴: 名称/記号:蛋白質 存在位置:1..96 配列 Met Ala Pro Thr Ser Ser Ser Thr Lys Lys Thr Gln Leu Gln Leu Glu 1 5 10 15 His Leu Leu Leu Asp Leu Gln Met Ile Leu Asn Gly Ile Asn Asn Tyr 20 25 30 Lys Asn Pro Lys Leu Thr Arg Met Ile Glu Gly Arg Phe Val Asn Gln 35 40 45 His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly 50 55 60 Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys Thr Arg Gly Ile Val Glu Gln 65 70 75 80 Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Asn 85 90 95
【0037】配列番号:6 配列の長さ:アミノ酸32個 配列の型:アミノ酸 鎖の数:単鎖 トポロジー:直鎖状 分子型:蛋白質 起源: 生物名:大腸菌 配列の特徴: 名称/記号:蛋白質 存在位置:1..32 配列 Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Tyr 1 5 10 15 Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys Thr Arg Arg 20 25 30
【0038】配列番号:7 配列の長さ:アミノ酸31個 配列の型:アミノ酸 鎖の数:単鎖 トポロジー:直鎖状 分子型:蛋白質 起源: 生物名:大腸菌 配列の特徴: 名称/記号:蛋白質 存在位置:1..31 配列 Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Tyr 1 5 10 15 Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys Thr Arg 20 25 30
【0039】配列番号:8 配列の長さ:アミノ酸56個 配列の型:アミノ酸 鎖の数:単鎖 トポロジー:直鎖状 分子型:蛋白質 起源: 生物名:大腸菌 配列の特徴: 名称/記号:蛋白質 存在位置:1..56 配列 Ile Glu Gly Arg Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val 1 5 10 15 Glu Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro 20 25 30 Lys Thr Arg Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu 35 40 45 Tyr Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Asn 50 55
【0040】配列番号:9 配列の長さ:アミノ酸21個 配列の型:アミノ酸 鎖の数:単鎖 トポロジー:直鎖状 分子型:蛋白質 起源: 生物名:大腸菌 配列の特徴: 名称/記号:蛋白質 存在位置:1..21 配列 Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln Leu 1 5 10 15 Glu Asn Tyr Cys Gly 20
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ユルゲン・ルートヴイヒ ドイツ連邦共和国デー−63636ブラハトタ ール.リングシユトラーセ13 (72)発明者 ヴアルター・ザーベル ドイツ連邦共和国デー−65520バートカム ベルク.ノイガセ4ツエー

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の式(I) 【化1】 のインシュリンを得る方法であって、 A) 次の式(II) R2−R1−B2−B29−Y−X−Gly−A2−A20−R3 (II) の蛋白質を水性媒質1リットル当たり0.05〜0.3g
    の式(II)の蛋白質濃度で、水性媒質中でpH10〜11
    において少なくとも1つのカオトロピック助剤の存在下
    に、式(II)の蛋白質のシステイン残基当たり2〜10
    個のメルカプタンの−SH基を産生する量のメルカプタ
    ンと反応させ、そして B) 正しく連結されたシスチン架橋を有する得られる
    プロインシュリンをトリプシン、トリプシン様の酵素及
    び場合によっては追加的にカルボキシペプチダーゼB、
    または前述した酵素の混合物と反応させて、正しく連結
    されたシスチン架橋を有する式(I)のインシュリンを
    製造し、 C) このようにして得られた反応生成物を水性媒質1
    リットル当たり疎水性吸着樹脂3〜50gとpH4〜7に
    おいて処理し、 D) 式(I)の吸着されたインシュリンを含有する吸
    着樹脂を分離し、そして E) 該吸着樹脂から式(I)のインシュリンを脱着す
    ることよりなる上記式(I)のインシュリンを得る方
    法。ここで、上記した式(I)及び式(II)において、 Xはa) Lys及びArgからなる群からのアミノ酸残
    基、または b) ペプチドのN−末端及びカルボキシル末端にアミノ
    酸残基ArgまたはLysを含有する2〜35個のアミ
    ノ酸残基を有するペプチドであり、 Yは遺伝子的にコード可能なアミノ酸残基であり、 Zはa) Lys及びArgよりなる群からのアミノ酸残
    基、 b) ペプチドのカルボキシル末端にアミノ酸残基Arg
    またはLysを含有する2〜3個のアミノ酸残基を有す
    るペプチド、または c) OHであり R1はフェニルアラニン残基または共有結合であり、 R2はa) 水素原子、 b) LysおよびArgからなる群からのアミノ酸残
    基、または c) ペプチドのカルボキシル末端にアミノ酸残基Arg
    またはLysを含有する2〜45アミノ酸残基を有する
    ペプチドであり、 R3は遺伝子的コード可能なアミノ酸残基、およびヒト
    インシュリン、動物インシュリンまたはインシュリン誘
    導体のA鎖のアミノ酸配列に対応する残基A2−A2
    0、およびヒトインシュリン、動物インシュリンまたは
    インシュリン誘導体のB鎖のアミノ酸配列に対応する残
    基B2−B29であるものとする。
  2. 【請求項2】 式(II)の蛋白質を用いる請求項1の方
    法。ここで式(II)の式中、 Xはアミノ酸残基ArgまたはヒトインシュリンのC鎖
    のアミノ酸配列を有するペプチドであり、 YはAla、ThrおよびSerからなる群からのアミ
    ノ酸残基であり、 R1はアミノ酸残基Pheであり、 R2はa) 水素原子、または b) ペプチドのカルボキシル末端にArgを含有する2
    〜25アミノ酸残基を有するペプチドであり、 R3はAsn、SerおよびGlyからなる群からなる
    アミノ酸残基、およびヒトインシュリンのA鎖およびB
    鎖のアミノ酸配列に対応する残基A2−A20およびB2
    −B29であり、そして得られる正しく連結されたシスチ
    ン架橋を有する式(I)のインシュリンは式中のY、R
    1、R2、R3、A2−A20およびB2−B29が前述の定
    義を有するものであり、そしてZはアミノ酸残基Ar
    g、ペプチド残基Arg−ArgまたはOHであるもの
    とする。
  3. 【請求項3】 式(II)の蛋白質を用いる請求項1の方
    法。ここで式(II)の式中、 Xはアミノ酸残基Arg、または2〜35アミノ酸残基
    を有するペプチド、2個の塩基性アミノ酸残基、特にペ
    プチドの初めと末端にArgおよび/またはLysを有
    するアミノ酸残基であり、 Yはアミノ酸残基Thrであり、 R1はアミノ酸残基Pheであり、 R2はa) 水素原子、または b) カルボキシル末端がアミノ酸残基Argである2〜
    15アミノ酸残基を有するペプチドであり、 R3はアミノ酸残基GlyまたはAsn、およびヒトイ
    ンシュリンのA鎖およびB鎖のアミノ酸配列に対応する
    残基A2−A20およびB2−B29であり、そして得られ
    る正しく連結されたシスチン架橋を有する式(I)のイ
    ンシュリンは、式中Y、R1、R2、R3、A2−A20お
    よびB2−B29が前述の定義を有するものであり、そし
    てZはアミノ酸残基Arg、ペプチド残基Arg−Ar
    gまたはLys−LysまたはOHであるものとする。
  4. 【請求項4】 システインまたは塩酸システイン水和物
    がメルカプタンとして用いられる請求項1ないし3のい
    ずれか1つに記載の方法。
  5. 【請求項5】 架橋結合したポリスチレン、ポリアクリ
    レートまたはポリスチレンとジビニルベンゼンとの共重
    合体が疎水性吸着樹脂として用いられる請求項1ないし
    4のいずれか1つに記載の方法。
  6. 【請求項6】 式(I)のインシュリンをイソプロパノ
    ールまたはn−プロパノールを使用して吸着樹脂から脱
    着する請求項1ないし5のいずれか1つに記載の方法。
  7. 【請求項7】 0.01〜0.1Mの塩が製造段階C)に
    おいて加えられる請求項1ないし6のいずれか1つに記
    載の方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1つに記載
    の方法で得られた式(I)のインシュリン。
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