JPH0731379A - 蛋白質加水分解物の製法 - Google Patents

蛋白質加水分解物の製法

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JPH0731379A
JPH0731379A JP5197669A JP19766993A JPH0731379A JP H0731379 A JPH0731379 A JP H0731379A JP 5197669 A JP5197669 A JP 5197669A JP 19766993 A JP19766993 A JP 19766993A JP H0731379 A JPH0731379 A JP H0731379A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蛋白質原料の塩酸加水分解物に副生しあるい
は残存する有機塩素化合物量を極小限に抑止する。 【構成】 蛋白質原料の塩酸加水分解物をアルカリ処理
する方法において、解放下及び密閉下での加熱を組合わ
せて行うことにより、塩酸加水分解時に副生する有機塩
素化合物量を極小限に抑止した蛋白質加水分解物が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は蛋白質加水分解物の製造
方法、さらに詳しくは各種の蛋白質原料を塩酸加水分解
し調味料あるいは調味料の原料として有用な蛋白質加水
分解物の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種の蛋白質原料を鉱酸、とくに
塩酸を使用して加水分解して調味料あるいは調味料の原
料として有用な蛋白質加水分解物を製造する方法は多数
知られている。
【0003】各種の蛋白質原料は蛋白質以外の多種類の
成分を含有し、これらの成分が加水分解時に変化して生
ずる副生成物の混在は、調味料あるいは調味料の原料と
して適当でないので、副生成物の生成を最小限に抑止
し、あるいは蛋白質加水分解物より副生成物を精製によ
り除去する必要がある。
【0004】特に、微量ながら副生する有機塩素化合物
は健康に及ぼす影響を考慮して、その生成を最小限に抑
止し、あるいは蛋白質加水分解物より副生成物を精製に
より低減させる必要がある。
【0005】副生する有機塩素化合物の生成を最小限に
抑止しあるいは除去する方法に関しては、以下の(1)
〜(7)のような数種類の方法が既に知られている。
【0006】(1)蛋白質原料を鉱酸で加水分解して得
た分解液をpH4〜9に調整し、120〜145℃で3
〜120分加熱後、減圧下に濃縮または水蒸気蒸留する
か、あるいは吸着剤と接触せしめる方法(特公昭47−
24748号公報)。
【0007】(2)蛋白質原料を塩酸で加水分解して得
た分解液をpH5.5〜8.0に調整し、20〜180
℃で5分〜10日間、モノクロロプロパンジオ−ルおよ
びジクロロプロパノ−ルの加水分解を行う方法(特開平
02−135056号公報)。
【0008】(3)蛋白質原料を塩酸で加水分解して得
た分解液に0.5〜2.5nmの平均細孔直径を有する
多孔質物質を使用するゲルパ−ミエションクロマトグラ
フィ−を施し、検知可能以上のモノクロロプロパンジオ
−ル類を含有せず、食塩を少なくとも40%保持してい
るフラクションを溶離せしめる方法(特開平02−13
5057号公報)。
【0009】(4)蛋白質原料を塩酸で加水分解する際
に、先ず60〜97℃で加水分解を行い、2〜24時間
の反応期間にわたり反応温度を100〜110℃に上昇
せしめ、15分〜2時間、同温度に保持後、冷却、中和
および濾過する方法(特開平02−135058号公
報)。
【0010】(5)蛋白質原料を塩酸で加水分解して得
た分解液を中和し、第1不溶物を分離放置後第2不溶物
を分離する方法において、第1不溶物および第2不溶物
を分離後に含有する1、2−ジクロロプロパン−2−オ
−ルを除去するために、分解物の密度を実質的に一定値
に保持しながら、減圧下に水蒸気蒸留する方法(特開昭
62−224256号公報)。
【0011】(6)蛋白質原料を塩酸で加水分解して得
たスラリ−を、残留未加水分解物の濾過の前または後に
pH8〜14のアルカリ処理を行い、望ましくない塩素
化化合物量が減少する時間保持し、pH4〜7に再調整
する方法(特開平02−150241号公報)。
【0012】(7)蛋白質原料を塩酸で加水分解して得
た分解液を、特定のpH、温度、時間領域に暴露せし
め、加水分解工程中に油脂類より生成されるハロゲン化
合物および2価カチオン化合物を除去する方法(特開平
04−88951号公報)。
【0013】しかしながら、上記のいずれの方法にあっ
ても、蛋白質加水分解物に混在する有機塩素化合物を皆
無ならしめることは困難であった。また、場合によって
は、蛋白質加水分解物に好ましからざる臭気が発生する
など、品質上の変化がもたらされ、それに対応する精製
工程を別途に必要となるなどの、新たな問題が追加され
た。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の品質
を確保しつつ、蛋白質原料を加水分解時における有機塩
素化合物の副生を抑止し、また、蛋白質加水分解物中に
残存する有機塩素化合物を精製、除去して、蛋白質加水
分解物中の有機塩素化合物の混在量を最小限ならしめた
蛋白質加水分解物を得る方法を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の問
題に関連する多数の知見を詳細に再検討し、蛋白質加水
分解物中の有機塩素化合物の混在量を最小限ならしめる
ためには、従来知られている個別の方法では有機塩素化
合物の混在量を低下せしめるには限界があり、一段階下
の混在量水準を達成するためには、複数の抑止手段およ
び除去手段を効果的に結合した時に初めて有効な結果を
取得できることを発見した。
【0016】本発明はこの発見に基づいてなされたもの
であり、請求項1に記載の発明は、蛋白質原料を塩酸加
水分解し次いでアルカリ処理を行う方法において、アル
カリ処理を解放下及び密閉下での加熱を組合わせて行う
ことを特徴とする蛋白質加水分解物の製法である。
【0017】また請求項2に記載の発明は、アルカリ処
理におけるアルカリが水酸化アルカリ金属及び/又はア
ンモニアである請求項1に記載の方法である。
【0018】また請求項3に記載の発明は、アルカリ処
理における加熱が解放下、pH8.5〜11.0、温度
50〜105℃、時間が1分〜24時間である請求項1
に記載の方法である。
【0019】更に請求項4に記載の発明は、アルカリ処
理における加熱が密閉下、pH8.5〜11.0、温度
50〜105℃、時間が5分〜10時間である請求項1
に記載の方法である。
【0020】
【作用】何れの請求項による本発明の方法において共通
に使用される蛋白質原料は、植物性原料、動物性原料、
微生物原料のいずれでもよい。また、これらの各蛋白質
原料は混合しても使用できる。
【0021】植物性原料としては脱脂大豆、小麦グルテ
ン、コ−ングルテンが、動物性原料としては魚粕、乳製
カゼイン、ホエイ蛋白が、微生物原料としては酵母菌
体、例えばビ−ル酵母、パン酵母あるいは発酵菌体、例
えばアミノ酸発酵菌体が各々の代表として挙げられる。
【0022】何れの請求項による本発明の方法において
共通に使用される塩酸は、濃塩酸、ガス状塩酸である。
【0023】請求項1の発明による方法において、使用
される蛋白質原料は前処理された原料であれば一層好ま
しい。
【0024】蛋白質原料の前処理には、蛋白分離処理、
有機溶媒抽出、酵素処理など各種の処理方法が適用され
る。
【0025】蛋白分離処理としてはアルカリ抽出酸沈
澱、等電点沈澱、水抽出および酸沈澱区分除去および等
電点沈澱の方法が適用される。
【0026】有機溶媒抽出処理としては脂質溶解性溶媒
による抽出が適当である。使用する溶媒としては水混和
性溶媒および水貧混和性溶媒のいずれでも良いが、特に
水貧混和性溶媒が使用される。
【0027】酵素処理としては蛋白質原料と加水分解酵
素および/または細胞壁分解酵素とを酵素活性条件下に
接触せしめる方法をが採用してもよい。
【0028】使用する加水分解酵素としては、リパ−
ゼ、プロテア−ゼ、セルラ−ゼ、ペクチナ−ゼが、細胞
壁分解酵素としてはリゾチ−ムが挙げられる。
【0029】なお、前処理に酵素処理及び有機溶媒抽出
を併用することは効果的であり、特にリパ−ゼ処理およ
びn−ヘキサン抽出の併用は好結果をもたらす。
【0030】請求項1の発明による方法において、実施
する塩酸加水分解は蛋白質原料中の窒素に対する塩酸中
の塩素のモル比が0.3〜2.6になるように調整して
実施する。
【0031】なお、この範囲は他の要件、特に蛋白質原
料の種類および性質ならびに加水分解反応条件、すなわ
ち加熱温度、加熱時間によって種々の数値を取り得る。
例えば具体的には0.9〜1.2の範囲を取り得る。
【0032】また、使用する濃塩酸の液量とも関連し、
濃塩酸の液量で表示した場合、蛋白質原料中の蛋白質1
kg当たり濃塩酸を0.7〜5.2L、例えば具体的に
は、1.0〜1.3Lを使用する。
【0033】さらに、本発明の具体的な実施態様として
は以下のものが提示できる。
【0034】塩酸加水分解において、蛋白質原料中の蛋
白質1kg当たり濃塩酸が1.2〜1.4L、かつ、蛋
白質原料中の窒素に対する塩酸中の塩素のモル比が0.
9〜1.2である塩酸を使用し、塩酸加水分解温度が9
5〜110℃で塩酸加水分解時間が30〜70時間であ
る例。
【0035】塩酸加水分解において、蛋白質原料中の蛋
白質1kg当たり濃塩酸が1.2〜1.4L、かつ、蛋
白質原料中の窒素に対する塩酸中の塩素のモル比が0.
9〜1.2である塩酸を使用し、塩酸加水分解温度が9
5〜110℃で塩酸加水分解時間が30〜50時間であ
る例。
【0036】塩酸加水分解において、蛋白質原料中の蛋
白質1kg当たり濃塩酸が1.0〜2.6L、かつ、蛋
白質原料中の窒素に対する塩酸中の塩素のモル比が0.
9〜1.2である塩酸を使用し、塩酸加水分解温度が9
5〜110℃で塩酸加水分解時間が25〜35時間であ
る例。
【0037】塩酸加水分解において、蛋白質原料中の蛋
白質1kg当たり濃塩酸が1.0〜1.3L、かつ、蛋
白質原料中の窒素に対する塩酸中の塩素のモル比が0.
9〜1.2である塩酸を使用し、塩酸加水分解温度が9
5〜110℃で塩酸加水分解時間が25〜35時間であ
る例。
【0038】塩酸加水分解において、蛋白質原料中の蛋
白質1kg当たり濃塩酸が1.0〜1.3L、かつ、蛋
白質原料中の窒素に対する塩酸中の塩素のモル比が0.
9〜1.2である塩酸を使用し、塩酸加水分解温度が9
0〜145℃で塩酸加水分解時間が25〜35時間であ
る例。
【0039】塩酸加水分解において、蛋白質原料中の蛋
白質1kg当たり濃塩酸が1.0〜1.3L、かつ、蛋
白質原料中の窒素に対する塩酸中の塩素のモル比が0.
9〜1.2である塩酸を使用し、塩酸加水分解温度が1
00〜130℃で塩酸加水分解時間が25〜35時間で
ある例。
【0040】塩酸加水分解に当たっては、各種の添加物
の共存下に行うと、有機塩素化合物の生成を抑止するこ
とができる。適当な添加物としては、食品添加物、例え
ばリボフラビン酸エステルナトリウム、パントテン酸ナ
トリウム、低級脂肪族アルコ−ル、例えばメタノ−ル、
エタノ−ル、同混合物、トルエンおよび低級脂肪族アル
コ−ルとトルエンの混合物などが挙げられる。
【0041】請求項1の発明による方法において、塩酸
加水分解の反応条件は、温度は80〜130℃、時間は
5〜75時間の範囲で、それらの適当な組合わせが採用
される。
【0042】特に好ましい反応条件は、温度が90〜1
25℃で時間が10〜75時間の範囲、温度が90〜1
10℃で時間が15〜75時間の範囲、温度が95〜1
25℃で時間が10〜50時間の範囲である。
【0043】塩酸加水分解の反応条件が濃塩酸の沸点以
上に及ぶ場合は、密閉下、即ち、加圧下に行われる。好
ましい圧力は1.0〜4.7気圧、特に1.0〜2.3
気圧である。
【0044】請求項2の発明による方法において、塩酸
加水分解物は水酸化アルカリ金属またはアンモニアの添
加と共に加熱処理される。
【0045】この際に使用する水酸化アルカリ金属また
はアンモニアとしては、水酸化ナトリウム、アンモニア
ガス、アンモニア水 およびそれらの混合物、特に水酸
化ナトリウムとアンモニア水の混合物が挙げられる。
【0046】アルカリ処理はpH8〜14、特にpH
8.5〜11.0で行うのがよく、また加熱温度は50
〜150℃、例えば90〜100℃、95〜100℃、
90〜110℃、90〜150℃の範囲が選択される。
【0047】なお、アルカリ処理は解放下および密閉下
で各処理を一回以上行い、その順序はいずれでもよい。
【0048】アルカリ処理を密閉下で行う場合には加圧
下に行うことになる。アルカリ処理の圧力範囲は1.0
〜4.7気圧下、特に1.0〜2.7気圧下とするのが
好ましい。
【0049】アルカリ処理は1分〜24時間の間に亙っ
て行う。特に1〜8時間の間に亙って行う方法、30分
〜3時間の間に亙って行う方法が採用される。
【0050】アルカリ処理条件は、具体的には上記の温
度、pH、圧力および時間範囲の組合わせで決定する
が、例えば解放下で95〜100℃にて1〜8時間、解
放下で50〜110℃にて1〜10時間、解放下で90
〜105℃にて1〜8時間、密閉下で90〜150℃に
て10分〜24時間、密閉下で100〜130℃にて3
0分〜3時間、密閉下で90〜150℃にて1〜8時
間、95〜105℃でpH8.5〜11.0にて1〜8
時間、95〜105℃でpH8.0〜10.0にて1〜
8時間、95〜130℃でpH8.0〜9.0、1にて
10時間、90〜110℃でpH8.0〜9.0にて1
〜8時間、95〜130℃でpH8.5〜11.0にて
30分〜6時間、95〜125℃でpH8.5〜9.5
にて1.0〜2.0時間の間に亙って行うなど、各種の
組合わせが採用できる。特に、解放下または密閉下の両
方の条件の組合わせは、塩酸加水分解物の品質、特に香
気の改善と向上に好結果をもたらす。同時に工業的には
反応槽の容量を増加することなく、大幅な時間延長もす
ることなく、同様な効果を得ることができる。
【0051】アルカリ処理は無機イオンの共存下に行う
と好結果を取得する。共存せしめる無機イオンとして
は、水酸化金属コロイド生成性無機イオン、例えばカル
シウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオ
ン、明礬錯イオン、鉄イオンなどが挙げられる。これら
無機イオンの共存下、アルカリ性のまま、懸濁性物質を
濾別すると好結果が得られる。
【0052】アルカリ処理後は、処理液をpH4〜6に
調整する。pHの調整は一段階で行なってもよいが、例
えば、初めpHを4.5に、次いでpHを5.1に調整
すると好結果を取得する。
【0053】請求項1の発明による法において、塩酸加
水分解後の工程、すなわちアルカリ処理前の工程あるい
はアルカリ処理後の工程で塩酸加水分解物の精製を行
う。
【0054】精製には、不溶物の除去、樹脂処理、吸着
処理など、種々の方法を適用することができる。
【0055】不溶物を除去する際には金属イオンの共存
下におこなってもよい。
【0056】樹脂処理は、アニオン交換樹脂処理、カチ
オン交換樹脂処理であって、その処理の順序は被処理物
の性質により決定する。
【0057】吸着処理には天然あるいは合成の吸着剤が
使用され、例えば活性炭、特に椰子殻炭、合成の吸着樹
脂が使用される。また、これらの組合わせも有効であ
る。
【0058】尚、上述のとうり、蛋白質原料を塩酸加水
分解すると、蛋白質加水分解物中に有機塩素化合物、ク
ロロプロパノ−ル類が副生する。クロロプロパノ−ル類
のうち、代表的な物質、3−クロロ−1、2−プロパン
ジオ−ルおよび2−クロロ−1、3−プロパンジオ−ル
の分析法は次の通りである。
【0059】分取した一定量(1ml)の試料に内部標
準物質として3−ブロモ−1、2−プロパンジオ−ルを
一定濃度(例えば、100ppm)となるように添加・
混合した後、抽出カラムのエクソリュ−ト−1(商品
名:メルク社製品)に吸着し、一定量(10ml)酢酸
エチルで溶離を行い、溶離区分より一定量(1ml)を
分取、これに誘導体生成試薬としての5%フェニル硼酸
メタノ−ル溶液を0.1ml添加して15分放置後、ガ
スクロマトグラフ−質量分析計(商品名:HP5890
/HP5988、ヒュ−レット パッカ−ド社製品、使
用キャピラリ−カラム:HP−1(商品名),12m×
0.2mm,ヒュ−レット パッカ−ド社製品)に注入
して分析した。
【0060】定量分析限界濃度は0.5ppm,分析精
度は±3%以内である。
【0061】尚、本分析法は、フォン・ベルグマン等の
報告(C.A. Von Bergmann et al.,J.Chromatogr. vol.5
89, pp.109-119. 1992)に記載の方法を参考にした。
【0062】さらに、本発明の方法により取得した蛋白
質原料塩酸加水分解物について、解放下及び密閉下での
アルカリ処理を行わない蛋白質原料塩酸加水分解物試料
を対照に官能評価試験を行った。
【0063】官能評価試験は、予め味覚および臭覚が鋭
敏であると認定されて選定された専門のパネリスト5名
により、対照試料と供試試料との差異の有無、異臭の有
無、好ましさの程度を主要評価項目として、3段階方式
(〇、△、×)の基準により行われた。
【0064】以上のように、蛋白質原料を塩酸加水分解
し、次いで解放下及び密閉下でのアルカリ処理を行う本
発明の方法においては、塩酸加水分解物中に副生しある
いは残存する有機塩素化合物を極小限に抑止した蛋白質
原料の塩酸加水分解物を取得することができる。同時に
工業的には反応槽の容量を増加することなく、また大幅
な時間延長もなく、同様の効果を得ることができる。
【0065】
【実施例】
(実施例1)リパーゼ(和光純薬製)100mgを水1
5.45mlに溶解し、粉砕した脱脂大豆6.77gと
グルテンミール0.92gを加え、40℃で5日間酵素
反応を行った。酵素反応終了後、濃塩酸4.55mlを
加え、103℃油浴中で30時間加熱還流を行い、蛋白
質加水分解物を得た。この分解液中には、3ークロロ−
1,2−プロパンジオ−ル(以下、3−MCPと略記)
が全窒素含量3g当たり2.3ppm含まれていたが、
含有量は酵素未処理の蛋白質を用いた蛋白質加水分解物
の場合の4.8ppmと比較して減少していた。
【0066】(実施例2)塩酸量として、原料全窒素に
対する添加塩酸の塩素モル数の比(以下モル比と称す
る)が1.2、原料タンパクの重量(kg)に対する添
加塩酸量(L)の比(以下液比と称す)が1.3となる
ように、ナスフラスコに脱脂大豆102g、グルテンミ
ール13.9g、濃度16%の塩酸151mlを加え、
103℃の油浴にて30時間加熱を行い、蛋白質加水分
解物を得た。同様にして、表2に示す所定量をナスフラ
スコにいれ、103℃の油浴にて30〜75時間加熱を
行い、モル比、液比および時間を変化させた蛋白質加水
分解物を得た。
【0067】
【表1】
【0068】(実施例3)脱脂大豆68gとグルテンミ
ール9.3gに16%塩酸101mlを加え、さらにリ
ボフラビンりん酸エステルナトリウム塩14.3gを加
え、106℃にて30時間加熱した。得られた蛋白質加
水分解物中に含まれる3−MCPは、リボフラビンりん
酸エステルナトリウム塩無添加の場合の40ppmに比
べ、20ppmと減少した。同様に2−クロロ−1,3
−プロパンジオール(以下2−MCPと略記)も5.6
ppmから2.7ppmに減少した。
【0069】(実施例4)脱脂大豆68gとグルテンミ
ール9.3gに16%塩酸101mlを加え、さらにD
−パントテン酸ナトリウム塩7.2gを加え、106℃
にて30時間加熱した。得られた蛋白質加水分解物中に
含まれる3MCPは、D−パントテン酸ナトリウム塩無
添加の場合の43ppmに比べ、20ppmと減少し
た。同様に2−MCPも5.5ppmから3.8ppm
に減少した。
【0070】(実施例5)脱脂大豆68gとグルテンミ
ール9.3gに16%塩酸101mlを加え、さらにエ
タノール10mlを加え、103℃にて攪拌しながら3
0時間加熱した。得られた蛋白質加水分解物中に含まれ
る3−MCPは、エタノール無添加の場合の43ppm
に比べ、25ppmと減少した。同様に2−MCPも
6.2ppmから3.1ppmに減少した。
【0071】(実施例6)モル比が1.2、液比が1.
3となるように、1Lビーカーに脱脂大豆135g、グ
ルテンミール18.4g、濃度16%の塩酸200ml
を加え、シャーレで蓋をした後、オートクレーブ中に収
容して106℃で30時間加熱を行い、蛋白質加水分解
物を得た。同様にして、表3に示す所定量を1Lのビー
カーにいれてシャーレで蓋をした後、オートクレーブに
て106〜122℃で30時間加熱を行い、蛋白質加水
分解物を得た。
【0072】
【表2】
【0073】(実施例7)モル比が1.2、液比が1.
3となるように、ナスフラスコに脱脂大豆136g、グ
ルテンミール18.6g、濃度16%の塩酸201ml
を加え、83℃の油浴にて30時間加熱を行い、蛋白質
加水分解物を得た。同様にして、表4に示す所定量をナ
スフラスコにいれ、83℃の油浴にて75時間加熱を行
い、蛋白質加水分解物を得た。
【0074】
【表3】
【0075】(実施例8)脱脂大豆とグルテンミールを
塩酸で加水分解して得られた蛋白質加水分解物43.7
gに27%水酸化ナトリウム水溶液30.5gを加え、
pH7の分解液74.2gを得た。この分解液20ml
に27%水酸化ナトリウム水溶液0.65gを加え、p
H8.5の分解液を調製した、さらにpH7の分解液2
0mlに28%アンモニア水を0.14g或いは0.8
6g加え、pH8.5とpH9.5の分解液を調製し
た。これら分解液を密閉式の試験管に入れ、103℃の
油浴中にて2時間加熱処理した。得られた蛋白質加水分
解物に含まれる3−MCPは未処理の場合と比較して減
少した。
【0076】
【表4】
【0077】(実施例9)脱脂大豆とグルテンミールを
塩酸で加水分解して得られた蛋白質加水分解物310g
に27%水酸化ナトリウム水溶液144gを加え、pH
8.5の分解液455gを得た。この分解液300ml
を還流器のついたフラスコに入れ、油浴を用いて内温9
8℃にて解放大気圧下で加熱処理を行なった。1時間か
ら24時間の範囲で処理液中の2−MCPおよび3−M
CPを測定したところ、含量は時間と共に減少した。同
様にして、pH9.0,11.0での加熱処理を行な
い、2−MCPおよび3−MCPの減少した蛋白質加水
分解物が得られた。
【0078】
【表5】
【0079】(実施例10)脱脂大豆とグルテンミール
を塩酸で加水分解して得られた蛋白質加水分解物310
gに27%水酸化ナトリウム水溶液182gを加え、p
H8.5の分解液495gを得た。この分解液300m
lを三角フラスコに入れ、オートクレーブを用いて内温
130℃にて密閉高温加熱を2時間行った。この加熱処
理した蛋白質加水分解物中に2−MCPおよび3−MC
Pは検出されなかった。同様にしてpH9.0,11.
0における130度密閉系での高温加熱処理を3時間行
ったところ、得られた蛋白質加水分解物に2−MCPお
よび3−MCPは検出されなかった。
【0080】(実施例11)脱脂大豆とグルテンミール
を塩酸で加水分解して得られた蛋白質加水分解物310
gに27%水酸化ナトリウム水溶液144gを加え、p
H8.5の分解液455gを得た。2組の還流器付きフ
ラスコにこの分解液を各々200ml入れ、油浴を用い
て内温98℃にて解放大気圧下で3時間加熱処理を行な
った。1組の分解液については、この加熱処理に加えて
オートクレーブを用いて内温130℃にて密閉高温加熱
を1時間行った。同様にして調製したpH8.5の分解
液200mlを3角フラスコに入れ、オートクレーブを
用いて内温130℃にて密閉高温加熱を3時間行った。
これら3通りの蛋白質加水分解物のMCP含量と官能評
価を比較すると、密閉高温加熱はMCP削減の効果が大
きく、解放下加熱はその官能評価において効果的であっ
た。その効果をまとめて表6に示す。
【0081】
【表6】
【0082】(実施例12)脱脂大豆とグルテンミール
を塩酸で加水分解して得られた蛋白質加水分解物からヒ
ューマスを濾別・除去した液50mlに、水5mlに
0.7gの塩化第2鉄・6水塩を溶解して調製した鉄イ
オンを含む水溶液を加え、十分に攪拌した。次に27%
水酸化ナトリウム水溶液43.3gを滴下し、pHを−
0.5から9.5に調整した。その後しばらく攪拌を続
けた後、共沈物をNo.5Cの濾紙で濾過除去した。得
られた濾過液中に含まれる3−MCP含量は77ppm
となり、処理前の100ppmと比較して減少した。
【0083】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明では蛋白質
原料を塩酸加水分解し、次いでアルカリ処理を行うの
で、従来の品質を確保しつつ、塩酸加水分解物中に副生
或いは残存する有機塩素化合物を極小限に抑止した蛋白
質原料の塩酸加水分解物を、工業的には反応槽の容量を
増加することなく、また大幅な時間延長もなく、同様に
取得することができるという効果が得られるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北沢 学 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1ー1 味の 素株式会社中央研究所内 (72)発明者 伴 浩 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1ー1 味の 素株式会社中央研究所内 (72)発明者 公文 哲 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1ー1 味の 素株式会社中央研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛋白質原料を塩酸加水分解し次いでアル
    カリ処理を行う方法において、アルカリ処理を解放下及
    び密閉下での加熱を組合わせて行うことを特徴とする蛋
    白質加水分解物の製法。
  2. 【請求項2】 前記アルカリ処理におけるアルカリが水
    酸化アルカリ金属及び/又はアンモニアである請求項1
    に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ処理における加熱が、解放
    下でpH8.5〜11.0および温度50〜105℃に
    て1分〜24時間に亙って行われる請求項1に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 前記アルカリ処理における加熱が、密閉
    下でpH8.5〜11.0および温度50〜105℃に
    て5分〜10時間に亙って行われる請求項1に記載の方
    法。
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