JPH073257B2 - 摺動型ゴムブッシュ及びその製造方法 - Google Patents

摺動型ゴムブッシュ及びその製造方法

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JPH073257B2
JPH073257B2 JP15337490A JP15337490A JPH073257B2 JP H073257 B2 JPH073257 B2 JP H073257B2 JP 15337490 A JP15337490 A JP 15337490A JP 15337490 A JP15337490 A JP 15337490A JP H073257 B2 JPH073257 B2 JP H073257B2
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sliding
peripheral surface
fitting
race
metal fitting
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康彦 三原
勝久 矢野
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Tokai Rubber Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、防振連結されるべき部材間に介装されて、軸
心回りのねじれ方向の入力を吸収しつつ振動の伝達を抑
制せしめる、車両のサスペンション・ブッシュ等として
好適に用いられ得る摺動型ゴムブッシュおよびその製造
方法に関するものである。
(背景技術) 従来から、車両のサスペンション機構等においては、ロ
ッドやアーム等を車体側若しくは車輪側部材に対して揺
動可能に防振連結せしめるために、一般に、径方向に所
定距離を隔てて同心的に配された内筒金具と外筒金具と
を、それらの間に介装された筒状の弾性部材にて一体的
に連結せしめてなる構造のゴムブッシュが用いられてい
る。即ち、かかるゴムブッシュにあっては、その弾性部
材の弾性によって、軸直角方向の入力振動を吸収すると
共に、該弾性部材の軸心回りのねじり変形によって、内
外筒金具間における軸心回りの相対的回動を許容するよ
うになっているのである。
しかしながら、このような構造のゴムブッシュでは、弾
性部材の弾性や形状等により、軸直角方向の剛性および
軸心回りのねじり剛性が、同時に決定してしまうため
に、それら軸直角方向の剛性と軸心回りのねじり剛性と
を、ブッシュに要求される特性に応じて互いに独立して
チューニングすることが難しかった。そして、そのため
に、近年の自動車用サスペンション・ブッシュに要求さ
れているように、軸直角方向の剛性を高めて良好なる車
両の操縦安定性を確保しつつ、軸心回りのねじり剛性を
低くして車両の乗り心地を向上せしめることは、極めて
困難であったのである。
そこで、近年、実開昭60−3335号公報や実開昭62−1740
9号公報等に開示されている如く、軸金具の外側に筒状
のレース金具を同心的に配置すると共に、該レース金具
によって、軸金具の外周面に対して摺動可能に嵌合され
る樹脂製の摺動筒体を保持せしめる一方、かかるレース
金具の外周面に筒状のゴム弾性体を固着せしめることに
より、軸心回りのねじり方向の変位或いは軸心に直角な
こじり方向の変位を、軸金具の外周面と摺動筒体の内周
面との間の摺動によって許容せしめるようにした構造の
摺動型ゴムブッシュが提案されてきている。
また、本願出願人は、先に、特開昭62−8805号公報等に
おいて、かかる軸金具とレース金具との間に対して、直
接、合成樹脂材料を射出充填することにより摺動筒体を
形成せしめて成る構造の摺動型ゴムブッシュを明らかに
した。即ち、このようなゴムブッシュにあっては、摺動
筒体の摺動面を軸金具の形状に有利に対応させることが
出来、軸金具およびレース金具の寸法誤差が摺動筒体に
よって吸収され得ることから、優れた摺動性能を安定し
て得ることができるのである。
しかしながら、このような従来の摺動型ゴムブッシュに
あっては、何れも、レース金具の外周面に対してゴム弾
性体を接着することが必要で、レース金具に対してサン
ドブラストやショットブラスト等を施して、その表面を
粗面化し、更に接着剤塗布等の処理を施した後、該レー
ス金具の外周面にゴム弾性体を加硫接着しなければなら
ないために、かかるゴム弾性体の接着処理に多くの工程
および時間が必要となり、製造コストも高くなってしま
うという不具合を有していたのである。
さらに、レース金具に対してサンドブラスト等を施す
際、摺動面やダストカバーの嵌着面が粗面化されると、
ブッシュの摺動性や耐久性が悪化してしまうこととな
り、また接着剤の塗布に際しても、それらの摺動面やシ
ール部材の嵌着面に付着すると、ブッシュの摺動性や耐
久性が悪化してしまうため、それらの部位をマスキング
等によって保護する必要があり、そのために、かかるゴ
ム弾性体の接着処理が、極めて面倒であったのである。
また、かかるゴム弾性体をレース金具に対して加硫接着
するためには、通常、前記軸金具とレース金具との組付
後、その組付体を、ゴム弾性体を形成するための成形用
型内に配置せしめた状態下、レース金具の外周面側に形
成された成形キャビティ内にゴム材料を射出充填するこ
とによってゴム弾性体の成形操作が為されることとなる
ところから、かかるゴム材料の摺動部等への回り込みを
完全に防止する必要があり、そのためにゴム弾性体の成
形用型に対して極めて高い寸法精度が要求されるといっ
た、製作上の困難性をも有していたのである。
(解決課題) ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として
為されたものであって、その解決課題とするところは、
レース金具の外周面側へのゴム弾性体の接合が優れた作
業性をもって容易に且つ充分な強度にて為され得る、改
良された構造の摺動型ゴムブッシュを提供し、更にかか
る摺動型ゴムブッシュの有利な製造方法をも提供するこ
とにある。
(解決手段) そして、かかる課題を解決するために、本発明にあって
は、(a)軸方向中間部の外周面において、外方に突出
する摺動凸面を備えた軸金具と、(b)該軸金具の外側
に同心的に配置されて、内周面が、かかる軸金具の摺動
凸面に対して径方向に所定距離を隔てて対向せしめられ
た筒状のレース金具と、(c)かかるレース金具の内周
面側と外周面側とに跨って位置して、該レース金具に対
して固着せしめられ、該レース金具の内周面側におい
て、前記軸金具の摺動凸面に対して摺動可能に嵌合され
る摺動凹面を有する筒状の摺動部を構成する一方、該レ
ース金具の外周面側において、所定面積で広がる接合部
を構成する樹脂部材と、(d)前記レース金具の外側に
配置せしめられて、内周面が、前記樹脂部材における接
合部の外周面に対して接着せしめられた筒状のゴム弾性
体とを、有する摺動型ゴムブッシュを、その特徴とする
ものである。
そして、かかる本発明に係る摺動型ゴムブッシュにあっ
ては、例えば、前記軸金具における摺動凸面および前記
樹脂部材の摺動部における摺動凹面が、それぞれ、球面
形状にて形成されていることにより、それらの摺動面間
で、ブッシュ軸心回りの摺動と、ブッシュ軸心に対して
傾斜した方向の摺動とが許容され得る、所謂球面摺動型
のゴムブッシュとして、有利に構成されることとなる。
或いはまた、かかる本発明に係る摺動型ゴムブッシュに
あっては、例えば、前記軸金具における摺動凸面および
前記樹脂部材の摺動部における摺動凹面が、それぞれ、
円筒面形状にて形成されていることにより、それらの摺
動面間で、ブッシュ軸心回りの摺動のみが許容され得
る、所謂回転摺動型のゴムブッシュとしても、有利に構
成されることとなる。
また、本発明にあっては、前記樹脂部材の摺動部におけ
る摺動凹面上に、摺動摩擦係数の小さい繊維材料から成
る筒状の摺動布が配されて、一体的に固着せしめられて
成る摺動型ゴムブッシュをも、その特徴とするものであ
る。
更にまた、本発明は、前記ゴム弾性体の内周面側におい
て、軸方向中央部分を周方向に延びる凹所が設けられて
いると共に、前記樹脂部材の接合部に対して、かかる凹
所内に入り込む凸部が設けられていることにことによ
り、かかるゴム弾性体の軸方向中央部分が軸方向両側部
分に比して薄肉化されている摺動型ゴムブッシュをも、
その特徴とするものである。
さらに、本発明においては、そのような摺動型ゴムブッ
シュを製造するに際して、前記樹脂部材を形成するため
の所定の成形用型内において、前記軸金具と前記レース
金具とを配置せしめて、該軸金具の前記摺動凸面と該レ
ース金具の内周面との間に、前記摺動部を形成するため
の成形空間を画成する一方、かかるレース金具の外側
に、前記ゴム弾性体を配置せしめて、該レース金具の外
周面と該ゴム弾性体の内周面との間に、前記接合部を形
成するための成形空間を画成すると共に、前記レース金
具に対して、該接合部の成形空間を前記摺動部の成形空
間に連通せしめる通孔を設け、そして、前記樹脂部材を
形成するための所定の合成樹脂材料を、かかるレース金
具と前記ゴム弾性体との間を通じて、前記接合部の成形
空間内に射出、充填すると共に、該合成樹脂材料を、前
記レース金具に設けられた通孔を通じて前記摺動部の成
形空間内にまで導いて充填せしめることにより、目的と
する前記樹脂部材を形成すると同時に、該樹脂部材の外
周面に対して前記ゴム弾性体を接着せしめるようにした
摺動型ゴムブッシュの製造方法をも、その特徴とするも
のである。
(実施例) 以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発
明の実施例について、図面を参照しつつ、詳細に説明す
ることとする。
先ず、第1図には、本発明に従う構造とされた摺動型ゴ
ムブッシュの一具体例が示されている。かかる図に示さ
れているように、本実施例における摺動型ゴムブッシュ
にあっては、略円筒形状を呈する軸金具10の径方向外側
に、全体として略円筒形状を呈するレース金具12と、略
厚肉円筒形状を呈するゴム弾性体14とが、それぞれ、径
方向に所定距離を隔てて、互いに同心的に配されている
と共に、かかるレース金具12に対して、その内外周面に
跨って位置する状態で、樹脂部材15が固着されている。
そして、該樹脂部材15のうちレース金具12の内周面側に
存在する部分によって、軸金具10に対して摺動可能に嵌
合する摺動部16が構成されている一方、該樹脂部材15の
うちレース金具12の外周面側に存在する部分によって、
ゴム弾性体14に対して固着される接合部18が構成されて
いる。
より詳細には、かかる摺動型ゴムブッシュを構成する軸
金具10にあっては、第2図にも示されているように、全
体として円筒形状を呈しており、その軸方向中央部分に
は、球面形状をもって外方に突出する球状凸部24が一体
的に形成されている。そして、該球状凸部24の外周面
が、球面状の摺動凸面26とされている。
また、該軸金具10の外側に配されたレース金具12は、そ
れぞれ、略円筒形状を呈する一対の分割筒体28、28によ
って構成されている。かかる分割筒体28にあっては、第
3図にも示されているように、上記軸金具10における球
状凸部24の外径よりも所定寸法大きな内径を有している
と共に、軸方向中間部位において、径方向内方に所定高
さで突出する環状の突出片30を、一体的に備えている。
そして、これら一対の分割筒体28、28が、それぞれ、軸
金具10の軸方向両側から外挿されて、軸方向一方の端面
で互いに当接するように組み合わされることにより、少
なくとも軸金具10における球状凸部24の外周面を覆い得
る長さの円筒形状をもって形成されて、該軸金具10の径
方向外側に同心的に配置せしめられているのである。
さらに、このレース金具12にあっては、その内径が、軸
金具10における球状凸部24の外径よりも所定寸法大きく
されていることによって該球状凸部24の外周面とレース
金具12の内周面との間に環状の空間が形成されると共
に、かかる環状空間の軸方向両側が上記突出片30、30に
よって狭窄されて、略閉塞せしめられている。また、レ
ース金具12を構成する分割筒体28、28には、それぞれ、
かかる球状凸部24とレース金具12との間に形成された環
状空間内に開口する、周方向に連続した嵌合溝31が形成
されていると共に、かかる環状空間内をレース金具12の
外周側に連通する、壁部を貫通して延びる通孔32が形成
されている。
また、前記ゴム弾性体14は、第4図にも示されているよ
うに、軸金具10やレース金具12とは別部材として、予め
加硫成形されたものであって、全体として略厚肉円筒形
状を呈しており、レース金具12の径方向外側に同心的に
配置せしめられている。なお、該ゴム弾性体14の外周面
には、円筒形状の取付金具22が加硫接着されている。
そして、このゴム弾性体14にあっては、その内径が、前
記レース金具12の外径よりも所定寸法大きくされてお
り、それによって該レース金具12の外周面とゴム弾性体
14の内周面との間に、環状の空間が形成されるようにな
っている。また、かかるゴム弾性体14の内周面には、軸
方向中央部分において、略球状凹面をもって周方向に連
続して延びる凹所34が形成されており、該凹所34の形成
部位において、かかるゴム弾性体14が薄肉化されてい
る。更にまた、該ゴム弾性体14の軸方向両端面には、そ
れぞれ、略半円形状をもって周方向に延びる凹溝36が設
けられている。
また、前記レース金具12に固着された樹脂部材15のう
ち、該レース金具12の内周面側に位置せしめられた摺動
部16にあっては、略円環状乃至は円筒状を呈しており、
球状凸部24とレース金具12との間に形成された環状の空
間内に配設され、該球状凸部24の摺動凸面26とレース金
具12の内周面との間に介装せしめられている。そして、
かかる摺動部16は、その外周面が、レース金具12の内周
面に形成された嵌合溝31内に嵌合されて固着されている
一方、その内周面が、球状凸部24の摺動凸面26に対し
て、僅少なクリアランスをもって位置せしめられる摺動
凹面38とされて、かかる球状凸部24を球面摺動可能に保
持せしめている。また、かかる摺動部16は、その内周面
側において、該内周面を全面に亘って覆うようにして固
着された円筒状の摺動布39を一体的に有しており、該摺
動布39によって摺動凹面38が構成されている。
また一方、かかるレース金具12の外周面側に位置せしめ
られた接合部18にあっては、略円筒状を呈しており、レ
ース金具12とゴム弾性体14との間に形成された環状の空
間内に配設され、該レース金具12の外周面とゴム弾性体
14の内周面との間に介装せしめられている。そして、か
かる接合部18は、その内周面が、レース金具12の外周面
に対して固着されている一方、その外周面が、ゴム弾性
体14の内周面に対して接着されることによって、該ゴム
弾性体14をレース金具12に対して接合せしめている。ま
た、かかる接合部18には、軸方向中央部分において、径
方向外方に突出し、ゴム弾性体14の凹所34内に嵌り込む
凸部40が一体的に形成されている。
また、ここにおいて、これら摺動部16と接合部18とは、
レース金具12に設けられた通孔32を通じて接続されて、
一体的な樹脂部材15として構成されているのであり、そ
れによって摺動部16および接合部18が、レース金具12に
対して機械的(形状的)に強固に固着されていると共
に、レース金具12を構成する分割筒体28、28が一体的に
連結されているのである。
更にまた、軸金具10とレース金具12との軸方向両側端部
間には、それぞれ、環状のゴム製ダストカバー41が装着
されており、前記軸金具10における球状凸部24の摺動凸
面26と前記摺動部16の摺動凹面38との間の摺動面間への
ごみや泥水等の侵入が防止され得るようになっている。
ところで、このような構造の摺動型ゴムブッシュにおい
て、前記樹脂部材15を形成するに際しては、例えば、下
記の如き製造手法が、好適に採用されることとなる。
先ず、第5図に示されているように、軸金具10の軸方向
両側から、レース金具12を構成する分割筒体28、28をそ
れぞれ外挿せしめた後、それら軸金具10および分割筒体
28,28を、樹脂部材を形成するための所定の成形用型42
内に収容すると共に、別途加硫成形せしめたゴム弾性体
14を、かかる分割筒体28,28の外側に収容配置せしめ
て、それら軸金具10、レース金具12およびゴム弾性体14
を、下型44と上型46、48によって、互いに同心的に保持
してセットせしめる。即ち、このようなセット状態下、
軸金具10の球状凸部24と分割筒体28,28との間には、前
記摺動部16を形成するための成形空間56が、また分割筒
体28,28とゴム弾性体14との間には、前記接合部18を形
成するための成形空間54が、それぞれ画成されることと
なる。
また、このとき、軸金具10における球状凸部24の外周面
上に、前記摺動布39を外挿配置せしめる。なお、この摺
動布39は、ポリ弗化エチレン系繊維等の低摩擦材料から
成る100〜10000デニール程度の糸を、1インチ当たり20
〜200本程度の密度で織成したもの等が、好適に採用さ
れる。また、かかる摺動布39として、内周面側にポリ弗
化エチレン系繊維が、外周面側にポリエステル系繊維
が、それぞれ現れるように交織した二重織物や、或いは
織成した布に対して、フェノール樹脂やエポキシ樹脂等
を用いた接着処理を施したり、ナイロン樹脂等を含浸せ
しめたものなどを採用すれば、後述の樹脂材料との接合
が、一層確実に且つ強固に行なわれ得る。
更にまた、ゴム弾性体14の内周面に対して、後述の樹脂
材料との接合のために、適当な接着剤、例えばケムロッ
ク系接着剤等を、予め塗布しておくことが望ましい。な
お、分割筒体28,28にあっては、樹脂材料との接合が機
械的(形状的)にも為されることから、特別な接着処理
は、必ずしも必要ではない。
そして、かかる状態下で、第6図に示されているよう
に、樹脂部材15を形成する所定の樹脂材料50を、成形用
型42のスプルー52を通じて、分割筒体28,28とゴム弾性
体14との間に形成された成形空間54内に、その軸方向一
方の側から射出、充填せしめる。即ち、それによって、
かかる樹脂材料50は、かかる成形空間54を満たし、更に
各分割筒体28の通孔32を通じて、該分割筒体28と軸金具
10の球状凸部24との間に形成された成形空間56内に導か
れて、該成形空間56内にも充填されるのである。
なお、かかる樹脂材料50としては、ナイロンを始めとす
る各種の熱可塑性或いは熱硬化性の合成樹脂を採用する
ことが可能であるが、得られる樹脂部材15の機械的強度
を確保して、ブッシュの耐荷重性能を向上させるため
に、ガラス繊維やカーボン繊維、芳香族ポリアミド(ケ
ブラー)繊維等が混入された繊維強化樹脂が、好適に用
いられる。
このような樹脂材料50の射出成形操作により前述の如き
樹脂部材15が形成され、成形空間54内において前記接合
部18が、また成形空間56内において前記摺動部16が、そ
れぞれ形成される。また、そこにおいて、これら接合部
18と摺動部16とは、各分割筒体28に設けられた通孔32を
通じて一体的に構成され、更に該摺動部16は、各分割筒
体28の内周面に形成された嵌合溝31内に嵌合されること
となるところから、その成形と同時に、それら接合部18
および摺動部16によって、両分割筒体28、28が連結、一
体化されてレース金具12が構成されると共に、かかる接
合部18および摺動部16が、それぞれ、分割筒体28,28の
内外周面に対して強固に固着せしめられるのである。
また、これら摺動部16および接合部18の形成に際して、
かかる摺動部16の内周面には、その形成と同時に、前記
摺動布39が、樹脂材料50の熱や注入圧力および摺動布39
に塗布した接着剤等によって、一体的に固着せしめられ
る一方、接合部18の外周面には、その形成と同時に、前
記ゴミ弾性体14が、樹脂材料50の熱やゴム弾性体14の内
周面に塗布された接着剤によって、一体的に接着せしめ
られることとなる。
そうして、かかる摺動部16にあっては、その外周面がレ
ース金具12の内周面に固着された状態で、冷却固化に伴
う収縮が惹起されるところから、かかる樹脂の収縮がレ
ース金具12に引っ張られるようにして内周面側に生じる
こととなり、それによって該摺動部16の内周面(摺動凹
面)38と軸金具10の外周面(摺動凸面)26との間に、均
一で且つ僅少なクリアランスが形成され得るのである。
そして、上述の如き構造とされた摺動型ゴムブッシュに
あっては、図示はされていないが、軸金具10の内孔20内
に、防振連結されるべき一方の部材が挿通固定される一
方、防振連結されるべき他方の部材に対して、ゴム弾性
体14の外周面に固着された円筒状の取付金具22が圧入固
定されることにより、装着されるのであり、それによっ
て防振連結されるべき両部材を、ブッシュ軸心回りおよ
びブッシュ軸心に対して傾斜した方向に、互いに揺動乃
至は回動可能に防振連結せしめることとなる。
そこにおいて、上述の如く構成された摺動型ゴムブッシ
ュにあっては、レース金具12に対するゴム弾性体14の接
着が、該レース金具12の外周面上に固着された接合部18
を介して為されることとなるところから、かかるゴム弾
性体14の接着のためにレース金具12に対してサンドブラ
スト等の粗面化加工を施す必要がなく、ブッシュ製作に
際しての工数削減と作業の著しい簡略化が達成され得る
のであり、そのような粗面化加工に起因する摺動性の阻
害等といった問題が完全に回避され得るのである。
また、かかる接合部18にあっては、レース金具12の内周
面側に位置せしめられた摺動部16と一体構造とされた樹
脂部材15にて構成されていることから、レース金具12に
対して特別な接着処理を施すことなく、該レース金具12
に対する固着強度を、有利に得ることができるのであ
る。
更にまた、本実施例における摺動型ゴムブッシュにあっ
ては、摺動凹面38を構成する摺動部16の内周面上に摺動
布39が配されていることから、かかる摺動凹面38におけ
る摺動性を充分に確保しつつ、該摺動部16(樹脂部材1
5)の形成材料として、摺動性の劣る繊維強化樹脂を採
用することができるのであり、それによって優れた耐荷
重性能が発揮され得ることとなる。
また、本実施例における摺動型ゴムブッシュにあって
は、接合部18の軸方向中央部分において、外方に突出し
てゴム弾性体14に設けられた凹所34内に入り込む凸部40
が形成されていることから、該凸部40の突出高さや大き
さ等を調節することにより、得られるゴムブッシュにお
ける軸直角方向と軸方向或いはこじり方向とのばね比
を、適宜チューニングすることができるといった利点を
も有しているのである。
さらに、そのような摺動部16と接合部18とを構成する樹
脂部材15を、上述の如き手法に従って形成するようにす
れば、該樹脂部材15の形成と同時に、分割筒体28、28が
連結一体化されてレース金具12が構成され得ると共に、
該レース金具12に対する摺動部16および接合部18の固
着、更には摺動部16と軸金具10との間における摺動面の
形成や、接合部18とゴム弾性体14との固着などが、極め
て優れた作業性をもって有利に為され得るのである。
また、このようにして樹脂部材15を形成すれば、その形
成と同時に、樹脂部材50の射出圧力によって、ゴム弾性
体14に対して予備圧縮を及ぼすことが可能であり、絞り
加工等の後加工が不要となるといった利点も存するので
ある。なお、その際、第5図に示されているように、ゴ
ム弾性体14の軸方向両端面に設けられた凹溝36により、
樹脂の射出圧力によってゴム弾性体14が変形せしめられ
た際の逃げ空間を確保するようにすれば、かかるゴム弾
性体14に対する予備圧縮が、より有効に及ぼされ得るこ
ととなる。
更にまた、上述の如き製造手段に従えば、レース金具12
に対して接合されるゴム弾性体14を、別工程において予
め加硫成形することができることから、かかるゴム弾性
体14の成形用型に対して、それ程高い寸法精度が要求さ
れるようなこともないのである。
以上、本発明の実施例について詳述してきたが、これは
文字通りの例示であって、本発明は、かかる実施例に示
された摺動型ゴムブッシュの具体的構造およびその具体
的な製造方法にのみ、限定して解釈されるものではな
い。
例えば、前記実施例では、レース金具12が、一対の分割
筒体28,28にて構成されており、それらが樹脂部材15に
て連結されるようになっていたが、それら分割筒体28、
28を螺着構造等によって一体化するようにしても良く、
更には、第7図に示されている如く、かかるレース金具
12を、その軸方向両側の内周面に対して、一対の環状の
樹脂止め金具60、60が嵌着固定されて成る、一体的な円
筒体にて構成するようにしても良い。なお、かかる第7
図中においては、その理解を容易とするために、前記実
施例と同様な構造とされた部材および部位に対して、そ
れぞれ、同一の符号を付しておくこととする。
さらに、前記実施例では、軸金具10における摺動凸面26
と摺動部16における摺動凹面38とが、それぞれ、球面形
状にて形成されて成る、所謂球面摺動型のゴムブッシュ
に対して、本発明を適用したものの一具体例を示した
が、その他、例えば、軸金具における摺動凸面と摺動部
における摺動凹面とが、それぞれ、円筒面形状にて形成
され、それらの摺動面間でブッシュ軸心回りの摺動のみ
が許容され得るようにされた、所謂回転摺動型のゴムブ
ッシュに対しても、本発明は、同様に適用され得ること
となる。
また、摺動部16の内周面上への摺動布39の配設は、必ず
しも必要ではない。
更にまた、ゴム弾性体14の軸方向中央部分に対して形成
された、接合部18に設けられた凸部40が入り込む凹所34
は、ゴムブッシュに要求されるばね特性に応じて設けら
れるものであって、必ずしも設ける必要はない。
また、ゴム弾性体14の外周面に固着された取付金具22
は、本発明に必須のものではなく、例えば、かかるゴム
弾性体14を、自動車のサスペンションロッドに設けられ
たアームアイ等の装着孔内に、直接に嵌め込んで装着さ
れるようにしても良い。
さらに、樹脂部材15の形成方法は、前記実施例の如き手
法に限定されるものではなく、例えば、レース金具12
(分割筒体28)の突出片30を軸方向に貫通する注入孔を
設けて、該注入孔から樹脂材料を注入することにより、
摺動部16の成形空間56内から接合部18の成形空間54内に
回り込ませて充填することも可能であり、或いはゴム弾
性体14を径方向に貫通する注入孔を設けて、該注入孔か
ら樹脂材料を注入することにより、接合部18の成形空間
54内から摺動部16の成形空間56内に回り込ませて充填す
ることも可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識
に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様
において実施され得るものであり、また、そのような実
施態様が、本発明の主旨を逸脱しない限り、何れも、本
発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでも
ないところである。
(発明の効果) 上述の説明から明らかなように、本発明に従って構成さ
れた摺動型ゴムブッシュにあっては、レース金具の外周
面に対するゴム弾性体の接合が、該レース金具の外周面
上に固着された接合部を介して為されるところから、か
かるゴム弾性体の接合に際して、レース金具にサンドブ
ラスト等の接着処理を施す必要がなく、ブッシュ製作に
際しての工数削減と作業の著しい簡略化が達成され得る
のであり、またそのような粗面化加工に起因する摺動性
の阻害等といった問題が完全に回避され得るのである。
また、摺動凹面を構成する摺動部の内周面上に摺動布を
固着せしめて成る、本発明に係る摺動型ゴムブッシュに
あっては、かかる摺動凹面における摺動性を充分に確保
しつつ、該摺動部の形成材料として繊維強化樹脂を採用
することができるのであり、それによって優れた耐荷重
性能が発揮され得るのである。
更にまた、接合部の軸方向中央部分に、外方に突出して
ゴム弾性体の内周面に設けられた凹所内に入り込む凸部
を形成せしめて成る、本発明に係る摺動型ゴムブッシュ
にあっては、該凸部の突出高さや大きさ等を調節するこ
とにより、ゴムブッシュにおける軸直角方向と軸方向或
いはこじり方向とのばね比を、容易にチューニングする
ことができるのである。
さらに、本発明手法に従えば、レース金具の内外周面に
跨って樹脂部材が有利に形成され得るのであり、且つか
かる樹脂部材の形成と同時に、レース金具に対する摺動
部および接合部の固着、更には摺動部と軸金具との間に
おける摺動面の形成や、接合部とゴム弾性体14との固着
が、極めて優れた作業性をもって有利に為され得るので
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に従う構造とされた摺動型ゴムブッシ
ュの一実施例を示す縦断面図である。第2図は、第1図
に示されている摺動型ゴムブッシュを構成する軸金具を
示す側面図である。第3図は、第1図に示されている摺
動型ゴムブッシュを構成する分割筒体を示す縦断面図で
ある。第4図は、第1図に示されている摺動型ゴムブッ
シュを構成するゴム弾性体を示す縦断面図である。第5
図および第6図は、それぞれ、第1図に示されている摺
動型ゴムブッシュの製造方法を説明するための工程説明
図である。第7図は、本発明に従う構造とされた摺動型
ゴムブッシュの別の実施例を示す、第1図に対応した縦
断面図である。 10:軸金具、12:レース金具 14:ゴム弾性体、15:樹脂部材 16:摺動部、18:接合部 24:球状凸部、26:摺動凸面 28:分割筒体、34:凹所 38:摺動凹面、39:摺動布 40:凸部、42:成形用型 50:樹脂材料 54:接合部用成形空間 56:摺動部用成形空間

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸方向中間部の外周面において、外方に突
    出する摺動凸面を備えた軸金具と、 該軸金具の外側に同心的に配置されて、内周面が、かか
    る軸金具の摺動凸面に対して径方向に所定距離を隔てて
    対向せしめられた筒状のレース金具と、 かかるレース金具の内周面側と外周面側とに跨って位置
    して、該レース金具に対して固着せしめられ、該レース
    金具の内周面側において、前記軸金具の摺動凸面に対し
    て摺動可能に嵌合される摺動凹面を有する筒状の摺動部
    を構成する一方、該レース金具の外周面側において、所
    定面積で広がる接合部を構成する樹脂部材と、 前記レース金具の外側に配置せしめられて、内周面が、
    前記樹脂部材における接合部の外周面に対して接着せし
    められた筒状のゴム弾性体とを、 有することを特徴とする摺動型ゴムブッシュ。
  2. 【請求項2】前記軸金具における摺動凸面および前記樹
    脂部材の摺動部における摺動凹面が、それぞれ、球面形
    状にて形成されていることにより、それらの摺動面間
    で、ブッシュ軸心回りの摺動と、ブッシュ軸心に対して
    傾斜した方向の摺動とが、許容され得るようになってい
    る請求項(1)記載の摺動型ゴムブッシュ。
  3. 【請求項3】前記軸金具における摺動凸面および前記樹
    脂部材の摺動部における摺動凹面が、それぞれ、円筒面
    形状にて形成されていることにより、それらの摺動面間
    で、ブッシュ軸心回りの摺動のみが許容され得るように
    なっている請求項(1)記載の摺動型ゴムブッシュ。
  4. 【請求項4】前記樹脂部材の摺動部における摺動凹面上
    に、摺動摩擦係数の小さい繊維材料から成る筒状の摺動
    布が配されて、一体的に固着せしめられている請求項
    (1)乃至(3)の何れかに記載の摺動型ゴムブッシ
    ュ。
  5. 【請求項5】前記ゴム弾性体の内周面側において、軸方
    向中央部分を周方向に延びる凹所が設けられていると共
    に、前記樹脂部材の接合部に対して、かかる凹所内に入
    り込む凸部が設けられていることにより、かかるゴム弾
    性体の軸方向中央部分が軸方向両側部分に比して薄肉化
    されている請求項(1)乃至(4)の何れかに記載の摺
    動型ゴムブッシュ。
  6. 【請求項6】前記樹脂部材を形成するための所定の成形
    用型内において、前記軸金具と前記レース金具とを配置
    せしめて、該軸金具の前記摺動凸面と該レース金具の内
    周面との間に、前記摺動部を形成するための成形空間を
    画成する一方、かかるレース金具の外側に、前記ゴム弾
    性体を配置せしめて、該レース金具の外周面と該ゴム弾
    性体の内周面との間に、前記接合部を形成するための成
    形空間を画成すると共に、前記レース金具に対して、該
    接合部の成形空間を前記摺動部の成形空間に連通せしめ
    る通孔を設け、そして、前記樹脂部材を形成するための
    所定の合成樹脂材料を、かかるレース金具と前記ゴム弾
    性体との間を通じて、前記接合部の成形空間内に射出、
    充填すると共に、該合成樹脂材料を、前記レース金具に
    設けられた通孔を通じて前記摺動部の成形空間内にまで
    導いて充填せしめることにより、目的とする前記樹脂部
    材を形成すると同時に、該樹脂部材の外周面に対して前
    記ゴム弾性体を接着せしめることを特徴とする請求項
    (1)記載の摺動型ゴムブッシュの製造方法。
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