JPH0727764A - Fc部位をブロックした免疫学的測定用抗体、該抗体を含む免疫学的測定用試薬、該免疫学的測定用試薬を使用する免疫学的測定法及びFc部位をブロックするブロック試薬 - Google Patents

Fc部位をブロックした免疫学的測定用抗体、該抗体を含む免疫学的測定用試薬、該免疫学的測定用試薬を使用する免疫学的測定法及びFc部位をブロックするブロック試薬

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JPH0727764A
JPH0727764A JP8990193A JP8990193A JPH0727764A JP H0727764 A JPH0727764 A JP H0727764A JP 8990193 A JP8990193 A JP 8990193A JP 8990193 A JP8990193 A JP 8990193A JP H0727764 A JPH0727764 A JP H0727764A
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JP
Japan
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antibody
reagent
fab
blocking
fragment
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JP8990193A
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Inventor
Keisuke Iwata
恵助 岩田
Yoko Yasuda
洋子 安田
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Akzo Nobel NV
Original Assignee
Akzo Nobel NV
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 抗体のFc部位と特異的に結合する免疫グロ
ブリンの抗原結合部位を少なくとも含むブロック試薬に
よってFc部位がブロックされている、免疫学的測定法
用抗体、該抗体を含む免疫学的測定用試薬、該試薬を使
用する免疫学的測定法、及び、Fc部位をブロックする
該ブロック試薬。 【効果】 免疫学的測定法において、RF等の物質によ
る非特異的反応を排除できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、免疫学的測定法におい
てリウマチ因子(以下、RFという。)が抗体のFc部
位と結合することによる偽反応を抑制するための抗体に
係わる。より詳細には、偽反応の原因となる非特異的反
応を引き起こすFc部位をブロックした免疫学的測定用
抗体、該抗体を含む免疫学的測定用試薬、該試薬を使用
する免疫学的測定法及び非特異反応を排除するための、
Fc部位をブロックするブロック試薬に係わる。
【0002】
【従来の技術】抗原と抗体の結合反応を利用したin vit
roアッセイである免疫学的測定法は、微量成分を特異的
に検出あるいは精度よく測定できることから、臨床検査
に広く応用されている。それらには、標識の仕方等によ
り、SRID法、凝集法(血球、ラテックス等を坦体に
使用したもの)、放射免疫学的測定法(RIA)、酵素
免疫学的測定法(EIA)、蛍光免疫学的測定法(FI
A)、ネフェロメトリー、免疫比濁法等がある。
【0003】しかしながら、免疫学的測定法の臨床検査
への応用においては、患者から採取した、血液、尿など
の生物学的流体中に存在するRFや補体C1qなどによ
る非特異凝集反応が偽陽性を生じさせるという問題があ
った。
【0004】そこで、RF等の影響による非特異反応を
抑制するために、ジチオスレイトール、2−メルカプト
エタノールによる検体の前処理またはγ−グロブリンも
しくはその変性物の添加のような検体の前処理、抗体の
Fab、F(ab’)2 等のフラグメントの使用などの
免疫学的測定法の改良が提案されている。
【0005】例えば、Journal of Clinical Microbiolo
gy, Feb. 1976, p.157-160には、ジチオスレイトールに
よる検体の前処理が記載されている。特公昭61−94
2号公報は、未感作の正常動物γ−グロブリンまたはそ
の変性物を添加し、その存在下で検体中の抗原または抗
体を免疫学的に測定する方法を開示している。
【0006】抗体のフラグメントの使用については、例
えば、特公昭63−38668号公報は、Fc部位が非
特異的反応に関与することから、これを切断した免疫グ
ロブリンのF(ab’)2 フラグメントを測定用抗体と
して使用する免疫検定を開示している。
【0007】特に、ラテックスを使用した凝集法におい
ては、尿素、ホルムアミド等の誘導体及びジ低級アルキ
ルスルホキシド等を配合してRF等による非特異的反応
を防止すること(特公昭60−4941号公報)、及
び、免疫グロブリンのF(ab’)2 フラグメント(断
片)とFcフラグメントないしFacbフラグメントと
pFc’フラグメントの混合物を感作したラテックス粒
子を使用してRF等の干渉を避けること(特公昭63−
63863号公報及び特公昭63−41426号公報)
が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、検体の
前処理による方法では、測定時の手順が増えるという問
題及び測定の感度低下の問題があり、また、免疫学的測
定用抗体を酵素加水分解的に処理して得たFab、F
(ab’)2 等の抗体のフラグメントを用いる方法で
は、該処理における抗体への影響等の問題があった。
【0009】本発明者らは、上記のような問題を解決す
るため鋭意研究した結果、今までに知られていなかった
原理に基づき、免疫学的測定法において、RFの干渉に
よる非特異的反応を排除する方法を知見した。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、抗体のFc部
位と特異的に結合する免疫グロブリンの抗原結合部位を
少なくとも含むブロック試薬によってFc部位がブロッ
クされている、免疫学的測定法用抗体を提供する。すな
わち、抗原抗体反応に基づいてFc部位がブロックされ
た、RF等の物質と非特異的反応をしない抗体を提供す
る。
【0011】また、本発明は上記の抗体を含む免疫学的
測定用試薬を提供する。
【0012】さらに、本発明は、上記の免疫学的測定用
試薬を使用する免疫学的測定法を提供する。本発明の免
疫学的測定法によれば、RF等の物質との非特異的反応
が排除される。
【0013】その他、本発明は、免疫学的測定法に使用
される抗体のFc部位をブロックする、RF等の物質の
干渉を排除するための、抗体のFc部位と特異的に結合
する免疫グロブリンの抗原結合部位を少なくとも含むブ
ロック試薬を提供する。
【0014】本発明において、免疫学的測定法とは、免
疫反応(抗原抗体反応)を利用した方法であり、定性法
及び定量法の両方を含むものである。免疫学的測定法の
例として、一元放射状免疫拡散法(SRID法)、凝集
法(ラテックス、血球等の担体 を用いた凝集法)、放
射免疫学的測定法(RIA)、酵素免疫学的測定法(E
IA)、免疫比濁法(TIA)、免疫比ろう法(Immuno
nephelometry)、蛍光イムノアッセイ、発光イムノアッ
セイ、凝集法に基づいた比濁法、比ろう法、粒度分布測
定法等が挙げられる。
【0015】本発明のFc部位がブロックされる抗体
は、これらの免疫学的測定法において用いられる、検体
中の測定物質と結合する抗体である。例えば、マウス、
ウサギ、モルモット、ヒツジ、ヤギ等由来のもの、ま
た、IgG、IgM等のクラスのものが使用されてい
る。
【0016】この抗体は、RFがそのFc部位と結合し
やすいため、本来の抗原抗体反応がRFによって干渉を
受け、生物学的流体中の物質の測定に際して誤った結
果、特に、凝集法では非特異的な凝集による偽陽性を与
えがちであった。
【0017】本発明は、この問題を、予め、RFが特異
的に結合する抗体のFc部位をブロックすることにより
解決するものである。
【0018】本発明のブロック試薬は、免疫学的測定法
に使用される抗体のFc部位をブロックする、RFの干
渉を排除するためのものであって、抗体のFc部位と特
異的に結合する免疫グロブリンの抗原結合部位を少なく
とも含むものである。抗原結合部位は、抗原を認識し、
抗原に結合できる可変部(VL 、VH 領域)である。
【0019】このブロック試薬の例としては、免疫グロ
ブリン全体またはそのフラグメントが挙げられる。フラ
グメントの例は、Fv、Fab、Fab’、F(a
b’)2、Facb、Fab/cである。
【0020】該免疫グロブリンまたはそのフラグメント
はRFの干渉を妨げるものであるから、自体がRFと結
合する部位を有さないものが好ましい。たとえば、F
v、Fab、Fab’、F(ab’)2 フラグメントを
使用することができる。好ましくは、小分子例えばFa
b、Fab’、Fv等のフラグメントを使用する。ま
た、凝集法においてはブロック試薬の副次の作用を少な
くするために、一フラグメント当たり抗原結合部位が一
つのもの、例えば、ヒンジ領域のS−S結合が切断され
ているものが好ましい。特に、Fab、Fab’等のフ
ラグメントが代表的である。さらに、これらのフラグメ
ントは別の化合物などで修飾されていてもよい。
【0021】ブロック試薬に使用される免疫グロブリン
の由来及びクラスは特に制限されないが、マウス、ウサ
ギ、ラット、モルモット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリの免
疫グロブリンが使用でき、また、IgG、IgM等のク
ラスのものが使用できる。また、キメラ免疫グロブリン
の使用も可能である。
【0022】RFと反応しないニワトリのIgGをブロ
ック試薬として使用する場合には、ブロック試薬とRF
の干渉を考慮しなくてよいので、それ全体及びその任意
のフラグメント(例えば、Fv、Fab、Fab’、F
(ab’)2 、Facb、Fab/c)を使用すること
ができる。
【0023】このような免疫グロブリンは、市販品とし
て得ることもでき、また、Fcフラグメントを抗原とし
て動物から得ることもできる。例えば、市販品には、ヤ
ギ抗マウスIgGFcフラグメント(γchain specifi
c)(オルガノンテクニカ社製)、ヤギ抗ウサギIgG
Fcフラグメント(γchain specific)(オルガノンテ
クニカ社製)等があり、目的の抗体に応じて選択され
る。また、動物から所望の特異性を有する免疫グロブリ
ンを得る方法は当業者に公知である。該ブロック用免疫
グロブリンを得るために動物に与える抗原となる抗体の
Fcフラグメントは、免疫学的測定用抗体と同種の動物
から得られたものであればよく、該測定用抗体を抗原と
して使用する必要はない。
【0024】免疫グロブリンのフラグメントは、免疫グ
ロブリンをプロテアーゼで消化することによって得るこ
とができる。免疫グロブリンのフラグメントの製造方法
は当業者に公知であり、「続生化学実験講座5−免疫生
化学研究法」東京化学同人発行、1986年、89〜99頁及び
R.R. Porter, Biochem. J., 73, 119(1959) が参照でき
る。
【0025】通常、使用されるプロテアーゼは、パパイ
ン、ペプシン、プラスミン、トリプシン等である。例え
ば、パパインによる消化によってFabフラグメントを
得ることができ、また、ペプシンによる消化によってF
(ab’)2 フラグメントを得ることができる。
【0026】免疫グロブリンまたはそのフラグメントの
ヒンジ領域のS−S結合の切断方法は、当業者に公知で
ある。例えば、ジチオスレイトール、2−メルカプトエ
タノールのような還元剤で処理し、続いて、ヨードアセ
トアミドのようなSH試薬で処理することによってS−
S結合を切断できる。
【0027】得られたフラグメントの分離精製は必須で
はないが、イオン交換クロマトグラフィーまたはゲル瀘
過クロマトグラフィー等によってフラグメントを分離精
製することが好ましい。
【0028】本発明のブロックされた免疫学的測定用抗
体は、通常の免疫測定用抗体とブロック試薬を結合さ
せ、抗体のFc部位をブロック試薬によってブロックす
ることによって得ることができる。
【0029】本発明の免疫学的測定用抗体とブロック試
薬は、通常、免疫学的測定用抗体1分子当たり、ブロッ
ク試薬の数が、平均で0.5〜6となるように結合させ
る。好ましくは、免疫学的測定用抗体1分子当たり、ブ
ロック試薬の数が、平均で約3となるように結合させ
る。
【0030】例えば、ラテックス凝集法において使用さ
れるラテックスに吸着された抗体とFabまたはFa
b’フラグメントを含むブロック試薬を結合する場合に
は、抗体一分子当たりのFabまたはFab’フラグメ
ントの数は平均で 1.0〜3.5 とするのが好ましい。ま
た、EIA法で使用される抗体溶液とFabまたはFa
b’フラグメントを含むブロック試薬を用いる場合に
は、抗体一分子当たりのFabまたはFab’フラグメ
ントの数を平均で 5.0〜6.0 としてもよい。
【0031】免疫学的測定用抗体とブロック試薬との結
合は通常溶液中で両者を混和することによって行なわ
れ、混和温度は、通常、2〜50℃であり、好ましくは
4〜37℃である。また、混和時間は、通常、1分〜2
日である。混和比、混和温度、混和時間等の条件は、抗
体のFc部位に特異的に結合する免疫グロブリンの親和
性、抗体価、純度、免疫学的測定用試薬中の抗体の濃度
あるいは密度などによって異なる。例えば、免疫グロブ
リン原料のロットごとの抗体価の違いなどは、当業者に
はよく知られていることであり、当業者であれば、上記
の混和温度、混和時間を容易に決定でき、また、混和比
を改変することができる。
【0032】本発明の免疫学的測定用試薬は、上記のF
c部位がブロックされた抗体を含むものである。
【0033】このような免疫学的測定用試薬の例として
は、坦体あるいは基質に吸着した抗体を含むものがあ
る。坦体の例としては、ラテックス、血球、金コロイ
ド、ゼラチン粒子等が挙げられ、基質の例としては、ガ
ラス、プラスチック、膜等が挙げられる。また、酵素な
どにより標識された抗体を含むものもある。特には、ラ
テックス試薬、マイクロプレートに吸着した抗体、酵素
標識抗体等が挙げられる。
【0034】本発明の免疫学的測定用試薬は、通常使用
される、抗体を含む免疫学的測定用試薬とブロック試薬
を混和して、上記のように抗体とブロック試薬を結合さ
せることによって得ることができる。
【0035】本発明の免疫学的測定試薬は、牛血清アル
ブミン等の安定化剤の添加等の、通常に行なわれる処理
を受けていてもよい。
【0036】本発明の免疫学的測定法は、上記のような
本発明の免疫学的測定用試薬を使用した測定法である。
【0037】本免疫学的測定法は、通常の免疫学的測定
用試薬を使用した測定法と同じ手順で行なうことができ
る。
【0038】例として挙げると、ラテックス凝集法は、
(1) 血清等の検体1滴(例えば20μl)を判定用
スライド板のサークル内に滴下し、(2) Fc部位を
ブロックした抗体を含むラテックス試薬1滴を判定用ス
ライド板のサークル内に滴下し、(3) 撹拌棒で検体
とラテックス試薬を混和し、判定用スライド板をゆるや
かに揺動し、(4) 数分間(例えば1〜5分間)揺動
後に凝集の有無を肉眼的に判定し、凝集を認めた場合、
陽性と判定することによって行なうことができる。
【0039】また、EIA法の例としては、マイクロプ
レート・サンドイッチ法を、(1) Fc部位をブロッ
クした抗体を含む抗体固相マイクロプレートの各ウェル
にキャリブレータ及び検体を入れインキュベーションし
(例えば37℃で15分間)、(2) 各ウェルの溶液
を吸引し、洗浄液を加え、(3) 手順(2)の操作を
数回(例えば4回)繰り返し、ウェルを洗浄し、(4)
水分を除き、Fc部位をブロックした抗体を含む酵素
標識抗体を各ウェルに加え、インキュベーションし(例
えば37℃で15分間)、(5) 手順(2)の操作を
数回(例えば4回)繰り返し、ウェルを洗浄し、(6)
酵素反応試薬を各ウェルに加え、インキュベーション
し(例えば37℃で10分間)、(7) 酵素反応停止
液を加え、反応を停止させ、(8) 試薬ブランクを対
照に各ウェルの吸光度(例えば450nmにおいて)を
測定し、(9) キャリブレータの測定値から検量線を
作成し、検体中の物質の定量を行なうことによって行な
うことができる。この例の場合、手順(1)の抗体固相
マイクロプレート、または、手順(4)の酵素標識抗体
溶液の抗体のどちらか片方がそのFc部位をブロックさ
れていれば、充分な効果が得られるが、片方のみをブロ
ックするときには抗体固相マイクロプレートの抗体がそ
のFc部位をブロックされている方が好ましい。
【0040】上記から理解されるように、本発明の免疫
学的測定用試薬で、従来の免疫学的測定用試薬を置き換
えることにより、本発明の免疫学的測定法を従来の免疫
学的測定法と同様の手順で行なうことができ、かつ、R
Fの干渉を抑制することができるのである。
【0041】本発明のブロックされた抗体が使用される
免疫学的測定法においては、検体は特に制限されず、通
常の免疫学的測定法で対象となる検体に適用できる。検
体としては、ヒト由来のもの、特に、ヒトの血液、尿、
糞便等が挙げられる。特に、血液のようにRFの含量が
高い検体の場合には有利である。
【0042】本発明の免疫学的測定法における測定対象
の物質は、特に制限されず、通常の免疫学的測定法で測
定されるものが測定できる。例としては、CEA、AF
P、CA19−9、hCG、β2m、フェリチン等の腫瘍
マーカー、プロテインC、プロテインS、ATIII 、F
DP、D−ダイマー等の凝固線溶系マーカー、CRP、
ASO、HBs抗原等の感染症マーカー、TSH、プロ
ラクチン、インシュリン等のホルモン、IgE、Ig
A、IgG、C3、C4等の免疫グロブリン及び補体成
分、ミオグロビン、ミオシン等の組織成分が挙げられ
る。
【0043】本発明は、検体中に含まれ、免疫学的測定
用抗体のFc部位に結合し、測定のための免疫反応に干
渉して、非特異的反応をもたらす、RF以外の物質(F
c結合物質)にも応用できる。このようなFc結合物質
の例としては、補体C1q、Fcレセプター等がある。
【0044】
【実施例】以下の実施例によって、さらに詳しく本発明
を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。
【0045】調製例1 ヤギIgG−抗マウスIgG(Fc)抗体のパパイン消
化によるFabブロック試薬の調製 ヤギIgG−抗マウスIgG(Fc)抗体(免疫グロブ
リン)50mgとパパイン0.5mg を10mMシステイン−2mM E
DTA−0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0 )に溶
解し、37℃で75分間消化した後、暗所でヨードアセトア
ミド6.3mg を加え、37℃で15分間インキュベーションし
た。反応液を0.01M リン酸ナトリウム緩衝液(pH8.0
)に透析し、内液を取り出し、DEAE−セファロー
スカラムを用いてFabフラグメント(ブロック試薬)
を分離精製した。
【0046】調製例2 ヤギIgG−抗ウサギIgG(Fc)抗体のペプシン消
化及びS−S結合切断によるFab’ブロック試薬の調
製 ヤギIgG−抗ウサギIgG(Fc)抗体(免疫グロブ
リン)50mgとペプシン1.7mg を0.1M酢酸ナトリウム緩衝
液(pH4.0 )に溶解し、37℃で18時間消化した後、10
mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0 )に透析した。内液に
2−メルカプトエタノールを10mMに添加し、37℃で75分
間インキュベーションした後、暗所でヨードアセトアミ
ドを11mMに添加し、4℃で40分間反応させた。反応液を
50mMグリシン緩衝液(pH8.6 )に透析し、内液を取り
出しゲル瀘過によってFab’フラグメント(ブロック
試薬)を分離精製した。
【0047】実施例1 (1)抗D−Dimer抗体感作ラテックス試薬の調製 マウスIgG−抗D−Dimer抗体0.75mgをリン酸ナ
トリウム緩衝液9.5mlに溶解し、0.65μm のポリスチレ
ンラテックス(固形分10重量%懸濁液)0.5mlを加え、
室温で2時間撹拌した後、感作したラテックスを遠心分
離して上清を分取した。この上清から、以下の方法によ
り、吸着したIgG抗体量を算出した。
【0048】(a) 上清を0.1 μmのフィルターで瀘過
し、混入していると思われる微量のラテックスを除去す
る。
【0049】(b) 瀘液中に残存している未吸着のIgG
抗体濃度を280nm の吸光度を測定して算出する。
【0050】(c) 用いたIgG抗体量から、(b) で算出
された未吸着量を差し引いてラテックスに吸着したIg
G抗体量とする。
【0051】一方、沈澱を、調製例1で得られたFab
フラグメント2.25mgを含むグリシン緩衝液10mlに懸濁さ
せ、マウスIgG抗体のFc部位をブロックした。さら
に遠心分離して上清を分取した。この上清から、上記と
同様にして、結合したFabフラグメントの量を算出し
た。
【0052】沈澱を牛血清アルブミン溶液(0.1Mグリシ
ン、0.05M 塩化ナトリウム、0.05%アジ化ナトリウム、
0.2 %BSA)に懸濁させ、抗D−Dimer抗体感作
ラテックス試薬を調製した。
【0053】また、前記のように算出されたラテックス
に吸着したIgG抗体の量とそのIgG抗体に結合した
Fabフラグメントの量からモル比を計算し、マウスI
gG抗体1分子当たりに結合している抗マウスIgG
(Fc)抗体のFabフラグメントの数(平均)とし
た。
【0054】(2)RFとの非特異的反応 RF陽性ヒト血清653IU/ml(International Immunology
Corporation)と、前記のように調製した抗D−Dim
er抗体感作ラテックス試薬とを一滴ずつ混和した後、
反応板をゆるやかに揺動し、10分間凝集像を観察した。
なお、マウスIgG抗体のFc部位をブロックするFa
bフラグメント(調製例1)の数の異なる抗D−Dim
er抗体感作ラテックス試薬を用いて比較した結果を表
1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】マウスIgG抗体のFc部位が抗マウスI
gG(Fc)抗体のFabフラグメントによりブロック
されている抗体により調製されたラテックス試薬は、R
Fの非特異的凝集凝集反応が観察されなかった。
【0057】実施例2 (1)抗ミオグロビン抗体感作ラテックス試薬の調製 ウサギIgG−抗ミオグロビン抗体1.5mg をグリシン緩
衝液9.5ml に溶解し、0.46μm のポリスチレンラテック
ス(固形分10重量%懸濁液)0.5ml を加え、室温で2時
間撹拌した後、感作したラテックスを遠心分離して上清
を分取した。沈澱を、調製例2によって得られたFa
b’フラグメント1.5mg を含むグリシン緩衝液10mlに懸
濁させ、ウサギIgG抗体のFc部位をブロックした。
さらに、遠心分離して上清を分取した。沈澱を牛血清ア
ルブミン溶液(0.1Mグリシン、0.05M 塩化ナトリウム、
0.05%アジ化ナトリウム、0.2 %BSA)に懸濁させ、
抗ミオグロビン抗体感作ラテックス試薬を調製した。
【0058】また、実施例1と同様に、ラテックスに吸
着したIgG抗体の量とそのIgG抗体に結合したFa
b’フラグメントの量を算出し、モル比を計算し、ウサ
ギIgG抗体1分子当たりに結合している抗ウサギIg
G(Fc)抗体のFab’フラグメントの数(平均)と
した。
【0059】(2)RFとの非特異的反応 RF陽性ヒト血清653IU/ml(International Immunology
Corporation)と前記のように調製した抗ミオグロビン
抗体感作ラテックス試薬を一滴ずつ混和した後、反応板
をゆるやかに揺動し、10分間凝集像を観察した。なお、
ウサギIgG抗体のFc部位をブロックするFab’フ
ラグメント(調製例2)の数の異なる抗ミオグロビン抗
体感作ラテックス試薬を用いて比較した結果を表2に示
す。
【0060】
【表2】
【0061】ウサギIgG抗体のFc部位が抗ウサギI
gG(Fc)抗体のFab’フラグメントによりブロッ
クされている抗体により調製されたラテックス試薬は、
RFの非特異的凝集凝集反応が観察されなかった。
【0062】(3)血清中ミオグロビンの測定 被検者の血清と(1)で調製したラテックス試薬を一滴
ずつ混和した後に反応板をゆるやかに揺動し、5分間の
凝集像を観察した。このようにして測定した凝集像と、
対照として、抗ミオグロビンIgG抗体のFc部位をブ
ロック処理していない感作ラテックス試薬を用いて全く
同様に測定して得られた凝集像、及び、被検者の血清に
変性γ−グロブリンを2mg/mlの濃度になるように添加
し、そして1時間静置するという前処理を行なって得ら
れた凝集像とを比較した結果、並びにRF−ラテックス
「生研」を用いてRFを定量した結果と共に表3に示
す。
【0063】
【表3】
【0064】対照方法(Fc部位のブロック無し)は、
RFが高値である検体 No.3及び4において、RFによ
る非特異的凝集反応が認められる。また、検体 No.8及
び9においても非特異的凝集反応の影響を受けていると
考えられる。一方、変性γ−グロブリンを添加して、検
体の前処理を行なった後の測定では、RFの非特異的凝
集反応は観察されず、本発明の試薬による測定でもRF
の非特異的凝集反応は観察されなかった。
【0065】実施例3 (1)ヤギIgG−抗マウスIgG(Fc)抗体のパパ
イン消化によるFabブロック試薬の調製 調製例1と同様にヤギIgG−抗マウスIgG(Fc)
抗体をパパイン消化した後、暗所でヨードアセトアミド
を10mMに加え、37℃で15分間インキュベーションした。
反応液を100mM グリシン緩衝液(pH8.6 )に透析し、
Fabフラグメント(ブロック試薬)とFcフラグメン
トの共存物質を得た。
【0066】(2)抗D−Dimer抗体感作ラテック
ス試薬(A試薬)の調製(対照法) マウスIgG−抗D−Dimer抗体1.25mgをリン酸ナ
トリウム緩衝液9.5mlに溶解し、0.65μm のポリスチレ
ンラテックス(固形分10重量%緩衝液)0.5mlを加え、
室温で2時間撹拌した後、感作したラテックス試薬を遠
心分離して上清を捨て、沈澱を牛血清アルブミン溶液
(0.1Mグリシン、0.05M 塩化ナトリウム、0.05%アジ化
ナトリウム、0.2 %BSA)に懸濁させ、抗D−Dim
er抗体感作ラテックス試薬を調製した。
【0067】(3)A試薬におけるラテックスに吸着し
ているマウスIgG−抗D−Dimer抗体のFc部位
の、(1)で調製した未精製Fabフラグメントによる
ブロック A試薬0.5ml に(1)で調製した未精製Fabフラグメ
ント2.25mgを加え、37℃で30分間インキュベーションし
た後、遠心分離して上清を捨て、沈澱を牛血清アルブミ
ン溶液に懸濁させB試薬を調製した。
【0068】(4)A試薬におけるラテックスに吸着し
ているマウスIgG−抗D−Dimer抗体のFc部位
の、調製例1で得られた精製Fabフラグメントによる
ブロック A試薬0.5ml に調製例1で得られた精製Fabフラグメ
ント300 μg を加え、37℃で30分間インキュベーション
した後、遠心分離して上清を捨て、沈澱を牛血清アルブ
ミン溶液に懸濁させC試薬を調製した。
【0069】(5)RFとの非特異的反応 RF陽性コントロール100IU/ml(日本ロッシュ株式会
社)と前記のように調製したA試薬、B試薬及びC試薬
との反応性を比較した。RF陽性コントロールの1滴ず
つに、各々1滴ずつ、A試薬、B試薬及びC試薬を加
え、混和した後、反応板をゆるやかに揺動し、5分間凝
集像を観察した結果を表4に示す。
【0070】
【表4】
【0071】A試薬(対照)は、RFの非特異的凝集反
応が認められる。一方A試薬にブロック試薬(抗マウス
IgG(Fc)抗体のFabフラグメント)を添加処理
したB試薬及びC試薬ではRFの非特異的凝集反応は観
察されなかった。
【0072】実施例4 (1)EIA法(サンドイッチ法)における固相抗体の
Fc部位のブロック マウスモノクローナル抗体(抗FgDP/抗FbDP抗
体)がコートされたマイクロプレートの各ウエルに調製
例1で得られたブロック試薬100μlを分注し、室温
で30分間振盪した後各ウエルの溶液を吸引し、リン酸
緩衝液を加え洗浄した。この洗浄操作を3回繰り返し、
固相抗体のFc部位をブロックしたウエル(B群)を得
た。
【0073】なお、このFc部位をブロックした抗マウ
スIgG(Fc)抗体のFabフラグメントの分子数を
Protein Assayキット(BIORAD社)
を用いて推定したところ、B群の固相抗体(マウスIg
G)のFc部位には、約1分子の抗マウスIgG(F
c)抗体のFabフラグメントが結合している。
【0074】また、前記のブロック試薬のかわりにリン
酸緩衝液100μlを加え、同様に処理したウエル(A
群)を対照として得た。
【0075】(2)RFとの非特異反応 RF陽性ヒト血清1421 IU/ml(Internati
onal Immunology Corporati
on)とリン酸緩衝液を用いて、RF濃度1421 IU/
ml,710 IU/ml,89 IU/ml,0 IU/mlのサンプルを
調整した。
【0076】各サンプル100μlを(1)で得たウエ
ル(A群)及び(B群)にそれぞれ分注し、37℃で1
5分間インキュベーションした。
【0077】ウエル洗浄操作を4回繰り返した後、ペル
オキシダーゼで標識されたマウスモノクローナル抗体
(抗FbDP抗体−HRP)100μlを各ウエルに分
注し、37℃で15分間インキュベーションした。
【0078】その後、ウエル洗浄操作を4回行ない、テ
トラメチルベンジジン溶液100μlを分注し、37℃
で10分間インキュベーションした。
【0079】次に、各ウエルに1M硫酸100μlを加
えることによって酵素反応を停止させた。反応停止後、
マイクロタイタープレートリーダー(Reader 5
10オルガノンテクニカ社)を用いて450nmにおけ
る吸光度を測定した。
【0080】その測定結果を表5に示す。
【0081】
【表5】
【0082】上記表5の結果から、EIA法において、
固相抗体にブロック試薬を添加処理したB群は、非処理
であるA群(対照)と比較してRFの非特異反応を抑制
していることが判る。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、RF等の物質による非
特異反応を排除できるため、偽陽性の削減及び特異性の
向上が達成され、信頼性のより高い臨床検査が可能にな
る。
【0084】さらに、本発明によれば、検体自体の前処
理が必要なくなり、迅速な検査が可能になり、また、測
定感度の低下の問題が解消する。さらに、検体中の測定
成分と直接反応する該測定用抗体自体を、RF等の物質
の影響を避けるために酵素加水分解的に処理する必要が
ないため、測定用抗体への酵素加水分解的処理に伴う影
響(測定感度の低下、抗体の安定性の低下)を避けるこ
とができる。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗体のFc部位と特異的に結合する免疫
    グロブリンの抗原結合部位を少なくとも含むブロック試
    薬によってFc部位がブロックされている、免疫学的測
    定法用抗体。
  2. 【請求項2】 前記ブロック試薬が、Fv、Fab、F
    ab’、F(ab’)2 、FacbまたはFab/cフ
    ラグメントを含む試薬である請求項1に記載の抗体。
  3. 【請求項3】 前記ブロック試薬が、抗原結合部位を一
    フラグメント当たり一つ含む免疫グロブリンのフラグメ
    ントである請求項1に記載の抗体。
  4. 【請求項4】 前記ブロック試薬が、Fv、Fab、F
    ab’フラグメントである請求項3に記載の抗体。
  5. 【請求項5】 前記抗体のFc部位が、該部位当たり平
    均0.5 〜6のFabまたはFab’フラグメントでブロ
    ックされた請求項4に記載の抗体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の抗
    体を含む免疫学的測定用試薬。
  7. 【請求項7】 前記抗体が坦体上に吸着されている請求
    項6に記載の免疫学的測定用試薬。
  8. 【請求項8】 前記坦体が、ラテックス、ガラスまたは
    プラスチックである請求項7に記載の免疫学的測定用試
    薬。
  9. 【請求項9】 前記坦体が、ラテックスである請求項8
    に記載の免疫学的測定用試薬。
  10. 【請求項10】 前記抗体が基質上に吸着されている請
    求項6に記載の免疫学的測定用試薬。
  11. 【請求項11】 前記抗体が標識されている請求項6に
    記載の免疫学的測定用試薬。
  12. 【請求項12】 IgG抗体を感作したラテックス坦体
    からなり、前記IgG抗体のFc部位が異種の抗IgG
    (Fc)抗体のFabまたはFab’フラグメントでブ
    ロックされているラテックス試薬である請求項6に記載
    の免疫学的測定用試薬。
  13. 【請求項13】 請求項6〜12のいずれか一項に記載
    の免疫学的測定用試薬を使用する免疫学的測定法。
  14. 【請求項14】 一元放射状免疫拡散法(SRID
    法)、凝集法、放射免疫学的測定法(RIA)、酵素免
    疫学的測定法(EIA)、免疫比濁法(TIA)、免疫
    比ろう法(Immunonephelometry)、蛍光イムノアッセ
    イ、発光イムノアッセイ、または、凝集法に基づいた比
    濁法、比ろう法もしくは粒度分布測定法である請求項1
    3に記載の免疫学的測定法。
  15. 【請求項15】 抗体のFc部位と特異的に結合する免
    疫グロブリンの抗原結合部位を少なくとも含む、免疫学
    的測定法用抗体のFc部位をブロックするブロック試
    薬。
  16. 【請求項16】 Fv、Fab、Fab’、F(a
    b’)2 、FacbまたはFab/cフラグメントを含
    む請求項15に記載のブロック試薬。
  17. 【請求項17】 抗原結合部位を一フラグメント当たり
    一つ含む免疫グロブリンのフラグメントである請求項1
    5に記載のブロック試薬。
  18. 【請求項18】 Fv、Fab、Fab’フラグメント
    である請求項17に記載のブロック試薬。
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