JPH07266809A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JPH07266809A
JPH07266809A JP6057951A JP5795194A JPH07266809A JP H07266809 A JPH07266809 A JP H07266809A JP 6057951 A JP6057951 A JP 6057951A JP 5795194 A JP5795194 A JP 5795194A JP H07266809 A JPH07266809 A JP H07266809A
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博司 中村
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    • B60C11/00—Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03—Tread patterns
    • B60C11/12—Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes
    • B60C11/1236—Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes with special arrangements in the tread pattern
    • B60C11/124—Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes with special arrangements in the tread pattern inclined with regard to a plane normal to the tread surface
    • B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60—VEHICLES IN GENERAL
    • B60C—VEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00—Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03—Tread patterns
    • B60C11/12—Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes
    • B60C11/1236—Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes with special arrangements in the tread pattern
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Abstract

(57)【要約】 【目的】排水性を保持しつつ、かつトウアンドヒール摩
耗をも有効に防止することができる。 【構成】タイヤ周方向にのびる複数の縦溝2と、縦溝2
と縦溝2、縦溝2とショルダー接地端5外側に各々開口
する横溝3、4とによって形成されるブロック6をタイ
ヤ周方向に多数配列した空気入りラジアルタイヤにおい
て、上記横溝3、4に接する上記ブロック6の周方向端
部に、タイヤ赤道TE方向にほぼ平行であって、かつ深
さ方向に傾斜した傾斜サイプ8を複数設置し、しかもそ
の深さ方向の傾斜角θを、タイヤ赤道TEに平行且つブ
ロック踏面部1に垂直な平面Pに対して10°〜40°
とし、その周方向長さLをブロック平均ピッチ長PB の
5〜25%とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブロックパターンを有
する空気入りラジアルタイヤ、特に重荷重用空気入りラ
ジアルタイヤにおいて、特にそのトウアンドヒール摩耗
の防止に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ブロックパターンを有する空気入
りラジアルタイヤは、その宿命的に発生するトウアンド
ヒール摩耗、すなわちブロックのタイヤ周方向前端部
(最初の接地域)とタイヤ周方向後端部(最後の接地
域)に段差状に生じる偏摩耗を防止するため、もっぱら
ブロックを形成する横溝の一部もしくは全長にわたりブ
ロックの周方向縦溝よりも浅くする、いわゆるブリッジ
と呼ばれる高まりを設けていた。これは、車両速度−タ
イヤ周速間の相対速度差に基づくトレッド表面への剪断
力と、ブロック変形に基づくタイヤ周方向へのトレッド
表面における剪断力のうち、特に後者を小さくしてその
合計剪断力を小さくし、これによりブロック前端部及び
後端部での剪断力差を小さくしてトウアンドヒール摩耗
を防止しようとしている(特公昭57−9967)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの種のブリッ
ジを設けることは、トウアンドヒール摩耗を防止する点
では好ましいが、横溝の有効断面積を減少せしめ、排水
性を害する方向に進むことは明らかである(二律背
反)。これでは、ブロックパターンがオールウェザー用
として一般に用いられるように特に排水性を配慮した技
術的意義が喪失する。そして、このブリッジの高さによ
っては、その摩耗の極初期においてさえも湿潤路でのト
ラクション性にも問題が生じる。
【0004】この発明の目的は、排水性を保持しつつ、
かつトウアンドヒール摩耗をも有効に防止することがで
きる空気入りラジアルタイヤを提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】トウアンドヒール摩耗の
発生要因としては2つの主要因がある。1つは、車両速
度とタイヤ周速との間の相対速度差に基づいて生じる剪
断力と、ブロック踏面部表面に負荷によって生じる周方
向両端における互いに反対向きの各剪断力との総和が、
ブロック周方向両端部でそれぞれ異なるため、即ち剪断
力の総和がブロック周方向両端で異なるとき、剪断力の
総和の大きい端部では、摩擦力に対するすべりは、ブロ
ックの変形量に対して与えられるべきすべりに飽和状態
に近く、他端では剪断力の総和は摩擦力に対し相対的に
小さく、すべりはブロックの変形量に与えられるべきす
べりより小さく未飽和である。従って、同一の摩擦力に
対しすべりの差が発生し、これが摩擦エネルギーの差と
なって現れ、摩耗の差、即ちトウアンドヒールとなるも
のである。
【0006】もう1つは、トラクションがかかる駆動軸
に装着されるタイヤでは、トレッドが路面に接地してか
ら離地する時に、ブロック前端から後端に向って順次路
面から離れながら後端部のみ摩擦力で剪断力による変形
を維持しているが、ブロックの路面との摩擦力が急減す
るため、その変形が急にもどりはじめ、このとき路面と
の間でブロックの後端部がすべりこすられて摩耗するこ
とにより生じる。
【0007】これを防止するには、上述の通り、偏摩耗
が生じるときにはブロック表面と路面との間で確実にす
べりが生じているから、このすべりが生じない条件を設
定することが必要となる。これには、例えばブリッジを
設け、変形による剪断力を小さくする方法があるが、ブ
ロックパターンの特長としてのオールシーズン性能を維
持することが困難となることは前述の通りである。
【0008】従って、ブロックの周方向端部の特に摩耗
の多い部分の摩擦エネルギーをさげて摩耗を少なくし、
1つのブロック中での摩耗差を小さくする方法をとらね
ばならない。
【0009】一般に、摩擦エネルギーeは、負荷W、摩
擦係数μとした場合、摩擦力F=W・μとすべり量Sと
の積として表わされるが、すべり量Sは1つのタイヤの
中ではほぼ一定と考えられ、また負荷Wも一定であるか
ら、摩擦係数μをさげることが摩擦エネルギーeの減少
につながる。
【0010】摩擦係数μを下げるには、トレッドゴムの
材質をかえる方法もあるが、湿潤路での摩擦係数μが下
がることは避けたく、またブロックゴムのすべての摩擦
係数μがさがるとブロック表面全体のすべり量Sが大き
くなり、摩耗をかえって大きくするから不都合である。
【0011】従って、ブロックゴム全体としては摩擦係
数μはあくまで高く、かつ摩擦エネルギーeの大きい部
分でのみ摩擦係数μを小さくすることが必要となる。要
するに、トウアンドヒール摩耗が生じるブロックの周方
向端部における「部分的な」摩擦係数μを下げ、ブロッ
クゴム全体の摩擦係数μを下げない様にしなければなら
ない。
【0012】そこで、この二律背反の事項を実現するた
め鋭意研究した結果、この発明は、ブロックの周方向端
部に特殊なサイプを設置し、ブリッジがなくてもその部
分の摩耗エネルギーeを小さくして摩耗の大きい”ト
ウ”部の量を軽減して、平滑摩耗のいわゆる偏摩耗のな
いタイヤを提供する。
【0013】すなわち、この発明は、タイヤ周方向にの
びる複数の縦溝と、縦溝と縦溝、縦溝とショルダー接地
端外側に各々開口する横溝とによって形成されるブロッ
クをタイヤ周方向に多数配列した空気入りラジアルタイ
ヤにおいて、上記横溝に接する上記ブロックの周方向端
部に、赤道方向とほぼ平行であって、タイヤ赤道に平行
で且つブロック踏面部に垂直な平面に対して深さ方向に
傾斜した複数の傾斜サイプを設ける構成を採用した。
【0014】傾斜サイプの傾斜角度は、タイヤ赤道に平
行且つブロック踏面部に垂直な平面に対して10°〜4
0°とすることが望ましい。傾斜角度が10°未満の場
合、ブロック周方向端部においてタイヤ幅方向の運動を
生ぜしめて摩擦係数μを下げるには不十分となり、40
°を越えると今度は逆にタイヤ幅方向の運動(力)の成
分が弱くなって効果が薄れ、また傾斜サイプの近傍の小
領域基底部でブロックの剛性が小さくなり、欠け、ティ
アー等の発生が生じ易くなる。
【0015】傾斜サイプの長さも同様のことがいえるも
ので、傾斜サイプの周方向長さがブロック平均ピッチ長
の5%未満であれば、ブロック周方向端部においてタイ
ヤ幅方向の運動を生ぜしめて摩擦係数μを下げるには不
十分となり、25%を越えると、タイヤ幅方向の運動の
成分が弱くなり、欠け、ティアー等が生じ易くなる。
【0016】傾斜サイプの深さも重要な因子であり、少
なくとも横溝深さの50%以上、隣接する縦溝深さの1
00%程度が良好な深さである。横溝深さの50%未満
の場合は、ブロック周方向端部においてタイヤ幅方向の
運動を生ぜしめて摩擦係数μを下げるには不十分とな
り、隣接する縦溝深さの100%を越えると、タイヤ幅
方向の運動の成分が弱くなり、欠け、ティアー等が生じ
易くなる。
【0017】傾斜サイプの間隔についても、上記と同じ
理由からサイプ周方向長さの0.7〜1.5倍とするこ
とが好ましい。従って、サイプ周方向長さの0.7倍未
満の場合は、所望とする偏摩耗防止効果が乏しく、1.
5倍を越えると欠け、ティアー等が多くなる。
【0018】なお、ブロックの周方向端部に設置するサ
イプを、本発明の様なタイヤ赤道にほぼ平行に延びる傾
斜サイプとせずに、タイヤ赤道に対して一定の角度を持
たせた通常の垂直サイプとすることも考えられるが、傾
斜がないと、負荷の垂直成分によってタイヤ幅方向にそ
のサイプとサイプで囲まれた小ブロックが倒れ込む作
用、即ちタイヤ幅方向に積極的に移動し、すべろうとす
る作用がないため、周方向摩擦力に対するμ低下の効果
がない。ただ、周方向力が作用したときの幅方向力が生
じてわずかな効果が期待できるものの、前記小ブロック
の形状からくる剛性が部分的に異なるため、複雑な動き
を生ぜしめ、かえって別の形で変摩耗を助長するととも
に、ブロックの欠け、クラック等が生じるなどの点で問
題がある。
【0019】
【作用】この発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に
のびる複数の縦溝と、縦溝と縦溝、縦溝とショルダー接
地端外側に各々開口する横溝とによって形成されるブロ
ックをタイヤ周方向に多数配列した空気入りラジアルタ
イヤにおいて、上記横溝に接する上記ブロックの周方向
端部に、赤道方向とほぼ平行であって、かつ深さ方向に
傾斜した複数の傾斜サイプを設ける構成なので、本タイ
ヤを操舵輪として用いた場合、特に接地域での前端部で
負荷の垂直方向成分に基づいてその部分のブロックは前
記傾斜サイプによりタイヤ転動方向に対して大きな直角
方向成分の運動が発生する。この直角方向成分の運動
は、周方向力に対する摩擦係数を下げる働きがあり、ブ
ロックの接地端では、すべりがすでに飽和状態に近くな
ってので、摩擦力のみが低下し摩擦エネルギーを下げる
が、後端部では摩擦係数の低下とともに、すべりも未飽
和のため変化増大する。すなわち、接地前端部では摩耗
が減少し、後端部では増減が一部相殺されるため、摩耗
は幾分減少するか、増加するので、両端の摩耗量が少な
くなり、偏摩耗は減少することとなるのである。また本
タイヤを駆動輪に用い、駆動力が働いたときは、タイヤ
の接地域の前端部と後端部での作用が逆となる以外で上
記と同じ運動が生じるほか、次の作用を奏する。
【0020】すなわち、前述した様に、従来タイヤで
は、タイヤが接地している領域の後端部で、剪断力によ
り変形させられ、路面との摩擦力ですべりを最小限にお
さえられていたブロックは、ブロックの前端部で接地が
解除されたとき、急激に垂直負荷Wが低減するため、ブ
ロック後端部で摩擦力F=W・μが小さくなり、因って
急激にすべり量Sが大きくなる。そしてこのすべり量S
が負荷Wの低下により遥かに大きく変化するため、摩擦
エネルギーeはかえって大きくなり、偏った摩擦をす
る。また、すべり量Sが大きい方向に変化するとき、ブ
ロック表面の剪断力はすべり量Sに比例して大きくなる
から、この力によっても偏摩耗は増進させられる。しか
し、本発明のタイヤは、垂直負荷Wが減少する過程で、
ブロック後端部はブロック前端部で変形する過程と逆の
形で復元するが、この時、前記傾斜サイプによりタイヤ
転動方向と直角方向の運動(但し接地した前端部とは逆
向き方向)を発生させる。
【0021】このタイヤ転動方向に対する直角成分の運
動は、その部分の摩擦係数を極めて小さくするから、小
さくなった垂直負荷W、大きくなったすべり量Sの中に
あって、摩擦係数μのみが小さくなり、摩擦エネルギー
eを減少させ、偏摩耗を軽減させる。
【0022】従って、この発明のタイヤは、ブロックゴ
ム全体の摩擦係数μを下げていないので、湿潤路での摩
擦係数μが下がることもなく、また横溝にブリッジを形
成していないので排水性を低下させることもない。ま
た、タイヤ赤道に対して一定の角度を持たせた通常の垂
直サイプではなく、タイヤ赤道にほぼ平行に延びる傾斜
サイプであるので、負荷に必ず付随している垂直力を有
効に利用し、サイプ部分での周方向摩擦係数を低下させ
るとともに、カットやクラックを起こすことも少なくな
いのである。
【0023】なお、傾斜サイプの傾斜角度をタイヤ赤道
に平行且つブロック踏面部に垂直な平面に対して10°
〜40°とし、傾斜サイプの周方向長さがブロック平均
ピッチ長の5〜25%とし、傾斜サイプの深さを少なく
とも横溝深さの50%以上、隣接する縦溝深さの100
%程度とした場合は、ブロック周方向端部においてタイ
ヤ幅方向の運動を生ぜしめて摩擦係数μを下げる傾向が
増大し、またタイヤ幅方向の運動(力)の成分が良好に
働き、傾斜サイプの近傍の小領域基底部でブロックの剛
性が小さくなることもなく、欠け、ティアー等の発生を
防止することができる。
【0024】
【実施例】図1はこの発明に係る空気入りラジアルタイ
ヤの一実施例を示すトレッドパターン概略図、図2は同
要部拡大図、図3は図2においてA方向から見た要部概
略側面図である。
【0025】図において、1はタイヤ踏面部、2はタイ
ヤ周方向にのびる複数の縦溝、3、4はそれぞれ縦溝2
と縦溝2、縦溝2とショルダー接地端5外側に各々開口
する横溝である。6はこれら複数の縦溝2と横溝3、4
とによって形成されるブロックであり、タイヤ周方向に
多数配列されている。PB はブロック6のピッチ長を示
している。
【0026】7はブロック6の周方向端部であり、当該
周方向端部7における最初の接地域であるブロック端部
7aと最後の接地域であるブロック端部7bに、それぞ
れ、タイヤ赤道TE方向にほぼ平行であって、かつ深さ
方向に傾斜した傾斜サイプ8が複数設置されている。9
はブロック6の縦溝2側端部において設置された通常の
垂直サイプである。
【0027】傾斜サイプ8は、ブロック端部7a及びブ
ロック端部7bとも、図2及び図3に示す様に、その深
さ方向において、タイヤ赤道TEに平行且つブロック踏
面部1に垂直な平面Pに対して、タイヤ赤道TE方向に
向かって10°の傾斜角θをもって形成されている。ま
たこの傾斜サイプ8は、周方向長さLがブロック平均ピ
ッチ長PB の15%であり、傾斜サイプ8の間隔SP
は、周方向長さLの1.2倍としている。
【0028】従って本タイヤを操舵輪として用いた場
合、ブロック6接地域でのブロック端部7a、7bで負
荷の垂直方向成分に基づいてその部分のブロック6は傾
斜サイプ8によりタイヤ転動方向に対して大きな直角方
向成分の運動が発生する。また本タイヤを駆動輪に用い
たときは、ブロック6接地域のブロック端部7a、7b
で上記と同じ運動が生じるほか、接地状態が解除され、
垂直負荷Wが減少する過程で、ブロック端部7bはブロ
ック端部7aで変形する過程と逆の形で復元し、この
時、傾斜サイプ8はタイヤ転動方向と直角方向の運動
(但し接地した端部とは逆向き方向)を発生させる。そ
してこのタイヤ転動方向に対する直角成分の運動は、そ
の部分の摩擦係数を極めて小さくし、小さくなった垂直
負荷W、大きくなったすべり量Sの中にあって、摩擦係
数μのみが小さくなり、摩擦エネルギーeを減少させ、
偏摩耗を軽減させる。
【0029】次に、傾斜サイプの傾斜角θを種々変化さ
せたタイヤサイズ 10.00R20 14PR、リムサイズ20×
7.00、空気圧 0.725MPのタイヤを試作し、良路走行専
用トラックの前輪(操舵輪)及び後輪(駆動輪)に装着
し、荷重は定積負荷状態で、耐偏摩耗試験をした。
【0030】同試験は、図7に示す様に、7万Km走行
後のブロック6表面におけるブロック端部7bの偏摩耗
量h(mm)を測定して評価している。同図において、3、
7bは前記実施例と同符号で、それぞれ縦溝2、2に開
口する横溝、ブロック端部である。なお縦溝2とショル
ダー接地端5に開口する横溝4についても同様に試験し
て、横溝3と共に総合評価している。
【0031】図4は、横軸に傾斜サイプの傾斜角θをと
り、縦軸に偏摩耗指数をとってそれらの関係を示してい
る。偏摩耗指数は、傾斜角θ=0°の通常の垂直サイプ
(周方向長さがブロック平均ピッチ長の15%)を同条
件下で同様に試験し、その偏摩耗量h(mm)を100とし
て、各傾斜角θにおける偏摩耗指数をプロットしてい
る。また傾斜サイプの周方向長さLをブロックピッチ長
PB に対する比率におきかえて種々変化させた偏摩耗特
性についても評価している。このときのPB は平均ピッ
チ長を用いている。偏摩耗指数が小さいほど耐偏摩耗性
が良好であることを示す。なおブロック平均ピッチ長P
B とは、騒音低減対策などで異なる長さのピッチ長さを
1つのタイヤに用いた場合、その平均のピッチ長さをい
う。
【0032】ブロックの端部7a及びブロック端部7b
にサイプがないタイヤについても試験をした結果、この
タイヤでは偏摩耗指数が105〜108であった。
【0033】図4より、ブロックの周方向端部にサイプ
を形成しないタイヤに比して、ブロックの周方向端部に
サイプを形成したタイヤは、いずれも偏摩耗指数が低下
している。特に、傾斜サイプを形成した本発明のタイヤ
の場合は、通常の垂直サイプに比して、耐偏摩耗性の改
善効果が認められ、なかでも傾斜サイプの傾斜角θが1
0〜40°の範囲が好適であることが認められる。40
°を越えても、図4からは、耐偏摩耗性は良好ではある
が、7万Km走行後のタイヤを観察すると、傾斜サイプ
の近傍の小領域基底部で、欠け、ティアー等の発生が発
見された。
【0034】また図4から、傾斜サイプの周方向長さL
を漸次長くした場合も、耐偏摩耗性が良好であることが
認められるが、特に周方向長さLが5%の地点から急激
に耐偏摩耗性が改善されており、それ以上の長さになる
と改善効果は漸増している。但し、25%を越えると、
7万Km走行後のタイヤでは、欠け、ティアー等の発生
が認められた。
【0035】傾斜サイプの間隔SPを変化させたタイヤ
も試作し、前記と同条件下で試験したが、サイプ周方向
長さLの0.7倍未満の場合は、偏摩耗防止効果が乏し
く、1.5倍を越えると欠け、ティアー等が多くなるこ
とが認められた。
【0036】この発明は上記実施例に限定されるもので
はない。例えば図5に示す様に、ブロック6の周方向端
部に形成する傾斜サイプをブロック端部7aとブロック
端部7bにおいて互いに反対方向の傾斜角として形成す
ることもできる。すなわち、ブロック端部7aの傾斜サ
イプ8をタイヤ幅方向外側に切り込み、ブロック端部7
bの傾斜サイプ8をタイヤ赤道TE方向に切り込む構成
である。これにより、ブロックの接地時、垂直負荷Wが
減少する過程で、ブロック端部7bはブロック端部7a
で変形する過程と逆の形で復元することに対応して、ブ
ロック端部7aとブロック端部7bではタイヤ転動方向
に対して相互に逆向きの直角方向の運動が発生し、同一
方向の場合と同様に、摩擦エネルギーeを小さくし、偏
摩耗を防止する。
【0037】また本発明は、傾斜サイプを、ブロックの
周方向端部にタイヤ赤道方向にほぼ平行に形成されてい
ればよいことから、図6に示す様に、略く字状に折れ曲
がった傾斜サイプ8でも差支えない。このように、サイ
プの主要部分から略く字状に折れ曲がって横溝3、4へ
の開口端を構成する傾斜サイプ8の場合は、タイヤ赤道
TEに対し直角でない横溝3、4への開口端が、横溝
3、4に対しては直角をなしてサイプ部のカケ、ティア
ー等を小さくするとともに、サイプの主要部分がタイヤ
赤道TEにほぼ平行をなして偏摩耗を防止する作用効果
を奏する。
【0038】また、傾斜サイプの形成位置は、ブロック
の周方向端部の両方、すなわちブロック両端部の両方に
形成することが望ましいが、タイヤの回転方向が特定さ
れている場合、その目的がかなう側の一方に限定するこ
ともできる。また、傾斜サイプを形成するブロックも、
タイヤの全領域でなくても、最も発生し易いショルダー
接地端側のブロックのみでもよい。
【0039】
【発明の効果】以上の通り、この発明は、タイヤ周方向
にのびる複数の縦溝と、縦溝と縦溝、縦溝とショルダー
接地端外側に各々開口する横溝とによって形成されるブ
ロックをタイヤ周方向に多数配列した空気入りラジアル
タイヤにおいて、上記横溝に接するブロックの周方向端
部に、タイヤ赤道方向にほぼ平行であって、かつ深さ方
向に傾斜した傾斜サイプを複数設置した空気入りラジア
ルタイヤであるので、排水性を保持しつつ、トウアンド
ヒール摩耗をも有効に防止することができる。
【0040】また、トレッドゴムの材質をかえる構成で
はないので、タイヤ全体としての湿潤路での摩擦係数μ
の低下もなく、さらに垂直サイプではなく、傾斜サイプ
であるので、その耐偏摩耗性の改善効果は格別顕著であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る空気入りラジアルタイヤの一実
施例を示すトレッドパターン概略図である。
【図2】同要部拡大図である。
【図3】図2においてA方向から見た要部概略側面図で
ある。
【図4】傾斜サイプの傾斜角θと偏摩耗指数との関係図
である。
【図5】反対方向の傾斜角θをもつ傾斜サイプが設置さ
れた他実施例を示すブロックの要部拡大図である。
【図6】略く字状の傾斜サイプが設置された他実施例を
示すトレッドパターン概略図である。
【図7】ブロック端部における偏摩耗状態を示す概略断
面図である。
【符号の説明】
1 踏面部 2 縦溝 3 横溝 4 横溝 5 ショルダー接地端 6 ブロック 7 周方向端部 7a ブロック端部 7b ブロック端部 8 傾斜サイプ 9 垂直サイプ W 垂直負荷 PB ブロック平均ピッチ長 θ 傾斜サイプの傾斜角 L 傾斜サイプの周方向長さ TE タイヤ赤道 SP 傾斜サイプの間隔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タイヤ周方向にのびる複数の縦溝と、縦溝
    と縦溝、縦溝とショルダー接地端外側に各々開口する横
    溝とによって形成されるブロックをタイヤ周方向に多数
    配列した空気入りラジアルタイヤにおいて、上記横溝に
    接する上記ブロックの周方向端部に、タイヤ赤道方向に
    ほぼ平行であって、かつ深さ方向に傾斜した傾斜サイプ
    を複数設置した空気入りラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】傾斜サイプが、その深さ方向において、タ
    イヤ赤道に平行且つブロック踏面部に垂直な平面に対し
    て10°〜40°の傾斜角θをもつ請求項1記載の空気
    入りラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】傾斜サイプの周方向長さLがブロック平均
    ピッチ長PB の5〜25%である請求項1又は2記載の
    空気入りラジアルタイヤ。
  4. 【請求項4】傾斜サイプの間隔SPをサイプの周方向長
    さの0.7〜1.5倍とした請求項1、2又は3記載の
    空気入りラジアルタイヤ。
JP05795194A 1994-03-29 1994-03-29 空気入りラジアルタイヤ Expired - Fee Related JP3561287B2 (ja)

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