JPH07292454A - 表面処理アルミニウム材 - Google Patents

表面処理アルミニウム材

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JPH07292454A
JPH07292454A JP8654694A JP8654694A JPH07292454A JP H07292454 A JPH07292454 A JP H07292454A JP 8654694 A JP8654694 A JP 8654694A JP 8654694 A JP8654694 A JP 8654694A JP H07292454 A JPH07292454 A JP H07292454A
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JP
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aluminum
layer
nitrogen
diffusion layer
powder
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JP8654694A
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Yasuhiro Yamada
泰弘 山田
Hirohisa Miura
宏久 三浦
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 摩擦摩耗に対してより効果的な表面処理層を
形成した表面処理アルミニウム材とすることを目的とす
る。 【構成】 母材アルミニウムと、該母材アルミニウムの
表面部に形成されたアルミニウムマトリックス中に窒素
が拡散して形成された拡散層と、該拡散層の上面に形成
された主として窒化されたアルミニウム粉末が焼結され
て形成された焼結層とからなる表面処理アルミニウム
材。焼結層は、セラミックス粉末および金属粉末の少な
くとも1種が分散保持または化合物化して保持されてい
る。拡散層はアルミニウムマトリックス中に窒素および
窒素以外の元素が侵入拡散して化合物化して存在してい
る。このアルミニウム材は表面の摩擦摩耗特性に優れて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面処理アルミニウム
材、特に摺動部分に適合できるアルミニウム材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム材は、周知のように鋼等に
比べて硬度が低く、鋼などと摺動した場合、非常に焼付
き易く、摩耗しやすい材料である。このためアルミニウ
ム材には、メッキ、溶射、陽極酸化を利用した各種表面
処理が検討、使用されている。これらはアルミニウム材
の表面に酸化物層を形成するものが殆どで、窒化処理の
試みはあるが、表面に形成される窒化層が薄く表面処理
アルミニウム基材として満足すべきものは得られていな
い。また上記の窒化処理法には、高真空などの高価な装
置を必要とするなどの理由により、実用化された例はほ
とんどない。最近、窒化処理の前に窒素または酸素ガス
を若干含むアルゴンガスによりプレスパッタリングを行
い、窒素ガス雰囲気でグロー放電をおこなうイオン窒化
法処理によりアルミニウム材料の表面に窒化層を形成す
る方法が報告されている(特開昭60−211061号
公報)。また、特開昭63−290255号公報には、
窒素イオンの注入によるアルミニウム材の表面処理方法
の開示がある。さらに、アルミニウム材と窒素ガスによ
る直接窒化法は、特開昭62−153107号公報、特
開昭62−278202号公報に粉末状のアルミニウム
を窒化した例が開示されているが表面処理法としての記
載はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アルミニウムの融点は
650℃であり、鋼の融点(約1600℃)の約1/3
と低いため、融点以下での表面処理法は、酸化アルミニ
ウム層の形成であれ、窒化アルミニウム層の形成であ
れ、その成膜速度が非常に遅いのは、やむを得ないこと
と考えられていた。また、アルミニウム材料は非常に活
性で酸化されやすい金属であるため、表面には常に若干
の自然酸化層があり、これが窒化層の形成を阻害する。
また、この自然酸化層はプレスパッタリングなどで処理
前に取り除いても、通常市販されている10-5Torr
台の真空度では酸化が優先するので非常に窒化しがたい
材料といわれていた。
【0004】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、窒化処理層の特性を検討改良することにより、摩
擦摩耗に対してより効果的な表面処理層を形成した表面
処理アルミニウム材を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは先にアルミ
ニウム材の表面をアルミニウム粉末で被覆した状態で窒
素ガス雰囲気下で熱処理することによりアルミニウム材
表面部に比較的厚い窒化層が形成されることに基づく発
明を出願した(特願平5−274878号)。この方法
によりアルミニウム材は表面から深く窒化処理できる
が、使用にあたっては使用した窒化処理用助剤を除去し
なければならいという不具合が判明した。また、先願の
窒化層は、基本的にはアルミニウム−窒化アルミニウム
の混合相であり、硬度の調整がMHv(マイクロビッカ
ース硬度)250〜1200の範囲でしか調節できない
ため、相手材によっては摩耗特性の調整範囲が狭く自己
摩耗、相手攻撃性のどちらかあるいは両方の悪化が考え
られる。また、さらに摩耗特性を摩耗特性を改善調整す
る場合は、窒化層の窒化率コントロールのみではより一
層の摩耗特性改善・調整をおこなうことが困難であるこ
とが判明した。本発明は前記の先願の改良に係るもの
で、窒化処理用助剤に耐摩耗性物質などを付与して表面
処理することで、表面層の摩擦特性を改善できることを
見出し完成したものである。
【0006】本発明の表面窒化アルミニウム材は、母材
アルミニウムと、該母材アルミニウムの表面部に形成さ
れたアルミニウムマトリックス中に窒素が拡散して形成
された拡散層と、該拡散層の上面に形成された主として
窒化されたアルミニウム粉末から形成された焼結層とか
らなることを特徴とする。この表面処理アルミニウム材
の表面処理層は、表面側に焼結層と母材側に拡散層とが
一体となって構成されている。
【0007】この焼結層は、セラミックス粉末および金
属粉末の少なくとも1種が窒化アルミニウム粉末と共に
焼結されて分散保持され化合物化してアルミニウム母材
に密着して保持されている。一方、拡散層は、該焼結層
の内側で焼結層を保持しアルミニウムマトリックス中に
窒素、または窒素と窒素以外の元素が侵入拡散あるいは
化合物化してアルミニウム母材表面に形成されている。
【0008】この焼結層中に存在するセラミックス粉末
としては、酸化物(Al2 3 など)、炭化物(Si
C、TiCなど)、硼化物(TiB2 など)、窒化物
(TiNなど)などの1種または2種以上が添加され
る。また、金属粉末としては鉄(Fe)、モリブデン
(Mo)、チタン(Ti)など、あるいはアルミニウム
との化合物化による硬質化(粉体の周りで)するチタン
(TiAl、Ti3 Al、TiAl3 )、ニッケル(N
iAl3 、Ni2 Al3 )、銅(CuAl2 、Al4
9 )などが使用できる。さらに、その他摩擦の相手材
によっては他の金属を使用することもできる。また鉛、
錫、アンチモンなどの軟質金属粉末を添加すると、アル
ミニウム母材の耐焼付き性付与の点で有利であり混合効
果が期待できる。その他自己潤滑性を示す材料、たとえ
ば、グラファイト、二硫化モリブデンなどを添加すると
焼結層の摩擦係数の低下、摩耗特性の改善をおこなうこ
ともできる。
【0009】本発明の焼結層は、上記のように窒化アル
ミニウムとセラミックス粉末および金属粉末などが適量
分散した複合層であり、アルミニウム母材の表面に安
定、安価に金属粉末、セラミックス粉末、その他自己潤
滑剤などが分散固着でき表面特性が改善でき耐摩耗性、
相手攻撃性、耐焼付き性などを飛躍的に改善することが
できる。
【0010】拡散層は、窒素または窒素と窒素以外の元
素がアルミニウムマトリックス中に侵入して拡散ないし
は化合物化して形成されている。これは焼結層形成時に
窒素がアルミニウムマトリックス中に侵入して拡散して
窒化アルミニウムを形成するが、その際セラミックス、
金属などの元素の一部が窒素と共にアルミニウムマトリ
ックス中に拡散浸透することにより形成される。
【0011】この窒素以外の元素の拡散浸透は、窒化処
理助剤に硼素、炭素などの軽元素あるいはNi、Ti、
Cuなどの金属元素粉末を混合し窒化することにより焼
結層と共に形成される。上記の硼素、炭素などの軽元素
は、原子半径が小さく物質中の侵入型拡散をすることが
知られており、鉄系材料では硼素化処理、侵炭などの表
面処理として知られている。本発明では、窒素と同時に
これらの軽元素をアルミニウムマトリックス中に拡散さ
せるものである。特に硼素、炭素は窒素と化合物を作り
やすいためアルミニウムマトリックス中への拡散侵入の
駆動力となっていると思われる。
【0012】一方、Ni、Ti、Cuなどの金属元素
は、原子半径が大きいがアルミニウムと金属間化合物を
つくりやすく窒化処理時に窒素とともにアルミニウムマ
トリックス中に拡散するものと考えられる。また、上記
のように窒素以外の元素を拡散させた拡散層をもつアル
ミニウム母材の焼結層の表面を研磨して、拡散層を表出
させ、拡散層をアルミニウム材の表層として利用するこ
ともできる。
【0013】表面処理層は、アルミニウム材の全表面に
形成されていても、一部特定の表面部分に形成されてい
てもよい。また、アルミニウム材は板状、棒状等のアル
ミニウム基材でも、所定形状に成形されたものでもよ
い。本発明の表面処理アルミニウム材は、アルミニウム
材の少なくとも一部表面にアルミニウム粉末からなる窒
化処理用助剤にセラミックス粉末、金属粉末などを混合
して接触させ、その状態で該アルミニウム材の融点以下
の温度で実質的に窒素ガスからなる雰囲気ガスによりア
ルミニウム材の表面を窒化処理させたものである。
【0014】本発明のアルミニウム材の窒化処理方法の
原理は未だ不明確である。窒素ガスを流しながら窒化を
実施すると、窒化処理用助剤として使用されるアルミニ
ウム粉末が被覆された部分だけではなくその部分の窒素
ガスのわずか下流側の範囲にも窒化層が形成されること
から、発生期の窒素が窒化に寄与しているものと推測し
ている。すなわち、この窒化処理用助剤として使用され
るアルミニウム粉末が所定温度で窒素ガスと接触する
と、アルミニウム粉末自体が窒化され、その際一部の窒
素ガスが励起されて発生期の窒素になるものと思われ
る。この発生期の窒素がアルミニウム材に吸収され、窒
化層を形成するものと推定している。
【0015】窒化されるべきアルミニウム材の表面に存
在するアルミニウムもアルミニウム粉末と同様窒化さ
れ、発生期の窒素を発生するものと推測される。しかし
アルミニウム粉末を被覆していないアルミニウム表面に
は実質的に窒化層は形成されない。本発明の窒化処理方
法に使用するアルミニウム粉末は、アルミニウム粉末自
体が窒化される限り窒化処理用助剤として使用できる。
しかし窒化処理能力の高いアルミニウム粉末としては、
急冷凝固されたアルミニウム粉末、特に102 ℃/秒以
上の冷却速度で急冷凝固されたアルミニウム粉末が好ま
しい。さらには、マグネシウムを含むアルミニウム合金
で構成された粉末が窒化処理用助剤として優れている。
特にマグネシウムを0.5重量%以上含むアルミニウム
粉末がよい。
【0016】また、この窒化処理用助剤として用いるア
ルミニウム粉末は、アトマイズ法で得られる粉末のみで
なく、箔状、粒状または箔と粒との混合物も使用するこ
とができる。すなわち、箔やリボン、切削屑からスタン
ピングやボールミルなどの粉砕などで形成したものでも
あってもよい。アルミニウム粉末の粒度は5〜200μ
m程度が好ましい。粉末は粒状でも箔状でもよい。また
箔と粒との混合でも良く、その表面積が0.4m2 /g
あることが反応性の点から好ましい。
【0017】アルミニウム材の表面と窒化処理用助剤の
接触方法は、窒化処理用助剤を構成するアルミニウム粉
末中にアルミニウム材を埋設してもよい。また、アルミ
ニウム材の表面にアルミニウム粉末を被覆してもよい。
この被覆にあたり、適当な粘着材をアルミニウム粉末に
配合し、ペースト状にして使用してもよい。粘着材とし
ては、窒化の温度で分解する有機物が好ましい。塗布は
膜厚を5〜1000μmの範囲の厚さとするのが好まし
い。
【0018】窒化用の雰囲気ガスとしては窒素ガスが使
用される。この窒素ガスは水分とか酸素ガスの含有量の
少ないものがよい。アルゴンガス等の不活性ガスは混入
していても問題にならない。水分は、水蒸気として0.
1体積%以下、酸素は0.08体積%以下であるのが好
ましい。窒化処理温度は、反応性の点からは温度が高い
ことが望ましい。しかしアルミニウム材は実質的に固相
状態で処理する必要がある。また、あまり深い窒化層の
形成を望まない場合とか、熱処理歪みを少なくしたい場
合は、低い温度でおこなうのが好ましい。通常は400
〜600℃程度の温度で2〜10時間の処理が標準であ
る。
【0019】
【作用】本発明の表面処理アルミニウム材は、表面に拡
散層と焼結層とが形成されている。焼結層はセラミック
ス粉末、金属粉末などが窒化アルミニウムに分散しアル
ミニウム材の摩擦摩耗特性を向上させる。また拡散層は
窒素または窒素と他の元素がアルミニウムマトリクッス
中に拡散して窒化アルミニウムおよび拡散した元素の化
合物化した者を保持して、アルミニウムマトリクス母材
の硬度を高めている。この表面処理層により摩擦特性に
優れ硬度の高いアルミニウム材として使用できる。
【0020】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 (実施例1)マグネシウムを5重量%含むアルミニウム
溶湯を102 ℃/秒以上の冷却速度で急冷凝固して粒径
3〜150μmのアルミニウム粉末を製造した。このア
ルミニウム−5%マグネシウム粉末にポリブテンを配合
してペースト状にした窒化処理用助剤に30重量%のア
ルミナ粉末(平均粒径10μm)を攪拌混合した。この
窒化処理用助剤混合物をJIS2024のアルミニウム
材の表面に刷毛塗りで約200μmの厚さに塗布した。
この窒化処理用助剤混合物が塗布されたアルミニウム材
を熱処理炉に装入した後、炉内を昇温して550℃×5
時間の窒化処理を施した。窒化処理条件は99.9%の
純窒素ガスを10l/minの流速で炉内に導入し、炉
内露点を−20℃〜30℃に保った。
【0021】上記の表面処理で得られた表面処理アルミ
ニウムは、以下の評価により表面にアルミナが分散した
焼結層とその内側に窒素アルミニウムの拡散層とが形成
されていることを確認した。得られた表面処理アルミニ
ウム材の端部を切断しその断面の金属組織を顕微鏡写真
を図1に示す。また、この断面部分のEPMAライン分
析による各元素%の要部チャートを図2に示す。
【0022】図1の金属組織の顕微鏡写真より表面処理
アルミニウム材の焼結層の厚さは110μm、拡散層の
厚さは100μmである。またビッカース硬さは〔マイ
クロビッカース硬さ(負荷重100g)の測定によるM
Hv〕焼結層が(黒色部)がMHv1097、拡散層が
MHv464であり、母材のMHv93.6に対してい
ずれも大きく硬質化していた。特に焼結層は拡散層より
硬くアルミナ粒子の添加により複合化してより硬質な層
が形成されていると考えられる。
【0023】図2のEPMAライン分析は、縦軸がアル
ミニウム、酸素および窒素の重量%で、縦軸の最上点の
数値、酸素50、窒素20、アルミニウム100、中段
の数字は酸素25、窒素10、アルミニウム50各重量
%を示す。横軸は表面からの距離を示し、左端が最表
面、右に進につれ内部へと移行している。図2から表面
部分は窒化処理用助剤とアルミナとの混合物を塗布して
形成した焼結層で、アルミニウムと酸素のピークが重な
って存在しておりアルミナが分散して存在している窒化
アルミニウム層である。次いでアルミニウム母材の表面
から内側に向かってアルミニウムと窒素のピークが重な
っている部分が拡散層で窒化アルミニウムが形成されて
いる。そして窒素の量が無くなった部分以降がアルミニ
ウム母材の部分である。したがって、アルミニウム母材
の表面に窒化アルミニウムの拡散層とさらにその表面側
にアルミナが分散していて存在する焼結層が形成されて
いることがわかる。 (実施例2)実施例1と同じ、マグネシウム5重量%を
含むアルミニウム溶湯を102 ℃/秒以上の冷却速度で
急冷凝固して粒径3〜150μmとしたアルミニウム粉
末を得た。本実施例でのアルミニウム粉末を窒化処理用
助剤として使用した。このアルミニウム−5%マグネシ
ウム粉末にポリブテンを配合しペースト状とした窒化処
理用助剤に50重量%のTiB2 粉末(平均粒径5μ
m)を攪拌混合した。この窒化処理用助剤混合物をJI
S5052のアルミニウム材の表面に約500μmの厚
さに刷毛塗りで塗布した。この塗布処理されたアルミニ
ウム材を熱処理炉に装入した後、昇温し480℃×5時
間の窒化処理をおこなった。窒化処理条件は99.99
99%高純窒素ガスを管状炉に1l/分の流速で炉内に
導入し、炉内露点を−60℃以下に保った。なお、炉内
の酸素濃度は100ppm以下であった。この表面処理
の結果、表面にTiB2 が分散して硬質化した焼結層を
形成した表面処理アルミニウム材であることを以下の評
価で確認した。
【0024】得られた表面処理アルミニウム材の金属組
織の顕微鏡写真を図3、表面処理層のEPMAライン分
析結果の要部チャートを図4に示す。図4は、縦軸にア
ルミニウム、Ti、Bおよび窒素の重量%を、横軸は左
端が最表面で右側に進むにつれアルミニウム材の内部に
進むようになっている。図4の焼結層にはTiとBのピ
ークが重なって存在しておりTiBが分散していること
を示す。拡散層は窒素とアルミニウムのピークがあり窒
化アルミニウムが形成されていることを示している。図
3の組織写真より焼結層の厚さは約60μm、拡散層の
厚さは110μm、ビッカース硬さは焼結層がMHv3
83、拡散層がMHv285であり母材硬さMHv7
1.3に対していずれも硬質化した表面が得られてい
る。 (実施例3)実施例1と同じ、マグネシウム5重量%を
含むアルミニウム溶湯を102 ℃/秒以上の冷却速度で
急冷凝固して粒径3〜150μmのアルミニウム粉末を
窒化処理用助剤として使用した。このアルミニウム−5
%マグネシウム粉末にポリブテンを配合しペースト状と
した窒化処理用助剤に10重量%のB粉末(平均粒径2
〜3μm)を攪拌混合して、JIS2024のアルミニ
ウム材表面に厚さ700μm程度のコーテング層となる
ように刷毛塗りで塗布した。このように準備されたもの
を、予め窒素置換された熱処理炉に装入後、昇温し50
0℃×3時間窒化処理した。窒化処理条件は99.99
99%高純窒素ガスを使用し管状炉に21/分の流量で
導入して炉内露点を−20℃〜−45℃に保つことによ
り実施した。なお、酸素濃度は200ppm以下であっ
た。
【0025】この表面処理の結果、得られた表面処理ア
ルミニウム材は硼素が焼結層に分散し拡散層にも硼素が
拡散したものであることを以下の評価により確認した。
得られた表面処理アルミニウム材の金属組織の顕微鏡写
真を図5、表面処理層のEPMAライン分析結果の要部
チャートを図6に示す。図6のEPMAライン分析結果
は、縦軸にアルミニウム、硼素および窒素の重量%を横
軸は左端が最表面となり、右に進につれアルミニウム材
の内部に進むようになっている。図6の焼結層はアルミ
ニウム、窒素、硼素のピークがみられ、さらに拡散層に
も硼素のピークが認められ、拡散層に硼素が存在するこ
とが認められる。図5の組織写真より焼結層の厚さは1
00μm、拡散層の厚さは250μm、ビッカース硬さ
は焼結層がMHv824、拡散層がMHv514であり
母材硬さMHv122に対していずれも硬質化した表面
が得られている。
【0026】特に拡散層はEPMAによると焼結層の窒
素割合が50%であるのと比較して拡散層の窒素割合は
1/5の10%である。しかし、拡散層の硬さの低下
は、上記のビッカース硬度に示すように少ない。これは
拡散層に硼素が拡散化合物化して硬質化しているためと
考えられる。 (実施例4)実施例1と同様に、急冷凝固法で製造した
Al−2.5Mg組成のアルミニウム粉末を窒化処理用
助剤とし、この粉末に50重量%のTi粉末(−100
メッシュ)を混合した。さらにこの混合粉をポリブテン
に攪拌混合しペースト状にしたものをJIS5052の
アルミニウム材に厚さ900μm程度のコーテング層と
なるように塗布して窒化処理をおこなった。540℃×
10時間の窒化処理をおこなった。窒化処理条件は9
9.9%の純窒素ガスを(20/minの流量で)炉内
に導入し、炉内露点を−30℃〜−40℃に保った。
【0027】この表面処理の結果、得られた表面処理ア
ルミニウム材は焼結層にTiが分散し、さらに拡散層に
もTiが拡散していることを以下の評価で確認した。得
られた表面処理アルミニウム材の金属組織の顕微鏡写真
を図7、処理層のEPMAライン分析結果の要部チャー
トを図8に示す。図8のEPMAライン分析により焼結
層にはTiが存在し、拡散層の表面側にも1%程度のT
iが検出されTiが拡散した窒素と複合化合物化した層
となっている。またこの拡散層のアルミニウム母材側に
は窒素のみの拡散層が存在しておりTiは必ずしも窒素
と同時には存在していない。これはTiの原子半径が大
きく窒素よりも拡散が遅いことによる考えられる。
【0028】図7の金属組織の写真の焼結層の白色部は
Ti粒子である。Ti粒子の硬さはMHv147で、T
i粒子以外の焼結層の硬さはMHv1200であった。
したがって、焼結層の窒素割合はEPMAライン分析結
果のTi粒子近傍をみても20%以下であるにもかかわ
らず、非常に硬くなっている。(AlNのビッカース硬
さは1200〜1400)。これはTi、Al、Nのな
んらかの化合形態の化合物が生成して硬質化しているも
のと考えられる。
【0029】焼結層内側の拡散層のビッカース硬さはM
Hv824、拡散窒化層のビッカース硬さはMHv51
4であった。焼結層内側の拡散層においてもTi,A
l、Nの化合物が生成したため、単なる拡散窒化層より
硬質化しているものと考えられる。アルミニウム母材の
硬さはMHv50.7であり、焼結層拡散層とも大幅な
硬質化されていることがわかる。Tiの添加は窒化時に
非常な硬質化効果があることがわかる。
【0030】
【発明の効果】本発明の表面処理アルミニウム材は、表
面に焼結層と拡散層とを有し焼結層にセラミックスなど
の金属の摩擦特性を向上する物質が存在し、拡散層は窒
化アルミニウムなどで硬化されている。したがって、こ
の表面処理アルミニウム材は耐摩耗性が要求されたりす
る摺動部品などの使用に最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この図は、実施例1の表面に焼結層および拡
散層を形成したアルミニウム材の断面の金属組織を示す
顕微鏡写真である。
【図2】 この図は、実施例1の表面に焼結層および拡
散層を形成したアルミニウム母材の表面層のEPMAラ
イン分析結果の要部を示すチャートである。
【図3】 この図は、実施例2の表面に焼結層および拡
散層を形成したアルミニウム母材の断面の金属組織を示
す顕微鏡写真である。
【図4】 この図は、実施例2の表面に焼結層および拡
散層を形成したアルミニウム母材の表面層のEPMAラ
イン分析結果の要部を示すチャートである。
【図5】 この図は、実施例3の表面に焼結層および拡
散層を形成したアルミニウム母材の断面の金属組織を示
す顕微鏡写真である。
【図6】 この図は、実施例3の表面に焼結層および拡
散層を形成したアルミニウム母材の表面層のEPMAラ
イン分析結果の要部を示すチャートである。
【図7】 この図は、実施例4の表面に焼結層および拡
散層を形成したアルミニウム母材の断面の金属組織を示
す顕微鏡写真である。
【図8】 この図は、実施例4の表面に焼結層および拡
散層を形成したアルミニウム母材の表面層のEPMAラ
イン分析結果の要部を示すチャートである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材アルミニウムと、該母材アルミニウ
    ムの表面部に形成されたアルミニウムマトリックス中に
    窒素が拡散して形成された拡散層と、該拡散層の上面に
    形成された主として窒化されたアルミニウム粉末から形
    成された焼結層とからなることを特徴とする表面処理ア
    ルミニウム材。
  2. 【請求項2】 上記焼結層は、セラミックス粉末および
    金属粉末の少なくとも1種が分散保持または化合物化し
    て保持されていることを特徴とする請求項1記載の表面
    処理アルミニウム材。
  3. 【請求項3】 上記拡散層は、アルミニウムマトリック
    ス中に窒素および窒素以外の元素が侵入拡散あるいは化
    合物化して存在していることを特徴とする請求項1記載
    の表面処理アルミニウム材。
  4. 【請求項4】 母材アルミニウムと、該母材アルミニウ
    ムの表面部に形成されたアルミニウムマトリックス中に
    窒素および窒素以外の元素が侵入拡散あるいは化合物化
    して存在する拡散層を有することを特徴とする表面処理
    アルミニウム材。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5989734A (en) * 1996-09-30 1999-11-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Aluminum product having metal diffusion layer, process for producing the same, and paste for metal diffusion treatment

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