JPH07330631A - デンドリマーおよび活性物質からなる組成物、その製造方法および組成物から活性物質を放出する方法 - Google Patents

デンドリマーおよび活性物質からなる組成物、その製造方法および組成物から活性物質を放出する方法

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JPH07330631A
JPH07330631A JP7128457A JP12845795A JPH07330631A JP H07330631 A JPH07330631 A JP H07330631A JP 7128457 A JP7128457 A JP 7128457A JP 12845795 A JP12845795 A JP 12845795A JP H07330631 A JPH07330631 A JP H07330631A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 活性物質をデンドリマー中に吸蔵しており、
かつその活性物質の放出の開始の時間および放出の持続
期間を制御することができる組成物を提供すること 【構成】 デンドリマーおよびデンドリマー中に吸蔵さ
れた活性物質からなる組成物において、デンドリマーの
末端基が遮断剤を備えていることを特徴とするデンドリ
マーおよびデンドリマー中に吸蔵された活性物質からな
る組成物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、末端基を有するデンド
リマーおよびデンドリマー中に吸蔵される活性物質から
なる組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】デンドリマーとは十分に定義された化学
構造を有する3次元的に高度に分枝したオリゴマーおよ
びポリマー分子である。一般にデンドリマーは、コア、
いくつかのジェネレーションの分枝部分および末端基か
らなる。分枝部分のジェネレーションは、デンドリマー
コアから外側に延びる繰り返し構造単位から構成され
る。Nthジェネレーションのデンドリマーの末端基は、
th(最終)ジェネレーションの官能基である。
【0003】分枝部分の間にはキャビティがある。この
キャビティの形状および寸法は、このジェネレーション
および繰り返し構造単位の化学組成および構造に依存し
て変化する。デンドリマーの製造の間に、分枝の程度お
よび分枝部分の間のキャビティの形状および寸法は影響
される。これは、たとえば繰り返し構造単位の変化によ
り、分枝の程度の増大または減少によりまたは分枝部分
中への中断部の導入により達成することができる。
【0004】欧州特許(EP−B)第271180号明
細書から、農学的、調剤学的およびその他の材料のキャ
リアとしてのデンドリマーの使用については公知であ
る。このような担持される材料は、多様な方法でデンド
リマーを用いて組み合わせることができる。たとえば、
担持される材料は、デンドリマーのキャビティ中に内包
されることができる。高度なジェネレーションのデンド
リマーは、多数の末端基を有しており、この末端基は空
間的に分子バリアーを形成するように相互に封鎖し、そ
の結果、担持される材料のデンドリマーからの放出は制
御された拡散である。
【0005】この技術から公知のこのような組成物の欠
点は、デンドリマーの外面の封鎖が不十分であり、その
結果、担持された材料の放出を開始する時間は制御する
ことができない。この技術から公知の抱合体は、さら
に、担持される材料がデンドリマー中に吸蔵されず、抱
合体を溶剤で洗浄する際に洗い落とされてしまい、デン
ドリマーからの担持された材料が実際に不変に拡散する
という欠点を有する。さらに、このような組成物は、さ
らに、担持された材料が必然的にデンドリマーの内部構
造内にあるのではなく、デンドリマーの表面上に存在す
るという欠点を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、活性
物質をデンドリマー中に吸蔵しており、かつその活性物
質の放出の開始の時間および放出の持続期間を制御する
ことができる組成物を提供することであった。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題は、本発明に従
って、デンドリマーの末端基が遮断剤を備えていること
により達成される。
【0008】本発明による組成物は、デンドリマー中に
吸蔵されず、たとえばデンドリマーの表面に存在する不
所望な化合物を、たとえば洗浄または透析により容易に
除去することができるという利点を提供する。
【0009】本発明による組成物中で、活性物質はデン
ドリマーに化学的に結合しているのではない。本発明に
よるこの活性物質は、本質的にデンドリマー中に物理的
に吸蔵されている。このことは、活性物質およびデンド
リマーを化学的に変性しないという利点を提供する。本
発明による組成物中で、活性物質は外側表面ではなく樹
枝型巨大分子の内部構造中に収容および保有される。
【0010】本発明により、活性物質の分子は完全にま
たは部分的に吸蔵することができる。後者の場合に、分
子の一部は吸蔵され、一方、他の部分は樹枝型巨大分子
から外側に延びる。
【0011】NMRスペクトル分析により測定された緩
和時間から、意想外に、遮断剤からなる表面層は固体状
態の特性を示すことが見出された。
【0012】意想外に、活性物質はしばしば本発明によ
るデンドリマー中に吸蔵されることにより安定化される
ことも見出された。たとえば着色剤はデンドリマー中に
吸蔵された後、光に対してより高い堅牢性を示すことが
判明した。ラジカルの寿命はデンドリマー中に吸蔵され
た後、かなり延長されることが判明した。
【0013】本発明により、遮断剤は、立体的に充分な
サイズの化合物であり、この化合物はデンドリマーの末
端基と容易に化学的結合を結び、およびデンドリマーか
ら取り除くこともできまたはデンドリマーの化学構造
(たとえば分子構造)および活性物質に影響を与えずに
変性させることができる。
【0014】遮断剤は、多様な方法でデンドリマーと、
たとえば共有結合、水素結合またはイオン結合により結
合することができる。
【0015】本発明による適当な遮断剤は、デンドリマ
ーから取り除くことができ、またはたとえば化学反応、
中性、酸性または塩基性媒体中での加水分解、水素化、
熱の影響下での反応、光化学的反応、フッ化物の存在で
の反応、レトロミヒャエル反応により変性することがで
きる化合物である。
【0016】本発明の適当な遮断剤は、たとえば分枝ま
たは非分枝のミヒャエルアクセプター(Michael accept
ors)、活性エステル、光学活性または不活性アミノ
酸、核酸、多糖類、イソシアナート、アジリジン、酸ク
ロリド、無水物、アルデヒド、ケトン、アクリラート、
キラルエポキシド、ラクトン、ビスラクチド、10〜2
4個の炭素原子を有する脂肪酸およびポリマーである。
【0017】適当な活性化されたエステル、たとえば活
性化されたカルボニル基を有するエステルの例は、エー
テルおよび/またはチオ基も含有するエステルである。
適当なポリマーの遮断剤の例は、ポリエテン、ポリプロ
ペン、ナイロン4,6、およびナイロン6である。適当
なミヒャエルアクセプターの例は、イソチオシアナー
ト、スルホニルクロリド、ホスホニルクロリド、ポリエ
チレングリコール−4−ノニル−フェニルエーテルアク
リラート、ポリエチレングリコール−フェニルエーテル
アクリラート、ポリエチレングリコール−フェニルエー
テルメタクリラートである。
【0018】本発明による遮断剤の特に有効な種類は、
アミノ酸、たとえばグリシン、アラニン、バリン、ロイ
シン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、ト
リプトファン、セリン、トレオニン、メチオニン、シス
チン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン
酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、ヒスチジンで
ある。
【0019】本発明による遮断剤は、同じかまたは異な
ることができる1個以上の保護基を備えていてもよい。
本発明による適当な保護基は、遮断剤とデンドリマーと
の間の化学結合を分解させずに、ならびにデンドリマー
および活性物質の化学構造に影響を与えずに、遮断剤か
ら容易に取り除くことができる。
【0020】本発明による遮断剤は、部分的にまたは完
全に保護基を備えていることができる。
【0021】本発明による適当な保護基は、たとえば
T.W. Green, Protective Groups inOrganic Synthesis,
John Wiley & Son, New York, 1981 に記載されてい
る。
【0022】本発明による適当な保護基は、たとえば加
水分解可能なエステル、エーテル、チオール基、スルホ
ン酸基、トリチル、シリル、t−ブトキシカルボニル
(BOC)、9−フルオロエニルメチルカルバマート
(FMOC)、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(1
0,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラ
ヒドロチオキサンチル)]メチルカルバマート(DBD
−TMOC)、ベンジルオキシカルボニル(Z)、トリ
メチルシリルエトキシカルボニル(TEOC)、アダマ
ンチルオキシカルボニル(AdMOC)、1,1,4,
4−テトラメチルジシリルアザ−シクロペンテン(ST
ABASE)、ベンゾSTABASE、ベンジルおよび
t−ブチル基である。特に適当な保護基はBOC基であ
る。
【0023】この保護基は、たとえば、化学反応、中
性、酸性または塩基性媒体中での加水分解、水素添加、
熱の影響下での反応、光化学反応、フッ化物の存在での
反応、レトロミヒャエル反応により、変性および/また
は除去することができる。
【0024】本発明により、変性とは、有効な物理的変
性たとえば温度または溶剤の影響下でのデンドリマーの
分子容量の変更および/またはコンホメーションの変更
を意味する。この物理的変性の結果として、デンドリマ
ー中に吸蔵された活性物質の全部または一部を放出する
ことができる。
【0025】本発明による保護基を備えた適当な遮断剤
は、たとえばメチルオキシフラノン、スルホン酸または
BOC基を備えたアジリジン、大型エステル基を備えた
アクリラートおよび1個以上のBOC基を備えたアミノ
酸である。保護基を備えた特に適当な遮断剤は、1個以
上のBOC基を備えたアミノ酸である。
【0026】一般に、特別な遮断剤、保護基または保護
基を備えた遮断剤の選択は、適用するデンドリマーの種
類およびジェネレーションおよび吸蔵される活性物質の
分子のサイズに基づき当業者により決定される。
【0027】本発明による遮断剤を備えているデンドリ
マーの末端基の数は、一般に、適用されるデンドリマー
の種類およびジェネレーションおよび遮断剤の種類およ
び寸法に依存して変化する。実際に、遮断剤を備えた末
端基の数は、この外側表面が実際に封鎖されるように配
慮され、デンドリマーからの活性物質の拡散は実際に不
可能である程度である。
【0028】主として、デンドリマーの末端基または官
能基の少なくとも30%は遮断剤を備えており、しばし
ば少なくとも50%、有利に少なくとも70%または少
なくとも90%が備えている。
【0029】全てのデンドリマーは、原則として本発明
による適当のために適している。適当なデンドリマー
は、Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 29 (1990), pp. 138
-175に記載されている。この刊行物は、特に、ポリアミ
ドアミン(PAMAM)デンドリマーを記載しており、
このコアはアミンまたはアンモニアであり、この分枝部
分は、たとえば次の繰り返し単位:
【0030】
【化1】
【0031】からなる。
【0032】有利に、本発明による組成物中で、WO−
A−9314147およびWO−A−9502008に
記載されたようなデンドリマーが使用される。WO−A
−9314147およびWO−A−9502008に記
載されたポリプロピルアミン(POPAM)デンドリマ
ーは、たとえばジアミノブタンのコアを有している。こ
の分枝部分は、たとえば継続して繰り返し単位:−CH
2−CH2−CH2−Nからなることができる。このよう
なデンドリマーは、高温安定性を有し、多数の有機溶剤
中に良好に溶解し、加水分解に関して良好な安定性を有
し、および容易に得ることができる内部のキャビティお
よびダクトを含有しているという利点を提供する。WO
−A−9314147およびWO−A−9502008
に記載されたポリプロピルアミンデンドリマーは、さら
に多数のジェネレーションが商業規模で容易に製造でき
るという利点を提供する。
【0033】本発明により、分枝部分が、3〜50個の
炭素原子および少なくとも1個のシアニド基を有し、ハ
ロゲンとシアニド基はそれぞれ少なくとも炭素原子3個
以上離れているモノハロゲン化炭化水素化合物からなる
シアン化ハロゲン単位から製造されたデンドリマーを利
用することもできる。
【0034】このようなデンドリマーは、シアン化ハロ
ゲンの求核置換において求核性反応体として作用する1
個以上の官能基を有するコア分子から出発して製造され
る。この官能基は有利に第1級または第2級アミン基で
ある。このようなデンドリマーの製造において、 a) コア分子の実際のそれぞれの置換基をハロゲンシ
アニド単位と反応させ、 b) 次に、実際のそれぞれ組み込まれたシアニド基を
還元してアミンにし、 c) その後、実際のそれぞれのアミン基を、ハロゲン
シアニド単位と反応させる。
【0035】反応工程b)およびc)は、所望のジェネ
レーションの樹枝状巨大分子が得られるまで繰り返され
る。このプロセスは工程b)または工程c)の後で停止
することができる。
【0036】ハロゲンシアニド単位は、有利に1〜20
個のシアニド単位を含有し、ハロゲンは有利に塩素また
は臭素である。
【0037】本発明によるデンドリマーは、異なる機能
を導入することにより完全にまたは部分的に変性するこ
とができる。これはたとえば、最後のジェネレーション
の末端基が、完全にまたは部分的に、場合により触媒の
存在で、適当な反応体と反応することにより行うことが
できる。このような反応体の例は、たとえばWO−A−
9314147およびWO−A−9502008に記載
されている。
【0038】本発明による適当なデンドリマーは、完全
に分枝した構造を有するデンドリマーならびに分枝構造
中に欠陥のあるデンドリマー、分枝の程度が不完全なデ
ンドリマー(その際、分枝の程度は、分枝の数と分枝の
最大可能数との割合であると理解される)、非対称に分
枝したデンドリマー、過度に分枝した分子、高度に分枝
したポリマーおよびコポリマーおよび/または高度に分
枝したブロックコポリマーおよびあまり分枝していない
ポリマーである。
【0039】本発明によるデンドリマーは、有利に対称
的に分枝したデンドリマーである。
【0040】本発明により、たいていは、高いジェネレ
ーションのデンドリマー、たとえば3以上のジェネレー
ションのデンドリマー、有利に4以上のジェネレーショ
ンのデンドリマー、特に5以上のジェネレーションのデ
ンドリマーが使用される。
【0041】本発明による著しく有利な活性物質には、
調剤学的化合物、薬品、農業化学的な、たとえば農薬、
除草剤、殺虫剤、殺菌剤、フェロモン、毒性の物質、パ
ーソナルケアー製品において使用される材料、化粧品、
食品添加物、工業プラスチック用の添加物、たとえば安
定剤および耐炎剤および/または難燃剤製品、キレート
化合物、有機酸、非金属塩のラジカル、セッケン、信号
発生体、たとえば蛍光剤および発光性化合物、信号吸収
体、着色剤、金属、金属化合物、放射性核種、放射性標
識化合物、D−II−A化合物、電子不足化合物および
非金属電子過剰化合物および前記化合物の前駆体が所属
する。
【0042】調剤学的化合物の適当な例は、ステロイ
ド、たとえばビタミン前駆体;胆汁酸;ホルモン;ステ
ロールたとえばメストラノール、エストラジオール、エ
ストロゲン、エストロン;抗生物質たとえばペニシリン
−V、アズロシリン(azlocillin)、テトラサイクリ
ン;神経伝達物質および免疫化学物質、たとえば単クロ
ーン性および多クローン性抗体、たとえばアンチIg、
アンチ−H−レシチン、ヒトIgA、IgGまたはIg
MおよびウシIgGである。
【0043】農業化学物質の適当なものは、化学肥料、
たとえば酸ホスファート、ニトロホスファートおよびス
ルファートである。殺虫剤の適当な例は、塩素化された
炭化水素、たとえばp−ジクロロベンゼン;イミダゾー
ルおよび天然ピレトリンである。除草剤の適当な例は、
カルバマート、フェノールの誘導体、尿素の誘導体であ
る。フェロモンの適当な例は、合成または天然のフェロ
モン、たとえば4−メチル−3−ヘプタノンである。
【0044】食品添加物の適当な例は、香料、芳香剤お
よび強力甘味料たとえばアスパルテーム、サッカリン、
アセスルファム−K、スクラロースである。
【0045】有機酸および非金属塩の適当な例は、モノ
−およびポリカルボン酸、たとえば置換または非置換の
飽和または不飽和の脂肪酸または芳香族酸およびその塩
である。飽和脂肪族モノカルボン酸の適当な例は、ギ
酸、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、n−吉
草酸、カプロン酸である。置換脂肪酸の適当な例は、グ
リコール酸、乳酸、アクリル酸である。ポリカルボン酸
の適当な例は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸およ
びこの塩である。代表的な芳香族酸は、3,5−ジニト
ロ安息香酸、3,5−ジメトキシ安息香酸、4−シアノ
安息香酸およびアニリノナフタレンスルホン酸である。
非金属塩の適当な例は、アニリノナフタレンスルホン酸
のアンモニウム塩である。
【0046】ラジカルまたはラジカル生成剤の適当な例
は、ヘキサメチルイミダゾリウム−1−イルオキシメチ
ルスルファート、ジフェニルピクリルヒドラジル、BP
DA−錯体(α,γ−ビスジフェニレン−β−フェニル
アリル)、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチル
−1−ピペリジニルオキシ)、ドキシル(4,4−ジメ
チル−3−オキサゾリニルオキシ−(4,4−ジメチル
オキサゾリジン−N−オキシル))、プロキシル、プロ
キシルカルボン酸およびこの誘導体である。
【0047】信号吸収体の適当な例は、非線形の光学的
化合物、たとえばp−ニトロジメチルアニリンおよびジ
メチルアミノニトロスチルベン、UV線吸収性化合物、
たとえばアザナフトール化合物およびクリスタルバイオ
レット;蛍光性化合物、たとえばエオシンB(eosine
B)、ロダミドB(rhodaminde B)、フルオレセインお
よびこの誘導体である。
【0048】セッケンの適当な例は、スルファートセッ
ケン;リン酸セッケン、たとえばジフェニルホスホン
酸、フェニルホスホン酸;ピリジンセッケン、たとえば
ドデシルピリジニウムクロリド;アルカリセッケンおよ
び重金属セッケン、たとえばアルミニウム、コバルト、
カルシウム、亜鉛、鉛セッケンである。
【0049】電子不足化合物の適当な例は、励起状態に
おいて電子不足である化合物および共役または非共役の
電子回収基を備えた有機化合物、たとえばカルボン酸
基;アミド基;イミド基;シアノ基、たとえばトリシア
ノエチレン;スルホン基;キノンおよびヒドロキノン、
たとえばテトラシアノヒドロキノンである。
【0050】金属の適当な例は、Handbook of Chemistr
y and Physics, 70th Edition, 1989-1990に示された元
素周期律表の1〜14族からの金属、ランタニドおよび
アクチニドである。1族の代表的な例は、Na、K、R
b、Cs;2族は、Mg、Ca;6族は、Cr、Mo;
9族は、Co、Rh、Ir;10族は、Cu、Ag;1
2族はZn;13族は、Al;14族は、Sn、Pbで
ある。
【0051】たとえば調剤学的化合物および農業化学的
化合物の前駆体の適当な例は、安息香酸、ベンズアルデ
ヒド、フェノール、脂肪族および複素環式アミンおよび
それらの誘導体である。
【0052】活性物質の分子の形状および寸法に依存し
て、当業者はデンドリマーの最も適当なジェネレーショ
ンを選択することができる。POPAMデンドリマーの
場合、たいていジェネレーション4以上のデンドリマー
が用いられる。
【0053】樹枝状巨大分子中に吸蔵することができる
活性物質の分子の数は、特に、デンドリマーの化学的組
成および構造、デンドリマー中のキャビティの形状およ
び寸法、デンドリマーのジェネレーションおよび吸蔵さ
れる活性物質の形状および寸法に依存する。
【0054】本発明により、1種以上の活性物質の1つ
以上の分子は樹枝状巨大分子中に吸蔵される。活性分子
は樹枝状巨大分子上に統計学的に分布させるかまたは樹
枝状巨大分子の特別な部分に集中させることができる。
【0055】本発明は、遮断剤を備えたデンドリマーお
よびデンドリマー中に吸蔵される活性物質からなる組成
物の製造方法に関する。
【0056】M. Maciejewski, J. Macromol. Sci. Che
m. A17 (4), pp. 689-703 (1982)には、デンドリマーの
製造をゲスト分子の存在で行う場合に、理論的にデンド
リマー中に1つ以上のゲスト分子を吸蔵できることが記
載されている。特別なジェネレーションではいくつかの
末端基が存在し、外殻は遮断されており、ゲスト分子に
対してもはや透過性である。
【0057】しかし、この方法の欠点は、ゲスト分子が
デンドリマー中に不可逆に吸蔵されることである。ゲス
ト分子を放出するために、デンドリマーの1つ以上のジ
ェネレーションを除去する必要があり、これは全体のデ
ンドリマー構造の壊変を伴う。
【0058】本発明による方法において、吸蔵すべき活
性物質の量は、デンドリマーを含有する反応混合物に添
加される。活性物質と同時にまたはその後で、適用すべ
き遮断剤の量を添加する。
【0059】この方法は、組成物を活性物質の損失なし
で、洗浄できるかまたは透析にかけることができるとい
う利点を有する。この方法は、さらに、存在する全ての
不所望な物質を、吸蔵された活性物質の損失なしで洗い
落とすことができるという利点を有する。有利に、適用
すべき遮断剤は、活性物質の後に添加される。
【0060】本発明は、活性物質を制御して放出する方
法にも関する。
【0061】これは、本発明により遮断剤または遮断剤
の一部の分解および/または変性により達成される。
【0062】本発明による「遮断剤の変性」とは、遮断
剤を備えたデンドリマー中の物理的相互作用、たとえ
ば、樹枝状分枝部分の間および/またはその中での物理
的相互作用、遮断剤とデンドリマーとの間または遮断剤
相互の間の物理的相互作用および遮断剤中での物理的相
互作用の変性であると理解され、その結果、吸蔵された
活性物質は放出される。たとえば、ポリプロピルアミン
デンドリマーのアミン基の全ておよび一部のプロトン付
加により、分子部分の間の反発作用は増大し、吸蔵され
た活性物質は部分的にまたは完全に放出される。このよ
うな方法は、遮断剤を備えたデンドリマーの構造は損な
われずに残留し、再使用することができる。
【0063】本発明の適当な実施態様により、活性物質
は保護基の分解により放出される。
【0064】本発明の他の実施態様により、活性物質は
最初に保護基の分解により放出され、次に遮断剤の分解
により放出される。
【0065】このような方法は、特別に吸蔵された活性
物質を制御して放出することができるという利点を提供
する。保護基の分解は、たいていは、活性物質の小さい
分子を放出させる。遮断剤の分解は、たいていは活性物
質の大きな分子を放出させる。特に、遮断剤および保護
基のサイズを適切に選択することにより、活性物質の放
出を妨害し、保護基の分解により緩慢な放出の適用を保
証することができる。
【0066】本発明の他の適当な実施態様により、活性
物質は遮断剤の変性により放出され、引き続き保護基お
よび/または遮断剤の分解により放出される。
【0067】本発明による遮断剤の分解および/または
変性のための適当な方法は、たとえば、化学的反応、中
性、酸性または塩基性の媒体中での加水分解、水素添
加、熱の影響下での反応、光化学反応、フッ化物の存在
での反応、レトロミヒャエル反応である。この遮断剤
は、有利に、酸性媒体中での加水分解により除去され
る。前記の方法は、保護基または1つ以上の保護基を備
えた遮断剤の除去のために適している。
【0068】本発明は、次の制限のない実施例中でさら
に詳説される。
【0069】NMRスペクトルは、クロロホルム中で分
光計(Bruker AM400 または VarianGemini 300 分光
計)を用いて測定した。
【0070】ESRスペクトルは、X線バンドおよび標
準測定セルを用いて、分光計(Bruker ER 200D SRC 分
光計)を用いて測定した。温度は温度計(Bunker ER 41
11温度計)を用いて測定した。低温ESRスペクトルは
クロロホルム中で測定した。
【0071】赤外線スペクトルは、分光計(Perkin Elm
er 1600 FT-IR分光計)を用いて測定した。
【0072】比旋光度は旋光計(JASCO DIP 370旋光
計)により測定した。
【0073】
【実施例】例I :3,5−ジニトロ安息香酸の吸蔵 3,5−ジニトロ安息香酸200mgを、第5ジェネレ
ーションのNH2−末端ポリプロピルアミンデンドリマ
ー(64−カスケード:1,4−ジアミノブタン
[4]:(1−アザブチリデン)60:プロピルアミン)
35mg(4.9μmol)およびトリエチルアミン
0.2mlのジクロロメタン10ml中の混合物に添加
した。30分間撹拌した後、N−BOC−L−フェニル
アラニンのヒドロキシスクシンイミドエステル114m
g(0.3mmol)を添加した。一晩中撹拌した後、
この反応混合物をジクロロメタンを用いて50mlまで
希釈し、次いで水30mlで3回洗浄し、飽和炭酸ナト
リウム溶液30mlで3回洗浄した。硫酸ナトリウムの
存在で乾燥させ、残留した液体を蒸発させた後、1H−
NMR分析により、3,5−ジメトキシ安息香酸の15
〜25分子がデンドリマー中に吸蔵されていることが示
された。デンドリマーの約80%を単離することができ
た。
【0074】例II:3,5−ジメトキシ安息香酸の吸
蔵 3,5−ジメトキシ安息香酸200mgを、第5ジェネ
レーションのNH2−末端ポリプロピルアミンデンドリ
マー(64−カスケード:1,4−ジアミノブタン
[4]:(1−アザブチリデン)60:プロピルアミン)
22mg(3.1μmol)およびトリエチルアミン
0.2mlのジクロロメタン10ml中の混合物に添加
した。30分間撹拌した後、N−BOC−L−フェニル
アラニンのヒドロキシスクシンイミドエステル72mg
(0.19mmol)を添加した。一晩中撹拌した後、
この反応混合物をジクロロメタンを用いて50mlまで
希釈し、次いで水30mlで3回洗浄し、飽和炭酸ナト
リウム溶液30mlで3回洗浄した。硫酸ナトリウムの
存在で乾燥させ、残留した液体を蒸発させた後、1H−
NMR分析により、3,5−ジメトキシ安息香酸の15
〜25分子がデンドリマー中に吸蔵されていることが示
された。デンドリマーの約85%を単離することができ
た。
【0075】例III:プロキシルカルボン酸(ラジカ
ル)の吸蔵および放出 プロキシルカルボン酸8mgを、第5ジェネレーション
のNH2−末端ポリプロピルアミンデンドリマー(64
−カスケード:1,4−ジアミノブタン[4]:(1−
アザブチリデン)60:プロピルアミン)59mgおよび
トリエチルアミン0.4mlのジクロロメタン10ml
中の混合物に添加した。室温で30分間撹拌した後、N
−BOC−L−フェニルアラニンのヒドロキシスクシン
イミドエステル191mg(0.53mmol)を添加
した。一晩中撹拌した後、反応混合物をジクロロメタン
で50mlに希釈し、次いで、水30mlで3回および
飽和炭酸ナトリウム溶液30mlで3回洗浄した。硫酸
ナトリウムの存在で乾燥させ、残留した液体を蒸発させ
た後、収率は70%であった。ESR分光分析により、
若干のプロキシルカルボン酸ラジカルがデンドリマー中
に吸蔵されたことが示された。
【0076】次に、プロキシルラジカルを含有するデン
ドリマーを、飽和炭酸ナトリウム溶液50mlで16回
洗浄した。このラジカルに対する信号の強度が洗浄後に
変化しなくなれば、このラジカルがデンドリマー中に吸
蔵されたと仮定することができる。フリーラジカルのス
ペクトルとの比較から、デンドリマー分子1個あたり約
1個のラジカルが吸蔵されていることが推定された。
【0077】次に、ラジカル含有デンドリマー34mg
をジクロロメタン5ml中に溶かし、濃HCl1mlを
添加した。約60時間撹拌した後、水4mlを添加し
た。酸性の水相を、ジクロロメタン5mlを用いて5回
抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、煮沸し、その後、
ESRスペクトルの測定のためにジクロロメタン5ml
を添加した。ESRの測定により、ジクロロメタン溶液
中のプロキシルラジカルの存在が示された。
【0078】ラジカル含有ジクロロメタン溶液を、飽和
炭酸ナトリウム溶液で洗浄した後、ジクロロメタン層中
に遊離プロキシルラジカルは検出されなかった。このこ
とは、デンドリマーから放出されたラジカルだけが炭酸
ナトリウムにより抽出されたことを示している。このこ
とは炭酸ナトリウムはデンドリマー中に吸蔵されたラジ
カルを抽出できないことを示している。
【0079】例IV:ブランク試験A この試験により、プロキシルラジカルがデンドリマーに
化学的に結合しないことが示される。
【0080】この目的のために、プロキシルカルボン酸
10mgをジクロロメタン0.5mlおよびBOC−末
端L−フェニルアラニンを備えた第5ジェネレーション
のNH2−末端ポリプロピルアミンデンドリマー(64
−カスケード:1,4−ジアミノブタン[4]:(1−
アザブチリデン)60:プロピルアミン)の溶液に添加し
た。この混合物を室温で24時間撹拌し、次いでジクロ
ロメタンで5mlに希釈し、水10mlで3回洗浄し、
飽和炭酸ナトリウム溶液10mlで3回洗浄した。
【0081】この混合物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、
煮沸した後、ESRをもちいてプロキシルラジカルを含
有していないデンドリマーが示された。このことは、プ
ロキシルラジカルがアミノ酸と化学的に結合していない
ことを示している。
【0082】例V:ブランク試験B プロキシルカルボン酸(プロキシルラジカル)21mg
(0.12mmol)を、第2ジェネレーションのNH
2−末端ポリプロピルアミンデンドリマー(8−カスケ
ード:1,4−ジアミノブタン[4]:(1−アザブチ
リデン)4:プロピルアミン)10mg(13μmo
l)およびトリメチルアミン0.1mlのジクロロメタ
ン0.25ml中の混合物に添加した。室温で30分間
撹拌した後、N−BOC−L−フェニルアラニンのヒド
ロキシスクシンイミドエステル37mg(0.10mm
ol)を添加した。室温で一晩中撹拌した後、この反応
混合物をジクロロメタンで50mlまで希釈し、次い
で、水30mlで3回、および飽和炭酸ナトリウム溶液
30mlで3回洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥させ、
煮沸した後、収率は81%であった。
【0083】ジクロロメタン中に溶解したデンドリマー
のESRスペクトルは、プロキシルラジカルの痕跡を示
した。このラジカルは飽和炭酸ナトリウム溶液30ml
で5回洗浄させることにより完全に除去することができ
た。
【0084】このことは、プロキシルラジカルがデンド
リマーに化学的に結合しておらず、第2ジェネレーショ
ンのポリプロピルアミンデンドリマーのキャビティがプ
ロキシルラジカルの吸蔵のために小さすぎることを示し
ている。
【0085】例VI:デンドリマー1個あたり多数のプ
ロキシルカルボニル基の吸蔵 プロキシルカルボン酸58mg(0.31mmol)
を、第5ジェネレーションのNH2−末端ポリプロピル
アミンデンドリマー(64−カスケード:1,4−ジア
ミノブタン[4]:(1−アザブチリデン)60:プロピ
ルアミン)22mg(33μmol)およびトリエチル
アミン0.1mlのジクロロメタン0.5ml中の混合
物に添加した。30分間撹拌した後、N−BOC−L−
フェニルアラニンのヒドロキシスクシンイミドエステル
95mg(0.26mmol)を添加した。例IIIに
記載した手順を繰り返した。
【0086】ESRにより、デンドリマー分子1個あた
り8個のラジカルが吸蔵されていることが示された。
【0087】例VII:BOC保護されたロイシン中の
プロキシルカルボン酸の吸蔵 例IIIに記載された手順を繰り返すが、BOC保護さ
れたロイシンのヒドロキシスクシンイミドエステル0.
53mmolをBOC−フェニルアラニンのヒドロキシ
スクシンイミドエステルに代えて使用した。デンドリマ
ー分子1個あたり約1個のプロキシルカルボン酸ラジカ
ルが吸蔵された。
【0088】例VIII−XI 例Iに記載したと同様の手順を繰り返した。第1表中に
は適用量および使用した活性物質が示されている。
【0089】
【表1】
【0090】* UV分光分析を用いた溶剤の極性の
定量のための試料 ** 2,6−ジフェニル−4−(2,4,6−トリフ
ェニルピリジノ)−フェノラート例XII−LXVIII 次の例において、多様な活性物質、たとえばラジカル、
着色剤、メロシアニン着色剤、蛍光化合物、キレート化
合物、アザナフトール化合物(これはデンドリマー中で
の吸蔵によりキラルになる)、電子不足化合物およびピ
リジンセッケンをデンドリマー中に吸蔵した。
【0091】表2中には、使用した活性物質、使用した
デンドリマー、保護されたアミノ酸およびデンドリマー
分子1個あたりに吸蔵された活性物質の量を示してあ
る。
【0092】デンドリマー分子1個あたり活性物質1.
2個までの分子の負荷のための標準的方法 活性物質Xmgを第5ジェネレーションのNH2−末端
ポリプロピルアミンデンドリマー(64−カスケード:
1,4−ジアミノブタン[4]:(1−アザブチリデ
ン)60:プロピルアミン)Ymgおよびトリエチルアミ
ン0.1mlのジクロロメタン10ml中の混合物に添
加した。30分間撹拌した後、N−BOC−L−フェニ
ルアラニンのヒドロキシスクシンイミドエステルを、デ
ンドリマー中のNH2基1個あたり1当量で添加した。
この反応混合物を一晩中撹拌した。次いで、この反応混
合物をジクロロメタン50mlで希釈し、引き続き、水
30mlで3回および飽和炭酸ナトリウム溶液30ml
で3回洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し、残留した液
体を蒸発させた後、活性物質を含有するデンドリマーを
単離した。
【0093】デンドリマー分子1個あたり活性物質1.
2個より多い分子の負荷のための標準的方法 この場合、それぞれトリエチルアミン0.5mlおよび
ジクロロメタン0.5mlを、トリエチルアミン0.1
mlおよびジクロロメタン10mlの代わりに使用し
た。
【0094】
【表2】
【0095】
【表3】
【0096】
【表4】
【0097】a: デンドリマー分子あたりの活性物質
の分子数 b: 物質はデンドリマー中に吸蔵されている。UV吸
収の大きすぎるシフトのために、負荷を定量することが
できなかった。
【0098】c: 物質はデンドリマー中に吸蔵されて
いる。出発材料の不溶性のため、負荷を定量することが
できなかった。
【0099】d: 1,3−ジヒドロ−1,3,3−ト
リメチルスピロ−{2H−インドール−2,3′−[3
H]ナフチ[2,1−b][1,4−オキサジン]} e: 5−クロロ−1,3−ジヒドロ−1,3,3−ト
リメチルスピロ−{2H−インドール−2,3′−[3
H]ナフチ[2,1−b][1,4−オキサジン]} f: 1′,3′−ジヒドロ−1′,3′,3′−トリ
メチル−6−スピロニトロ−[2H−ベンゾピラン−
2,2′−(2H)インドール] g: 1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチルスピ
ロ−{2H−インドール−2,3′−[3H]フェナン
トル[9,10−b][1,4−オキサジン]} h: 5−クロロ−1,3−ジヒドロ−1,3,3−ト
リメチルスピロ−{2H−インドール−2,3′−[3
H]フェナントル[9,10−b][1,4−オキサジ
ン]} ANS=アニリノナフタレンスルホン酸 DPHT=ジフェニルヘキサトリエン 第2表に記載された着色剤が実際にデンドリマー中に吸
蔵されたかはUVスペクトルから推定される。デンドリ
マー中に吸蔵されたN−含有着色剤のUVスペクトル信
号は、遊離の着色剤の信号と比較して明らかなシフトが
見られる。
【0100】ベンガルローズ(Bengal rose)はUVス
ペクトル中の信号および蛍光を示さない。しかし、デン
ドリマー中のベンガルローズの吸蔵後には、明らかな蛍
光スペクトルが観察された。
【0101】エリオクロムブラックT(eriochrome bla
ck T)およびアリザリンイエロー(alizarin yellow)
が実際にデンドリマー中に吸蔵されたことを証明するた
めに、次の試験を実施した。
【0102】試験フラスコに、アセトニトリル中のエリ
オクロムブラックTを充填し、これは赤褐色の溶液であ
った。第2の試験フラスコに、アセトニトリルとエリオ
クロムブラックを含有するデンドリマーとの混合物を充
填した。アセトニトリル中にデンドリマーが溶解しない
場合には、アセトニトリル溶液は無色のままである。こ
の着色剤はガラス表面上に黒色の斑点の形で観察され
る。この溶液は、2時間の超音波処理の後および6週間
の放置の後でも同様に無色のままであった。このこと
は、着色剤が実際にデンドリマー中に吸蔵され、末端基
がBOC基で保護されたフェニルアラニンを備えている
デンドリマーから着色剤は放出されないことを示してい
る。
【0103】例LXIX:ブランク試験C 次の試験を用いて活性物質がアミノ酸に対して化学的に
結合していないことを証明する。
【0104】そのために、N−BOC−L−フェニルア
ラニンのヒドロキシスクシンイミドエステル200m
g、アリザリンイエロー100mgおよびジクロロメタ
ン10mlの混合物を室温で4日間撹拌した。次いで、
アミン−末端の第2ジェネレーションのポリプロピルア
ミンデンドリマー(8−カスケード:1,4−ジアミノ
ブタン[4]:(1−アザブチリデン)4:プロピルア
ミン)50mgを、この混合物に添加し、室温で一晩中
撹拌した。この混合物をジクロロメタンで50mlまで
希釈し、次いで、飽和炭酸ナトリウム溶液30mlで6
回洗浄した。硫酸ナトリウムの存在で乾燥させ、蒸発さ
せた後、デンドリマーを単離した。収率は63%であっ
た。吸蔵されたアリザリンイエローの量は著しく少な
く:デンドリマー1分子あたり0.001分子であっ
た。このことは、アリザリンイエローがアミノ酸と化学
的に結合していないことを示している。
【0105】引き続き、このデンドリマーをジクロロメ
タン中に溶かし、飽和炭酸ナトリウム溶液30mlで再
度4回洗浄した。この溶液を硫酸ナトリウムで乾燥さ
せ、煮沸させた後、吸蔵されたアリザリンイエローの量
は、デンドリマー分子1個あたり0.0001個の分子
であった。
【0106】例LXX−LXXI:金属塩の吸蔵 CuCl2およびFeCl3それぞれ50mgを、ジクロ
ロメタン10ml中の第5ジェネレーションのNH2
末端ポリプロピルアミンデンドリマー(64−カスケー
ド:1,4−ジアミノブタン[4]:(1−アザブチリ
デン)60:プロピルアミン)86mgおよびトリエチル
アミン0.1mlを添加した。30分間撹拌した後、N
−BOC−L−フェニルアラニンのヒドロキシスクシン
イミドエステル310mgを添加した。この反応混合物
を一晩中撹拌した。次いで、この反応混合物をジクロロ
メタンを用いて150mlまで希釈し、十分に飽和炭酸
ナトリウム溶液100mlで6回洗浄した。硫酸ナトリ
ウムで乾燥させ、残留した液体を蒸発させた後、活性物
質を含有するデンドリマーが単離された。この負荷は双
方ともデンドリマー分子1個あたり2個の分子であっ
た。
【0107】例LXXIIおよびLXXIII 第6ジェネレーションのポリプロピルアミンデンドリマ
ー(128−カスケード:1,4−ジアミノブタン
[4]:(1−アザブチリデン)124:プロピルアミ
ン)38mg、t−BOC−アラニンのヒドロキシスク
シンイミドエステル100mgおよびジニトロ安息香酸
227mgの存在で例Iを繰り返した。ニトロ安息香酸
約8分子がデンドリマー中に吸蔵された。デンドリマー
の末端アミン基の約70%がt−BOC−アラニンで変
性された。
【0108】第4ジェネレーションのポリプロピルアミ
ンデンドリマー(32−カスケード:1,4−ジアミノ
ブタン[4]:(1−アザブチリデン)28:プロピルア
ミン)134mg、t−BOC−トリプトファンヒドロ
キシスクシンイミドエステル490mgおよびベンガル
ローズ(Bengale rose)286mgの存在で例Iを繰り
返した。ベンガルピンク約2分子がデンドリマー中に吸
蔵された。デンドリマーの末端基の約71%がt−BO
C−トリプトファンにより変性された。
【0109】例LXXIV:2種の異なる活性物質の吸
蔵および選択的放出 第5ジェネレーションのポリプロピルアミンデンドリマ
ー(64−カスケード:1,4−ジアミノブタン
[4]:(1−アザブチリデン)60:プロピルアミン)
99mg、t−BOC−バリンのヒドロキシスクシンイ
ミドエステル278mgおよびジニトロ安息香酸(活性
物質I)254mgおよびベンガルローズ(活性物質I
I)236mgの存在で例Iを繰り返した。それぞれ、
ジニトロ安息香酸10分子およびベンガルローズ4分子
がデンドリマー中に吸蔵された。
【0110】ギ酸中で2時間還流させ、クロロホルム中
で2日間透析した後、ベンガルローズの負荷はデンドリ
マー分子1個あたり4分子であった。ジニトロ安息香酸
はデンドリマーから完全に除去された。
【0111】塩酸中で2時間還流させ、水中で一晩中透
析した後、ベンガルピンクの負荷はデンドリマー1分子
あたり0.005分子であった。このデンドリマーは第
5ジェネレーションのアミン末端デンドリマーとして回
復した。全てのt−BOC−バリン基はデンドリマーか
ら除去することができる。
【0112】例LXXV: 第5ジェネレーションのポリプロピルアミンデンドリマ
ー(64−カスケード:1,4−ジアミノブタン
[4]:(1−アザブチリデン)60:プロピルアミン)
99mg、t−BOC−バリンのヒドロキシスクシンイ
ミドエステル278mgおよびニトロフェノール(活性
物質I)75mgおよびメチルバイオレット3RAX
(Aldrich)(活性物質II)25および第3a表に示
されたような異なる遮断剤の存在で、例Iを繰り返し
た。
【0113】
【表5】
【0114】* 後処理後、FMOCの50%は失われ
たと推測される。
【0115】活性物質Iは、最初にジメチルホルムアミ
ド中のピペリジン20%の溶液と共にこの接合体を撹拌
し、引き続きエタノール中で6時間透析することにより
選択的に放出される。それぞれニトロフェノール(I)
およびメチルバイオレット3RAX(II)の負荷は第
3b表に示した。
【0116】
【表6】
【0117】次いで、この接合体は6N塩酸の溶液中で
2時間煮沸し、この溶剤を蒸発し、残留した溶液を中和
した。次いで、この抱合体を引き続きエタノール中で透
析させ、水中で透析させた。それぞれニトロフェノール
(I)およびメチルバイオレット3RAX(II)の負
荷は、第3c表に示した。
【0118】
【表7】
【0119】これらの実施例から、異なる寸法の活性物
質を選択的にデンドリマーから放出できることが示され
た。
【0120】この場合、N−FMOC−L−アラニンペ
ンタフルオロフェニルエステルが遮断剤として使用さ
れ、活性物質IおよびIIはピペリジンで処理し、引き
続きそれぞれジメチルホルムアミドおよびエタノール中
で透析した後で放出された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エレン マルレーン モニク デ ブラバ ンダーファン デン ベルク オランダ国 シネン プロフィンツィアレ ヴェーク ツイト 30

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端基を有するデンドリマーおよびデン
    ドリマー中に吸蔵された活性物質からなる組成物におい
    て、デンドリマーの末端基が遮断剤を備えていることを
    特徴とするデンドリマーおよびデンドリマー中に吸蔵さ
    れた活性物質からなる組成物。
  2. 【請求項2】 遮断剤が少なくとも部分的に保護基を備
    えている請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 遮断剤が、分枝および非分枝のミヒャエ
    ルアクセプター、エーテルおよび/またはチオール基を
    も含有する活性エステル、アミノ酸、イソシアナート、
    アジリジン、酸クロリド、無水物、アルデヒド、ケト
    ン、アクリラート、キラルエポキシド、ビスラクチドか
    らなるグループから選択される請求項1または2記載の
    組成物。
  4. 【請求項4】 遮断剤がアミノ酸である請求項1から3
    までのいずれか1項記載の組成物。
  5. 【請求項5】 保護基が加水分解可能なエステル、エー
    テル、チオール基、スルホン酸基、トリチル、シリル、
    BOC、FMOC、DBD−TMOC、Z、TEOC、
    AdMOC、STABASEおよびベンゾSTABAS
    E基からなる範囲から選択される請求項2から4までの
    いずれか1項記載の組成物。
  6. 【請求項6】 保護基がBOC基である請求項5記載の
    組成物。
  7. 【請求項7】 末端基の少なくとも30%が保護基を有
    する遮断剤を備えている請求項2から6までのいずれか
    1項記載の組成物。
  8. 【請求項8】 デンドリマーの末端基の少なくとも70
    %が保護基を有する遮断剤を備えている請求項7記載の
    組成物。
  9. 【請求項9】 組成物が数種の異なる活性物質を含有し
    ている請求項1から8までのいずれか1項記載の組成
    物。
  10. 【請求項10】 活性物質が、調剤学的化合物、農業化
    学物質、パーソナルケア製品において使用される材料、
    化粧品、食品添加物、アスパルテーム、工業プラスチッ
    クの添加剤、信号吸収体、信号発生体、キレート化合
    物、ラジカル、セッケン、着色剤、放射能標識化合物、
    金属、金属化合物、放射性核種、電子不足化合物および
    非金属電子過剰化合物およびこれらの前駆体の範囲に属
    する請求項1から9までのいずれか1項記載の組成物。
  11. 【請求項11】 デンドリマーがポリプロピルアミンデ
    ンドリマーである請求項1から10までのいずれか1項
    記載の組成物。
  12. 【請求項12】 デンドリマーがジェネレーション4ま
    たはそれ以上のデンドリマーである請求項11記載の組
    成物。
  13. 【請求項13】 吸蔵すべき活性物質の量を、デンドリ
    マーを含有する反応混合物に添加し、同時にまたは引き
    続き保護基を備えた遮断剤の量を添加することを特徴と
    する請求項1から12までのいずれか1項記載の組成物の
    製造方法。
  14. 【請求項14】 遮断剤の分解または変性により活性物
    質が放出されることを特徴とする請求項1から12まで
    のいずれか1項記載の組成物から活性物質を放出する方
    法。
  15. 【請求項15】 保護基の分解により活性物質が放出さ
    れる請求項2から12までのいずれか1項記載の組成物
    から活性物質を放出する方法。
  16. 【請求項16】 最初に保護基の分解により、引き続き
    遮断剤の分解により活性物質を放出させる請求項15記
    載の方法。
  17. 【請求項17】 保護基および/または遮断剤を、化学
    的反応、中性、酸性または塩基性の媒体中での加水分
    解、水素添加、熱の影響下での反応、光化学反応、フッ
    化物の存在での反応、レトロミヒャエル反応により除去
    する請求項13から16までのいずれか1項記載の方
    法。
  18. 【請求項18】 活性物質を、遮断剤を備えたデンドリ
    マー中の物理的相互作用を変化させることにより放出さ
    せる請求項14記載の方法。
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