JPH07316877A - アルミニウムダイカストのめっき層構造 - Google Patents

アルミニウムダイカストのめっき層構造

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JPH07316877A
JPH07316877A JP10638094A JP10638094A JPH07316877A JP H07316877 A JPH07316877 A JP H07316877A JP 10638094 A JP10638094 A JP 10638094A JP 10638094 A JP10638094 A JP 10638094A JP H07316877 A JPH07316877 A JP H07316877A
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plating layer
plating
aluminum die
die casting
layer
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JP10638094A
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Masayoshi Takama
政善 高間
Seiya Kunioka
誠也 國岡
Hiroyuki Nakamura
裕之 中村
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被めっき素材であるアルミニウムダイカスト
を侵すことなく、密着性,平滑性,被覆力及び耐食性の
良好なめっき層を得ることができ、特に、アルミニウム
ダイカスト表面の湯皺や凹部にも十分な厚さのめっき層
を形成できるような構成のアルミニウムダイカストのめ
っき層構造を提供する。 【構成】 被めっき素材であるアルミニウムダイカスト
1の表面上に、半光沢ニッケルめっき層6と硫酸銅めっ
き層3とを順次交互に積層して成る下地めっき層αを形
成し、この下地めっき層αの上に光沢ニッケルめっき層
4と装飾クロムめっき層5とを順次積層して成る表面め
っき層β、又はニッケルストライクめっき層と光沢ニッ
ケルめっき層と装飾クロムめっき層とを順次積層して成
る表面めっき層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被めっき素材がアルミ
ニウムダイカストである場合にその表面に施されるめっ
き層の構造に関し、更に詳しくは、最表面に光沢めっき
−装飾クロムめっきを施すためにアルミニウムダイカス
トの表面上に形成される下地めっき層の構造(めっき層
の組み合せ構造)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、アルミニウム或いはアル
ミニウム合金から成るアルミニウムダイカストは各種の
部品材料として広く用いられており、外観性(装飾
性)、耐食性等の向上のためにアルミニウムダイカスト
の表面にめっきを施したものが使用されている。
【0003】しかし、一般的に、アルミニウムダイカス
トへのめっきは可成り難しいのが実状である。その理由
としては、 (1) アルミニウム表面は物理的にも化学的にも極め
て安定した酸化膜が自生すること。 (2) アルミニウム合金は化学的に活性であると共
に、電気化学的陽性になり易いこと。 (3) 鋳造性の良いイルミン系のアルミニウム合金は
めっき面の活性化が難しいこと。 (4) アルミニウムダイカストの素材表面にはアルミ
ニウム酸化物を巻込んだ湯皺やピンホール(鋳巣等)の
素材表面欠陥を生じ易いこと。等が挙げられる。
【0004】このため、被めっき素材がアルミニウムダ
イカストである場合には、前処理方法(下地処理等)に
も大いに注意しなければならない。このような事情の下
で、アルミニウムダイカストについての種々のめっき構
造並びにめっき方法が提案されており、今日までに実用
化されているめっき層の構造(各種めっきの組合せ構
造)として、次のようなものがある。
【0005】 図8に示す従来構造I 図9に示す従来構造II 図10に示す従来構造III
【0006】従来構造Iは、図8に示すように、アルミ
ニウムダイカスト1の表面上にシアン化銅ストライクめ
っき層2,硫酸銅めっき層3,光沢ニッケルめっき層4
及び装飾クロムめっき層5を順次積層して成るめっき層
Aを形成するようにしたものである。
【0007】また、従来構造IIは、図9に示すように、
アルミニウムダイカスト1の表面上に半光沢ニッケルめ
っき層6,光沢ニッケルめっき層4及び装飾クロムめっ
き層5を順次積層して成るめっき層Bを形成するように
したものである。
【0008】また、従来構造III は、図10に示すよう
に、アルミニウムダイカスト1の表面上に半光沢ニッケ
ルめっき層6,ニッケルストライクめっき層7,光沢ニ
ッケルめっき層4及び装飾クロムめっき層5を順次積層
して成るめっき層Cを形成するようにしたものである。
【0009】なお、上述のめっき層A,B,Cを形成す
るために用いられる各めっき浴の組成の一例は、下記の
表1〜表4に示す如くである。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】
【表3】
【0013】
【表4】
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来構造Iは、
アルミニウムダイカスト1のめっき構造として、最も初
期に提案されたものであり、既述の如くシアン化銅スト
ライクめっき層2,硫酸銅めっき層3,光沢ニッケルめ
っき層4及び装飾クロムめっき層5の4層のめっきの組
合せである。このようにアルミニウムダイカスト1の下
地めっき層としてシアン化銅ストライクめっき層2及び
硫酸銅めっき層3の組合構造を採用しているのは、次の
ような理由からである。
【0015】硫酸銅めっきの場合には、めっき浴が強酸
性のためアルミニウムダイカスト1を侵してしまうこと
から、アルミニウムダイカスト1の表面上に直に硫酸銅
めっきを施すことができない。これに対して、シアン化
銅ストライクめっきの場合には、遊離シアン濃度を低く
しかもpH値を弱アルカリとなるように管理することに
より、アルミニウムダイカスト1に対してマイルド化し
たものであり、従ってアルミニウムダイカスト1を侵す
ことがない。そのため、アルミニウムダイカスト1の表
面上にシアン化銅ストライクめっきを行った後に硫酸銅
めっきを行なうことにより、銅めっきを施すことができ
る。これが前記組合構造を採用した理由である。
【0016】この従来構造Iを採用した場合には、シア
ン化銅ストライクめっき層2が被覆力(つきまわり)が
良好で、硫酸銅めっき浴がレベリング(平滑性)に優れ
ているため、アルミニウムダイカスト素材の表面に存在
するピンホールや鋳巣等の欠陥を埋め、或いは被覆する
という特性を有する。それ故、アルミニウムダイカスト
の鋳造時にその表面に形成され易い湯皺に対しては、こ
の銅めっきのつきまわり性や平滑性等の特性によって、
特にアルミニウムダイカスト表面の凹部に形成された湯
皺をも被覆し、湯皺不良等の外観不良を生じ易いアルミ
ニウムダイカスト部品の歩留りを向上させることができ
る。
【0017】しかし、従来構造Iの場合における各めっ
き層2,3,4,5の厚さは、シアン化銅ストライクめ
っき層2が1〜2μm程度、硫酸銅めっき層3が10μ
m程度、光沢ニッケルめっき層4が10μm程度、装飾
クロムめっき層5が0.5μm程度であり、めっき層A
の全体の厚さは20数μmの薄膜であることや、銅めっ
きが柔らかな金属であることから、次のような不具合が
ある。すなわち、めっきの施されたアルミニウムダイカ
スト1に熱負荷がかかると、銅めっきによって覆われた
ピンホールや鋳巣等の欠陥の内部に介在する空気の膨張
により、めっきの膨れが発生し、これに起因して、めっ
き層の密着不良や部分的な耐食性の不備0よる外観不良
等の欠陥を呈することとなる。
【0018】なお、この従来構造Iは1800年代初期
より実施されてきたが、シアン化銅ストライクめっき浴
においてシアンが使用されるため、公害問題乃至廃水処
理問題が常に付いてまわり、特に近年においては公害問
題に対応するため廃水処理設備等に要する経費は莫大と
なる傾向にある。
【0019】このような事情から1900年中期以降に
は、従来構造Iに代えて、ニッケルめっき浴等の如く公
害上問題が少なくかつ廃水処理が比較的容易なめっき浴
を用いて前記従来構造IIや従来構造III のようなめっき
層構造を採用する傾向に変遷しつつある。これに伴い、
特に1990年代においては、シアン浴はほとんど使用
されなくなっている。
【0020】前述した如く、硫酸銅めっき浴は強酸性で
アルミニウムダイカスト1を侵してしまうためアルミニ
ウムダイカスト表面に直に硫酸銅めっきを施すことはで
きず、シアン化銅ストライクめっきと組合せて使用せざ
るを得ない。従って、シアン化銅ストライクめっきが上
述のように近年において使用されなくなるのに伴い、硫
酸銅めっきも使用されない傾向となり、下地めっきとし
ての銅めっきはほとんどみられなくなった。
【0021】一方、従来構造II若しくは従来構造III の
場合には、公害問題及び廃水処理問題を改善し、かつ前
述した銅めっきの不備を改善するために、硫酸銅めっき
層3の代わりに、下地めっき層を半光沢ニッケルめっき
層6(層厚は10μm程度)としたものである。
【0022】そして、前記従来構造IIは半光沢ニッケル
めっき層6及び光沢ニッケルめっき層4による二重ニッ
ケルめっき層として、また前記従来構造III はこれらの
層6,4の間の中間層として、イオウを含有させたニッ
ケルストライクめっき層7(層厚は0.5μm程度)を
追加して三重ニッケルめっき層としたものである。な
お、後者の従来構造III は、ニッケルストライクめっき
層7を下地の半光沢ニッケルめっき層6に対してアノー
ドとして働かせ、摩食をこのニッケルストライクめっき
層7で止め、耐食性を向上させるようにしたものであ
り、一般に三重ニッケルめっき層として知られている。
【0023】ところで、半光沢ニッケルめっき層6は、
耐食性に優れるが、被覆力(つきまわり)が銅めっきに
比べて劣るという欠点がある。このため、アルミニウム
ダイカスト1で作られた被めっき物が凹凸形状又は湾曲
形状である場合や、無数の凹部や穴部を有する形状であ
る場合等には、これらの凹部,凹状湾曲部,穴部等に対
して十分な厚さ(めっき膜厚)のめっき層を形成するこ
とは極めて困難である。特に、ダイカスト鋳造時におい
てアルミニウムダイカスト表面の凹部部分に形成された
湯皺をほとんど被覆することができず、湯皺不良という
外観不良を生じ、アルミニウムダイカスト製品の歩留り
が低下してしまう不具合がある。
【0024】なお、仮にこれらの部位に所定のめっき層
を強制的に形成するようにした場合には、めっき処理の
施し易い部所のめっき層は厚さは極めて厚くなったり、
時にはめっき不良として特徴的な“めっきの花”が咲
き、極めて粗面のめっき面が形成され、外観不良を招く
ことになる。
【0025】本発明は、このような種々の実状を勘案し
てなされたものであって、その目的は、被めっき素材で
あるアルミニウムダイカストを侵すことなく、密着性,
平滑性,被覆力及び耐食性の良好なめっき層を得ること
ができ、特に、アルミニウムダイカスト表面の湯皺や凹
部にも十分な厚さのめっき層を形成できるような構成の
アルミニウムダイカストのめっき層構造を提供すること
にある。
【0026】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明では、被めっき素材であるアルミニウムダ
イカストの表面上に、半光沢ニッケルめっき層と硫酸銅
めっき層とを順次交互に積層して成る下地めっき層を形
成し、この下地めっき層の上に光沢ニッケルめっき層と
装飾クロムめっき層とを順次積層して成る表面めっき
層、又はニッケルストライクめっき層と光沢ニッケルめ
っき層と装飾クロムめっき層とを順次積層して成る表面
めっき層を形成するようにしている。
【0027】
【作用】アルミニウムダイカストの表面には半光沢ニッ
ケルめっき層を形成するようにいているのでアルミニウ
ムダイカストが半光沢ニッケルめっき浴(弱酸性)にて
侵されることがなく、硫酸銅めっきの特性である優れた
平滑性と被覆力とにより、ニッケルめっき工程で十分な
厚さの半光沢ニッケルめっき層が形成されなかった部分
にも硫酸銅めっき層が形成される。また、半光沢ニッケ
ルめっき層及び硫酸銅めっき層から成る下地めっきの上
に光沢ニッケルめっき層と装飾クロムめっき層とから成
る表面めっき層を積層することにより、密着性,平滑
性,被覆力及び耐食性のより良好なめっき層が形成され
る。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について図1〜図7を
参照して説明する。なお、図1〜図4において図5〜図
7と同一の部分には同一の符号を付すこととする。
【0029】図1〜図4は本発明の第1〜第4の実施例
をそれぞれ示すものであって、これらの実施例は、アル
ミニウムダイカスト1を被めっき素材とし、最表面に光
沢ニッケルめっき層4及び装飾クロムめっき層5から成
る表面めっき層を形成するためにその下地めっき層の組
合せを新規に工夫したものである。
【0030】ところで、アルミニウムダイカストの下地
めっき層の形成のために従来より用いられている各種の
めっき、すなわち、シアン化銅ストライクめっき,硫酸
銅めっき及び半光沢ニッケルめっきのめっき特性につい
ては上述したが、これらをまとめると下記の表5に示す
如くである。
【0031】
【表5】
【0032】まず、シアン化銅ストライクめっきは、遊
離シアン濃度が低くしかもpH値が弱アルカリに管理さ
れることにより、アルミニウムダイカストを侵食しない
という特性を有する。さらに、被覆力(つきまわり)が
大変に良好であり、アルミニウムダイカストの凹部に形
成された湯皺を被覆し、外観不良の発生を防止する特性
を有する。しかしながら、シアン浴を使用するため、公
害・廃水問題があり、その使用ができない。
【0033】また、硫酸銅めっきは、レベリング(平滑
性)に極めて優れ、被覆力も十分有するため、アルミニ
ウムダイカストの凹部に形成された湯皺を被覆するが、
硫酸銅めっき浴が強酸であるため、アルミニウムダイカ
ストを侵すこととなる。そのため、アルミニウムダイカ
ストの表面上に直に硫酸銅めっき層を形成することはで
きない。
【0034】また、半光沢ニッケルめっきは、耐食性に
優れており、そして半光沢ニッケルめっき浴が弱酸性で
あるため、アルミニウムダイカストを侵すことはない。
しかしながら、被覆力がやや劣るため、被めっき素材が
凹凸や湾曲の大きな形状のものである場合や、無数の凹
部や穴部を有する形状のものである場合には、これらの
凹部,凹状湾曲部や穴部に対して十分な厚さのめっき層
を形成することが極めて困難である。従って、アルミニ
ウムダイカストの凹部等に形成された湯皺を十分に被覆
できず、湯皺不良と言う外観不良を発生させてしまうこ
ととなる。
【0035】本発明は、以上の如き各種のめっき特性を
十分に考慮した上で、各めっき特性の持つ短所をなくし
てその長所を有効に利用できるような下地めっきの組合
せを提案するものであり、以下に述べる本発明の各実施
例においては、その下地めっき層の上に従来より実施さ
れている光沢ニッケルめっき層−装飾クロムめっき層の
組合せから成る表面めっき層を形成するようにしてい
る。
【0036】図1に示す本発明の第1実施例は、アルミ
ニウムダイカスト1の表面上に、半光沢ニッケルめっき
層6(10μm厚),硫酸銅めっき層3(10μm厚)
及び半光沢ニッケルめっき層6(10μm厚)を順次積
層して3層構造の下地めっき層αを形成し、さらにこの
下地めっき層α上に光沢ニッケルめっき層4(10μm
厚)及び装飾クロムめっき層5(0.5μm厚)を順次
積層して2層構造の表面めっき層βを形成し、全体とし
て5層の組合せのめっき層(総厚40.5μm)とした
ものである。
【0037】また、図2に示す本発明の第2実施例は、
アルミニウムダイカスト1の表面上に、半光沢ニッケル
めっき層6(10μm厚),硫酸銅めっき層3(10μ
m厚)及び半光沢ニッケルめっき層6(10μm厚)を
順次積層して3層構造の下地めっき層αを形成し、さら
にこの下地めっき層α上にニッケルストライクめっき層
7(0.5μm厚),光沢ニッケルめっき層4(10μ
m厚)及び装飾クロムめっき層5(0.5μm厚)を順
次積層して3層構造の表面めっき層γを形成し、全体と
して6層の組合せのめっき層(総厚41μm)としたも
のである。
【0038】また、図3に示す本発明の第3実施例は、
アルミニウムダイカスト1の表面上に、半光沢ニッケル
めっき層6(10μm厚),硫酸銅めっき層3(10μ
m厚),半光沢ニッケルめっき層6(10μm厚),硫
酸銅めっき層3(10μm厚)及び半光沢ニッケルめっ
き層6(10μm厚)を順次積層して5層構造の下地め
っき層δを形成し、さらにこの下地めっき層δ上に光沢
ニッケルめっき層4(10μm厚)及び装飾クロムめっ
き層5(0.5μm厚)を順次積層して2層構造の表面
めっき層βを形成し、全体として7層の組合せのめっき
層(総厚50.5μm)としたものである。
【0039】また、図4に示す本発明の第4実施例は、
アルミニウムダイカスト1の表面上に、半光沢ニッケル
めっき層6(7μm厚),硫酸銅めっき層3(7μm
厚),半光沢ニッケルめっき層6(8μm厚),硫酸銅
めっき層3(8μm厚)及び半光沢ニッケルめっき層6
(10μm厚)を順次積層して5層構造の下地めっき層
δを形成し、さらにこの下地めっき層δ上にニッケルス
トライクめっき層7(0.5μm厚),光沢ニッケルめ
っき層4(10μm厚)及び装飾クロムめっき層5
(0.5μm厚)を順次積層して3層構造の表面めっき
層γを形成し、全体として6層の組合せのめっき層(総
厚51μm)としたものである。
【0040】なお、上述の各実施例における各めっき層
の厚さは一例を示したものであって、各めっき層の厚さ
はこれらの数値に限定されるものではない。例えば、半
光沢ニッケルめっき層6,硫酸銅めっき層3,及び光沢
ニッケルめっき層4の厚さは、めっきラインの構造上、
5〜20μmの範囲で任意に選定することは容易であ
り、また、ニッケルストライクめっき層7及び装飾クロ
ムめっき層5の厚さについても同様に、0.1〜数μm
の範囲で任意に選定することは容易である。しかしなが
ら、各めっき層の厚さが全て上限側にて設定されるとす
れば、図1に示した5層構造のめっき層の場合には全厚
が約80μm、そして図3に示した7層構造のめっき層
の場合には全厚が約100μmとなり、外観的に不具合
が発生するおそれがあるため、上限側の厚さに設定する
際には十分な管理が必要とされる。
【0041】ここで、図1〜図4に示した各下地めっき
層を構成するめっき層の機能について説明する。
【0042】図1の5層めっき構造における、半光沢ニ
ッケルめっき層6−硫酸銅めっき層3−半光沢ニッケル
めっき層6から成る下地めっき層αの場合には、半光沢
ニッケルめっき浴は弱酸性であるためアルミニウムダイ
カスト1を侵すことがなく、アルミニウムダイカスト1
の表面上に耐食性及び密着性に優れためっき層を施すこ
とができる。 しかしながら、ニッケルめっきは被覆力
にやや劣るため、被めっき素材が凹凸や湾曲の大きな形
状である場合や、無数の凹部や穴部を有する形状である
場合には、これらの凹部,凹状湾曲部,穴部等に対して
十分な厚さのめっき層を形成することができない。
【0043】この不具合を解消するのが硫酸銅めっき層
3であって、アルミニウムダイカスト1から成る被めっ
き素材の表面は既にニッケルめっき層6にて覆われてい
るので、硫酸銅めっき浴に浸漬してもアルミニウムダイ
カスト1は何ら侵されることがない。その一方、硫酸銅
めっきの特性である優れたレベリング性と被覆力とによ
り、半光沢ニッケルめっき工程において十分な厚さのニ
ッケルめっき層が形成されなかった部分にも、銅めっき
層にて被覆されることとなる。
【0044】それ故、アルミニウムダイカスト1の鋳造
時にその表面に生じた湯皺、徳に凹部に形成された湯皺
をも十分に被覆でき、外観不良となり易いアルミニウム
ダイカスト製品の歩留りを向上させることができる。
【0045】従って、図1に示す如き組合せのめっき層
を形成することによって密着性,レベリング性,被覆力
及び耐食性のいずれにおいても良好な下地めっき層αを
得ることができ、この良好な下地めっき層αの上に光沢
ニッケルめっき層4及び装飾クロムめっき層5を形成す
ることができる。
【0046】また、図2に示した6層めっき構造は、図
1と同様の下地めっき層αの上にニッケルストライクめ
っき層7−光沢ニッケルめっき層4−装飾クロムめっき
層5を形成したものであるから、上述と同様の下地めっ
き層の作用効果を得ることができる。さらに、この場合
には、イオウを含有させたニッケルストライクめっき層
7を追加し、下地の半光沢ニッケルめっき層6のアノー
ドとして働かせ、摩食をこのニッケルストライクめっき
層7で止め耐食性をより向上させたので、良好な密着
性,レベリング性,被覆力を有すると共に、優れた耐食
性を相乗効果として有する良好なめっき層を得ることが
できる。
【0047】また、図3に示した7層めっき構造は、半
光沢ニッケルめっき層6及び硫酸銅めっき層3の各特性
を繰り返し発揮させるようにしたものであり、めっき工
程はやや複雑化するが、図1の5層めっき構造における
下地めっき層αの場合よりも密着性,レベリング性,被
覆力,耐食性においてより良好な下地めっき層δを得る
ことができ、その上に光沢ニッケルめっき層4及び装飾
クロムめっき層5を形成することができる。
【0048】さらに、図4に示した8層めっき構造は、
図2の場合と同様に半光沢ニッケルめっき層6及び硫酸
銅めっき層3の各特性を繰り返し発揮させ、しかもこの
下地めっき層の上にニッケルストライクめっき層7−光
沢ニッケルめっき層4−装飾クロムめっき層5を形成し
たもので、めっき工程は複雑化するが、図2に示した6
層めっき構造よりも良好な密着性,レベリング性,被覆
力を有すると共に、優れた耐食性を相乗効果として有す
る良好なめっき層を得ることができる。
【0049】次に、本発明を適用したアルミニウムダイ
カストのめっき層構造の具体例について述べる。
【0050】具体例 図5に示す形状のアルミニウムダイカストを使用して製
造された二輪車用のクラッチカバー10の表面のめっき
層構造として、本発明の第1実施例である図1の5層め
っき構造を適用した場合と、従来例である図9の3層め
っき構造を適用した場合とを比較した。なお、本発明の
めっき層構造を形成するためのめっき工程は図6の工程
図に示す如き手順にて行い、従来例のめっき層構造を形
成するためのめっき工程は図7の工程図に示す如き手順
にて行った。
【0051】アルミニウムダイカスト製クラッチカバー
10に対して、それぞれのめっき処理を施した、本発明
に係る5層めっき品と従来の3層めっき品とを切断し、
図5(b)において,及びで示す箇所の断面観察
により測定したところ、各めっき層の厚さ(めっき膜
厚)は下記の表6及び表7に示す如くであった。
【0052】
【表6】
【0053】
【表7】
【0054】上記の表6及び表7から明かなように、本
発明による5層めっき構造の場合には、各めっき層の厚
さの合計(総厚)は凸部において平均81μm程度の
値となり、従来のめっき層構造の場合に比較して約2.
5倍の層厚を有し、かつ、凹部においては各めっき層
の厚さの合計は平均17μm程度の値となり、従来のめ
っき層構造の場合に比較して約2.8倍の層厚を有して
いた。
【0055】さらに、これらのクラッチカバー10を次
のような条件の下で耐食性試験を実施した。すなわち、
採用した耐食性試験方法は、キャス試験による噴霧試験
と大気雰囲気放置とを組み合わせた方法であって、キャ
ス試験による噴霧試験;16時間と大気雰囲気放置;8
時間とで1サイクルとし、このサイクルを5回行った
後、JISZ2371「塩水噴霧試験方式」に規定され
たレイティングナンバー法により評価するようにしたも
のである。なお、キャス試験による噴霧試験は、JIS
D0201「自動車部品の電気めっき通則」の付属書2
のキャス試験方法に従っている。
【0056】耐食性試験の結果は、下記の表8に示す如
くであった。
【0057】
【表8】
【0058】上記に表8から明かなように、クラッチカ
バー10の凸部においては、本発明による5層めっき
品も従来の3層めっき品も、何れも良好であったが、ク
ラッチカバー10の凹部においては、従来品はほぼ不
完全であるのに対し、本発明による5層めっき品では前
記凹部のめっき処理が改善されたことにより、耐食性
にいても大変良好な結果が得られていることがわかる。
【0059】以上、本発明の実施例につき述べたが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発
明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能で
ある。例えば、アルミニウムダイカスト1の下地めっき
層としては、半光沢ニッケルめっき層6と硫酸銅めっき
層3とを交互に積層する構造であれば、既述の実施例の
ように3層又は5層の積層構造に限ることなく、さらに
多層の構造の下地めっき層とすることも可能である。
【0060】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、被めっき
素材であるアルミニウムダイカストの表面上に、半光沢
ニッケルめっき層と硫酸銅めっき層とを順次交互に積層
して成る下地めっき層を形成するようにしたので、アル
ミニウムダイカストを侵すことなく良好な下地めっき層
を形成することができる。すなわち、半光沢ニッケルめ
っき浴は弱酸性のため、アルミニウムダイカストを侵す
ことなく耐食性及び密着性に優れた半光沢ニッケルめっ
き層を形成できる。そして、これにより既に半光沢ニッ
ケルめっき層にて覆われたアルミニウムダイカストを強
酸性の硫酸銅めっき浴に浸漬してもアルミニウムダイカ
ストを何ら侵すことことはなく、硫酸銅めっきの特性で
ある優れたレベリング性と被覆力とにより、半光沢ニッ
ケルめっき工程において十分な厚さのニッケルめっき層
が形成されなかった部分にも銅めっき層が形成されるこ
ととなる。
【0061】従って、アルミニウムダイカストの製造時
にアルミニウムダイカストの表面に生じた湯皺、特に凹
部に形成された湯皺をも、半光沢ニッケルめっき層と硫
酸銅めっき層とから成る下地めっき層にて十分に被覆す
ることができ、ひいては、外観不良となり易いアルミニ
ウムダイカスト製品の歩留りを向上させることができ
る。
【0062】また、本発明では、上述の如き下地めっき
層の上に光沢めっき層と装飾クロムめっき層とを順次積
層して成る表面めっき層、又はニッケルストライクめっ
き層と光沢ニッケルめっき層と装飾クロムめっき層とを
順次積層して成る表面めっき層を形成するようにしてい
るので、良好な密着性,レベリング性及び被覆力を備え
ると共に、耐久性を相乗効果として有する極めて優れた
めっき層を得ることができる。
【0063】また、上述の如き下地めっき層と光沢ニッ
ケルめっき層との間にニッケルストライクめっき層を形
成するようにした場合には、このニッケルストライクめ
っき層の有する優れた耐食性のため、より高耐食性の良
好なめっき層を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すめっき層構造の断面
図である。
【図2】本発明の第2実施例を示すめっき層構造の断面
図である。
【図3】本発明の第3実施例を示すめっき層構造の断面
図である。
【図4】本発明の第4実施例を示すめっき層構造の断面
図である。
【図5】本発明に係るめっき構造が適用されるアルミニ
ウムダイカスト製のクラッチカバーを示すものであっ
て、(a)は前記クラッチカバーの平面図、(b)は前
記クラッチカバーの断面図である。
【図6】本発明のめっき層構造を製造するための製造工
程を示す工程図である。
【図7】従来のめっき層構造を製造するための製造工程
を示す工程図である。
【図8】従来のめっき層構造の一例を示す断面図であ
る。
【図9】従来のめっき層構造の別の例を示す断面図であ
る。
【図10】従来のめっき層構造のさらに別の例を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 被めっき素材としてのアルミニウムダイカスト 2 シアン化銅ストライクめっき層 3 硫酸銅めっき層 4 光沢ニッケルめっき層 5 装飾クロムめっき層 6 半光沢ニッケルめっき層 7 ニッケルストライクめっき層 10 クラッチカバー α,δ 下地めっき層 β,γ 表面めっき層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C25D 3/12 101 3/38 101 3/40

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被めっき素材であるアルミニウムダイカ
    ストの表面上に、半光沢ニッケルめっき層と硫酸銅めっ
    き層とを順次交互に積層して成る下地めっき層を形成
    し、この下地めっき層の上に光沢ニッケルめっき層と装
    飾クロムめっき層とを順次積層して成る表面めっき層、
    又はニッケルストライクめっき層と光沢ニッケルめっき
    層と装飾クロムめっき層とを順次積層して成る表面めっ
    き層を形成するようにしたことを特徴とするアルミニウ
    ムダイカストのめっき層構造。
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