JPH07330876A - 実質的に全末端水酸基をエステル封鎖したポリ乳酸およびその製造法 - Google Patents

実質的に全末端水酸基をエステル封鎖したポリ乳酸およびその製造法

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JPH07330876A
JPH07330876A JP12038094A JP12038094A JPH07330876A JP H07330876 A JPH07330876 A JP H07330876A JP 12038094 A JP12038094 A JP 12038094A JP 12038094 A JP12038094 A JP 12038094A JP H07330876 A JPH07330876 A JP H07330876A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 式(I)で示される構造からなるポリ乳酸の
水酸基末端を脂肪族カルボン酸によりエステル封鎖し、
1H−NMR測定でδ1.1〜1.3、δ1.8〜2.
0およびδ4.9〜5.3のプロトンのシグナル強度が
式(II)で示される関係を満足することを特徴とする実
質的に全末端水酸基をエステル封鎖したポリ乳酸および
その製造方法。 (式(I)中、nは10以上の整数、Xは炭素数2〜5
0のアシル基を示す。) (式(II)中、Aはδ4.9〜5.3のプロトンのシグ
ナル強度、Bはδ1.1〜1.3のプロトンのシグナル
強度、Cはδ1.8〜2.0のプロトンのシグナル強度
を示し、Zは式(I)におけるアシル基の炭素の数を示
す。) 【効果】 ポリ乳酸は水酸基末端を実質的にほぼ完全に
エステル封鎖し、かつ任意の分子量に調節できる。さら
に良好な熱安定性を有するため溶融成形が容易であるた
め種々の生分解性成形物を製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は実質的に全末端水酸基を
エステル封鎖したポリ乳酸とその製造法、さらに詳しく
は少なくとも約1000の分子量を有し、重合時に末端
水酸基の封鎖された生分解性を有するポリ乳酸およびそ
の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ乳酸、ポリグリコール酸に代表され
るα−オキシ酸ポリエステルは、良好な生分解性を有し
ており、手術用縫合糸、注射薬用マイクロカプセル等の
生分解性医用材料に利用されている。また近年、プラス
チック廃棄物が問題となり、酵素や微生物による分解が
期待される生分解性プラスチックとしても注目され、研
究開発が進められている。
【0003】ポリ乳酸の高分子量体を得る方法として、
従来より、下記式(VI)で示される乳酸の環状二量体で
あるラクチドを触媒存在下に加熱、開環重合する方法が
知られている。しかし該方向により得られたポリ乳酸
は、融解温度(180℃)よりわずかに高い温度におい
て比較的容易に熱分解するため、溶融成形時に問題があ
る。
【0004】
【化2】 同様なα−オキシ酸ポリエステルであるポリグリコール
酸やグリコール酸と乳酸の共重合体においては、それら
の熱安定性を向上するために、得られたポリエステルを
粉末もしくは粒状とし、適当なアセチル化剤と0〜20
0℃で反応させることによる末端水酸基のアセチル化が
開示されている(特開昭56−157422)。
【0005】しかし前記の方法では通常の開環重合の
後、さらに煩雑なアセチル化工程が要求され工業的に好
ましいものではない。また、前記ポリ乳酸を開環重合し
て得る際に重合度の上昇が急激であるため、任意に適当
な分子量を有するポリエステルを得ることは困難であ
る。かかる理由により熱安定性が良好であり、さらに製
造上容易に任意の分子量に調節しうるポリ乳酸を、開環
重合時に得ることが要望されている。
【0006】そこで、ラクチドを開環重合させる際に熱
安定性の良好な前記ポリ乳酸を得るためには、開環重合
時に脂肪族カルボン酸を目的の分子量に応じて適当量添
加して末端水酸基をエステル化することにより良好な熱
安定性を有し、さらに重合の際重合度の上昇が緩慢にな
るため容易に任意の分子量に調節しうるポリ乳酸が得ら
れると考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上述
べてきたようにポリ乳酸の熱安定性は末端水酸基の量に
に著しく影響されるため開環重合時に熱安定性の良好な
ポリ乳酸を得るためには末端水酸基を可能な限りエステ
ル封鎖する事により末端水酸基を減少させ、ポリ乳酸の
熱分解反応を抑制しなければならないこと、更に末端水
酸基がほぼ完全にエステル化されているポリ乳酸の重合
度を制御するためにはあらかじめ添加する脂肪族カルボ
ン酸が効率よくポリ乳酸の末端水酸基にエステル化する
ことが必要である。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、前
記ポリ乳酸の末端水酸基を脂肪族カルボン酸により効率
よく可能な限りエステル化すべく更に鋭意研究を重ねた
結果、脂肪族カルボン酸量、触媒量、重合時間等の関係
により末端水酸基をほぼ完全にエステル封鎖し、さらに
添加した脂肪族カルボン酸および/または脂肪族アルコ
ール量によってポリ乳酸の分子量を容易に制御できるこ
とを見出し、ついに本発明を完成するに到った。
【0009】すなわち本発明は、式(I)で示される構
造からなるポリ乳酸の水酸基末端を脂肪族カルボン酸に
よりエステル封鎖し、 1H−NMR測定でδ1.1〜
1.3、δ1.8〜2.0およびδ4.9〜5.3のプ
ロトンのシグナル強度が式(II)で示される関係を満足す
ることを特徴とする実質的に全末端水酸基をエステル封
鎖したポリ乳酸、
【0010】
【化3】 (式(I)中、nは10以上の整数、Xは炭素数2〜5
0のアシル基を示す。)
【0011】
【数5】 (式(II)中、Aはδ4.9〜5.3のプロトンのシグ
ナル強度、Bはδ1.1〜1.3のプロトンのシグナル
強度、Cはδ1.8〜2.0のプロトンのシグナル強度
を示し、Zは式(I)におけるアシル基の炭素の数を示
す。) および乳酸の二量体であるラクチドを重合する際に、ラ
クチドの融点以上の温度で式(III) で示す関係式を満足
するような炭素数2〜51の脂肪族カルボン酸および触
媒を添加し、式(IV)に従って得られる時間重合するこ
とを特徴とするポリ乳酸の製造法、
【0012】
【数6】
【0013】
【数7】 (式 (III)(IV)中、Dは触媒量(mol%)、Eは脂
肪族カルボン酸量(mol%)、Tは重合時間(時間)
を示す。) さらに乳酸の二量体であるラクチドを重合する際に、前
記式 (III)(IV)に示す条件のほかに式(V)で示す関
係式を満足するような脂肪族アルコールを添加し重合す
ることにより得られる関係式(II)を満足するようなポ
リ乳酸およびその製造法、
【0014】
【数8】 (式(V)中、Fは炭素数2〜51の脂肪族アルコール
量(mol%)、Gはアルコール1分子中のOH基価を
示す。) またさらに触媒として有機スズを用いて重合することを
特徴とする前記ポリ乳酸の製造法、さらには触媒として
オクチル酸第一スズを用いて重合することを特徴とする
前記ポリ乳酸の製造法に関するものである。
【0015】本発明において使用する炭素数2〜51の
脂肪族カルボン酸はモノ、ジカルボン酸のいずれでもよ
く、また飽和、もしくは不飽和であってもかまわない。
具体的には、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプ
ロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン
酸、ベヘン酸、リノール酸、オレイン酸、コハク酸、ア
ジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウ
ンデカン二酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、フマル酸等
が使用できる。また、これらの酸無水物を加えても一向
に構わない。これらのカルボン酸は1種、または複数を
併用してもよい。
【0016】ただし、重合温度より沸点の低い酸を用い
る場合には、加圧下で反応を行う必要がある。特にステ
アリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、リノール酸、
オレイン酸は着香料、乳化剤、ビタミン強化剤、またフ
マル酸、コハク酸、アジピン酸は調味料、酸味量もしく
はそれらの原料として食品添加物にも挙げられており、
安全性が確認されているので好ましいカルボン酸であ
る。さらに好ましくは、製パン用助剤として用いられる
ステアリル乳酸カルシウムの原料であるステアリン酸が
挙げられる。
【0017】これらをラクチドに添加する場合、そのま
まの状態(液体、固体)でもよく、適当な溶媒に溶解し
ておいても構わない。ただし溶媒を用いた場合は、反応
前もしくは反応中に溶媒を容易に留去できるのが望まし
い。
【0018】これらの脂肪族モノ、ジカルボン酸は、用
いられる酸の種類などの条件により若干の相違はある
が、 1H−NMR測定でδ1.1〜1.3、δ1.8〜
2.0およびδ4.9〜5.3のプロトンのシグナル強
度をそれぞれB、C、Aとしたとき[{(C−B)/
(Z−4)×2}/A]×2×100の値が0.001
〜0.525になるような範囲でカルボン酸を添加す
る。なかでも0.005〜0.50の範囲が好ましく、
さらには0.075〜0.48が特に好ましく、最も好
ましくは0.09〜0.45の範囲である。この値が
0.001を下回る場合は熱安定性向上の効果が少なく
なる。また0.525を越える場合は、脂肪族カルボン
酸がエステル化する際に生じる水の影響によりポリ乳酸
の末端水酸基を封鎖することが困難になり、水酸基末端
封鎖率が著しく低下する。この所定の範囲内で用途に合
わせて適宜選択する。
【0019】重合の際、脂肪族カルボン酸と共に添加す
る脂肪族アルコールはモノ、ジ、またはそれ以上の多価
アルコールのいずれでもよく、また飽和、もしくは不飽
和であってもかまわない。具体的にはメタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘ
キサノール、ヘプタノール、ノナノール、デカノール、
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルア
ルコール、ステアリルアルコール等のモノアルコール、
エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオー
ル、ノナンジオール、テトラメチレングリコール等のジ
アルコール類、グリセロール、ソルビトール、キシリト
ール、リビトール、エリスリトール等の多価アルコール
類および乳酸メチル、乳酸エチル等を用いることができ
る。特に好ましくはデカノール、ラウリルアルコール、
ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリル
アルコール等の長鎖の脂肪族アルコールである。用いる
アルコールの沸点が重合温度より低い場合には加圧下で
反応を行う必要がある。
【0020】これらの脂肪族アルコールは、用いられる
アルコールの種類などの条件により若干の相違はある
が、添加するカルボン酸のモル分率をE、アルコールの
モル分率をF、アルコールのOH基価をGとしたときの
値K=F/(E/G)の値が0〜1.5の範囲で用いら
れる。なかでも0.3〜1.4の範囲で添加することが
好ましい。さらには0.5〜1.4の範囲であることが
好ましく、さらに好ましくは0.7〜1.3であること
が好ましい。最も好ましくは0.8〜1.2の範囲で用
いられる。使用量が1.5を越えると添加したポリ乳酸
の末端水酸基価が増加し、カルボン酸による水酸基末端
封鎖率が著しく低下する。この所定の範囲内で用途に合
わせて適宜選択する。
【0021】また重合には一般に触媒が用いられるが、
これにはラクチドの重合に通常用いられる公知の触媒を
用いることができるが、中でも有機スズ化合物触媒、た
とえばギ酸スズ、酢酸スズ、プロピオン酸スズ、n−酪
酸スズ、n−吉草酸スズ、n−カプロン酸スズ、n−カ
プリル酸スズ、カプリン酸スズ、ラウリン酸スズ、ミリ
スチン酸スズ、パルミチン酸スズ、ステアリン酸スズ、
オクチル酸第一スズ、スズグリコキシド等が好適に使用
できる。なかでもオクチル酸第一スズが最も好ましい。
これらの触媒は1種または複数を併用してもよい。
【0022】本発明により用いられる触媒量は重合時に
添加する脂肪族カルボン酸の量により関係式I=D−
0.0244E0.454 を用いて決められる。Iの範囲は
−0.003を超え0.003未満の範囲で用いられる
が、好ましくは−0.0025から0.0025の範囲
である。さらに好ましくは−0.002から0.002
の範囲であり、最も好ましくは−0.0015から0.
0015の範囲で用いられる。関係式により得られるI
の値が−0.003より小さい場合には添加した脂肪族
カルボン酸の全てが末端水酸基をエステル封鎖せず、未
反応のまま系内に残る。また、Iの値が0.003以上
の場合には、開環重合反応が脂肪族カルボン酸でエステ
ル封鎖される速度より速くなるため水酸基末端が封鎖さ
れていないポリマーが多く生成し、事実上封鎖率が低下
する。
【0023】本発明において、開環重合反応は添加する
脂肪族カルボン酸の量により得られる関係式から重合時
間が算出される。関係式により得られる値J=T−1
0.34Eは−0.2を超え0.2未満の範囲であり、
好ましくは−0.18から0.18の範囲である。さら
に好ましくは−0.15から0.15の範囲であり、最
も好ましくは−0.12から0.12の範囲で用いられ
る。Jの値が−0.2より小さい場合はポリマーの転化
率が低く、したがって末端水酸基封鎖率が低くなる。ま
た、重合時間が長い場合はポリ乳酸のエステル交換反応
が進みエステル封鎖されていない分子鎖が増えるため末
端封鎖率が低下する。
【0024】本発明において用いられるラクチドは、L
−ラクチド、D−ラクチド、DL−ラクチド、メソラク
チドのいずれでもよい。これらは通常の精製操作、すな
わち再結晶、精留、昇華などによって十分に精製された
物を用いるのが望ましい。反応は窒素、アルゴン等の不
活性雰囲気、あるいは減圧、もしくは加圧下で行っても
よく、その際、逐次、触媒、カルボン酸、アルコールを
添加してもかまわない。
【0025】このようにして開環重合終了後に得られた
ポリ乳酸は任意の分子量を有しており、熱安定性が向上
しているため溶融成形が容易になり、種々の生分解性成
形物を製造することが可能である。さらにアルコールを
用いてカルボキシル基末端を封鎖することにより、熱安
定性の向上、機械特性の制御と同時に、分解特性を制御
することが可能となる。カルボキシル基末端を封鎖する
ためにエポキシ化合物を添加しても一向に差し支えな
い。また必要に応じて、顔料、酸化防止剤、劣化防止
剤、可塑剤、艶消剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの
添化剤を加えても一向に差し支えない。
【0026】本発明におけるポリ乳酸は、溶融、溶液状
態から、繊維、フィルム、種々の成形品に成形加工する
ことが可能であり、生分解性材料として有用である。具
体的な用途として繊維では釣り糸、漁網、農業・園芸用
不織布、布織布等、フィルムでは包装用フィルム、農業
用マルチフィルム、ショッピングバッグ、テープ類、肥
料袋、分離膜等、成形品では飲料や化粧品類のボトル、
ディスポーザブルカップ、トレイ等の容器類、農業用植
木鉢、育苗床、掘り出し不要のパイプ、仮止め材等の建
材が考えられる。さらに医療用途として、縫合糸、人工
骨、人工皮膚、マイクロカプセルなどのDDS分野への
応用等が考えられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0027】なお、本発明において、機械特性、分解特
性を種々変化させるために、ε−カプロラクトン、グリ
コリドの他のオキシ酸成分との共重合化あるいはポリ
(ε−カプロラクトン)等の他の脂肪族ポリエステルと
の混合をはかることも可能である。
【0028】(1)粘度平均分子量 ポリマー0.125gをクロロホルムに溶解し、25±
0.1℃で測定して還元粘度を算出した。これから固有
粘度を求め、公知である下記のポリL−乳酸の粘度式
【0029】
【数9】 に代入して粘度平均分子量(MV )を算出した。
【0030】(2)酸価 ポリマー0.8gをクロロホルム10ml、メタノール
10mlの混合溶液に溶解し、指示薬としてフェノール
フタレイン溶液を用い、0.1N−NaOCH3 メタノ
ール溶液で滴定した。
【0031】(3)水酸基末端封鎖率 酸価測定によるポリ乳酸のカルボキシル基末端基量に対
する 1H−NMRスペクトル測定により求められるポリ
乳酸の末端水酸基にエステル化した脂肪族カルボン酸末
端量の割合で求めた。
【0032】実施例1 L−ラクチド10.0g(6.94×10-2モル)、式
(II)に従いステアリン酸57mg(2.00×10-4
モル)、オクチル酸第一スズ4.2mg(9.72×1
-6モル)のトルエン溶液を撹拌装置、窒素導入管を備
えた重合管に装入し、2hr.真空乾燥、窒素置換を行
った後、窒素雰囲気下に190℃に加熱し、開環重合し
た。重合度は緩やかに上昇した。3hr. で反応を終了
して得られたポリマーをクロロホルム60mlに溶解
し、メタノール400mlに注いで再沈澱させた。得ら
れた白色粉末はメタノール、エーテルで順次洗浄した
後、60℃で真空乾燥した。この重合におけるH、I、
Jの値は各々0.289、0.001、0.001であ
った。またこのポリマーはMV =6.49×104 を有
しており、酸価測定および 1H−NMRスペクトル測定
から得られる水酸基末端封鎖率は99.2%でほぼ完全
に末端水酸基がステアリン酸によって封鎖された。
【0033】実施例2、6 ステアリン酸と同時に脂肪族アルコールを添加した他は
実施例1と同様の方法で重合を行った。実施例2、6で
Kの値は各々1.01、0.98であった。添加した脂
肪族カルボン酸および脂肪族アルコールの種類、量、触
媒量、重合時間、H、I、Jの値および得られたポリマ
ーのMv、水酸基末端封鎖率を表1および表2に示し
た。
【0034】実施例3、7 実施例1と同様の方法で重合を行った。添加した脂肪族
カルボン酸の種類、量、触媒量、重合時間、H、I、J
の値および得られたポリマーのMv、水酸基末端封鎖率
を表1および表2に示した。
【0035】実施例4、8 L−ラクチド9.5g、DL−ラクチド0.5gを用
い、ステアリン酸と同時に脂肪族アルコールを添加した
他は実施例1と同様の方法で重合を行った。実施例4、
8でKの値は各々1.10、1.03であった。添加し
た脂肪族カルボン酸および脂肪族アルコールの種類、
量、触媒量、重合時間、H、I、Jの値および得られた
ポリマーのMV 、水酸基末端封鎖率を表1および表2に
示した。
【0036】実施例4、8 L−ラクチド9.5g、DL−ラクチド0.5gを用い
る他は実施例1と同様の方法で重合を行った。添加した
脂肪族カルボン酸の種類、量、触媒量、重合時間、H、
I、Jの値および得られたポリマーのMV 、水酸基末端
封鎖率を表1および表2に示した。
【0037】実施例5、9 L−ラクチド5g、DL−ラクチド5gを用いる他は実
施例1と同様の方法で重合を行った。添加した脂肪族カ
ルボン酸の種類、量、触媒量、重合時間H、I、Jの値
および得られたポリマーのMV 、水酸基末端封鎖率を表
1および表2に示した。
【0038】比較例1 L−ラクチド10.0g(6.94×10-2モル)を表
2に示す量のステアリン酸、オクチル酸スズのトルエン
溶液を以下実施例1と同様の操作で表2に示した重合時
間、重合を行った。H、I、Jの値を表2に示した。
3.5hr. で反応を終了して得られたポリマーを実施
例1と同様に後処理した結果得られたポリマーのMV
水酸基末端封鎖率を表2に示した。水酸基末端封鎖率は
63.0%と極めて低かった。
【0039】比較例2 L−ラクチド9.5g、DL−ラクチド0.5g(6.
94×10-2モル)を表2に示す量のステアリン酸、オ
クチル酸スズのトルエン溶液を以下実施例1と同様の操
作で表2に示した重合時間重合を行った。H、I、Jの
値を表2に示した。重合度の上昇が急激であり、任意の
分子量のものを得ることは困難であった。1hr. で反
応を終了して得られたポリマーを実施例1と同様に後処
理した結得られたポリマーのMV および水酸基末端封鎖
率を表2に示した。水酸基末端封鎖率は25.5%にす
ぎなかった。
【0040】比較例3 L−ラクチド5.0g、DL−ラクチド5.0g(6.
94×10-2モル)を表2に示す量のステアリン酸、オ
クチル酸スズのトルエン溶液を以下実施例1と同様の操
作で表2に示した重合時間、重合を行った。H、I、J
の値を表2に示した。1hr. で反応を終了して得られ
たポリマーを実施例1と同様に後処理した結得られたポ
リマーのMV および水酸基末端封鎖率を表2に示した。
水酸基末端封鎖率は60.0%と極めて低かった。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明において示す方法により、末端水酸基がほぼ完全に
エステル封鎖され、さらにカルボキシル基末端も封鎖さ
れたポリ乳酸の製造が可能になった。このようなポリ乳
酸は、添加する脂肪族カルボン酸および脂肪族アルコー
ルの量により任意の分子量に調節でき、かつ良好な熱安
定性を有しているため、溶融成形が容易であり、比較的
簡便な方法で製造することができ、さらにポリマーの分
解性の制御も可能である。得られたポリ乳酸からは種々
の成分改正背景物を製造することができ、広範な用途が
期待できるので、産業界または環境問題の解決にも寄与
するところが非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は一般的なポリ乳酸の 1H−NMRスペク
トル測定の概要図の一例である。Aはδ4.9〜5.
3、Bはδ1.1〜1.3およびCはδ1.8〜2.0
のプロトンのシグナル強度を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀田 清史 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 青山 知裕 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 宇野 敬一 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I)で示される構造からなるポリ乳
    酸の水酸基末端を脂肪族カルボン酸によりエステル封鎖
    し、 1H−NMR測定でδ1.1〜1.3、δ1.8〜
    2.0およびδ4.9〜5.3のプロトンのシグナル強
    度が式(II)で示される関係を満足することを特徴とす
    る実質的に全末端水酸基をエステル封鎖したポリ乳酸。 【化1】 (式(I)中、nは10以上の整数、Xは炭素数2〜5
    0のアシル基を示す。) 【数1】 (式(II)中、Aはδ4.9〜5.3のプロトンのシグ
    ナル強度、Bはδ1.1〜1.3のプロトンのシグナル
    強度、Cはδ1.8〜2.0のプロトンのシグナル強度
    を示し、Zは式(I)におけるアシル基の炭素の数を示
    す。)
  2. 【請求項2】 乳酸の二量体であるラクチドを重合する
    際に、ラクチドの融点以上の温度で式(III) で示す関係
    式を満足するような炭素数2〜51の脂肪族カルボン酸
    および触媒を添加し、式(IV)に従って得られる時間重
    合することを特徴とする請求項1記載のポリ乳酸の製造
    法。 【数2】 【数3】 (式 (III)(IV)中、Dは触媒量(mol%)、Eは脂
    肪族カルボン酸量(mol%)、Tは重合時間(時間)
    を示す。)
  3. 【請求項3】 乳酸の二量体であるラクチドを重合する
    際に、前記請求項2に記載の条件のほかに式(V)で示
    す関係式を満足するような脂肪族アルコールを添加し重
    合することにより得られる請求項1記載のポリ乳酸およ
    びその製造法。 【数4】 (式(V)中、Fは脂肪族アルコール量(mol%)、
    Gはアルコール1分子中のOH基価を示す。)
  4. 【請求項4】 触媒として有機スズを用いることを特徴
    とする請求項2および/または3記載のポリ乳酸の製造
    法。
  5. 【請求項5】 触媒としてオクチル酸第一スズを用いる
    ことを特徴とする請求項4記載のポリ乳酸の製造法。
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KR100517253B1 (ko) * 2001-10-18 2005-09-28 주식회사 삼양사 pH 변화에 따라 고분자 미셀을 형성하는 생분해성폴리락트산 유도체 및 이를 이용한 난용성 약물 전달체

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