JPH0735743U - 汎用エンジンの始動装置 - Google Patents

汎用エンジンの始動装置

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JPH0735743U
JPH0735743U JP7112693U JP7112693U JPH0735743U JP H0735743 U JPH0735743 U JP H0735743U JP 7112693 U JP7112693 U JP 7112693U JP 7112693 U JP7112693 U JP 7112693U JP H0735743 U JPH0735743 U JP H0735743U
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文和 三柳
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジンの始動前の準備操作を不要にしてス
タータを操作するだけでスムーズにエンジンを始動でき
る、汎用エンジンの始動装置を提供する。 【構成】 キャブレター4のチョークバルブ4cをコイ
ルバネ13cにより閉鎖方向に付勢するとともに、この
チョークバルブ4cにこれをコイルバネ13cの付勢力
に抗して開放方向に作動可能なソレノイド駆動機構13
を連結し、エンジン本体1aの温度を検出してON・O
FFする温度スイッチ20を配備し、エンジン本体1a
の温度が所定温度以上になったときに、温度スイッチ2
0をONにしてソレノイド駆動機構13によりチョーク
バルブ4cを開放させる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、刈払機、発電機などに使用する汎用エンジンの始動装置に関し、 詳しくは始動時の準備操作を不要にした始動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のエンジンの始動装置のうち、あらかじめキャブレターのチョークバル ブを閉鎖してから、リコイルスタータのリコイルをロープにて牽引してエンジン を始動するものに、実開平4−91251号公報に記載の装置がある。この装置 は、リコイルスタータのリコイル牽引時に汎用エンジン内のピストンが往復動す るときの正負圧により作動する燃料ポンプを燃料タンク内に設けて、該タンク内 の燃料をキャブレターに供給するようにした構造を備えた始動装置である。
【0003】 また、エンジンの始動時において、キャブレターのチョークバルブの操作を不 要にし、リコイルスタータのリコイルをロープにて牽引するだけでエンジンを始 動するものに、実開平2−67062号公報に記載の装置がある。この装置は、 キャブレターとエンジンとの間の吸気通路に開口する燃料通路を燃料タンクに連 通して設けるとともに、エンジンに配備した温度センサーにより制御され、前記 燃料通路を開閉する燃料弁を設け、その燃料弁によってエンジンの温度が低いと きに燃料通路を開放する一方、同温度が高くなると燃料通路を閉鎖するようにし た始動装置である。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した公報に記載の始動装置では、いずれも次のような点で 改良の余地がある。
【0005】 a.前者(実開平4−91251号)の場合:リコイル牽引時にピストンが往 復動するときの正負圧によって燃料ポンプが作動し、燃料タンク内の燃料がキャ ブレターに供給されることから、エンジンの始動時に従来は必要とされていたプ ライミングポンプによるキャブレターへの燃料供給操作が不要になるという利点 がある。が、上記したとおり、エンジンの始動前に、チョークバルブを閉鎖して おかねばならないうえに、エンジンが始動したのちにはチョークバルブを開放し て元の状態に戻す必要がある。
【0006】 b.後者(実開平2−67062号)の場合:上記したとおり、キャブレター とエンジンとの間の吸気通路に燃料タンクからの燃料通路を連通させた構造で、 その燃料通路内の燃料弁を開放したときには燃料通路が大気開放状態になるだけ であるので、吸気通路内に燃料が供給されるまでに、かなりの回数、リコイルを 牽引する必要があり、エンジンの始動に手間がかかる。一方、プライミングポン プのような燃料供給手段を設けると、エンジン始動前にその操作が必要になるう えに、燃料弁が開放されたときに、大気との連通口から燃料が漏出するおそれが ある。
【0007】 この考案は上述の点に鑑みてなされたもので、エンジンの始動前の準備操作を 不要にしてスタータを操作するだけでスムーズにエンジンを始動できる、汎用エ ンジンの始動装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するためにこの考案の汎用エンジンの始動装置は、a)エン ジン本体内のピストンが往復動するときの正負圧により作動する燃料ポンプを燃 料タンク内に設けて、該タンク内の燃料をキャブレターに供給するようにした汎 用エンジンの始動装置において、b)前記キャブレターのチョークバルブをスプリ ングにより閉鎖方向に付勢するとともに、このチョークバルブにこれを前記スプ リングの付勢力に抗して開放方向に作動可能なソレノイド駆動機構を連結し、c) 前記エンジン本体の温度を検出してON・OFFする温度スイッチをエンジン本 体に配備し、前記エンジン本体の温度が所定温度以上になったときに、前記温度 スイッチをONにして前記ソレノイド駆動機構により前記チョークバルブを開放 させるように構成している。
【0009】 請求項2に記載のように、a)エンジン本体内のピストンが往復動するときの正 負圧により作動する燃料ポンプを燃料タンク内に設けて、該タンク内の燃料をキ ャブレターに供給するようにした汎用エンジンの始動装置において、B)前記キャ ブレターへの燃料供給路を分岐して前記燃料タンクへの燃料リターン路を設け、 C)この燃料リターン路を分岐して前記キャブレター内のスロットルバルブと前記 エンジン本体の間の吸気通路に燃料を供給するための第2燃料供給路を設けると ともに、この第2燃料供給路を開閉するソレノイドバルブを同第2燃料供給路内 に介設してスプリングにより閉鎖方向に付勢し、D)前記エンジン本体の温度を検 出してON・OFFする温度スイッチをエンジン本体に配備し、前記エンジン本 体の温度が所定温度以下のときに、前記温度スイッチをONにして前記ソレノイ ドバルブを開放させるように構成してもよい。
【0010】 請求項3に記載のように、前記汎用エンジンにリコイルスタータを備えるとと もに、前記ソレノイド駆動機構又は前記ソレノイドバルブに、前記リコイルスタ ータのリコイル牽引時にイグニッションコイルを介して発生する電力で作動する ものを使用することができる。
【0011】 請求項4に記載のように、a)エンジン本体内のピストンが往復動するときの正 負圧により作動する燃料ポンプを燃料タンク内に設けて、該タンク内の燃料をキ ャブレターに供給するようにした汎用エンジンの始動装置において、h)前記エン ジン本体にサーモエレメントの温度反応部を埋設し、i)前記キャブレターのチョ ークレバーにサーモエレメントの作動部をリンク機構等により連結して前記チョ ークバルブを開閉させるように構成してもよい。
【0012】 あるいは請求項5に記載のように、a)エンジン本体内のピストンが往復動する ときの正負圧により作動する燃料ポンプを燃料タンク内に設けて、該タンク内の 燃料をキャブレターに供給するようにした汎用エンジンの始動装置において、H) 前記キャブレターへの燃料供給路を分岐して前記燃料タンクへの燃料リターン路 と前記エンジン本体の間の吸気通路に燃料を供給するための第2燃料供給路とを それぞれ設け、I)前記エンジン本体にサーモエレメントの温度反応部を埋設し、 J)前記第2燃料供給路の途中に開閉バルブを介設し、この開閉バルブに前記サー モエレメントの作動部を連結して前記開閉バルブを開閉させるように構成しても よい。
【0013】
【作用】
上記した構成を有するこの考案の始動装置(請求項1)によれば、エンジンの 始動前はチョークバルブが閉じているので、たとえばリコイルスタータを備えた エンジンでは、ロープなどによりリコイルを2〜3回程度牽引するだけで、エン ジンが始動する。すなわち、リコイルを回転させたときに、ピストンが往復動し て、このときに発生する正負のパルス圧によって燃料タンク内の燃料ポンプが作 動し、燃料がキャブレターに供給される。この状態で、さらにリコイルが回転さ れることにより、燃料タンクからのキャブレターへの燃料の供給が継続されると ともに、キャブレター内の燃料が空気と混合されてエンジン本体内に供給されて エンジンが始動する。こうしてエンジンが始動され、通常、1〜2分程度の暖機 運転が行われると、エンジン本体の温度が上昇し、所定温度(たとえば50℃) 以上になり、これが温度スイッチで検出され、ON状態に切り換わってソレノイ ド駆動機構に電流がながれ同駆動機構が作動してチョークバルブをスプリングに 抗して開放させる。このため、エンジン内に供給される燃料の混合気が通常の薄 い状態になり、エンジンの運転が継続する。したがって、エンジンの始動時に、 プライミングポンプによる燃料供給やチョークバルブの開閉操作が一切不要にな り、スタータを操作するだけでエンジンが始動する。
【0014】 請求項2記載の始動装置によれば、エンジンの始動前はキャブレター内のスロ ットルバルブがアイドリング開度になっており、また第2燃料供給路がスプリン グで付勢されたソレノイドバルブによって閉鎖されている。たとえば電動スター タを備えたエンジンでは、エンジンのスイッチをONにすると、エンジン本体の 温度が低く、所定温度以下であるので、温度スイッチがON状態となり、ソレノ イドバルブがスプリングの付勢力に抗して開放方向に作動し、第2燃料供給路が 開放される。この状態で、電動スタータを作動してエンジンを回転させると、ピ ストンが往復動して正負圧が発生し、そのパルス圧によって燃料タンク内の燃料 ポンプが作動し、燃料が分岐路を経てキャブレターへの燃料供給路、燃料タンク への燃料リターン路および第2燃料供給路へ送給される。このときキャブレター のニードルバルブは閉じているので、燃料は燃料リターン路および第2燃料供給 路へ送給されるとともに、エンジン本体への吸気通路内が負圧になるため、同吸 気通路内に燃料が供給される。
【0015】 この状態で、さらにスタータによりエンジンが回転されることにより、吸気通 路内に供給される燃料がキャブレターからの空気と混合されてエンジン本体内に 供給されエンジンが始動する。こうしてエンジンが始動され、通常、1〜2分程 度の暖機運転が行われると、エンジン本体の温度が上昇し、所定温度(たとえば 50℃)よりも高くなり、これが温度スイッチで検出されてOFFになり、ソレ ノイドバルブがスプリングの付勢力により閉鎖方向に移動し、第2燃料供給路が 閉鎖される。またエンジンの回転数(速度)が上がるので、キャブレターノズル に負圧が作用し、ニードルバルブが開放されてキャブレター(のメタリングチャ ンバー)内に燃料が供給される。そこで、エンジン内に供給される燃料の混合気 が通常の薄い状態になり、エンジンの運転が継続する。この間に、燃料タンク内 の燃料ポンプにエンジンからのパルス圧が作用し、燃料ポンプが作動しているの で、燃料がキャブレターへ供給され、一部は燃料リターン路を通って燃料タンク に戻る。したがって、プライミングポンプによる燃料供給やチョークバルブの開 閉操作が一切不要になり、スタータを操作するだけでエンジンが始動する。
【0016】 請求項3記載の始動装置によれば、請求項1記載の装置においては、リコイル スタータのリコイルを牽引したときにイグニッションコイルを介して発生する電 力で、ソレノイド駆動機構はチョークバルブを開放方向に作動可能な状態になる が、エンジン始動時は通常、エンジン本体の温度が低いので、温度スイッチがO FFになっており、チョークバルブはスプリングの付勢力によって閉鎖されてい る。そしてエンジンの始動後、暖機運転を経てエンジン本体の温度が所定温度以 上に上昇すると、温度スイッチがONになってソレノイド駆動機構へ電流がなが れるため、ソレノイド駆動機構はスプリングの付勢力に抗してチョークバルブを 開放させる。また、請求項2の装置においては、リコイルスタータのリコイルを 牽引したときにイグニッションコイルを介して発生する電力で、ソレノイドバル ブは開放方向に作動可能な状態になり、このとき、エンジン本体の温度が低いの で、温度スイッチがONになっているため、ソレノイドバルブに電流がながれス プリングの付勢力に抗して第2燃料供給路が開放されている。そしてエンジンの 始動後、暖機運転を経てエンジン本体の温度が所定温度以上に上昇すると、温度 スイッチがOFFになるため、ソレノイドバルブへは電流がながれなくなり、ソ レノイドバルブはスプリングの付勢力によって閉鎖方向に移動し、第2燃料供給 路が開放される。
【0017】 請求項4記載の始動装置によれば、エンジンの始動前はチョークバルブが閉じ ているので、たとえばリコイルスタータを備えたエンジンではリコイルを回転さ せたときに、ピストンが往復動して、このときに発生する正負のパルス圧によっ て燃料タンク内の燃料ポンプが作動し、燃料がキャブレターに供給される。この 状態で、さらにリコイルが回転されることにより、燃料タンクからのキャブレタ ーへの燃料の供給が継続されるとともに、キャブレター内の燃料が空気と混合さ れてエンジン本体内に供給されてエンジンが始動する。こうしてエンジンが始動 され、通常、1〜2分程度の暖機運転が行われると、エンジン本体の温度が上昇 し、所定温度(たとえば50℃)以上になり、これがサーモエレメントの温度反 応部を加熱するので、サーモエレメントの作動部が作動しチョークバルブを開放 させる。このため、エンジン内に供給される燃料の混合気が通常の薄い状態にな り、エンジンの運転が継続する。したがって、エンジンの始動時に、プライミン グポンプによる燃料供給やチョークバルブの開閉操作が一切不要になり、スター タを操作するだけでエンジンが始動する。このように基本的な作用は、請求項1 の装置とおおむね共通する。
【0018】 請求項5記載の始動装置によれば、エンジンの始動前はキャブレター内のスロ ットルバルブがアイドリング開度になっており、また第2燃料供給路内の開閉バ ルブは開放されている。この状態で、エンジンを回転させると、ピストンが往復 動して正負圧が発生し、そのパルス圧によって燃料タンク内の燃料ポンプが作動 し、燃料が分岐路を経てキャブレターへの燃料供給路、燃料タンクへの燃料リタ ーン路および第2燃料供給路へ送給される。このときキャブレターのニードルバ ルブは閉じているので、燃料は燃料リターン路および第2燃料供給路へ送給され るとともに、エンジン本体への吸気通路内が負圧になるため、同吸気通路内に燃 料が供給される。この状態で、さらにエンジンが回転されることにより、吸気通 路内に供給される燃料がキャブレターからの空気と混合されてエンジン本体内に 供給されエンジンが始動する。こうしてエンジンが始動され、通常1〜2分程度 の暖機運転が行われると、エンジン本体の温度が上昇し、所定温度(たとえば5 0℃)よりも高くなり、これがサーモエレメントの温度反応部を加熱するので、 サーモエレメントの作動部が作動し開閉バルブを閉鎖方向に操作することにより 第2燃料供給路が閉鎖される。また、エンジンの回転数(速度)が上がるので、 キャブレターノズルに負圧が作用し、ニードルバルブが開放されてキャブレター (のメタリングチャンバー)内に燃料が供給される。そこで、エンジン内に供給 される燃料の混合気が通常の薄い状態になり、エンジンの運転が継続する。この 間に燃料タンク内の燃料ポンプにエンジンからのパルス圧が作用し、燃料ポンプ が作動しているので、燃料がキャブレターへ供給され、一部は燃料リターン路を 通って燃料タンクに戻る。したがって、プライミングポンプによる燃料供給やチ ョークバルブの開閉操作が一切不要になり、スタータを操作するだけでエンジン が始動する。このように基本的な作用は、請求項2の装置とおおむね共通する。
【0019】
【実施例】
以下、この考案にかかる汎用エンジンの始動装置の実施例を図面に基づいて説 明する。図1は本考案の始動装置を備えた汎用エンジンとその下部に取り付けら れる燃料タンクを示す一部を断面で表した正面図、図2は始動装置の実施例を示 す正面視断面図、図3は図2のIII−III線断面図、図4はソレノイド駆動用の電 気回路を示す説明図である。
【0020】 図1に示すように、空冷2サイクル汎用エンジン1はリコイルスタータ2を備 え、ロープ端部のノブ2aを牽引してリコイル(図示せず)を回転させることに より、エンジン1を始動するようになっている。エンジン1の吸気ポートに、断 熱材からなるインシュレータ3を介してキャブレター4が接続され、キャブレタ ー4の吸込口にはエアクリーナ5が接続されている。
【0021】 燃料タンク6は、図1では説明上分離して表しているが、通常はエンジン1の 下面側に一体に取り付けられている。燃料タンク6内の底部最下位置には、燃料 ポンプ7が設置されている。この燃料ポンプ7は、エンジン1の本体1a内のピ ストン1b(図2)の往復動により発生する正負圧(パルス圧)で駆動されるポ ンプで、本例では、エンジン1のクランク室(図示せず)の圧力を取り出して駆 動する。燃料ポンプ7はダイヤフラム7aをパルス圧で作動させて、ポンプ室7 bに燃料を吸い込んだのちポンプ室7bから吐出させる構造の、公知のダイヤフ ラム式ポンプである。
【0022】 エンジン1のクランク室(図示せず)に一端を接続したパルス圧取出用の配管 8を、燃料ポンプ7の圧力室7cに接続し、燃料ポンプ7の燃料吐出口に一端を 接続した燃料供給管9を、キャブレター4に接続している。配管8および燃料供 給管9は、燃料タンク6の上面の中央部に配設したシール部材6aを貫通させて いる。配管8にはパルス圧による管壁の膨張を防止するため、金属製のコルゲー ト管を使用するのが望ましい。また、燃料ポンプ7の燃料吸込口には、燃料フィ ルター10を装着している。燃料ポンプ7の端部の周囲と燃料フィルター10の 端部の周囲には、リング状のゴムダンパー11をそれぞれ巻装している。
【0023】 図2・図3に示すように、キャブレター4は、エア吸込口4aにチョークバル ブ4cを備え、チョークバルブ4cは回転軸4dにより開閉自在に軸着されてい る。回転軸4dにはチョークレバー4eが一体回転可能に取着され、チョークレ バー4eを揺動操作することにより、チョークバルブ4cが開閉される。図2の ように、エアクリーナ5の上部にL形ブラケット12を介してソレノイド駆動機 構13が装着されている。ソレノイド駆動機構13内には、ソレノイドコイル1 3aのほか、T字状ロッド13bを上方(チョークバルブ4cの閉鎖方向)に付 勢するコイルバネ13cを備えている。ロッド13bの下端は、チョークレバー 4eの端部に枢支具4fを介して連結されている。この構成により、ソレノイド コイル13aに電流がながれていないときはチョークバルブ4cが閉鎖され、ソ レノイドコイル13aに電流がながれたときに、ロッド13bが下降してチョー クバルブ4cが開放される。なお、ソレノイド駆動機構13はエアクリーナ5の 下部側に装着してもよく、またチョークバルブ4cをソレノイドバルブで構成し てもよい。
【0024】 図4に示すように、ソレノイド駆動機構13の駆動源には、電気回路14を介 して、リコイルスタータ2(図1)のリコイル(図示せず)を牽引して回転させ たときに付属の交流発電機で発生する電力を使用する。すなわち、交流発電機の 一部を構成するイグニッションコイル15の交流波のうち半波をダイオード16 で整流するとともに、コンデンサ17で電圧を一定にして使用する。また、電気 回路14には、スパークプラグ18を発火させるためのイグナイター19のほか に、ソレノイド駆動機構13の駆動を制御するための温度スイッチ20を介設し ている。
【0025】 温度スイッチ20は、その温度センサー部20aをエンジン本体1a(図2) に密着させて取り付けてあり、エンジン本体1aが所定温度(たとえば50℃) 以上に上昇すると、これを検出してソレノイド駆動機構13のソレノイドコイル 13a(図2)へ電流をながすようにONになる。いいかえれば、エンジン本体 1aが所定温度に達しないときには、温度スイッチ20がOFF状態になってお り、ソレノイド駆動機構13のソレノイドコイル13aへは電流がながれない。 このように、温度スイッチ20は、エンジン本体1aの温度が所定温度以上に上 昇したときにONに切り換わり、ソレノイドコイル13a(図2)へ電流をなが してチョークバルブ4cを開放させる。
【0026】 上記した構成からなる実施例の始動装置にあっては、次のように機能する。す なわち、図1〜図4において、 リコイルを回転させたときにピストン1bが往復動して、このときに発生 する正負のパルス圧によって燃料タンク6内の燃料ポンプ7が作動し、燃料がキ ャブレター4に供給される。
【0027】 キャブレター4のチョークバルブ4cは、ソレノイド駆動機構13のコイ ルバネ13cにより付勢され、吸気口を閉鎖している。したがって、の状態で さらにリコイルが回転されることにより、燃料タンク6からのキャブレター4へ の燃料の供給が継続されるとともに、キャブレター4内の燃料が空気と混合され てエンジン本体1a内に供給されてエンジン1が始動する。
【0028】 こうしてエンジン1が始動され、通常、1〜2分程度の暖機運転が行われ ると、エンジン本体1aの温度が上昇する。このとき、あらかじめ設定した温度 (たとえば50℃)以上になると、これが温度スイッチ20の温度センサー部で 検出されONになるので、ソレノイド駆動機構13のソレノイドコイル13aに 電流がながれ、チョークバルブ4cをコイルバネ13cに抗して開放させる。そ こで、エンジン本体1a内に供給される燃料の混合気が通常の薄い状態になり、 エンジン1の運転が継続する。したがって使用者はリコイルスタータ2のリコイ ルを数回牽引操作するだけで、エンジン1を始動させることができる。
【0029】 次に、図5は他の考案にかかる始動装置を備えた汎用エンジンとその下部に取 り付けられる燃料タンクを示す一部を断面で表した正面図、図6は図5の始動装 置の実施例を示す正面視断面図である。
【0030】 本考案の始動装置が上記した最初の考案と主に相違するところは、キャブレタ ー4’がチョークバルブ4c(図2)を備えておらず、その代わりに、エンジン 本体1aの低温時には、キャブレター4’とエンジン本体1aとの吸気通路内に 燃料の一部を供給する機構を設けたことである。以下に詳しく説明すると、図5 に示すように、エンジン1のピストン1b(図6)が往復動するときの正負圧で 駆動される燃料ポンプ7が、燃料タンク6内に配備されている。燃料供給管9は 分岐され、一方はキャブレター4’への燃料供給管21に、他方は燃料タンク6 への燃料リターン管22に構成されている。燃料リターン管22は途中からさら に分岐されて、本例では図6のようにインシュレータ3内に連通する第2燃料供 給管23に構成されている。
【0031】 図6に示すように、燃料リターン管22の入口には絞り部22aが形設されて いる。そして、その絞り部22aのすぐ下流側で下向きに分岐されている上記第 2燃料供給管23内に、始動用燃料弁であるソレノイドバルブ25が介設され、 このソレノイドバルブ25はスプリング26により燃料供給管23内の通路を閉 鎖する方向に付勢されている。ソレノイドバルブ25の駆動源は、リコイルスタ ータ2のリコイル牽引時に発生する電力を利用したもので、先の考案と共通し、 ほぼ同様な電気回路(図4参照)を備えているが、温度スイッチ20のON・O FF操作が全く逆になっている。つまり、エンジン本体1aの温度が所定温度( たとえば60℃)に達するまでは温度スイッチ20がON状態であるが、所定温 度以上になると温度スイッチ20が切れてOFFになる。そして、エンジン本体 1aの温度が低く、温度スイッチ20がON状態で、ソレノイドバルブ25が作 動して燃料供給管23内の通路を開放する。
【0032】 第2燃料供給管23は、インシュレータ3に接続するほか、2点鎖線で示すよ うにエンジン本体1aの吸気ポート部あるいはキャブレター4のスロットルバル ブ4f下流側に接続することができる。図6中の符号20aは温度スイッチ20 (図4)の温度センサー部で、エンジン本体1aに密着させて取り付けてある。 なお、4gはメタリングチャンバー、4hはニードルバルブである。その他の構 成については、先の考案と共通するので、共通する部材については同一の符号を 用いて示す。
【0033】 上記した構成からなる本例の始動装置にあっては、次のように機能する。すな わち、図5・図6において、 エンジン1の始動前はキャブレター4’内のスロットルバルブ4fがアイ ドリング開度になっており、また第2燃料供給管23内の通路がスプリング26 で付勢されたソレノイドバルブ25によって閉鎖されている。
【0034】 リコイルスタータ2のリコイルを牽引して回転させたときに発生する電力 で、電気回路14(図4)が働く。そして、エンジン本体1aの温度が低く、所 定温度以下であるため、温度スイッチ20(図4)はON状態になっており、ソ レノイドバルブ25が開放方向に作動し、第2燃料供給管23内の通路を開放す る。またピストン1bが往復動したときに発生する正負のパルス圧によって燃料 タンク6内の燃料ポンプ7が作動し、燃料が燃料供給管9から送給される。この ときキャブレター4’のニードルバルブ4hは閉じているので、燃料は燃料リタ ーン路22および第2燃料供給路23へ送給されるとともに、インシュレータ3 内が負圧になるため、インシュレータ3内に燃料が送り出される。
【0035】 の状態でさらにリコイルスタータ2のリコイルを牽引することにより、 インシュレータ3内の燃料がキャブレター4’からの空気と混合されてエンジン 本体1a内に供給されエンジンが始動する。
【0036】 こうしてエンジン1が始動され、通常、1〜2分程度の暖機運転が行われ ると、エンジン本体1aの温度が上昇し、所定温度よりも高くなると、これが温 度スイッチ20の温度センサー部20aで検出されてOFFになり、ソレノイド バルブ25がスプリング26の付勢力により閉鎖方向に移動し、第2燃料供給管 23内の通路を閉じる。また、暖機運転の間も燃料ポンプ7が作動し、燃料タン ク6からの燃料供給量が増えエンジン1の回転数(速度)も上がるので、キャブ レター4’内に負圧が作用し、ニードルバルブ4hが開放されてメタリングチャ ンバー4g内に燃料が供給される。この結果、エンジン本体1a内に供給される 燃料の混合気が通常の薄い状態になり、エンジン1の運転が継続する。
【0037】 なお、第2燃料供給管23からインシュレータ3への燃料で、エンジン1を1 〜2分程度運転できるように、ソレノイドバルブ25の開放時の燃料流量を設定 しておく。
【0038】 図7は他の考案にかかる始動装置の実施例を示す正面視断面図である。本例の 始動装置は基本的には図2の始動装置と共通するもので、これと主に相違すると ころは、ソレノイド駆動機構13(図2)に代えてサーモエレメント30を用い たことである。このサーモエレメント30は、図7に示すように、温度反応部と しての基端のワックスケース31内に充填されているワックス32が加熱され膨 張することにより、ダイヤフラム33を介して半流動体34・ラバーピストン3 5・プレート36・ピストン37に伝達され、作動部としての先端のリテーナ3 8がリターンスプリング39に抗して前方へ突出する構成からなる。このサーモ エレメント30は、エンジン本体1aに基端のワックスケース31を埋設して装 着されている。なお、サーモエレメント30のリテーナ38の作動(変位)特性 は任意に設定できる。
【0039】 キャブレター4のチョークレバー4eの上端に、リンクレバー40の一端が連 結具41により連結されている。リンクレバー40はほぼ中央部で枢支具42に より枢支され、リンクレバー40の他端がサーモエレメント30のリテーナ38 の上端に支軸44により枢支されている。この構成により、エンジン本体1aが 高温になり、ワックスケース31が加熱されると、リテーナ38が上方に突出し リンクレバー40の連結具41側を下降させるので、チョークバルブ4cが開放 される。一方エンジン本体1aの温度が低いとき(エンジン1の始動時)には、 リターンスプリング39によりリテーナ38は引っ込んだ位置に付勢されている ので、図7のようにチョークバルブ4cは閉鎖されている。その他の構成につい ては、図2の始動装置と共通しているので、共通する部材については図2と同一 の符号を用いて図示し、説明を省略する。なお、リンクレバー40などのリンク 機構に代えて、ロッドやプッシュプルケーブルなども使用できる。
【0040】 次に、図8も他の考案にかかる始動装置の実施例を示す正面視断面図である。 本例の始動装置は基本的には図6の始動装置と共通するもので、これと主に相違 するところは、温度スイッチ20とソレノイドバルブ25(図6)に代えて図7 と同一構造のサーモエレメント30を用いたことである。このサーモエレメント 30は、図7の始動装置と同様に、エンジン本体1aに基端のワックスケース3 1を埋設して装着されている。また燃料供給管9は、キャブレター4’への燃料 供給管21と燃料タンク6への燃料リターン管22との分岐部の手前で、インシ ュレータ3内に連通する第2燃料供給管43に分岐されている。この第2燃料供 給管43内に、始動用燃料弁である開閉バルブ45が介設され、この開閉バルブ 45に、サーモエレメント30のリテーナ38が直接に連結されている。エンジ ン本体1aの温度が低いとき(エンジン1の始動時)には、リターンスプリング 39によりリテーナ38は引っ込んだ位置に付勢されているので、図8のように 開閉バルブ43は開放されている。一方、エンジン1の始動後、1〜2分程度の 暖機運転が行われると、エンジン本体1aの温度が上昇し、所定温度よりも高く なるので、ワックスケース31が加熱されてリテーナ38が前方へ突出し、開閉 バルブ45が第2燃料供給管43の通路を閉鎖する。その他の構成については、 図6の始動装置と共通しているので、共通する部材については図2と同一の符号 を用いて図示し、説明を省略する。
【0041】 ところで、上記した汎用エンジンはリコイルスタータ2により始動する方式で あるが、電動スタータにより始動する場合にも、同様に実施できる。また、本考 案の始動装置は、水冷4サイクルエンジンにも適用できる。
【0042】
【考案の効果】
以上説明したことから明らかなように、この考案の汎用エンジンの始動装置に は、次のような効果がある。
【0043】 (1) 始動前のプライミングポンプによる燃料供給やチョークバルブの閉鎖操作 が一切不要になり、スタータを操作するだけでエンジンが始動する。また、エン ジン始動後、暖機運転が完了すると、チョークバルブが自動的に開放され、通常 の運転状態に戻る。
【0044】 (2) 請求項2記載の装置では、キャブレターがチョークバルブを有さず、した がってチョークバルブの開閉操作は一切不要であり、またプライミングポンプに よる燃料供給も不要で、請求項1の始動装置と同様に、スタータを操作するだけ でエンジンが始動する。暖機運転の完了後は、インシュレータ内などへの燃料供 給が自動的に中止され、通常の運転状態に戻る。
【0045】 (3) 請求項3記載の装置では、リコイルスタータの場合にリコイルを牽引操作 するときに発生する電力でソレノイドや電気回路が働くので、バッテリーなどの 専用の電源が不要になる。
【0046】 (4) 請求項4記載の装置は、請求項1の装置と共通の効果を有するほか、チョ ークバルブの開閉操作がエンジン本体の温度変化に基づいてサーモエレメントに より自動的におこなわれるので、構造がより簡素化されるという効果を奏する。
【0047】 (5) 請求項5記載の装置は、請求項2の装置と共通の効果を有するほか、チョ ークバルブの開閉操作がエンジン本体の温度変化に基づいてサーモエレメントに より自動的におこなわれるので、構造がより簡素化されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の始動装置を備えた汎用エンジンとその
下部に取り付けられる燃料タンクを示す一部を断面で表
した正面図である。
【図2】本考案の始動装置の実施例を示す正面視断面図
である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】ソレノイド駆動用の電気回路を示す説明図であ
る。
【図5】本考案の第2考案にかかる始動装置を備えた汎
用エンジンとその下部に取り付けられる燃料タンクを示
す一部を断面で表した正面図である。
【図6】図5の始動装置の実施例を示す正面視断面図で
ある。
【図7】本考案の第3考案にかかる始動装置の実施例を
示す正面視断面図である。
【図8】本考案の第4考案にかかる始動装置の実施例を
示す正面視断面図である。
【符号の説明】
1 汎用エンジン 1a エンジン本体 2 リコイルスタータ 3 インシュレータ 4・4’ キャブレター 5 エアクリーナ 6 燃料タンク 7 燃料ポンプ 13 ソレノイド駆動機構 15 イグニッションコイル 16 ダイオード 17 コンデンサ 18 スパークプラグ 19 イグナイター 20 温度スイッチ 23・43 第2燃料供給管 25 ソレノイドバルブ 30 サーモエレメント 45 開閉バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02N 17/08 E

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン本体内のピストンが往復動する
    ときの正負圧により作動する燃料ポンプを燃料タンク内
    に設けて、該タンク内の燃料をキャブレターに供給する
    ようにした汎用エンジンの始動装置において、 前記キャブレターのチョークバルブをスプリングにより
    閉鎖方向に付勢するとともに、このチョークバルブにこ
    れを前記スプリングの付勢力に抗して開放方向に作動可
    能なソレノイド駆動機構を連結し、 前記エンジン本体の温度を検出してON・OFFする温
    度スイッチをエンジン本体に配備し、前記エンジン本体
    の温度が所定温度以上になったときに、前記温度スイッ
    チをONにして前記ソレノイド駆動機構により前記チョ
    ークバルブを開放させるように構成したことを特徴とす
    る汎用エンジンの始動装置。
  2. 【請求項2】 エンジン本体内のピストンが往復動する
    ときの正負圧により作動する燃料ポンプを燃料タンク内
    に設けて、該タンク内の燃料をキャブレターに供給する
    ようにした汎用エンジンの始動装置において、 前記キャブレターへの燃料供給路を分岐して前記燃料タ
    ンクへの燃料リターン路を設け、 この燃料リターン路を分岐して前記キャブレター内のス
    ロットルバルブと前記エンジン本体の間の吸気通路に燃
    料を供給するための第2燃料供給路を設けるとともに、
    この第2燃料供給路を開閉するソレノイドバルブを同第
    2燃料供給路内に介設してスプリングにより閉鎖方向に
    付勢し、 前記エンジン本体の温度を検出してON・OFFする温
    度スイッチをエンジン本体に配備し、前記エンジン本体
    の温度が所定温度以下のときに、前記温度スイッチをO
    Nにして前記ソレノイドバルブを開放させるように構成
    したことを特徴とする汎用エンジンの始動装置。
  3. 【請求項3】 前記エンジンにリコイルスタータを備え
    るとともに、 前記ソレノイド駆動機構又は前記ソレノイドバルブに、
    前記リコイルスタータのリコイル牽引時にイグニッショ
    ンコイルを介して発生する電力で作動するものを使用し
    た請求項1又は2記載の汎用エンジンの始動装置。
  4. 【請求項4】 エンジン本体内のピストンが往復動する
    ときの正負圧により作動する燃料ポンプを燃料タンク内
    に設けて、該タンク内の燃料をキャブレターに供給する
    ようにした汎用エンジンの始動装置において、 前記エンジン本体にサーモエレメントの温度反応部を埋
    設し、前記キャブレターのチョークレバーにサーモエレ
    メントの作動部をリンク機構等により連結して前記チョ
    ークバルブを開閉させるように構成した汎用エンジンの
    始動装置。
  5. 【請求項5】 エンジン本体内のピストンが往復動する
    ときの正負圧により作動する燃料ポンプを燃料タンク内
    に設けて、該タンク内の燃料をキャブレターに供給する
    ようにした汎用エンジンの始動装置において、 前記キャブレターへの燃料供給路を分岐して前記燃料タ
    ンクへの燃料リターン路と前記エンジン本体の間の吸気
    通路に燃料を供給するための第2燃料供給路とをそれぞ
    れ設け、 前記エンジン本体にサーモエレメントの温度反応部を埋
    設し、 前記第2燃料供給路の途中に開閉バルブを介設し、この
    開閉バルブに前記サーモエレメントの作動部を連結して
    前記開閉バルブを開閉させるように構成した汎用エンジ
    ンの始動装置。
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