JPH0742248B2 - ジアリールマレイン酸誘導体、及びジアリールエテン類の製造法 - Google Patents

ジアリールマレイン酸誘導体、及びジアリールエテン類の製造法

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JPH0742248B2
JPH0742248B2 JP18396089A JP18396089A JPH0742248B2 JP H0742248 B2 JPH0742248 B2 JP H0742248B2 JP 18396089 A JP18396089 A JP 18396089A JP 18396089 A JP18396089 A JP 18396089A JP H0742248 B2 JPH0742248 B2 JP H0742248B2
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律夫 角谷
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鐘紡株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規なフォトクロミック性を有するジアリー
ルマレイン酸誘導体、及びジアリールエテン類の製造
法、に関するものである。
〔従来の技術〕
従来より、光の照射により発色、又は消色するフォトク
ロミック性を有する化合物が種々知られており、これを
利用した記録・記憶材料、複写材料、調光材料、マスキ
ング用材料、光量計、あるいはディスプレイ用材料が種
々提案されている。例えば、それらのフォトクロミック
化合物として、ベンゾスピロピラン類、ナフトオキサジ
ン類、フルギド類、ジアゾ化合物類、あるいはジアリー
ルエテン類等の化合物が挙げられる。
近年、このようなフォトクロミック化合物を可逆的な光
記録材料として用いようとする研究が数多くなされてい
るが、光記録材料として用いるには次のような性能が必
要である。すなわち、(1)記録の安定性、(2)繰り
返し耐久性、(3)高い感度、(4)半導体レーザー感
受性、などである。
しかしながら、現在知られているフォトクロミック化合
物は、一般に着色状態、又は消色状態のどちらか一方が
熱的に不安定であり、室温に於いても数時間以内により
安定な状態に戻るため、記録の安定性が確保できないと
いう欠点を有している。光照射による二つの状態が熱的
には比較的安定なフォトクロミック化合物として、フル
ギド類やジアリールエテン類が提案されているが、光記
録材料に応用するには安定性が不十分で、また繰り返し
耐久性に劣るという欠点がある。
したがって、従来のフォトクロミック化合物は、いずれ
も光記録材料として十分満足し得る性能を有するものは
なかった。
また、ジアリールエテン類の従来の製造法としては、ア
セチル化物の低原子価チタンによる二量化反応(特開昭
61−263935号公報)、シアノメチル化物の相間移動触媒
による二量化反応(特開昭63−24245号公報)、ウィッ
ティヒ反応による方法(特開昭63−77876号公報)等が
知られている。しかし、これらの方法は、置換基が限ら
れる、選択的に目的物を得ることができない、合成に多
段階を要するといった問題点がある。
したがって、前記欠点を解決すべくジアリールエテン類
を製造する上でも、従来の製造法では限界があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、このような事情に鑑み、なされたものであっ
て、その目的とするところは、着色状態の熱安定性、繰
り返し耐久性、あるいは感度に優れた特性を有するジア
リールマレイン酸誘導体を提供するにある。
更に他の目的は、ジアリールエテン類を高収率でかつ容
易に得ることができ、更に、非対称のジアリールエテン
類を選択的に製造することができる等、広範囲の構造を
有するジアリールエテン類を得ることができるジアリー
ルエテン類の製造法を提供するにある。
〔課題を解決するための手段〕
上述の目的は、一般式(I) (式中、R1,R2は水素原子または脂肪族炭化水素基を表
わし、A1,A2 を表わし、R3,R7はメチル基またはフッ素原子、R8,R11
はメチル基を表わし、R4〜R6,R9,R10,R12〜R15は水素原
子,フッ素原子,脂肪族炭化水素基,脂環式炭化水素
基,シアノ基を表わし、R1とR2、あるいはA1とA2は同一
であっても、異なっていても良い。) で示されるジアリールマレイン酸誘導体によって達成さ
れる。
更には、一般式(II) AX …(II) (式中、Aはアリール基または複素環基を表わし、Xは
塩素原子,臭素原子,ヨウ素原子を表わす。) で示される芳香族化合物誘導体もしくは複素環式化合物
誘導体のハロゲンを一般式(II′) ▲R16 m▼MLn …(II′) (式中、R16は炭化水素基又は2置換アミノ基、MはMg,
Cu,Zn,Sn,B,Al,Si又はZr、Lは陰イオン残基、m,nは1
〜3の整数を表わす。) で示される金属化合物で置換して得られる一般式(I
I″) ▲AMR16 p▼LqXr …(II″) (式中、A,M,R16,L及びXは前記に同じ、p,qは0〜3の
整数、rは0又は1を表わす。但しp,q,rの何れかは0
でない。) で示される有機金属化合物を、一般式(III) RC≡CR′ …(III) (式中、R,R′は水素原子,脂肪族炭化水素基,脂環式
炭化水素基,芳香族炭化水素基,アルコキシ基,アルコ
キシカルボニル基,アシル基,シアノ基を表わし、R,
R′は同一でも、異なっていてもよい。また、R,R′は三
重結合と共同して環構造を形成していてもよい。) で示されるアセチレン誘導体に反応させ、この反応生成
物に、続けて、一般式(IV) A′X …(IV) (式中、A′はアリール基または複素環基を表わし、X
は前記と同じものを示す。) で示される芳香族化合物誘導体もしくは複素環式化合物
誘導体を反応させることを特徴とする一般式(V) (式中、R,R′,A,A′は前記と同じものを示し、A,A′は
同一でも、異なっていてもよい。) で示されるジアリールエテン類の製造法によって達成さ
れる。
次に、本発明を詳しく説明する。
本発明のジアリールマレイン酸誘導体は、前記一般式
(I)で示されるものであり、R1,R2が水素原子である
マレイン酸誘導体、または、R1,R2の両方もしくはR1,R2
の何れか一方が脂肪族炭化水素基であるマレイン酸ジエ
ステルもしくはマレイン酸モノエステル誘導体が含まれ
る。マレイン酸エステル誘導体としては、R1,R2が炭素
数1〜3のメチルエステル、エチルエステル、もしくは
プロピルエステルが好ましい。
A1,A2はフェニル基、チエニル基、もしくはベンゾチエ
ニル基であり、特に、A1またはA2の少なくとも一方がベ
ンゾチエニル基であるものが、着色の熱安定性、繰り返
し耐久性が優れており、好ましい。
また、R3,R7はメチル基またはフッ素原子、R8,R11はメ
チル基である。
次に、本発明のジアリールマレイン酸誘導体も含め、ジ
アリールエテン類の本発明の製造法は、a)芳香族化合
物誘導体もしくは複素環式化合物誘導体からの有機金属
化合物の合成、b)有機金属化合物とアセチレン誘導体
との反応、(c)有機金属化合物とアセチレン誘導体と
により得られた生成物と、芳香族化合物誘導体もしくは
複素環式化合物誘導体との反応、の3段階に分けること
ができる。ただし、a)〜c)の反応は、連続して行う
ことができ、工程簡略化上、生成物の単離は、目的物で
あるジアリールエテン類が得られるまで特に行う必要は
ない。
まず、a)の反応で、一般式(III)で示される芳香族
化合物誘導体もしくは複素環式化合物誘導体から有機金
属化合物を合成する。この有機金属化合物の合成方法と
しては、例えば、芳香族化合物誘導体もしくは複素環式
化合物誘導体と金属マグネシウムを反応させる方法、金
属マグネシウムを反応させた後、ハロゲン化亜鉛あるい
はハロゲン化銅を反応させる方法、金属マグネシウムを
反応させた後、臭化銅−硫化ジメチル錯体を反応させる
方法、あるいは有機リチウムを反応させた後、銅ジシク
ロヘキシルアミドを反応させる方法等が挙げられる。
また、本発明の有機金属化合物の金属としては、マグネ
シウム、銅、亜鉛、スズ、ホウ素、アルミニウム、ケイ
素、ジルコニウム等が好適に用いられる。
本発明で用いる一般式(I)で示される芳香族化合物誘
導体もしくは複素環式化合物誘導体は、金属化合物と反
応して得られる有機金属化合物に対して反応性が低けれ
ば良く、一般式(II)のAとしては、例えば、 (ここで、R3〜R23は水素原子,フッ素原子,脂肪族炭
化水素基,脂環式炭化水素基,芳香族炭化水素基,ハロ
ゲン置換アルキル基,アルコキシ基,アルコキシカルボ
ニル基,アシル基,シアノ基を表わし、Yは酸素原子,
硫黄原子,アルキル置換窒素原子を表わし、Z1〜Z6は窒
素原子、又は一置換炭素原子を表わし、Z1〜Z3のうち少
なくとも一つ及びZ4〜Z6のうち少なくとも一つは窒素原
子である。)等が挙げられる。具体的な複素環式化合物
誘導体とは、例えば、チオフェン誘導体、フラン誘導
体、ピロール誘導体、ベンゾチオフェン誘導体、ベンゾ
フラン誘導体、インドール誘導体、イソオキサゾール誘
導体、チアジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、ピラ
ゾール誘導体もしくはトリアゾール誘導体等が挙げられ
る。また、一般式(II)のXは塩素原子、臭素原子、ヨ
ウ素原子のうちのいずれかであればよいが、特に反応性
が高く、収率の良い臭素原子、またはヨウ素原子である
ことが好ましい。
金属化合物の使用量は、芳香族化合物誘導体もしくは複
素環式化合物誘導体に対して、好ましくは0.7〜1.3倍モ
ル、より好ましくは0.8〜1.2倍モルである。
反応温度は、使用する芳香族化合物誘導体もしくは複素
環式化合物誘導体によって異なり、適宜好適な温度を設
定すればよい。また、反応時間は、好ましくは1〜24時
間、より好ましくは2〜5時間である。
次に、b)の反応で、a)で得られた有機金属化合物
に、一般式(III)で示されるアセチレン誘導体を加
え、アセチレン誘導体への付加物を得る。ここで、一般
式(III)で示されるアセチレン誘導体は、その置換基
R,R′が前述の有機金属化合物と反応性が低いことが必
要であり、R,R′は水素原子、脂肪族炭化水素基、脂環
式炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシ基、アル
コキシカルボニル基、アシル基、シアノ基を置換基とし
て用いることができる。また、R,R′は同一であって
も、異なっていても良く、両者で環構造を形成するもの
でも良い。
アセチレン誘導体の添加量は、始めに使用した芳香族化
合物誘導体もしくは複素環式化合物誘導体に対して好ま
しくは0.7〜1.3倍モル、より好ましくは0.8〜1.2倍モル
である。
反応温度は、前記と同様に使用する化合物によって異な
るので、好適な温度を適宜設定すればよい。また、反応
時間は好ましくは0.5〜24時間、より好ましくは1〜5
時間である。
アセチレン誘導体と有機金属化合物から得られる付加生
成物を単離することなく、続けてc)の反応、すなわち
一般式(IV)に示される芳香族化合物誘導体もしくは複
素環式化合物を加えることにより目的物である一般式
(V)で示されるジアリールエテン類を得ることができ
る。加える芳香族化合物誘導体もしくは複素環式化合物
は、始めに用いた芳香族化合物誘導体もしくは複素環式
化合物誘導体と同じでも、異なっていても良い。特に異
なった誘導体を用いた場合には、選択的に単一の非対称
のジアリールエテン類を得ることができる。これが本発
明の大きな特長であり、従来のジアリールエテン類の製
造法では得られないものである。
添加する芳香族誘導体もしくは複素環式誘導体の量は、
始めに用いた芳香族誘導体もしくは複素環式誘導体に対
して、好ましくは0.8〜3倍モル、より好ましくは1〜
2倍モルである。
c)の反応温度は、好ましくは−80〜100℃、より好ま
しくは−80〜25℃である。また、低温で反応を開始し、
途中で昇温していく方法も採用することができる。反応
時間は好ましくは2〜24時間、より好ましくは5〜15時
間である。
c)の反応は、無触媒でも可能であるが、テトラキスト
リフェニルホスフィンパラジウム、ジクロロビス(トリ
フェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ〔1,4−ビ
ス(ジフェニルホスフィノブタン)〕パラジウム等の遷
移金属錯体触媒を用いると、収率が高くなり、好まし
い。
本発明の製造法は、充分に脱水した有機溶媒中、例え
ば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)等
を用い、不活性ガス、例えば窒素あるいはアルゴン等に
より置換された容器中で行うのが好ましい。
a)〜c)の反応で得られた生成物は、混合物であるの
でジアールエタン類を得るためには、分離を行わなけれ
ばならないが、分離は通常用いられる抽出法、蒸留法、
再結晶法、クロマトグラフィー法等を適宜選択すること
により容易に行うことができる。
本発明のジアリールマレイン酸誘導体は、ジチエニルマ
レイン酸誘導体を例に挙げると、下記(VI)式のよう
に、紫外光照射により開環体から閉環体に変化して、無
色から黄色になる。
また、この閉環体に可視光を照射すると、元の開環体に
戻り、消色する。本発明のジアリールマレイン酸誘導体
系フォトクロミック化合物は、着色状態も消色状態も熱
的安定性が高く、長期間変化せず、良好に保持される。
また、着消色の繰り返し耐久性にも優れ、可逆的な光情
報記録材料に有利に使用することができる。
本発明の新規ジアリールマレイン酸誘導体を含有する記
録層を利用した光記録材料は、例えば、次のような公知
の方法で得ることができる。すなわち、 (1) 本発明のジアリールマレイン酸誘導体を、公知
の蒸着法により、適当な基板上に蒸着する方法、 (2) 本発明のジアリールマレイン酸誘導体を、ポリ
エステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、
ポリメチルメタクリル酸樹脂、ポリカーボネイト樹脂、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂バインダーと共
に、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、
メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノー
ル、テロラヒドロフラン、ジオキサン、四塩化炭素、ク
ロロホルム等の溶媒に分散又は溶解させて、適当な基板
上に塗布する方法、 (3) 本発明のジアリールマレイン酸誘導体を前記の
ような溶媒に溶解し、ガラスセル等に封入する方法、 などにより、記録層を形成させ、本発明の光記録材料を
製造することができる。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明のジアリールマレイン酸誘導体
は、熱安定性に優れ、かつ発消色の繰り返し耐久性の良
好なフォトクロミック性を有し、記録・記憶材料、複写
材料、調光材料、マスキング材料、表示材料等各種の用
途に好適に用いることができる。また、本発明のジアリ
ールマレイン酸誘導体を記録層として用い、適当な光源
を用いて、発消色させるとともに、その色相の違いを信
号として読み出せば、信頼性の高い可逆的光記録材料を
得ることができる。
また、本発明の製造法によれば、ジアリールエテン類を
高収率で、かつ容易に得ることが可能である。本発明の
製造法は、非対称のジアリールエテン類を選択的に得る
ことが可能であるだけでなく、広範囲な構造を有するジ
アリールエテン類を製造することができる。
ジアリールエテン類は、ウォトクロミック化合物として
有用なものが多く、本発明のジアリールマレイン酸誘導
体等優れたフォトクロミック化合物の製造に、本発明の
製造法は利用できる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発
明は、これらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕 (1) 2,3−ジ(2−メチルベンゾチエニル)−マレ
イン酸ジメチルの製造 容量100mlの3つ口フラスコに3−ブロモ2−メチルベ
ンゾチオフェン0.229g(1.01m mol)とジエチルエーテ
ル5mlを入れ、窒素気流下で−70℃に冷却後、n−ブチ
ルリチウムヘキサン溶液1m molを滴下し、30分間攪拌し
た。次にジシクロヘキシルアミンとメチルリチウムとヨ
ウ化銅から別途調製した銅ジシクロヘキシルアミド1.1m
molのジエチルエーテル溶液10mlを滴下し、40分間反応
させた。次いで、ジメチルアセチレンジカルボキシレー
ト126μ(1.0m mol)のジエチルエーテル溶液5mlを滴
下し、1時間反応させ、更に3−ブロモ−2−メチルベ
ンゾチオフェン0.229g(1.01m mol)のTHF溶液3mlとテ
トラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.058g(0.
05m mol)を加え、12時間かけて室温に戻しながら反応
させた。反応終了後、3規定塩酸10mlを加えた後、ジエ
チルエーテル100mlで抽出した。得られた反応生成物
を、シリカゲルの分取プレートクロマトグラフィーで分
離、精製した結果、下記構造式のジアリールマレイン酸
誘導体210mg(収率48%)を得た。
(2) 分析値 (i) 1H−NMR(CDCl3) δ=3.55ppm(s,6H)2.7ppm(s,6H)7.2〜7.8ppm(m,8
H) (ii) MS(m/e)436(M+) (3) フォトクロミック性 上記(1)で合成した化合物をベンゼンに10-3モル/
になるように溶解して得た淡黄色の溶液を石英ガラスセ
ルに封入し、これにガラスフィルター(U−330HOYA社
製)を装着した100W水銀灯(オスラム社製)により紫外
光を30秒間照射したところ、濃黄色に着色した。その吸
収スペクトルは第1図に実線で示すものから点線で示す
ものに変化した。すなわち、紫外光で下記式の右芳香に
変化が起こり濃黄色に着色した。
この着色状態は熱的に非常に安定であり、37℃で2週間
以上放置しても第2図に示すように着色状態の吸収の減
少は全く認められなかった。次に濃黄色着色状態の溶液
にカットフィルター(日本真空光学社製)を装着した10
0W水銀灯により400nm以上の可視光を2分間照射したと
ころ、消色し元の色の状態を変化した。この変化は可逆
的に繰り返すことができた。
(4) 繰り返し耐久性(可逆着色消色サイクル耐性) 上記(1)で合成した化合物の40mgをポリメチルメタク
リレート300mgと共に溶解し、これを1×3cm角石英ガラ
ス板上にスピンコーティング法により塗布、乾燥して記
録層を作成した。この記録層の吸収スペクトルの460nm
における透過率は87%であった。この記録層にU−330
フィルターを装着した100W水銀灯により紫外光を30秒間
照射し、全面着色状態にした。得られた着色状態の吸収
スペクトルの460nmにおける透過率は77%であった。次
にこの着色状態の記録層に、カットフィルターを装着し
た100W水銀灯により400nm以上の可視光を2分間照射し
たところ消色し、この記録層の吸収スペクトルの透過率
は87%に戻った。この紫外光、可視光の交互的な照射に
より、着色と消色を1サイクルとして、繰り返し耐久試
験を行った。この結果を第3図に示す。
第3図に示すように1000回繰り返した時点での吸収スペ
クトルの460nmの透過率は、消色状態で86%、着色状態
で77%であった。2000回繰り返した時点では、消色状態
が82%、着色状態が72%であった。
〔実施例2〕 実施例1に準じた方法により、前記一般式(I)のR1,R
2,A1,A2が第1表に示すものであるジアリールマレイン
酸誘導体を合成した。得られたジアリールマレイン酸誘
導体のベンゼン溶液に実施例1と同様にして紫外線照射
試験を行ったところ、各々第1表に示す色調に着色し
た。また、それぞれの着色状態は熱的に非常に安定であ
った。次に、この着所状態のものに可視光を照射すると
元の淡黄色の状態に消色できた。更に、この変化は可逆
的に繰り返し行うことができた。
〔実施例3〕 容量100mlの3つ口フラスコに金属マグネシウム0.073g
(3m mol)を仕込み、窒素雰囲気下、THF1mlを加え、0
℃に保ち攪拌した。これにヨードベンゼン336μ(3m
mol)のTHF溶液5mlを滴下し、0℃で1時間、さらに室
温で1時間攪拌した。次に溶液を−78℃まで冷却し、ヨ
ウ化銅(3m mol)を加え、その後−40℃まで温度を上げ
1時間攪拌した。再び溶液を−78℃まで冷却し、ジメチ
ルアセチレンジカルボキシレート367μ(3m mol)のT
HF溶液5mlを徐々に滴下した。滴下終了後、−78℃に保
ったまま、1時間攪拌した。これに、テトラキストリフ
ェニルホスフィンパラジウム0.173g(5mol%)を加えた
後、2−ヨードチオフェン331μ(3m mol)のTHF溶液
5mlを徐々に滴下した。滴下後−78℃から徐々に室温ま
で昇温し、室温で10時間攪拌した。反応終了後、2規定
の塩酸60mlを加えた。その後ジエチルエーテル50mlで2
回抽出し、エーテル層を集め、洗浄、乾燥後、エーテル
を留去した。反応生成物をシリカゲルの分取プレートを
用いて分離、精製した結果、下記構造式のジアリールエ
テン類760mg(収率84%)を得た。なお、生成物の同定
は、核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトル、質量
分析スペクトルにより行った。(以下、生成物の同定は
これと同様にして行った。) 〔実施例4〕 第2表に示す芳香族化合物誘導体もしくは複素環式化合
物誘導体を用いて、他の条件は実施例3と同様にして、
第2表に示すジアリールエテン類を得た。得られたジア
リールエテン類はいずれも光照射による可逆的色変化が
認められた。
〔実施例5〕 容量100mlの3つ口フラスコに金属マグネシウム0.073g
(3m mol)を仕込み、窒素雰囲気下、THF5mlを加え0℃
に保ち攪拌した。これにメシチルブロマイド459μ(3
m mol)のTHF溶液15mlを滴下し、0℃で1時間、更に室
温で1時間攪拌した。次にこの溶液を−78℃まで冷却
し、臭化銅−硫化ジメチル錯体0.617g(3m mol)を加
え、その後−40℃まで温度を上げ1時間攪拌した。再び
溶液を−78℃まで冷却し、ジメチルアセチレンジカルボ
キシレート367μ(3m mol)のTHF溶液5mlを徐々に滴
下した。滴下終了後、−78℃に保ったまま、1時間攪拌
した。これに、テトラキストリフェニルホスフィンパラ
ジウム0.173g(5mol%)を加えた後、3−ヨード−2,5
−ジメチルチオフェン409μ(3m mol)のTHF溶液5ml
を徐々に滴下した。滴下後、−78℃から徐々に室温まで
戻し、室温で10時間攪拌した。反応終了後2規定の塩酸
60mlを加えた。その後、ジエチルエーテル50mlで2回抽
出し、エーテル層を集め、洗浄、乾燥後、エーテルを留
去した。反応生成物をシリカゲルの分取プレートを用い
て分離、精製した結果、下記構造式のジアリールエテン
類650mg(収率58%)を得た。
〔実施例6〕 第3表に示す芳香族化合物もしくは複素環式化合物とア
セチレン誘導体を用い、他の条件は実施例5と同様にし
て、第3表に示すジアリールエテン類を得た。得られた
ジアリールエテン類はいずれも光照射による可逆的色変
化が認められた。
〔実施例7〕 容量100mlの3つ口フラスコに金属マグネシウム0.073g
(3m mol)を入れ、窒素雰囲気下、THF1mlを加え、0℃
に保ち攪拌した。これに、3−ヨウ化−2,5−ジメチル
チオフェン409μ(3m mol)のTHF溶液5mlを滴下し、
0℃で1時間、さらに室温で1時間攪拌した。次に溶液
を−78℃まで冷却し臭化銅−硫化ジメチル錯体0.617g
(3m mol)を加え、その後−40℃まで温度を上げ1時間
攪拌した。再び溶液を−78℃まで冷却し、ジメチルアセ
チレンジカルボキシレート367μ(3m mol)のTHF溶液
5mlを徐々に滴下した。滴下終了後、−78℃に保ったま
ま、1時間攪拌した。これに、無水塩化亜鉛0.409g(3m
mol)を加え、その後室温まで温度を上げ1時間攪拌し
た。これに、テトラキストリフェニルホスフィンパラジ
ウム0.173g(5mol%)を加えた後、4−ヨウ化−2,5−
ジメチルチアゾール0.717g(3m mol)のTHF溶液5mlを徐
々に滴下した。滴下終了後、室温で10時間、さらに40℃
で3時間攪拌した。
反応終了後、2規定の塩酸50mlを加えた。その後ジエチ
ルエーテルで2回抽出し、エーテル層を集め無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後、エーテルを留去した。反応生成物
をシリカゲルの分取プレートを用いて分離、精製した結
果、下記構造式のジアリールエテン類360mg(収率33
%)を得た。
また、光照射による可逆的変化が認められた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1の(1)で合成した化合物のベンゼ
ン溶液中の吸収スペクトルの光変化を示すグラフ、第2
図は、実施例1の(1)で合成した化合物の着色閉環体
の吸光度減少率の経時変化を示すグラフ、第3図は、実
施例1の(4)で作成した光記録層の紫外光および可視
光の交互照射にともなう460nmにおける透過率の変化を
示したグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 253/30 255/57 C07D 333/24 333/38 333/60

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、R1,R2は水素原子または脂肪族炭化水素基を表
    わし、A1,A2を表わし、R3,R7はメチル基またはフッ素原子、R8,R11
    はメチル基を表わし、R4〜R6,R9,R10,R12〜R15は水素原
    子,フッ素原子,脂肪族炭化水素基,脂環式炭化水素
    基,シアノ基を表わし、R1とR2、あるいはA1とA2は同一
    であっても、異なっていても良い。) で示されるジアリールマレイン酸誘導体。
  2. 【請求項2】一般式(II) AX …(II) (式中、Aはアリール基または複素環基を表わし、Xは
    塩素原子,臭素原子,ヨウ素原子を表わす。) で示される芳香族化合物誘導体もしくは複素環式化合物
    誘導体のハロゲンを一般式(II′) ▲R16 m▼MLn …(II′) (式中、R16は炭化水素基又は2置換アミノ基、MはMg,
    Cu,Zn,Sn,B,Al,Si又はZr、Lは陰イオン残基、m,nは1
    〜3の整数を表わす。) で示される金属化合物で置換して得られる一般式(I
    I″) ▲AMR16 p▼LqXr …(II″) (式中、A,M,R16,L及びXは前記に同じ、p,qは0〜3の
    整数、rは0又は1を表わす。但しp,q,rの何れかは0
    でない。) で示される有機金属化合物を、一般式(III) RC≡CR′ …(III) (式中、R,R′は水素原子,脂肪族炭化水素基,脂環式
    炭化水素基,芳香族炭化水素基,アルコキシ基,アルコ
    キシカルボニル基,アシル基,シアノ基を表わし、R,
    R′は同一でも、異なっていてもよい。また、R,R′は三
    重結合と共同して環構造を形成していてもよい。) で示されるアセチレン誘導体に反応させ、この反応生成
    物に、続けて、一般式(IV) A′X …(IV) (式中、A′はアリール基または複素環基を表わし、X
    は前記と同じものを示す。) で示される芳香族化合物誘導体もしくは複素環式化合物
    誘導体を反応させることを特徴とする一般式(V) (式中、R,R′,A,A′は前記と同じものを示し、A,A′は
    同一でも、異なっていてもよい。) で示されるジアリールエテン類の製造法。
  3. 【請求項3】一般式(II) A3X …(II) (式中、A3 を表わし、Xは塩素原子,臭素原子,ヨウ素原子を表わ
    し、R3〜R23は水素原子,フッ素原子,脂肪族炭化水素
    基,脂環式炭化水素基,芳香族炭化水素基,ハロゲン置
    換アルキル基,アルコキシ基,アルコキシカルボニル
    基,アシル基,シアノ基を表わし、Yは酸素原子,硫黄
    原子,アルキル置換窒素原子を表わし、Z1〜Z6は窒素原
    子、または一置換炭素原子を表わし、Z1〜Z3のうち少な
    くとも一つ及びZ4〜Z6のうち少なくとも一つは窒素原子
    である。) で示される芳香族化合物誘導体もしくは複素環式化合物
    誘導体のハロゲンを一般式(II′) ▲R16 m▼MLn …(II′) (式中、R16,M,L及びm,nは前記に同じ) で示される金属化合物で置換して得られる一般式(II
    ) A3▲MR16 p▼LqXr …(II) (式中、A,M,R16,L,X,p,q及びrは前記に同じ) で示される有機金属化合物を、一般式(III) RC≡CR′ …(III) (式中、R,R′は水素原子,脂肪族炭化水素基,脂環式
    炭化水素基,芳香族炭化水素基,アルコキシ基,アルコ
    キシカルボニル基,アシル基,シアノ基を表わし、R,
    R′は同一でも、異なっていてもよい。また、R,R′は三
    重結合と共同して環構造を形成していてもよい。) で示されるアセチレン誘導体に反応させ、この反応生成
    物に、続けて、一般式(IV′) A4X …(IV′) (式中、A4は上記A3と同じものを示し、Xは前記と同じ
    ものを示す。) で示される芳香族化合物誘導体もしくは複素環式化合物
    誘導体を反応させることを特徴とする一般式(V) (式中、R,R′,A3,A4は前記と同じものを示し、A3,A4
    同一でも、異なっていてもよい。) で示されるジアリールエテン類の製造法。
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