JPH072922B2 - 付着塗料の除去方法、及び、その方法に使用する塗料剥離用皮膜材 - Google Patents

付着塗料の除去方法、及び、その方法に使用する塗料剥離用皮膜材

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JPH072922B2
JPH072922B2 JP1024442A JP2444289A JPH072922B2 JP H072922 B2 JPH072922 B2 JP H072922B2 JP 1024442 A JP1024442 A JP 1024442A JP 2444289 A JP2444289 A JP 2444289A JP H072922 B2 JPH072922 B2 JP H072922B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、塗装作業に際しての付着塗料の除去方法、及
び、その方法に使用する塗料剥離用皮膜材に関する。
〔従来の技術〕
従来、塗料の付着しないことが望まれる物品に付着した
塗料を、除去するために、前記物品を煮沸した苛性ソー
ダ水溶液に浸漬して、前記物品に付着した塗料を化学分
解させて溶解させる第1方法、フェノール類、メチレン
クロライド、有機酸を夫々単独又はそれらの2種もしく
は3種の混合品である剥離液中に、前記物品を浸漬さ
せ、前記物品に付着した塗料を、剥離液で膨潤および溶
解させる第2方法、前記物品を焼却炉に入れて、前記物
品に付着した塗料を燃焼させる第3方法、前記物品をハ
ンマーやケレン等でたたいて、前記物品に付着した塗料
を剥離させる第4方法、又は、前記物品にショットブラ
ストを当てて、前記物品に付着した塗料を剥離させる第
5方法等が行われていた。
〔発明が解決しようとする課題〕 しかし、前記第1方法では、付着塗料の化学分解に多大
の時間を要するばかりか、付着塗料の除去後に、前記物
品を付着した苛性ソーダ水溶液を中和処理しないと、前
記物品に錆が発生したり、多量の付着塗料を苛性ソーダ
水溶液で分解させるために、苛性ソーダ水溶液が劣化し
やすく、付着塗料の除去効率が低下しやすい。更には、
人体に対する安全性に問題があるという欠点がある。
前記第2方法では、前記第1方法とほぼ同様に、前記物
品に付着した剥離液の中和処理の必要性と、剥離液の早
期劣化に伴う付着塗料除去効率の低下、及び、安全性の
面で問題が多い。
前記第3方法では、前記物品が、高熱により傷みやす
く、また、煤煙公害が発生しやすく、更には、スス等の
燃えかすが残存しやすいために、被塗物に対する燃えか
すの付着によって塗装不良になることがあるという欠点
がある。
前記第4方法及び第5方法では、前記物品が、摩耗又は
衝撃によって傷みやすく、また特に、第4方法は、体力
的負担が大きく長時間を要するという欠点がある。
前記第1方法ないし第5方法を通じて、全体に付着塗料
が除去しにくいという欠点があった。
本発明の目的は、前記物品に付着した塗料を、前記物品
の傷みなく、少ない労力で容易に又確実に除去できるよ
うにする点にある。
〔課題を解決するための手段〕
本第1発明における付着塗料の除去方法の特徴手段は、
被塗物を塗装する前に、メチレンクロライドに可溶で、
且つ、被塗物の塗装に対する前処理に耐性ある樹脂から
成る塗料剥離用皮膜を、塗料の付着しないことが望まれ
る物品の表面に、予め形成しておき、前記被塗物の塗装
後、メチレンクロライドを含む塗料剥離液に前記物品を
浸漬させ、または剥離液を注ぎかけ、または剥離液を吹
きつけて接触させることにより、前記皮膜を前記塗料剥
離液に溶解させて、前記物品に付着した塗料を剥離させ
ることにある。
また、前記前処理としては、水洗、リン酸塩皮膜処理、
アルカリ脱脂、及び、1,1,1−トリクロロエタン脱脂の
うちの少なくとも一種から成る前処理が望ましい。
前記塗料剥離用皮膜は、前記被塗物に足すいる塗装用治
具に形成するとよい。
本発明方法に使用する塗料剥離用皮膜材としては、メチ
レンクロライドに可溶で、且つ、被塗物の塗装に対す
る、水洗、リン酸塩皮膜処理のうちの少なくとも一種か
ら成る前処理に耐性ある樹脂から成るものを用いるとよ
い。
本発明方法に使用する塗料剥離用皮膜材としては、メチ
レンクロライドに可溶で、且つ、被塗物の塗装に対する
前処理としてのアルカリ脱脂処理に耐性ある樹脂から成
るものを用いるとよい。
本発明方法に使用する塗料剥離用皮膜材としては、メチ
レンクロライザに可溶で、且つ、被塗物の塗装に対する
前処理としての1,1,1−トリクロロエタン脱脂処理に耐
性あるい樹脂から成るものを用いるとよい。
前記前処理としての水洗、及びリン酸塩皮膜処理に耐性
のある樹脂としては、ポリカーボネート、ポリエステ
ル、変性ポリウレタン、クロロスルホン化ポリエチレ
ン、セルロース系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポ
リイソブチレン、ポリブテン、塩素化ポリエチレン、AB
S、SBR、AAS、ACS、ポリスルフォン系樹脂、アクリル系
樹脂、クロマン樹脂、メタクリル樹脂、SAN樹脂、変性
ポリオレフィン系樹脂、ケトン樹脂、合成ゴム、ロジ
ン、天然ゴム及びこれら誘導体の中から選ばれた少なく
とも一種を有効成分とするものであるのが望ましい。
前記前処理としてのアルカリ脱脂処理に耐性のある樹脂
としては、ポリカーボネート、ポリエステル、変性ポリ
ウレタン、クロロスルホン化ポリエチレン、セルロース
系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルホ
ルマール、ポリビニルブチラール、ポリイソブチレン、
ポリブテン、塩素化ポリエチレン、ABS、SBR、AAS、AC
S、ポリスルフォン系樹脂、アクリル系樹脂、クマロン
樹脂、メタクリル樹脂、SAN樹脂、変性ポリオレフィン
系樹脂、ケトン樹脂、合成ゴム、天然ゴム及びこれら誘
導体の中から選ばれた少なくとも一種を有効成分とする
ものであるのが望ましい。
前記前処理としての1,1,1−トリクロロエタン脱脂処理
に耐性のある樹脂としては、ポリカーボネート、ポリエ
ステル、変性ポリウレタン、セルロース系樹脂、ポリ塩
化ビニル、ポリビニルホルマール、ポリスルフォン系樹
脂、アクリル系樹脂、メタクリル樹脂、SAN樹脂、変性
ポリオレフィン系樹脂、ケトン樹脂、合成ゴム及びこれ
ら誘導体の中から選ばれた少なくとも一種を有効成分と
するものであるのが望ましい。
そして、前記付着塗料の除去方法、及び、その方法に使
用する塗料剥離用皮膜材の作用効果は、次の通りであ
る。
〔作用〕
つまり、メチレンクロライドは、一般に樹脂に対する浸
透性が高いだけでなく、被塗物に対する塗料が、溶剤に
溶解しにくい熱硬化性樹脂、もしくは2液硬化型樹脂か
ら成るものであっても、その塗料によって形成される塗
膜に対しての浸透性は良い。
そのために、予め塗料剥離用皮膜を表面に形成してある
物品を、被塗物の塗装後に、メチレンクロライドを含む
剥離液に浸漬させるか、又は、剥離液を前記物品に注ぎ
かけるか、あるいは、吹き付けるかすることによって、
前記物品に付着した塗料が、たとえ溶剤に溶けにくい樹
脂であっても、剥離液が塗料膜に浸透して、塗料剥離用
皮膜に達しやすく、塗料膜を膨潤もしくは破壊させ、そ
の上、塗料剥離用皮膜は、メチレンクロライドに可溶の
樹脂から成るために、剥離液に溶解除去されて、塗料膜
と前記物品との間に空隙が形成され、塗料膜は内側より
簡単に剥離され、しかも、アルコール類、環状エーテ
ル、アミン類等の安定剤の配合されたメチレンクロライ
ドは、前記物品に付着してていも、物品を腐食しない。
また、被塗物の塗装に対する前処理に耐性ある樹脂から
塗料剥離用皮膜材が形成されることによって、被塗物が
塗装されるまでに、前処理によって皮膜材が破壊されに
くいために、上記作用が良好に維持される。
〔発明の効果〕
従って、塗料膜の膨潤もしくは破壊と、内側からの剥離
によって、短時間で、付着塗料を少ない労力で物品を傷
めることなく良好に除去でき、しかも、メチレンクロラ
イドは不燃性で、且つ中性であるために、取扱い上フェ
ノール、酸等の薬品より安全性が高く、その上、塗料膜
が熱硬化性樹脂又は2液硬化性樹脂から成るものであれ
ば、剥離液中に前記樹脂が溶解しない為に塗料剥離液の
劣化が少なく、結局、作業効率を良好に維持しながら付
着塗料を除去できるようになった。
さらに、塗装用の治具においては、前処理から焼付け乾
燥に至る塗装の全工程を被塗物と同様に通るため、耐前
処理性が必要となるが、前記塗料剥離用膜材自体が耐前
処理性のあるものであることにより、前記治具のように
塗料の付着しないことが望まれる物品に対する塗料の付
着を確実に抑制しながら、不要な塗膜を前記内側からの
剥離により短時間で剥離できる。
また、塗料剥離用膜材でプレコートされているために、
リン酸塩皮膜処理などによる塗装対象表面と塗膜の密着
性を増強するための処理が、治具などの塗料の付着を避
けたい物品の面には施されず、この点でも前記塗料の付
着を避けたい物品と塗膜との剥離がよりスピーディに実
施できる。
〔実施例〕
次に、本発明の実施例を示す。
塗装現場では、被塗物に対する塗装を、何度も行うに伴
って、被塗物を支持するための台車やハンガー等の塗装
用治具、塗装ブース内の内壁や床部材、塗装用ロボット
や他の塗装装置、等の塗料の付着しないことが望まれる
物品には、塗料が付着して体積しやすく、その付着した
塗料が、被塗物に塊となって付着して、塗装の不備を生
じさせることがある。
そこで、適時前記物品に付着した塗料を除去しなければ
ならず、その付着塗料の除去方法を次に説明する。
被塗物を塗装する前に、メチレンクロライドに可溶の樹
脂から成る塗料剥離用皮膜を、前記物品の表面に、予め
形成しておき、前記物品の表面に塗料が付着して一定以
上堆積してくると、被塗物の塗装後、メチレンクロライ
ドを含む塗料剥離液に前記物品を浸漬させ、前記皮膜を
塗料剥離液に溶解させて、前記物品に付着した塗料を剥
離させる。
被塗物の塗装には、被塗物の前処理として、一般に被塗
物が金属の場合には、水洗、リン酸塩皮膜処理、アルカ
リ脱脂等が行われ、また、被塗物が樹脂の場合には、1,
1,1−トリクロロエタン脱脂が行われるために、塗料剥
離用皮膜は、それら各処理の少なくとも一種に耐えられ
る樹脂であることが望ましい。しかしながら、被塗物、
塗装方法、塗料によっては、前処理を必要としないもの
もあり、本発明は、この件によって限定されるものでは
ない。
前記趣旨は、ポリカーボネート、ポリエステル、変性ポ
リウレタン、クロロスルホン化ポリエチレン、セルロー
ス系樹脂、ポリスチレン、ブチラール樹脂、ポリ塩化ビ
ニル、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポ
リブテン、塩素化ポリエチレン、ABS、SBR、AAS、ACS、
ポリスルフォン系樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹
脂、塩素化ポリエーテル、クマロン樹脂、アリル樹脂、
PBT、メタクリル趣旨、SAN樹脂、キシレン樹脂、変性ポ
リオレフィン系樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、合成ゴ
ム、ロジン、天然ゴム及びこれら誘導体の中から選ばれ
た少なくとも一種から成るものである。
前記物品の表面に前記皮膜を形成するのに、前記樹脂を
任意の溶剤に溶解させて皮膜形成用液を形成し、その皮
膜形成用液を前記物品の表面に塗布した後、溶剤を揮発
させるために乾燥させる。皮膜形成用液の任意の溶剤と
は、メチレンクロライドもしくは、その使用する樹脂
を、容易に溶解するものであれば何でもよく、特に限定
しない。
前記塗料剥離液は、メチレンクロライドを主成分とし、
それ単独もしくは、アルコール類、ケトン類、エステル
類、エーテル類、脂肪族類、芳香族類、ハロゲン化炭化
水素類の有機溶剤の内、少なくとも一種と、浸透剤、防
錆剤、安定剤を任意に配合してある。
次に、前記皮膜用樹脂や、前記塗料剥離液を種々用いた
実験例を示す。
〔実験例1〕 (イ) 皮膜形成用組成物 酢酸セルロース(平均重合度360、酢化度60.8) 3部 DMP(ジメチルフタレート) 3部 メチレンクロライド 100部 メタノール 5部 その他、防錆剤、表面調整剤等を添加。
尚、上記組成物を形成するのに、先づ、溶解タンクにDM
P、メチレンクロライド、メタノール、その他防錆剤、
表面調整剤等を投入し、均一になるまで充分攪拌混合す
る。次に攪拌しながら、酢酸セルロースを投入し完全に
溶解させ、皮膜形成用組成物を完成させる。このうち酢
酸セルロースの配合量は、塗布するのに適当な粘度とし
て3部とした。
(ロ) 塗料剥離液 メチレンクロライド 1000部 メタノール 50部 その他、浸透剤、防錆剤、安定剤等を添加する。
尚、溶解タンクにメチレンクロライド、メタノール、そ
の他、浸透剤、防錆剤、安定剤を投入し、均一になるま
で充分攪拌混合し、塗料剥離液を完成させる。
(実験方法) 試験片として20cm角のスノコ片を使用し、前記(イ)の
組成物の液にディッピングし、5分間放置乾燥し、約10
μmの乾燥膜厚を得る。この時点で塗装現場にて実際使
用されるウレタン系樹脂から成る上塗り塗料(ソフレッ
クスNo.1300、関西ペイント株)を用いて、先のスノコ
片に浸透塗布、焼き付けを50回繰り返し、平均1.8mmの
塗料膜を得た。尚、塗布するのに用いた塗料は、加熱硬
化型塗料である。本発明の皮膜形成用組成物を予め塗布
したものと何の処理もせずに塗料を塗布したものを、同
一の塗料剥離液に投入し、剥離時間を測定した。
(実験結果) 本発明の皮膜形成用組成物を予め塗布したものは、15分
で完全に不要な塗料が剥離し、後にみじんの塗料にこび
りつきもなかった。一方、何の処理もしてしないもの
は、約2時間経過後、全体の95%程度の金属素地が露出
した程度で、まだ塗料のこびりつきがみられた。また、
塗料剥離液は、剥離した塗料が破片状になって沈降し、
網等で簡単に除去できた。剥離時間は8分の1に短縮で
きた。
〔実験例2〕 (イ) 皮膜形成用組成物 ポリカーボネート(平均重合度24000) 2部 TBP(トリブチルフォスフェート) 1部 メチレンクロライド 100部 その他、防錆剤、表面調整剤等を添加する。
尚、上記組成物を形成するのに、先ず、溶解タンクにTB
P、メチレンクロライド、その他、防錆剤、表面調整剤
等を投入し、均一になるまで充分攪拌混合する。次に攪
拌しながらポリカーボネートを投入し、完全に溶解さ
せ、皮膜形成用組成物を完成させる。このうちポリカー
ボネートの配合量は塗布するのに適当な粘度として2部
とした。
(ロ) 塗料剥離液 メチレンクロライド 1000部 アセトン 50部 その他、浸透剤、防錆剤、安定剤等を添加する。
尚、溶解タンクにメチレンクロライド、アセトン、その
他浸透剤、防錆剤、安定剤を投入し、均一になるまで充
分攪拌混合し、塗料剥離液を完成させる。
(ハ) 比較用塗料剥離液 フェノールと酸から成るフェノール系剥離剤 (実験方法) 試験片として実験例1と同様のものを作成し、同様の操
作を行った。本発明の皮膜形成用組成物(イ)を予め塗
布乾燥させ、塗料を焼き付けたものを(ロ)の槽に、何
の処理もせずに塗料を焼き付けたものをフェノール系
(ハ)の槽に、それぞれ同時に投入し、剥離時間を測定
した。
(実験結果) 本発明の皮膜形成用組成物を予め塗布し、(ロ)の槽に
て剥離したものは、15分で完全に不要な塗料が剥離し、
後にみじんの塗料のこびりつきもなかった。一方、何の
処理もせずにフェノール系(ハ)の槽にては剥離したも
のは完全に不要な塗料を剥離するのに30分要し、剥離し
た塗料は海苔状で、フィルターで回収せねばならず、困
難であった。
〔実験例3〕 (イ) 皮膜形成用組成物 ポリ塩化ビニル(平均重合度800) 5部 DOP(ジオクチルフタリールト) 3部 シクロヘキサノン 100部 その他、防錆剤、表面調整剤等を添加する。
尚、上記組成物を形成するのに、先ず、溶解タンクにDO
P、シクロヘキサノン、その他、防錆剤、表面調整剤等
を投入し、均一になるまで充分攪拌混合する。次に攪拌
しながらポリ塩化ビニルを投入し、完全に溶解させ皮膜
形成形組成物を完成させる。このうちポリ塩化ビニルの
配合量は、塗布するのに適当な粘度として5部とした。
(ロ) 塗料剥離液 メチレンクロライド 1000部 酢酸メチル 80部 その他、浸透剤、防錆剤、安定剤等を添加する。
尚、溶解タンクにメチレンクロライド、酢酸メチル、そ
の他浸透剤、防錆剤、安定剤を投入し、均一なるまで充
分攪拌混合し、塗料剥離液を完成させる。
(ハ) 比較用塗料剥離液 メチレンクロライド−有機酸系剥離液 (実験方法) 試験片として(1)と同様のものを作成し、同様の操作
を行った。本発明の皮膜形成用組成物(イ)を予め塗布
乾燥させ、塗料を焼き付けたものを(ロ)の槽に、ま
た、何の処理もせずに塗料を焼き付けたものをメチレン
クロライド−有機酸系(ハ)の槽に、それぞれ同時に投
入し、剥離時間を測定した。
(実験結果) 本発明の皮膜形成用組成物を予め塗布し、(ロ)の槽に
て剥離したものは、15分で完全に不要な塗料が剥離し、
後にみじんの塗料のこびりつきもなかった。一方、何の
処理もせずにメチレンクロライド−有機酸系(ハ)の槽
にては剥離したものは完全に不要な塗料を剥離するのに
35分要した。剥離時間は2分の1に短縮できた。
〔実験例4〕 (実験方法) 皮膜形成用組成物(イ)及び塗料剥離液(ロ)は実験例
−1と同様のものを用いた。塗料を塗布する現場におい
て、某自動車メーカー、バンパー塗装工場の実ラインに
て使用する塗装用治具を用いてテストを行った。尚、こ
の工程中、前処理として、1,1,1−トリクロロエタンに
よる洗浄が行われる。本発明の皮膜形成用組成物原液
(イ)に浸漬塗布し、5分間放置乾燥し、約10μmの乾
燥膜厚を得る。乾燥後、その治具を実ラインに設置し、
1ケ月間通常通りりの塗布作業を行った。塗料剥離液を
(ロ)とフェノール系剥離液(ハ)の2槽作成した。本
発明の皮膜形成用組成物(イ)を予め塗布乾燥させたも
のを(ロ)に、また、何の処理もしていないものをフェ
ノール系の槽(ハ)にそれぞれ同時に投入し、剥離時間
を測定した。
(実験結果) 本発明の皮膜形成用組成物(イ)を予め塗布し、(ロ)
にて剥離したものは、15分で完全に不要な塗料が剥離
し、後にみじんの塗料のこびりつきもなかった。一方、
何の処理もせずにフェノール系(ハ)の槽にては剥離し
たものは、完全に不要な塗料を剥離するのに2時間要し
た。剥離時間は8分の1以下に短縮できた。
〔実験例5〕 (実験方法) 皮膜形成用組成物(イ)及び塗料剥離液(ロ)は実験例
−2と同様のものを用いた。塗料を塗装する現場にはお
いて、某自動車メーカー、バンパー塗装工場の実ライン
にて施用する塗装用治具を用いてテストを行った。尚、
この工程中、前処理として1,1,1−トリクロロエタンに
よる洗浄が行われる。本発明の皮膜形成用組成物を治具
にハケ塗りし、5分間放置乾燥後、その治具を実ライン
に設置し、1ケ月間通常通りの塗布作業を行った。剥離
液(ロ)を不要な塗料が付着堆積した治具に注ぎかけ
た。(実験結果) 本発明の皮膜形成用組成物(イ)を予め塗布乾燥させた
ものは、約3分で不要な塗料は完全に剥離できたが、何
の処理もしていない治具は塗膜が膨潤したのみに留まっ
た。
〔実験例6〕 (実験方法) 皮膜形成用組成物(イ)及び塗料剥離液(ロ)は、実験
例3と同様のものを用いた。
試験片として4cm角の鉄板を使用し、本発明の皮膜形成
用組成物(イ)原液に浸漬塗布し、15分間放置乾燥し、
約20μmの乾燥膜厚を得る。乾燥後、塗装現場にて実際
使用されている加熱硬化型塗料(ソフレックスNo.2500:
関西ペイント株)を用いて、先の鉄板に浸漬塗布焼き付
けを30回繰り返し、平均0.3mmの塗料膜を得た。本発明
の塗料剥離用組成物(イ)を予め塗布乾燥させた鉄板を
(ロ)に、何の処理もせずに塗料を焼き付けたものをフ
ェノール系の剥離液(ハ)に投入し、鉄板の使用枚数と
その時の剥離時間を測定し、液の劣化速度を比較した。
(図参照)(実験結果) 図のグラフより、本発明における剥離液(ロ)の効力は
その使用頻度に影響されることなく、一定状態を維持で
きると判断できる。さらに本テストでは当初3分の1の
剥離時間であったものが、フェノール系の剥離液(ハ)
の劣化により9分の1の剥離時間となった。
尚、各実験例を通じて、樹脂に配合される可塑剤とし
て、その使用する樹脂、並びに、使用する溶剤との相溶
性が良く、樹脂の強度、柔軟性、耐摩耗性、密着性を向
上させるもので、その配合量も樹脂、溶剤、可塑剤の種
類により、それぞれ検討を要するが、可塑剤の配分量と
しては、樹脂に対して0〜120%が適当である。又、添
加剤として防錆剤、成膜助剤を配合することも効果的で
ある。
〔別実施例〕
前記物品の表面に前記塗料剥離用皮膜を形成するのに、
溶剤を使用する以外に、樹脂が熱可塑性のものであれ
ば、加熱溶解させて、その溶解液に前記物品を浸漬させ
るか、溶解液を前記物品に塗布した後、冷却して皮膜を
形成しても良く、その他の方法によって行っても良い。
前記塗料剥離液は、メチレンクロライドのみから成るも
のであっても良い。
前記物品の表面に形成した前記皮膜を溶解させるのに、
剥離液に前記物品を浸漬させる以外に、剥離液を前記物
品に注ぎかけたり、吹付けたりしても良い。
前記皮膜形成用組成物としては、実験例1〜6に示した
もの以外に、次の各配合のものでも良好な結果が得られ
た。
1 塩素化ポリエチレン(塩素含有量65%以上) 5部 塩化パラフィン 3部 トルエン 100部 その他、安定剤、防錆剤を添加する。
2 ポリビニルブチラール 5部 DOP 4部 メタノール 30部 トルエン 70部 その他、安定剤、防錆剤等を添加する。
3 ポリブテン(平均分子量 2400) 5部 DOA 4部 トルエン 100部 その他、安定剤、防錆剤等を添加する。
4 ケトン樹脂 5部 TEP 4部 トルエン 100部 その他、安定剤、防錆剤等を添加する。
5 キシレン樹脂 5部 DOP 4部 トルエン 100部 その他、安定剤、防錆剤等を添加する。
6 ポリブタジエン(平均分子量 2000) 5部 DOP 4部 トルエン 100部 その他、安定剤、防錆剤を添加する。
7 クロルスルフォン化ポリエチレン 5部 エポキシヘキサヒドロフタル酸ジエチル 4部 トルエン 100部 その他、安定剤、防錆剤等を添加する。
前記塗料剥離液としては、次の メチレンクロライド 1000部 アセトン 100部 その他、防錆剤、浸透剤等から成るものを、使用した。
尚、特許請求の範囲の項に図面との対称を便利にするた
めに符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構
成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
図面は塗料剥離液の劣化度を示すグラフである。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塗装物を塗装する前に、メチレンクロライ
    ドに可溶で、且つ、被塗物の塗装に対する前処理に耐性
    ある樹脂から成る塗料剥離用皮膜を、塗料の付着しない
    ことが望まれる物品の表面に予め形成しておき、前記被
    塗物の塗装後、メチレンクロライドを含む塗料剥離液に
    前記物品を浸漬させ、または剥離液を物品に注ぎかけ、
    または剥離液を物品に吹き付けて接触させることによ
    り、前記皮膜を前記塗料剥離液に溶解させて、前記物品
    に付着した塗料を剥離させる付着塗塗料の除去方法。
  2. 【請求項2】前記前処理は、水洗、リン酸塩皮膜処理、
    アルカリ脱脂、及び、1,1,1−トリクロロエタン脱脂の
    うちの少なくとも一種から成る請求項1記載の付着塗料
    の除去方法。
  3. 【請求項3】前記物品は、前記被塗物に対する塗装用治
    具である請求項1または2記載の付着塗料の除去方法。
  4. 【請求項4】メチレンクロライドに可溶で、且つ、被塗
    物の塗装に対する、水洗、リン酸塩皮膜処理のうちの少
    なくとも一種から成る前処理に耐性ある樹脂から成る請
    求項1または2に記載の方法に使用する塗料剥離用膜
    材。
  5. 【請求項5】メチレンクロライドに可溶で、且つ、被塗
    物の塗装に対する前処理としてのアルカリ脱脂処理に耐
    性ある樹脂から成る請求項1または2に記載の方法に使
    用する塗料剥離用膜材。
  6. 【請求項6】メチレンクロライドに可溶で、且つ、被塗
    物の塗装に対する前処理としての1,1,1−トリクロロエ
    タン脱脂処理に耐性ある樹脂から成る請求項1または2
    に記載の方法に使用する塗料剥離用膜材。
  7. 【請求項7】前記前処理としての水洗、及びリン酸塩皮
    膜処理に耐性のある樹脂は、ポリカーボネート、ポリエ
    ステル、変性ポリウレタン、クロロスルホン化ポリエチ
    レン、セルロース系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
    ル、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポ
    リイソブチレン、ポリブテン、塩素化ポリエチレン、AB
    S、SBR、AAS、ACS、ポリスルフォン系樹脂、アルリル系
    樹脂、クマロン樹脂、メチクリル樹脂、SAN樹脂、変性
    ポリオレフィン系樹脂、ケトン樹脂、合成ゴム、ロジ
    ン、天然ゴム及びこれら誘導体の中から選ばれた少なく
    とも一種を有効成分とするものである請求項4記載の塗
    料剥離用皮膜材。
  8. 【請求項8】前記前処理としてのアルカリ脱脂処理に耐
    性のある樹脂は、ポリカーボネート、ポリエステル、変
    性ポリウレタン、クロロスルホン化ポリエチレン、セル
    ロース系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビ
    ニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリイソブチ
    レン、ポリブテン、塩素化ポリエチレン、ABS、SBR、AA
    S、ACS、ポリスルフィン系樹脂、アクリル系樹脂、クマ
    ロン樹脂、メタクリル樹脂、SAN樹脂、変性ポリオレフ
    ィン系樹脂、ケトン樹脂、合成ゴム、天然ゴム及びこれ
    ら誘導体の中から選ばれた少なくとも一種を有効成分と
    するものである請求項5記載の塗料剥離用皮膜材。
  9. 【請求項9】前記前処理としての1,1,1−トリクロロエ
    タン脱脂処理に耐性のある樹脂は、ポリカーボネート、
    ポリエステル、変性ポリウレタン、セルロース系樹脂、
    ポリ塩化ビニル、ポリビニルホルマール、ポリスルフォ
    ン系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル樹脂、SAN樹
    脂、変性ポリオレフィン系樹脂、ケトン樹脂、合成ゴム
    及びこれら誘導体の中から選ばれた少なくとも一種を有
    効成分とするものである請求項6記載の塗料剥離用皮膜
    材。
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