JPH07311207A - Spmカンチレバー及びその製造方法 - Google Patents

Spmカンチレバー及びその製造方法

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JPH07311207A
JPH07311207A JP30422994A JP30422994A JPH07311207A JP H07311207 A JPH07311207 A JP H07311207A JP 30422994 A JP30422994 A JP 30422994A JP 30422994 A JP30422994 A JP 30422994A JP H07311207 A JPH07311207 A JP H07311207A
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cantilever
probe
spm
substrate
silicon
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JP30422994A
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English (en)
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Michio Takayama
美知雄 高山
Katsuhiro Matsuyama
克宏 松山
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種の用途あるいは使用方法において要求さ
れるレバー特性と探針特性とを共に満足することの可能
なSPMカンチレバー及びその製造方法を提供する。 【構成】 ガラス,Si等からなる片持ち梁支持部10
3と、該支持部103に一端を陽極接合によりあるいは
接着剤を介して固着したシリコン又は窒化シリコン等か
らなる片持ち梁部101と、該片持ち梁部101の自由
端であって、該片持ち梁部101に対して前記支持部1
03と反対側である裏面に設けた、前記片持ち梁部10
1とは別体の探針部102とでSPMカンチレバーを構
成する。そして深針部102の形成材料としては、用途
に応じ光透過性、導電性、硬質性等の各種特性を有する
ものを適宜選択して用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、原子間力顕微鏡等の
走査型プローブ顕微鏡に用いるSPMカンチレバー及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、導電性試料を原子サイズオーダー
の分解能で観察できる装置として、走査トンネル顕微鏡
(STM:Scanning Tunneling Microscope )がBinnin
g とRohrerらにより発明されてから、原子オーダーの表
面凹凸を観察できる顕微鏡として各方面での利用が進ん
でいる。しかしSTMでは、観察できる試料は導電性の
ものに限られている。
【0003】そこで、STMにおけるサーボ技術を始め
とする要素技術を利用しながら、STMでは測定し難か
った絶縁性の試料を、原子サイズオーダーの精度で観察
することのできる顕微鏡として、原子間力顕微鏡(AF
M)が提案された。このAFMは、例えば特開昭62−
130302号(特許出願人:IBM、発明者:G.ビ
ニッヒ、発明の名称:サンプル表面の像を形成する方法
及び装置)に開示されている。
【0004】AFMの構造はSTMに類似しており、走
査型プローブ顕微鏡(SPM: Scanning Probe Micros
cope)の一つとして位置づけられる。AFMでは、自由
端に鋭い突起部分(探針)を持つ片持ち梁を、試料に対
向、近接して配置し、探針の先端の原子と試料原子との
間に働く相互作用力により、変位する片持ち梁の働きを
電気的あるいは光学的にとらえて測定しつつ、試料をX
Y方向に走査し、片持ち梁の探針との位置関係を相対的
に変化させることによって、試料の凹凸情報などを原子
サイズオーダーで三次元的にとらえることができる。
【0005】上述したようなAFM等における走査型プ
ローブ顕微鏡(SPM)用のカンチレバーチップとして
は、T.R.Albrechtらが半導体IC製造プロセスを応用し
て作製することのできる酸化シリコン膜製のカンチレバ
ーを提案して以来(Thonas R. Albrechtand Calvin F.
Quate : Atomic resolution imaging of a nonconducto
r Atomforce Microscopy J. Appl. Phy. 62(1987)2599
参照)、ミクロンオーダーの高精度で優れた再現性をも
って作製することが可能になっている。またこのような
カンチレバーチップは、バッチプロセスによって作製す
ることができ、低コスト化が実現されている。よって現
在では、半導体IC製造プロセスを応用して作製される
カンチレバーチップが主流となっている。
【0006】次に、図14を参照しながら、従来より実
施されている半導体IC製造プロセスを応用した窒化シ
リコン膜製AFMカンチレバーの作製方法について説明
する。まず、図14の(A)に示すように、面方位(1
00)Si基板901上に、窒化シリコン膜パターン9
02を設けスタート基板900を形成する。次に、図1
4の(B)に示すように、この窒化シリコン膜パターン
902を耐エッチングマスクとして、Si基板901に
対してKOH等を用いた湿式異方性エッチングを施すこ
とにより、Si基板901にカンチレバーの探針部の型
となる四角錐状のレプリカ穴903を形成する。この
後、図14の(C)に示すように一旦窒化シリコン膜パ
ターン902を除去し、Si基板901上に新たにカン
チレバーの母材料となる窒化シリコン膜904を堆積す
る。更に図14の(D)に示すように、この窒化シリコ
ン膜904をカンチレバーの形状に選択エッチングする
ことにより、カンチレバーパターン905を形成する。
次いで図14の(E)に示すように、このカンチレバー
パターン905上の所定領域に、カンチレバーの支持部
材となるパイレックスガラス906を陽極接合する。続
いて、図14の(F)に示すように、Si基板901を
エッチングにより除去し、支持部、レバー部及び探針部
を具備するAFMカンチレバー907を得る。
【0007】従って、この製法により製造されるAFM
カンチレバーは、ガラス製の支持部と窒化シリコン膜で
一体形成された探針部及び片持ち梁部とにより構成され
る。そして、このように構成されたAFMカンチレバー
はミクロンオーダーの高精度で非常に再現性よく作製す
ることができ、しかも探針が材料的性質として親水性で
ある窒化シリコン膜で形成されているので、生体試料に
有効な液中でのAFM測定に適している。
【0008】また一方、最近、エバネッセント波を用い
ることにより回折限界を超える分解能を有する近視野顕
微鏡〔SNOM:Scanning Near-field Optical Micros
cope〕による測定が注目されている。このSNOMはS
TMやAFMと同じくSPMの一種で、エバネッセント
波が“波長より小さい寸法の領域に局在し、自由空間を
伝搬しない”という特性を利用して、光照射されている
試料近傍で光透過性のある探針を走査することによっ
て、極めて分解能の高い光学像を得る測定方法である。
【0009】SNOMの測定原理は、まず、測定試料の
表面近傍に1波長程度以下の距離までプローブを近づけ
て、プローブ先端の微小開口を通過する光強度の地図を
作成することによって、測定試料に対する解像が成され
る。SNOMとしてはいくつかの方式が提案されてお
り、大別すると2つの方式が提案されている。一つはコ
レクション方式と呼ばれ、試料の下から光を照射した時
に試料を透過し試料表面近傍に局在したエバネッセント
波をプローブを介して検出しSNOM像とする方式であ
る。他の方式は、微小開口を持ったプローブから試料に
対して光を照射し、試料を透過した光を試料下に設置さ
れた光検出器によって検出するという、いわゆるエミッ
ション方式と呼ばれる方式である。これは、例えば特開
平4−291310号(AT&T、R.E.Betzig)に
開示されている。
【0010】そして前述した窒化シリコン膜製の探針を
持つAFMカンチレバーを、このSNOM測定に適用で
きることが報告されている(N.F.van Hulst, M.H.P.Moe
rs,O.F.J.Moordman, R.G.Tack, F.B.Segerink, B.Bolge
r : Near-field optical microscope using a silicon-
nitride probe Appl. Phys. lett. 62,461(1993)参
照)。すなわち窒化シリコン膜は光透過性があるため、
窒化シリコン膜製の探針を持つAFMカンチレバーは、
このようにSNOM測定にも適用可能である。
【0011】一方、AFMの測定方式としては、試料と
探針を1nm程度に近接させて測定する接触方式、5〜
10nm離して測定する非接触方式、試料表面を探針で
軽くたたきながら移動させて測定するタッピング方式等
がある。これらの測定方式のうち、非接触方式及びタッ
ピング方式では堅いカンチレバーを用いる必要がある。
【0012】堅いカンチレバーを作製するためにはレバ
ー膜を厚くする必要があり、このようなAFMカンチレ
バーとして、探針、レバー、支持部をシリコンで一体に
形成するものが広く知られている(例えば、O.Wolter,
Th.Bayer, and J.Greschner:Micromachined silicon se
nsors for scanning force microscopy J. Vac. Sci.Te
chnol. B9(2), May/Apr1991 参照)。
【0013】このシリコン一体形成型のカンチレバー
は、前述したものと同じく半導体製造技術を用いて作製
するため、ミクロンオーダーの高精度で非常に再現性よ
く作製することができると共に、レバーをシリコン基板
で形成するため厚いレバーを作製することが容易であ
る。また探針がシリコンで形成されているため、シリコ
ンに不純物をあらかじめ拡散させておくことにより、探
針に導電性を付加させることが出来るので、STM測定
や表面修飾、加工も可能である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
〔従来技術の欠点〕第1の従来例としてあげた、窒化シ
リコン膜で探針及びレバーを一括形成するAFM等のS
PMカンチレバーにおける欠点を以下に示す。まず、カ
ンチレバーの厚さはレプリカ穴形成後に堆積する窒化シ
リコン膜の堆積膜厚で決定されるが、窒化シリコン膜堆
積時の応力によって発生するクラックや基板の反りを回
避するため、堆積出来る膜厚は1μm程度が限界とな
る。従って前述した非接触方式やタッピング方式の測定
に有効な堅いカンチレバーを形成することが困難であ
る。また、探針が絶縁性の窒化シリコン膜で構成される
ため、STM測定や表面修飾、加工などへの応用が困難
である。
【0015】さらにまた、窒化シリコン膜製のカンチレ
バーにおいては、下地基板のエッチング除去後のレバー
の反りを回避するため、用いる窒化シリコン膜の組成と
して、通常の半導体ICに用いられるSiと窒素の含有
比3:4のものよりSi含有比の高いものを使用する必
要がある。このようなSi含有比の高い窒化シリコン膜
では、波長400nm以下の短波長領域でSiによる光
吸収のため、光透過性が劣化することを我々は見いだし
ている。
【0016】前述したように、窒化シリコン一体形成型
のSPMカンチレバーはSNOM測定に使用可能ではあ
るが、測定試料からの蛍光をSNOMによりスペクトル
分析しようとする場合には、幅広い波長領域での探針の
光透過性が要求される。ところがこのSPMカンチレバ
ーは探針とレバーとを一括形成しているため、探針は短
波長領域で光透過性の劣化するSi含有比の高い窒化シ
リコン膜で形成されることになり、このような測定には
不適切である。
【0017】また、従来の一体形成型SPMカンチレバ
ーは、探針とレバーがいずれも窒化シリコンで形成され
ており、したがって、このカンチレバーを用いてSNO
M測定を行った場合には、探針先端から入射したエバネ
ッセント光や探針での散乱光の一部が探針からレバーに
伝播するため、探針上方に設けたフォトディテクター等
のSNOM測定用光検出器に照射できる光量が、100
pW程度と少なくなってしまう。このため、探針先端か
ら入射した光に比べて光検出器で検出される光の損失が
大きく、感度の良いSNOM測定が行えないという問題
点がある。
【0018】次に第2の従来例としてあげた、探針、レ
バー、支持部をSiで一括形成したAFMカンチレバー
は、探針がSiで構成されるので、生体材料に有効な水
中でのAFM測定においては、本来疎水性であるSiを
親水性に変えるために、探針表面に親水性の膜を塗布す
る等の処理が必要となり、探針先端の尖鋭度が損なわれ
てしまうという欠点がある。また支持部をSiで一体に
作製するため、作製時基板の表裏両面にパターンを形成
せねばならず、特殊な製造装置が必要となる。
【0019】さらにまた、窒化シリコン膜製の探針及び
シリコン製の探針のいずれも機械的強度が弱く、このよ
うなカンチレバーを用いての超微細な機械的加工技術へ
の応用には、従来のAFMカンチレバーは不向きであ
る。このように従来の半導体製造技術を用いて作製する
AFMカンチレバーは、探針とレバーを同一材料で形成
していたため、探針としての要求特性とレバーとしての
要求特性とを同時に満たすことが困難であった。
【0020】〔発明の目的〕 本発明は、従来の半導体製造技術を用いて作製する
SPMカンチレバーにおける上記問題点を解消するため
になされたもので、各種の用途、使用方法におのおの要
求されるレバー特性と探針特性とを共に満足するSPM
カンチレバー及びその製造方法を提供することを目的と
する。 請求項2記載の発明は、特殊な装置を要せず、基板
片面からの加工で請求項1記載の発明に係るSPMカン
チレバーを形成可能とすることを目的とする。 請求項3記載の発明は、探針に短波長領域において
も高い光透過性を持たせることにより、SNOM測定に
よるスペクトル測定に適したSPMカンチレバーを提供
することを目的とする。 請求項4記載の発明は、STM測定や表面修飾、加
工にも応用可能なSPMカンチレバーを提供することを
目的とする。 請求項5記載の発明は、AFM測定、STM測定、
SNOM測定のすべてに使用可能なSPMカンチレバー
を提供することを目的とする。 請求項6記載の発明は、超微細な機械的加工技術へ
の応用可能なSPMカンチレバーを提供することを目的
とする。 請求項7〜10記載の発明は、エバネッセント光や
探針先端で散乱した散乱光が片持ち梁内に逸散すること
なく探針上方の光検出器に十分照射できるようにしたS
PMカンチレバーを提供することを目的とする。 請求項11記載の発明は、請求項1〜6記載のSP
Mカンチレバーを簡単に制御性よく作製する方法を提供
することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段及び作用】上記問題点を解
決するため、請求項1〜6記載の各発明に係るSPMカ
ンチレバーは、片持ち梁の支持部と、該支持部より延び
るように配置された片持ち梁と、該片持ち梁の自由端で
あって、該片持ち梁に対して前記支持部と反対側である
裏面に設けた探針部とを備え、前記支持部、片持ち梁及
び探針部をそれぞれ別個の部材で構成するものである。
【0022】このような構成のSPMカンチレバーは、
探針部と片持ち梁とを別個の部材で形成しているので、
用途、使用方法に応じて、探針及び片持ち梁にそれぞれ
要求される特性を容易にもたせることができる。すなわ
ち、片持ち梁形成部材としてSiを用いれば、堅いレバ
ー特性が得られ、窒化シリコン膜を用いれば、柔らかい
レバー特性が得られる。そして各片持ち梁に対して光透
過性、親水性、導電性、硬質性等の各種特性をもつ探針
部を、用途に応じて形成することが可能となる。
【0023】また、請求項7〜10記載の各発明に係る
SPMカンチレバーは、請求項1又は2記載のSPMカ
ンチレバーにおいて、探針部を可視光に対して透明な部
材で構成し、探針部と片持ち梁との間に光学的な遮蔽部
を介在させるもので、光学的遮蔽部としては探針部の屈
折率より小さい屈折率の部材、金属材料あるいはシリコ
ン酸化膜を用いるものである。
【0024】このように、屈折率の小さい部材、金属材
料あるいはシリコン酸化膜からなる光学的遮蔽部を介在
させることにより、探針部先端から入射したエバネッセ
ント光や探針部先端で散乱した散乱光の片持ち梁への伝
播を防止し、探針部上方に配置される光検出器に照射す
る光の損失を少なくして、SNOM測定におけるS/N
を向上することができる。
【0025】また請求項11記載の発明に係るSPMカ
ンチレバーの製造方法は、基板表面にエッチング処理に
より探針部用のレプリカ穴を形成する工程と、前記レプ
リカ穴を含む基板上に探針部の母材料を堆積させる工程
と、前記母材料を所定の形状にエッチングする工程と、
前記基板表面に片持ち梁パターンを形成する工程と、前
記基板表面に形成された片持ち梁パターンの一端表面に
片持ち梁の支持部材を接合する工程と、前記基板表面に
形成された片持ち梁パターンを片持ち梁の厚さ分残し
て、基板裏面をエッチング除去する工程とで構成するも
のである。そしてこの製造方法によれば、AFMカンチ
レバーは基板表面からの加工のみで作製可能なため、特
殊な製造装置を要せず簡単に作製可能となる。
【0026】
【実施例】
〔第1実施例〕次に、実施例について説明する。図1は
本発明に係るSPMカンチレバーの第1実施例を示す図
で、図1の(A)はその斜視図、図1の(B)はその横
断面図である。この実施例のSPMカンチレバー100
は、片持ち梁部101と、該片持ち梁部101の先端に
設けられた探針部102と、該片持ち梁部101の基部
に設けられた支持部103より構成されている。片持ち
梁部101の形成部材には、シリコンまたは窒化シリコ
ンが適している。探針部102の形成部材には、用途に
応じて光透過性、導電性、硬質性等の各種特性を有する
部材を適宜選択出来る。そして支持部103にはガラ
ス,Si等が使用出来る。
【0027】次に、このような構成のSPMカンチレバ
ーの製造方法の第1実施例として、片持ち梁部をSiで
形成するものについて、図2の(A)〜(F)に示す製
造工程図に基づいて説明する。まずスタート基板200
として、図2の(A)に示すように面方位(100)の
シリコンウェーハ201の表面に酸化シリコン膜202
を形成した後、例えばn型の同じく面方位(100)を
持ったシリコンウェーハ203を貼り合わせたもの、い
わゆる貼り合わせSOI(Silicon On Insulator)基板
を使用する。ここで、シリコンウェーハ203は片持ち
梁を形成するものであり、その厚さは必要とするレバー
の特性に合わせて設定される。例えば、その厚さは2μ
m程度である。
【0028】次に図2の(B)に示すように、上記スタ
ート基板200の表面の探針部を形成すべき場所に、下
地シリコンウェーハ201まで貫通するように、例えば
RIE(Reactive Ion Etching)法を用いて、スタート
基板200をエッチングすることによってレプリカ穴2
04を形成する。次に図2の(C)に示すように、探針
形成部材205を基板表面に減圧CVD法、プラズマC
VD法、スパッタ法、ゾル・ゲル法等を用いて堆積し、
次いで上記レプリカ穴部分にマスクパターンを形成した
後、上記探針形成部材205をエッチングして、レプリ
カ穴部分を除き基板表面を露出させる。その後、図2の
(D)に示すように、片持ち梁形成用マスクパターンを
形成した後、RIE法等により上部シリコンウェーハ2
03をエッチングして片持ち梁パターン211を形成
し、さらにその後、シリコンウェーハ203からなる片
持ち梁パターン211の表面に酸化シリコン膜206を
形成する。
【0029】その後、図2の(E)に示すように、支持
部207をスタート基板200の片持ち梁パターン21
1の表面の一端に接合する。この支持部207の接合方
法としては、例えば予め片面に溝を形成したパイレック
スガラス(例えばコーニング#7740)を陽極接合し
たり、あるいは適当な支持部材を接着剤等を用いて接合
する方法が用いられる。その後、図2の(F)に示すよ
うに、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水
溶液等のアルカリ水溶液により、下地シリコンウェーハ
201をエッチング除去し、最後に弗化水素酸水溶液に
より酸化シリコン膜202,206を除去することによ
って、例えばガラス製の支持部207とシリコン製の片
持ち梁部208と探針部209により構成された本発明
に係るSPMカンチレバー212を得ることができる。
【0030】また本実施例において、探針形成部材20
5を基板表面に堆積する前に、レプリカ穴204の内部
を酸化シリコンのガラス転移温度以下、例えば950℃
で酸化処理し、尖鋭化酸化膜を形成することにより、レ
プリカ穴204の先端を更に尖鋭化することが可能とな
り、それにより、より先端の尖った探針部を形成するこ
とが可能となる。
【0031】このようにして形成したSPMカンチレバ
ーは、スタート基板200として貼り合わせのSOI基
板を用いているので、下地シリコンウェーハ201をエ
ッチング除去する際、確実に中間の酸化シリコン膜20
2でエッチングが停止するため、片持ち梁パターン21
1を損なうことがなく、また確実にその厚さを制御する
ことができる。そして、支持部207は基板200の表
面側から接合しているので、片持ち梁パターン211に
容易に位置合わせすることが可能である。
【0032】また、探針形成部材205として光透過性
のある窒化シリコン膜,酸化シリコン膜,ITO,Sn
2 等を用いることにより、SNOM測定やそのスペク
トル測定が可能となる。なお、この場合に用いる窒化シ
リコン膜としてはSiと窒素との含有量比が3:4であ
る膜組成のものを使用した方が、従来のAFMカンチレ
バーに使用されている低応力化した窒化シリコン膜より
も、より適している。これは低応力化した窒化シリコン
膜では、Siの含有量比が多いため、波長400nm以
下でSiによる光吸収に起因する光透過性の低下がみら
れるからである。
【0033】また、タッピング方式を始めとする、試料
と探針部とが接触する測定(コンタクトモード)を行う
SPMカンチレバーにおいては、探針部が接触により磨
耗または変形しにくいことが要求される。すなわち、探
針部の形状安定性が重要とされている。その点につい
て、探針部形成部材205の堅さは、従来の低応力化し
た窒化シリコン膜よりも、Siと窒素との含有量比が
3:4である膜組成のものを使用したほうが、より適し
ていると考えられている。これは発明者が実験により得
たデータに基づくものである。
【0034】一方、探針形成部材205として導電性材
料を用いれば、AFM測定のみならずSTM測定、ある
いはSTMを用いた原子、分子操作等の表面修飾や加工
にも適用可能である。導電性材料としては各種金属を用
いることが出来るが、特にMo,W等の高融点金属及び
そのシリサイドを使用することにより、探針形成部材の
成膜後も高温熱処理することが可能となり、作製上の制
約が少ない。また前述したITOやSnO2 等の透明電
極材料を用いることにより、AFM、SNOM、STM
の測定を全て行うことが可能となる。さらに又、探針形
成部材205として、例えばSiCやダイヤモンド等の
硬質材料を用いる事により、被加工体表面を走査して削
る等の超微細な機械的加工技術への応用も可能となる。
【0035】このように各種の用途に適した材料を任意
に探針形成部材として適用できるのは、本発明に係るS
PMカンチレバーが探針部と片持ち梁とを別個の部材で
構成するようにしたため、例えば片持ち梁形成時の反り
を防ぐための膜応力の制御等、従来の探針部と片持ち梁
一体型のAFMカンチレバーにおいて存在した材料的制
約を、殆ど考える必要がなくなったことによる。
【0036】〔第2実施例〕次に、本発明に係るSPM
カンチレバーの製造方法の第2実施例について、図3の
(A)〜(F)に示す製造工程図を用いて説明する。な
お、図3の(A)〜(F)において、第1実施例につい
て図2の(A)〜(F)に示した部材と同等又は対応す
る部材には、200番台に代え300番台の対応する符
号を付して示している。この実施例においても、片持ち
梁部材としてSiを用いる。まずスタート基板300と
して、図3の(A)に示すように面方位(100)のn
型シリコンウェーハ301の上に、片持ち梁形成部とな
る高濃度のp型不純物拡散層303を形成したものを用
いる。このp型不純物拡散層303としては、例えば表
面濃度1×1019〜1.5×1020/cm3 のボロン拡
散層を用いる。次に図3の(B)に示すように、探針形
成用のレプリカ穴304をシリコンウェーハ301まで
貫通するように形成する。なお第1実施例においては、
レプリカ穴の形成にRIE等のドライエッチング法を用
いたが、本実施例においては、それに加えてKOH水溶
液による湿式エッチング法を用いることも可能である。
【0037】以下第1実施例と全く同様の方法で、図3
の(C)〜(E)に示す如く、探針形成部材305の堆
積とエッチング、片持ち梁パターン311の形成、酸化
シリコン膜306の形成、支持部307となるガラス基
板の接合までを行う。
【0038】その後、シリコンウェーハ301をエチレ
ンジアミンピロカテコール水溶液(EDP)によりエッ
チング除去する。このエッチング液においては、高濃度
のp型不純物拡散層のエッチングレートが著しく減少す
るため、シリコンウェーハ301が徐々にエッチングさ
れ、p型不純物拡散層303からなる片持ち梁パターン
311が露出した時、エッチングが自動的に停止する。
そして最後に弗化水素酸水溶液により酸化シリコン膜3
06を除去することによって、図3の(F)に示すよう
に、ガラス製の支持部307とシリコン製の片持ち梁部
308と探針部309とからなるAFMカンチレバー3
12が得られる。
【0039】この実施例によれば、スタート基板として
特殊な基板を必要としないため、さらに安価に本発明に
係るAFMカンチレバーを製造することが出来る。
【0040】〔第3実施例〕次に、本発明に係るSPM
カンチレバーの製造方法の第3実施例として、同じくS
iを片持ち梁部材として用いた他の製造方法について、
図4の(A)〜(F)を用いて説明する。なお、図4の
(A)〜(F)においても、第1実施例について図2の
(A)〜(F)で示した部材と同等又は対応する部材に
は、200番台に代え400番台の対応する符号を付し
て示している。この実施例においては、スタート基板4
00として、図4の(A)に示すように、面方位(10
0)のp型シリコン基板401上に、同じく面方位(1
00)のn型シリコン層の積層されたものを用いる。こ
のスタート基板400の作製方法としては、p型シリコ
ン基板401上に片持ち梁形成部となるn型不純物層4
03を形成して作製したり、あるいは前記p型シリコン
基板401上に片持ち梁形成部となるn型エピタキシャ
ル層403を積層して作製してもよい。次に図4の
(B)に示すように、探針形成用のレプリカ穴404を
シリコン基板401まで貫通するように形成する。本実
施例においても、第2実施例と同様にレプリカ穴の形成
にはドライエッチング法、湿式エッチング法とも使用可
能である。
【0041】以下第1実施例と全く同様の方法で,図4
の(C)〜(E)に示す如く、探針形成部材405の堆
積とエッチング、片持ち梁パターン411の形成、酸化
シリコン膜406の形成、支持部407となるガラス基
板の接合までを行う。
【0042】その後、前記スタート基板400の裏面を
エッチング除去するわけであるが、この時前記p型シリ
コン基板401と前記n型不純物層あるいは前記n型エ
ピタキシャル層403とに、電源413で電位差を与え
ながら、前記p型シリコン基板401を水酸化カリウム
水溶液等のアルカリ水溶液でエッチング除去する。この
手法をとることにより、p型シリコン基板401が徐々
にエッチングされ、n型不純物層あるいはn型エピタキ
シャル層403が露出した時、その界面に酸化シリコン
膜が形成されるため、エッチングが自動的に停止する。
そして最後に弗化水素酸水溶液により酸化シリコン膜4
06を除去することによって、図4の(F)に示すよう
に、ガラス製の支持部407とシリコン製の片持ち梁部
408と探針部409とからなるSPMカンチレバー4
12が得られる。
【0043】〔第4実施例〕次に、本発明に係るSPM
カンチレバーの製造方法の第4実施例として、同様にS
iを片持ち梁部材として用いる他の製造方法について、
図5の(A)〜(F)を用いて説明する。なお、図5の
(A)〜(F)においても、第1実施例について図2の
(A)〜(F)で示した部材と同等又は対応する部材に
は、200番台に代え500番台の対応する符号を付し
て示している。この実施例においては、スタート基板5
00として、図5の(A)に示すように、面方位(10
0)のp型シリコン基板501上に、片持ち梁形成部材
である面方位(111)のシリコン基板503を貼り合
わせたものを使用する。次に図5の(B)に示すよう
に、探針形成用のレプリカ穴504をシリコン基板50
1まで貫通するように形成する。
【0044】以下第1実施例と全く同様の工程により、
図5の(C)〜(F)に示すように、探針形成部材50
5の堆積とエッチング、片持ち梁パターン511の形
成、酸化シリコン膜506の形成、ガラス製の支持部5
07の接合、シリコン基板501のエッチング除去の各
工程を経て、ガラス製の支持部507とシリコン製の片
持ち梁部508と探針部509とからなるSPMカンチ
レバー512が得られる。
【0045】この実施例に示した製造方法によれば、ス
タート基板500として面方位(100)のシリコン基
板501上に面方位(111)のシリコン基板503を
貼り合わせたものを使用しているため、下地シリコン基
板501をエッチング除去する際に、確実にシリコン基
板503の界面でエッチングを停止させることが出来
る。これは、例えば、水酸化カリウム水溶液をエッチン
グ液として使用した場合、(111)面のエッチング速
度は、(100)面のそれの約1/400に低下するた
めである。
【0046】〔第5実施例〕次に、本発明に係るSPM
カンチレバーの製造方法の第5実施例について、図6の
(A)〜(F)を用いて説明する。なお、図6の(A)
〜(F)においても、第1実施例について図2の(A)
〜(F)で示した部材と同等又は対応する部材には、2
00番台に代え600番台の対応する符号を付して示し
ている。この実施例では片持ち梁形成部材として窒化シ
リコン膜を用いたものについて説明する。まずスタート
基板600として図6の(A)に示すように、面方位
(100)のシリコン基板601上に片持ち梁形成部材
である窒化シリコン膜603を、そして必要によりその
上部にさらに例えば酸化シリコン膜613を形成したも
のを使用する。この窒化シリコン膜603は片持ち梁部
の構成部材であるため、その膜組成としてはシリコンと
窒素との含有量比が3:4のものよりもシリコンを多く
含むものを使用する。これは下地シリコン基板601を
エッチング除去した後、片持ち梁が反らないように、S
iとの熱膨張係数差を低減するためである。一方、酸化
シリコン膜613は、スタート基板600を例えば熱酸
化炉にて酸化処理を施したり、あるいはCVD法により
酸化シリコン膜を堆積させることにより形成する。この
酸化シリコン膜613は、後に探針形成部材を堆積後エ
ッチング除去する際に、片持ち梁部材である窒化シリコ
ン膜603が同時にエッチングされるのを防ぐためのエ
ッチング防止層として機能するものである。従って酸化
シリコン膜に限るものではない。
【0047】次に図6の(B)に示すように、探針形成
用のレプリカ穴604をシリコン基板601まで貫通す
るように形成する。本実施例においても、第2、第3実
施例と同様に、レプリカ穴の形成にはドライエッチング
法、湿式エッチング法とも使用可能である。以下第1実
施例と全く同様の工程により、図6の(C)〜(F)に
示すように、探針形成部材605の堆積とエッチング、
片持ち梁パターン611の形成、ガラス製の支持部60
7の接合、シリコン基板601の除去の各工程を経て、
ガラス製の支持部607とシリコン製の片持ち梁部60
8と探針部609とからなるSPMカンチレバー612
が得られる。
【0048】本実施例ではなんら特殊な基板を使用して
いないため、非常に簡単かつ安価に本発明に係るSPM
カンチレバーを作製出来る。また片持ち梁の厚さの厚い
カンチレバーを作製することは本実施例の製法では困難
であるが、逆に例えば200nm程度と非常に薄い厚さ
の片持ち梁部を構成することが可能となる。このような
薄い片持ち梁で構成されるAFMカンチレバーは、柔ら
かいレバー特性を持つことから、接触方式でのAFM測
定においてはこのようなカンチレバーを用いることによ
り、検出感度が高く、分解能の優れた測定が可能とな
る。
【0049】〔第6実施例〕次に、本発明に係るSPM
カンチレバーの第6実施例を図7の(A)の一部を省略
した斜視図を用いて説明する。本実施例のSPMカンチ
レバー700は、SNOM測定に適すようにしたSPM
カンチレバーであり、ステンレス等の金属板からなる片
持ち梁部701の先端に穴702を設け、該穴702
に、光を導波するコア703と該コア703よりも屈折
率が小さいクラッド704からなる光ファイバ部705
が挿入されており、光ファイバ部705のコア703の
先端には、フッ酸とフッ化アンモニウムの混合液による
エッチングにより円錐形状の探針部706が一体的に形
成されている。そしてコア703の他端703aは平に
カットされている。
【0050】このように構成されたSPMカンチレバー
700においては、探針部706から入射したエバネッ
セント光や散乱光は、屈折率の小さいクラッド704の
界面で全反射を繰り返しながらコア703中を伝送さ
れ、コア703の端面703aから探針部706を保持
している光ファイバ部705の上方に配置されるフォト
ディテクタなどの光検出器(図示せず)に照射されるよ
うになっている。
【0051】このように、本実施例によるSPMカンチ
レバーによれば、探針部の先端から入射したエバネッセ
ント光や探針部の先端で散乱した散乱光は、損失するこ
となく探針部上方の光検出器に照射でき、したがって、
SNOM測定に用いた場合に感度を向上させることがで
きる。また片持ち梁部701に光学的変位センサの光プ
ローブを当てることによりAFM測定も可能であり、し
たがって本実施例のSPMカンチレバーを用いることに
より、SNOM測定とAFM測定が行え、それらの同時
測定も行うことができる。
【0052】なお、本実施例においては、片持ち梁部を
ステンレス等の金属板で形成したものを示したが、片持
ち梁部は探針部を備えている光ファイバ部を保持できる
板状のものであれば、どのような材料でも用いることが
できる。また本実施例においては、光ファイバ部705
を片持ち梁部701の先端に穴702を設けて保持する
ようにしたものを示したが、図7の(B)に示すよう
に、片持ち梁部701の先端にコ字状もしくは半円形状
の切欠部702aを設け、該切欠部702aに光ファイ
バ部705を保持させるように構成してもよい。
【0053】〔第7実施例〕次に、本発明に係るSPM
カンチレバーの第7実施例を図8の断面図を用いて説明
する。この実施例におけるSPMカンチレバー710
は、支持部711から伸びている片持ち梁部712の先
端に、周辺を探針受け713で覆われた探針部714を
設けて構成されている。この探針部714は、膜厚がほ
ぼ均等で内部がくり抜かれた中空の円錐状をなしてい
る。なお探針部714は、この形状に限定されるもので
はなく、ピラミッドのような中空の角錐状でもよい。そ
して、探針部714の材質の屈折率をn1 ,探針受け7
13の材質の屈折率をn2 としたとき、n1 >n2 とな
るように設定されている。なお、探針受け713で覆わ
れた探針部714は、図7の(B)に示した第6実施例
の変形例のように、片持ち梁部712の先端に設けた切
欠部等で保持されている。
【0054】屈折率の異なる材質における光の伝送は、
屈折率の低い方から高い方へ集まって行くので、探針受
け713の屈折率が探針部714の屈折率より低く設定
されていると、探針部714の先端より、ある角度以内
の入射角で入射した光は、探針部714と探針受け71
3の界面で反射を繰り返し、探針部714の外に放出さ
れることはなく、あるいは放出される光量を最小限にと
どめて、探針部714の上方へ伝送される。
【0055】以上のように本実施例によるSPMカンチ
レバーによれば、探針部714の先端から入射されたエ
バネッセント光や探針部714の先端で散乱した散乱光
は、探針受け713や片持ち梁部712に伝播すること
なく、探針部上方の光検出器に照射できる。したがっ
て、エバネッセント光や散乱光の損失を防止できるの
で、SNOM測定に用いた場合、感度を向上させること
ができる。また第6実施例と同様に、片持ち梁部に光学
的変位センサの光プローブを当てることによりAFM測
定も可能であり、したがって本実施例のSPMカンチレ
バーを用いることにより、SNOM測定とAFM測定が
行え、それらの同時測定も行うことができる。
【0056】なお、本実施例において、片持ち梁部71
2の形成材料としては、一般にSPMカンチレバー材料
として用いられる窒化シリコン膜,もしくは酸化シリコ
ン膜等を用いることができるが、この形成材料は特に限
定されるものではない。
【0057】〔第8実施例〕次に、本発明に係るSPM
カンチレバーの第8実施例を図9の(A)の断面図を用
いて説明する。この実施例におけるSPMカンチレバー
720は、支持部721から伸びている片持ち梁部72
2の先端に、周辺を金属からなる探針受け723で覆わ
れた探針部724を設けて構成されている。なお、探針
部724は図8に示した第7実施例と同様な構成であ
り、また片持ち梁部722の形成材料は本実施例におい
ても特に限定されない。
【0058】このように構成したSPMカンチレバー7
20において、探針部724の先端から入った光は、探
針部724と探針受け723の界面で反射を繰り返し、
探針部724の外部に放出されることはなく、あるいは
放出される光量を最小限にとどめて、探針部724の上
方へ伝送される。したがって、第6実施例と同様に、探
針部724の先端から入射したエバネッセント光や探針
部724の先端で散乱した散乱光は、探針受け723や
片持ち梁部722に伝播することなく、探針部上方の光
検出器に照射でき、したがって、SNOM測定に用いた
場合、感度を向上させることができる。また第6実施例
と同様に、片持ち梁部に光学的変位センサの光プローブ
を当てることにより、SNOM測定とAFM測定も可能
であり、それらの同時測定も行うことができる。
【0059】また、図9の(B)に示すように、金属製
の探針受け723aを、探針部724の先端近くまで覆
うように設けることにより、測定試料の表面以外からの
光の入射を防止することができ、より高分解能のSNO
M測定を行うことができる。
【0060】〔第9実施例〕次に、本発明に係るSPM
カンチレバーの第9実施例を図10の断面図を用いて説
明する。この実施例におけるSPMカンチレバー730
は、支持部731から伸びている片持ち梁部732の先
端に、周辺を探針受け733で覆われた、バルク状の均
質等方性の媒質からなる探針部734を設けて構成され
ている。そして、探針受け733は探針部734より屈
折率の低い材料で形成されている。したがって、探針部
734の先端からある角度以内の入射角で入射した光
は、探針部734と探針受け733の界面で反射を繰り
返し、探針部734の外部に放出されることはなく、あ
るいは放出される光量を最小限にとどめて、探針部73
4の上方へ伝送されるようになっている。なお、本実施
例においても片持ち梁部732の形成材料は特に限定さ
れない。また本実施例において、探針部734をバルク
状の均質等方性の媒質で形成しているのは、次の理由に
よる。すなわち、図8及び図9に示した第7及び第8実
施例の、膜厚がほぼ均等で内部がくり抜かれた中空の円
錐又は角錐形状を有する探針部714,724において
は、探針部714,724の外側先端から入射した散乱
光は、中空の探針部の内側先端部714a,724aで
再度散乱され、探針部714,724の上方へ伝送され
る光量が減衰してしまうが、本実施例においては、バル
ク状の均質等方性の媒質で形成しているため、かかる現
象を防止することができる。
【0061】以上のように、本実施例のSPMカンチレ
バーによれば、第6実施例と同様に、探針部の先端から
入射したエバネッセント光や探針部の先端で散乱した散
乱光は、探針受けや片持ち梁部に伝播することなく、探
針部上方の光検出器に照射でき、したがって、エバネッ
セント光や散乱光の損失を防止し、SNOM測定に用い
た場合、感度を向上させることができる。また、SPM
カンチレバーの探針部にSNOM測定用の機能を設けた
ことにより、SNOM測定とAFM測定が行え、またそ
れらの同時測定も行うことができる。
【0062】〔第10実施例〕次に第10実施例を図1
1の断面図を用いて説明する。この実施例におけるSP
Mカンチレバー740は、支持部741から伸びている
片持ち梁部742の先端に、周辺を金属からなる探針受
け743で覆われた、バルク状の均質等方性の媒質から
なる探針部744を設けて構成されている。また片持ち
梁部742の形成材料は、同様に特に限定されない。
【0063】このように構成したSPMカンチレバー7
40においては、探針部744の先端から入射した光
は、探針部744と探針受け743の界面で反射を繰り
返し、探針部744の外部に放出されることはなく、あ
るいは放出される光量を最小限にとどめて、探針部74
4の上方に伝送される。したがって、第6実施例と同様
に、探針部の先端から入射したエバネッセント光や探針
部の先端で散乱した散乱光は、探針受けや片持ち梁部に
伝播することなく、探針部上方の光検出器に照射でき、
エバネッセント光や散乱光の損失を防止し、SNOM測
定に用いた場合には、感度を向上させることができる。
また、SPMカンチレバーの探針部にSNOM測定用の
機能を設けたことにより、SNOM測定とAFM測定が
行え、それらの同時測定も行うことができる。
【0064】また、図9の(B)に示した第8実施例の
変形例のように、金属製の探針受け743を、探針部7
44の先端近くまで覆うように設けることにより、測定
試料の表面以外からの光の入射を防止することができ、
より高分解能のSNOM測定を行うことができる。
【0065】なお、上記図8〜11に示した第7〜10
実施例においては、片持ち梁部の先端に設けた切欠部で
探針部を保持するようにしたものを示したが、探針部の
保持はこのような態様に限定されるものではなく、図7
の(A)に示した第6実施例のように、片持ち梁部の先
端に設けられた穴に探針部を挿入して保持するように構
成してもよい。
【0066】〔第11実施例〕次に、本発明に係るSP
Mカンチレバーの第11実施例を、図12及び図13に
示す製造工程図に基づいて、製造方法と共に説明する。
まず、図12の(A)に示すように、シリコンウェハ8
01を用意し、図12の(B)に示すように、シリコン
ウェハ801上にフォトリソグラフィーと湿式エッチン
グ又はドライエッチングにより探針用のレプリカ穴80
2を形成する。次いで、図12の(C)に示すように、
シリコンウェハ801上に膜厚0.4〜1μmの窒化シリ
コン膜803をCVD法で形成する。次いで、図12の
(D)に示すように、窒化シリコン膜803上にシリコ
ン酸化膜804をCVD法等で形成し、フォトリソグラ
フィーと湿式エッチング又はドライエッチングにより、
レプリカ穴802の部分のシリコン酸化膜804と窒化
シリコン膜803を除去する。次いで、図12の(E)
に示すように、再度、窒化シリコン膜を形成し、探針部
805の形状にパターニングする。
【0067】続いて、図13の(A)に示すように、シ
リコン酸化膜804を探針受け806の形状にパターニ
ングし、最後に窒化シリコン膜803を片持ち梁部80
7の形状にパターニングする。一方、図13の(B)に
示すように、支持部となるパイレックスガラス810
を、シリコンウェハ801上の片持ち梁部807の形状
パターンに合わせて加工し、図13の(C)に示すよう
に、シリコンウェハ801上の片持ち梁部807の端部
と支持部811とを陽極接合する。最後に図13の
(D)に示すように、シリコンウェハ801をKOHの
40%水溶液でエッチングして除去することにより、S
PMカンチレバー812が完成する。
【0068】このようにして製造されたSPMカンチレ
バー812は、ガラス製の支持部811から伸びている
窒化シリコン膜からなる片持ち梁部807の先端に、シ
リコン酸化膜からなる探針受け806を介して保持され
た探針部805を備えた構成となっている。このよう
に、探針部805と片持ち梁部807とは、探針受け8
06を介して一体化されているが、探針部805と片持
ち梁部807とは直接接触はしていない構造となってい
る。
【0069】このように構成されたSPMカンチレバー
においては、探針部805は窒化シリコン膜で形成され
ているので、その屈折率は2.1〜2.2であり、一方、探
針受け806はシリコン酸化膜で形成されているので、
その屈折率は1.4〜1.5である。したがって、探針部8
05に比べ探針受け806の方が屈折率が低いので、探
針部805の先端から入射した光が探針受け806、ひ
いては片持ち梁部807には伝播しない。このように、
探針部805から入射した光は、シリコン酸化膜製の探
針受け806により片持ち梁部807内への伝播が遮ら
れるため、損失の少ない状態で探針部805の上方に配
置される光検出器に照射することができる。したがっ
て、SNOM測定に用いた場合、エバネッセント光や散
乱光の損失を防止できるので、感度を向上させることが
できる。また、上記製造プロセスを用いることにより、
容易に且つ安定にSPMカンチレバーを製造することが
できる。
【0070】
【発明の効果】以上実施例に基づいて説明したように、
本発明によるSPMカンチレバーは、片持ち梁と探針部
とを別個の部材で構成しているので、片持ち梁としての
要求特性と探針部としての要求特性を共に満たすことが
可能となる。また片持ち梁支持部を片持ち梁の表面に接
合するように構成しているため、基板表面からのみの加
工で簡単に製造することができる。また探針部に光透過
性部材を用いることによりSNOM測定に、導電性部材
を用いることによりSTMに、透明導電性部材を用いる
ことによりSNOM及びSTMに、硬質性部材を用いる
ことにより機械的加工にと、非常に広範囲な用途に適用
可能なSPMカンチレバーを実現することができる。更
に、光透過性部材で構成した探針部と片持ち梁部との間
に光学的遮蔽部を介在させることにより、探針部からの
入射光や散乱光を損失なく探針部上方へ伝送することが
でき、SNOM測定に用いた場合のS/Nを向上し、高
感度で高分解能のSNOM測定が行え、またSNOM測
定とAFM測定を同時に行うことも可能である。また本
発明の製法によれば、基板表面からの加工のみで、特殊
な製造装置を要せずに簡単に上記構成のSPMカンチレ
バーを作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るSPMカンチレバーの第1実施例
を示す斜視図及び横断面図である。
【図2】図1に示した第1実施例のSPMカンチレバー
の製造方法を説明するための製造工程を示す図である。
【図3】本発明に係るSPMカンチレバーの製造方法の
第2実施例を説明するための製造工程を示す図である。
【図4】本発明に係るSPMカンチレバーの製造方法の
第3実施例を説明するための製造工程を示す図である。
【図5】本発明に係るSPMカンチレバーの製造方法の
第4実施例を説明するための製造工程を示す図である。
【図6】本発明に係るSPMカンチレバーの製造方法の
第5実施例を説明するための製造工程を示す図である。
【図7】本発明の第6実施例のSPMカンチレバー及び
その変形例を示す断面図である。
【図8】本発明の第7実施例のSPMカンチレバーを示
す断面図である。
【図9】本発明の第8実施例のSPMカンチレバー及び
その変形例を示す断面図である。
【図10】本発明の第9実施例のSPMカンチレバーを示
す断面図である。
【図11】本発明の第10実施例のSPMカンチレバーを
示す断面図である。
【図12】本発明の第11実施例のSPMカンチレバーの
製造方法を示す製造工程図である。
【図13】図12に示す製造工程に続く製造工程を示す図
である。
【図14】従来のAFMカンチレバーの製造方法を説明す
るための製造工程図である。
【符号の説明】
100 SPMカンチレバー 101 片持ち梁部 102 探針部 103 支持部 200、300、400、500、600 スタート基
板 201 シリコンウェーハ 301 n型シリコンウェーハ 401 p型シリコン基板 501 面方位(100)のシリコン基板 601 シリコン基板 202 酸化シリコン膜 203 シリコンウェーハ 303 p型不純物拡散層 403 n型不純物層又はn型エピタキシャル層 503 面方位(111)のシリコン基板 603 窒化シリコン膜 204、304、404、504、604 レプリカ穴 205、305、405、505、605 探針形成部
材 206、306、406、506、606 酸化シリコ
ン膜 207、307、407、507、607 支持部 208、308、408、508、608 片持ち梁部 209、309、409、509、609 探針部 211、311、411、511、611 片持ち梁パ
ターン 212、312、412、512、612 SPMカン
チレバー 613 酸化シリコン膜 700,710,720,730,740 SPMカン
チレバー 701 片持ち梁部 702 穴 703 コア 704 クラッド 705 光ファイバー 706 探針部 711,721,731,741 支持部 712,722,732 742 片持ち梁部 713 723 733 743 探針受け 714,724,734、744 探針部 801 シリコンウェハ 802 レプリカ穴 803 窒化シリコン膜 804 シリコン酸化膜 805 探針部 806 探針受け 807 片持ち梁部 811 支持部 812 SPMカンチレバー

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片持ち梁の支持部と、該支持部より延び
    るように配置された片持ち梁と、該片持ち梁の自由端で
    あって、該片持ち梁に対して前記支持部と反対側である
    裏面に設けた探針部とを備え、前記支持部、片持ち梁及
    び探針部をそれぞれ別個の部材で構成していることを特
    徴とするSPMカンチレバー。
  2. 【請求項2】 前記片持ち梁の支持部は、前記片持ち梁
    に対して前記探針部と反対側である表面に接合された部
    材で構成されていることを特徴とする請求項1記載のS
    PMカンチレバー。
  3. 【請求項3】 前記探針部は、可視光に対して透明な部
    材で構成されていることを特徴とする請求項1又は2記
    載のSPMカンチレバー。
  4. 【請求項4】 前記探針部は、導電性部材で構成されて
    いることを特徴とする請求項1又は2記載のSPMカン
    チレバー。
  5. 【請求項5】 前記探針部は、透明導電性部材で構成さ
    れていることを特徴とする請求項1又は2記載のSPM
    カンチレバー。
  6. 【請求項6】 前記探針部は、硬質部材で構成されてい
    ることを特徴とする請求項1又は2記載のSPMカンチ
    レバー。
  7. 【請求項7】 前記探針部は、可視光に対して透明な部
    材で構成され、該探針部は光学的遮蔽部を介して片持ち
    梁に保持されていることを特徴とする請求項1又は2記
    載のSPMカンチレバー。
  8. 【請求項8】 前記探針部の屈折率が前記光学的遮蔽部
    の屈折率より大きく設定されていることを特徴とする請
    求項7記載のSPMカンチレバー。
  9. 【請求項9】 前記光学的遮蔽部が金属材料で形成され
    ていることを特徴とする請求項7記載のSPMカンチレ
    バー。
  10. 【請求項10】 前記探針部は窒化シリコンで形成され、
    光学的遮蔽部はシリコン酸化膜で形成されていることを
    特徴とする請求項7記載のSPMカンチレバー。
  11. 【請求項11】 基板表面にエッチング処理により探針部
    用のレプリカ穴を形成する工程と、前記レプリカ穴を含
    む基板上に探針部の母材料を堆積させる工程と、前記母
    材料を所定の形状にエッチングする工程と、前記基板表
    面に片持ち梁パターンを形成する工程と、前記基板表面
    に形成された片持ち梁パターンの一端表面に片持ち梁の
    支持部材を接合する工程と、前記基板表面に形成された
    片持ち梁パターンを片持ち梁の厚さ分残して、基板裏面
    をエッチング除去する工程とからなることを特徴とする
    SPMカンチレバーの製造方法。
JP30422994A 1994-03-23 1994-11-15 Spmカンチレバー及びその製造方法 Withdrawn JPH07311207A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1076916A1 (en) * 1999-02-23 2001-02-21 Actrans System, Inc. Flash memory cell with self-aligned gates and fabrication process
WO2005119204A1 (ja) * 2004-06-04 2005-12-15 Pioneer Corporation プローブヘッドの製造方法
KR100722555B1 (ko) * 2005-12-23 2007-05-28 한국기계연구원 개구부와 나노 스케일의 팁을 구비하는 다기능 주사 탐침의제조 방법
JP2010091571A (ja) * 2008-10-11 2010-04-22 Nanoworld Ag 走査尖端部及びその裏面に位置合せ用目印を有する走査型微小センサの製造方法

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