JPH0742643B2 - エレクトレットメルトブロー不織布の製造法 - Google Patents

エレクトレットメルトブロー不織布の製造法

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JPH0742643B2 JP1132985A JP13298589A JPH0742643B2 JP H0742643 B2 JPH0742643 B2 JP H0742643B2 JP 1132985 A JP1132985 A JP 1132985A JP 13298589 A JP13298589 A JP 13298589A JP H0742643 B2 JPH0742643 B2 JP H0742643B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高性能フィルタ、吸着材などに効果的に用い
ることのできる安定な分極電荷を有するエレクトレット
メルトブロー不織布を製造する方法に関する。
[従来の技術] 従来、メルトブロー不織布のエレクトレット化手法とし
ては、特公昭59−124号公報に記載されている如く、オ
リフィスから出たメルトブロー繊維が噴射流中を走行す
るときに該繊維に高圧印加を付与することによってエレ
クトレット化し、その繊維を捕集してエレクトレット化
メルトブロー不織布を製造するという方法が提案されて
いる。
しかし、この方法で得られたエレクトレットメルトブロ
ー不織布の分極電荷の方向は、第3図に示すように、ラ
ンダムな方向を持っているものであった。
このために該不織布内部で分極電荷を持つ繊維が相互に
電荷を弱め合うことになり、電荷の安定性が良くなかっ
た。したがって、たとえば、フィルタとして使用する場
合、捕集すべきエアロゾルに対して有効な電気力を作用
し得ないため、高い捕集効率が得られないという欠点が
あった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、たとえば、フィルタとして使用される
場合の捕集効率を上げるため、従来の分極電荷の方向が
ランダムなメルトブロー不織布とは性能的に大きく異な
る、第4図に示すような分極電荷が厚さ方向に配向を有
する良好なエレクトレット特性を持つエレクトレットメ
ルトブロー不織布を製造することを可能にする方法、そ
れも、メルトブロー不織布の製造プロセス上において連
続的にそのようなエレクトレットメルトブロー不織布を
製造することができるという、特異な方法を提供せんと
するものであって、特に長期にわたって電荷の安定性が
良好な高性能のエレクトレットメルトブロー不織布を製
造する方法を提供せんとするものである。
[課題を解決するための手段] 上述した目的を達成する本発明のエレクトレットメルト
ブロー不織布の製造法は、次の構成を有する。
すなわち、噴射されたメルトブロー繊維をメルトブロー
不織布として捕集面上に捕集して後、該メルトブロー不
織布がローラに巻取られる前または容器に収納される前
の該捕集面上において、該メルトブロー不織布に対し、
サクション作用を持つ該捕集面をアース電極としてかつ
非接触型電極を用いて高圧印加処理を施すことにより該
不織布をエレクトレット化せしめることを特徴とするエ
レクトレットメルトブロー不織布の製造法である。
[作用] 以下、本発明のエレクトレットメルトブロー不織布の製
造法の実施態様を示した図面などにしたがって、さらに
詳しく本発明について説明をする。
第1図は、本発明のエレクトレットメルトブロー不織布
の製造法の一実施態様例を示す模式図であり、1はメル
トブロー口金、2は捕集ドラム、3はアース、4は印加
電極、5はメルトブロー不織布、6はメルトブロー繊
維、7はエレクトレットメルトブロー不織布であり、8
は高電圧発生機、9は捕集面、10はサクションである。
第1図に示した態様においては、メルトブロー口金1よ
り噴射されたメルトブロー繊維6は、矢印A方向に回転
する捕集ドラム2上に集められ、メルトブロー不織布5
を形成する。その後、アースされたサクション作用をも
つ捕集面9に接触したメルトブロー不織布5に対して印
加電極4で、たとえば負極性で高圧印加処理して、コロ
ナ放電を発生させて、メルトブロー不織布を形成する繊
維に電荷注入を行なうことにより安定した分極状態を持
つとともに高いエレクトレット性能を持つエレクトレッ
トメルトブロー不織布7を得るものである。
かかる第1図に示した本発明の製造法によって得られる
エレクトレットメルトブロー不織布は、第2図に示した
如く、分極電荷の荷電状態を有するエレクトレット繊維
20より構成されたものとなり、その分極電荷の方向は、
第4図のモデル図に示したベクトル線の如く、不織布の
厚さ方向に概して整然と配向されている構成となってい
る。
本発明の方法において、捕集面あるいは移送面には、た
とえばドラム、コンベアベルトなどを使用することがで
き、開孔を持った材料を用いることもできる。たとえば
ネット、パンチメタルなどを使用できる。捕集面の材質
としては、アースを取る必要があるために、たとえば金
属材料などの体積抵抗率の低いものが用いられ得るもの
である。また、金属材料より体積抵抗率の高い材料でコ
ーティングしたものでも本発明の実施を妨げないが、捕
集面は、直接的であれ間接的であれアースが取られてい
ることが肝要である。
直流高電圧を印加するに際し、電界強度は3KV/cm〜30KV
/cmの範囲内とすることが適当である。印加電極は、コ
ロナ放電を容易にして良好に連続的にエレクトレット化
を行なっていく上で、非接触型電極を使用することが必
要であり、たとえば、針状電極やワイヤー状電極が最適
に用いられ得るものである。該電極とアース極側の捕集
面、移送面との間隙は5〜100mmの範囲内とするのが好
ましく、特に15〜70mmの範囲内とするのがより好まし
い。
これに対して、接触型電極は、コロナ放電がしにくい点
から、連続的で確実なエレクトレット化加工を必要とす
る本発明の方法には使用することができないものであ
る。
本発明の方法を実施するに際して、溶融ポリマーがメル
トブロー繊維化されて捕集されるものであるため、メル
トブロー不織布は室温より高温度を有しているものであ
って、これがエレクトレット化に好ましい条件の場合も
多くあるが、あまり温度が高いと逆にエレクトレット化
が阻害される場合もある。したがって、そのような場合
には、メルトブロー不織布を冷却した後、高電圧印加処
理をするようにしてもよい。
このような点に関して、本発明者らの各種知見によれ
ば、印加時のメルトブロー不織布の温度は、該重合体の
ガラス転移点の上下100℃以内の範囲内として処理する
ことが好ましい。
また、印加処理時には、アースされた捕集面にメルトブ
ロー不織布が、より密着して接触していることが望まし
く、このためサクション作用を該メルトブロー不織布に
与えること等によって該接触面を向上させる工夫をする
ことが好ましい。
また、メルトブロー不織布の目付は、100g/m以下であ
るものが、エレクトレット性から好ましく、さらには60
g/m以下がよい。
これは、不織布の目付が多くなると、印加電界強度が放
電のため上げることができなくなり、また捕集面あるい
は移送面のアース側からの補償電荷が入り難くなるため
で、このためエレクトレット化が十分に行なわれなくな
るからである。
なお、エレクトレット性能は、後述の熱刺激電流を測定
することで知ることができる。
さらにまた、前述のメルトブロー不織布を捕集面に密
着、接触させることは、高圧印加によるエレクトレット
化時に、アース面よりの補償電荷を得るため重要なもの
であって、このためメルトブロー条件として、次の如く
して捕集させたメルトブロー不織布を用いることが好ま
しい。
すなわち、メルトブロー口金と捕集面との距離は、15cm
〜100cmの範囲内であることが密着性を上げる意味から
好ましい。これは、このような距離であると、メルトブ
ロー繊維がまだ可撓性のある状態で捕集することができ
るために捕集面に沿って密着させることができるからで
ある。
この理由と同様の理由で、捕集時のメルトブロー不織布
の表面温度は、少なくともガラス転移点より60℃引いた
値よりも高い温度であることが好ましい。また、捕集距
離が近い状態では、噴射流による風圧も強く、密着性に
効果的である。
メルトブロー不織布に用いるポリマーの体積抵抗率は、
エレクトレット性から1013Ω・cm以上が好ましく、たと
えば、そのようなポリマーとして、ポリオレフィン(ポ
リプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン)、ポリエ
ステル、アクリル樹脂、ナイロン、ポリカーポネート、
弗素系樹脂などを使用することができる。
また、メルトブロー繊維の平均繊度は、10μm以下とす
ることが好ましい。これは繊維表面積を多くして電荷密
度を上げることに有効である。
以上説明した本発明の方法で得られるエレクトレットメ
ルトブロー不織布は高度なエレクトレット性能を有する
ものである。
このようなエレクトレット性能を判断する手段として、
前述熱刺激電流測定法があり、この方法から、分極電荷
のトラップ深さを表わすものとして活性化エネルギー及
び分極電荷量を求めることができる。
ちなみに、活性化エネルギーとしては、0.2eV以上、好
ましくは0.4eV以上、分極電荷量としては7×10−11c/c
m以上、好ましくは2×10−10c/cm以上を有するこ
とがエレクトレットの長期安定性から好ましいものであ
り、また、フィルタ特性としてもこれら数値を満足する
ことは好ましいものである。
かかる熱刺激電流測定は、第5図に示すように、温度コ
ントロール装置12を有する加熱槽13の中に設置した試料
エレクトレットメルトブロー不織布14(試料は、直径2c
mの円形状)の両面を電極15、16で強くはさんで、この
電極と高感度電流計17を接続して測定する。すなわち、
加熱槽を一定昇温速度、たとえば、室温から融点付近ま
で5℃/分で昇温すると、トラップされた電荷が脱分極
して電流が流れる。この電流をデーター処理装置18を経
てレコーダー19に記録すると種々の温度領域に対する電
流曲線が得られる(第6図)。この電流曲線の面積を測
定試料の面積で割った商が分極電荷量である。
このチャートの、それぞれのピークの立ち上がりは次式
に従うので、ピークの立ち上がり部について1nJ対1/Tの
プロットをとり、得られた直線の勾配から分極電荷の活
性化エネルギーを算出することができる。
InJ=C−△E/kT [式中、J:脱分極電流(A)、C:定数、△E:活性化エネ
ルギー(eV)、k:ポルツマン定数、T:温度(゜K)を示
す] 活性化エネルギー及び分極電荷量の他に、活性化エネル
ギー曲線のピーク温度が高いほど、エレクトレットの寿
命が優れているため、少なくともそのピーク温度が40℃
以上、好ましくは80℃以上であるものが耐久性や安定性
から好ましいものである。
[実施例] 以下、実施例にしたがって、本発明の具体例構成、効果
について説明する。
実施例1 体積抵抗率1016Ω・cmのポリプロピレンを溶融温度325
℃、噴射空気温度335℃でメルトブローして、80メッシ
ュのサクションを作用させた捕集ドラム面(100cm径)
上に堆積させて、目付40g/mのメルトブロー不織布を
得た。捕集距離40cm、メルトブロー不織布の捕集直後の
温度は50℃であった。また、平均繊度3.0μmであっ
た。
このメルトブロー不織布の捕集条件下において、第1図
に示した態様例に準じて、針状電極を長さ方向に15cm間
隔で2列並べて、かつ幅方向にも15cm間隔で5本並べて
印加電界強度マイナス10KV/cm、針状電極とアース捕集
面との間隔3cmの条件でエレクトレット化処理を施し
た。
メルトブロー不織布の表面温度は40℃であった。
得られたエレクトレットメルトブロー不織布の熱刺激電
流特性は、次の通りであった。
分極電荷のピーク温度は92℃と152℃で、その活性化エ
ネルギーは0.35eVと0.62eVであった。また、分極電荷量
は7.2×10−11c/cmであった。
こうして得られた不織布を2枚積層してフィルタ性能を
評価した。
なお、フィルタ性能は、1.5m/分の風速下で、アトマイ
ザーを用いて0.33μmポリスチレンエアロゾル(米国ダ
ウケミカル社製、ポリスチレンユニホーム・ラテックス
パーティクル)を発生させて、試料前後の粒子カウント
数をエアロゾルモニター(日立製)で測定することによ
って、捕集効率を評価したものである。
この結果、本発明で得られた不織布は、99.998%の捕集
効率で優れた値を示した。
比較例1 実施例1で説明したメルトブロー方法において、口金直
下5cmで走行中のメルトブロー繊維に対して針状電極と
アース板の間隔5cmでマイナス40KVで高圧印加処理して
エレクトレット化した後に80メッシュドラム(100cm
径)で捕集して目付100g/mのエレクトレットメルトブ
ロー不織布を得た。ただし、針状電極は10cm間隔で5本
を幅方向に一列に並べた。
こうして得られた不織布について熱刺激電流を測定した
結果、第7図のごとくになり明確な曲線は得られず、分
極電荷の方向はランダムであると推定できた。
こうして得られた不織布のフィルタ性能を実施例1に示
す方法で評価したところ、捕集効率99.815%で、上述の
本発明の製法によるものに比して低い値であった。
また、この不織布を1日間水中に浸漬した後に、水分を
自然乾燥させた。それのフィルタ捕集効率は98.251%で
低下が認められた。
[発明の効果] 以上述べた通りの本発明の方法によれば、高いエレクト
レット性能を有するとともに長期にわたって電荷の安定
性のよいエレクトレットメルトブロー不織布を簡単に生
産性良く製造することができるものである。
本発明の方法によれば、特に、アースされた捕集面に処
理を受けるメルトブロー不織布が一般に密着されている
ので、高圧印加されるとアース電極としての捕集面から
補償電荷が入りやすくなり安定にエレクトレット化がで
きるものである。
特に、このため、本発明の製造方法で得られるエレクト
レットメルトブロー不織布は、分極電荷が配向した構造
を持ち、かつトラップ電荷が深くその電荷量が大きいた
め長期にわたって安定なエレクトレット性能を示し得る
ものである。
このため、高性能フィルタ、吸着材、マスク、防塵衣、
クリーンふとんなど種々の用途に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明にかかるエレクトレットメルトブロー
不織布の製造法の一例を示す模式図である。 第2図は、本発明により得られるエレクトレットメルト
ブロー不織布の分極電荷の荷電状態を示した模式断面図
であり、第3図は、従来の方法により得られるエレクト
レットメルトブロー不織布の分極電荷の方向をベクトル
線によって示した模式図である。 第4図は、本発明によって得られるエレクトレットメル
トブロー不織布の分極電荷の方向をベクトル線によって
示す模式図である。 第5図は、活性化エネルギーの測定装置を示す模式図で
あり、第6図、第7図は、脱分極電流と温度の関係例を
示した線図である。 1:メルトブロー口金 2:捕集ドラム 3:アース 4:印加電極 5:メルトブロー不織布 6:メルトブロー繊維 7、14:エレクトレットメルトブロー不織布 8:高電圧発生機 9:捕集面 10:サクション 12:温度コントロール装置 13:加熱槽 15、16:電極 17:高感度電流計 18:データー処理装置 19:レコーダー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】噴射されたメルトブロー繊維をメルトブロ
    ー不織布として捕集面上に捕集して後、該メルトブロー
    不織布がローラに巻取られる前または容器に収納される
    前の該捕集面上において、該メルトブロー不織布に対
    し、サクション作用を持つ該捕集面をアース電極として
    かつ非接触型電極を用いて高圧印加処理を施すことによ
    り該不織布をエレクトレット化せしめることを特徴とす
    るエレクトレットメルトブロー不織布の製造法。
  2. 【請求項2】捕集面として、開孔を有しているものを用
    いることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の
    エレクトレットメルトブロー不織布の製造法。
  3. 【請求項3】メルトブロー不織布が、目付100g/m以下
    のものであることを特徴とする特許請求の範囲第(1)
    項記載のエレクトレットメルトブロー不織布の製造法。
  4. 【請求項4】高圧印加処理が、メルトブロー不織布を形
    成する合成有機重合体のガラス転移点の上下100℃以内
    の範囲で行なわれるものであることを特徴とする特許請
    求の範囲第(1)項記載のエレクトレットメルトブロー
    不織布の製造法。
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