JPH07302700A - 高周波四重極加速装置 - Google Patents
高周波四重極加速装置Info
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- JPH07302700A JPH07302700A JP9616294A JP9616294A JPH07302700A JP H07302700 A JPH07302700 A JP H07302700A JP 9616294 A JP9616294 A JP 9616294A JP 9616294 A JP9616294 A JP 9616294A JP H07302700 A JPH07302700 A JP H07302700A
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- Particle Accelerators (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 加速空洞を形成する金属筐体の内部に共振回
路を構成すると共に、高周波電力に直流電圧を重畳させ
て四重極電極に供給し、特定の荷電粒子のみを加速出力
させることができる高周波四重極加速装置を提供する。 【構成】 2対の電極が十字方向に配置されてなる四重
極電極11〜14の相対向する2対の電極間に金属体2
1〜24を近接配置することにより,加速空洞を構成す
る金属筐体16内に共振回路を構成することができ,電
気的,機械的に安定で,且つQ値が低く高周波損失の少
ないRFQ加速装置が構成される。同時に,上記相対向
する2対の電極間に高周波電力に重畳させて直流電圧を
印加して,高周波電圧と直流電圧との比を一定に保っ
て,それぞれの電圧を変化させることにより,四重極電
極11〜14は四重極マスフィルタの機能を発揮して,
特定のイオン種のみを加速内を透過させることができ
る。
路を構成すると共に、高周波電力に直流電圧を重畳させ
て四重極電極に供給し、特定の荷電粒子のみを加速出力
させることができる高周波四重極加速装置を提供する。 【構成】 2対の電極が十字方向に配置されてなる四重
極電極11〜14の相対向する2対の電極間に金属体2
1〜24を近接配置することにより,加速空洞を構成す
る金属筐体16内に共振回路を構成することができ,電
気的,機械的に安定で,且つQ値が低く高周波損失の少
ないRFQ加速装置が構成される。同時に,上記相対向
する2対の電極間に高周波電力に重畳させて直流電圧を
印加して,高周波電圧と直流電圧との比を一定に保っ
て,それぞれの電圧を変化させることにより,四重極電
極11〜14は四重極マスフィルタの機能を発揮して,
特定のイオン種のみを加速内を透過させることができ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,半導体プロセス,医
療,バイオ技術等の分野に利用される荷電粒子加速器に
係り,詳しくは,高周波四重極電極により荷電粒子を高
エネルギービームに加速して,イオン注入,組成分析,
表面改質等の用に供する高周波四重極加速装置に関す
る。
療,バイオ技術等の分野に利用される荷電粒子加速器に
係り,詳しくは,高周波四重極電極により荷電粒子を高
エネルギービームに加速して,イオン注入,組成分析,
表面改質等の用に供する高周波四重極加速装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】上記高周波四重極加速装置は,周知の通
り高周波電界を発生する4個のベイン電極(四重極電
極)の間に入射された荷電粒子を上記高周波電界により
加速させるように構成された加速器である。この高周波
四重極(Radio Frequency Quadrupole)加速装置(以下
RFQ加速装置と呼称する)の基本的な構成及び動作に
ついて以下に示す。図8に示すRFQ加速装置は,筒状
の金属筐体5の中心軸方向に四重極電極を形成する電極
1,2,3,4が配設され,各電極1,2,3,4は互
いに向き合った面が凹凸状に波打った形状に形成され,
互いに向かい合った電極では凹凸形状が同位相に形成さ
れており,互いに隣合った電極では凹凸形状が逆位相に
形成されている。このように形成された四重極電極に,
図9に示すように互いに向かい合った電極には同位相,
互いに隣合った電極には逆位相の高周波電圧を印加する
と,4個の電極1,2,3,4が向かい合う中心軸付近
では四重極電界が発生する。電極1,3がプラスのと
き,電極2,4はマイナスであり,前者がマイナスのと
き,後者はプラスとなる。このような条件に加えて電極
1,2,3,4の凹凸形状が垂直,水平に180度ずれ
て形成されていることから,例えば,電極1,3がプラ
ス,電極2,4がマイナスのとき,中心軸上に軸方向の
電界が生じることになる。電極1,2,3,4の電圧極
性が逆になったときは,この電界の方向も逆になる。い
ま,中心軸に沿って四重極電極の中に入射されたイオン
が常に左右方向への加速電界を受けるような速度及び位
相をもつと,電極1,2,3,4の凹凸形状の部分を通
過する毎に加速され,単調にエネルギーが増加する。他
方,最初に減速を受けるような位相で入ってきたイオン
も,次の加速電界のときに後続のイオンの中に徐々にバ
ンチングされていき,後は単調に加速される。また,軸
に直交する平面に存在する強い高周波電界によって垂
直,水平方向には強い集束力が生じているため,非常に
高い透過率でイオンを加速させることができる。実際に
は,イオンの速度増加,バンチング状況に合わせて凹凸
形状の周期,電極間隔を徐々に変化させた電極を設計す
ることによって100パーセント近い輸送効率を得るこ
とができる。
り高周波電界を発生する4個のベイン電極(四重極電
極)の間に入射された荷電粒子を上記高周波電界により
加速させるように構成された加速器である。この高周波
四重極(Radio Frequency Quadrupole)加速装置(以下
RFQ加速装置と呼称する)の基本的な構成及び動作に
ついて以下に示す。図8に示すRFQ加速装置は,筒状
の金属筐体5の中心軸方向に四重極電極を形成する電極
1,2,3,4が配設され,各電極1,2,3,4は互
いに向き合った面が凹凸状に波打った形状に形成され,
互いに向かい合った電極では凹凸形状が同位相に形成さ
れており,互いに隣合った電極では凹凸形状が逆位相に
形成されている。このように形成された四重極電極に,
図9に示すように互いに向かい合った電極には同位相,
互いに隣合った電極には逆位相の高周波電圧を印加する
と,4個の電極1,2,3,4が向かい合う中心軸付近
では四重極電界が発生する。電極1,3がプラスのと
き,電極2,4はマイナスであり,前者がマイナスのと
き,後者はプラスとなる。このような条件に加えて電極
1,2,3,4の凹凸形状が垂直,水平に180度ずれ
て形成されていることから,例えば,電極1,3がプラ
ス,電極2,4がマイナスのとき,中心軸上に軸方向の
電界が生じることになる。電極1,2,3,4の電圧極
性が逆になったときは,この電界の方向も逆になる。い
ま,中心軸に沿って四重極電極の中に入射されたイオン
が常に左右方向への加速電界を受けるような速度及び位
相をもつと,電極1,2,3,4の凹凸形状の部分を通
過する毎に加速され,単調にエネルギーが増加する。他
方,最初に減速を受けるような位相で入ってきたイオン
も,次の加速電界のときに後続のイオンの中に徐々にバ
ンチングされていき,後は単調に加速される。また,軸
に直交する平面に存在する強い高周波電界によって垂
直,水平方向には強い集束力が生じているため,非常に
高い透過率でイオンを加速させることができる。実際に
は,イオンの速度増加,バンチング状況に合わせて凹凸
形状の周期,電極間隔を徐々に変化させた電極を設計す
ることによって100パーセント近い輸送効率を得るこ
とができる。
【0003】しかしながら,上記RFQ加速装置を例え
ば半導体へのイオン注入に適用する場合を考えると,次
のような不具合が生じる。イオン注入プロセスでは,イ
オンビーム中の不純物濃度が少ないほどよい。ところ
が,RFQ加速装置の特性としてイオン源からの不純物
ビームもそのまま透過させてしまう問題がある。即ち,
RFQ加速装置では四重極電極の凹凸形状と電極電圧,
高周波周波数と同期のとれたイオンしか加速されない
が,イオン生成のための原料中に含まれる不純物やイオ
ン源を構成する部材からの不純物元素は,加速はされな
いものの高周波四重極電場に誘導されて,そのままRF
Q加速装置の出口まで輸送される。そこで,従来のイオ
ン注入装置では,上記RFQ加速装置に限らず加速部の
前あるいは後に質量分析用の磁石が配置され,不純物イ
オンを除去することがなされる。しかし,このような構
成を採用した場合,質量分析磁石のため装置全体が大型
化する問題が生じる。この問題を解決する試みとして質
量分析機能を備えたRFQ加速装置が,特公平5−58
240号公報に開示されている。上記質量分析機能を備
えたRFQ加速装置は,図10に示すように構成されて
いる。図10に示すように,四重極電極1,2,3,4
は絶縁物44を介して金属筐体5に取り付けられ,コイ
ル41とコンデンサ42とからなる外部共振器40から
高周波電力と,この高周波電力に重畳させて直流電源4
3からの直流電圧が上記四重極電極1,2,3,4に供
給される。上記構成では,四重極電極1,2,3,4間
の加速軸と直角の方向に高周波四重極電場が生じて入射
されたイオンが加速されると共に,印加される直流電圧
により周知技術である四重極マスフィルタ(QMF)と
同様の電場が生じるため,イオンの加速と質量分析とが
同時になされ,加速器からは不純物が除かれた所望のイ
オンが加速されて出力される。
ば半導体へのイオン注入に適用する場合を考えると,次
のような不具合が生じる。イオン注入プロセスでは,イ
オンビーム中の不純物濃度が少ないほどよい。ところ
が,RFQ加速装置の特性としてイオン源からの不純物
ビームもそのまま透過させてしまう問題がある。即ち,
RFQ加速装置では四重極電極の凹凸形状と電極電圧,
高周波周波数と同期のとれたイオンしか加速されない
が,イオン生成のための原料中に含まれる不純物やイオ
ン源を構成する部材からの不純物元素は,加速はされな
いものの高周波四重極電場に誘導されて,そのままRF
Q加速装置の出口まで輸送される。そこで,従来のイオ
ン注入装置では,上記RFQ加速装置に限らず加速部の
前あるいは後に質量分析用の磁石が配置され,不純物イ
オンを除去することがなされる。しかし,このような構
成を採用した場合,質量分析磁石のため装置全体が大型
化する問題が生じる。この問題を解決する試みとして質
量分析機能を備えたRFQ加速装置が,特公平5−58
240号公報に開示されている。上記質量分析機能を備
えたRFQ加速装置は,図10に示すように構成されて
いる。図10に示すように,四重極電極1,2,3,4
は絶縁物44を介して金属筐体5に取り付けられ,コイ
ル41とコンデンサ42とからなる外部共振器40から
高周波電力と,この高周波電力に重畳させて直流電源4
3からの直流電圧が上記四重極電極1,2,3,4に供
給される。上記構成では,四重極電極1,2,3,4間
の加速軸と直角の方向に高周波四重極電場が生じて入射
されたイオンが加速されると共に,印加される直流電圧
により周知技術である四重極マスフィルタ(QMF)と
同様の電場が生じるため,イオンの加速と質量分析とが
同時になされ,加速器からは不純物が除かれた所望のイ
オンが加速されて出力される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記従
来構成では外部共振器を通じて高周波電力が供給されて
いるため,外部共振器と加速器とを接続するケーブルに
無視できない浮遊インダクタンスや浮遊容量が生じ,ケ
ーブル部分での損失によりQ値が低下する問題点があっ
た。又,重イオン加速に適した比較的低い周波数に共振
させようとすると,共振回路のコイル半径を大きくする
か,コンデンサの容量を上げる必要があるが,機構的に
大型化して機械的振動等の外部擾乱を受けやすく不安定
な装置となってしまう問題点があった。コイルのインダ
クタンスを増すべくコイル半径を小さくして巻数を増し
たり,コイル内部に磁性体を挿入することもできるが,
全磁場エネルギーは減少し,共振回路のQ値の低下を招
いてしまう。そこで,本発明が目的とするところは,加
速空洞を形成する金属筐体の内部に共振回路を構成する
ことにより,Q値の低下をまねくことなく質量分析機能
を有するRFQ加速装置を提供することにある。
来構成では外部共振器を通じて高周波電力が供給されて
いるため,外部共振器と加速器とを接続するケーブルに
無視できない浮遊インダクタンスや浮遊容量が生じ,ケ
ーブル部分での損失によりQ値が低下する問題点があっ
た。又,重イオン加速に適した比較的低い周波数に共振
させようとすると,共振回路のコイル半径を大きくする
か,コンデンサの容量を上げる必要があるが,機構的に
大型化して機械的振動等の外部擾乱を受けやすく不安定
な装置となってしまう問題点があった。コイルのインダ
クタンスを増すべくコイル半径を小さくして巻数を増し
たり,コイル内部に磁性体を挿入することもできるが,
全磁場エネルギーは減少し,共振回路のQ値の低下を招
いてしまう。そこで,本発明が目的とするところは,加
速空洞を形成する金属筐体の内部に共振回路を構成する
ことにより,Q値の低下をまねくことなく質量分析機能
を有するRFQ加速装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明が採用するは,相対向する2対の電極が十字方
向に配置され,該電極の対向面側に荷電粒子を加速させ
るための所定の波打ち形状が形成されてなる四重極電極
を金属筐体の中心軸方向に配設すると共に,上記金属筐
体内に共振回路を構成し,該共振回路を通じて上記四重
極電極に所定周波数の高周波電力を印加して上記四重極
電極間を通過させる荷電粒子を任意の速度に加速させる
高周波四重極加速装置において,上記四重極電極を相対
向する2対の電極間で絶縁し,該絶縁間の金属体近接配
置により上記共振回路の静電容量を形成すると共に,該
絶縁間に直流電圧を印加することにより,上記四重極電
極に直流電圧が重畳された上記高周波電力を印加するよ
うにしたことを特徴とする高周波四重極加速装置として
構成されている。
に本発明が採用するは,相対向する2対の電極が十字方
向に配置され,該電極の対向面側に荷電粒子を加速させ
るための所定の波打ち形状が形成されてなる四重極電極
を金属筐体の中心軸方向に配設すると共に,上記金属筐
体内に共振回路を構成し,該共振回路を通じて上記四重
極電極に所定周波数の高周波電力を印加して上記四重極
電極間を通過させる荷電粒子を任意の速度に加速させる
高周波四重極加速装置において,上記四重極電極を相対
向する2対の電極間で絶縁し,該絶縁間の金属体近接配
置により上記共振回路の静電容量を形成すると共に,該
絶縁間に直流電圧を印加することにより,上記四重極電
極に直流電圧が重畳された上記高周波電力を印加するよ
うにしたことを特徴とする高周波四重極加速装置として
構成されている。
【0006】
【作用】本発明によれば,相対向する2対の電極が十字
方向に配置されてなる四重極電極の上記相対向する2対
の電極間に金属体を近接配置することにより,加速空洞
を構成する金属筐体内に形成する共振回路の静電容量成
分を十分に大きくすることができ,重イオン等の荷電粒
子を加速する場合にも対応できる加速装置を構成するこ
とができる。金属筐体内に共振回路が形成されるので,
電気的,機械的に安定で,且つQ値が低く高周波損失の
少ないRFQ加速装置が構成される。同時に,上記相対
向する2対の電極間に高周波電力に重畳させて直流電圧
を印加し,高周波電圧と直流電圧との比を一定に保っ
て,それぞれの電圧を変化させることにより,四重極電
極は四重極マスフィルタの機能を発揮して,特定のイオ
ン種のみを加速内を透過させることができる。この透過
可能なイオン種をイオン注入等のプロセスに必要なイオ
ンと一致させることにより,不純物のない荷電粒子ビー
ムが出力できるRFQ加速装置が構成される。
方向に配置されてなる四重極電極の上記相対向する2対
の電極間に金属体を近接配置することにより,加速空洞
を構成する金属筐体内に形成する共振回路の静電容量成
分を十分に大きくすることができ,重イオン等の荷電粒
子を加速する場合にも対応できる加速装置を構成するこ
とができる。金属筐体内に共振回路が形成されるので,
電気的,機械的に安定で,且つQ値が低く高周波損失の
少ないRFQ加速装置が構成される。同時に,上記相対
向する2対の電極間に高周波電力に重畳させて直流電圧
を印加し,高周波電圧と直流電圧との比を一定に保っ
て,それぞれの電圧を変化させることにより,四重極電
極は四重極マスフィルタの機能を発揮して,特定のイオ
ン種のみを加速内を透過させることができる。この透過
可能なイオン種をイオン注入等のプロセスに必要なイオ
ンと一致させることにより,不純物のない荷電粒子ビー
ムが出力できるRFQ加速装置が構成される。
【0007】
【実施例】以下,添付図面を参照して,本発明を具体化
した実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,
以下の実施例は本発明を具体化した一例であって,本発
明の技術的範囲を限定するものではない。ここに,図1
は本発明の第1実施例に係るRFQ加速装置の構成を断
面で示す模式図,図2は静電容量形成のための構成例を
示す部分断面図,図3は第1実施例に係る構成の等価回
路図である。図1において,第1実施例に係るRFQ加
速装置10は,イオン加速器として構成されており,共
振空洞を構成する筒状の金属筐体16の中心軸方向に,
四重極電極が電極11,13と電極12,14とをそれ
ぞれ対向させて十字方向に配置すると共に,各電極1
1,12,13,14は,それぞれ絶縁物17を介して
上記金属筐体16に支持されて構成されている。又,各
電極11,12,13,14には,それぞれ共振電極2
1,22,23,24が固定されている。各共振電極1
1,12,13,14のそれぞれが隣り合う近接端部は
互いに離隔絶縁させ,折り曲げ対向させて対向間に静電
容量を形成させている。この対向間の静電容量の形成
は,図2(a)(b)に示すように形成することもで
き,対向面積によって静電容量の大きさを変化させるこ
とが可能となる。上記構成により金属筐体16内に形成
される共振回路の等価回路は,図3に示すようになる。
同図において,28は各電極11,12,13,14の
電極間静電容量,27は上記各共振電極21,22,2
3,24のそれぞれの端部を近接させて静電容量を形成
させた近接端部間静電容量である。上記各静電容量が形
成される間の導体は図示するようにインダクタンスとし
て,上記静電容量と共に共振回路が形成される。上記近
接端部間静電容量27は,共振回路に直列に挿入される
ことになるため,共振回路の共振周波数を高くする方向
に働き,電極間静電容量28に比べて小さいと,近接端
部に高電圧が発生し,加速電圧の低下や不要な放電現象
が生じる。従って,近接端部間静電容量27は電極間静
電容量28よりも十分に大きく,少なくとも1倍以上に
なるように近接端部の間隔及び対向面積を選択する。
した実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,
以下の実施例は本発明を具体化した一例であって,本発
明の技術的範囲を限定するものではない。ここに,図1
は本発明の第1実施例に係るRFQ加速装置の構成を断
面で示す模式図,図2は静電容量形成のための構成例を
示す部分断面図,図3は第1実施例に係る構成の等価回
路図である。図1において,第1実施例に係るRFQ加
速装置10は,イオン加速器として構成されており,共
振空洞を構成する筒状の金属筐体16の中心軸方向に,
四重極電極が電極11,13と電極12,14とをそれ
ぞれ対向させて十字方向に配置すると共に,各電極1
1,12,13,14は,それぞれ絶縁物17を介して
上記金属筐体16に支持されて構成されている。又,各
電極11,12,13,14には,それぞれ共振電極2
1,22,23,24が固定されている。各共振電極1
1,12,13,14のそれぞれが隣り合う近接端部は
互いに離隔絶縁させ,折り曲げ対向させて対向間に静電
容量を形成させている。この対向間の静電容量の形成
は,図2(a)(b)に示すように形成することもで
き,対向面積によって静電容量の大きさを変化させるこ
とが可能となる。上記構成により金属筐体16内に形成
される共振回路の等価回路は,図3に示すようになる。
同図において,28は各電極11,12,13,14の
電極間静電容量,27は上記各共振電極21,22,2
3,24のそれぞれの端部を近接させて静電容量を形成
させた近接端部間静電容量である。上記各静電容量が形
成される間の導体は図示するようにインダクタンスとし
て,上記静電容量と共に共振回路が形成される。上記近
接端部間静電容量27は,共振回路に直列に挿入される
ことになるため,共振回路の共振周波数を高くする方向
に働き,電極間静電容量28に比べて小さいと,近接端
部に高電圧が発生し,加速電圧の低下や不要な放電現象
が生じる。従って,近接端部間静電容量27は電極間静
電容量28よりも十分に大きく,少なくとも1倍以上に
なるように近接端部の間隔及び対向面積を選択する。
【0008】上記のように構成されたRFQ加速装置1
0に,図1に示すように相対向する電極11,13と1
2,14との間に高周波電力18と直流電圧19とを重
畳して印加すると,各電極11,12,13,14間に
は四重極電場が発生し,先に説明したような各電極の波
打ち形状と相まって電極間に入射されるイオンビームを
加速する。同時に,高周波電圧に重畳された直流電圧が
印加されることにより,四重極電極は四重極マスフィル
タとして動作し,各電極11,12,13,14に囲ま
れた空間を通過するイオンは,一定の振幅を越えないで
安定な軌道を辿るものと,進行に伴って振幅が無限大に
発散するものとに分けられる。そこで,高周波電圧と直
流電圧との比を一定に保ち,適当な値に設定することに
より,イオン注入等のプロセスに必要なイオンのみが選
択加速される。次に,本発明の第2実施例について図4
を参照して説明する。図4は第2実施例に係るRFQ加
速装置の構成を断面で示す模式図である。尚,上記第1
実施例構成と共通する要素には同一の符号を付して,そ
の説明は省略する。図4において,RFQ加速装置15
は,第1実施例と同様に配設された共振電極21,2
2,23,24の各端部が互いに隣り合う各近接端部間
を離隔絶縁し,その間に誘電体20がそれぞれ配設され
て構成されている。この各近接端部間への誘電体20の
挿入により,近接端部間静電容量を大きく形成すること
ができると共に,各共振電極21,22,23,24を
一体的に形成して機械的強度を向上させることができる
ので,装置の小型化を図ることができる。次いで,本発
明の第3実施例について説明する。ここに,図5は第3
実施例に係るRFQ加速装置の構成を断面で示す模式図
である。図5において,第3実施例に係るRFQ加速装
置47は,金属筐体48の中心軸方向に四重極電極を構
成する電極11,12,13,14が配設され,各電極
は上記金属筐体48に絶縁物49を介して支持されてい
る。上記各電極11,12,13,14には,それぞれ
共振電極51,52,53,54が取り付けられて,金
属筐体48との間で静電容量を形成している。次いで,
本発明の第4実施例について説明する。ここに,図6は
第4実施例に係るRFQ加速装置の構成を断面で示す模
式図,図7は第3実施例に係る共振電極の構成を示す部
分斜視図である。
0に,図1に示すように相対向する電極11,13と1
2,14との間に高周波電力18と直流電圧19とを重
畳して印加すると,各電極11,12,13,14間に
は四重極電場が発生し,先に説明したような各電極の波
打ち形状と相まって電極間に入射されるイオンビームを
加速する。同時に,高周波電圧に重畳された直流電圧が
印加されることにより,四重極電極は四重極マスフィル
タとして動作し,各電極11,12,13,14に囲ま
れた空間を通過するイオンは,一定の振幅を越えないで
安定な軌道を辿るものと,進行に伴って振幅が無限大に
発散するものとに分けられる。そこで,高周波電圧と直
流電圧との比を一定に保ち,適当な値に設定することに
より,イオン注入等のプロセスに必要なイオンのみが選
択加速される。次に,本発明の第2実施例について図4
を参照して説明する。図4は第2実施例に係るRFQ加
速装置の構成を断面で示す模式図である。尚,上記第1
実施例構成と共通する要素には同一の符号を付して,そ
の説明は省略する。図4において,RFQ加速装置15
は,第1実施例と同様に配設された共振電極21,2
2,23,24の各端部が互いに隣り合う各近接端部間
を離隔絶縁し,その間に誘電体20がそれぞれ配設され
て構成されている。この各近接端部間への誘電体20の
挿入により,近接端部間静電容量を大きく形成すること
ができると共に,各共振電極21,22,23,24を
一体的に形成して機械的強度を向上させることができる
ので,装置の小型化を図ることができる。次いで,本発
明の第3実施例について説明する。ここに,図5は第3
実施例に係るRFQ加速装置の構成を断面で示す模式図
である。図5において,第3実施例に係るRFQ加速装
置47は,金属筐体48の中心軸方向に四重極電極を構
成する電極11,12,13,14が配設され,各電極
は上記金属筐体48に絶縁物49を介して支持されてい
る。上記各電極11,12,13,14には,それぞれ
共振電極51,52,53,54が取り付けられて,金
属筐体48との間で静電容量を形成している。次いで,
本発明の第4実施例について説明する。ここに,図6は
第4実施例に係るRFQ加速装置の構成を断面で示す模
式図,図7は第3実施例に係る共振電極の構成を示す部
分斜視図である。
【0009】図6において,第4実施例に係るRFQ加
速装置25は,金属筐体26の中心軸方向に四重極電極
を構成する電極31,32,33,34が配設されてい
る。相対向する電極31,33は第1の金属環35に,
電極32,34は第2の金属環36に,図7に示すよう
に交互に支持されると共に,金属環35は第1の共振電
極29,金属環36は第2の共振電極30に接合され,
第1の共振電極29と第2の共振電極30とは図示する
ように互いに相手側の二股形成間に電極が入り込んで重
なり合い,大きな静電容量を形成している。更に,第1
の共振電極29は第3の共振電極37に接合され,第2
の共振電極30は第4の共振電極38に接合され,第3
の共振電極37と第4の共振電極38とは,それぞれ絶
縁物39を介して金属筐体26に支持されている。又,
第3の金属電極37と第4の共振電極38との端部が近
接する位置には対向部分が形成され,静電容量成分を形
成すると共に,第3の金属電極37と第4の共振電極3
8とはインダクタンス成分を形成している。上記構成に
より,金属筐体26内には静電容量とインダクタンスと
が形成された共振回路が構成され,これらの値が所望の
高周波周波数に一致するようにして,高周波電力18と
直流電圧19とを上記共振回路を通じて四重極電極に供
給することにより,RFQ加速装置25は四重極マスフ
ィルタとしての機能を発揮すると同時に,Q値の高い加
速装置として動作し,所望のイオンのみを所望のエネル
ギーに加速することができる。
速装置25は,金属筐体26の中心軸方向に四重極電極
を構成する電極31,32,33,34が配設されてい
る。相対向する電極31,33は第1の金属環35に,
電極32,34は第2の金属環36に,図7に示すよう
に交互に支持されると共に,金属環35は第1の共振電
極29,金属環36は第2の共振電極30に接合され,
第1の共振電極29と第2の共振電極30とは図示する
ように互いに相手側の二股形成間に電極が入り込んで重
なり合い,大きな静電容量を形成している。更に,第1
の共振電極29は第3の共振電極37に接合され,第2
の共振電極30は第4の共振電極38に接合され,第3
の共振電極37と第4の共振電極38とは,それぞれ絶
縁物39を介して金属筐体26に支持されている。又,
第3の金属電極37と第4の共振電極38との端部が近
接する位置には対向部分が形成され,静電容量成分を形
成すると共に,第3の金属電極37と第4の共振電極3
8とはインダクタンス成分を形成している。上記構成に
より,金属筐体26内には静電容量とインダクタンスと
が形成された共振回路が構成され,これらの値が所望の
高周波周波数に一致するようにして,高周波電力18と
直流電圧19とを上記共振回路を通じて四重極電極に供
給することにより,RFQ加速装置25は四重極マスフ
ィルタとしての機能を発揮すると同時に,Q値の高い加
速装置として動作し,所望のイオンのみを所望のエネル
ギーに加速することができる。
【0010】
【発明の効果】以上の説明の通り本発明によれば,相対
向する2対の電極が十字方向に配置されてなる四重極電
極の上記相対向する2対の電極間に金属体を近接配置す
ることにより,加速空洞を構成する金属筐体内に共振回
路を形成することができる。金属筐体内に共振回路が形
成されるので,電気的,機械的に安定で,且つQ値が低
く高周波損失の少ないRFQ加速装置が構成されると同
時に,上記相対向する2対の電極間に高周波電力に重畳
させて直流電圧を印加して,高周波電圧と直流電圧との
比を一定に保って,それぞれの電圧を変化させることに
より,四重極電極は四重極マスフィルタの機能を発揮し
て,特定のイオン種のみを加速内を透過させることがで
きる。この透過可能なイオン種をイオン注入等のプロセ
スに必要なイオンと一致させることにより,不純物のな
い荷電粒子ビームが出力できるRFQ加速装置が構成さ
れる。
向する2対の電極が十字方向に配置されてなる四重極電
極の上記相対向する2対の電極間に金属体を近接配置す
ることにより,加速空洞を構成する金属筐体内に共振回
路を形成することができる。金属筐体内に共振回路が形
成されるので,電気的,機械的に安定で,且つQ値が低
く高周波損失の少ないRFQ加速装置が構成されると同
時に,上記相対向する2対の電極間に高周波電力に重畳
させて直流電圧を印加して,高周波電圧と直流電圧との
比を一定に保って,それぞれの電圧を変化させることに
より,四重極電極は四重極マスフィルタの機能を発揮し
て,特定のイオン種のみを加速内を透過させることがで
きる。この透過可能なイオン種をイオン注入等のプロセ
スに必要なイオンと一致させることにより,不純物のな
い荷電粒子ビームが出力できるRFQ加速装置が構成さ
れる。
【図1】 本発明の第1実施例に係るRFQ加速装置の
構成を断面で示す模式図。
構成を断面で示す模式図。
【図2】 実施例に係る共振電極の近接端部の形状例を
示す部分断面図。
示す部分断面図。
【図3】 第1実施例に係る構成の等価回路を示す回路
図。
図。
【図4】 本発明の第2実施例に係るRFQ加速装置の
構成を断面で示す模式図。
構成を断面で示す模式図。
【図5】 本発明の第3実施例に係るRFQ加速装置の
構成を断面で示す模式図。
構成を断面で示す模式図。
【図6】 本発明の第4実施例に係るRFQ加速装置の
構成を断面で示す模式図。
構成を断面で示す模式図。
【図7】 第3実施例に係る共振電極の構成を示す斜視
図。
図。
【図8】 高周波四重極加速装置の基本構成を示す模式
図。
図。
【図9】 四重極電極の動作原理を説明する模式図。
【図10】 従来例構成に係る高周波四重極加速装置の
構成を示す回路図。
構成を示す回路図。
10,15,25,47…高周波四重極加速装置 11,12,13,14,31,32,33,34…電
極 16,26…金属筐体 17,39…絶縁物 18…高周波電力 19…直流電圧 20…誘電体 21,22,23,24,29,30,37,38,5
1,52,53,54…共振電極(金属体) 27…近接端部間静電容量 28…電極間静電容量
極 16,26…金属筐体 17,39…絶縁物 18…高周波電力 19…直流電圧 20…誘電体 21,22,23,24,29,30,37,38,5
1,52,53,54…共振電極(金属体) 27…近接端部間静電容量 28…電極間静電容量
フロントページの続き (72)発明者 井上 浩司 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 今中 博文 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 相対向する2対の電極が十字方向に配置
され,該電極の対向面側に荷電粒子を加速させるための
所定の波打ち形状が形成されてなる四重極電極を金属筐
体の中心軸方向に配設すると共に,上記金属筐体内に共
振回路を構成し,該共振回路を通じて上記四重極電極に
所定周波数の高周波電力を印加して上記四重極電極間を
通過させる荷電粒子を任意の速度に加速させる高周波四
重極加速装置において,上記四重極電極を相対向する2
対の電極間で絶縁し,該絶縁間の金属体近接配置により
上記共振回路の静電容量を形成すると共に,該絶縁間に
直流電圧を印加することにより,上記四重極電極に直流
電圧が重畳された上記高周波電力を印加するようにした
ことを特徴とする高周波四重極加速装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9616294A JPH07302700A (ja) | 1994-05-10 | 1994-05-10 | 高周波四重極加速装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9616294A JPH07302700A (ja) | 1994-05-10 | 1994-05-10 | 高周波四重極加速装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07302700A true JPH07302700A (ja) | 1995-11-14 |
Family
ID=14157654
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9616294A Pending JPH07302700A (ja) | 1994-05-10 | 1994-05-10 | 高周波四重極加速装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07302700A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6274984B1 (en) | 1997-10-30 | 2001-08-14 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | High-frequency energy supply means, and a high-frequency electrodeless discharge lamp device using side resonator coupling |
| WO2011046229A1 (ja) * | 2009-10-15 | 2011-04-21 | 国立大学法人東京工業大学 | 高周波加速器、高周波加速器の製造方法、四重極型加速器、および四重極型加速器の製造方法 |
| JP2011086494A (ja) * | 2009-10-15 | 2011-04-28 | Tokyo Institute Of Technology | 四重極型加速器および四重極型加速器の製造方法 |
| CN105050309A (zh) * | 2015-07-31 | 2015-11-11 | 中国科学院近代物理研究所 | 一种弯折翼型射频四极加速器 |
-
1994
- 1994-05-10 JP JP9616294A patent/JPH07302700A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6274984B1 (en) | 1997-10-30 | 2001-08-14 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | High-frequency energy supply means, and a high-frequency electrodeless discharge lamp device using side resonator coupling |
| WO2011046229A1 (ja) * | 2009-10-15 | 2011-04-21 | 国立大学法人東京工業大学 | 高周波加速器、高周波加速器の製造方法、四重極型加速器、および四重極型加速器の製造方法 |
| JP2011086494A (ja) * | 2009-10-15 | 2011-04-28 | Tokyo Institute Of Technology | 四重極型加速器および四重極型加速器の製造方法 |
| US8928216B2 (en) | 2009-10-15 | 2015-01-06 | Tokyo Institute Of Technology | High-frequency accelerator, method for manufacturing high-frequency accelerator, quadrupole accelerator, and method for manufacturing quadrupole accelerator |
| CN105050309A (zh) * | 2015-07-31 | 2015-11-11 | 中国科学院近代物理研究所 | 一种弯折翼型射频四极加速器 |
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