JPH07309117A - 減衰力可変ショックアブソーバ制御装置 - Google Patents

減衰力可変ショックアブソーバ制御装置

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Publication number
JPH07309117A
JPH07309117A JP10401794A JP10401794A JPH07309117A JP H07309117 A JPH07309117 A JP H07309117A JP 10401794 A JP10401794 A JP 10401794A JP 10401794 A JP10401794 A JP 10401794A JP H07309117 A JPH07309117 A JP H07309117A
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JP
Japan
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mode
damping force
shock absorber
sprung
value
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Application number
JP10401794A
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English (en)
Inventor
Keiji Matsuoka
圭司 松岡
Eiji Teramura
英司 寺村
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2500/00Indexing codes relating to the regulated action or device
    • B60G2500/10Damping action or damper
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2600/00Indexing codes relating to particular elements, systems or processes used on suspension systems or suspension control systems
    • B60G2600/18Automatic control means
    • B60G2600/184Semi-Active control means
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2800/00Indexing codes relating to the type of movement or to the condition of the vehicle and to the end result to be achieved by the control action
    • B60G2800/01Attitude or posture control
    • B60G2800/012Rolling condition
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2800/00Indexing codes relating to the type of movement or to the condition of the vehicle and to the end result to be achieved by the control action
    • B60G2800/24Steering, cornering
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2800/00Indexing codes relating to the type of movement or to the condition of the vehicle and to the end result to be achieved by the control action
    • B60G2800/90System Controller type
    • B60G2800/91Suspension Control
    • B60G2800/912Attitude Control; levelling control

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  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加速度センサにより検出したばね上加速度を
積分・フィルタ処理して車両のばね上速度を求め、その
値が所定値以下のときにショックアブソーバを減衰力が
小さいS−Sモードに制御する装置において、バンク路
走行時や旋回走行時にショックアブソーバがS−Sモー
ド以外に長時間制御されるのを防止する。 【構成】 S−Sモード以外のモードへの切替時にその
保持時間をカウンタKTを用いて計時し(130)、切替保持
時間が所定時間に達すると装置の誤動作を判断して(14
0:YES)、一定時間誤動作判定値GHをセットする(150)
ことにより、積分処理後のばね上速度から制振すべき周
波数帯のばね上速度を抽出するハイパスフィルタのカッ
トオフ周波数を通常より高い所定周波数に変更させる。
この結果、バンク路走行時や旋回時等に、ショックアブ
ソーバがS−Sモード以外のモードに長時間保持され
て、車両の乗り心地や操縦安定性が低下するのを防止で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、減衰力を切り替え可能
なショックアブソーバの減衰力を車両のばね上速度に応
じて切り替える減衰力可変ショックアブソーバ制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、道路の不整によって車体が振
動するのを防止して、車両の乗り心地と操縦安定性を向
上させる理想のダンパ(スカイフックダンパ)を実現す
るためには、例えば図11,図12に示すように、ショ
ックアブソーバの減衰力が車体に対し制振作用をする、
ばね上速度dX2とばね上ばね下間の相対速度dX2−
dX1の正負が等しいとき(即ち車体と車輪とが反対方
向に移動するとき)と、車体と車輪とが同一方向に移動
しかつ車体の移動速度が車輪の移動速度よりも速いとき
に、ショックアブソーバの減衰力を大きくし、逆に、シ
ョックアブソーバの減衰力が車体に対し励振作用をす
る、前記2つの速度の正負が異なるとき(即ち車体と車
輪とが同一方向に移動しかつ車輪の移動速度が車体の移
動速度よりも速いときにとき)に、ショックアブソーバ
の減衰力を小さくする、いわゆるスカイフック制御を行
なえばよいことが知られている。
【0003】そして、こうしたスカイフック制御を実現
する装置としては、従来より、例えば特表平1−502
972号公報に開示されている如く、伸び側減衰力が大
きく縮み側減衰力が小さい第1のモード(以下、H−S
モードともいう。)と、伸び側減衰力が小さく縮み側減
衰力が大きい第2のモード(以下、S−Hモードともい
う。)と、伸び側及び縮み側減衰力が共に小さい第3の
モード(以下、S−Sモードともいう。)とに切替可能
なショックアブソーバを備え、車両のばね上速度の絶対
値が所定値以下であるとき、つまり車両のばね上速度が
上下方向共に所定値以下であるときには、ショックアブ
ソーバをS−Sモードに制御し、車両のばね上速度の絶
対値が所定値を越えると、その変位方向に応じてショッ
クアブソーバをH−Sモード又はS−Hモードに切り替
えるようにした減衰力可変ショックアブソーバ制御装置
が提案されている。
【0004】また、こうした従来の減衰力可変ショック
アブソーバ制御装置において、ばね上速度の検出には、
通常、加速度センサが使用される。そして、上記モード
の切替制御を実行するに当たっては、この加速度センサ
からの検出信号を積分処理することにより、モードの切
替判定に使用するばね上速度を求めるようにされてい
る。
【0005】また、このように求めたばね上速度には、
ばね上の振動成分が全て含まれており、その値をそのま
ま上記モードの切替判定に使用すると、制振の必要のな
い車体挙動に対してもショックアブソーバをS−Sモー
ドからH−Sモード又はS−Hモードに切り替えてしま
い、車両の乗り心地を却って悪化させてしまうことがあ
る。そこで、従来では、例えば特表平4−500191
号公報に開示されている如く、加速度センサからの検出
信号を積分処理して得られたばね上速度の中から制振す
べき周波数帯のばね上速度成分のみを抽出するフィルタ
を設け、このフィルタにより得られた所定周波数帯のば
ね上速度を用いて、上記モードの切替判定を行なうよう
にしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記加速度
センサは、車両に固定して取り付けられるものであるた
め、車両の姿勢変化により、車両のばね上の上下変位に
より発生する加速度成分のみを検出することはできず、
加速度センサからの検出信号には、車両のバンク路や坂
道等の走行時に生じる重力加速度成分、車両の旋回時に
車両がロールすることにより加速度センサが検知する横
加速度に含まれるセンサ取付方向の加速度成分、或は車
両の発進・制動時等に車両がピッチングすることにより
加速度センサが検知する前後加速度に含まれるセンサ取
付方向の加速度成分等、車両のばね上の上下変位により
発生する加速度成分以外の加速度成分が含まれることに
なる。
【0007】従って、こうした車両の走行条件下では、
上記モードの切替判定に使用するばね上速度に、制振す
べき振動成分以外の、比較的周波数の低いばね上速度成
分が含まれることになり、ショックアブソーバが、S−
Sモード以外のモードに長時間(例えば、2〜10sec.
程度)保持されて、その間、上記モードの切替制御を正
常に実行することができず、乗り心地や操縦安定性が低
下するといった問題があった。
【0008】なお、こうした問題を解決するために、上
記フィルタの低周波側のカットオフ周波数を高めに設定
することが考えられるが、この方法では、車両の通常走
行時に、制振すべき比較的低周波のばね上の振動成分が
カットされてしまい、車両の乗り心地を向上することは
できない。
【0009】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
ので、車両のばね上速度に基づきショックアブソーバの
減衰力を制御する装置において、バンク路や坂道等への
進入・脱出時、旋回時、或は発進・制動時等に、ばね上
速度に、制振すべき振動成分以外のばね上速度成分が重
畳されて、減衰力を誤制御するのを防止することを目的
としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明は、図1に例示する
如く、車両のばね上とばね下との間に設けられ、伸び側
減衰力が大きく縮み側減衰力が小さい第1のモード、伸
び側減衰力が小さく縮み側減衰力が大きい第2のモー
ド、及び、伸び側及び縮み側減衰力が共に上記第1のモ
ード及び第2モードのときに大きい値として設定される
減衰力よりも小さい第3のモード、のいずれかに切替可
能なショックアブソーバと、車両のばね上の上下方向の
加速度を検出する加速度検出手段と、該加速度検出手段
からの検出信号を積分処理してばね上の上下方向の速度
を演算するばね上速度演算手段と、該ばね上速度演算手
段により算出されたばね上速度から、制振すべき所定周
波数帯のばね上速度成分を抽出するフィルタ手段と、該
フィルタ手段にて抽出された所定周波数帯のばね上速度
の絶対値が所定の判定速度以下であるとき、上記ショッ
クアブソーバを上記第3のモードに制御し、上記ばね上
速度の絶対値が該判定速度を越えると、該ばね上速度を
抑制すべく上記ショックアブソーバを上記第1又は第2
のモードに制御する減衰力制御手段と、を備えた減衰力
可変ショックアブソーバ制御装置において、上記ショッ
クアブソーバが上記第1及び第2のモードのいずれかに
切り替えられているとき、当該モードの保持時間を計時
する計時手段と、該計時手段により計時された保持時間
が予め設定された所定時間に達したときに、上記減衰力
制御手段の誤動作を判定する誤動作判定手段と、該誤動
作判定手段にて上記減衰力制御手段の誤動作が判定され
ると、所定期間、上記フィルタ手段から上記減衰力制御
手段に入力されるばね上速度の絶対値を小さい値に補正
するばね上速度補正手段と、を備えたことを特徴として
いる。
【0011】また請求項2に記載の発明は、上記請求項
1に記載の減衰力可変ショックアブソーバ制御装置にお
いて、上記ばね上速度補正手段は、上記誤動作判定手段
にて上記減衰力制御手段の誤動作が判定されると、上記
加速度検出手段から上記ばね上速度演算手段に入力され
る検出信号、及び上記ばね上速度演算手段から上記フィ
ルタ手段に入力されるばね上速度の少なくとも一方を、
物理量零の値に補正することを特徴としている。
【0012】また更に請求項3に記載の発明は、上記請
求項1に記載の減衰力可変ショックアブソーバ制御装置
において、上記ばね上速度補正手段は、上記誤動作判定
手段にて上記減衰力制御手段の誤動作が判定されると、
上記フィルタ手段の低周波側カットオフ周波数を大きい
値に補正することを特徴としている。
【0013】
【作用及び発明の効果】上記のように構成された請求項
1に記載の減衰力可変ショックアブソーバ制御装置にお
いては、まず、加速度検出手段が、車両のばね上の上下
方向の加速度を検出し、ばね上速度演算手段が、加速度
検出手段からの検出信号に基づいて、ばね上の上下方向
の速度(すなわち、ばね上速度)を演算し、フィルタ手
段が、その算出されたばね上速度から、制振すべき所定
周波数帯のばね上速度成分を抽出する。
【0014】そして、減衰力制御手段が、フィルタ手段
にて抽出された制振すべき所定周波数帯のばね上速度の
絶対値が判定速度を越えると、ショックアブソーバを、
伸び側減衰力が大きく縮み側減衰力が小さい第1のモー
ド及び伸び側減衰力が小さく縮み側減衰力が大きい第2
のモードのいずれかに制御してばね上速度を抑制し、逆
にばね上速度の絶対値が所定の判定速度以下であれば、
ショックアブソーバを、伸び側及び縮み側減衰力が共に
第1のモード及び第2モードのときに大きい値として設
定される減衰力よりも小さい第3のモードに制御する。
【0015】この結果、車両のばね上振動は抑制され
て、車両の乗り心地及び操縦安定性が向上することにな
る。一方、本発明では、ショックアブソーバが上記第1
及び第2のモードのいずれかに切り替えられると、計時
手段が、そのモードの保持時間を計時し、この保持時間
が所定時間に達すると、誤動作判定手段が、減衰力制御
手段の誤動作を判定する。そして、この誤動作判定手段
にて減衰力制御手段の誤動作が判定されると、ばね上速
度補正手段が、フィルタ手段から減衰力制御手段に入力
されるばね上速度の絶対値を小さい値に補正する。
【0016】すなわち、加速度検出手段からの検出信号
には、車両のバンク路や坂道等への進入・脱出時、車両
の旋回時、或は車両の発進・制動時等に、車両のばね上
の上下変位により発生する加速度成分以外の加速度成分
が含まれるため、こうした車両の走行条件下では、上記
モードの切替判定に使用するばね上速度にも、制振すべ
き振動成分以外の比較的周波数の低いばね上速度成分が
含まれることになり、この値をそのまま使用してショッ
クアブソーバのモードの切替判定を行なうと、ショック
アブソーバが第3のモード以外のモード(つまり第1又
は第2のモード)に長時間保持されることになる。
【0017】そこで、本発明では、ショックアブソーバ
が第1又は第2のモードに切り替えられて、ショックア
ブソーバがそのモードに保持される継続時間(保持時
間)を計時し、その保持時間が所定時間に達した時点
で、減衰力制御手段の誤動作,換言すれば、減衰力制御
手段がモードの切替判定に使用しているばね上速度の異
常、を判定し、その誤動作判定時には、フィルタ手段か
ら減衰力制御手段に入力されるばね上速度の絶対値を小
さい値に補正することにより、ショックアブソーバが第
1又は第2のモードに長時間制御されるのを防止するの
である。
【0018】このため、請求項1に記載の減衰力可変シ
ョックアブソーバ制御装置によれば、加速度検出手段か
らの検出信号に、車両のばね上の上下変位により発生す
る加速度成分以外の加速度成分が含まれている場合に、
ショックアブソーバが第3のモード以外のモードに長時
間保持されるのを防止することができる。従って、車両
のバンク路や坂道等への進入・脱出時、車両の旋回時、
或は車両の発進・制動時等に、車両の乗り心地や操縦安
定性が低下するのを防止できる。
【0019】次に、請求項2に記載の減衰力可変ショッ
クアブソーバ制御装置においては、誤動作判定手段にて
減衰力制御手段の誤動作が判定されると、減衰力制御手
段に入力されるばね上速度を直接小さい値に補正するの
ではなく、ばね上速度演算手段に入力されるばね上加速
度を表わす検出信号、及びフィルタ手段に入力されるば
ね上速度の少なくとも一方を物理量零の値に補正するこ
とにより、減衰力制御手段に入力されるばね上速度を小
さい値に補正するようにしている。
【0020】このため、請求項2に記載の減衰力可変シ
ョックアブソーバ制御装置によれば、請求項1に記載の
装置と同様、加速度検出手段からの検出信号に、車両の
ばね上の上下変位により発生する加速度成分以外の加速
度成分が含まれている場合に、ショックアブソーバが第
3のモード以外のモードに長時間保持されるのを防止し
て、車両の乗り心地や操縦安定性を向上することができ
る他、ばね上速度の補正期間終了後、フィルタ手段から
ばね上速度として大きな値が出力されて、ショックアブ
ソーバが第3のモード以外のモードに切り替えられるの
を防止できる。
【0021】一方、請求項3に記載の減衰力可変ショッ
クアブソーバ制御装置においては、誤動作判定手段にて
減衰力制御手段の誤動作が判定されると、ばね上速度補
正手段が、フィルタ手段の低周波側カットオフ周波数を
大きい値に補正する。つまり本発明では、誤動作判定手
段が減衰力制御手段の誤動作を判定すると、フィルタ手
段が、ばね上速度演算手段にて演算されたばね上速度か
ら、車両の走行条件によって生じる車両の振動成分を除
去するように動作する。
【0022】従って、請求項3に記載の減衰力可変ショ
ックアブソーバ制御装置によれば、請求項1及び請求項
2に記載の装置と同様、加速度検出手段からの検出信号
に、車両のばね上の上下変位により発生する加速度成分
以外の加速度成分が含まれている場合に、ショックアブ
ソーバが第3のモード以外のモードに長時間保持される
のを防止して、車両の乗り心地や操縦安定性を向上する
ことができる。
【0023】また本発明によれば、フィルタ手段によ
り、誤動作の原因となる比較的周波数の低いばね上速度
成分のみを除去し、それ以外(つまり高周波側)のばね
上速度についてはそのまま減衰力制御手段に入力するこ
とができるので、誤動作判定手段が減衰力制御手段の誤
動作を判定しているときでも、車両のばね上が路面の凹
凸により上下に変位している場合(つまり車体に制振す
べき振動が生じている場合)には、その大きさに応じた
ばね上速度を減衰力制御手段に入力して、ショックアブ
ソーバのモードを切替ることができる。従って、本発明
によれば、誤動作判定手段が減衰力制御手段の誤動作を
判定したときに、ばね上速度を単に小さい値に補正する
場合に比べて、車両の乗り心地をより向上することがで
きる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面と共に説明す
る。まず、図2は本実施例の減衰力可変ショックアブソ
ーバ制御装置の全体構成を表わすブロック図である。
【0025】図2に示すように、本実施例の減衰力可変
ショックアブソーバ制御装置は、加速度検出手段として
の加速度センサ1からの検出信号に応じて、マイクロコ
ンピュータからなる電子制御装置(以下、ECUとい
う。)2から、減衰力可変式のショックアブソーバ3に
対して減衰力制御のための信号を出力するものであり、
ECU2は、ばね上速度演算部4、指令値演算部5、切
替保持時間演算部6、誤動作判定部7、及びハイパスフ
ィルタ補正部8としての機能を有している。なお、EC
U2が有するこれら各部の機能は、概ね、予め設定され
た制御プログラムに従いマイクロコンピュータが演算動
作を行なう制御処理によって実現される。
【0026】ここでまず加速度センサ1は、公知の歪み
ゲージ式加速度センサであり、各車輪の(ショックアブ
ソーバ3を駆動する)図示しないアクチュエータ、又は
サスペンションアッパーサポート付近の車体に取り付け
られている。この加速度センサ1は、ばね上の上下方向
加速度を検出してアナログの加速度信号DDXを発生す
るものであり、この加速度信号DDXはECU2内のば
ね上速度演算部4に入力される。
【0027】次に、ばね上速度演算部4は、加速度セン
サ1から入力される加速度信号DDXに含まれる高周波
のノイズ成分を除去するアナログローパスフィルタ4
a,アナログローパスフィルタ4aを通過した加速度信
号DDXをデジタル値に変換(A/D変換)するA/D
変換器4b,A/D変換後の加速度信号から温度変化の
影響等による低周波のドリフト成分を除去するハイパス
フィルタ4c,ハイパスフィルタ4c通過後の加速度信
号を積分処理してばね上速度DXaを求めるばね上速度
演算手段としての積分処理部4d,積分処理部4dにて
得られたばね上速度DXaから積分処理の際に生じた積
分誤差を除去すると共に、車体振動を抑制すべき下限周
波数以上の信号成分を抽出するハイパスフィルタ4e,
及び、ハイパスフィルタ4eを通過したばね上速度信号
から車体信号を抑制すべき上限周波数以下の信号成分を
抽出するローパスフィルタ4fを備え、加速度センサ1
から入力された加速度信号DDXから減衰力制御に必要
な所定周波数帯のばね上速度DXを演算する。
【0028】なお、A/D変換器4bにてA/D変換さ
れた加速度信号を順次処理するハイパスフィルタ4c,
積分処理部4d,ハイパスフィルタ4e,及びローパス
フィルタ4fは、マイクロコンピュータの演算処理によ
り実現される所謂デジタルフィルタであり、積分処理後
のばね上速度DXaから指令値演算部5に出力するばね
上速度DXを生成するハイパスフィルタ4eは、本発明
のフィルタ手段に相当する。
【0029】また次に、指令値演算部5は、本発明の減
衰力制御手段に相当し、ばね上速度演算部4にて演算さ
れたばね上速度DXと予め設定されたしきい値Vref と
を比較する比較器5aと、比較器5aの比較結果に応じ
て、ショックアブソーバ3内の作動流体の連通路状態
を、伸び側減衰力が大きく縮み側減衰力が小さい第1の
モード(H−Sモード)、伸び側減衰力が小さく縮み側
減衰力が大きい第2のモード(S−Hモード)、及び、
伸び側及び縮み側減衰力が共に小さい第3のモード(S
−Sモード)のうちのいずれかの状態に切り替えるため
の切替指令値ATを演算して、ショックアブソーバ3に
出力する指令値出力部5bとから構成されている。
【0030】一方、切替保持時間演算部6は、本発明の
計時手段に相当し、指令値演算部5からショックアブソ
ーバ3に出力される切替指令値ATから、ショックアブ
ソーバ3がS−Sモード以外のモード(つまりH−Sモ
ード或はS−Hモード)に切り替えられる保持時間を計
時するためのもので、切替指令値ATに基づき、ショッ
クアブソーバ3がH−Sモード或はS−Hモードに切り
替えられているか否かを判定する比較器6aと、この比
較器6aからの判定信号に基づきショックアブソーバ3
のH−Sモード或はS−Hモードへの切替保持時間をカ
ウントして、そのカウント値KTを切替保持時間として
出力するカウンタ6bとから構成されている。
【0031】また誤動作判定部7は、本発明の誤動作判
定手段に相当し、切替保持時間演算部6から出力される
切替保持時間を表わすカウント値KTと判定値STとを
比較することにより切替保持時間が所定時間に達したか
否かを判定する比較器7aと、比較器7aにて切替保持
時間が所定時間に達したと判定されると、ばね上速度演
算部4からのばね上速度DXが異常で、指令値演算部5
が誤動作していると判断して、その旨を表わす誤動作判
定値GHを値「1」にセットし、ハイパスフィルタ補正
部8に出力する誤動作判定出力部7bとから構成されて
いる。なお、この誤動作判定部7と上記切替保持時間演
算部6の動作については、フローチャートを用いて後に
詳しく説明する。
【0032】また次に、ハイパスフィルタ補正部8は、
本発明のばね上速度補正手段に相当するものであり、誤
動作判定部7からの誤動作判定値GHがリセット状態
(値「0」)である場合には、ばね上速度演算部4のハ
イパスフィルタ4eのカットオフ周波数FCHを予め設
定された通常時の値に設定し、逆に、誤動作判定部7か
らの誤動作判定値GHがセット状態(値「1」)である
場合には、ハイパスフィルタ4eのカットオフ周波数F
CHを通常時の値よりも大きい所定値に設定する。
【0033】なお、このハイパスフィルタ補正部8によ
りカットオフ周波数FCHが設定されるハイパスフィル
タ4eは、図3に示すように、入力信号uを所定周期で
サンプリングし、下記演算式を用いてフィルタリングす
る周知のハイパスフィルタである。なお、下記演算式に
おいて、yはフィルタリング後の出力値、t,xは内部
変数、Fは定数であり、添え字(i)は今回のサンプリン
グタイミングで得られた値を表わし、添え字(i-1)は前
回のサンプリングタイミングで得られた値を表わしてい
る。
【0034】y(i) =u(i)−x(i) =u(i)−t(i)・2-F =u(i)−{u(i)−x(i-1)・t(i-1)}・2-F そして、このようなハイパスフィルタ4eでは、定数F
の値によりカットオフ周波数FCHを設定できる。例え
ば、サンプリング周期を12.5msec.とした場合、定
数Fを値「7」に設定すればカットオフ周波数を0.1
Hzに設定でき、定数Fを値「6」に設定すればカット
オフ周波数を0.2Hzに設定できる。
【0035】そこで本実施例では、ハイパスフィルタ補
正部8の動作によって、誤動作判定出力部7bからの誤
動作判定値GHがリセット状態であり、当該装置が正常
動作している場合には、定数Fの値を、カットオフ周波
数FCHが正常時の所定周波数(例えば0.4Hz)と
なる所定値に設定し、逆に誤動作判定値GHがセット状
態であり、当該装置の誤動作が判定されている場合に
は、定数Fの値を、カットオフ周波数FCHが正常時よ
り高い所定周波数(例えば0.8Hz)となる所定値に
変更するようにされている。
【0036】なお、正常時のカットオフ周波数を0.4
Hzとしたのは、信号のドリフト成分を効果的に抑え、
且つばね上共振周波数(1.2Hz付近)の信号を充分
検知し、良好な乗り心地と操作性が得られるように車両
に適合した結果である。また、誤動作判定時のカットオ
フ周波数を0.8Hzとしたのは、誤動作判定時におい
て、誤動作をなくすように働き、且つゲインダウンによ
りばね上共振周波数の信号検知を損なわないように車両
に適合した結果であり、基本的には、正常時のカットオ
フ周波数よりも高く、車両共振周波数(1.2Hz付
近)よりも低い値をとるのが望ましい。
【0037】次に、本実施例のショックアブソーバ3の
構造及びその動作を図4〜図8を用いて説明する。まず
図4はショックアブソーバ3の縦断面図である。図4に
示すように、ショックアブソーバ3のシリンダ10の中
空間は、メインピストン20により上下に区画されて、
各々上部室3a,下部室3bとなっている。このメイン
ピストン20は、ナット37により、スペーサ等を介し
てメインピストン20の中心を貫通するピストンロッド
C36に固定され、ピストンロッドC36は、ピストン
ロッドA30下端円筒部のネジ部によって、ピストンロ
ッドB35を挟むようにピストンロッドA30に螺着固
定されている。
【0038】ピストンロッドA30とピストンロッドB
35との間には、2個のOリング90を介して油密的に
形成された連通室56bがあり、更に、スプリング54
と板状逆止弁58とが配設されている。このピストンロ
ッドA30及びピストンロッドB35には、各々複数の
連通孔56a,56cが設けてあり、連通室56bとと
もに比較的流路面積の大きな縮み側専用流路56を形成
している。
【0039】また、スプリング54の上端はピストンロ
ッドA30に当接し、下端は板状逆止弁58に当接し、
スプリング54は板状逆止弁58を下方に付勢してい
る。従って、縮み側専用流路56は、制御バルブ60方
向から上部室3aへの流出のみを許容する板状逆止弁5
8によって開閉される。
【0040】次に、ピストンロッドB35とピストンロ
ッドC36との間には、3個のOリング90を介して油
密的に形成され、スプリング55と板状逆止弁59とを
収納するスプリング室57bが設けてある。このピスト
ンロッドC36及びピストンロッドA30には、各々複
数の連通孔57a,57cが設けてあり、スプリング室
57bとともに比較的流路面積の大きな伸び側専用流路
57を形成している。
【0041】また、スプリング55の上端はピストンロ
ッドB35に当接し、下端は板状逆止弁59に当接し、
スプリング55は板状逆止弁59を下方に付勢してい
る。従って、伸び側専用流路57は、上部室3aから制
御バルブ60方向への流入のみを許容する板状逆止弁5
9によって開閉される。
【0042】一方、メインピストン20には、上部室3
aと下部室3bとを連通する比較的流路面積の小さな縮
み側主流路41と伸び側主流路42とが形成されてい
る。この縮み側主流路41は、メインピストン20の上
面に設けた板状逆止弁48によって開閉され、伸び側主
流路42は、メインピストン20の下面に設けた板状逆
止弁49によって開閉される。
【0043】前記ピストンロッドC36内には、上部室
3aと下部室3bとの間で作動油の流通を可能とする副
流路50が形成されている。また、前記ピストンロッド
A30の下端部は筒状に形成され、筒内に制御バルブ6
0が油密的にかつ、回動自在に嵌合されている。
【0044】そして、制御バルブ60の上部は中実細径
の棒状となっており、その上端部はアクチュエータに接
続されている。また、ブッシュ31,32はピストンロ
ッドA30に圧入固定されており、その内径部は制御バ
ルブ60の細径部と回動自在に嵌合されている。尚、ブ
ッシュ31の下に配設されるOリング90は、外部との
油密性を保つものである。
【0045】従って、制御バルブ60は、アクチュエー
タを駆動することにより、ピストンロッドA30の中心
軸に対し回動可能となっている。次に、この制御バルブ
60の構造及び機能について説明する。図5は制御バル
ブ60の縦断面図であり、図6(a)は図4のA−A断
面、図6(b)は図4のB−B断面であり、図7は制御
バルブ60の連通面積Sと回転角θとの関係を示すグラ
フである。
【0046】図5に示すように、制御バルブ60の下端
部は、中空構造になっており、副流路50の一部を形成
している。また、図6に示すように、制御バルブ60に
は、1対の縮み側専用孔66が形成されており、制御バ
ルブ60の回動によって、副流路50と縮み側専用流路
56とを連通或は遮断することができる。更に、この制
御バルブ60には、1対の伸び側専用孔67が形成され
ており、制御バルブ60の回動によって、副流路50と
伸び側専用流路57とを連通或は遮断することができ
る。
【0047】そして、前記連通孔56aと縮み側専用孔
66,連通孔57aと伸び側専用孔67は、各々対向し
て形成されており、制御バルブ60の回転角θの変化に
基づいて、図7に示すように、連通面積Sを変えること
ができる。この図7において、連通面積SNは伸び側最
大面積を表し、伸び側の最小減衰力を決定するものであ
る。また、連通面積STは縮み側最大連通面積を表し、
縮み側の最小減衰力を決定するものである。そして、連
通面積STとSNの関係は任意であり、制御バルブ60
の回転角θに対して連通面積Sが最小からSNまたはS
Tに至る道程は、図のように直線であってもよいし、曲
線であってもよい。
【0048】従って、制御バルブ60が、図6(a),
(b)に示した位置である時には、縮み側専用流路56
と副流路50及び伸び側専用流路57と副流路50は、
ともに制御バルブ60によって開放されている。従っ
て、作動油が上部室3aから下部室3bへ流れる時は、
流路面積の小さな伸び側主流路42だけでなく、流路面
積の大きな伸び側専用流路57を通り、下部室3bから
上部室3aへ流れる時は、流路面積の小さな縮み側主流
路41だけでなく、流路面積の大きな縮み側専用流路5
6を通る。この結果、ショックアブソーバ3は、伸び側
縮み側ともに減衰力が小さな第3のモード(S−Sモー
ド)となる。
【0049】また、制御バルブ60が、図6(a),
(b)に示した位置から時計回転方向に45゜程回動し
た時には、縮み側専用流路56と副流路50とは連通状
態のままであるが、伸び側専用流路57と副流路50と
は制御バルブ60によって遮断される。従って、作動油
が、上部室3aから下部室3bへ流れる時は、流路面積
の小さな伸び側主流路42のみを通り、下部室3bから
上部室3aへ流れる時は、流路面積の小さな縮み側主流
路41だけでなく、流路面積の大きな縮み側専用流路5
6を通る。この結果、ショックアブソーバ3は、伸び側
の減衰力が大きく、縮み側の減衰力が小さい、第1のモ
ード(H−Sモード)となる。
【0050】一方、制御バルブ60が、図6(a),
(b)に示した位置から反時計回転方向に45゜程回動
した時には、縮み側専用流路56と副流路50とは遮断
されるが、伸び側専用流路57と副流路50とは制御バ
ルブ60によって連通状態のままである。従って、作動
油が上部室3aから下部室3bへ流れる時は、流路面積
の小さな伸び側主流路42だけでなく、流路面積の大き
な伸び側専用流路57を通り、下部室3bから上部室3
aへ流れる時は、流路面積の小さな縮み側主流路41の
みを通る。この結果、ショックアブソーバ3は、伸び側
の減衰力は小さく、縮み側の減衰力が大きい、第2のモ
ード(S−Hモード)となる。
【0051】このように、本実施例のショックアブソー
バ3は、制御バルブ60内の副流路50と縮み側専用流
路56及び伸び側専用流路57との連通面積を変えるこ
とにより、その動作モードをS−Sモード,H−Sモー
ド,及びS−Hモードのいずれかに切り替えることがで
きるようになるのであるが、このショックアブソーバ3
のモード切り替えを行なう指令値演算部5は、次のよう
に動作する。
【0052】すなわち、指令値演算部5は、ばね上速度
演算部4にて演算されたばね上速度DXとしきい値Vre
f とを比較し、ばね上速度DXの絶対値がしきい値Vre
f よりも小さいときには、ショックアブソーバ3のモー
ドを第3のモード(S−Sモード)に切り替え、伸び側
及び縮み側の減衰力がともに小さな状態に制御する。ま
た、指令値演算部5は、ばね上速度演算部4にて演算さ
れたばね上速度DXが正の値(ばね上が上向きに変位し
ている状態)で、その絶対値がしきい値Vrefよりも大
きいときには、ショックアブソーバ3を第1のモード
(H−Sモード)に切り替え、伸び側の減衰力が大きく
縮み側の減衰力が小さな状態に制御する。また更に、指
令値演算部5は、ばね上速度演算部4にて演算されたば
ね上速度DXが負の値(ばね上がした向きに変位してい
る状態)で、その絶対値がしきい値Vref よりも大きい
ときには、ショックアブソーバ3を第2のモード(S−
Hモード)に切り替え、伸び側の減衰力が小さく、縮み
側の減衰力が大きな状態に制御する。
【0053】この結果、車両のばね上速度dX2と、ば
ね上ばね下間の相対速度dX2−dX1と、ショックア
ブソーバ3の減衰力との関係は、図8に示すようになっ
て、ショックアブソーバ3の減衰力が車体の運動に対し
制振作用をする時には減衰力を大きく、逆にショックア
ブソーバ3の減衰力が車体の運動に対し励振作用をする
時には減衰力を小さくすることができ、上述のスカイフ
ックダンパが実現されることになる。
【0054】なお、以上の説明では、第3のモード(S
−Sモード)は、単に「伸び側及び縮み側減衰力が共に
小さい」モードであると説明したが、この第3のモード
の減衰力は、第1のモード(H−Sモード)及び第2の
モード(S−H)モードのときに小さい値として設定さ
れる減衰力と必ずしも同じ減衰力である必要はなく、第
1のモード(H−Sモード)及び第2のモード(S−
H)モードのときに大きい値として設定される減衰力を
越えない範囲内であれば、第1のモード(H−Sモー
ド)及び第2のモード(S−H)モードのときに小さい
値として設定される減衰力よりも大きな減衰力,換言す
れば中程度の減衰力に設定してもよい。つまり、第3の
モードの減衰力は、車両の乗り心地を悪化させない程度
の値に適宜設定すればよい。
【0055】次に、本発明にかかわる主要部である切替
保持時間演算部6及び誤動作判定部7の処理動作を、図
9のフローチャートに沿って詳しく説明する。なお、こ
の処理は所定周期で繰返し実行される。図9に示す如
く、まずステップ110において、指令値演算部5から
ショックアブソーバ3に出力している切替指令値ATを
読み込み、続くステップ120にて、この読み込んだ切
替指令値ATがショックアブソーバ3をH−Sモード或
はS−Hモードに切り替えるための指令値であるか否
か、換言すればショックアブソーバ3は現在H−Sモー
ド或はS−Hモードに切り替えられているか否かを判断
する、比較器6aとしての処理を実行する。そしてステ
ップ120にて、ショックアブソーバ3はS−Sモード
に切り替えられていると判断されると、ステップ160
に移行して、カウンタKTをリセットして、当該処理を
一旦終了する。
【0056】一方、ステップ120にて、ショックアブ
ソーバ3はS−Sモード以外のモード(つまりH−Sモ
ード又はS−Hモード)に切替られていると判断される
と、ステップ130に移行して、カウンタKTをインク
リメントすることにより、ショックアブソーバ3のH−
Sモード又はS−Hモードへの切替保持時間を計時す
る、切替保持時間カウンタ6bとしての処理を実行す
る。
【0057】次に、続くステップ140では、カウンタ
KTの値が所定の判定値STを越えたか否か、つまりカ
ウンタKTを用いて計時されたショックアブソーバ3の
H−Sモード又はS−Hモードへの切替保持時間(例え
ば、当該処理の実行周期が12.5msec.であり、カウ
ンタKTの値が「100」である場合は、1.25sec.
となる)が、判定値STにて決定される所定時間(例え
ば2sec.)を越えたか否かを判断する、比較器7aとし
ての処理を実行する。
【0058】そして、ステップ140にて、カウンタK
Tの値が判定値ST以下であり、ショックアブソーバ3
のH−Sモード又はS−Hモードへの切替保持時間が所
定時間に達していないと判断されると、そのまま当該処
理を終了し、逆に、カウンタKTの値が判定値STを越
え、ショックアブソーバ3のH−Sモード又はS−Hモ
ードへの切替保持時間が所定時間を越えたと判断される
と、続くステップ150に移行して、誤動作判定値GH
を一定時間セットする、誤動作判定出力部7bとしての
処理を実行する。
【0059】このように、本実施例では、ショックアブ
ソーバ3のH−Sモード又はS−Hモードへの切替保持
時間をカウンタKTを用いて計時し、その計時した切替
保持時間が所定時間に達すると、当該装置が誤動作して
いると判断して、一定時間、誤動作判定値GHをセット
することにより、ハイパスフィルタ補正部8を介してハ
イパスフィルタ4eのカットオフ周波数FCHを通常よ
り高い所定周波数に変更するようにしている。
【0060】従って、本実施例の減衰力可変ショックア
ブソーバ制御装置によれば、車両のバンク路や坂道等へ
の進入・脱出、車両の旋回、或は車両の発進・制動等に
よって、加速度センサ1から出力される加速度信号DD
Xに、車両のばね上の上下変位により発生する加速度成
分以外の加速度成分が含まれたとしても、ショックアブ
ソーバ3がS−Sモード以外のモードに長時間保持され
るのを防止して、車両の乗り心地や操縦安定性を向上す
ることができる。以下、この理由を図10に示すタイム
チャートを用いて説明する。
【0061】図10に示すように、例えば、車両が平坦
な路面Aを定速で直進走行しているような場合には、加
速度センサ1から出力される加速度信号DDXは、車両
のばね上の上下変位によって生じる加速度に対応するた
め、指令値演算部5に出力されるフィルタ処理後のばね
上速度DXは、路面状態に応じて零を中心に変化し、シ
ョックアブソーバ3のモード切替制御によって制振すべ
き振動成分のみとなる。そして、この状態では、ばね上
速度DXが車両のばね上の振動に応じて変化するため、
ばね上速度DXの絶対値がしきい値Vref を越える時間
が短く、切替指令値ATは短時間で頻繁に切り替わり、
スカイフック制御による効果的なばね上制振が実現され
る。また、この状態では、切替保持時間を表わすカウン
タKTの値が判定値STを越えることはなく、ハイパス
フィルタ(HPF)4eのカットオフ周波数FCHも通
常時の値に保持される。一方、車両が、例えばバンク路
や坂道等で傾斜の大きい路面Bに進入し、車両全体が上
方に持ち上げられると、加速度センサ1から出力される
加速度信号DDXには、車両のばね上の上下変位によっ
て生じる加速度成分に加えて、車両全体に加わった加速
度成分が重畳されるため、ハイパスフィルタ4eに入力
される積分処理後のばね上速度は正の方向に大きく変化
する。なお、バンク路や坂道等で車両全体が下方に移動
する場合には、ハイパスフィルタ4eに入力される積分
処理後のばね上速度は負の方向に大きく変化する。ま
た、車両の旋回時に車両に横方向加速度が加わったと
き、或は車両の発進・制動時等に車両に前後方向の加速
度が加わったときにも、ハイパスフィルタ4eに入力さ
れる積分処理後のばね上速度は、その加速度の上下方向
成分によって、正又は負の方向に大きく変化する。
【0062】そして、このようにハイパスフィルタ4e
に入力されるばね上速度が正又は負の方向に大きく変化
すると、図10に点線で示す如く、ばね上速度演算部4
から指令値演算部5に出力されるフィルタ処理後のばね
上速度DXも正又は負の値に大きくシフトされることに
なり、ばね上速度DXの絶対値が長時間しきい値Vref
を越えて、ショックアブソーバ3がH−Sモード又はS
−Hモードに長時間(最大10sec.程度)保持されるこ
とになる。
【0063】しかし本実施例では、ショックアブソーバ
3がS−Sモード以外のモードに保持される切替保持時
間をカウンタKTを用いて計時し、切替保持時間が判定
値STにて決定される所定時間(例えば2sec.)を越え
ると、ハイパスフィルタ4eのカットオフ周波数FCH
を、通常の周波数(例えば0.4Hz)より高い所定周
波数(例えば0.8Hz)に変更するようにしているた
め、ハイパスフィルタ4eにより、積分処理後のばね上
速度から、上記各走行条件により正又は負の方向に大き
く変化する低周波成分が通常以上にカットされて、指令
値演算部5に入力されるばね上速度DXは、車両のばね
上の上下変位に応じて零を中心に変化する信号に近くな
る。
【0064】従って、本実施例の減衰力可変ショックア
ブソーバ制御装置によれば、車両のバンク路や坂道等へ
の進入・脱出時、車両の旋回時、或は車両の発進・制動
時等に、ショックアブソーバ3がS−Sモード以外のモ
ードに長時間保持されることはなく、ショックアブソー
バ3がS−Sモード以外のモードに長時間保持されるこ
とにより車両の乗り心地や操縦安定性が低下するのを防
止できるのである。
【0065】また特に本実施例では、誤動作判定時に、
ハイパスフィルタ4eのカットオフ周波数を通常より高
い値に補正することにより、上記各走行条件下で、ショ
ックアブソーバ3が長時間S−Sモード以外のモードに
保持されるのを防止しているため、車体に、制振すべき
比較的周波数の高い振動が生じている場合には、その振
動に応じてばね上速度DXが変化することになり、こう
した振動に対するショックアブソーバ3のモード切替制
御は通常通り実行できる。従って、本実施例によれば、
誤動作判定時にばね上速度DXを単に小さい値に補正す
る場合に比べて、車両の乗り心地をより向上することが
できる。
【0066】なお、ショックアブソーバ3のS−Sモー
ド以外のモードへの切替保持時間から誤動作を判定する
ための時間、換言すれば判定値STの値としては、車両
のばね上共振周波数に基づき設定すればよい。例えば、
ばね上共振周波数の下限値が0.25Hzであるとすれ
ば、その判定時間は、その周期(1/0.25)を2分
の1した値、つまり2sec.間に設定すればよい。
【0067】また、本実施例では、誤動作判定後、ハイ
パスフィルタ4eのカットオフ周波数を一定時間通常よ
り高い値に補正するとして説明したが、この時間として
は、上記走行条件下でショックアブソーバ3がS−Sモ
ード以外のモードに保持される時間を考慮して設定すれ
ばよく、例えば、このモードへの切替保持時間が最大1
0sec.とすれば、この時間から、誤動作判定時間を減じ
た時間に設定すればよい。
【0068】なお、このように本実施例において、ハイ
パスフィルタ4eのカットオフ周波数を補正する時間を
一定時間としているのは、指令値演算部5からショック
アブソーバ3に出力される切替指令値ATに基づき、シ
ョックアブソーバ3のH−Sモード又はS−Hモードへ
の切替状態を判定しており、その判定結果からは、車両
が誤動作を生じる上記各走行条件から脱出したか否かを
判断できないためである。
【0069】また、本実施例では、ショックアブソーバ
3の切替保持時間から誤動作を判定した際に、ハイパス
フィルタ4eのカットオフ周波数を通常より高い値に補
正するように構成したが、例えば、誤動作判定時に、加
速度センサ1から入力される加速度DDXや積分処理後
のばね上速度DXa等、ばね上速度演算部4内で使用さ
れる変数を全て物理量「零」を表わす値にリセットする
ようにしてもよい。
【0070】つまり、このようにばね上速度演算部4内
で使用される変数を零にすれば、指令値演算部5に入力
されるばね上速度DXも零となって、ショックアブソー
バ3がS−Sモードに切り替えられることから、上記走
行条件下でショックアブソーバ3が長時間S−Sモード
以外のモードに保持されるのを防止して、車両の乗り心
地及び走行安定性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を表わすブロック図である。
【図2】実施例の減衰力可変ショックアブソーバ制御装
置の全体構成を表わすブロック図である。
【図3】実施例のハイパスフィルタの構成を表わすブロ
ック線図である。
【図4】実施例のショックアブソーバの構造を表わす縦
断面図である。
【図5】実施例のショックアブソーバに設けられた制御
バルブの縦断面図である。
【図6】実施例のショックアブソーバの要部の横断面を
表わし、(a)は図4のA−A断面図,(c)は図4の
B−B断面図である。
【図7】実施例の制御バルブの回転角と連通面積との関
係を表わす特性図である。
【図8】実施例の制御によるバネ上絶対速度とバネ上バ
ネ下間の相対速度と減衰力の関係を表わす特性図であ
る。
【図9】実施例の切替保持時間演算部及び誤動作判定部
の動作手順を表わすフローチャートである。
【図10】実施例の制御のタイミングチャートである。
【図11】スカイフックダンパを実現する基本的な制御
方法を表わす説明図である。
【図12】図11に示した制御によるバネ上絶対速度と
バネ上バネ下間の相対速度と減衰力との関係を表わす特
性図である。
【符号の説明】
1…加速度センサ 2…電子制御装置(ECU) 3
…ショックアブソーバ 4…ばね上速度演算部 4d…積分処理部 4e…
ハイパスフィルタ 4f…ローパスフィルタ 5…指令値演算部 6…
切替保持時間演算部 6a…比較器 6b…切替保持時間カウンタ 7…
誤動作判定部 7a…比較器 7b…誤動作判定出力部 8…ハイ
パスフィルタ補正部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のばね上とばね下との間に設けら
    れ、伸び側減衰力が大きく縮み側減衰力が小さい第1の
    モード、伸び側減衰力が小さく縮み側減衰力が大きい第
    2のモード、及び、伸び側及び縮み側減衰力が共に上記
    第1のモード及び第2モードのときに大きい値として設
    定される減衰力よりも小さい第3のモード、のいずれか
    に切替可能なショックアブソーバと、 車両のばね上の上下方向の加速度を検出する加速度検出
    手段と、 該加速度検出手段からの検出信号を積分処理してばね上
    の上下方向の速度を演算するばね上速度演算手段と、 該ばね上速度演算手段により算出されたばね上速度か
    ら、制振すべき所定周波数帯のばね上速度成分を抽出す
    るフィルタ手段と、 該フィルタ手段にて抽出された所定周波数帯のばね上速
    度の絶対値が所定の判定速度以下であるとき、上記ショ
    ックアブソーバを上記第3のモードに制御し、上記ばね
    上速度の絶対値が該判定速度を越えると、該ばね上速度
    を抑制すべく上記ショックアブソーバを上記第1又は第
    2のモードに制御する減衰力制御手段と、 を備えた減衰力可変ショックアブソーバ制御装置におい
    て、 上記ショックアブソーバが上記第1及び第2のモードの
    いずれかに切り替えられているとき、当該モードの保持
    時間を計時する計時手段と、 該計時手段により計時された保持時間が予め設定された
    所定時間に達したときに、上記減衰力制御手段の誤動作
    を判定する誤動作判定手段と、 該誤動作判定手段にて上記減衰力制御手段の誤動作が判
    定されると、所定期間、上記フィルタ手段から上記減衰
    力制御手段に入力されるばね上速度の絶対値を小さい値
    に補正するばね上速度補正手段と、 を備えたことを特徴とする減衰力可変ショックアブソー
    バ制御装置。
  2. 【請求項2】 上記ばね上速度補正手段は、上記誤動作
    判定手段にて上記減衰力制御手段の誤動作が判定される
    と、上記加速度検出手段から上記ばね上速度演算手段に
    入力される検出信号、及び上記ばね上速度演算手段から
    上記フィルタ手段に入力されるばね上速度の少なくとも
    一方を、物理量零の値に補正することを特徴とする請求
    項1に記載の減衰力可変ショックアブソーバ制御装置。
  3. 【請求項3】 上記ばね上速度補正手段は、上記誤動作
    判定手段にて上記減衰力制御手段の誤動作が判定される
    と、上記フィルタ手段の低周波側カットオフ周波数を大
    きい値に補正することを特徴とする請求項1に記載の減
    衰力可変ショックアブソーバ制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000280902A (ja) * 1999-03-31 2000-10-10 Kayaba Ind Co Ltd 鉄道車両の横揺れ抑制装置
JP2006213261A (ja) * 2005-02-07 2006-08-17 Advics:Kk 車両挙動センサ信号のフィルタ処理装置、及びそのフィルタ処理装置を備えた車両の運動制御装置
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