JPH0736202A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH0736202A
JPH0736202A JP17669893A JP17669893A JPH0736202A JP H0736202 A JPH0736202 A JP H0736202A JP 17669893 A JP17669893 A JP 17669893A JP 17669893 A JP17669893 A JP 17669893A JP H0736202 A JPH0736202 A JP H0736202A
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JP
Japan
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charge
potential
substance
reversible
transporting substance
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JP17669893A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Ebine
俊裕 海老根
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 導電性支持体上に、「可逆系」または「準可
逆系」の電気化学的酸化還元電極反応を示す電荷輸送物
質を含有する光導電層を有する電子写真感光体。電荷発
生物質の酸化電位がα(V)の時、適合する電荷輸送物
質の限界の酸化電位β(V)が α−0.5≦β<α−
0.2 の範囲にある電子写真感光体。 【効果】 低温低湿〜高温高湿の全環境において、複写
機、プリンタ等から安定した高品質印字画像を繰り返し
提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、LDプリン
タ、LEDプリンタ、LCDプリンタ等に使用される電
子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真プロセスを用いた複写機、プリ
ンタ等に搭載される電子写真感光体に対しては、下記に
示す特性全般を満足することが必要である。 (1)暗所に於いて適当な電位に帯電できるだけの帯電
能を有する。 (2)暗所に於ける電荷の保持能力が大きい。 (3)光照射によって速やかに、且つ充分に電荷を逸脱
できるだけの光感度を有する。 (4)適当な面積を持つ電子写真感光体が容易に作製で
きる。 (5)繰り返し安定性に優れる。 (6)耐久性に優れる。 (7)安価である。 (8)無毒である。
【0003】これらの特性は、感光体に使用される素
材、即ち電荷発生物質と電荷輸送物質、またこれらを結
着するためのバインダー樹脂により大きく支配される。
従って、現在はこれらの素材の新規開発に注力している
研究者が多く、また、これらの素材に対して量子化学理
論の導入による分子デザインや最終的に得られる感光体
に対して、例えば電荷輸送層に於ける電荷輸送過程に関
するSPH理論に代表されるように、その光導電現象を
物性面から基礎物理学的に解析を行う研究者も増え、上
記特性を充分に満足できる高性能な感光体設計が可能に
なりつつある。
【0004】現在、電子写真感光体としては成膜の容易
性、毒性、生産性やコスト面からのメリット、また使い
やすさ等の理由で無機化合物系の感光体より有機化合物
系の感光体の利用が主流を占めている。さらには、光感
度、繰り返し安定性等の電子写真特性を向上させる目的
で、電荷発生機能と電荷輸送機能を個々に分担させた機
能分離型の積層有機感光体が広く使われている。
【0005】例えば、当該機能分離型有機感光体の光感
度を例にとり、光感度の支配因子について簡単に述べる
と、感光体の光感度は電荷発生層に於ける電荷発生能と
電荷発生層から電荷輸送層への電荷注入効率と電荷輸送
層に於ける電荷輸送能の、大きく分けてこの3因子の積
に支配される。そして、各々の物理量を独立して、且つ
定量的に評価できる方法が確立されており、感光体設計
に対して有用な情報源となっている。
【0006】しかしながら、機能分離型有機感光体の繰
り返し安定性については、その支配因子を上記した光感
度のように簡単に記述することは困難であり、従来、実
際に感光体を作製し、当該感光体の繰り返し安定性を測
定機や実機を用いて評価することによってしか繰り返し
安定性の良し悪しを見極めることができなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】当該機能分離型有機感
光体を始めとして、導電性支持体上に電荷発生物質と電
荷輸送物質を含んだ光導電層を有する電子写真感光体に
対して、わざわざ感光体を作って評価することなく、繰
り返し安定性を見極める方法を確立し、繰り返し安定性
に優れた電子写真感光体を提供できるようにすること
が、本発明が解決しようとする課題である。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者が上記
課題を解決するために鋭意検討を行った結果、感光体に
使用される素材のうち、光電導に直接関与する物質であ
る、電荷輸送物質の電気化学的酸化還元反応の形態と、
電荷発生物質、電荷輸送物質の本反応により測定される
酸化電位の値を調べることによって、感光体の繰り返し
安定性を見極めることに成功した。
【0009】以下に本発明を詳細に説明する。本発明で
いう電気化学的酸化還元反応とは、具体的にはサイクリ
ックボルタンメトリーによって得られる電極反応を意味
する。このサイクリックボルタンメトリーは、実験が比
較的簡単で、得られる情報が多く、しかも理論的検討も
行われており、電気化学測定法の主要な一つの方法とし
て現在、良く使われている。
【0010】まず、本発明で使用したサイクリックボル
タンメトリーの測定方法について記す。
【0011】イ)測定器具及び機器 本測定では、図1に示す構造を有する3極式電解セルを
用い、作用電極には白金棒を樹脂(テフロン)中に埋め
込み、 一定の表面積(S=0.021cm2)の円が顔を
出した白金電極(ビー・エー・エス(株)製)を使用し
た。白金はITO等に比べると電位窓が狭いが、仮に掃
引電位幅を広くとったとしても電極が壊れることはな
く、また本形状のようにテフロンコートしたものが市販
されており、常に一定の電極面積で反応させることがで
きるという利点から、本測定ではこの白金電極を使用し
た。
【0012】また、対向電極には螺旋状に巻いた白金線
電極を、参照電極には飽和塩化カリウム水溶液中に浸し
たカロメル電極(飽和カロメル電極,SCEと通常略
す。)を使用した。
【0013】そして、電極反応電源機器としてはファン
クションジェネレータ内蔵のポテンシオ/ガルバノスタ
ット(北斗電工(株)製HAB−151)を使用し、ポテ
ンシオスタットモードで三角波関数を用いた。
【0014】ロ)電解液調整 電荷発生物質若しくは電荷輸送物質を支持電解質として
の過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(以下、T
BA・ClO4と略す。)と共に、 N,N−ジメチルフ
ォルムアミド(以下、DMFと略す。)に次の組成で溶
解し、電解液を得た。
【0015】2mM電荷発生物質/0.1MTBA・C
lO4のDMF溶液、あるいは2mM電荷輸送物質/
0.1MTBA・ClO4のDMF溶液 尚、チタニルフタロシアニン等の顔料系電荷発生物質は
DMFに溶解しにくかったため、超音波分散器[カイジ
ョウデンキ社(KAIJO DENKI CO.,LTD.)製モデル−23
80]を用いて出力45Wで,1〜3時間分散溶解させ
た。
【0016】ハ)測定手順 調製した電解液を3極式電解セルに入れた後、電極を
測定器に接続した。 電解液を静止した状態で、掃引開始電位を0V、掃引
下端電位を0V、掃引上端電位を0.8〜1.5V、掃
引速度を50〜500mV/秒に設定し、室温(23
℃)で測定を行った。ここで、掃引上端電位を振ってい
るのは掃引折り返し点を変えたためであり、掃引速度を
振っているのは反応物質の分解速度を調べたためであ
る。尚、本測定では電荷発生物質、正孔輸送物質の酸化
電位の測定を目的としているため、掃引電位をプラスと
しているが、電荷発生物質、電子輸送物質の還元電位を
測定する場合には、掃引電位はマイナスとなる。また、
このマイナス側での掃引では、電解液の溶存酸素の影響
を受けやすくなるので、窒素ガスによる電解液のバブリ
ング、フローを充分に行って、溶存酸素を除去した後測
定を行うことが望ましい。
【0017】次に、本サイクリックボルタンメトリーに
よって得られた結果を簡単に記述する。
【0018】a)電荷発生物質、電荷輸送物質のサイク
リックボルタムグラム 電荷発生物質の例としては、α型チタニルフタロシアニ
ン、β型チタニルフタロシアニン、X型メタルフリーフ
タロシアニンのサイクリックボルタムグラムをそれぞ
れ、図2、図3、図4に示した。
【0019】また、電荷輸送物質の例として、次に示す
化学構造式を有する3種類の電荷輸送物質No.1からNo.
3のサイクリックボルタムグラムをそれぞれ、図5から
図7に示した。
【0020】
【化1】
【0021】
【化2】
【0022】
【化3】
【0023】電荷発生物質のサイクリックボルタムグラ
ムについては、すべて電位をカソード方向へ掃引した
時、ピーク電流が現れない「非可逆系」の電極反応を示
しているが、前述したように、ここで用いた電荷発生顔
料はDMF等の、通常電解液に用いられる極性の大きな
溶媒に溶解しにくかったため、分散溶液状態での測定と
なり反応の形態を評価することはできなかった。
【0024】次に、電荷輸送物質についてであるが、本
材料はすべてDMFに良く溶解したのでサイクリックボ
ルタムグラムの形状から電極反応形態の評価が可能であ
った。
【0025】通常、カソード方向への電位掃引でピーク
電流が現れないか、あるいは現れてもその電流値が小さ
くなっていることが多いことが「非可逆系」電極反応の
特徴である。また、完全な「可逆系」電極反応は、アノ
ード方向とカソード方向のピーク電流の絶対値が等し
く、且つ各ピーク電流を与える電位の差の絶対値が、一
電子反応の場合、約60mVとなることが特徴であり、
「準可逆系」電極反応は「可逆系」と「非可逆系」の中
間領域に相当する。
【0026】これらの特徴を考慮して、3種類の電荷輸
送物質の反応形態を評価した結果を表1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】表1で反応形態が「準可逆系」を示す電荷
輸送物質を用いた電子写真感光体では、繰り返し安定性
に優れるが、「非可逆系」を示す電荷輸送物質を用いた
電子写真感光体では、その繰り返し使用に対して不安定
であることがわかった。
【0029】これは、正孔あるいは電子の伝導に直接関
与する電荷輸送物質が「可逆系」又は「準可逆系」の電
極反応を示す場合、そのカチオンラジカル又はアニオン
ラジカルと中性分子との間での電子のやり取りが速やか
に行われるため、電子のやり取りに対する繰り返しが安
定していること、また「非可逆系」の電極反応を示す電
荷輸送物質では、「可逆系」又は「準可逆系」のものと
逆の特性を有することに起因するためと推定される。
【0030】従って、光導電層中の電荷移動には、分子
レベルの観点から電荷輸送物質のラジカルと中性分子が
関与していることが明らかとなり、また電荷輸送物質1
分子に着眼した場合、その分子が電子移動に伴うラジカ
ル状態と中性分子状態の繰り返し、即ち、酸化還元反応
の繰り返しに安定しているものでは、当該電荷輸送物質
の利用により光導電層の繰り返し特性が向上することが
わかった。
【0031】また、このことより光電導に直接関与する
物質である電荷輸送物質のサイクリックボルタンメトリ
ーを測定することによって、わざわざ感光体を作製して
評価することなく、感光体の繰り返し安定性を見極める
ことができることを見い出した。
【0032】b)電荷発生物質、電荷輸送物質の酸化電
位 サイクリックボルタムグラムから酸化電位を求める場
合、通常電流変化が半分だけ生じた電位、即ち、 半波
電位(E1/2)を酸化電位の値とするのが一般的であ
り、 このE1/2(V)と固体のイオン化ポテンシャルI
c(eV)の関係がR.O.Loutfy等により理論
的に調べられている。このE1/2は、 サイクリックボル
タムグラムの第1酸化還元波の各ピーク値の平均値とし
て求められる。
【0033】しかしながら、電荷発生物質のサイクリッ
クボルタムグラム図2から図4や、電荷輸送物質のサイ
クリックボルタムグラム図9、図10に見られるよう
に、カソード方向への電位掃引でピーク電流が現れない
か、現れてもその電流値が極めて小さい場合には、第1
還元波のピーク電位を求めることができないため、今回
は電荷発生物質、電荷輸送物質のサイクリックボルタム
グラムに於ける第1酸化波のピーク電位(EOX)を酸化
電位の値とした。
【0034】そこで、本方法により求めた電荷発生物
質、電荷輸送物質の酸化電位の値(E OX)を表2にまと
めて示した。
【0035】
【表2】
【0036】この表から、電荷発生物質の場合にはフタ
ロシアニンの結晶型、中心金属の違いによる酸化電位の
差が認められ、特に結晶型による酸化電位の違いについ
ては、フタロシアニン顔料が完全に溶解せず、分散溶液
状態を反映した結果である。尚、本測定からは、この
他、種々の情報が得られる。
【0037】また、電荷輸送物質に関しても、分子骨格
や置換基の違いによる酸化電位の差が認められ、電荷発
生物質と同様に、この他、種々の情報が得られる。
【0038】更に表2等のデータを基に、電荷発生物質
及び「可逆系」又は「準可逆系」の電極反応を示す電荷
輸送物質の酸化電位EOXの関係と、これらの組み合わせ
より成る光導電層の繰り返し安定性を調べた結果、電荷
発生物質の酸化電位をα(Vvs.SCE)とした場
合、適合する電荷輸送物質の限界の酸化電位β(Vv
s.SCE)が、
【0039】
【数2】α−0.5≦β<α−0.2
【0040】の範囲にあると、感光体の繰り返し安定性
が極めて向上することがわかった。
【0041】本発明に用いられる導電性支持体の材料と
しては、例えば、アルミニウム、銅、マンガン、シリコ
ン、マグネシウム、亜鉛、ステンレス、クロム、チタ
ン、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、
金、白金等の金属又はこれらの合金の金属シリンダ、或
いは導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物
やアルミニウム、パラジウム、金等の金属又はこれらの
合金を電解重合、化学重合、気相重合、塗料塗布、蒸
着、或いはラミネートした紙、プラスチックフィルム等
又は、これらに対して表面酸化処理したもの等が挙げら
れるが、ここに挙げたものに限定されるものではない。
【0042】また、本発明では導電性支持体上に感光層
を有する電子写真感光体が用いられる。現在、一般に当
該感光層が有機光導電物質を含有する積層型の電子写真
感光体が主流となっているが、これに限定されるもので
はない。。
【0043】本発明の感光層に用いられる電荷発生材料
としては、例えば、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔
料、キノン系顔料、ペリレン系顔料、インジゴ系顔料、
チオインジゴ系顔料、ビスベンゾイミダゾール系顔料、
キナクリドン系顔料、キノリン系顔料、レーキ顔料、ア
ゾレーキ顔料、アントラキノン系顔料、オキサジン系顔
料、ジオキサジン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、
アズレニウム染料、スクウェアリウム染料、ピリリウム
系染料、トリアリルメタン染料、キサンテン染料、チア
ジン染料、シアニン系染料等の種々の有機顔料、染料
や、更にアモルファスシリコン、アモルファスセレン、
テルル、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、硫化ア
ンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料を挙げるこ
とができる。
【0044】これらの材料は導電性支持体上にバインダ
ー樹脂に分散され塗布されるか、真空蒸着、スパッタリ
ング、CVD法等の手段により成膜されて用いられる。
【0045】電荷発生物質はここに挙げたものに限定さ
れるものではなく、その使用に際しては単独、或いは2
種類以上混合して用いることができる。
【0046】電荷発生物質とバインダー樹脂との使用割
合は、重量比で2:1〜1:1の範囲が好ましい。
【0047】電荷発生層の膜厚は、0.01〜1μmの
範囲が好ましい。
【0048】また感光層に用いられる電荷輸送物質とし
ては一般に電子を輸送する物質と正孔を輸送する物質の
2種類に分類されるが、本発明の感光体には両者とも使
用することができる。
【0049】電子輸送物質としては、例えば、2,4,
7−トリニトロ−9−フルオレノン、3−ニトロ−9,
9−ビス(n−ブチルチオ)フルオレノン等の準可逆系
電極反応を示す材料等が挙げられるが、この他、サイク
ルックボリタムグラムの形状から、電気化学的酸化還元
電極反応が「可逆系」あるいは「準可逆系」の電極反応
と認められる電子輸送物質が好ましい。
【0050】正孔輸送物質としては、例えば、上述した
例示化合物No.3等が挙げらるが、この他、サイクルッ
クボリタムグラムの形状から、電気化学的酸化還元電極
反応が「可逆系」あるいは「準可逆系」の電極反応と認
められる正孔輸送物質が好ましい。
【0051】これらの材料は、バインダー樹脂に分散さ
れ塗布されるか、真空蒸着、スパッタリング、CVD法
等の手段により成膜されて、感光層に使用することがで
きる。
【0052】電荷輸送物質はここに挙げたものに限定さ
れるものではなく、その使用に際しては単独、或いは2
種類以上混合して用いることができる。
【0053】電荷輸送物質とバインダー樹脂との使用割
合は、重量比で2:1〜1:2の範囲が好ましい。
【0054】電荷輸送層の膜厚は、5〜50μmの範囲
が好ましい。
【0055】バインダーとしては、疎水性で、電気絶縁
性のフィルム形成可能な高分子重合体を用いるのが好ま
しい。このような高分子重合体としては、例えば、ポリ
カーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリス
チレン、ポリビニルアセテート、スチレン−ブタジエン
共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル重合体、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコ
ン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹
脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカル
バゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマ
ール、ポリスルホン等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。これらのバインダーは、単独又は2
種類以上混合して用いられる。
【0056】また、これらのバインダーとともに可塑
剤、増感剤、表面改質剤等の添加剤を使用することもで
きる。
【0057】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩
化ビフェニル、o−ターフェニル、ジブチルフタレー
ト、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタ
レート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾ
フェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
【0058】増感剤としては、例えば、クロラニル、テ
トラシアノエチレン、メチルバイオレット、ローダミン
B、シアニン染料、メロシアニン染料、ピリリウム染
料、チアピリリウム染料等が挙げられる。
【0059】表面改質剤としては、例えば、シリコンオ
イル、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0060】更に本発明においては、基体と感光層との
接着性を向上させたり、基体から感光層への自由電荷の
注入を阻止するため、基体と感光層の間に、必要に応じ
て接着剤層或いはバリア層(下引層)を設けることもで
きる。これらの層に用いられる材料としては、前記バイ
ンダーに用いられる高分子化合物の他、カゼイン、ゼラ
チン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェ
ノール樹脂、ポリアミド、ポリイミド、カルボキシ−メ
チルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーラテック
ス、ポリウレタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化チ
タン等が挙げられる。
【0061】これらの材料は塗料化して塗布されるか、
真空蒸着、スパッタリング、CVD法等の手段により成
膜されて使用される。
【0062】接着剤或いはバリアとしての機能を付与す
る物質はここに挙げたものに限定されるものではなく、
その使用に際しては単独、或いは2種類以上混合して用
いることができる。
【0063】接着剤層或いはバリア層を設ける場合の膜
厚は、0.01〜1μmの範囲が好ましい。
【0064】積層型感光体を塗工によって形成する場
合、上記の電荷発生剤や電荷輸送物質をバインダー等に
混合したものを溶剤に溶解した塗料を用いるが、バイン
ダーを溶解する溶剤は、バインダーの種類によって異な
るが、下層を溶解しないものの中から選択することが好
ましい。また、接着剤層或いはバリア層を塗工によって
形成する場合についても、上記のバインダー等を溶剤に
溶解した塗料を用いるが、バインダーを溶解する溶剤
は、バインダーの種類によって異なるが、下層を溶解し
ないものの中から選択することが好ましい。具体的な有
機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n
−プロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド
等のアミド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチ
ルセロソルブ等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル
等のエステル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等
のスルホキシド及びスルホン類;塩化メチレン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、1,1,2−トリクロロエタン等
の脂肪族ハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、o
−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、モノクロロ
ベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族類等が挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。これらの溶剤
は、単独又は2種類以上混合して用いられる。
【0065】塗工法としては、例えば、浸積コーティン
グ法、スプレーコーティング法、スピンコーティング
法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング
法、ブレードコーティング法、ローラコーティング法、
カーテンコーティング法等のコーティング法を用いるこ
とができる。
【0066】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、これにより本発明が実施例に限定されるもの
ではない。尚、実施例中「部」とあるのは「重量部」を
示す。
【0067】(実施例1)アルミニウムを蒸着したポリ
エステルフィルム上に、α型チタニルフタロシアニン顔
料8部と市販のブチラール樹脂(商品名「エスレックB
H−3」積水化学工業(株)製)4部を、1,1,2−ト
リクロロエタン300部及びジクロロメタン200部か
ら成る混合溶媒に加えた後、分散して得られた塗料を、
乾燥後の膜厚が3000オングストロームとなるように
塗布して電荷発生層を形成した。
【0068】更に正孔輸送物質である、No.1の化合物
8部と下式(I)
【0069】
【化4】
【0070】(式中、aとbの比率は、 1H−NMR測
定でa:b=86:14であることを確認。)で表わさ
れるポリカーボネート12部と3,5−ビス−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.4部を、
1,1,2−トリクロロエタン43.2部とジクロロメ
タン64.8部から成る混合溶媒に溶解して得られた塗
料を、上記電荷発生層上に乾燥後の膜厚が15μmとな
るように塗布して、電荷輸送層を形成することによって
感光体を作製した。この感光体を実施試料1とした。
【0071】No.1の正孔輸送物質に代えて、No.2の正
孔輸送物質を用いた以外は、実施試料1と同様にして得
た感光体を比較試料1とした。No.1の正孔輸送物質に
代えて、No.3の正孔輸送物質を用いた以外は、実施試
料1と同様にして得た感光体を比較試料2とした。
【0072】上記で得られた試料の電子写真特性を、静
電複写紙試験装置MODEL SP−428((株)川口
電機製作所製)を用いて評価した。測定方法は、感光体
を装置に装着し、暗所で印加電圧−6kVのコロナ放電
により帯電させ、帯電直後の表面電位をV0 として感光
体の帯電能の評価に用いた。次に10秒間、暗所に放置
した後の電位を測定しV10とし、V10/V0 比率によっ
て電荷の保持能を評価した。次いで、感光体表面に於け
る光強度が1μW/cm2で、 波長778nmの単色光を照
射することにより感光体の表面電位を減衰させ15秒後
の表面電位を測定し、残留電位VRとした。 また、感光
体表面電位がV10の半分の値に減衰するのに必要なエネ
ルギーE1/2(半減露光量)、 及びV10の1/5の値に
減衰するのに必要なエネルギーE1/5により感度を評価
した。 尚、測定は、温度23℃、相対湿度50%R.
H.の環境下で行った。
【0073】更に、感光体の繰り返し特性の評価は暗所
放置時間が1秒、露光時間が1秒、除電露光時間が0.
1秒の条件で100回連続静電疲労を与え、直後の
0、V10/V0、VR、E1/2、E1/5の値を上述した方
法と同様に測定することによって行った。この結果を表
3に示した。
【0074】
【表3】
【0075】この表から、「準可逆系」の電極反応を示
す電荷輸送物質を用いた感光体は、繰り返し使用後も感
度(E1/2、E1/5)の低下、 残留電位(VR)の上昇を
招かず、良特性を示すのに対して、「非可逆系」の電極
反応を示す電荷輸送物質を使った感光体は、繰り返し使
用により、感度低下、及び残留電位上昇が生じ、繰り返
し安定性が貧弱であることがわかる。また、これにより
感光体の繰り返し安定性の良し悪しを容易に見極める手
段として、電気化学的酸化還元電極反応の反応形態を調
べる方法が有効であることがわかる。
【0076】(実施例2)陽極酸化酸化処理皮膜の膜厚
が5μmでφ30×262mm(肉厚:0.5mm)のアル
ミニウムシリンダ面上に、α型チタニルフタロシアニン
顔料(酸化電位E OX=1.23Vvs.SCE)8部と
市販のブチラール樹脂(商品名「エスレックBH−3」
積水化学工業(株)製)4部を、1,1,2−トリクロロ
エタン300部とジクロロメタン200部から成る混合
溶媒に加え、サンドミルで分散して得られた塗料を、乾
燥後の膜厚が3000オングストロームとなるように塗
布して電荷発生層を形成した。
【0077】更に正孔輸送物質である、 No.1の化合物
(反応形態:「準可逆」;酸化電位EOX=O.97Vv
s.SCE)8部と下式(I)
【0078】
【化5】
【0079】(式中、aとbの比率は、 1H−NMR測
定でa:b=86:14であることを確認。)で表わさ
れるポリカーボネート12部と3,5−ビス−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.4部を、
1,1,2−トリクロロエタン43.2部とジクロロメ
タン64.8部から成る混合溶媒に溶解して得られた塗
料を、上記電荷発生層上に乾燥後の膜厚が22μmとな
るように塗布して、電荷輸送層を形成することによって
感光体を作製した。この感光体を実施試料2とした。
【0080】No.1の代わりに下式
【0081】
【化6】
【0082】で表わされる正孔輸送物質、No. 4の化合
物を用いた以外は、実施試料2と同様の条件で作製して
得た感光体を比較試料3とした。
【0083】尚、No. 4の化合物は「準可逆系」の電気
化学的酸化還元電極反応を示し、また第1酸化波のピー
ク電位は、EOX=1.03(Vvs.SCE)であっ
た。
【0084】そこで、これらの試料に対してプロセスス
ピードが、3770mm/分のレーザビームページプリン
タを用いて電子写真特性を評価した。但し、スコロトロ
ンからのコロナ放電直後の感光体表面電位(初期電位)
を常温常湿(23℃/50%RH)下でV0=−460
Vとし、 光感度測定のための露光は波長780nmの半
導体レーザを0.6mW(感光体表面に於いて0.5m
W)の強度で行った。
【0085】一般に電子写真感光体の繰り返し電位特性
の変動が最も大きく現れる環境である温度33℃、相対
湿度85%RHの環境下で、繰り返し1,500サイク
ル、3,000サイクル、及び4,500サイクル直後
の電位の安定性を評価した。この結果を表5に示した。
尚、表5において、V0は未露光電位(帯電能)、VL
100%露光電位(感度電位)、VRは残留電位を示
す。
【0086】
【表4】
【0087】この表から、「準可逆系」の電極反応を示
す電荷輸送物質を用いた感光体であっても、光導電層中
に電荷発生物質の酸化電位の値に対して、その差が0.
2(V)以下の、酸化電位の値を有する電荷輸送物質が
含まれた感光体では、その繰り返し使用で感度が低下し
ていく傾向を示し、また残留電位が上昇してしまい、繰
り返しの不安定な感光体となってしまうことがわかる。
【0088】従って、繰り返し安定性の向上のために
は、光導電層の含まれる電荷輸送物質が「可逆」又は
「準可逆系」の電極反応を示し、且つ電荷発生物質の酸
化電位α(V)に対して、適合する電荷輸送物質の限界
の酸化電位β(V)が、
【0089】
【数3】β<α−0.2
【0090】であることが必要であることがわかる。
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、低温低湿〜高温高湿の
全環境において複写機、LDプリンタ、LEDプリン
タ、LCDプリンタ等から繰り返し安定した高品質な出
力印字画像を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】サイクリックボルタンメトリーに用いた3極式
電解セルの概略図である。
【符号の説明】
1 白金作用電極 2 白金対向電極 3 カロメル参照電極 4 3極式電解セル 5 電解液 6 G4焼結ガラス 7 寒天塩橋 8 飽和塩化カリウム水溶液
【図2】α型チタニルフタロシアニンのサイクリックボ
ルタムグラムである。
【図3】β型チタニルフタロシアニンのサイクリックボ
ルタムグラムである。
【図4】X型メタルフリーフタロシアニンのサイクリッ
クボルタムグラムである。
【図5】電荷輸送物質No.1のサイクリックボルタムグ
ラムである。
【図6】電荷輸送物質No.2のサイクリックボルタムグ
ラムである。
【図7】電荷輸送物質No.3のサイクリックボルタムグ
ラムである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】正孔輸送物質としては、例えば、上述した
例示化合物No.1等が挙げられるが、 この他、サイクル
ックボリタムグラムの形状から、電気化学的酸化還元電
極反応が「可逆系」あるいは「準可逆系」の電極反応と
認められる正孔輸送物質が好ましい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に電荷発生物質及び電荷
    輸送物質を含有する光導電層を有する電子写真感光体に
    おいて、当該電荷輸送物質が、「可逆系」あるいは「準
    可逆系」の電気化学的酸化還元電極反応を示す材料であ
    ることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層
    及び電荷輸送層から成る光導電層を有する請求項1記載
    の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 電荷発生物質の酸化電位をα(V)とす
    る時、適合する電荷輸送物質の限界の酸化電位β(V)
    が、 【数1】α−0.5≦β<α−0.2 の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2記載の電
    子写真感光体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0917676A (ja) * 1995-06-26 1997-01-17 Sumitomo Special Metals Co Ltd 希土類系焼結永久磁石の製造方法

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