JPH07310145A - 加工用ステンレス熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
加工用ステンレス熱延鋼板およびその製造方法Info
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- JPH07310145A JPH07310145A JP10028094A JP10028094A JPH07310145A JP H07310145 A JPH07310145 A JP H07310145A JP 10028094 A JP10028094 A JP 10028094A JP 10028094 A JP10028094 A JP 10028094A JP H07310145 A JPH07310145 A JP H07310145A
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- sheet
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 黒皮ステンレス熱延鋼板について、その加工
性を向上させると共に、加工・ハンドリング中における
疵の発生や作業環境の悪化を防止し、さらにはその後の
研削性を向上させる。 【構成】 表面に片面当たり厚み:4〜9μm の黒皮ス
ケールを形成する。
性を向上させると共に、加工・ハンドリング中における
疵の発生や作業環境の悪化を防止し、さらにはその後の
研削性を向上させる。 【構成】 表面に片面当たり厚み:4〜9μm の黒皮ス
ケールを形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、加工用ステンレス熱
延鋼板およびその製造方法に関し,特にプレス成形性等
の加工性の向上に併せ、ハンドリング中の疵の発生防止
およびその後の研削性の有利な改善を図ろうとするもの
である。
延鋼板およびその製造方法に関し,特にプレス成形性等
の加工性の向上に併せ、ハンドリング中の疵の発生防止
およびその後の研削性の有利な改善を図ろうとするもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、表面に黒皮と呼ばれる表面スケ
ールを有するいわゆる黒皮ステンレス熱延鋼板(鋼帯を
含む。以下同じ)は、主にオートバイのディスクブレー
キや洋食器類のように、プレス等の加工によって所望の
製品形状に成形した後、表面研削(研磨)、時には前後
して熱処理が施されるような用途に使用される。ここ
に、黒皮スケールは、プレス等の加工時やハンドリング
時に製品表面に疵を生じさせないために必要であるが、
加工が完了した時点ではこの黒皮を研削、研磨、酸洗等
によって除去しなくてはならない。しかしながら、この
黒皮は、通常、12〜15μm の厚みがあり、その除去は容
易ではないため、例えばショットブラスト等による脱ス
ケールを行ってから研削、研磨を実施しているのが実情
である。
ールを有するいわゆる黒皮ステンレス熱延鋼板(鋼帯を
含む。以下同じ)は、主にオートバイのディスクブレー
キや洋食器類のように、プレス等の加工によって所望の
製品形状に成形した後、表面研削(研磨)、時には前後
して熱処理が施されるような用途に使用される。ここ
に、黒皮スケールは、プレス等の加工時やハンドリング
時に製品表面に疵を生じさせないために必要であるが、
加工が完了した時点ではこの黒皮を研削、研磨、酸洗等
によって除去しなくてはならない。しかしながら、この
黒皮は、通常、12〜15μm の厚みがあり、その除去は容
易ではないため、例えばショットブラスト等による脱ス
ケールを行ってから研削、研磨を実施しているのが実情
である。
【0003】ところで、従来、ステンレス熱延鋼板の製
造は、加熱炉で1150℃〜1300℃に均熱したステンレス鋼
スラブを、粗圧延前に、加熱炉内で生じた一次スケール
をスケールブレーカーによって除去した後、粗圧延機で
シートバーに加工減厚し、ついで仕上げ圧延機によって
所定の寸法に速やかに圧延したのち、必要に応じ巻き取
り温度を制御した上、コイラーで巻き取ることにより行
われていた。
造は、加熱炉で1150℃〜1300℃に均熱したステンレス鋼
スラブを、粗圧延前に、加熱炉内で生じた一次スケール
をスケールブレーカーによって除去した後、粗圧延機で
シートバーに加工減厚し、ついで仕上げ圧延機によって
所定の寸法に速やかに圧延したのち、必要に応じ巻き取
り温度を制御した上、コイラーで巻き取ることにより行
われていた。
【0004】このように、ステンレス鋼の熱間圧延にお
いては、χ相やσ相あるいは 475℃脆性等を生じる相の
析出が懸念されことから、かような相の析出を回避すべ
く、巻き取り温度等の制御は行われていたけれども、表
面の黒皮スケールの制御については、ほとんどのステン
レス鋼においてなされていない。また、従来は、仕上げ
圧延機の入側および出側温度とも特に規定されてなく、
さらに仕上げ圧延機入側のシートバーに対するデスケー
リング等も施されてはいない。この理由は、デスケーリ
ングによってシートバー温度が低下し、仕上げ圧延機の
ロール表面が損傷を受けるのを懸念したことと、鋼板表
面の黒皮スケールは、熱間圧延後の焼鈍に続く酸洗によ
って容易に除去できるという一般的な認識に基づいてい
たためと考えられる。
いては、χ相やσ相あるいは 475℃脆性等を生じる相の
析出が懸念されことから、かような相の析出を回避すべ
く、巻き取り温度等の制御は行われていたけれども、表
面の黒皮スケールの制御については、ほとんどのステン
レス鋼においてなされていない。また、従来は、仕上げ
圧延機の入側および出側温度とも特に規定されてなく、
さらに仕上げ圧延機入側のシートバーに対するデスケー
リング等も施されてはいない。この理由は、デスケーリ
ングによってシートバー温度が低下し、仕上げ圧延機の
ロール表面が損傷を受けるのを懸念したことと、鋼板表
面の黒皮スケールは、熱間圧延後の焼鈍に続く酸洗によ
って容易に除去できるという一般的な認識に基づいてい
たためと考えられる。
【0005】しかしながら、黒皮スケール付きで使用す
る分野では、その厚みが必要以上に厚いため、加工時に
生ずる粉塵で作業環境の悪化を招くだけでなく、金型の
寿命も低下し、さらには前述したとおり、その後の黒皮
スケール除去に多大な労費を必要とする不利があったの
である。
る分野では、その厚みが必要以上に厚いため、加工時に
生ずる粉塵で作業環境の悪化を招くだけでなく、金型の
寿命も低下し、さらには前述したとおり、その後の黒皮
スケール除去に多大な労費を必要とする不利があったの
である。
【0006】なお、ステンレス鋼の表面スケールに言及
した技術としては、特開昭60−170503号公報、特開昭60
−174201号公報および特開昭60−174202号公報に開示さ
れたステンレス鋼の熱間圧延方法がある。上記の技術
は、熱間圧延中に露出した被圧延材の金属表面に、空気
や酸素ガス、水蒸気等の吹きつけ、または空冷や加熱に
よって酸化スケールを再生成させ、しかる後に次パスの
圧延を行うことによって、熱間圧延工程における表面疵
の発生を防止するものである。しかしながら、上記の技
術ではいずれも、再生成酸化スケールの厚みについては
勿論、その除去の難易性については何ら言及されていな
い。
した技術としては、特開昭60−170503号公報、特開昭60
−174201号公報および特開昭60−174202号公報に開示さ
れたステンレス鋼の熱間圧延方法がある。上記の技術
は、熱間圧延中に露出した被圧延材の金属表面に、空気
や酸素ガス、水蒸気等の吹きつけ、または空冷や加熱に
よって酸化スケールを再生成させ、しかる後に次パスの
圧延を行うことによって、熱間圧延工程における表面疵
の発生を防止するものである。しかしながら、上記の技
術ではいずれも、再生成酸化スケールの厚みについては
勿論、その除去の難易性については何ら言及されていな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、黒
皮スケールの有効性を維持しつつ、その後の除去を容易
にする技術については、これまでのところ全く提案され
てなく、その開発が望まれていた。この発明は、上記の
要請に有利に応えるもので、熱間圧延時に生じる黒皮ス
ケールの厚みを制御することによって、プレス成形性等
の加工性の向上は勿論のこと、加工・ハンドリング中に
おける疵の発生や作業環境の悪化を効果的に防止し、さ
らにはその後の研削性も格段に向上させた加工用ステン
レス熱延鋼板を、その有利な製造方法と共に提案するこ
とを目的とする。
皮スケールの有効性を維持しつつ、その後の除去を容易
にする技術については、これまでのところ全く提案され
てなく、その開発が望まれていた。この発明は、上記の
要請に有利に応えるもので、熱間圧延時に生じる黒皮ス
ケールの厚みを制御することによって、プレス成形性等
の加工性の向上は勿論のこと、加工・ハンドリング中に
おける疵の発生や作業環境の悪化を効果的に防止し、さ
らにはその後の研削性も格段に向上させた加工用ステン
レス熱延鋼板を、その有利な製造方法と共に提案するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、表
面に片面当たり厚み:4〜9μm の黒皮スケールを有す
ることを特徴とする加工用ステンレス熱延鋼板である。
面に片面当たり厚み:4〜9μm の黒皮スケールを有す
ることを特徴とする加工用ステンレス熱延鋼板である。
【0009】またこの発明は、ステンレス鋼用スラブ
を、加熱した後、粗圧延ついで仕上げ圧延を施してステ
ンレス熱延鋼板を製造するに際し、粗圧延後のシートバ
ーに対し、150 kg/cm2以上の水圧でデスケーリング処理
を施すと共に、仕上げ圧延機の入側温度および出側温度
をそれぞれ 970〜1000℃および 890〜930 ℃の範囲に制
御することを特徴とする加工用ステンレス熱延鋼板の製
造方法である。
を、加熱した後、粗圧延ついで仕上げ圧延を施してステ
ンレス熱延鋼板を製造するに際し、粗圧延後のシートバ
ーに対し、150 kg/cm2以上の水圧でデスケーリング処理
を施すと共に、仕上げ圧延機の入側温度および出側温度
をそれぞれ 970〜1000℃および 890〜930 ℃の範囲に制
御することを特徴とする加工用ステンレス熱延鋼板の製
造方法である。
【0010】この発明で対象とするステンレス鋼は、そ
の成分組成が特に限定されるものではなく、従来公知の
ものであればいずれもが適合する。特に好適な鋼種を示
すと次のとおりである。 (1) オーステナイト系ステンレス鋼 ・SUS304 C≦0.08wt%, Si≦1.00wt%, Mn≦2.00wt%,P≦0.045
wt%, S≦0.030 wt%,Ni:8.00〜10.50 wt%, Cr:1
8.00 〜20.00 wt% ・SUS316L C≦0.03wt%, Si≦1.00wt%, Mn≦2.00wt%,P≦0.045
wt%, S≦0.030 wt%,Ni:12.00 〜15.00 wt%, Cr:
16.00 〜18.00 wt% Mo:2.00〜3.00wt% (2) フェライト系ステンレス鋼 ・SUS430 C≦0.12wt%, Si≦0.75wt%, Mn≦1.00wt%,P≦0.040
wt%, S≦0.030 wt%,Cr:16.00 〜18.00 wt%, Ni≦
0.60wt% ・SUS444 C≦0.025 wt%, Si≦1.00wt%, Mn≦1.00wt%,P≦0.0
40 wt%, S≦0.030 wt%,Cr:17.00 〜20.00 wt%, M
o:1.75〜2.50wt%,Ni≦0.60wt%, Nb≦0.80wt%, Nb/
C+N≧8 (3) オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼 ・SUS329J1 C≦0.08wt%, Si≦1.00wt%, Mn≦1.50wt%,P≦0.040
wt%, S≦0.030 wt%,Ni:3.00〜6.00wt%, Cr:23.0
0 〜28.00 wt%,Mo:1.00〜3.00wt% (4) マルテンサイト系ステンレス鋼 ・SUS410 C≦0.15wt%, Si≦1.00wt%, Mn≦1.00wt%,P≦0.040
wt%, S≦0.030 wt%,Cr:11.50 〜13.50 wt% ・SUS420J1 C:0.16〜0.25wt%, Si≦1.00wt%, Mn≦1.00wt%, P
≦0.040 wt%,S≦0.030 wt%, Cr:12.00 〜14.00 wt
% (5) その他 ・R410DB C≦0.090 wt%, Si≦0.50wt%,Mn≦1.00〜2.50wt%,
P≦0.040 wt%,S≦0.030 wt%, Cr:10.00 〜14.50 w
t%,Ni≦0.60wt%, C+N:0.0400〜0.1000
の成分組成が特に限定されるものではなく、従来公知の
ものであればいずれもが適合する。特に好適な鋼種を示
すと次のとおりである。 (1) オーステナイト系ステンレス鋼 ・SUS304 C≦0.08wt%, Si≦1.00wt%, Mn≦2.00wt%,P≦0.045
wt%, S≦0.030 wt%,Ni:8.00〜10.50 wt%, Cr:1
8.00 〜20.00 wt% ・SUS316L C≦0.03wt%, Si≦1.00wt%, Mn≦2.00wt%,P≦0.045
wt%, S≦0.030 wt%,Ni:12.00 〜15.00 wt%, Cr:
16.00 〜18.00 wt% Mo:2.00〜3.00wt% (2) フェライト系ステンレス鋼 ・SUS430 C≦0.12wt%, Si≦0.75wt%, Mn≦1.00wt%,P≦0.040
wt%, S≦0.030 wt%,Cr:16.00 〜18.00 wt%, Ni≦
0.60wt% ・SUS444 C≦0.025 wt%, Si≦1.00wt%, Mn≦1.00wt%,P≦0.0
40 wt%, S≦0.030 wt%,Cr:17.00 〜20.00 wt%, M
o:1.75〜2.50wt%,Ni≦0.60wt%, Nb≦0.80wt%, Nb/
C+N≧8 (3) オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼 ・SUS329J1 C≦0.08wt%, Si≦1.00wt%, Mn≦1.50wt%,P≦0.040
wt%, S≦0.030 wt%,Ni:3.00〜6.00wt%, Cr:23.0
0 〜28.00 wt%,Mo:1.00〜3.00wt% (4) マルテンサイト系ステンレス鋼 ・SUS410 C≦0.15wt%, Si≦1.00wt%, Mn≦1.00wt%,P≦0.040
wt%, S≦0.030 wt%,Cr:11.50 〜13.50 wt% ・SUS420J1 C:0.16〜0.25wt%, Si≦1.00wt%, Mn≦1.00wt%, P
≦0.040 wt%,S≦0.030 wt%, Cr:12.00 〜14.00 wt
% (5) その他 ・R410DB C≦0.090 wt%, Si≦0.50wt%,Mn≦1.00〜2.50wt%,
P≦0.040 wt%,S≦0.030 wt%, Cr:10.00 〜14.50 w
t%,Ni≦0.60wt%, C+N:0.0400〜0.1000
【0011】以下、この発明を完成するに至った実験結
果について説明する。 厚み:195 mmのR410DB鋼スラブを、1230℃に加熱
後、粗圧延により30mmに減厚した1020℃のシートバーに
対し、150 kg/cm2以上の水圧でデスケーリング処理を施
した後、仕上げ圧延機の入側温度および出側温度を種々
に変更して、表面に種々の厚みになる黒皮スケールを生
成させた。得られた黒皮スケール付きステンレス熱延鋼
板のプレス加工時やハンドリング時における疵の発生状
況および研磨処理の難易度について調査した結果を、片
面当たりの黒皮スケール厚との関係で図1に示す。
果について説明する。 厚み:195 mmのR410DB鋼スラブを、1230℃に加熱
後、粗圧延により30mmに減厚した1020℃のシートバーに
対し、150 kg/cm2以上の水圧でデスケーリング処理を施
した後、仕上げ圧延機の入側温度および出側温度を種々
に変更して、表面に種々の厚みになる黒皮スケールを生
成させた。得られた黒皮スケール付きステンレス熱延鋼
板のプレス加工時やハンドリング時における疵の発生状
況および研磨処理の難易度について調査した結果を、片
面当たりの黒皮スケール厚との関係で図1に示す。
【0012】同図より明らかなように、黒皮スケールの
厚みが片面当たり4μm に満たないと、プレス等の加工
やハンドリング時に材料に疵が生じ、一方9μm を超え
ると加工後に黒皮スケールを除去する場合、ショットブ
ラストなどの前処理が必要となる。これに対し、黒皮ス
ケールの厚みを片面当たり4〜9μm の範囲に制御して
やると、プレス等の加工やハンドリング時に疵の発生は
全くなく、またショットブラストなどの前処理の必要な
しに直接研磨処理を行うことができ、さらには金型の寿
命向上および作業環境の向上も併せて達成することがで
きる。
厚みが片面当たり4μm に満たないと、プレス等の加工
やハンドリング時に材料に疵が生じ、一方9μm を超え
ると加工後に黒皮スケールを除去する場合、ショットブ
ラストなどの前処理が必要となる。これに対し、黒皮ス
ケールの厚みを片面当たり4〜9μm の範囲に制御して
やると、プレス等の加工やハンドリング時に疵の発生は
全くなく、またショットブラストなどの前処理の必要な
しに直接研磨処理を行うことができ、さらには金型の寿
命向上および作業環境の向上も併せて達成することがで
きる。
【0013】次に、この発明の製造方法について説明す
る。まずスラブの製造法については、通常の連鋳法また
は造塊法いずれであっても良い。スラブ加熱温度は、11
50〜1300℃程度が好適である。ついで、粗圧延および仕
上げ圧延を施して熱延鋼板とするが、この発明では、こ
の熱間圧延工程中、とくに粗圧延後にデスケーリング処
理を施して表面の余分な黒皮スケールを除去すると共
に、仕上げ圧延機の入側温度および出側温度を制御し
て、表面に所定厚みの黒皮スケールを生成させることが
重要である。図2に、厚み:195 mmのSUS420J1
鋼スラブを、1250℃に加熱後、粗圧延により27mmのシー
トバーとした後、150 kg/cm2以上の水圧でデスケーリン
グ処理を施し、ついで種々の入側温度および出側温度で
仕上げ圧延を行ったときの、仕上げ圧延機の入側温度お
よび出側温度と黒皮スケール厚との関係および表面疵の
発生状況について調べた結果を整理して示す。
る。まずスラブの製造法については、通常の連鋳法また
は造塊法いずれであっても良い。スラブ加熱温度は、11
50〜1300℃程度が好適である。ついで、粗圧延および仕
上げ圧延を施して熱延鋼板とするが、この発明では、こ
の熱間圧延工程中、とくに粗圧延後にデスケーリング処
理を施して表面の余分な黒皮スケールを除去すると共
に、仕上げ圧延機の入側温度および出側温度を制御し
て、表面に所定厚みの黒皮スケールを生成させることが
重要である。図2に、厚み:195 mmのSUS420J1
鋼スラブを、1250℃に加熱後、粗圧延により27mmのシー
トバーとした後、150 kg/cm2以上の水圧でデスケーリン
グ処理を施し、ついで種々の入側温度および出側温度で
仕上げ圧延を行ったときの、仕上げ圧延機の入側温度お
よび出側温度と黒皮スケール厚との関係および表面疵の
発生状況について調べた結果を整理して示す。
【0014】同図から明らかなように、片面当たり4〜
9μm の良好な黒皮スケール厚を得るには、仕上げ圧延
機の入側温度および出側温度をそれぞれ 970〜1000℃お
よび890〜930 ℃の範囲に制御することが肝要である。
仕上げ圧延機の入側温度が1000℃を超えても、黒皮スケ
ールはそれ以上薄くならず、また加熱温度の上昇に伴う
経済的な損失を招くばかりでなく、この加熱に起因した
表面疵を発生させる不利がある。また、仕上げ圧延機の
出側温度が 930℃を超えると、やはり加熱温度の上昇に
起因して表面疵が発生する。さらに、仕上げ圧延機の入
側温度が 970℃を下回ったり、出側温度が 890℃を下回
ると、仕上げ圧延前に 150kg/cm2以上の水圧例えば 400
kg/cm2の水圧でデスケーリングを行ったとしても黒皮ス
ケールが10μm 以上となってしまい、この発明に従う適
正厚みの黒皮スケールは得られない。
9μm の良好な黒皮スケール厚を得るには、仕上げ圧延
機の入側温度および出側温度をそれぞれ 970〜1000℃お
よび890〜930 ℃の範囲に制御することが肝要である。
仕上げ圧延機の入側温度が1000℃を超えても、黒皮スケ
ールはそれ以上薄くならず、また加熱温度の上昇に伴う
経済的な損失を招くばかりでなく、この加熱に起因した
表面疵を発生させる不利がある。また、仕上げ圧延機の
出側温度が 930℃を超えると、やはり加熱温度の上昇に
起因して表面疵が発生する。さらに、仕上げ圧延機の入
側温度が 970℃を下回ったり、出側温度が 890℃を下回
ると、仕上げ圧延前に 150kg/cm2以上の水圧例えば 400
kg/cm2の水圧でデスケーリングを行ったとしても黒皮ス
ケールが10μm 以上となってしまい、この発明に従う適
正厚みの黒皮スケールは得られない。
【0015】さらに、この発明において、粗圧延後、仕
上げ圧延前に行うデスケーリングの圧力を 150kg/cm2以
上と限定した理由は、これより低い圧力では、仕上げ圧
延機の入側温度および出側温度を上記の好適範囲に調整
したとしても、9μm 以下の薄い黒皮スケールが得られ
ないからである。なお、水圧はより高い方が望ましい
が、400 kg/cm2を超えるとその効果は飽和に達するの
で、上限は 400kg/cm2程度とするのが好ましい。
上げ圧延前に行うデスケーリングの圧力を 150kg/cm2以
上と限定した理由は、これより低い圧力では、仕上げ圧
延機の入側温度および出側温度を上記の好適範囲に調整
したとしても、9μm 以下の薄い黒皮スケールが得られ
ないからである。なお、水圧はより高い方が望ましい
が、400 kg/cm2を超えるとその効果は飽和に達するの
で、上限は 400kg/cm2程度とするのが好ましい。
【0016】
実施例1 表1に示す、鋼種5種類(板厚各3種類)について、粗
圧延後のデスケーリングの水圧および仕上げ圧延機の入
側温度および出側温度を種々に変化させて、表面に種々
の厚みの黒皮スケールを生成させた。ここに各鋼種の成
分組成は表2のとおりである。得られた各鋼板から30mm
φのオートバイのディスクブレーキ状の形状に20枚づづ
プレス加工を実施し、加工・ハンドリング時における表
面疵発生の有無とプレス後のディスクを両面から同時研
削した時の研削性について調べた結果を、表1に併記す
る。なお、黒皮スケール厚が3μm 以下のものは加工工
程で表面に疵が入ったので研削テストからは全て除外し
た。
圧延後のデスケーリングの水圧および仕上げ圧延機の入
側温度および出側温度を種々に変化させて、表面に種々
の厚みの黒皮スケールを生成させた。ここに各鋼種の成
分組成は表2のとおりである。得られた各鋼板から30mm
φのオートバイのディスクブレーキ状の形状に20枚づづ
プレス加工を実施し、加工・ハンドリング時における表
面疵発生の有無とプレス後のディスクを両面から同時研
削した時の研削性について調べた結果を、表1に併記す
る。なお、黒皮スケール厚が3μm 以下のものは加工工
程で表面に疵が入ったので研削テストからは全て除外し
た。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】表1より明らかなように、この発明に従う
適正厚みの黒皮スケールをそなえる鋼板はいずれも、加
工およびハンドリング時に表面疵の発生は全くなく、ま
たショットブラスト等の脱スケール処理を施す必要なし
に直接研削を行うことができた。さらに、かかる鋼板で
は、加工時における粉塵が減少し、また従来材に比して
金型寿命が大幅に向上することも確認された。
適正厚みの黒皮スケールをそなえる鋼板はいずれも、加
工およびハンドリング時に表面疵の発生は全くなく、ま
たショットブラスト等の脱スケール処理を施す必要なし
に直接研削を行うことができた。さらに、かかる鋼板で
は、加工時における粉塵が減少し、また従来材に比して
金型寿命が大幅に向上することも確認された。
【0020】実施例2 表2に示した5種類の鋼スラブについて、1230℃に加熱
後、粗圧延により表3に示すシートバー厚とした後、同
じく表3に示す種々のデスケーリング圧ならびに仕上げ
圧延機入側温度および出側温度で熱延鋼板を製造した。
得られた熱延鋼板の表面に形成された黒皮スケール厚に
ついて調べた結果を、表3に併記する。
後、粗圧延により表3に示すシートバー厚とした後、同
じく表3に示す種々のデスケーリング圧ならびに仕上げ
圧延機入側温度および出側温度で熱延鋼板を製造した。
得られた熱延鋼板の表面に形成された黒皮スケール厚に
ついて調べた結果を、表3に併記する。
【0021】
【表3】
【0022】同表より明らかなように、いずれの鋼種に
ついてもこの発明法に従って熱間圧延した場合にのみ、
片面当たり4〜9μm 厚の好適厚みの黒皮スケールが形
成されている。
ついてもこの発明法に従って熱間圧延した場合にのみ、
片面当たり4〜9μm 厚の好適厚みの黒皮スケールが形
成されている。
【0023】実施例3 さらに、この発明に従うR410DBと従来材(黒皮ス
ケール厚:13μm )との金型寿命について調べた結果を
表4に示す。表4の結果は、板厚:5.0 mmのフープより
4cm角の自動車部品をプレス加工した時の金型寿命を、
従来材の場合のストローク回数とこの発明材のストロー
ク回数との比で示したものである。
ケール厚:13μm )との金型寿命について調べた結果を
表4に示す。表4の結果は、板厚:5.0 mmのフープより
4cm角の自動車部品をプレス加工した時の金型寿命を、
従来材の場合のストローク回数とこの発明材のストロー
ク回数との比で示したものである。
【0024】
【表4】
【0025】同表より明らかなように、この発明材の場
合、金型寿命を従来材に比べて3倍にも延長することが
できた。なお、上に述べた実施例では代表的なステンレ
ス鋼についてのみ説明したが、この発明はこれだけに限
るものではなく、他のステンレス鋼にも適用可能である
ことは言うまでもない。
合、金型寿命を従来材に比べて3倍にも延長することが
できた。なお、上に述べた実施例では代表的なステンレ
ス鋼についてのみ説明したが、この発明はこれだけに限
るものではなく、他のステンレス鋼にも適用可能である
ことは言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】この発明に従い、表面に厚み:4〜9μ
m の黒皮スケールを形成したステンレス熱延鋼板は、プ
レス等の加工時やハンドリング時に疵が生じることがな
い。またショットブラクト等の事前脱スケール処理を施
さなくても、直接、表面研削、研磨処理を行うことがで
き、省工程が可能となるので、その経済的効果は多大な
ものがある。さらに、黒皮スケール層が薄くなったこと
で、加工時の粉塵が減少し、作業環境が改善されるだけ
でなく、金型寿命の飛躍的な向上も期待できる。またさ
らに、通常の白皮ステンレス鋼の製造にこの発明を活用
することにより、黒皮スケールの酸洗効率の向上も期待
できる。
m の黒皮スケールを形成したステンレス熱延鋼板は、プ
レス等の加工時やハンドリング時に疵が生じることがな
い。またショットブラクト等の事前脱スケール処理を施
さなくても、直接、表面研削、研磨処理を行うことがで
き、省工程が可能となるので、その経済的効果は多大な
ものがある。さらに、黒皮スケール層が薄くなったこと
で、加工時の粉塵が減少し、作業環境が改善されるだけ
でなく、金型寿命の飛躍的な向上も期待できる。またさ
らに、通常の白皮ステンレス鋼の製造にこの発明を活用
することにより、黒皮スケールの酸洗効率の向上も期待
できる。
【図1】片面当たりの黒皮スケール厚とプレス加工時や
ハンドリング時における疵の発生状況および研磨処理の
難易度との関係を示した図である。
ハンドリング時における疵の発生状況および研磨処理の
難易度との関係を示した図である。
【図2】仕上げ圧延機の入側温度および出側温度が、黒
皮スケールの厚みおよび表面疵に及ぼす影響を示した図
である。
皮スケールの厚みおよび表面疵に及ぼす影響を示した図
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 表面に片面当たり厚み:4〜9μm の黒
皮スケールを有することを特徴とする加工用ステンレス
熱延鋼板。 - 【請求項2】 ステンレス鋼用スラブを、加熱した後、
粗圧延ついで仕上げ圧延を施してステンレス熱延鋼板を
製造するに際し、 粗圧延後のシートバーに対し、150 kg/cm2以上の水圧で
デスケーリング処理を施すと共に、仕上げ圧延機の入側
温度および出側温度をそれぞれ 970〜1000℃および 890
〜930 ℃の範囲に制御することを特徴とする加工用ステ
ンレス熱延鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10028094A JPH07310145A (ja) | 1994-05-13 | 1994-05-13 | 加工用ステンレス熱延鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10028094A JPH07310145A (ja) | 1994-05-13 | 1994-05-13 | 加工用ステンレス熱延鋼板およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07310145A true JPH07310145A (ja) | 1995-11-28 |
Family
ID=14269793
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10028094A Pending JPH07310145A (ja) | 1994-05-13 | 1994-05-13 | 加工用ステンレス熱延鋼板およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07310145A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0835698A3 (en) * | 1996-09-30 | 1999-01-27 | Kawasaki Steel Corporation | Hot-rolled stainless steel strip and method for producing the same |
| KR101149149B1 (ko) * | 2009-04-27 | 2012-05-25 | 현대제철 주식회사 | 표면 및 도금품질이 우수한 강판의 제조방법 |
| JP2018075707A (ja) * | 2016-10-28 | 2018-05-17 | Jfeスチール株式会社 | 自走式疵取り装置および疵取り方法 |
| JP2021195615A (ja) * | 2020-06-18 | 2021-12-27 | Jfeスチール株式会社 | ステンレス鋼板および焼入成形品 |
-
1994
- 1994-05-13 JP JP10028094A patent/JPH07310145A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0835698A3 (en) * | 1996-09-30 | 1999-01-27 | Kawasaki Steel Corporation | Hot-rolled stainless steel strip and method for producing the same |
| US5948181A (en) * | 1996-09-30 | 1999-09-07 | Kawasaki Steel Corporation | Hot-rolled stainless steel strip and method for producing the same |
| KR101149149B1 (ko) * | 2009-04-27 | 2012-05-25 | 현대제철 주식회사 | 표면 및 도금품질이 우수한 강판의 제조방법 |
| JP2018075707A (ja) * | 2016-10-28 | 2018-05-17 | Jfeスチール株式会社 | 自走式疵取り装置および疵取り方法 |
| JP2021195615A (ja) * | 2020-06-18 | 2021-12-27 | Jfeスチール株式会社 | ステンレス鋼板および焼入成形品 |
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