JPH0764307A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH0764307A
JPH0764307A JP21262093A JP21262093A JPH0764307A JP H0764307 A JPH0764307 A JP H0764307A JP 21262093 A JP21262093 A JP 21262093A JP 21262093 A JP21262093 A JP 21262093A JP H0764307 A JPH0764307 A JP H0764307A
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JP
Japan
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photosensitive member
electrophotographic photosensitive
compound
charge
parts
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Application number
JP21262093A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Ebine
俊裕 海老根
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1、R2、R3及びR4;各々独立に置換基を有
してもよいフェニル基)で表わされる化合物及び一般式
(II) 【化2】 (式中、R5、R6及びR7;各々独立に置換基を有して
もよいフェニル基)で表わされる化合物を含有する光導
電層を有する電子写真感光体。 【効果】 低温低湿〜高温高湿の全環境において、複写
機、プリンタ等から繰り返し安定した高品質印字画像を
提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、LDプリン
タ、LEDプリンタ、LCDプリンタ等に使用される電
子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真プロセスを用いた複写機、プリ
ンタ等に搭載される電子写真感光体に対しては、下記に
示す特性全般を満足することが必要である。 (1)暗所において適当な電位に帯電できるだけの帯電
能を有する。 (2)暗所に於ける電荷の保持能力が大きい。 (3)光照射によって速やかに、且つ充分に電荷を逸脱
できるだけの光感度を有する。 (4)適当な面積を持つ電子写真感光体が容易に作製で
きる。 (5)繰り返し安定性に優れる。 (6)耐久性に優れる。 (7)安価である。 (8)無毒である。
【0003】これらの特性は、電子写真感光体に使用さ
れる素材、即ち、電荷発生物質と電荷輸送物質、及びこ
れらを結着するためのバインダー樹脂により大きく支配
される。従って、現在は、これらの素材の新規開発に注
力している研究者が多く、また、これらの素材に対し
て、量子化学理論の導入による分子デザインや最終的に
得られる電子写真感光体に対して、例えば、電荷輸送層
に於ける電荷輸送過程に関するSPH理論に代表わされ
るように、その光導電現象を物性面から基礎物理学的に
解析を行う研究者も増え、上記特性を充分に満足できる
高性能な電子写真感光体設計が可能になりつつある。
【0004】現在、電子写真感光体としては、成膜の容
易性、毒性、生産性やコスト面からのメリット、また使
い易さ等の理由で無機化合物系の電子写真感光体より有
機化合物系の電子写真感光体の利用が主流を占めてい
る。更には、光感度、繰り返し安定性等の電子写真特性
を向上させる目的で、電荷発生機能と電荷輸送機能を個
々に分担させた機能分離型の積層型有機電子写真感光体
が広く使われている。
【0005】こうした背景の下で、高性能を有する電荷
発生材料、電荷輸送材料が数多く開発され、特に電荷輸
送材料においては、ブタジエン、アリールアミン、ヒド
ラゾン、アリールメタン、スチルベン等の主要骨格に対
して様々な置換基を導入することにより、キャリア移動
度の向上、繰り返し安定性の向上、耐転写チャージ疲労
特性の強化等、種々性能の向上が図られている。
【0006】しかしながら、これらの電荷輸送材料のう
ちの一つの化合物だけを使って電子写真感光体を作製し
た場合、電子写真感光体に要求されるすべての特性を満
足することは一般に困難である。例えば、アルキルアミ
ノ基で置換されたフェニル基等を有するブタジエン誘導
体を用いた電子写真感光体では、キャリアのドリフト移
動度が大きく、またその活性化エネルギーが小さい等の
理由で高感度、環境特性等に優れた電子写真感光体を提
供するが、繰り返し特性が不安定で、帯電能、感度電位
の大きな低下を招いたり、また当該ブタジエン誘導体は
相対的にイオン化ポテンシャルが小さいため、転写チャ
ージャーからの直接的なダメージに起因する耐転写特性
が極めて弱い等の欠点を有する。また、アルキル基等で
置換されたアリールアミン誘導体を用いた電子写真感光
体では当該アリールアミン誘導体のイオン化ポテンシャ
ルが比較的大きいため、耐転写特性には優れる等の利点
も示すが、繰り返し使用により、感度電位、残留電位が
大きく上昇してしまう等の欠点も有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、一種類の
電荷輸送材料のみを単独で感光層に使用して得られる電
子写真感光体の特性は長所と短所を兼ね備えたものが多
く、例えば、繰り返し安定性、耐転写特性等の特性を同
時に満足させることは困難である。そこで、主要骨格の
種類は同じでも置換基の種類、位置を変えたり、或いは
主要骨格自体の種類を変えたりして、二種類以上の電荷
輸送材料を感光層に含有させることによって、短所を補
償し、特性の向上を図ろうとする試みが精力的に為され
ているが、繰り返し特性、耐転写特性を始めとする要求
特性を充分に、且つ、同時に満足した電子写真感光体
は、現在のところ得られていないのが現状である。
【0008】本発明が解決しようとする課題は、導電性
支持体上に電荷発生物質と電荷輸送物質を含んだ光導電
層を有する電子写真感光体において、光導電層中に二種
類以上の電荷輸送材料を含有させることにより、前述し
た諸特性を充分に、且つ、同時に満足させることができ
る電子写真感光体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者が上記
課題を解決するために鋭意検討を行った結果、上記課題
を解決するに至った。
【0010】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、
【0011】導電性支持体上に電荷発生物質及び電荷輸
送物質を含有する光導電層を有する電子写真感光体にお
いて、当該光導電層中に一般式(I)
【0012】
【化3】
【0013】(式中、R1、R2、R3及びR4は各々独立
的に置換基を有してもよいフェニル基を表わす。)で表
わされる化合物及び一般式(II)
【0014】
【化4】
【0015】(式中、R5、R6及びR7は各々独立的に
置換基を有してもよいフェニル基を表わす。)で表わさ
れる化合物を電荷輸送物質として含有することを特徴と
する電子写真感光体を提供する。
【0016】以下に本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明に用いられる電荷輸送物質は、正孔
輸送物質であり、ブタジエン誘導体の化合物例並びにア
リールアミン誘導体の化合物例を下記に構造式で示す
が、ここに挙げたものに限定されるものではない。
【0018】尚、以下の構造式において、Meはメチル
基、Etはエチル基を各々表わし、構造式の左側に記載
した数字は化合物No.を表わす。
【0019】
【化5】
【0020】これらの材料はバインダー樹脂に分散され
塗布されるか、真空蒸着、スパッタリング、CVD法等
の手段により成膜されて、感光層に使用することができ
る。
【0021】本発明の電子写真感光体では、ブタジエン
誘導体とアリールアミン誘導体が混合して用いられ、ブ
タジエン誘導体とアリールアミン誘導体との使用割合
は、重量比で70:30〜90:10の範囲であること
が好ましい。また、ブタジエン誘導体、アリールアミン
誘導体はそれぞれ、その使用に際して単独、或いは二種
類以上混合して用いることができる。
【0022】電荷輸送物質とバインダー樹脂との使用割
合は、重量比で2:1〜1:2の範囲が好ましい。
【0023】電荷輸送層の膜厚は、5〜50μmの範囲
が好ましい。
【0024】本発明に用いられる導電性支持体の材料と
しては、例えば、アルミニウム、銅、マンガン、シリコ
ン、マグネシウム、亜鉛、ステンレス、クロム、チタ
ン、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、
金、白金等の金属又はこれらの合金の金属シリンダ、或
いは導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物
やアルミニウム、パラジウム、金等の金属又はこれらの
合金を電解重合、化学重合、気相重合、塗料塗布、蒸
着、或いはラミネートした紙、プラスチックフィルム等
又は、これらに対して表面酸化処理したもの等が挙げら
れるが、ここに挙げたものに限定されるものではない。
【0025】また、本発明の感光層に用いられる電荷発
生材料としては、例えば、フタロシアニン系顔料、アゾ
系顔料、キノン系顔料、ペリレン系顔料、インジゴ系顔
料、チオインジゴ系顔料、ビスベンゾイミダゾール系顔
料、キナクリドン系顔料、キノリン系顔料、レーキ顔
料、アゾレーキ顔料、アントラキノン系顔料、オキサジ
ン系顔料、ジオキサジン系顔料、トリフェニルメタン系
顔料、アズレニウム染料、スクウェアリウム染料、ピリ
リウム系染料、トリアリルメタン染料、キサンテン染
料、チアジン染料、シアニン系染料等の種々の有機顔
料、染料や、更にアモルファスシリコン、アモルファス
セレン、テルル、セレン−テルル合金、硫化カドミウ
ム、硫化アンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料
を挙げることができる。
【0026】これらの材料は導電性支持体上にバインダ
ー樹脂に分散され塗布されるか、真空蒸着、スパッタリ
ング、CVD法等の手段により成膜されて用いられる。
【0027】電荷発生物質はここに挙げたものに限定さ
れるものではなく、その使用に際しては単独、或いは2
種類以上混合して用いることができる。
【0028】電荷発生物質とバインダー樹脂との使用割
合は、重量比で2:1〜1:1の範囲が好ましい。
【0029】電荷発生層の膜厚は、0.01〜1μmの
範囲が好ましい。
【0030】バインダーとしては、疎水性で、電気絶縁
性のフィルム形成可能な高分子重合体を用いるのが好ま
しい。このような高分子重合体としては、例えば、ポリ
カーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリス
チレン、ポリビニルアセテート、スチレン−ブタジエン
共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル重合体、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコ
ン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹
脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカル
バゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマ
ール、ポリスルホン等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。これらのバインダーは、単独又は2
種類以上混合して用いられる。
【0031】また、これらのバインダーとともに可塑
剤、増感剤、表面改質剤等の添加剤を使用することもで
きる。
【0032】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩
化ビフェニル、o−ターフェニル、ジブチルフタレー
ト、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタ
レート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾ
フェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
【0033】増感剤としては、例えば、クロラニル、テ
トラシアノエチレン、メチルバイオレット、ロ−ダミン
B、シアニン染料、メロシアニン染料、ピリリウム染
料、チアピリリウム染料等が挙げられる。
【0034】表面改質剤としては、例えば、シリコンオ
イル、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0035】更に本発明においては、基体と感光層との
接着性を向上させたり、基体から感光層への自由電荷の
注入を阻止するため、基体と感光層の間に、必要に応じ
て接着剤層或いはバリア層(下引層)を設けることもで
きる。これらの層に用いられる材料としては、前記バイ
ンダーに用いられる高分子化合物の他、カゼイン、ゼラ
チン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェ
ノール樹脂、ポリアミド、ポリイミド、カルボキシ−メ
チルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーラテック
ス、ポリウレタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化チ
タン等が挙げられる。
【0036】これらの材料は塗料化して塗布されるか、
真空蒸着、スパッタリング、CVD法等の手段により成
膜されて使用される。
【0037】接着剤或いはバリアとしての機能を付与す
る物質はここに挙げたものに限定されるものではなく、
その使用に際しては単独、或いは2種類以上混合して用
いることができる。
【0038】接着剤層或いはバリア層を設ける場合の膜
厚は、0.01〜1μmの範囲が好ましい。
【0039】積層型電子写真感光体を塗工によって形成
する場合、上記の電荷発生剤や電荷輸送物質をバインダ
ー等に混合したものを溶剤に溶解した塗料を用いるが、
バインダーを溶解する溶剤は、バインダーの種類によっ
て異なるが、下層を溶解しないものの中から選択するこ
とが好ましい。また、接着剤層或いはバリア層を塗工に
よって形成する場合についても、上記のバインダー等を
溶剤に溶解した塗料を用いるが、バインダーを溶解する
溶剤は、バインダーの種類によって異なるが、下層を溶
解しないものの中から選択することが好ましい。具体的
な有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール等のアルコール類;アセトン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド等のアミド類;テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、メチルセロソルブ等のエーテル類;酢酸メチル、酢
酸エチル等のエステル類;ジメチルスルホキシド、スル
ホラン等のスルホキシド及びスルホン類;塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1,2−トリクロ
ロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素;ベンゼン、ト
ルエン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、
モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族類等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。こ
れらの溶剤は、単独又は2種類以上混合して用いられ
る。
【0040】塗工法としては、例えば、浸積コーティン
グ法、スプレーコーティング法、スピンコーティング
法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング
法、ブレードコーティング法、ローラコーティング法、
カーテンコーティング法等のコーティング法を用いるこ
とができる。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、これにより本発明が実施例に限定されるもの
ではない。尚、実施例中、「部」は「重量部」を表わ
す。
【0042】(合成例1)フタロジニトリル13gとα
−クロルナフタレン1000mlとの混合物中に窒素気流
下で29.4mlの四塩化チタンを滴下した後、徐々に昇
温し、200〜220℃で4時間攪拌した。その後、放
冷し、130℃になったところで熱時濾過し、熱α−ク
ロルナフタレンで洗浄し、ジクロルチタニウムフタロシ
アニン粗生成物を得た。これをメタノールで数回洗浄
し、更に80℃熱水洗浄を数回行い、濾過乾燥し、チタ
ニルフタロシアニン粗生成物を得た。
【0043】チタニルフタロシアニン粗生成物のうち1
00gを、予め0℃に冷却した95%硫酸2000gに
1時間かけて添加し、更に温度を0℃に保ちながら3時
間攪拌し、スラリー状物とした。このスラリーを、予め
0℃に冷却した蒸留水20リットル中に激しく攪拌しな
がら20分かけて注入した。この時、温度は5℃以下に
保った。注入終了後、3〜5℃で、更に1時間攪拌した
後、静置し減圧濾過を行った。得られた青色湿ケーキを
アンモニア水で洗浄した後、蒸留で数回洗浄し、濾過
し、中性青色湿ケーキ620gを得た。得られた湿ケー
キ100gとオルトジクロルベンゼン600gとを混合
した後、攪拌しながら昇温し、50℃で更に4時間攪拌
を行った。その後、攪拌しながら放冷し、室温付近まで
冷却した。内容物の200gを取り出し、オルトジクロ
ルベンゼン150gに注ぎ込み1時間攪拌した。更に、
この混合物をサンドグラインドミルで6時間磨砕処理を
行った。これを乾燥して、結晶型チタニルフタロシアニ
ンを得た。この結晶型チタニルフタロシアニンのX線回
折スペクトルを図1に示した。
【0044】(合成例2)フタロジニトリル40gと四
塩化チタン18g及びα−クロルナフタレン500mlの
混合物を窒素気流下240〜250度で3時間加熱攪拌
して反応を完結させた。その後、、濾過し、生成物であ
るジクロルチタニウムフタロシアニンを収得した。得ら
れたジクロルチタニウムフタロシアニンを濃アンモニア
水300ml及びピリジン300mlと共に1時間加熱還流
することにより目的物である結晶型チタニルフタロシア
ニンを得た。この結晶型チタニルフタロシアニンのX線
回折スペクトルを図2に示した。
【0045】(試料調製例1)合成例1で得た結晶型チ
タニルフタロシアニン2部とブチラール樹脂(商品名
「エスレックBH−3」積水化学工業(株)製)1部を、
塩化メチレン52部と1,1,2−トリクロロエタン7
8部の混合液に添加し、サンドミル中で分散、混合して
電荷発生物質分散液を得た。この分散液を塗布、乾燥し
て得られた塗膜のX線回折スペクトルを図3に示した。
【0046】(試料調製例2)合成例1の代わりに合成
例2で得た結晶型チタニルフタロシアニンを用いること
を除いては、試料調製例1と同様にして電荷発生物質分
散液を得た。この分散液を塗布、乾燥して得られた塗膜
のX線回折スペクトルを図4に示した。
【0047】(実施例1)アルミニウムを蒸着したポリ
エステルフィルム上に、調製例1で得られた分散塗料を
乾燥後の膜厚が1000オングストロームとなるように
塗布して電荷発生層を形成した。
【0048】次に、正孔輸送物質であるNo.2の化合物
13.68部、No.6の化合物3.42部、式(III)
【0049】
【化6】
【0050】(式中、aとbの比率は、1H−NMR測
定でa:b=86:14であることを確認した。)で表
わされるポリカーボネート19部及び3,5−ビス−t
−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.85
5部を、モノクロロベンゼン40部及びジクロロメタン
60部から成る混合溶媒に溶解して得られた塗料を、上
記電荷発生層上に乾燥後の膜厚が13μmとなるように
塗布して、電荷輸送層を形成して電子写真感光体を作製
した。この電子写真感光体を実施試料1とした。
【0051】(実施例2)実施例1において、No.2の
化合物の代えてNo.3の化合物を用いた以外は、実施例
1と同様にして電子写真感光体を作製し、これを実施試
料2とした。
【0052】(実施例3)実施例1において、 式(II
I)で表わされるポリカーボネートに代えて市販のポリ
カーボネート「ユーピロンZ−200」(三菱瓦斯化学
(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写
真感光体を作製し、これを実施試料3とした。
【0053】(比較例1)実施例1において、No.2の
化合物13.68部及びNo.6の化合物3.42部に代
えてNo.2の化合物17.1部を用いた以外は、実施例
1と同様にして電子写真感光体を作製し、これを比較試
料1とした。
【0054】(比較例2)実施例2において、No.3の
化合物13.68部及びNo.6の化合物3.42部に代
えてNo.3の化合物17.1部を用いた以外は、実施例
2と同様にして電子写真感光体を作製し、これを比較試
料2とした。
【0055】(比較例3)実施例3において、No.2の
化合物13.68部及びNo.6の化合物3.42部に代
えてNo.2の化合物17.1部を用いた以外は、実施例
3と同様にして電子写真感光体を作製し、これを比較試
料3とした。
【0056】(実施例4)アルミニウムを蒸着したポリ
エステルフィルム上に、調製例2で得られた分散塗料を
乾燥後の膜厚が1000オングストロームとなるように
塗布して電荷発生層を形成した。
【0057】次に正孔輸送物質であるNo.2の化合物
7.6部、No.6の化合物1.9部、実施例1で使用し
た式(III)で表わされるポリカーボネート19部及び
3,5−ビス−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン
(BHT)0.475部を、モノクロロベンゼン40部
及びジクロロメタン60部から成る混合溶媒に溶解して
得られた塗料を、上記電荷発生層上に乾燥後の膜厚が1
0μmとなるように塗布して、電荷輸送層を形成して電
子写真感光体を作製した。この電子写真感光体を実施試
料4とした。
【0058】(実施例5)実施例4において、No.2の
化合物に代えてNo.3の化合物を用いた以外は実施例4
と同様にして電子写真感光体を作製し、これを実施試料
5とした。
【0059】(比較例4)実施例5において、No.3の
化合物7.6部及びNo.6の化合物1.9部に代えてNo.
6の化合物9.5部を用いた以外は実施例5と同様にし
て電子写真感光体を作製し、比較試料4とした。
【0060】(電気特性1)上記で得られた各試料の電
子写真特性を、静電複写紙試験装置MODEL SP−
428((株)川口電機製作所製)を用いて評価した。測
定方法は、電子写真感光体を装置に装着し、暗所で印加
電圧−6kVのコロナ放電により帯電させ、帯電直後の
表面電位をV0として電子写真感光体の帯電能の評価に
用いた。 次に10秒間、暗所に放置した後の電位を測
定しV10とし、 V10/V0比率によって電荷の保持能を
評価した。次いで、電子写真感光体表面に於ける光強度
が1μW/cm2で、 波長778nmの単色光を照射するこ
とにより電子写真感光体の表面電位を減衰させ15秒後
の表面電位を測定し、 残留電位VRとした。また、電子
写真感光体表面電位がV10の半分の値に減衰するのに必
要なエネルギーE1/2 (半減露光量) 及びV10の1/
5の値に減衰するのに必要なエネルギーE1/5により感
度を評価した。尚、測定環境を温度23℃、相対湿度5
0%R.H.として行った。
【0061】更に、電子写真感光体の繰り返し特性の評
価は暗所放置時間が1秒、露光時間が1秒、除電露光時
間が0.1秒の条件で1000回連続静電疲労を与え、
直後のV0、V10/V0、VR、E1/2、E1/5の値を上述
した方法と同様に測定することによって行った。この結
果を表1及び表2に示した。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】表1及び表2から、ブタジエン誘導体とア
リールアミン誘導体を混合して電荷輸送物質として用い
た電子写真感光体はブタジエン誘導体、又はアリールア
ミン誘導体を単独に用いて得られる電子写真感光体の初
期感度を大きく損なうことなく、またブタジエン誘導
体、又はアリールアミン誘導体を単独に用いて得られる
電子写真感光体よりも繰り返し特性が極めて安定である
ことが理解できる。また、電荷発生物質の種類や電荷輸
送物質のバインダー樹脂の種類に依らず、常に良好な電
気特性を示すことも理解できる。
【0065】(実施例6)市販の可溶性ナイロン(商品
名「CM−8000」東レ(株)製)2部をメタノール7
0部、ジクロロメタン15部、n−ブタノール15部に
溶解し、φ30×262mm(肉厚:0.5mm)のアルミ
ニウムシリンダ面上に乾燥後の膜厚が1700オングス
トロームになるように塗布し下引層を形成した。
【0066】次に調製例2で得られた分散塗料を上記下
引層上に乾燥後3000オングストロームの膜厚となる
ように塗布して電荷発生層を形成した。
【0067】更に正孔輸送物質である、No.2の化合物
7.6部及びNo.6の化合物1.9部と、実施例1で使
用した式(III)で表わされるポリカーボネート19部
と3,5−ビス−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン
(BHT)0.475部をモノクロロベンゼン40部と
ジクロロメタン60部に溶解して得られた塗料を、上記
電荷発生層上に乾燥後の膜厚が23.5μmとなるよう
に塗布して、電荷輸送層を形成することによって電子写
真感光体を作製した。この電子写真感光体を実施試料6
とした。
【0068】(実施例7)実施例6において、No.6の
化合物に代えてNo.4の化合物を用いた以外は実施例6
と同様にして電子写真感光体を作製し、これを実施試料
7とした。
【0069】(実施例8)実施例6において、No.2の
化合物の代えてNo.3の化合物を用いた以外は実施例6
と同様にして電子写真感光体を作製し、これを実施試料
8とした。
【0070】(比較例5)実施例6において、No.2の
化合物7.6部及びNo.6の化合物1.9部に代えてNo.
2の化合物9.5部を用いた以外は実施例6と同様に
して電子写真感光体を作製し、これを比較試料5とし
た。
【0071】(比較例6)実施例6において、No.2の
化合物7.6部及びNo.6の化合物1.9部に代えてNo.
6の化合物9.5部を用いた以外は実施例6と同様に
して電子写真感光体を作製し、これを比較試料6とし
た。
【0072】(比較例7)実施例7において、No.2の
化合物7.6部及びNo.4の化合物1.9部に代えてNo.
4の化合物9.5部を用いたことを除いては実施試料7
と同様の条件で作製して得られた電子写真感光体を比較
試料7とした。
【0073】(比較例8)実施例8において、No.3の
化合物7.6部及びNo.4の化合物1.9部に代えてNo.
3の化合物9.5部を用いたことを除いては実施試料8
と同様の条件で作製して得られた電子写真感光体を比較
試料8とした。
【0074】(電気特性2)これらの試料に対してプロ
セススピ−ドが、6786mm/分のレーザビームページ
プリンタを用いて給紙を行いながら電子写真特性を評価
した。但し、スコロトロンからのコロナ放電直後の電子
写真感光体表面電位(初期電位)を常温常湿(23℃/
50%RH)下でV0=−700Vとし、光感度測定のた
めの露光は波長780nmの半導体レ−ザを0.7mW(電
子写真感光体表面において0.6mW)の強度で行った。
【0075】(イ)表面電位の温湿度依存性 低温低湿(10℃/20%R.H.)、常温常湿(23
℃/50%R.H.)、高温高湿(33℃/85%R.
H.)の各3環境下で表面電位の初期特性を評価した結
果を表3に示した。尚、表3においてV0は未露光電位
(帯電能)、VLは100%露光電位(感度電位)、VR
は残留電位を示す。
【0076】
【表3】
【0077】次に、一般に電子写真感光体の繰り返し電
位特性の変動が最も大きく現れる環境である高温高湿
(33℃/85%R.H.)の環境下で、繰り返し30
00サイクル、6000サイクル、及び9000サイク
ル直後の電位の安定性を評価した。この結果を表4に示
した。尚、表4において、V0は未露光電位(帯電
能)、VLは100%露光電位(感度電位)、VRは残留
電位を示す。
【0078】
【表4】
【0079】表3及び表4より、ブタジエン誘導体とア
リールアミン誘導体を混合して電荷輸送物質として用い
た電子写真感光体はブタジエン誘導体、又はアリールア
ミン誘導体を単独に用いて得られる電子写真感光体に比
し、初期に於ける表面電位の温湿度依存性を大きく損な
うことなく、また初期感度においては同等か、或いは同
等以上の特性を示し、更にはブタジエン誘導体、又はア
リールアミン誘導体を単独に用いて得られる電子写真感
光体よりも繰り返し特性が極めて安定であることが理解
できる。
【0080】(ロ)転写チャージによる正帯電疲労度 次に、これらの試料に対してプロセススピ−ドが、37
70mm/分の反転現像方式レーザビームページプリンタ
を用いて給紙を行いながら電子写真特性を評価した。但
し、スコロトロンからのコロナ放電直後の電子写真感光
体表面電位(初期電位)を常温常湿(23℃/50%
R.H.)下でV0=−460Vとし、光感度測定のため
の露光は波長780nmの半導体レ−ザを0.6mW(電子
写真感光体表面において0.5mW)の強度で行った。ま
た、電子写真プロセス中は、転写チャージャーから常時
正電荷のコロナ放電が付与されており、この時の転写チ
ャージャーの強度はアルミニウムドラム支持体に流れ込
む電流値で規定し、26μAとした。
【0081】反転現像方式を採用したプリンタ等では、
電子写真感光体表面上に形成された負荷電トナー可視像
を被印字体(紙等)に移す「転写」のプロセスでは、電
子写真感光体表面帯電電荷の極性(負)と逆極性(正)
の電圧を印加するため、転写プロセス時に被印字体の有
無が生じると被印字体の存在領域に比べて非存在領域の
方が電子写真感光体に対する正電荷による正帯電疲労度
が大きくなり、結果的に被印字体の存在領域に対応する
電子写真感光体表面上の負電荷密度と被印字体の非存在
領域に対応するそれとが異なってくるために印字品質の
低下を招く。例えばページプリンタでは、紙と紙の隙間
に対応する電子写真感光体領域で転写チャージャーによ
る正帯電疲労が大きくなるため、印字上でスジ状となっ
て現れるという品質低下が招かれる。
【0082】当該正帯電疲労度は転写チャージの悪影響
を受けた電子写真感光体領域に於ける表面電位変動幅
(転写チャージの悪影響を受けた電子写真感光体領域に
於ける表面電位と転写チャージの悪影響を受けていない
電子写真感光体領域に於ける表面電位の差の絶対値)で
定量化できるため、本実験では正帯電電位疲労度を、転
写チャージの悪影響を受けていない電子写真感光体領域
の帯電能からの変動電位|dV0|を用いて評価した。
【0083】常温常湿(23℃/50%R.H.)の環
境下で測定することにより得られた初期と30分繰り返
し後の測定結果を表5に示した。ここで、V0は転写チ
ャージの悪影響を受けていない電子写真感光体の帯電
能、|dV0|は転写チャージの悪影響を受けたことに
よるV0からの変動電位を表わす。
【0084】
【表5】
【0085】|dV0|が大きな値を示す程、反転現像
印字画像の品質低下が著しくなる。従って、表5から明
らかなように、ブタジエン誘導体とアリールアミン誘導
体を混合して電荷輸送物質として用いた電子写真感光体
は|dV0|の値が小さいので、繰り返しの印字プロセ
スにおいて転写チャージによる正帯電疲労を回避した高
品質な印字画像を与えることが理解できる。
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、低温低湿〜高温高湿の
全環境において複写機、LDプリンタ、LEDプリン
タ、LCDプリンタ等から繰り返し安定した高品質な出
力印字画像を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例1のチタニルフタロシアニンの粉末X線
回折スペクトルである。
【図2】合成例2のチタニルフタロシアニンの粉末X線
回折スペクトルである。
【図3】試料調製例1のチタニルフタロシアニン塗膜の
X線回折スペクトルである。
【図4】試料調製例2のチタニルフタロシアニン塗膜の
X線回折スペクトルである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に電荷発生物質及び電荷
    輸送物質を含有する光導電層を有する電子写真感光体に
    おいて、当該光導電層中に一般式(I) 【化1】 (式中、R1、R2、R3及びR4は各々独立的に置換基を
    有してもよいフェニル基を表わす。)で表わされる化合
    物及び一般式(II) 【化2】 (式中、R5、R6及びR7は各々独立的に置換基を有し
    てもよいフェニル基を表わす。)で表わされる化合物を
    電荷輸送物質として含有することを特徴とする電子写真
    感光体。
  2. 【請求項2】 光導電層が電荷発生層及び電荷輸送層か
    ら成り、当該電荷輸送層中に請求項1記載の一般式
    (I)で表わされる化合物及び一般式(II)で表わされ
    る化合物を含有することを特徴とする請求項1記載の電
    子写真感光体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014038139A (ja) * 2012-08-10 2014-02-27 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置

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