JPH0740029B2 - Dnaを含む試料の処理方法 - Google Patents
Dnaを含む試料の処理方法Info
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- JPH0740029B2 JPH0740029B2 JP62116417A JP11641787A JPH0740029B2 JP H0740029 B2 JPH0740029 B2 JP H0740029B2 JP 62116417 A JP62116417 A JP 62116417A JP 11641787 A JP11641787 A JP 11641787A JP H0740029 B2 JPH0740029 B2 JP H0740029B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,自動的になされるDNAを含む試料の処理方法
に関し,さらに詳しくは,DNA,RNA,蛋白質,多糖類など
の各種菌体成分を含む菌体溶菌液から,吸着剤を用いて
DNAを高純度で単離・精製する方法に関する。
に関し,さらに詳しくは,DNA,RNA,蛋白質,多糖類など
の各種菌体成分を含む菌体溶菌液から,吸着剤を用いて
DNAを高純度で単離・精製する方法に関する。
(従来の技術) バイオテクノロジーの発展に伴い,遺伝子の分離,精製
および遺伝子の塩基配列決定を行う頻度は非常に高い。
しかし,各種技術の進歩にもかかわらず,その操作は繁
雑な手作業を必要とし,長時間と多大の労力とを要す
る。
および遺伝子の塩基配列決定を行う頻度は非常に高い。
しかし,各種技術の進歩にもかかわらず,その操作は繁
雑な手作業を必要とし,長時間と多大の労力とを要す
る。
例えば,DNA,RNA,多糖類および蛋白質を含有する試料か
ら純粋なDNAを単離・精製するには,次の3段階のプロ
セスが行われる。(1)細胞壁を崩壊させ,可溶性DNA
を放出させる。(2)放出されたDNA−蛋白質複合体
を,蛋白質変性または蛋白質分解により,分解する。
(3)変性または分解した蛋白質とDNAとの混合物から,
DNAのみを単離・精製する。しかし,このように処理操
作には,長時間(数日間にもわたる)を要する。そのた
め,このような作業は基礎および応用開発において,研
究者にとって大きな負担となっている。
ら純粋なDNAを単離・精製するには,次の3段階のプロ
セスが行われる。(1)細胞壁を崩壊させ,可溶性DNA
を放出させる。(2)放出されたDNA−蛋白質複合体
を,蛋白質変性または蛋白質分解により,分解する。
(3)変性または分解した蛋白質とDNAとの混合物から,
DNAのみを単離・精製する。しかし,このように処理操
作には,長時間(数日間にもわたる)を要する。そのた
め,このような作業は基礎および応用開発において,研
究者にとって大きな負担となっている。
バイオテクノロジーの特に応用技術の展開のためには,
これらの作業を短時間で完了できるような技術が望まれ
る。特に,DNAの配列分析,遺伝子の構築,構築されたDN
A配列に所望の遺伝子が正しく入っているかのチェック
などを行う目的のためには,これに使用するための所望
のDNAを短時間で単離し,精製することが必要である。
各種研究のためには、特に菌体からDNAを迅速に分離し
て精製することが望まれる。菌体からDNAを比較的迅速
に分離する方法としては,ボイリング法,アルカリ法な
どが採用されているが,いずれも複雑な工程を必要とす
る手作業であり自動化されにくい。手作業であるためDN
Aの回収率や純度などにバラツキが生じ,技術差による
個人差の格差も大きい。さらに,このような方法で得ら
れたDNAには,RNA,各種蛋白質,多糖類などが混入してお
り,そのままでは上記DNAの配列分析などの各種実験が
正しくなされ得ない。特にRNAによる妨害が大きいた
め,通常,このRNAは,リボヌクレアーゼ処理により低
分子化され,ポリエチレングリコール沈澱により除去さ
れる。しかし,リボヌクレアーゼは安定性が高いため,
使用後に完全に除去することが難しい。リボヌクレアー
ゼは高活性であるため,場合によってはその後の反応に
使用される必要なRNAが分解されるという欠点がある。
これらの作業を短時間で完了できるような技術が望まれ
る。特に,DNAの配列分析,遺伝子の構築,構築されたDN
A配列に所望の遺伝子が正しく入っているかのチェック
などを行う目的のためには,これに使用するための所望
のDNAを短時間で単離し,精製することが必要である。
各種研究のためには、特に菌体からDNAを迅速に分離し
て精製することが望まれる。菌体からDNAを比較的迅速
に分離する方法としては,ボイリング法,アルカリ法な
どが採用されているが,いずれも複雑な工程を必要とす
る手作業であり自動化されにくい。手作業であるためDN
Aの回収率や純度などにバラツキが生じ,技術差による
個人差の格差も大きい。さらに,このような方法で得ら
れたDNAには,RNA,各種蛋白質,多糖類などが混入してお
り,そのままでは上記DNAの配列分析などの各種実験が
正しくなされ得ない。特にRNAによる妨害が大きいた
め,通常,このRNAは,リボヌクレアーゼ処理により低
分子化され,ポリエチレングリコール沈澱により除去さ
れる。しかし,リボヌクレアーゼは安定性が高いため,
使用後に完全に除去することが難しい。リボヌクレアー
ゼは高活性であるため,場合によってはその後の反応に
使用される必要なRNAが分解されるという欠点がある。
リボヌクレアーゼを用いず,菌体からDNAを1段階で単
離・精製する方法として,ヒドロキシアパタイトカラム
を使用する方法が提案されている。〔F.A.Belandら,J.C
hromatography,174,177−186(1979)〕。この方法によ
れば,まず,菌体をあらかじめ溶菌し,これに,尿素8M
(8モル/)燐酸緩衝液(燐酸0.24M),ラウリル硫
酸ナトリウム(SDS;0.1%)およびエチレンジアミン四
酢酸(EDTA;10mM)を含む緩衝液を加える。これを,上
記と同様の緩衝液であらかじめ処理したヒドロキシアパ
タイトカラムに通液すると,溶菌液中のDNAのみが選択
的にヒドロキシアパタイト(吸着剤)に吸着される。上
記吸着条件下においては,2重らせんのDNA〔ダブルスト
ランドDNA(ds DNA)という〕のみが吸着され,1本鎖DNA
〔シグナルストランドDNA(ss DNA)という〕,RNA(1
本鎖である)などは吸着されない(燐酸濃度が0.15M以
下であれば,ある程度は吸着される)。尿素濃度が8Mと
高いため,非特異的な蛋白質の吸着もほとんど起こらな
い。ds DNAを吸着したヒドロキシアパタイトカラムに,
次に,10mM燐酸緩衝液を流して上記吸着に用いた緩衝液
中の尿素,SDSなどを除去する。さらに0.3M燐酸緩衝液を
通液することにより吸着したDNAを溶融させ,これを回
収する。
離・精製する方法として,ヒドロキシアパタイトカラム
を使用する方法が提案されている。〔F.A.Belandら,J.C
hromatography,174,177−186(1979)〕。この方法によ
れば,まず,菌体をあらかじめ溶菌し,これに,尿素8M
(8モル/)燐酸緩衝液(燐酸0.24M),ラウリル硫
酸ナトリウム(SDS;0.1%)およびエチレンジアミン四
酢酸(EDTA;10mM)を含む緩衝液を加える。これを,上
記と同様の緩衝液であらかじめ処理したヒドロキシアパ
タイトカラムに通液すると,溶菌液中のDNAのみが選択
的にヒドロキシアパタイト(吸着剤)に吸着される。上
記吸着条件下においては,2重らせんのDNA〔ダブルスト
ランドDNA(ds DNA)という〕のみが吸着され,1本鎖DNA
〔シグナルストランドDNA(ss DNA)という〕,RNA(1
本鎖である)などは吸着されない(燐酸濃度が0.15M以
下であれば,ある程度は吸着される)。尿素濃度が8Mと
高いため,非特異的な蛋白質の吸着もほとんど起こらな
い。ds DNAを吸着したヒドロキシアパタイトカラムに,
次に,10mM燐酸緩衝液を流して上記吸着に用いた緩衝液
中の尿素,SDSなどを除去する。さらに0.3M燐酸緩衝液を
通液することにより吸着したDNAを溶融させ,これを回
収する。
このような処理方法では,前処理工程としての溶菌操作
がカラムとは全く別の容器で行われる。溶菌液は,例え
ば,ピペットなどによりカラムに供給される。しかし,
ピペットによる溶菌液の供給は,煩雑であるうえに,精
度に欠ける。溶菌容器とカラムとをチューブを介して接
続し,ポンプの動力により溶菌液を供給する方法もあ
る。この方法では,溶菌液の供給における煩雑さは解消
されるものの,溶菌液によりチューブやポンプが汚染さ
れる。そのために,測定ごとにチューブやポンプの汚染
を除去しなければならず,この点での操作が煩雑とな
る。
がカラムとは全く別の容器で行われる。溶菌液は,例え
ば,ピペットなどによりカラムに供給される。しかし,
ピペットによる溶菌液の供給は,煩雑であるうえに,精
度に欠ける。溶菌容器とカラムとをチューブを介して接
続し,ポンプの動力により溶菌液を供給する方法もあ
る。この方法では,溶菌液の供給における煩雑さは解消
されるものの,溶菌液によりチューブやポンプが汚染さ
れる。そのために,測定ごとにチューブやポンプの汚染
を除去しなければならず,この点での操作が煩雑とな
る。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は上記従来の問題点を解決するものであり,その
目的とするところは,前処理工程を経てDNAを含む試料
を短時間のうちに,高純度でかつ煩雑な操作を必要とす
ることなく処理する方法を提供することにある。
目的とするところは,前処理工程を経てDNAを含む試料
を短時間のうちに,高純度でかつ煩雑な操作を必要とす
ることなく処理する方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は,従来カラムとは別の容器内で行われていたDN
Aを含む試料の前処理工程(特に菌体の溶菌操作)を,
カラムのヒドロキシアパタイトからなる吸着剤層と一体
的に形成されたリザーバー部分(溶菌容器)にて行うこ
とにより,ピペットなどによる溶菌液の供給といった煩
雑な操作を要しない;しかも,溶菌容器とカラムとは一
体的であるため,従来溶菌容器とカラムとを接続してい
たチューブやポンプの汚染が回避される,との発明者の
知見に基づいて完成された。
Aを含む試料の前処理工程(特に菌体の溶菌操作)を,
カラムのヒドロキシアパタイトからなる吸着剤層と一体
的に形成されたリザーバー部分(溶菌容器)にて行うこ
とにより,ピペットなどによる溶菌液の供給といった煩
雑な操作を要しない;しかも,溶菌容器とカラムとは一
体的であるため,従来溶菌容器とカラムとを接続してい
たチューブやポンプの汚染が回避される,との発明者の
知見に基づいて完成された。
このように,カラムと一体化されたリザーバー部分を溶
菌容器とすれば,カラムの吸着剤層とリザーバー部分と
はフィルターを介するだけであり,リザーバー部分に供
給された菌体は,すみやかに吸着剤層に流出すると考え
られる。しかし,実際には,驚くべきことに,菌体はフ
ィルターを容易に透過し得ず,吸着剤層にはほとんど流
出しない。これらの事実から,本発明者は,カラムのリ
ザーバー部分でも菌体の溶菌がなされ得る,との結論に
達した。
菌容器とすれば,カラムの吸着剤層とリザーバー部分と
はフィルターを介するだけであり,リザーバー部分に供
給された菌体は,すみやかに吸着剤層に流出すると考え
られる。しかし,実際には,驚くべきことに,菌体はフ
ィルターを容易に透過し得ず,吸着剤層にはほとんど流
出しない。これらの事実から,本発明者は,カラムのリ
ザーバー部分でも菌体の溶菌がなされ得る,との結論に
達した。
本発明のDNAを含む試料の処理方法は,ヒドロキシアパ
タイトからなる吸着剤層およびリザーバー部分を有し,
該吸着剤層と該リザーバー部分とがフィルターを介して
一体的に連結されたカラムを用いたDNAを含む試料の処
理方法であって,該リザーバー部分にDNAを含む試料お
よび前処理液を充填して,該試料を前処理する工程,該
前処理された試料を該吸着剤層に供給して,該試料中の
成分を該吸着剤に吸着させる工程,および該吸着剤層を
洗浄した後,該成分を溶出させる工程,を包含し,その
ことにより,上記目的が達成される。
タイトからなる吸着剤層およびリザーバー部分を有し,
該吸着剤層と該リザーバー部分とがフィルターを介して
一体的に連結されたカラムを用いたDNAを含む試料の処
理方法であって,該リザーバー部分にDNAを含む試料お
よび前処理液を充填して,該試料を前処理する工程,該
前処理された試料を該吸着剤層に供給して,該試料中の
成分を該吸着剤に吸着させる工程,および該吸着剤層を
洗浄した後,該成分を溶出させる工程,を包含し,その
ことにより,上記目的が達成される。
本発明のDNAを含む試料の処理方法に用いられるカラム
1は,例えば,第1図に示すように,吸着剤層10と,こ
の吸着剤層10の上部に形成されたリザーバー部分11とを
有する。リザーバー部分11にて試料が溶菌されるととも
に,吸着剤層10で試料中の成分が吸着される。この吸着
剤層10とリザーバー部分11との間には,フィルター12が
装着されている。カラム1の内部底面にもフィルター13
が装着され,このフィルター13上に吸着剤層10が設けら
れている。カラム1の底部には,下方へ突出する溶出液
の流出口14およびこの流出口14と接続された回収チュー
ブ15が配設されている。カラム1の上端部には,カラム
1内を気密に密閉するカラム栓16が装着され,またカラ
ム1内を開放系にするためのチューブ17およびバルブ18
が装着されている。カラム1には,処理液(洗浄液,溶
離液,再生液など)を供給するためのチューブ19が連結
されている。
1は,例えば,第1図に示すように,吸着剤層10と,こ
の吸着剤層10の上部に形成されたリザーバー部分11とを
有する。リザーバー部分11にて試料が溶菌されるととも
に,吸着剤層10で試料中の成分が吸着される。この吸着
剤層10とリザーバー部分11との間には,フィルター12が
装着されている。カラム1の内部底面にもフィルター13
が装着され,このフィルター13上に吸着剤層10が設けら
れている。カラム1の底部には,下方へ突出する溶出液
の流出口14およびこの流出口14と接続された回収チュー
ブ15が配設されている。カラム1の上端部には,カラム
1内を気密に密閉するカラム栓16が装着され,またカラ
ム1内を開放系にするためのチューブ17およびバルブ18
が装着されている。カラム1には,処理液(洗浄液,溶
離液,再生液など)を供給するためのチューブ19が連結
されている。
このカラム1は,例えば,第2図に示すように,吸着剤
層10とリザーバー部分11とが,適当な長さのチューブ20
を介して連結されてもよい。カラム1の他の例には,例
えば,第3図に示すように,吸着剤層10とリザーバー部
分11とが,別体ではあるものの,接続部21を介してほぼ
一体的に連結された構成がある。
層10とリザーバー部分11とが,適当な長さのチューブ20
を介して連結されてもよい。カラム1の他の例には,例
えば,第3図に示すように,吸着剤層10とリザーバー部
分11とが,別体ではあるものの,接続部21を介してほぼ
一体的に連結された構成がある。
本発明方法において,試料の前処理工程には,菌体の溶
菌工程,タンパク溶解工程,抽出工程などが含まれる。
この方法で処理されるべき試料は,DNAを含む試料であ
り,特に菌体など細胞を含む試料が好適である。本発明
方法は,DNAを含む試料からのDNAの抽出,特に大腸菌細
胞からのプラスミドDNA(106ダルトンオーダー)〜さら
に高分子量のDNA(108ダルトンオーダー)のDNAの抽出
に適している。しかし,この方法は,大腸菌細胞以外の
細胞,例えば真核細胞に対しても使用され得る。
菌工程,タンパク溶解工程,抽出工程などが含まれる。
この方法で処理されるべき試料は,DNAを含む試料であ
り,特に菌体など細胞を含む試料が好適である。本発明
方法は,DNAを含む試料からのDNAの抽出,特に大腸菌細
胞からのプラスミドDNA(106ダルトンオーダー)〜さら
に高分子量のDNA(108ダルトンオーダー)のDNAの抽出
に適している。しかし,この方法は,大腸菌細胞以外の
細胞,例えば真核細胞に対しても使用され得る。
本発明に用いられる吸着剤は,ヒドロキシアパタイトで
あり,試料の処理によりDNAを溶出させるに際して,dsDN
Aのみを選択的に吸着し得るので好適に用いられる。フ
ィルターの孔径は,5〜100μm,好ましくは20〜70μmの
範囲とされる。特に,40μm以下であれば好適である。
5μmを下まわると,フィルターの抵抗が大きくなるた
め,前処理された試料の吸着剤層への浸透が充分になさ
れない。100μmを上まわると,試料および前処理液が
カラムのリザーバー部分に充填され得ず,すぐに吸着剤
層に流出してしまうため,試料の前処理がなされない。
あり,試料の処理によりDNAを溶出させるに際して,dsDN
Aのみを選択的に吸着し得るので好適に用いられる。フ
ィルターの孔径は,5〜100μm,好ましくは20〜70μmの
範囲とされる。特に,40μm以下であれば好適である。
5μmを下まわると,フィルターの抵抗が大きくなるた
め,前処理された試料の吸着剤層への浸透が充分になさ
れない。100μmを上まわると,試料および前処理液が
カラムのリザーバー部分に充填され得ず,すぐに吸着剤
層に流出してしまうため,試料の前処理がなされない。
試料の前処理液には,例えば,洗剤,塩,溶解酵素,ア
ルカリ剤,キレート剤,カオトロピック剤,尿素などを
含む溶液が使用され得る。キレート剤および溶解酵素
は,細胞溶解に際して,細胞壁を弱めるために用いられ
る。キレート剤には,EDTA,8−ヒドロキシキノリンなど
がある。溶解酵素としてはリゾチーム,プロテイナーゼ
Kなどが挙げられる。洗剤は,溶解酵素またはキレート
剤により弱められた細胞壁を溶解させるために用いられ
る。洗剤には,例えば,ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム(SDS),トリトンX−100,Nonidet,ラウロイ
ルサルコシンがある。ドデシル硫酸ナトリウムの濃度
は,0.1〜2%の範囲で変えられる。しかし,0.5〜1%の
範囲が好適である。尿素は,通常2〜8Mの濃度で用いら
れる。8M尿素はほぼ飽和濃度に対応する。処理されるべ
き試料が大腸菌の場合に,好ましい前処理液の組み合わ
せは,0.2M NaOH,1%SDS,50mMトリス・HCl(pH8.0),10m
M EDTA,1mg/mlリゾチームである。試料が真核細胞であ
れば,1M NaCl,1%SDS,50mMトリス・HCl(pH8.0),10mM
EDTA,1mg/mlプロテイナーゼKである。
ルカリ剤,キレート剤,カオトロピック剤,尿素などを
含む溶液が使用され得る。キレート剤および溶解酵素
は,細胞溶解に際して,細胞壁を弱めるために用いられ
る。キレート剤には,EDTA,8−ヒドロキシキノリンなど
がある。溶解酵素としてはリゾチーム,プロテイナーゼ
Kなどが挙げられる。洗剤は,溶解酵素またはキレート
剤により弱められた細胞壁を溶解させるために用いられ
る。洗剤には,例えば,ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム(SDS),トリトンX−100,Nonidet,ラウロイ
ルサルコシンがある。ドデシル硫酸ナトリウムの濃度
は,0.1〜2%の範囲で変えられる。しかし,0.5〜1%の
範囲が好適である。尿素は,通常2〜8Mの濃度で用いら
れる。8M尿素はほぼ飽和濃度に対応する。処理されるべ
き試料が大腸菌の場合に,好ましい前処理液の組み合わ
せは,0.2M NaOH,1%SDS,50mMトリス・HCl(pH8.0),10m
M EDTA,1mg/mlリゾチームである。試料が真核細胞であ
れば,1M NaCl,1%SDS,50mMトリス・HCl(pH8.0),10mM
EDTA,1mg/mlプロテイナーゼKである。
溶出工程で用いられる溶離液としては,吸着剤であるヒ
ドロキシアパタイトを構成する成分(アニオンおよびカ
チオン)の少なくとも一方、好ましくは両方と強い相互
作用を有する溶媒が使用され得る。使用される塩のアニ
オン成分としては炭酸;および蟻酸,酢酸,プロピオン
酸などの有機酸が好適である。カチオン成分としては,
アンモニア;ジエチルアミン,トリエチルアミンなどの
アルキルアミン類;エタノールアミン,プロパノールア
ミンなどのアルカノールアミン類;およびピリジン,ア
ミノベンゼンなどの芳香族アミン類が好適である。この
ような成分でなる塩を含む溶離液としては、特にトリエ
チルアミン炭酸緩衝液が好適である。トリエチルアミン
炭酸緩衝液は揮発性であるため,DNAを含む溶出液の溶媒
を留去したり凍結乾燥することによりDNAのみを高純度
で回収することが可能となる。
ドロキシアパタイトを構成する成分(アニオンおよびカ
チオン)の少なくとも一方、好ましくは両方と強い相互
作用を有する溶媒が使用され得る。使用される塩のアニ
オン成分としては炭酸;および蟻酸,酢酸,プロピオン
酸などの有機酸が好適である。カチオン成分としては,
アンモニア;ジエチルアミン,トリエチルアミンなどの
アルキルアミン類;エタノールアミン,プロパノールア
ミンなどのアルカノールアミン類;およびピリジン,ア
ミノベンゼンなどの芳香族アミン類が好適である。この
ような成分でなる塩を含む溶離液としては、特にトリエ
チルアミン炭酸緩衝液が好適である。トリエチルアミン
炭酸緩衝液は揮発性であるため,DNAを含む溶出液の溶媒
を留去したり凍結乾燥することによりDNAのみを高純度
で回収することが可能となる。
溶離液の濃度は,使用する溶離液の種類により異なる
が,例えばトリエチルアミン炭酸緩衝液を使用する場合
には,10mM以上,好ましくは50mM〜2M,さらに好ましくは
100mM〜1Mの範囲である。このように,50mM以下の低濃度
であってもDNAを溶離する場合には使用可能である。
が,例えばトリエチルアミン炭酸緩衝液を使用する場合
には,10mM以上,好ましくは50mM〜2M,さらに好ましくは
100mM〜1Mの範囲である。このように,50mM以下の低濃度
であってもDNAを溶離する場合には使用可能である。
吸着剤層の洗浄に用いられる洗浄剤には,例えば,キレ
ート剤,カオトロピック剤がある。これらキレート剤,
カオトロピック剤としては,前処理液に使用した試薬が
挙げられる。
ート剤,カオトロピック剤がある。これらキレート剤,
カオトロピック剤としては,前処理液に使用した試薬が
挙げられる。
本発明のDNAを含む試料の処理方法は,試料の処理が菌
体からのDNAの単離・精製の場合,例えば,次のように
してなされる: 処理すべき菌体をカラムのリザーバー部分に入れ,溶解
酵素,(リゾチーム,プロテイナーゼKなど),キレー
ト剤(EDTAなど),洗剤(ドデシル硫酸ナトリウムな
ど)を加える。このカラムを撹拌または振盪して,菌体
を溶菌させる。菌体の細胞壁はキレート剤や溶解酵素に
より弱められ,洗剤により溶解される。得られた溶菌液
を吸着剤であるヒドロキシアパタイトと接触させる。ヒ
ドロキシアパタイトを充填したカラムに,例えば0.15〜
0.25Mの燐酸緩衝液を溶媒として通液することにより,
溶菌液中のds DNAが選択的に吸着される。溶菌液中のRN
A,蛋白質,多糖類などは吸着されない。次に,DNAを吸着
・担持する吸着剤に,上記溶菌液を接触させる。例え
ば,DNAを吸着・担持するヒドロキシアパタイトにトリエ
チルアミン炭酸緩衝液を接触させると,炭酸イオンがヒ
ドロキシアパタイトのカルシウムと結合して難溶性の炭
酸カルシウムを生成し,一方トリエチルアミンはDNAの
燐酸部分と塩を形成し,その結果,DNAはヒドロキシアパ
タイトから脱着する。例えば,ヒドロキシアパタイトカ
ラムのベッド容量の2倍量のトリエチルアミン炭酸緩衝
液を通液することにより,吸着されているDNAのほぼ全
量を回収することができる。このようにして回収される
溶出液(抽出液)を通常のエタノール沈澱処理に付すこ
とにより精製DNAが得られる。溶出液中のトリエチルア
ミン炭酸塩はエタノールに相溶するため,DNAに混入して
その純度を低下させることがない。エタノール沈澱処理
の代わりに溶媒の減圧留去や凍結乾燥を行うことによっ
てもトリエチルアミン炭酸塩が揮発・除去され(脱塩が
達成され)て高純度のDNAが得られる。
体からのDNAの単離・精製の場合,例えば,次のように
してなされる: 処理すべき菌体をカラムのリザーバー部分に入れ,溶解
酵素,(リゾチーム,プロテイナーゼKなど),キレー
ト剤(EDTAなど),洗剤(ドデシル硫酸ナトリウムな
ど)を加える。このカラムを撹拌または振盪して,菌体
を溶菌させる。菌体の細胞壁はキレート剤や溶解酵素に
より弱められ,洗剤により溶解される。得られた溶菌液
を吸着剤であるヒドロキシアパタイトと接触させる。ヒ
ドロキシアパタイトを充填したカラムに,例えば0.15〜
0.25Mの燐酸緩衝液を溶媒として通液することにより,
溶菌液中のds DNAが選択的に吸着される。溶菌液中のRN
A,蛋白質,多糖類などは吸着されない。次に,DNAを吸着
・担持する吸着剤に,上記溶菌液を接触させる。例え
ば,DNAを吸着・担持するヒドロキシアパタイトにトリエ
チルアミン炭酸緩衝液を接触させると,炭酸イオンがヒ
ドロキシアパタイトのカルシウムと結合して難溶性の炭
酸カルシウムを生成し,一方トリエチルアミンはDNAの
燐酸部分と塩を形成し,その結果,DNAはヒドロキシアパ
タイトから脱着する。例えば,ヒドロキシアパタイトカ
ラムのベッド容量の2倍量のトリエチルアミン炭酸緩衝
液を通液することにより,吸着されているDNAのほぼ全
量を回収することができる。このようにして回収される
溶出液(抽出液)を通常のエタノール沈澱処理に付すこ
とにより精製DNAが得られる。溶出液中のトリエチルア
ミン炭酸塩はエタノールに相溶するため,DNAに混入して
その純度を低下させることがない。エタノール沈澱処理
の代わりに溶媒の減圧留去や凍結乾燥を行うことによっ
てもトリエチルアミン炭酸塩が揮発・除去され(脱塩が
達成され)て高純度のDNAが得られる。
本発明のDNAを含む試料の処理方法では,前処理工程と
溶菌工程とが連続してなされ得るカラムが用いられる。
このカラムに,前処理液,溶離液,洗浄液などを収容す
る容器を組み合わせ,これらの処理液をこの容器から供
給手段(チューブ,ポンプなど)によって供給すれば,
試料の処理が自動化され得る。さらに,カラムの下流に
フラクションコレクターを配置すれば,溶出液の回収も
自動化される。供給手段やフラクションコレクターは,
通常,コンピューターにより制御される。
溶菌工程とが連続してなされ得るカラムが用いられる。
このカラムに,前処理液,溶離液,洗浄液などを収容す
る容器を組み合わせ,これらの処理液をこの容器から供
給手段(チューブ,ポンプなど)によって供給すれば,
試料の処理が自動化され得る。さらに,カラムの下流に
フラクションコレクターを配置すれば,溶出液の回収も
自動化される。供給手段やフラクションコレクターは,
通常,コンピューターにより制御される。
(実施例) 以下に本発明を実施例について述べる。
実施例1 (A) 菌体の培養 プラスミドpBR322を含有する大腸菌HB101株を5mlのLB培
地中で一夜培養した。この培養液1.5mlを5,000rpmにて
5分間遠心分離し,菌体を沈澱させた。
地中で一夜培養した。この培養液1.5mlを5,000rpmにて
5分間遠心分離し,菌体を沈澱させた。
(B) 菌体の溶菌 (A)項で得られた菌体に,20mMトリス塩酸緩衝液(pH
8.0)−10mMエチレンジアミン四酢酸(2×TE)250μ
を加えて懸濁させ,これをカラム1のリザーバー部分11
に入れた。カラム1にカラム栓16を取りつけ、チューブ
17,19およびバルブ18を接続した。チューブ19は,図外
の供給手段(ポンプを有する)および容器と連結した。
さらに,このリザーバー部分11に,バルブ18を設け,開
放系にした後,チューブ19より50mMのトリス塩酸緩衝液
に溶解させた1mg/mlリゾチームを50μ加えた。バルブ
18を閉じ,リザーバー部分11を密閉系として,菌体を室
温にて10分間振盪し溶菌した。
8.0)−10mMエチレンジアミン四酢酸(2×TE)250μ
を加えて懸濁させ,これをカラム1のリザーバー部分11
に入れた。カラム1にカラム栓16を取りつけ、チューブ
17,19およびバルブ18を接続した。チューブ19は,図外
の供給手段(ポンプを有する)および容器と連結した。
さらに,このリザーバー部分11に,バルブ18を設け,開
放系にした後,チューブ19より50mMのトリス塩酸緩衝液
に溶解させた1mg/mlリゾチームを50μ加えた。バルブ
18を閉じ,リザーバー部分11を密閉系として,菌体を室
温にて10分間振盪し溶菌した。
次いで,バルブ18を開けて系を開放系にした後,チュー
ブ19から0.5M EDTAを20μ加え,室温にて10分間緩や
かにカラムを振盪し撹拌した。さらに,チューブ19によ
り,2%トリトンX100を10μを加えて,室温にて45分間
放置した。この間に,カラムをゆるやかに撹拌し振盪を
続けた。
ブ19から0.5M EDTAを20μ加え,室温にて10分間緩や
かにカラムを振盪し撹拌した。さらに,チューブ19によ
り,2%トリトンX100を10μを加えて,室温にて45分間
放置した。この間に,カラムをゆるやかに撹拌し振盪を
続けた。
この溶液に,回収率の算出を目的として,3Hでインビト
ロ(in vitro)標識されたプラスミドDNA(3H−pBR322D
NA)を約0.1μCi添加した。
ロ(in vitro)標識されたプラスミドDNA(3H−pBR322D
NA)を約0.1μCi添加した。
(C) DNAの精製: (C)−1 カラム操作(吸着) (B)項で得られた溶菌菌体を含む水溶液(溶菌液)に
対し,9M尿素−0.27M燐酸緩衝液(pH7.0)−1%SDSを含
む緩衝液を8倍容量をバルブ18を開け,系を開放系と
し,チューブ19から加えた。この混合液を,バルブ18を
閉じてカラム1を密閉系にして,0.5mlのヒドロキシアパ
タイト(吸着剤)を充填したカラムに流速5ml/時間でチ
ャージし,菌体成分を吸着させた。
対し,9M尿素−0.27M燐酸緩衝液(pH7.0)−1%SDSを含
む緩衝液を8倍容量をバルブ18を開け,系を開放系と
し,チューブ19から加えた。この混合液を,バルブ18を
閉じてカラム1を密閉系にして,0.5mlのヒドロキシアパ
タイト(吸着剤)を充填したカラムに流速5ml/時間でチ
ャージし,菌体成分を吸着させた。
(C)−2 カラム操作(洗浄1) 上記カラムに約20mlの8M尿素−0.24M燐酸緩衝液(pH7.
0)を流速20ml/時間で約1時間,溶出し,260nmにおける
吸光度(OD260)がほぼ0になるまで通液した。
0)を流速20ml/時間で約1時間,溶出し,260nmにおける
吸光度(OD260)がほぼ0になるまで通液した。
(C)−3 カラム操作(洗浄2) 次に10mMトリス・塩酸−1mMエチレンジアミン四酢酸(p
H7.5)(TE)緩衝液約10mlを流速20ml/時間の割合で30
分間通液し,(C)−2項の洗浄液の成分である尿素お
よび燐酸緩衝液を洗い流した。
H7.5)(TE)緩衝液約10mlを流速20ml/時間の割合で30
分間通液し,(C)−2項の洗浄液の成分である尿素お
よび燐酸緩衝液を洗い流した。
(C)−4 カラム操作(溶離) このカラムに0.1Mトリエチルアミン炭酸緩衝液(pH8.
0)を流速5ml/時間で流した。カラムの出口に紫外線吸
収モニター(UVモニター)を接続して260mnの吸光度を
モニターしたところ,第4図に曲線で示す結果が得られ
た。第4図から,溶離液の通液開始後0.2〜1.2mlの範囲
で大部分のプラスミドDNAが溶出されているのがわか
る。カラムからの溶出液の各フラクションの放射活性を
液体シンチレーションカウンターで測定し,各フランク
ションに含まれる3H標識化プラスミドの回収率を調べ
た。その結果を第4図に棒グラフで示す。第4図から,
ほぼ95%以上のプラスミドpBR322−DNAが回収されてい
ることがわかる。
0)を流速5ml/時間で流した。カラムの出口に紫外線吸
収モニター(UVモニター)を接続して260mnの吸光度を
モニターしたところ,第4図に曲線で示す結果が得られ
た。第4図から,溶離液の通液開始後0.2〜1.2mlの範囲
で大部分のプラスミドDNAが溶出されているのがわか
る。カラムからの溶出液の各フラクションの放射活性を
液体シンチレーションカウンターで測定し,各フランク
ションに含まれる3H標識化プラスミドの回収率を調べ
た。その結果を第4図に棒グラフで示す。第4図から,
ほぼ95%以上のプラスミドpBR322−DNAが回収されてい
ることがわかる。
(C)−5 DNAの単離および純度の評価 得られた溶出液約1mlに3M酢酸ナトリウムを0.1ml加えて
エタノール沈澱を行った。プラスミドDNA(pBR322)が
4μg回収された。このプラスミドDNAの1/5量をアガロ
ースゲル電気泳動にかけたところ,第5図2に示す泳動
パターンが得られた(第5図1は,プラスミドDNA(pBR
322)のマーカーである)。RNAは全く検出されず,か
つ,宿主DNAもリボヌクレアーゼを用いる従来法(比較
例,泳動パターン5)に比べて同程度以下(5%以下)
であった。第5図において,oc DNAは,ニック(切り
目)の入ったpBR322プラスミドDNAを,そしてcc DNA
は,ニックの入らないpBR322プラスミドDNAを示す。
エタノール沈澱を行った。プラスミドDNA(pBR322)が
4μg回収された。このプラスミドDNAの1/5量をアガロ
ースゲル電気泳動にかけたところ,第5図2に示す泳動
パターンが得られた(第5図1は,プラスミドDNA(pBR
322)のマーカーである)。RNAは全く検出されず,か
つ,宿主DNAもリボヌクレアーゼを用いる従来法(比較
例,泳動パターン5)に比べて同程度以下(5%以下)
であった。第5図において,oc DNAは,ニック(切り
目)の入ったpBR322プラスミドDNAを,そしてcc DNA
は,ニックの入らないpBR322プラスミドDNAを示す。
さらに,回収された溶液の蛋白質の定量を行ったとこ
ろ,蛋白質の含有量は検出限界の2ng以下であり,DNAは
充分に純粋であることが推定された。このDNAは制限酵
素Hinf Iにより完全に切断され,純度的にも十分満足で
きることがわかった。
ろ,蛋白質の含有量は検出限界の2ng以下であり,DNAは
充分に純粋であることが推定された。このDNAは制限酵
素Hinf Iにより完全に切断され,純度的にも十分満足で
きることがわかった。
実施例2 菌体の溶菌方法としてアルカリ法を用いたこと以外は,
実施例1と同様の方法により,菌体の溶菌を行った。
実施例1と同様の方法により,菌体の溶菌を行った。
(A) 菌体の培養および溶菌 実施例1(A)項と同様の操作で得られる遠心分離され
た菌体1.5mlを,20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)−10mM
エチレンジアミン四酢酸(2×TE)100μを加えて懸
濁させ,これをカラム1のリザーバー部分11に入れた。
カラム1にカラム栓16を取りつけ,チューブ17,19およ
びバルブ18を接続した。チューブ19は,図外の供給手段
(ポンプを有する)および容器と連結した。さらに,こ
のリザーバー部分11に,50mMのトリス塩酸緩衝液に0.2M
水酸化ナトリウム−0.1%ドデシル硫酸ナトリウムを200
μ加えた。バルブ18を閉じ,リザーバー部分11を密閉
系として,菌体を室温にて10分間振盪し溶菌した。
た菌体1.5mlを,20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)−10mM
エチレンジアミン四酢酸(2×TE)100μを加えて懸
濁させ,これをカラム1のリザーバー部分11に入れた。
カラム1にカラム栓16を取りつけ,チューブ17,19およ
びバルブ18を接続した。チューブ19は,図外の供給手段
(ポンプを有する)および容器と連結した。さらに,こ
のリザーバー部分11に,50mMのトリス塩酸緩衝液に0.2M
水酸化ナトリウム−0.1%ドデシル硫酸ナトリウムを200
μ加えた。バルブ18を閉じ,リザーバー部分11を密閉
系として,菌体を室温にて10分間振盪し溶菌した。
次いで,この強アルカリ水溶液に,酢酸カリウム150μ
を加えて中和した。この溶液に,回収率の算出を目的
として,3Hでインビトロ(in vitro)標識されたプラス
ミドDNA(3H−pBR322DNA)を約0.1μCi添加した。
を加えて中和した。この溶液に,回収率の算出を目的
として,3Hでインビトロ(in vitro)標識されたプラス
ミドDNA(3H−pBR322DNA)を約0.1μCi添加した。
(B) DNAの精製 本実施例(A)項で得られた3H−pBR322DNAを含む液を
用い実施例1と同様にカラム操作を行った。溶離液通液
開始後0.2〜1.2mlの範囲で大部分のプラスミドDNAが溶
出された。DNAの回収率は3H標識化プラスミドの放射能
から,ほぼ95%以上であるこが判明した。これらの操作
は,全てコンピューターにより制御され,約2時間で終
了した。
用い実施例1と同様にカラム操作を行った。溶離液通液
開始後0.2〜1.2mlの範囲で大部分のプラスミドDNAが溶
出された。DNAの回収率は3H標識化プラスミドの放射能
から,ほぼ95%以上であるこが判明した。これらの操作
は,全てコンピューターにより制御され,約2時間で終
了した。
回収された溶出液約1mlに3M酢酸ナトリウムを0.1ml加え
てエタノール沈澱を行い,プラスミドDNA(pBR322)を
3μg回収した。このプラスミドDNAをアガロース電気
泳動にかけたところ第5図3に示す泳動パターンが得ら
れた。RNAは全く認められず,かつ,宿主DNAも従来法
(比較例;泳動パターン4)に比べてかなり低く,エチ
ジウムブロマイド染色によっては検出することが困難で
あった。
てエタノール沈澱を行い,プラスミドDNA(pBR322)を
3μg回収した。このプラスミドDNAをアガロース電気
泳動にかけたところ第5図3に示す泳動パターンが得ら
れた。RNAは全く認められず,かつ,宿主DNAも従来法
(比較例;泳動パターン4)に比べてかなり低く,エチ
ジウムブロマイド染色によっては検出することが困難で
あった。
さらに,回収された溶液の蛋白質の定量を行ったとこ
ろ,蛋白質の含有量は検出限界の2ng以下であり,DNAは
十分に純粋であることが推定された。このDNAは制限酵
素Hinf Iにより完全に切断され,純度的にも十分満足で
きることがわかった。
ろ,蛋白質の含有量は検出限界の2ng以下であり,DNAは
十分に純粋であることが推定された。このDNAは制限酵
素Hinf Iにより完全に切断され,純度的にも十分満足で
きることがわかった。
比較例 実施例1および2は全て液体クロマトグラフィーの原理
に基づくミニカラム法を用いた自動化装置による試料の
処理方法(DNA精製)の例である。これに対して,従来
の手動によるDNAの精製例をアルカリ法を用いて次に示
す。
に基づくミニカラム法を用いた自動化装置による試料の
処理方法(DNA精製)の例である。これに対して,従来
の手動によるDNAの精製例をアルカリ法を用いて次に示
す。
(A) 菌体の培養および溶菌 実施例2(A)項と同様に操作して,上澄み液を得,こ
れに3H−pBR322DNAを加えた。この液に等量のフェノー
ル−クロロホルム(1:1)を加えて抽出し,蛋白質を除
去した後,上澄み液を分け取り,これに等量のイソプロ
パノールを加え,アルコール沈澱を行った。得られた沈
澱を15,000rpmで10分間遠心し,沈澱を70%エタノール
で洗浄後真空乾燥し,DNA分画を回収した。このDNA分画
を50μのTE緩衝液に溶解させた。次いでこの溶液に1m
g/mlのリボヌクレアーゼを2μ加え,37℃で1時間放
置し,RNAを低分子化した。これに,0.2倍量の5M NaCl水
溶液および0.33倍量の30%ポリエチレングリコール6000
水溶液を加え,−10℃にて1時間冷却した。生じた沈澱
(プラスミドDNA)を,15,000rpmにて10分間遠心分離
し,回収した。低分子化されたRNAは沈澱しないため,
除去される。得られたDNAを50μのTEに溶解し,これ
に5μの3M NaCl水溶液を加えた。これに99%エタノ
ール100μを加え,−78℃で10分間冷却した。これを1
5,000rpmで10分間遠心分離し,DNAを回収した。この操作
によりポリエチレングリコールが除去された。得られた
DNAを再び70%エタノールにて洗浄後,真空乾燥した。D
NAの収量は3μgであった。リボヌクレアーゼ処理を行
わなかった場合および行った場合のDNAの電気泳動パタ
ーンを第5図4および5に示す。この比較例において
は,リボヌクレアーゼ処理を行わなかった場合は,多量
のRNAがコンタミしており,一方RNA除去のための処理を
行った場合には約3時間を余分に要した。
れに3H−pBR322DNAを加えた。この液に等量のフェノー
ル−クロロホルム(1:1)を加えて抽出し,蛋白質を除
去した後,上澄み液を分け取り,これに等量のイソプロ
パノールを加え,アルコール沈澱を行った。得られた沈
澱を15,000rpmで10分間遠心し,沈澱を70%エタノール
で洗浄後真空乾燥し,DNA分画を回収した。このDNA分画
を50μのTE緩衝液に溶解させた。次いでこの溶液に1m
g/mlのリボヌクレアーゼを2μ加え,37℃で1時間放
置し,RNAを低分子化した。これに,0.2倍量の5M NaCl水
溶液および0.33倍量の30%ポリエチレングリコール6000
水溶液を加え,−10℃にて1時間冷却した。生じた沈澱
(プラスミドDNA)を,15,000rpmにて10分間遠心分離
し,回収した。低分子化されたRNAは沈澱しないため,
除去される。得られたDNAを50μのTEに溶解し,これ
に5μの3M NaCl水溶液を加えた。これに99%エタノ
ール100μを加え,−78℃で10分間冷却した。これを1
5,000rpmで10分間遠心分離し,DNAを回収した。この操作
によりポリエチレングリコールが除去された。得られた
DNAを再び70%エタノールにて洗浄後,真空乾燥した。D
NAの収量は3μgであった。リボヌクレアーゼ処理を行
わなかった場合および行った場合のDNAの電気泳動パタ
ーンを第5図4および5に示す。この比較例において
は,リボヌクレアーゼ処理を行わなかった場合は,多量
のRNAがコンタミしており,一方RNA除去のための処理を
行った場合には約3時間を余分に要した。
(発明の効果) 本発明方法によれば,このように,DNAを含む試料の前処
理工程(例えば菌体の溶菌工程)が,カラムのヒドロキ
シアパタイトからなる吸着剤層と一体的に形成されたリ
ザーバー部分でなされるため,試料の処理が短時間のう
ちに,高純度・高収率で,かつ煩雑な操作を必要とする
ことなくなされ得る。このような方法は,菌体からのDN
Aの単離・精製などの遺伝子工学の各分野で広く利用さ
れ得る。
理工程(例えば菌体の溶菌工程)が,カラムのヒドロキ
シアパタイトからなる吸着剤層と一体的に形成されたリ
ザーバー部分でなされるため,試料の処理が短時間のう
ちに,高純度・高収率で,かつ煩雑な操作を必要とする
ことなくなされ得る。このような方法は,菌体からのDN
Aの単離・精製などの遺伝子工学の各分野で広く利用さ
れ得る。
第1図,第2図および第3図は,本発明の試料の処理方
法に用いられる装置の一実施例を示す断面図;第4図
は,実施例1において,本発明の試料の処理方法により
DNAの精製を行ったときの溶出液の紫外線吸収をモニタ
ーした結果,およびDNAの指標として加えられた3H放射
能活性をモニターした結果を示すグラフ;そして第5図
は本発明方法および他の方法により得られる精製DNAの
電気泳動パターンである。 1……カラム,10……吸着剤層,11……リザーバー部分,1
2,13……フィルター,14……流出口,15……回収チュー
ブ,16……カラム栓,17,19,20……チューブ,18……バル
ブ,21……連結部。
法に用いられる装置の一実施例を示す断面図;第4図
は,実施例1において,本発明の試料の処理方法により
DNAの精製を行ったときの溶出液の紫外線吸収をモニタ
ーした結果,およびDNAの指標として加えられた3H放射
能活性をモニターした結果を示すグラフ;そして第5図
は本発明方法および他の方法により得られる精製DNAの
電気泳動パターンである。 1……カラム,10……吸着剤層,11……リザーバー部分,1
2,13……フィルター,14……流出口,15……回収チュー
ブ,16……カラム栓,17,19,20……チューブ,18……バル
ブ,21……連結部。
Claims (7)
- 【請求項1】ヒドロキシアパタイトからなる吸着剤層お
よびリザーバー部分を有し,該吸着剤層と該リザーバー
部分とがフィルターを介して一体的に連結されたカラム
を用いたDNAを含む試料の処理方法であって, 該リザーバー部分にDNAを含む試料および前処理液を充
填して,該試料を前処理する工程, 該前処理された試料を該吸着剤層に供給して,該試料中
の成分を該吸着剤に吸着させる工程,および 該吸着剤層を洗浄した後,該成分を溶出させる工程, を包含するDNAを含む試料の処理方法。 - 【請求項2】前記フィルターの孔径が,5〜100μmの範
囲である特許請求の範囲第1項に記載のDNAを含む試料
の処理方法。 - 【請求項3】前記前処理工程が,溶菌工程,タンパク溶
解工程および抽出工程のうちの少なくとも一種の工程で
ある特許請求の範囲第1項に記載のDNAを含む試料の処
理方法。 - 【請求項4】前記前処理液が,洗剤,塩,溶解酵素,ア
ルカリ剤,キレート剤,カオトロピック剤および尿素の
うちの少なくとも一種を含有する特許請求の範囲第1項
に記載のDNAを含む試料の処理方法。 - 【請求項5】前記洗剤がドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムである特許請求の範囲第4項に記載のDNAを含
む試料の処理方法。 - 【請求項6】前記キレート剤がEDTAである特許請求の範
囲第4項に記載のDNAを含む試料の処理方法。 - 【請求項7】前記洗浄に用いる洗浄剤が,キレート剤お
よび/またはカオトロピック剤である特許請求の範囲第
1項に記載のDNAを含む試料の処理方法。
Priority Applications (6)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62116417A JPH0740029B2 (ja) | 1987-05-13 | 1987-05-13 | Dnaを含む試料の処理方法 |
| CA000564664A CA1325980C (en) | 1987-04-22 | 1988-04-21 | Apparatus for the treatment of biological samples and treatment methods using the same |
| EP88730093A EP0288425B1 (en) | 1987-04-22 | 1988-04-22 | An apparatus for the treatment of biological samples and treatment methods using the same |
| US07/184,835 US5208160A (en) | 1987-04-22 | 1988-04-22 | Methods and apparatus for the continuous treatment of biological samples |
| DE88730093T DE3886254T2 (de) | 1987-04-22 | 1988-04-22 | Apparat zur Behandlung von biologischen Proben und Behandlungsmethoden mit dem Apparat. |
| AU15085/88A AU613028B2 (en) | 1987-04-22 | 1988-04-22 | An apparatus for the treatment of biological samples and treatment methods using the same |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62116417A JPH0740029B2 (ja) | 1987-05-13 | 1987-05-13 | Dnaを含む試料の処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63281051A JPS63281051A (ja) | 1988-11-17 |
| JPH0740029B2 true JPH0740029B2 (ja) | 1995-05-01 |
Family
ID=14686560
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62116417A Expired - Lifetime JPH0740029B2 (ja) | 1987-04-22 | 1987-05-13 | Dnaを含む試料の処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0740029B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2013147043A1 (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-03 | 株式会社シノテスト | 核酸の検出又は定量方法及び検出又は定量用試薬キット |
Family Cites Families (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5056295A (ja) * | 1973-09-14 | 1975-05-16 | ||
| JPS59131058U (ja) * | 1983-02-21 | 1984-09-03 | 高見 勝重 | テフロン製分析試料前処理用カラム |
| JPS6031055A (ja) * | 1983-08-01 | 1985-02-16 | Toyo Soda Mfg Co Ltd | 試料の前処理法 |
| JPS60134163U (ja) * | 1984-02-16 | 1985-09-06 | 株式会社 京都クロマト | 液体クロマトグラフ用の試料前処理カ−トリツジ |
| EP0183950B1 (en) * | 1984-10-18 | 1990-05-16 | Hewlett-Packard GmbH | Method of processing liquid within a tube |
| JPS61104372U (ja) * | 1984-12-14 | 1986-07-02 | ||
| JPS61210954A (ja) * | 1985-03-15 | 1986-09-19 | Nippon Oil & Fats Co Ltd | 石けん中のグリセリンの分析方法 |
-
1987
- 1987-05-13 JP JP62116417A patent/JPH0740029B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63281051A (ja) | 1988-11-17 |
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