JPH0733256B2 - 複合酸化物粉末の製造方法 - Google Patents

複合酸化物粉末の製造方法

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JPH0733256B2
JPH0733256B2 JP18431990A JP18431990A JPH0733256B2 JP H0733256 B2 JPH0733256 B2 JP H0733256B2 JP 18431990 A JP18431990 A JP 18431990A JP 18431990 A JP18431990 A JP 18431990A JP H0733256 B2 JPH0733256 B2 JP H0733256B2
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俊巳 福井
雅彦 奥山
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、誘電体材料等の電子材料セラミックスとして
用いられる複合酸化物粉末の製造方法に関し、特に、単
分散で真球度の高い複合酸化物粉末を低温で合成できる
簡便な製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
微細で均一且つ緻密な組織を持つセラミックスを得るた
めに原料粉末に以下の事が要求される。
(1)粒径0.01〜1μm程度のサブミクロンオーダーの
粒径を持つ。
(2)粒度分布が狭く粒子の凝集がない。
(3)粒子の真球度が高い。
(4)高純度である。
しかしながら、これらの条件をすべて満足させる粉末の
製造方法は確立されていない。
近年、金属アルコキシドの制御された加水分解により単
分散粒子の製造が試みられている。この方法は、常温付
近で加水分解反応が行えその制御が容易である高純度の
アルコキシド原料が使用可能であり不純物の混入を防ぐ
事が可能である等の利点を有する。
例えば、特開昭62-226814号公報、K.Uchiyamaら(J.Mat
e.Sie.22,(4343(1987)等には、シリカ、酸化チタ
ン、または酸化ジルコニウム等の単一酸化物の単分散微
粒子の製造方法が開示されている。
また、K.Kiss(J.Amr.Ceram.Sic.,49,291(1966)やK.
S.Mazdiyasni(J.Amr.Ceram.Soc.,52,523(1969)及
び、J.Amr.Ceram.Soc.,53,91(1970)により、BaTiO3
SrTiO3についても金属アルコキシドの加水分解により組
成にずれの無い微細粒子の製造が可能であることが報告
されている。
又、本発明者らは、先にBaおよび/またはSrの水酸化物
水和物とTiおよび/またはZrのアルコキシドの反応によ
り容易にBaTiO3、SrTiO3等の複合酸化物粉末が製造でき
る方法を提案した(特開平2−252617号)。
〔発明が解決しようとする課題〕
特開昭62-226814号公報、K.Uchiyamaらの方法は、アル
コキシド濃度の選定、加水分解条件の選定等の合成条件
が厳しいという問題があった。
また、K.Kissらおよび本発明者らが先に出願した方法で
合成される粒子は、不定形な10nm以下の粒径であるた
め、グリーンシート成形時等に粒子の凝集が生じパッキ
ングが悪化すると言う問題があった。また、パッキング
が良くないため、高温焼成が必要であるという問題もあ
った。
本発明の目的は、以上のような欠点を解決し、パッキン
グの優れたグリーンシートが得られ、且つ低温焼結が可
能なサブミクロンオーダーの単分散で真球度の高い複合
酸化物粉末を簡便な方法で得られる製造方法を提供する
ことにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、構造式BaxSr1-xZryTi1-yO3(但し、0≦x≦
1且つ0≦y≦1である。)で表される複合酸化物粉末
の製造方法において、Tiおよび/またはZrのアルコキシ
ドを分子内に極性のある官能基を含み、且つ活性水素を
有さない有機溶媒、またはこの溶媒を含む混合溶媒に溶
かした後、Baおよび/またはSrの水酸化物水和物を混合
し、水を添加することなく反応させることを特徴とする
複合酸化物粉末の製造方法であり、これにより上記目的
を達成した。
本発明により得られる複合酸化物は、構造式BaxSr1-xZr
yTi1-yO3(但し、0≦x≦1且つ0≦y≦1である。)
を満足するならば、Ba/Sr比、Zr/Ti比は任意の酸化物を
包含する。
本発明においては、Tiおよび/またはZrのアルコキシド
(以下、Ti・Zrアルコキシドと略記する。)を分子内に
極性のある官能基を含み、且つ活性水素を有さない有機
溶媒(以下、本発明の有機溶媒という。)を少なくとも
含む溶媒に溶解される。
本発明の有機溶媒は、極性のある官能基、例えば、ケト
ン、エステル、等のカルボニル化合物、またはニトリル
基等の少なくとも一つ有する誘導体であり、本発明の反
応系においてアルコキシ基等と交換反応等の共有化学的
な反応はしないものが好ましい。
ケトン基を有する誘導体としては、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン類があげられ、エステル基を有す
る誘導体としては、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステ
ル類が挙げられ、ニトリル基を有する誘導体としては、
エタンニトリル(アセトニトリル)、プロパンニトリル
等のニトリル類が挙げられる。これら、各種の本発明の
有機溶媒は、単独もしくは組み合わせて使用することが
できる。
また、本発明においては、上記本発明の有機溶媒は、他
の有機溶媒と混合して用いることができ、例えば、アル
コール等が挙げられる。
これら他の有機溶媒も単独または組み合わせて用いるこ
とができる。
本発明において、本発明の有機溶媒と他の有機溶媒との
混合溶媒の配合率は、単分散な複合酸化物粉末の粒径を
調整する手段の一つとなり得るので有用である。
上記本発明の有機溶媒およびこれと混合可能な有機溶媒
の炭素数は加水分解後の除去の容易さを考え1〜4のも
のが好ましい。
又、本発明の有機溶媒と他の有機溶媒との混合比は、本
発明の有機溶媒が10vol%以上含まれることが望まし
い。本発明の有機溶媒があまり少量では微粒子の凝集が
生じ不定形となり、真球度の高い複合酸化物粉末を得る
ことができない。
上記有機溶媒に溶解されるTi・Zrアルコキシドの濃度範
囲は、好ましくは2mole/l以下、更に好ましくは1mole/l
以下の範囲が例示される。
Ti・Zrアルコキシドの化学構造は、特に限定されるもの
ではないが、含有金属率および溶媒への溶解度より炭素
数1〜5のアルコキシ基を有するものが好ましい。
本発明においては上記Ti・Zrアルコキシドを加水分解す
る水として、Baおよび/またはSrの水酸化物水和物(以
下、Ba・Sr水酸化物水和物と略記する。)が有する結晶
水を用いる。
Ba・Sr水酸化物水和物とTi・Zrアルコキシドとの反応
は、室温から反応系の有機溶媒の沸点の間で行われるこ
とが望ましく、更に、有機溶媒を還流させて行うことが
好ましく、反応時間は目的の複合酸化物粉末の組成によ
って決定され特に制限されない。
本発明におけるTi・Zrアルコキシドの加水分解反応生成
物およびBa・Sr水酸化物との反応により得られる複合酸
化物の多くは、ペロブスカイト構造を持つ結晶性粉末と
なる。又、非晶質として得られた粉末も加熱処理、例え
ば、400℃〜600℃、1時間以下仮焼することにより他の
結晶相を生成すること無くペロブスカイト構造を持つ結
晶性粉末となる。
〔作用〕
Ti・Zrアルコキシドの溶液調製において、本発明の有機
溶媒を使用しない従来の方法では、Ba・Sr水酸化物水和
物中の結晶水によりTi・Zrアルコキシドが加水分解さ
れ、非晶質微粒子が生成する。これと、溶液中に溶け出
したBa・Sr水酸化物が反応することにより結晶性のペロ
ブスカイト粉末となる。ここで得られた微粒子は、nmオ
ーダーの不定型微粒子である。
一方、本発明では、本発明の有機溶媒分子中のケトン
(C=0)、エステル、またはニトリル基(CN)がTi・
Zrアルコキシドの加水分解、それに続く重合反応により
生成するTi・Zr成分およびBa・Sr成分からなる非晶質粒
子の成長や分散、凝集に関与していると思われ、その結
果として単分散球状の複合酸化物微粒子が生成する。従
って、用いる本発明の有機溶媒の種類、他の有機溶媒と
の配合割合等を選定することにより、粒径、粒度分布を
制御可能である。また、Ti・Zrアルコキシド濃度は、粒
径、粒度分布に対して余り影響しないという特徴があ
る。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。但し、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 Ti(iso-OC3H7)4のアセトニトリルまたは各種エタノー
ル/アセトニトリル混合溶媒の0.5mole/l溶液を調製し
た。この溶液に化学量論比のBa(OH)2・8H2Oを加え、用
いたエタノールの還流温度で1日強攪拌を行うことによ
り白色の粉末を得た。これを100℃で乾燥することによ
り結晶性のBaTiO3粉末を得た 各種エタノール/アセトニトリル混合溶媒の混合割合と
得られた複合酸化物粉末の平均粒径の関係を第1図に示
す。図中、◎、○、●、△、□は走査型電子顕微鏡(SE
M)観察による粒度分布を表す。
単分散(◎):全粒子の70%以上が平均粒径の±20%以
内に含まれる。
ほぼ単分散(○):全粒子の50〜70%が平均粒径の±20
%以内に含まれる。
多分散(●):全粒子の50%未満が平均粒径の±20%以
内に含まれる。
また、◎、○、および●はほぼ真球に近い粒子を示す。
(△):球状粒子が80%以下。
(□):球状粒子が50%以下。
実施例2 実施例1のBa(OH)2・8H2Oの一部をSr(OH)2・8H2Oで置き
換えることにより、実施例1と同様の方法でBa0.6Sr0.4
TiO3の単分散結晶性粉末を得た。
比較例1 Ti(O-iso-C3H7)4とBa8(OH)2-8H2Oを出発原料として用
い、溶媒としてエタノールのみを用い、前記Ti(O-iso-C
3H7)4の0.5Mole/l溶液が形成される量を使用した。その
他は実施例1と同様にして反応させたところ、得られた
BaTiO3粉末は、微細粒子の凝集体となり目的とする単分
散粒子は得られなかった。
比較例2 比較例1と同じ出発原料で、溶媒としてエタノール:ベ
ンゼンの1:1混合溶媒を用いた外は実施例1と同様に反
応させたところ、得られたBaTiO3粉末は、微細粒子の凝
集体となり目的とする単分散粒子は得られなかった。
比較例3 比較例1と同じ出発原料で、溶媒としてエタノール:シ
クロヘキサンの1:1混合溶媒を用いた外は実施例1と同
様に反応させたところ、得られたBaTiO3粉末は、微細粒
子の凝集体となり目的とする単分散粒子は得られなかっ
た。
〔発明の効果〕
本発明によれば、反応系の有機溶媒を選択することのみ
で、所望のサブミクロンオーダーの粒径を有し、且つ真
球度が高く単分散の複合酸化物粉末を簡便かつ低温で得
ることができる。
本発明によれば、Ba・Sr水酸化物水和物を用いずにそれ
らの金属アルコキシドのみを用いる場合に比べ高濃度化
することができ、結果として同量の粉末を得るための反
応槽のスケールを小さくできる。
又、本発明は、得られる複合酸化物粉末として半導体化
したもの、キュリー点の移動したもの等種々の特性を有
する複合酸化物粉末を、通常セラミックス焼成時に固溶
させなければならない微量成分を水酸化物として本発明
の反応系内に添加混合することのみにより合成可能であ
るという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1の結果を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構造式BaxSr1-xZryTi1-yO3(但し、0≦x
    ≦1且つ0≦y≦1である。)で表される複合酸化物粉
    末の製造方法において、Tiおよび/またはZrのアルコキ
    シドを分子内に極性のある官能基を含み、且つ活性水素
    を有さない有機溶媒、またはこの溶媒を含む混合溶媒に
    溶かした後、Baおよび/またはSrの水酸化物水和物を混
    合し、水を添加することなく反応させることを特徴とす
    る複合酸化物粉末の製造方法
  2. 【請求項2】分子内に極性のある官能基を含み、且つ活
    性水素を有さない有機溶媒が、ケトン基、エステル基、
    またはニトリル基を有する誘導体であることを特徴とす
    る請求項1記載の複合酸化物粉末の製造方法。
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