JPH0744308B2 - 半導体レ−ザ素子 - Google Patents

半導体レ−ザ素子

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JPH0744308B2
JPH0744308B2 JP61213688A JP21368886A JPH0744308B2 JP H0744308 B2 JPH0744308 B2 JP H0744308B2 JP 61213688 A JP61213688 A JP 61213688A JP 21368886 A JP21368886 A JP 21368886A JP H0744308 B2 JPH0744308 B2 JP H0744308B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は光通信に利用する。特に、コヒーレント光通信
の光源として利用される半導体レーザ素子に関する。
〔概 要〕
本発明は、発光波長の選択が可能な半導体レーザ素子に
おいて、 しきい電流における利得が最大の波長より短い波長で動
作させることにより、 発光スペクトル線幅の狭い放射光を得るものである。
〔従来の技術〕
光通信の分野で使用される放射光は可視領域である必要
はなく、「光学」、「光」等の用語は可視光に限定する
ものではない。実際に、伝送媒体としてシリカ製の光フ
ァイバを使用する場合には、ほぼ1.3μmおよび1.55μ
mの波長帯で光ファイバの損失が極小となり、赤外線を
使用することが有効である。
半導体レーザ素子は、レーザ発振構造として、電流を流
すpn接合(通常はp型領域からn型領域に流れる)と、
電子と正孔とが結合して誘導放出により光子を生成する
「活性層」とを備えている。活性層における光子の生成
過程を実現するために、この活性層内に発生した光子を
適切な程度に「閉じ込める」必要がある。このため、活
性層のバンドギャップおよび屈折率は、その周囲の半導
体のバンドギャップおよび屈折率と適切な関係をもつ必
要がある。活性層の両側の材料層および活性層の対向し
ている端面(ファセット)に接触する材料層を「閉じ込
め層」という。
半導体光学素子の主な利用分野として光ファイバ通信網
がある。近年生産されているシリカ製の光ファイバは、
ほぼ1.3μmおよび1.55μmで損失が極小となり、1.55
μmにおける極小値がより小さくなっている。したがっ
て、1.1ないし1.65μmの波長範囲、特に1.3ないし1.6
μmの波長範囲で動作する素子が特に必要である。これ
らの波長は、特に限定しない限り、他のすべての波長と
同様に真空中での波長とする。この領域で動作する半導
体レーザ素子としては、インジウムリン(InP)の領域
および四元系材料のインジウムガリウムヒ素リン(InxG
a1-xAsyP1-y)の領域を含むものが知られている。xお
よびyの値を適当に選択することにより、格子定数を変
化させて他の材料と整合させることができ、さらに、材
料のバンドギャップを変化させることができる。バンド
ギャップの値は、例えばフォトルミネッセンスにより実
験的に求めることができる。さらに、インジウムリンと
四元系材料との双方に、必要に応じてp型またはn型の
不純物を添加(ドープ)することができる。
アルミニウムヒ素の領域およびガリウムヒ素の領域を含
む半導体レーザ素子もまた通信用に利用できる。これら
の半導体レーザ素子は0.9μm近傍の波長で動作する。
半導体レーザ素子をしきい電流以上の電流で駆動する
と、その活性層でレーザ発振が生じ、誘導放出による光
子が発生する。この光子が活性層を通過するごとに、活
性層での利得と損失との間のバランスによって定義され
る程度に光子の数が増加する。利得は発光波長に対する
尖頭値スペクトルとして表され、利得が尖頭値となる波
長で活性層を動作させることが便利である。
ファブリペロー・レーザ素子では、活性層の両端面に配
置されたレーザ発振構造の終端面で放射光が少なくとも
部分的に反射し、レーザ発振が生じる。分布帰還(DF
B)レーザ素子では、活性層の領域に配置された波型(c
orrugations)により発振が生じる。この波型は、一般
にレーザ発振構造の長さの方向と直交する形状であり、
レーザ発振構造に沿ったそれぞれの方向に放射光を反射
する。
外部構造により放射光を反射させて半導体レーザ素子に
戻すことにより、この半導体レーザ素子の発振に寄与す
ることができる。このような外部構造としては、外部共
振器および分布ブラグ反射器(DBR)がある。外部共振
器としては、例えば、放射軸に沿ってあらかじめ選択さ
れた間隔にミラーを配置した構造が知られている。ま
た、半導体レーザ素子の外側で移動可能であること以外
はDFB型レーザ素子における波型と同等の波型を放射軸
に隣接して配置し、これにより、放射光を半導体レーザ
素子内に反射させることもできる。このような外部構造
を備えた半導体レーザ素子は、分布ブラグ反射器(DB
R)レーザ素子として知られている。
いくつかの応用例、特にコヒーレント通信の分野では、
発光スペクトル線幅の狭いことが重要である。発光スペ
クトル線幅が狭い場合には、ヘテロダインまたはホモダ
イン検出のようなコヒーレント検出を行うことができ、
大量のデータを伝送することができる。
ファブリペロー・レーザ素子の発光スペクトル線幅は10
0MHz以上であり、コヒーレント通信での使用には適して
いない。DFBレーザ素子は、ファブリペロー・レーザ素
子に比べて発光スペクトル線幅が狭くなるように製造す
ることが可能であり、外部共振器等を付加することによ
りさらに発光スペクトル線幅を狭くすることができる。
ヘニング(I.D.Henning)、ウェストブルック(L.D.Wes
tbrook)他、「リッジ導波路DFBレーザ素子の線幅の測
定(Measurements of the Linewidth of Ridge−Guide
DFB Lasers)」、エレクトロニクス・レターズ(Electr
onics Letters)第20巻第21号(1984年10月11日号)第8
85頁ないし第887頁には、発光波長1.47μm、測定スペ
クトル線幅3MHzで動作するレーザ発振構造が述べられて
いる。真の発光スペクトル線幅は1MHzと推測される。こ
の構造は、リッジ導波路を用い、外部共振器を備えた分
布帰還(DFB)レーザ素子を用いている。
しかし、レーザ発振構造の差異により特性が異なり、そ
の発光スペクトル線幅を予測することはできない。
半導体レーザ素子の発光スペクトル線幅を制御する因子
を評価しようとする注目すべき研究が行われた。チャー
ルズ・エイチ・ヘンリー(Charles H.Henry)の論文、
「半導体レーザの線幅の理論(Theory of the Linewidt
h of Semiconductor Lasers)」、IEEEジャーナル・オ
ブ・クウォンタム・エレクトロニクス(IEEE Journal o
f Quantum Electronics)第QE−18巻第2号(1982年2
月)第259頁ないし第264頁に、広がり項〔1+α〕に
より発光スペクトル線幅が制御されるという理論が述べ
られている。ここで、「α」はレーザ活性材料の基本的
な因子であり、「線幅増大因子(linewidth enhancemen
t factor)」と呼ばれている。
スペクトル線幅および線幅増大因子αが直接変調レーザ
素子における過渡的な波長チャーピングに影響すること
が示されている。
しかし、長波長レーザ素子では線幅増大因子αの大きさ
がかなり曖昧であることが知られている。線幅増大因子
αの値は、2.2ないし6.6の範囲で測定され、推定されて
いる。さらに、線幅増大因子αのレーザ波長に対する系
統的な依存性が報告されているが証明はされていない。
この系統的な効果については、ヘニング(Henning)お
よびコリンズ(Collins)、「半導体レーザ線幅広がり
因子(Measurement of the Semiconductor Laser Linew
idth Broadening Factor)」、エレクトロニクス・レタ
ーズ第19巻(1983年)第927頁ないし第929頁に説明され
ている。
バハラ(K.Vahala)他、「半導体インジェクションレー
ザにおける線幅増大因子(On the Linewidth Enhanceme
nt Factor in Semiconductor Injection Lasers)」、
アプライド・フィジクス・レターズ(Applied Physics
Letters)第42巻第8号(1983年4月15日)では、アン
ドープのガリウムヒ素において、励起周波数が高くなる
につれて線幅増大因子αが減少することを予測してい
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、放射光の線幅が十分に狭い半導体レーザ素子
を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の半導体レーザ素子は、半導体で構成されたレー
ザ発振構造と、このレーザ発振構造の発光波長を選択す
る波長選択手段とを備えた半導体レーザ素子において、
上記波長選択手段は、しきい電流において利得が最大の
波長を最大利得波長λmaxとし、この最大利得波長λmax
におけるスペクトル線幅増大因子をαmaxとしたとき、
上記最大利得波長λmaxより短くその線幅増大因子α
が、 α≦0.9αmax となる発光波長に選択されたことを特徴とする。
波長選択手段は、線幅増大因子αが、 α≦0.8αmax となる発光波長に選択されていることが望ましく、さら
には、 α≦0.7αmax となる発光波長に選択されていることが望ましい。
〔作 用〕
本発明者等は、発光スペクトル線幅と動作波長との間の
関係を利用して、どのように実際の半導体レーザ素子を
設計するかを研究した。本発明により、光通信で有用な
半導体レーザ素子、特に発光波長が1.3μmおよび1.55
μmの半導体レーザ素子における発光スペクトル線幅を
特に狭めることができる。
〔実施例〕
第1図は本発明実施例半導体レーザ素子の斜視図であ
る。この図面で半導体レーザ素子の構造を概略的に示
す。
以下の説明では「上」、「下」というの用語を用いる
が、これらの用語は第1図における上下関係を示すもの
であり、実際の素子の方向を示すものではない。
第1図を参照すると、この半導体レーザ素子はヨーロッ
パ特許出願第85 301599.8号に記載されたタイプの半導
体レーザ素子であり、DFBリッジ導波路レーザ素子であ
る。
基板1はイオンSを多量にドープしたn+型のインジウム
リンInP基板であり、その厚さは約100μmである。この
基板1の〔100〕面上に、テルルTeをドープしたn型の
ガリウムインジウムヒ素リンGaxIn1-xAsyP1-yを0.15μ
mの厚さに成長させ、これを第一の閉じ込め層2とす
る。xおよびyの値は、ホトルミネッセンスにより測定
したバンドギャップが1.15μmの波長と等価になるよう
に選択する。第一の閉じ込め層2の上には、不純物がド
ープされていないガリウムインジウムヒ素リンGaxIn1-x
AsyP1-yを0.15μmの厚さに成長させ、これを活性層3
とする。xおよびyの値は、バンドギャップが波長1.66
7μmと等価になるように選択する。活性層3の上に
は、第一の閉じ込め層2と同じ材料で第二の閉じ込め層
4を成長させる。
第二の閉じ込め層4には、電子ビーム露光で作成したマ
スクを用いて化学エッチングを行い、波型の分布帰還格
子9を形成する。この形成方法は、ウェストブルック
(Westbrook)他、エレクトロニクス・レターズ(Elect
ronics Letters)1982年第18巻第868頁ないし第865頁に
記載された方法を用いた。波型の背および溝は<110>
方向に沿って設けられ、溝の形状は三角形であり、溝の
側壁は〔111〕A面すなわちIII属原子のサブラティスで
ある。分布帰還格子9の周期は475nmであり、溝の深さ
は約170nmである。
分布帰還格子9の上にはリッジ導波路構造のリッジを設
ける。このリッジは、有機金属化学気相成長(MOCVD)
により、分布帰還格子9の完全性を保持しながら大気圧
で約1.5μmの厚さに成長させた亜鉛Znをドープした
(p型)インジウムリン層5を含む。この成長方法とし
ては、ヨーロッパ特許出願第84 300240.3号およびネル
ソン(Nelson)他、エレクトロニクス・レターズ1983年
第19巻第34頁ないし第36頁に記載された方法を用いる。
インジウムリン層5の上には、MOCVDにより、亜鉛Znを
多量にドープした三元系材料層6を約0.1μmの厚さに
成長させる。この三元系材料層6の組成はIn0.53Ga0.47
Asである。最後に、三元系材料層6の上に、それぞれ約
0.1μmの厚さでチタン電極層7および金電極層8を設
ける。また、基板1の下側にはスズおよび金を蒸着して
合金層を形成し、これを電極層10とする。
リッジの幅は約6μmであり、この半導体レーザ素子の
全長は300μmである。半導体レーザ素子の一方の端面
は劈開面であり、他方の端面は反射防止の処理が施され
ている。
リッジの両側には、チャネルによりリッジから分離され
て、半導体材料で形成された突起部11、12が設けられて
いる。これらの突起部11、12の層構造はリッジとほぼ同
一であるが、リッジの層構造に加えて電極層7、8の下
にシリカ層13を備える。
本実施例の半導体レーザ素子は、使用時には中心波長1.
55μmで発振し、出力が10mWのときのスペクトル線幅は
約10MHzである。活性層3のバンドギャップは、上述し
たように波長1.667μmと等価である。分布帰還格子を
備えていないファブリペローレーザ素子でこの材料を用
いた場合には、しきい電流において波長1.61μmの利得
が最大となる。すなわち最大利得波長λmaxが1.61μm
である。したがって、本実施例の半導体レーザ素子は、
活性層3の材料により定まる波長λmaxより約60nmだけ
短い波長で動作する。
半導体レーザ素子の構造を変更して発光スペクトル線幅
をより狭くすることもできる。例えば、半導体レーザ素
子の全長を800μmに増加させた場合には、出力10mWに
おけるスペクトル線幅を1MHzに削減することができる。
この場合にも波長λmaxより60nmだけ短い1.55μmの波
長で動作させる。
以上説明した半導体レーザ素子は、シリカ製の光ファイ
バ等で使用するために、一つの最適波長、すなわち1.55
μmの波長で動作する構成であった。他の波長、すなわ
ち1.3μmで発振する半導体レーザ素子の場合には、 (i)活性層3に用いる四元系材料の組成を、バンドギ
ャップが1.452μm(855meVと等価)、最大利得波長λ
maxが1.36μmとなるように選択し、 (ii)分布帰還格子9が周期398nm、深さ142nmの波型で
構成される ように修正を施す。
この半導体レーザ素子を最大利得波長λmaxより60nm短
い波長で動作させる。レーザ発振構造の長さが300μm
のときには、10mWの出力時に10MHzのオーダの発光スペ
クトル線幅が得られる。レーザ発振構造の長さを800μ
mにすると、10mW出力時の発光スペクトル線幅は約1MHz
に減少する。
以上の説明ではDFBレーザ素子に本発明を実施した場合
を例に説明したが、外部共振器または分布ブラッグ反射
器を使用しても同様に線幅増大因子αを削減することが
でき、半導体レーザ素子の発光スペクトル線幅を狭める
ことができる。外部共振器および分布ブラッグ反射器を
半導体レーザ素子の発振波長の選択に使用でき、これを
利用して最大利得波長λmaxより短い波長を発光波長と
して選択することにより本発明を同様に実施できる。
さらに、それ自身が半導体レーザ素子の発光スペクトル
線幅を狭める構造を組み合わせ、最大利得波長λmax
り短い発光波長で動作させることにより、さらに発光ス
ペクトル線幅を狭めることができる。例えば、適当な外
部共振器を備えたDFBリッジ導波路レーザ素子では、出
力10mWにおける発光スペクトル線幅を100kHz以下にする
ことができる。
半導体レーザ素子の発光波長を選択するための構造は、
線幅増大因子αとは独立に発光スペクトル線幅に影響を
及ぼすことがあることに注意しなければならない。例え
ば、ミラーを備えた外部共振器を使用した場合には、外
部共振器内の放射光の往復径路が半導体レーザ素子内で
発振した放射光との位相ずれを引き起こす場合に、スペ
クトル線幅を大きく広げてしまう。
半導体レーザ素子の構造が同一で動作波長が異なる場合
には線幅増大因子αを推定することができる。電流Iに
おけるモード利得Gの変化および共鳴波長λを測定する
ことにより、しきい電流以下のレーザ発光スペクトルに
おけるファブリペロー共鳴から線幅増大因子αを求める
ことができる。モード利得Gを決定する方法について
は、ハッキ(Hakki)およびパオリ(Paoli)、「GaAsダ
ブルヘテロ構造インジェクションレーザにおける利得ス
ペクトル(Gain Spectra in GaAs Injectin Laser
s)」、ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス(J
ournal of Applied Physics)1975年第46巻第1299頁な
いし第1306頁に説明されている。
レーザ発振構造における活性層の反射率を n′+jn″ と表すと、線幅増大因子αは、 と定義される。
反射率の実部および虚部は、双方ともに注入されたキャ
リア密度Nの関数であり、線幅増大因子αは、 で与えられる。ここでgは材料利得であり、反射率の虚
数部n″に対して、 n″=λg/4π の関係がある。dG/dIおよびdλ/dIは、dg/dNおよびd
n′/dNにより、 で表される。ここで、Cはモード閉じ込め因子である。
また、は群反射率であり、 で与えられる。の値は、通常は、ファブリペローモー
ド間隔Δλから、 の関係を用いて実験的に求めることができる。ここでL
は素子の長さである。(3)式および(4)式に(2)
式を代入して、 が得られる。
長さ190μmの同等な二つのインジウムガリウムヒ素リ
ン・リッジ導波路レーザ素子について測定を行った。発
光波長は両者とも1.53μm(0.811eV)であり、しきい
電流は32mAであった。レーザ素子の温度を熱電冷却器に
より20℃±0.05℃に保持した。すべての測定をパルス発
振(パルス幅500ナノ秒、デューティ比0.1%の周期)に
より実施し、レーザ素子に対する熱の影響を防止した。
λ=1.49ないし1.57μm(0.791ないし0.833eV)の波長
範囲で測定した線幅増大因子αの値の変化を第2図に示
す。左側の縦軸は線幅増大因子αを示し、右側の縦軸
は、チャールズ・エイチ・ヘンリィ(Charles H.Henr
y)が開示した線幅広がり項〔1+α〕を示す。42meV
の光子エネルギ範囲における線幅増大因子αの値は、ほ
ぼα=3ないし11の範囲で変化し、以前に報告された測
定値のほぼすべてを包含している。
光子エネルギがバンドギャップのエネルギ0.791eVに近
づくにつれて、線幅増大因子αが急速に増加する。第2
図に示した曲線から、最大利得波長λmax以下の波長で
この半導体レーザ素子を動作させることが有利であるこ
とがわかる。最大利得波長λmax=0.811eVにおける線幅
増大因子は、αmax=5.1である。0.87eVと等価な波長で
動作させた場合には、、α=0.9αmaxとなる。動作波長
をさらに短くすることにより、線幅増大因子αの値をさ
らに削減することができ、例えば、0.824、0.834eVに等
価な波長では、線幅増大因子αの値はそれぞれ0.8αmax
および0.7αmaxに削減することができる。
上述したように、半導体レーザ素子の発光スペクトル線
幅は多くの因子に依存し、線幅増大因子αの削減の効果
は、半導体レーザ素子の構造または動作における他の因
子により非常に不明確になり、他の因子により相殺され
る場合もある。例えば、動作温度は発光スペクトル線幅
に強く影響を与え、温度が増加すると発光スペクトル線
幅が増加する。したがって、所望の発光スペクトル線幅
を得るためには、熱的に安定に動作する半導体レーザ素
子の構造を組み合わせることが望ましい。
発光放射光の波長が1.1ないし1.65μmの範囲の場合に
は、そのレーザ発振構造をその最大利得波長λmaxより4
0ないし80nm、特に60nm短い波長で動作させることが最
適である。これにより、半導体レーザ素子のしきい電流
をそれほど大きくする必要なしに、発光スペクトル線幅
を大きく削減することができる。
レーザ発振構造を最大利得波長λmax以下の波長で動作
させることにより、一般的に50%のオーダで発光スペト
ル線幅を削減できる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の半導体レーザ素子は、発
光スペクトル線幅が非常に狭く、ヘテロダイン検出また
はホモダイン検出等のコヒーレント検出を行うコヒーレ
ント通信の光源として最適である。本発明の半導体レー
ザ素子をコヒーレント通信に利用することにより、大容
量データ伝送が可能となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例半導体レーザ素子の斜視図。 第2図は半導体レーザ素子の光子エネルギに対する線幅
増大因子αの値を示す図。 1……基板、2……閉じ込め層、3……活性層、4……
閉じ込め層、5……インジウムリン層、6……三元系材
料層、7……チタン電極層、8……金電極層、9……分
布帰還格子、10……電極層、11、12……突起部、13……
シリカ層。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体で構成されたレーザ発振構造と、 このレーザ発振構造の発光波長を選択する波長選択手段
    と を備えた半導体レーザ素子において、 上記波長選択手段は、しきい電流における利得が最大の
    波長を最大利得波長λmaxとし、この最大利得波長λmax
    におけるスペクトル線幅増大因子をαmaxとしたとき、
    上記最大利得波長λmaxより短くその線幅増大因子α
    が、 α≦0.9αmax となる発光波長に選択された ことを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】波長選択手段は、線幅増大因子αが、 α≦0.8αmax となる発光波長に選択された特許請求の範囲第(1)項
    に記載の半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】波長選択手段は、線幅増大因子αが、 α≦0.7αmax となる発光波長に選択された特許請求の範囲第(1)項
    に記載の半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】波長選択手段は分布帰還格子を含む特許請
    求の範囲第(1)項ないし第(3)項のいずれかに記載
    の半導体レーザ素子。
  5. 【請求項5】波長選択手段は外部共振器を含む特許請求
    の範囲第(1)項ないし第(3)項のいずれかに記載の
    半導体レーザ素子。
  6. 【請求項6】発光波長は1.2ないし1.35μmの帯域の波
    長である特許請求の範囲第(1)項ないし第(5)項の
    いずれかに記載の半導体レーザ素子。
  7. 【請求項7】発光波長は1.48ないし1.65μmの帯域の波
    長である特許請求の範囲第(1)項ないし第(5)項の
    いずれかに記載の半導体レーザ素子。
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