JPH07293659A - ボールねじ装置 - Google Patents

ボールねじ装置

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JPH07293659A
JPH07293659A JP8166894A JP8166894A JPH07293659A JP H07293659 A JPH07293659 A JP H07293659A JP 8166894 A JP8166894 A JP 8166894A JP 8166894 A JP8166894 A JP 8166894A JP H07293659 A JPH07293659 A JP H07293659A
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shaft
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screw
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ねじ軸に伝わる低周波数領域の振動をも効果的
に減衰させてねじ軸の共振を防止した、長ストロークで
かつ高速作動の可能なボールねじ装置を提供する。 【構成】ボールねじ装置10は、ねじ軸11に中空穴1
1bを設けるとともに、その中空穴11bに挿入された
制振質量体15と、その制振質量体15の外面とねじ軸
の中空穴11bの内面との間に介在され、軸方向に間隔
をおいて二個以上の支持点を構成する制振質量体保持環
25を備え、その保持環25の少なくとも外径面と中空
穴内径面との間には僅かなすき間を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長ストロークの作動が
必要でかつ高速作動が要求される半導体のチップマウン
タや木工機械等の移送装置に用いられるボールねじ装置
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】長ストロークかつ高速作動が要求される
場合に好適な送り装置にボールねじ装置が利用される。
ボールねじ装置はコンパクトで移送精度も良好であるば
かりでなく、摩擦とか発熱等の問題も少ないという利点
を有するが、他方で、ねじ軸が長尺になるほど支持スパ
ンが長くなってラジアル方向の固有振動数が極端に低く
なり、高速運転ができないという宿命的な難点がある。
これは、ボールねじ装置の許容最高速度が、ねじ軸のラ
ジアル方向の固有振動数と回転振動力との共振現象を生
じるいわゆる危険速度に達することのないように制限を
受けるためである。
【0003】このようなねじ軸の共振による大きな振動
を避けるため、ねじ軸を両端で固定し、ボールナットの
方を回転させながら軸方向に移動させる方策も提案され
ている。しかし、ボールナットを回転させるボールねじ
装置の場合でも、ねじ軸の支持スパンは長いままである
から、ねじ軸の固有振動数自体は低いままであり、ボー
ルナットの回転によってねじ軸に加わる微小振動の振動
数が危険速度域となる場合には、ねじ軸回転方式の場合
のような偏心質量による振れ回りは生じないにしても、
結局共振現象が生じて大きな振動が発生してしまう。そ
のため、ボールねじ装置を使用したテーブル駆動装置等
ではねじ軸の危険速度より低い回転数で使用することが
一般的である。
【0004】これに対して、本出願人は、先に出願した
特開平6−11009号公報において、中空穴を有する
ねじ軸内に長尺の中軸を制振質量体として同芯に保持
し、ねじ軸の振動時に当該中軸が中空穴内面と衝突すべ
く構成して、その衝突で共振点での振動を抑制すること
により、危険速度を越えた運転を可能とするボールねじ
装置を提案している。同出願では、ねじ軸の中空穴の加
工精度や中軸の撓み等のためにねじ軸と中軸とが接触し
てしまいねじ軸と中軸との均一なすき間が確保できない
場合には、中軸中央付近の一箇所を環状のブッシュで固
定する例も開示している。
【0005】また、同じく本出願人は、先に出願した特
願平6−003773号においては、ねじ軸の中空穴に
挿入された長尺の制振質量体と、その制振質量体の外面
とねじ軸の中空穴内面との接触を妨げる緩衝材として機
能するゴム材又は合成樹脂材とを有する構成とし、その
緩衝材の内部摩擦による振動エネルギー吸収能力でねじ
軸と制振質量体との合成振動を減衰せしめ、更にはねじ
軸と制振質量に発生する摩擦によっても間接的に振動を
減衰せしめて危険速度を越えた運転を可能とするボール
ねじ装置を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記特願平6−003
773号で提案したボールねじ装置にあっては、制振質
量体と中空ねじ軸の内径面との間にゴム材又は合成樹脂
材からなる緩衝材を介在させて衝突のショックを和らげ
ているが、基本的には衝突による減衰効果及び制振質量
体,中空ねじ軸と緩衝材との摩擦効果により振動エネル
ギーの減衰を図っている。しかしながら、このような衝
突や摩擦による振動減衰効果は、ねじ軸が十数Hz以下
の低い周波数で励振されたときには発生しない(後述の
実験データ参照)という問題点がある。これは、低周波
数の振動ではねじ軸を通して伝えられた振動加速度が非
常に小さくなり、制振質量体の重力や制振質量体とねじ
軸間の粘性力のために制振質量体が拘束されて、その結
果ねじ軸と制振質量体の相対運動が発生しなくなるため
である。
【0007】一方、前記特開平6−11009号公報で
提案したボールねじ装置の場合は、ねじ軸と同芯に保持
された長尺の制振質量体が振動時に中空ねじ軸内径面と
衝突するようにされているが、低い周波数で励振された
ときはねじ軸と制振質量体とが相対運動するとは必ずし
も言えない。しかしながら、低い周波数におけるねじ軸
の制振については両者の相対運動を効率的に行う必要が
あるにも拘わらず特開平6−11009号公報にはその
具体的手段までは考慮されておらず、十分な減衰効果が
期待できるとはいいきれないという問題点がある。
【0008】そこで、本発明は、上記従来の問題点に着
目してなされたものであり、低い周波数領域に至るまで
常に優れた減衰効果を発揮できる長尺のねじ軸を備えた
ボールねじ装置を提供することを目的とする。また、本
発明の他の目的とするところは、ボールナットの位置に
よって変化するねじ軸の固有振動数に対応して広範囲の
周波数の振動を抑制できるボールねじ装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のボールねじ装置
は、外周面にボールねじ溝を有しかつ中空穴を有する長
尺のねじ軸と、該ねじ軸のボールねじ溝に対向するボー
ルねじ溝を内周面に有するボールナットと、前記ねじ軸
のボールねじ溝と前記ボールナットのボールねじ溝との
間に嵌合されて前記ねじ軸と前記ボールナットとを相対
螺旋運動可能とする多数のボールと、前記ねじ軸の中空
穴に径方向にすき間を有して挿入された制振質量体とを
備えたボールねじ装置において、前記制振質量体の外面
と前記ねじ軸の中空穴内面との間に介在され、軸方向に
間隔をおいて二個以上の支持点を構成する制振質量体保
持環を備え、少なくとも該保持環の外径面と前記中空穴
の内径面との間にわずかなすき間を有することを特徴と
するものである。
【0010】また、上記のボールねじ装置において、制
振質量体の固有振動数を複数にするべく制振質量体保持
環による複数の支持点の軸方向の間隔を異ならせたこと
を特徴とするものである。
【0011】
【作用】本発明のボールねじ装置によれば、制振質量体
を保持する保持環の軸方向の間隔を変更することによ
り、制振質量体のラジアル方向の固有振動数を変え、ね
じ軸の固有振動数に近づけることで励振力(励振加速
度)が小さくなっても制振質量体の共振状態を発生させ
ることができる。共振状態が発生すると制振質量体が独
自に振動し始め、その結果、制振質量体とねじ軸とに大
きな相対運動が発生する。制振質量体のバネ剛性はさほ
ど大きくなくても、ねじ軸と制振質量体との間が僅かな
すき間になっているので、ねじ軸と制振質量体にはその
相対運動により衝撃や摩擦力が発生してくる。
【0012】このようにして、低い周波数で、ねじ軸か
らの励振力が小さくても大きな制振効果を生じてねじ軸
の振動が抑制される。しかし上記振動抑制効果はある周
波数領域に対してしか発揮されない。ねじ軸の固有振動
数はボールナットの位置により絶えず変化するので、制
振質量体の保持環による支持スパンを異ならせたものを
複数中空穴に挿入することで、それぞれの制振効果が重
なり合い、制振効果のある周波数領域を拡げ、広範囲の
周波数によるねじ軸の振動も抑制される。
【0013】
【実施例】以下に、この発明の実施例を図面を参照して
説明する。図1は、本発明のボールねじ装置をテーブル
駆動装置に適用した一実施例の縦断面図である。先ず構
成を説明すると、図示のテーブル駆動装置は、軸方向に
長い基台1に沿って移動自在に支持されたテーブル2を
ボールねじ装置10で送り駆動するものであり、テーブ
ル2は横断面ほぼU字状の基台1の上に、図示されない
直線案内軸受(リニアガイド装置)を介して滑らかに移
動可能に取り付けられている。
【0014】ボールねじ装置10は、外周面に螺旋状の
ボールねじ溝11aを有する長尺の中空のねじ軸11
と、内周面にねじ軸のボールねじ溝11aに対向したボ
ールねじ溝12aを有するボールナット12と、両ボー
ルねじ溝11a,12aとの間に嵌合されてねじ軸11
とボールナット12とを相対螺旋運動可能とする多数の
ボール13とを備えている。
【0015】この実施例のボールねじはいわゆるエンド
キャップ方式のものであって、図示しないが、例えばボ
ールナット12の胴部に設けた貫通孔に移動するボール
を導いて循環させるためのほぼドーナツ状の湾曲路を有
するエンドキャップがナット胴部の両端に装着され、ね
じ軸のボールねじ溝11aから移りその一方の彎曲路で
Uターンして貫通孔内を進んだボールが他方の彎曲路で
逆Uターンしてボールねじ溝11aとボールナットのボ
ールねじ溝12aとの間に戻る循環を繰り返すようにな
っている。
【0016】上記ねじ軸11の中空穴11bには、外径
が中空穴径より細く且つ長さがねじ軸11の全長より幾
らか短い長尺の鉄棒からなる制振質量体としての中軸1
5が、径方向にすき間14を介して一本挿入されてい
る。しかして、この中軸15の外面とねじ軸11の中空
穴11bの内面との間には、軸方向に間隔をおいて三個
の支持点を構成する制振質量体保持環(以下、単に保持
環ともいう)としてのブッシュ25が介装されて中軸1
5を保持している。この実施例の場合は、図2に示すよ
うに、ブッシュ25の外径面と中空穴11bの内径面と
の間にすき間C1が設けられるとともに、ブッシュ25
の内径面と中軸15の外径面との間にもすき間C2が設
けられている。従って、ブッシュ25を中空穴11b内
で移動させることができ、これによりブッシュ25の軸
方向の位置を自由に調整して中軸15の支持間隔(支持
スパン)を変更できるようになっている。
【0017】これらのすき間C1,C2はブッシュ25
が中空穴内径面及び中軸外径面を摺動できる程度のわず
かなすき間で良い。ねじ軸11の中空穴11bの両端の
開口部にはねじ蓋16を取り付けて、中軸15及びブッ
シュ25の脱落を防止している。このような構造を有す
るボールねじ装置10のねじ軸11は、基台1の中央の
凹部の真上を通して基台1上に配設され、その両端がそ
れぞれねじ軸固定部材17を介して回転不能に基台1に
固定支持されている。
【0018】一方、このねじ軸11に螺合されたボール
ナット12は、基台1上を走行するテーブル2の下部に
玉軸受18を介して回転自在に嵌着されている。そのボ
ールナット12の端面にはプーリ19が一体回転可能に
取り付けられている。テーブル2の上面には駆動用モー
タ20が搭載されていて、そのモータ出力軸に取り付け
たプーリ21と前記プーリ19とがタイミングベルト2
2で同期回転可能に連結されている。
【0019】次に作用を述べる。駆動用モータ20が回
転駆動されると、その駆動トルクがプーリ21,タイミ
ングベルト22,プーリ19と伝達されてボールねじ装
置10のボールナット12が回転する。すると、ねじ軸
11とボールナット12との間に嵌合させたボール13
がねじ軸11及びボールナット12のボールねじ溝11
a,12a間を転動しつつ移動するとともに、図外の循
環路を経てボールナット12内で無限循環を繰り返す。
これにより、ボールナット12が不回転に固定支持され
ているねじ軸11に案内されて軸方向に移動する。同時
に、テーブル2は、リニアガイド装置に案内されつつ滑
らかに基台1上を軸方向に移動する。
【0020】このとき、ねじ軸11は回転しないため、
軸回転で使用する場合のような偏心質量による振れ回り
振動は生じないが、ボールナット12の回転による微小
振動が加わるため振動を生じる。しかして長尺のねじ軸
11の支持スパンは長くて固有振動数が低いことから、
ボールナット12を高速回転させると前記微小振動の振
動数がねじ軸11の危険速度域となることがある。その
場合、ねじ軸11が一般的な中実軸であれば、共振現象
が生じてねじ軸11に大きな振動が発生しやすい。
【0021】しかるにこの実施例の場合は、ねじ軸11
を中空にしてその中に長尺の中軸15が挿入され、三個
のブッシュ25で軸方向の間隔すなわち支持スパンを隔
てて三箇所で支持されいる。その支持スパンは、ブッシ
ュ25を軸方向に移動させて容易に変更することができ
るから、これにより中軸15のラジアル方向の固有振動
数をねじ軸11の固有振動数に近づけることが可能であ
る。かくしていま、ねじ軸11が例えば十数Hz以下と
いう低い周波数で励振されたとしても、中軸15の固有
振動数がねじ軸11の固有振動数に近ければ、ボールナ
ット12の回転による励振力(励振加速度)が小さい微
小振動であっても中軸15の共振状態を発生させること
ができる。この共振の発生で中軸15がねじ軸11とは
非同期的に独自に振動し始め、その結果、中軸15とね
じ軸11との間に大きな相対運動が生じることとなる。
ねじ軸11の中空穴径と中軸15を支持するブッシュ2
5の外径との間には僅かなすき間C1が設けてあるの
で、ねじ軸11と中軸15にはその相対運動により衝撃
や摩擦力が発生し、ねじ軸11の振動エネルギーが相殺
されてねじ軸11の振動が減衰される。
【0022】このようにして本実施例のボールねじ装置
によれば、低い周波数で且つねじ軸11からの励振力が
小さくても、ブッシュ25による支持スパンを調整して
中軸15のラジアル方向の固有振動数をねじ軸11の固
有振動数に近づけ、大きな制振効果を生じてねじ軸の振
動が抑制される。上記の制振効果を確認するため行った
実験による、ねじ軸11のインパルス応答の結果を図3
〜図6に示す。
【0023】この実験は、長さ3630mm、外径40
mm、固有振動数約11Hzの長尺の中空ねじ軸を被検
体として、インパクト加振した際の振動の減衰状態を記
録したものである。図3は被検体が中空ねじ軸のみの場
合である。図4は被検体が特願平6−003773号で
提案したボールねじ装置に用いたねじ軸の場合であっ
て、中空ねじ軸の中空穴に長尺の制振質量体を挿入する
と共に、その制振質量体と中空ねじ軸の内径面との間
に、ほぼ制振質量体の全長に及ぶ長さのゴム材又は合成
樹脂材からなる緩衝材を介在させてある。
【0024】図5は図1に示す本発明のねじ軸11の場
合である。各グラフ中において、横軸は時間(1目盛り
1sec)、縦軸はねじ軸の振動の振幅(1目盛りが0.
5 mm)である。各グラフの比較から明らかなように、
ねじ軸の固有振動数がこのような低周波数の場合には、
本発明のもの以外のものには全くといって良いほど制振
効果が認められなかったのに対して、図1の本実施例の
ねじ軸11の場合は顕著な振動減衰効果が一目瞭然であ
る。
【0025】図6には、上記実験における、ねじ軸のイ
ンパクト加振による変位をプロットした結果を比較して
示す。この結果から、特願平6−003773号のねじ
軸の場合は、ねじ軸の固有振動数がある程度の高い周波
数にならないと効果が認められないのに対して、本発明
品のねじ軸の場合はねじ軸の固有振動数が低い周波数か
ら高い周波数へと広い範囲に対応して顕著な振動減衰効
果を示すことが明らかである。
【0026】図7〜図8には、ブッシュ25の取付け構
造の変形例を示す。図7のものは、ボールねじ装置の作
動時にブッシュ25が中空穴11b内を軸方向に勝手に
移動することがないように、中空のねじ軸11の外部か
ら止めねじ30でブッシュ25をねじ軸11に固定して
いる。固定した状態で、ブッシュ25の外径面と中空穴
11bの内径面との間にはすき間C1が介在し、またブ
ッシュ25の内径面と中軸15の外径面との間にはすき
間C2が介在している。このすき間C2により中軸15
はねじ軸11と独立に振動できて、中軸15とねじ軸1
1との間に大きな相対運動が可能である。
【0027】この変形例によれば、中軸15の支持スパ
ンを一定に保つことができる利点がある。図8のもの
は、ボールねじ装置の作動時にブッシュ25が中空穴1
1b内を軸方向に勝手に移動することがないように、中
軸15に対してブッシュ25を締まりばめで装着して固
定している。この場合は、ブッシュ25の外径面と中空
穴11bの内径面との間のすき間C1により中軸15は
ねじ軸11と独立に振動できて、中軸15とねじ軸11
との間に大きな相対運動が可能である。
【0028】この変形例も、上記同様に中軸15の支持
スパンを一定に保つことができる利点がある。図9に本
発明のボールねじ装置の他の実施例を示す。この実施例
は、上記図1の実施例における長尺の中軸15を複数
(この場合は2本であるがそれ以上でもよい)に分割し
た点が異なっている。これにより、ねじ軸11の中空穴
11b内への中軸15の挿入が容易になる利点がある。
【0029】図10に更に他の実施例を示す。この実施
例は、ブッシュ25を多数用いて中軸15を異なる長さ
の複数の支持スパンをもって支持する構成を有する。支
持スパンの長さに応じて中軸15のラジアル方向の固有
振動数は異なってくるから、この場合の中軸15は複数
の固有振動数を有するものとなる。その結果、ボールナ
ットの移動に伴いねじ軸11のラジアル方向の固有振動
数が変化しても、この中軸15の有する複数のラジアル
方向固有振動数のいずれかと近接するので、ねじ軸11
の振動が一層効果的に抑制されるという利点がある。
【0030】図11にまた他の実施例を示す。この実施
例は、ねじ軸11の中空穴11bの挿入した中軸15
を、ねじ軸11の両側から中空穴11bに螺合した長い
止めねじ31で軸方向に拘束した構成を有する。中軸1
5の長さがねじ軸11の長さより極端に短い場合などで
は、ボールねじ装置10の作動時に、ブッシュ25に支
持されていた中軸15が軸方向のどちらかに移動してし
まい、そのために最初に設定した減衰効果の特性が変化
してしまう可能性がある。このような現象を防止するた
めには、ブッシュ25に支持された中軸15を最初の状
態のままに維持しておくことが望ましい。この実施例に
よれば、ねじ軸端から止めねじ31で軸方向に中軸15
の位置を調節し、容易にその位置に固定して維持できる
利点がある。
【0031】図12にまた他の実施例を示す。この実施
例は、中軸15の長さ方向の大部分が、ブッシュ25で
支持された個所を除き、樹脂チューブ32で被覆されて
いる点が図1のものと異なっている。この樹脂チューブ
32がねじ軸11の内径面と中軸15との衝突により発
生する音を緩和して静粛な運転ができ、また衝突による
新たな振動の発生も抑制するという利点がある。
【0032】図13にまた他の実施例を示す。この実施
例は、上記図12に示したものの樹脂チューブ32に代
えて、中軸15の外径面を樹脂コーティング33で被覆
したものである。この樹脂コーティング33がねじ軸1
1の内径面と中軸15との衝突により発生する音を緩和
して静粛な運転ができ、また衝突による新たな振動の発
生も抑制するという利点がある。
【0033】図14に更に他の実施例を示す。この実施
例は、中軸15を挿入したねじ軸11の中空穴11bの
端部に螺着される蓋16の内側端面に、ゴム材等からな
る緩衝部材34を取り付けたものである。この緩衝部材
34が、中軸15と蓋16の衝突により発生する音を緩
和して静粛な運転ができ、また衝突による新たな振動の
発生も抑制するという利点がある。
【0034】なお、以上の各実施例において、ボールナ
ット12の駆動方式はテーブル2の上面に設置した駆動
モータ20によりベルト駆動で行うものとしたが、これ
に限られず、その他例えばねじ軸11を挿通した中空モ
ータをテーブル2にブラケットで取り付けて、そのモー
タ出力部にボールナット12を連結して駆動する方式で
も良い。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
の発明によれば、ねじ軸を貫通する中空穴を設けて、そ
の中空穴に長尺の制振質量体量を挿入するとともに、そ
の制振質量体の外面とねじ軸の中空穴内面との間に、軸
方向に間隔をおいて二個以上の支持点を構成する制振質
量体保持環を備え、少なくともその保持環の外径面と中
空穴の内径面との間にわずかなすき間を有する構成とし
た。そのため、制振質量体の支持スパンを調整して制振
質量体のラジアル方向の固有振動数をねじ軸の固有振動
数に近づけることができ、その結果、ねじ軸と制振質量
体とに大きな相対運動を発生させ、これにより生じる衝
撃や摩擦力でねじ軸の振動を効果的に抑制して低い周波
数でねじ軸からの励振力が小さい場合でも大きな制振効
果が発揮できるという効果が得られる。
【0036】また、請求項2の発明によれば、制振質量
体保持環による複数の支持点の軸方向の間隔を異ならせ
たため、制振質量体は複数の固有振動数を有するものと
なり、その結果、ボールナットの移動に伴いねじ軸のラ
ジアル方向の固有振動数が絶えず変化しても、制振質量
体の有する複数のラジアル方向固有振動数のいずれかと
近接することとなって広範囲の周波数領域に対応でき、
ねじ軸の振動が一層抑制されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の縦断面図である。
【図2】図1における制振質量体の保持構造の拡大図断
面図である。
【図3】中空ねじ軸単体のインパルス応答を示すグラフ
である。
【図4】中空ねじ軸に制振質量体を挿入し、ねじ軸中空
穴との間にゴム又は合成樹脂材を介在させた場合のイン
パルス応答を示すグラフである。
【図5】図1に示す本発明の場合のインパルス応答を示
すグラフである。
【図6】図1に示す本発明のねじ軸とその他のねじ軸と
のインパクト加振における振動変位値を示すグラフであ
る。
【図7】本発明の制振質量体の他の保持構造の拡大図断
面図である。
【図8】本発明の制振質量体の更に他の保持構造の拡大
図断面図である。
【図9】本発明のねじ軸の他の実施例の縦断面図であ
る。
【図10】本発明のねじ軸の他の実施例の縦断面図であ
る。
【図11】本発明のねじ軸の他の実施例の縦断面図であ
る。
【図12】本発明のねじ軸の他の実施例の縦断面図であ
る。
【図13】本発明のねじ軸の他の実施例の縦断面図であ
る。
【図14】本発明のねじ軸の他の実施例の部分拡大断面
図である。
【符号の説明】
10 ボールねじ装置 11 ねじ軸 11a ボールねじ溝(ねじ軸の) 11b 中空穴 12 ボールナット 12a ボールねじ溝(ボールナットの) 13 ボール 15 制振質量体 20 駆動手段(駆動モータ) 25 制振質量体保持環(ブッシュ)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面にボールねじ溝を有しかつ中空穴
    を有する長尺のねじ軸と、該ねじ軸のボールねじ溝に対
    向するボールねじ溝を内周面に有するボールナットと、
    前記ねじ軸のボールねじ溝と前記ボールナットのボール
    ねじ溝との間に嵌合されて前記ねじ軸と前記ボールナッ
    トとを相対螺旋運動可能とする多数のボールと、前記ね
    じ軸の中空穴に径方向にすき間を有して挿入された制振
    質量体とを備えたボールねじ装置において、 前記制振質量体の外面と前記ねじ軸の中空穴内面との間
    に介在され、軸方向に間隔をおいて二個以上の支持点を
    構成する制振質量体保持環を備え、少なくとも該保持環
    の外径面と前記中空穴の内径面との間にわずかなすき間
    を有することを特徴とするボールねじ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1のボールねじ装置において、制
    振質量体の固有振動数を複数にするべく制振質量体保持
    環による複数の支持点の軸方向の間隔を異ならせたこと
    を特徴とするボールねじ装置。
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