JPH07327596A - 常温流通チーズの製造方法 - Google Patents

常温流通チーズの製造方法

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JPH07327596A
JPH07327596A JP14542694A JP14542694A JPH07327596A JP H07327596 A JPH07327596 A JP H07327596A JP 14542694 A JP14542694 A JP 14542694A JP 14542694 A JP14542694 A JP 14542694A JP H07327596 A JPH07327596 A JP H07327596A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 常温下での流通を可能としたプロセスチーズ
の製造方法を提供する。 【構成】 加熱攪拌して流動性をもたせたプロセスチー
ズを、通気性を有するケーシング内に腸詰状に充填し、
この腸詰状態で乾燥してプロセスチーズの水分活性を
0.94以下に設定するものであり、保存性と食感や風
味を考慮すると、好ましくは水分活性を0.91〜0.
94とし、水分含有率を33〜38%とするものであ
る。乾燥は、0℃〜8℃の低温下でのファンを用いた冷
却強制乾燥や冷却自然乾燥がよい。 【効果】 乾燥の際チーズ表面はケーシングで被覆され
ており、チーズが直接空気と触れることがなく、空気中
の微生物と接触する機会が少ないので衛生的であるとと
もに、チーズ表面のみが乾燥することなく、中心部まで
ムラなく全体的に均一に乾燥することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷蔵が不要で常温下で
流通可能なプロセスチーズの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にプロセスチーズは、5℃以下の温
度で保管しないと、カビや乳酸菌をはじめとする有害微
生物が繁殖するため、常温下での流通は困難であった。
ナチュラルチーズでは、有害微生物の繁殖しない低水分
や塩蔵状態として、常温下での流通を可能とすることも
できるが、プロセスチーズの場合には、低水分や塩蔵状
態とすると味覚的に劣ったものとなってしまう。従来、
例えばプロセスチーズの原料チーズとなるナチュラルチ
ーズに油脂や粉体等を添加して低水分化し、これを乳化
したものがあるが、原料チーズの低水分に起因する組織
のもろさや、添加した油脂や粉体の味が強く出て、チー
ズ本来の風味を損なうものであった。
【0003】本発明者は、チーズの常温流通に関連する
技術として、上下の魚肉シートにプロセスチーズを挟ん
で加熱圧着し、水分含有率を33〜38%に設定するよ
う乾燥し、細く裁断して、脱酸素剤とともに包装袋に封
入することにより、良好な味覚を保つとともに、常温下
での流通を可能とした嗜好品の製造方法を開発した(特
公平1−13340号公報参照)。また、プロセスチー
ズ自体の水分活性を0.94以下に設定することによ
り、安定した状態でプロセスチーズを常温下で流通させ
ることができることに思い到ったが、一般に40〜45
%の水分含有率であるプロセスチーズを、単体で常温流
通させるために、上述の水分活性に適合するように乾燥
すると、従来行われているチーズを直接乾燥する乾燥方
法では、チーズ全体を均一的に乾燥することが困難で、
チーズ表面のみが必要以上に乾燥されて固くなるととも
に、変色してしまい、滑らかな食感を欠くばかりか、見
栄えも悪いものとなり、商品価値のないものになってし
まう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来は、
プロセスチーズそのものを均一的に乾燥することが困難
だったので、プロセスチーズ単体での流通を常温下で行
うことはできず、5℃以下の温度で保冷流通しなければ
ならなかった。このため、保管や品質管理が煩雑である
という不都合があった。本発明は、新規な乾燥法を採用
することによって、従来不可能であった常温下での流通
を可能としたプロセスチーズの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のプロセスチーズの製造方法は、加熱攪拌して
流動性をもたせたプロセスチーズを、通気性を有するケ
ーシング内に腸詰状に充填し、この腸詰状態で乾燥して
プロセスチーズの水分活性を0.94以下に設定するも
のであり、保存性と食感や風味を考慮すると、好ましく
は水分活性を0.91〜0.94とし、水分含有率を3
3〜38%とするものである。乾燥は、自然乾燥、ファ
ンを用いた強制乾燥で行えばよいが、好ましくは0℃〜
8℃の低温下でのファンを用いた冷却強制乾燥や冷却自
然乾燥がよい。
【0006】また、複数のナチュラルチーズに乳化剤、
必要に応じて調味料やpH調整剤等を添加し、加熱攪拌
して溶解したプロセスチーズとなし、このプロセスチー
ズを通気性を有するケーシング内に充填し、乾燥してプ
ロセスチーズの水分活性を0.94以下として製造して
もよい。
【0007】プロセスチーズに具材を添加したうえ、ケ
ーシング内に充填して乾燥してもよい。この具材として
は、サラミ、アーモンド等の固形物やその粉砕物、七味
唐辛子や粉山葵等の粉末、明太子等のペースト状物、ソ
ースやシロップ等の液状物があり、これらを一種あるい
は複数種、適宜選択して使用することができる。また、
このプロセスチーズを、製品化する際には、ケーシング
内に充填したままの状態でもよいが、ケーシング内から
取り出したうえ、適宜な厚さに切断し、脱酸素剤あるい
は窒素ガス等の不活性ガスとともに包装すると好適であ
る。使用するケーシングの材質としては、植物繊維から
作ったセルロース、プラスチック系の塩化ビニリデン、
牛皮から作った再生コラーゲンを挙げることができ、通
気性を有するとともに、食品衛生法に適合したものを採
用する。
【0008】
【作用】通気性を有するケーシング内に溶解したプロセ
スチーズを充填して乾燥するので、チーズ表面はケーシ
ングで被覆されており、チーズが直接空気と触れること
がなく、空気中の微生物と接触する機会が少ないので衛
生的であるとともに、チーズ表面のみが乾燥することな
く、中心部までムラなく全体的に均一に乾燥して、水分
活性を0.94以下に設定することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の製造方法に関する好適な実施
例を説明する。原料チーズとなるナチュラルチーズは、
ゴーダチーズを70%と、チェダーチーズを30%との
割合で使用し、原料チーズ100%に対して乳化剤とし
てリン酸塩を2〜3%、調味剤としてグルタミン酸ソー
ダを1%、pH調整剤として重曹を1%それぞれ加え、
これらを乳化釜に入れて80〜85℃で5〜8分間、加
熱攪拌して乳化し、溶解状態のプロセスチーズとする。
【0010】溶解状態のプロセスチーズは、公知の充填
機を用いて、通気性を有する、例えばセルロースからな
る直径36mmのケーシング内に腸詰状態に充填し、0
〜5℃に温度調整した冷蔵庫内に吊るして、冷却自然乾
燥を行い、水分活性を0.94以下、好ましくは0.9
1以上0.94以下にするとともに、水分含有率を好ま
しくは33〜38%とする。ここで、水分活性を0.9
4以下にすることにより、微生物の繁殖が抑制されて、
常温下での長期保存が保証されるものであるが、水分活
性が0.91よりも低くなると食感が硬くなるので、
0.91以上に設定することが好ましい。また、水分含
有率が33%よりも低いとチーズ本来のしっとりとした
食感を失い、ぼそぼそとした硬い食感となる一方、水分
含有率が38%を越えると食感が柔らか過ぎるものとな
る。
【0011】そして、通気性を有するケーシングを使用
することにより、ケーシング内に充填したプロセスチー
ズの中心部まで均一的に乾燥され、表面のみが過度に乾
燥して硬くなることがない。このケーシングに充填した
状態のプロセスチーズを、そのままの形態で製品とする
ことも可能であるが、好ましくは、ケーシングを剥がし
て充填したプロセスチーズを取り出し、適宜な形状に切
断し、脱酸素剤あるいは窒素ガス等の不活性ガスととも
に包装袋に封入して製品とする。
【0012】図1は、上述のプロセスチーズを充填した
セルロースからなる直径36mmのケーシングを、0〜
5℃に温度調整した冷蔵庫内に吊るして、48時間の冷
却自然乾燥を行い、水分活性を0.940に設定したも
のをケーシングから取り出して直径36mm、厚さ2m
mにスライスし、脱酸素剤とともに、ガスバリヤー性を
有する包装袋に密封したものを検体(以下検体Aとい
う)とし、この検体Aを8袋作り、恒温恒湿器(気温3
0℃、湿度80%)内に保存して、検査時に2袋ずつ取
り出して試料とし、水分含有率、水分活性、一般生菌数
を測定するとともに、臭い、食感、味に関する官能評価
を行った試験結果を示すものである。一般生菌数の測定
は、平板希釈法により標準寒天培地で30℃、48±3
時間培養後のものについて行った。
【0013】一般生菌数は、1gあたり10の6乗に達
しなければ衛生上問題がないとされており、また、前記
恒温恒湿器(気温30℃、湿度80%)内では、通常の
3倍で経時変化が生起する。したがって、検体Aは、製
造時から通常の環境状態では90日間という長期間にわ
たって、安定した保存状態を維持しており、食感的には
経時的変化による衰えがやや見られるものの、商品とし
て十分通用する程度であり、常温流通が可能なことが理
解できる。
【0014】図2は、水分活性を0.910に設定した
以外は検体Aと同様に製造した検体Bを、検体Aと同一
条件で行った試験結果を示すものである。これによれ
ば、検体Bは常温下で長期間、安定した保存状態を維持
し、製造時の良好な風味も長期間にわたって保持してお
り、常温流通が可能なことは明らかである。
【0015】図3は、水分活性を0.902に設定した
以外は検体Aと同様に製造した検体Cを、検体Aと同一
条件で行った試験結果を示すものである。これによれ
ば、検体Cは常温下で長期間、安定した保存状態を維持
するものの、製造時から食感がやや硬いという評価があ
り、風味的には若干劣るものである。したがって、常温
流通は可能であるが、商品としては通用するものの、や
や劣るものとなる。
【0016】また、図4は、上述のプロセスチーズに、
サラミを適宜な大きさに裁断したものをチーズ固形分の
10%加えたうえ、水分活性を0.920に設定した以
外は、検体Aと同様に製造した検体Dを、検体Aと同一
条件で行った試験結果を示すものである。これによれ
ば、検体Dは常温下で長期間、安定した保存状態を維持
し、製造時の良好な風味も長期間にわたって保持してお
り、常温流通が可能なことは明らかである。
【0017】以上の検査結果から、食品としての安全性
及び食感等の官能評価からして、検体Aでは30日目
(通常環境状態では90日目)に水分活性が0.947
に増加しており、また、検体Cでは食感が製造時にやや
硬いと評価され、30日目(通常環境状態では90日
目)に水分活性が0.907に増加しても同様の評価を
受けていることを考慮すると、余裕をみて、製造時の水
分活性を0.94以下に設定すれば、常温流通が何らの
問題なく可能であることが理解でき、商品価値としては
水分活性が0.91以上あることがより好ましいと理解
できる。
【0018】なお、上述した実施例において、ナチュラ
ルチーズに換えて当初からプロセスチーズを使用しても
よい。また、溶解したプロセスチーズをケーシングに充
填する前の適宜な段階で加える具としては、、サラミ、
アーモンド等の固形物やその粉砕物のほか、粉末、ペー
スト状物、液状物の適宜な一種あるいは複数種の具材で
もよく、この具を加えた場合には、プロセスチーズと具
の味わいがマッチした良好な味覚となる。
【0019】さらに、本発明に使用するケーシングは、
セルロースに限らず、上述したように、通気性を有する
とともに食品衛生法に適合する材質であればいかなるも
のでもよい。また、ケーシングの直径は、10〜100
mm程度であれば均一な乾燥が保証される。さらにま
た、使用するナチュラルチーズもゴーダチーズとチェダ
ーチーズの組み合わせに限らないことはもちろんであ
る。
【0020】
【発明の効果】以上詳細に説明したところで明らかなよ
うに、本発明によれば、通気性を有するケーシング内に
プロセスチーズを充填して、水分活性が0.94以下と
なるよう乾燥することにより、次のような効果を奏する
ことができる。第1に、長期間にわたって常温下での安
定した保存が可能であり、かつ本来のプロセスチーズの
風味を賞味できる。第2に、ケーシングの径の大きさに
関係なく中心部まで均一に乾燥可能であり、水分調節が
容易である。第3に、サラミやアーモンド等の添加物の
選択に制約を受けることがなく、バラエティーに富んだ
味覚のプロセスチーズが得られる。第4に、製品化にあ
たっては、少なくとも乾燥が終了するまで、ケーシング
で被覆されているので、プロセスチーズが直接外気に触
れる時間が短く、有害微生物が繁殖する機会が少なくて
衛生的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で製造した検体Aの保存試験の結果を示
す図である。
【図2】本発明で製造した検体Bの保存試験の結果を示
す図である。
【図3】本発明との比較例として製造した検体Cの保存
試験の結果を示す図である。
【図4】本発明で製造した検体Dの保存試験の結果を示
す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱攪拌して溶解したプロセスチーズ
    を、通気性を有するケーシング内に充填し、乾燥してプ
    ロセスチーズの水分活性を0.94以下としたことを特
    徴とする常温流通チーズの製造方法。
  2. 【請求項2】 複数のナチュラルチーズに乳化剤を添加
    し、加熱攪拌して溶解したプロセスチーズとなし、この
    プロセスチーズを通気性を有するケーシング内に充填
    し、乾燥してプロセスチーズの水分活性を0.94以下
    としたことを特徴とする常温流通チーズの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の常温流通チーズ
    の製造方法において、乾燥したプロセスチーズの水分活
    性を0.91〜0.94に設定したことを特徴とする常
    温流通チーズの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載の常温流通チ
    ーズの製造方法において、乾燥したプロセスチーズの水
    分含有率を33〜38%に設定したことを特徴とする常
    温流通チーズの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載の常温流
    通チーズの製造方法において、適宜な一種あるいは複数
    種の具材を添加したうえ、プロセスチーズを通気性を有
    するケーシング内に充填して乾燥することを特徴とする
    常温流通チーズの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012029713A1 (ja) * 2010-08-31 2012-03-08 雪印メグミルク株式会社 チーズ類及びその製造方法
JP2013212056A (ja) * 2012-03-30 2013-10-17 Morinaga Milk Ind Co Ltd 常温流通可能なプロセスチーズ類の製造方法およびプロセスチーズ類の流通方法

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