JPH0741064B2 - 医療用具 - Google Patents

医療用具

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JPH0741064B2
JPH0741064B2 JP61271747A JP27174786A JPH0741064B2 JP H0741064 B2 JPH0741064 B2 JP H0741064B2 JP 61271747 A JP61271747 A JP 61271747A JP 27174786 A JP27174786 A JP 27174786A JP H0741064 B2 JPH0741064 B2 JP H0741064B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、医療用具に関するものである。詳しく述べる
と本発明は、高ガス透過性、オートクレーブ滅菌可能な
耐熱性を有しかつ有害な可塑剤の移行の虞れのない医療
用具に関するものである。
(従来の技術) 現在、プラスチック製容器またはその他の医療用具とし
ては、その加工性、柔軟性、耐熱性および低価格性等の
良好さゆえに、軟質塩化ビニル樹脂製のものが広く使用
されている。これらの軟質塩化ビニル樹脂には通常可塑
剤としてジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)等
のフタル酸エステルが30〜60重量%程度含まれている。
しかしながら、フタル酸エステルは、移行性が大きいた
め、例えばこのような軟質塩化ビニル樹脂製医療用具
が、血液等と接した場合に、血液中に可塑剤が溶出移行
することが認められ、その改善が要求されている(医器
54:221(1984))。また血液バッグに保存された血
液成分、特に血小板に対して、溶出移行した可塑剤が悪
影響を与えることも知られている(日本輸血学会雑誌
28,282(1982))。
一方、これらの問題を解決するために塩化ビニル樹脂に
ポリウレタン樹脂を配合した軟質塩化ビニル樹脂(特開
昭56−83,357号)などが提案されているが、これらの室
温で固体状の軟質樹脂により可塑化された塩化ビニル樹
脂は、血液バッグ等において必要とされるガス透過性を
満足していないものであった。また、エチレン・一酸化
炭素・酢酸ビニル共重合体を配合した軟質塩化ビニル樹
脂が提案されている(特開昭56−41,240号)が、この場
合も同様に前記ガス透過性が満足されないばかりか、滅
菌に必要とされる耐熱性が充分でなく、実質的にオート
クレーブ滅菌が不可能であった。さらにエチレン−酢酸
ビニル−塩化ビニル共重合体に関しても検討が加えられ
ているが、従来のエチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共
重合体においては、高圧重合法で合成されたエチレン−
酢酸ビニル樹脂の存在下に塩化ビニルを懸濁重合法によ
りグラフト共重合させて得られるものであるため、白濁
して透明性が悪く、医療用具用樹脂として不適なものと
なり、またその塩化ビニル含量は50重量%以上であっ
た。
(発明が解決しようとする問題点) 従って、本発明は、改良された医療用具を提供すること
を目的とする。本発明はまた、高ガス透過性、オートク
レーブ滅菌可能な耐熱性を有し、かつ有害な可塑剤の移
行の虞れのない医療用具を提供することを目的とする。
本発明はまた、透明性の高い改良されたエチレン−酢酸
ビニル−塩化ビニル共重合体で構成される特に血液バッ
グとして有用な医療用具を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 上記諸目的は、高圧重合法により重合され、塩化ビニル
成分含有量が5〜50重量%であるエチレン−酢酸ビニル
−塩化ビニル共重合体により実質的に構成されているこ
とを特徴とする医療用具により達成される。
本発明はまた、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重
合体における酢酸ビニル:エチレン重量比が1:4〜1:1で
あり、かつ該共重合体の数平均分子量が4.0×104〜2.0
×105である医療用具を示すものである。本発明はさら
に酸素ガス透過係数が5.0×102〜1.0×103ml・mm/m2・d
ay・atmである医療用具を示すものである。本発明はさ
らにオートクレーブ滅菌に耐え得るものである医療用具
を示すものである。本発明はさらに高い透明性を有する
医療用具を示すものである。本発明はまた血液収納用容
器である医療用具を示すものである。
(作用) 以下本発明を実施態様に基づきより詳細に説明する。
本発明の医療用具は、高圧重合法により重合され、塩化
ビニル成分含有量が5〜50重量%であるエチレン−酢酸
ビニル−塩化ビニル共重合体により実質的に構成されて
いることを特徴とするものである。本発明に係る高圧重
合法により重合され塩化ビニル成分含量が50重量%以下
であるエチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体は、
後述するように良好な透明性と適当なガス透過性を有
し、また実質的に可塑剤を含有しないために可塑剤の溶
出移行の問題も生じず、該共重合体を用いて構成させた
医療用具は、極めて優れた性能を有するものである。
本発明による医療用具としては、血液バッグ等の体液保
存容器、カテーテル、輸血セット、血液回路等の医療用
具、ならびに前記医療用具用包装容器、錠剤等の薬剤用
の包装容器などが含まれるものである。
本発明の医療用具を構成するエチレン−酢酸ビニル−塩
化ビニル共重合体は、エチレン共重合体として代表的な
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)と同様に高圧重
合法により製造されるものである。すなわち、重合圧力
1,000〜2,000気圧、重合温度100〜200℃に保ち、重合反
応容器中にエチレン、酢酸ビニルおよび塩化ビニルの各
コモノマーを存在させておきラジカル共重合させること
により得られる。またこのラジカル共重合において用い
られる重合開始剤としては、酸素、2,4−ジクロロベン
ジルパーオキシド、カプリルパーオキシド、ラウロイル
パーオキシド、t−ブチルパーイソブチレート、ベンゾ
イルパーオキシド、t−ブチルパーアセテート、t−ブ
チルパーベンゾエート、ジクミルパーオキシド、t−ブ
チルハイドロパーオキシド、メチルエチルケトンパーオ
キシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、クメンハイドロ
パーオキシド等の有機過酸化物およびアゾビスイソブチ
ロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−
カーボニトリル)等のアゾ化合物など各種の重合開始剤
が用いられる。また、重合形態としては、塊状重合ある
いは溶液重合のいずれでもよい。溶液重合の場合に用い
られる溶剤としては、水、ベンゾール等が用いられ得る
ことができる。さらに用いられる重合反応容器は、管式
反応器およびオートクレーブ形反応器のいずれでもよ
い。また、該エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合
体は、そのモノマー反応性率から、共重合反応の初期に
おいては、主としてエチレンと酢酸ビニルのランダムな
共重合が進行し、共重合反応の進行とともにモノマー相
におけるエチレンおよび酢酸ビニルが減少し、末期にお
いて塩化ビニルがブロック的に重合するものと思われ
る。従って、共重合反応に際して、重合反応器中に、最
初から、エチレン、酢酸ビニルおよび塩化ビニルを存在
させておいても、またエチレンおよび酢酸ビニルの存在
下に重合途中あるいは重合完了直前に塩化ビニルを添加
しても、得られる三元共重合体は、ほぼ同様の物性のも
のとなる。
このようにして得られるエチレン−酢酸ビニル−塩化ビ
ニル共重合体において、塩化ビニル成分含有量は、5〜
50重量%、好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは
15〜35重量%である。すなわち共重合体中の塩化ビニル
成分含有量が5重量%未満では、オートクレーブ滅菌に
必要とされる耐熱性がなくなってしまい、一方50重量%
を超えると血液成分、特に血小板保存に必要なガス透過
性が不十分なものとなってしまう。
また、該共重合体における酢酸ビニル:エチレン重量比
は、1:4〜1:1、より好ましくは1:3〜1:2であることが望
ましい。すなわち、酢酸ビニル:エチレン重量比が1:4
を超える酢酸ビニル含量であると医療用具、特に血液バ
ッグにおいて必要とされる水蒸気バリヤー性がなくなっ
てしまう虞れがあり、一方酢酸ビニル:エチレン重量比
が1:1未満となる酢酸ビニル含量であると塩化ビニルセ
グメントとの相溶性が低くなり、樹脂の透明度が低下し
白濁してくる虞れがあるためである。また該共重合体の
分子量範囲は、数平均分子量で4.0×104〜2.0×105、さ
らに好ましくは5.0×104〜8.0×104にあることが望まし
い。すなわち、分子量が4.0×104未満であると耐熱変形
性が大きなものとなってしまい、一方2.0×105を超える
と成形性が悪くなってしまうからである。
本発明の医療用具は、上記のごときエチレン−酢酸ビニ
ル−塩化ビニル共重合体を用いて所定形状に成形するこ
とによって得られるが、該共重合体には、必要に応じ
て、バリウム、亜鉛、カルシウム等の金属とステアリン
酸、ラウリン酸、リシノール酸、ナフテン酸、2−エチ
ルヘキソイン酸等との金属石けん類、ジブチル錫ジラウ
レート、ジブチル錫ジマレエート等の有機錫化合物、2,
6−ジ−t−ブチルメチルフェノール、4,4′−チオビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)などの熱安
定剤、およびその他の安定剤、滑剤等を添加することも
可能である。
つぎに図面を参照しながら、血液バッグを例にとり、本
発明による医療用具の一実施態様を説明する。すなわ
ち、第1図は採血針に連結された血液バッグを示すもの
であり、複数個のピールタブ付き排出口1を備えた、上
記エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体製の血液
バッグ3は、その周縁部4を高周波加熱あるいはその他
の加熱手段によりヒートシールされており、また該血液
バッグ3の内部空間5に連通する上記エチレン−酢酸ビ
ニル−塩化ビニル共重合体製のチューブ6が連結されて
いる。また、前記チューブ6の先端には、針基7が取付
けられおり、針基7には穿刺針8が取付けられ、さらに
この穿刺針8にはキャップ9が取付けられている。な
お、このように医療用具が血液バッグ等の血液を保存す
るものである場合には、その酸素ガス透過係数が5.0×1
02〜1.0×103ml・mm/m2・day・atmであることが血液保
存性の面から特に望まれる特性である。
以上は、血液バッグを例にとって説明したが、その他の
体液保存容器、カテーテル、輸血セット、血液回路等の
医療用具、ならびに前記医療用具用包装容器、錠剤等の
薬剤用の包装容器などについても、同様に上記のエチレ
ン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体により好適に構成
されるものである。
本発明による医療用具は、その使用前に滅菌処理される
が、滅菌処理法としては通常オートクレーブ滅菌が用い
られ、約121℃で約60分間の滅菌にかけられる。本発明
の医療用具は、上述したようにこのようなオートクレー
ブ滅菌処理条件に耐え得る十分な耐熱性を有するもので
ある。
(実施例) 以下、本発明を実施例に基づきより詳細に説明する。
実施例1 高圧重合法により合成された、酢酸ビニル:エチレン重
量比が1:2であり、塩化ビニル成分含量が20重量%であ
るエチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体(数平均
分子量6.0×104)100重量部に、熱安定剤としてステア
リン酸亜鉛およびステアリン酸カルシウムを各1重量部
および滑剤としてビスアマイドを0.1重量部添加し押出
機によって混練ペレットを得た。得られたペレットをプ
レス成形して厚さ0.4mmのシートを作成し、透明度、弾
性率およびO2ガス透過性を調べた。結果を第1表に示
す。
なお透明度は目視により、弾性率は、23℃における100
%モジュラスを引張試験機(ストログラフ)により、ま
たO2ガス透過係数は、30℃でのO2ガス透過係数をガス透
過性試験機(Lyssy社製、L100)により、それぞれ調べ
られた。
比較例1 高圧重合法により合成された、エチレン−酢酸ビニル共
重合体(酢酸ビニル・エチレン重量比が1:2)の存在
下、懸濁重合法により40重量%の塩化ビニルを共重合し
て得られたエチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体
(数平均分子量4.5×104)100重量部に、熱安定剤とし
てステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸亜鉛を各
1重量部および滑剤としてビスアマイドを0.1重量部添
加し押出機によって混練ペレットを得た。得られたペレ
ットをプレス成形して厚さ0.4mmのシートを作成し、実
施例1と同様に、透明度、弾性率およびO2ガス透過性を
調べた。結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように、本発明に係る実施例1のエ
チレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体は、比較例1
のものとほぼ同じ弾性率を有するにもかかわらず、良好
な透明性とともに血小板保存に必要とされる高いO2ガス
透過係数を有するものであった。
実施例2 実施例1と同様に調製された混練ペレットを押出機を用
いて0.4mm厚のシートに成形した。次に該シートを2枚
重ね合せて所定部を高周波シートすることにより200ml
容の血液バッグを作成した。CPD液56mlが入った別の血
液バッグ(テルフレックス テルモ(株)製)にヒト血
400mlを採血し、遠心分離することにより濃縮血小板血
漿(以下、PCと略記する。)70mlを調製しこのうちの35
mlを該血液バッグに無菌的に分注した後水平振盪下22℃
で5日間保存し、PCのpHの経時変化について測定した。
なおpHの測定にはラジオメーター(Radiometer)社製ブ
ラッド ガス アナライザー(Blood Gas Analyzer)を
用いた。結果を第2表および第2図に示す。
比較例2 比較例1と同様に調製された混練ペレットを用いて実施
例2と同様に血液バッグを作成し、該血液バッグ内にお
けるPCのpHの経時変化を実施例2と同様に調べた。結果
を第2表および第2図に示す。
第2表および第2図から明らかなように、実施例2の血
液バッグは、その高いガス透過係数を反映して、初期の
pH値とほぼ同様の値を持続しているが、比較例2のもの
においては、経時的にpH値が低下し、血小板の適性保存
pH範囲(pH6.0〜7.3)以下のものとなってしまった。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明の医療用具は、高圧重合法に
より重合され、塩化ビニル成分含有量が5〜50重量%で
あるエチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体により
実質的に構成されていることを特徴とするものであるの
で、高ガス透過性、オートクレーブ滅菌可能な耐熱性を
有しかつ有害な可塑剤移行の問題も生起せず、また透明
性も良好であって、極めて優れた医療用具であると言え
るものである。特に本発明の医療用具が血液バッグ等の
血液と接触するものである場合には、その高いガス透過
性ゆえに、血液保存性、殊に血小板保存性が良好なもの
となり、長期間にわたって、血液成分を変性させること
なく安定に保存できるものとなる。また本発明の医療用
具において、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合
体における酢酸ビニル:エチレン重量比が1:4〜1:1であ
り、かつ該共重合体の数平均分子量が4.0×104〜2.0×1
05であり、さらに酸素ガス透過係数が5.0×102〜1.0×1
03ml・mm/m2・day・atmである場合には、上記に述べた
ような特性はより一層優れたものとなり、さらに優れた
医療用具となるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の医療用具の一実施態様を示す正面図
であり、また第2図は、血液バッグ中における濃縮血小
板血漿のpH値の経時変化を示すグラフである。 3……血液バッグ、6……チューブ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高圧重合法により重合され、塩化ビニル成
    分含有量が5〜50重量%であるエチレン−酢酸ビニル−
    塩化ビニル共重合体により実質的に構成されていること
    を特徴とする医療用具。
  2. 【請求項2】エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合
    体における酢酸ビニル:エチレン重量比が1:4〜1:1であ
    り、かつ該共重合体の数平均分子量が4.0×104〜2.0×1
    05であることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載
    の医療用具。
  3. 【請求項3】酸素ガス透過係数が5.0×102〜1.0×103ml
    ・mm/m2・day・atmであることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項または第2項に記載の医療用具。
  4. 【請求項4】オートクレーブ滅菌に耐え得ることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項〜第3項のいずれか1つに
    記載の医療用具。
  5. 【請求項5】高い透明性を有することを特徴とする特許
    請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1つに記載の医療
    用具。
  6. 【請求項6】血液収納用容器であることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項〜第5項のいずれか1つに記載の医
    療用具。
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