JPH0746785Y2 - ベーンポンプ - Google Patents

ベーンポンプ

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JPH0746785Y2
JPH0746785Y2 JP1989010999U JP1099989U JPH0746785Y2 JP H0746785 Y2 JPH0746785 Y2 JP H0746785Y2 JP 1989010999 U JP1989010999 U JP 1989010999U JP 1099989 U JP1099989 U JP 1099989U JP H0746785 Y2 JPH0746785 Y2 JP H0746785Y2
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vane
rotor
vane pump
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善明 浜崎
義浩 中川
雄二 小河
美徳 中野
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Koyo Seiko Co Ltd
Togo Seisakusho Corp
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
Togo Seisakusho Corp
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はベーンポンプに関し、更に詳述すれば、カムリ
ングの内周面にベーンを押付けるべく、各ベーンと夫々
の収納溝の底部との間にコイルばねを介装してなるロー
タを備えたベーンポンプに関する。
〔従来技術〕
ベーンポンプのロータは、公知の如く、円柱形をなす本
体部に、半径方向を深さ方向とする複数本の収納溝を、
周方向に等配をなし、軸長方向全長に亘って形成し、こ
れらの収納溝の夫々に、矩形平板状のベーンを摺動自在
に内挿してなる。ベーンポンプは、偏肉円筒状をなすカ
ムリングを備えたケーシングに、前記ロータを同軸回動
自在に内嵌せしめて構成され、ロータ本体の外周とカム
リングの内周との間に形成される空間をポンプ室として
動作するようになっており、該ポンプ室への導入油は、
互いに相隣する2枚のベーン間に封止され、ロータの回
転に伴って回転せしめられることにより昇圧する。従っ
て、ベーンポンプにおいては、ロータの各ベーンがカム
リングの内周面に確実に押し付けられ、前記封止が確実
になされることが重要であり、各ベーンと夫々の収納溝
の底部との間には、これを半径方向外向きに付勢する付
勢手段が設けてあり、該付勢手段として、コイルばねが
一般的に用いられている。
第5図は従来のベーンポンプの要部拡大図、第6図は第
5図のVI−VI線による断面図であり、いずれもベーン付
勢用コイルばねの装着状態を示している。
図において、30は円柱状をなすロータ本体であり、偏肉
円筒状をなすカムリング31に同軸的に内嵌してある。ロ
ータ本体30には、前述した如く、複数本の収納溝30b,30
b…(第5図には1本のみ図示)が形成してあり、各収
納溝30bには、矩形平板状をなすベーン30aが、これに沿
って摺動自在に内挿してある。ベーン30aを付勢するコ
イルばね30cは、各ベーン30aの幅方向両側に夫々設けて
あり、これらは、第6図に示す如く、長手方向一端部を
収納溝30b底部に形成された係止孔30eに夫々係止させ、
また他端部をベーン30aの基部に形成された切欠部30d,3
0dに夫々係止させた状態にて、ベーン30aと収納溝30bと
の間に介装されている。
さて、収納溝30bの形成はロータ本体30の焼結成形時に
同時的に行い得るが、これの底部の前記係止孔30eは、
その形成態様上、ロータ本体30の成形後、機械加工によ
り形成せざるを得ない。ところが、この加工は細幅の前
記収納溝30bを通して行わざるを得ず、また、複数の収
納溝30b,30b…夫々に各2個の係止孔30e,30eが必要であ
り、ロータ全体では相当の形成個数となるため、これら
の係止孔30e,30e…の全てを十分な精度のもとで正しく
形成するには多大の加工工数を要するという難点があっ
た。更に、ロータの組立の際には、収納溝30bの両側壁
間の狭い間隙を経て挿入されるコイルばね30cの一端部
を、前記係止孔30eに正しく係止せしめる作業、及び、
このコイルばね30cの他端部を前記切欠部30dに挿入させ
つつ、ベーン30aを収納溝30bに内挿する作業等の煩わし
い作業が要求され、多大の組立工数を要するという難点
があった。
以上の難点を解消すべく、本願出願人の一方は、ベーン
付勢用コイルばねの装着を容易にしかも確実になし得る
ベーンポンプを、特願昭62−325977号にて提案した。第
7図は、この発明におけるベーン付勢用コイルばねの装
着状態を示す断面図である。
この発明に係るベーンポンプは、細幅,薄肉の板材をこ
れの厚さ方向に図示の如く屈曲せしめ、厚さ方向一側に
突出する一対の挾持部60,60を、長手方向両端に設ける
と共に、他側に突出する一対の嵌合部61,61を、長手方
向中央から両側に振分けた位置に設けてなるばね保持部
材6を用いることにより、前記難点の解消を図ってい
る。このばね保持部材6は、ベーン30a付勢用のコイル
ばね30c,30cを前記嵌合部61,61の夫々に外嵌せしめた状
態で、前記挾持部60,60の突出側からベーン30aの収納溝
に挿入され、これらの挾持部60,60にて、ロータ本体30
の幅方向両側を、図示の如く挾持せしめることにより、
ベーン30aの収納溝底部に固定されるようになってい
る。
このばね保持部材6を用いた場合、第6図における係止
孔30eの形成は不要であり、また、コイルばね30c,30cを
嵌合部61,61に外嵌せしめる作業は、ばね保持部材6の
装着前に行い得るから、ロータの加工工数及び組立工数
の大幅な削減と、コイルばね30c,30cの確実な固定とが
可能となる。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところが、第7図に示すばね保持部材6においては、こ
れの製作時において、嵌合部61,61先端の屈曲部に、割
れ等の欠陥が生じることがあり、歩留りの低下を招来す
る上、これの製作後において、前記屈曲部のスプリング
バックにより、嵌合部61,61の根本部が徐々に拡がる虞
があり、該嵌合部61,61に外嵌されたコイルばね30c,30c
の伸縮動作が阻害されて、組立後のベーン30a,30a…の
進退動作に不都合が生じるという難点があった。
また、コイルばね30cを嵌合部61に嵌合せしめ、該嵌合
部61に保持させる際には、コイルばね30cの伸縮動作が
阻害されることがなく、また、嵌合部61からの脱落の虞
がないように、両者間に適正な嵌合状態を実現すること
が要求されるが、この実現は、前述の構成のばね保持部
材6においては困難であり、前記嵌合の都度、嵌合部61
の形状修正が必要となる問題点がある。
本考案は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ベー
ン付勢用のコイルばねを、確実にしかも容易に装着する
ことができる上、装着後におけるコイルばねの伸縮動作
が阻害されることがなく、またコイルばね脱落の虞れが
ないベーンポンプを提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本考案に係るベーンポンプは、円柱体の周面に形成され
た複数の収納溝夫々に、これに沿って摺動自在に内挿さ
れたベーンを、各別の前記収納溝底部との間に介装され
たコイルばねにより半径方向外向きに付勢してなるロー
タを備えたベーンポンプにおいて、前記コイルばねを外
嵌保持する保持棒がその一部に立設されており、前記収
納溝夫々の底部を相互に連通する態様でロータの軸長方
向両端部側に形成された流体通流用環状溝に跨がって固
定されたばね保持部材を具備し、前記保持棒は収納溝の
底部側軸端部に軸端側に向け縮径する縮径部を有し、前
記コイルばねは一方の軸端側に他方の軸端部より小径の
小径座部を有し、該小径座部を前記縮径部に嵌着してあ
ることを特徴とする。
〔作用〕 ばね保持部材は環状溝に跨がって固定される。コイルば
ねはばね保持部材の保持棒に外嵌され、小径座部が縮径
部に嵌着されるからコイルばねの装着が容易に行えるこ
とは勿論、確実な嵌着が行われ、またポンプ運転時に脱
落することもない。更に保持棒は従来の嵌合部61のよう
な経時的変形をしないからコイルばねの保持伸縮動作が
阻害されることもない。
〔実施例〕
以下本考案をその実施例を示す図面に基づいて詳述す
る。第1図は本考案に係るベーンポンプを用いて構成さ
れた4輪駆動車用の駆動連結装置の要部を示す縦断面
図、第2図は第1図のII−II線による拡大正断面図であ
る。
第1図及び第2図に示す駆動連結装置は、前輪から後
輪、又は後輪から前輪への駆動力の伝達を、前,後輪間
に生じる回転速度差に応じて行うものであり、前,後輪
の一方と連動回転する入力軸1に回転を拘束されたロー
タと、他方と連動回転する出力軸2に回転を拘束された
ケーシングとを備えてなるベーンポンプ3、これの作動
油を収納する油タンクT、並びに、ベーンポンプ3の吸
込油路及び吐出油路を一体的に構成してなる。この駆動
連結装置は、エンジンからの駆動力を前2輪に直接的に
伝達する構成の4輪駆動車においては、前,後輪間を連
結するプロペラシャフトの中途に装着して用いられ、こ
の場合、入力軸1がプロペラシャフトの前輪側の部分に
相当し、出力軸2が同じく後輪側の部分に相当する。
ベーンポンプ3のケーシングは、偏肉円筒状をなすカム
リング31と、該カムリング31を軸長方向両側から挾持
し、中抜き円板状をなすサイドプレート32及び厚肉の中
抜き円板状をなすサイドプレート33と、サイドプレート
32のカムリング31と逆側にフランジ固定される円筒状の
軸封部材34とを、軸封部材34のフランジ部、サイドプレ
ート32及びカムリング31をこの順に貫通して、サイドプ
レート33に形成された各別のねじ孔に螺合する複数の固
定ボルト35,35…により、同軸的に一体化させて構成さ
れている。このケーシングは、前記出力軸2の端部に形
成された連結フランジ20を、複数本の固定ボルト21,21
…にて、サイドプレート33の外側面に固着せしめること
により、出力軸2に同軸的に連結されており、出力軸2
の回転に連動して、その軸心回りに回転する。またケー
シングの外側には、サイドプレート33の外周面及び軸封
部材34の外周面にその一部を嵌合させ、第1図に示す如
く、カムリング31及びサイドプレート32,33の外側を囲
繞する態様にて、薄肉筒形の囲繞部材38が嵌着してあ
り、ベーンポンプ3の作動油は、囲繞部材38の内周と、
ケーシングの外周との間に環状をなして形成される油タ
ンクT内に封入されている。
一方、ベーンポンプ3のロータは、短寸円筒状をなすロ
ータ本体30に、複数枚の平板状のベーン30a,30a…を、
半径方向への摺動自在に後述する如く装着して構成され
ている。ロータ3の回転軸たるロータ軸36は、サイドプ
レート32の中抜き部に内嵌固定された針状ころ軸受32a
と、サイドプレート33の中抜き部に内嵌固定された玉軸
受33aとにより支承され、ケーシングの軸心上に位置し
ており、ロータ本体30は、両支承位置間にてロータ軸36
に外嵌され、これにスプライン結合させてある。前記カ
ムリング31の内周は、ロータ本体30の外周円よりもやや
大径の円に、複数個所(本実施例においては3個所)の
凹所を略等配に形成し、第2図に示す如き軸断面形状を
有しており、前述の如くロータ軸36に装着されたロータ
本体30は、両側をサイドプレート32,33にて挾持された
態様にて、カムリング31に内嵌され、ロータ本体30の外
周面とカムリング31の内周面との間には、前記凹所の形
成位置に、両面とサイドプレート32,33の側面とにて囲
繞され、変形三日月形の軸断面形状を有するポンプ室4
0,40,40が形成されている。
前記ロータ軸36は、軸封部材34に内嵌固定されたオイル
シール34a及びXリング34bにてその外周を封止され、該
軸封部材34の外部に適長突出させてあり、この突出端部
に形成された連結フランジ37が、前記入力軸1の端部に
形成された連結フランジ10に、複数本の固定ボルト11,1
1…により同軸的に固着されている。即ち、ベーンポン
プ3のロータは、ロータ軸36及び連結フランジ37,10を
介して、入力軸1と同軸的に連結されており、該入力軸
1の回転に連動して、ケーシングの内部において回転す
る。而して、入力軸1と出力軸2との間に回転速度差が
生じた場合、前者と連動するロータと後者と連動するケ
ーシングとの間には、前記回転速度差に相当する速度で
の相対回転が生じる。
ロータ本体30には、半径方向内向きに所定の深さ寸法を
有する複数本の収納溝30b,30b…が、周方向に等配をな
し、軸長方向の全長に亘って形成され、各収納溝30bに
は、矩形平板状をなす前記ベーン30aが、該収納溝30bの
壁面に沿って摺動自在に内挿してある。収納溝30bの底
部と、ベーン30aの基部との間には、コイルばね30cが介
装してあり、前記ベーン30aには、このコイルばね30cに
よる付勢力と、収納溝30bの底部に後述する如く導入さ
れる圧油の圧力とにより、ロータ本体30の半径方向に外
向きの押圧力が加えられるようになっている。
次にベーンポンプ3の吸込油路及び吐出油路の構成につ
き説明する。ポンプ室40,40,40の夫々には、これの周方
向両端に位置して、サイドプレート32側に開口する一対
の吸込口40a,40aと、サイドプレート33側に開口する一
対の吐出孔40b,40bとが、第2図に示す如く形成してあ
る。第1図に示す如く各吸込口40aは、サイドプレート3
2に装着され、ポンプ室40への流入のみを許容する吸込
チェック弁41と、これの装着位置に整合させて、軸封部
材34のフランジ部を軸長方向に貫通して形成された吸込
孔42とを介して、前記油タンクTに連通させてある。ま
た各吐出口40bは、「く」字状をなして半径方向内側に
折り返す態様にて、サイドプレート33に形成された吐出
孔44の一端が開口させてあり、該吐出孔44、及びこれの
中途に装着され、ポンプ室40からの流出のみを許容する
吐出チェック弁45を介して、ロータ本体30の側面に各ベ
ーン30a,30a…夫々の収納溝30b,30b…の底部を相互に連
通する態様にて形成された環状溝46に連通させてある。
また、この環状溝46は、ロータ本体30の両側面とサイド
プレート32,33との間に介在するわずかな間隙を介し
て、サイドプレート32,33の中抜き部に連通しており、
更にこれらの中抜き部は、軸封部材34を半径方向に貫通
する還流孔47、またはサイドプレート33を半径方向に貫
通する還流孔48により、ケーシング外側の前記油タンク
Tに連通させてある。即ち、ベーンポンプ3の吸込油路
は、前記吸込孔42及び吸込チェック弁41にて構成されて
おり、また吐出油路は、前記吐出孔44、これの中途の吐
出チェック弁45、前記収納溝30b,30b…の底部、ロータ
本体30両側の間隙、及び前記還流油路47,48にて構成さ
れている。
以上の如き構成のベーンポンプ3を備えてなる駆動連結
装置においては、旋回走行中、加,減速中、又は前,後
輪の一方が空転状態にある場合等、前,後輪間に回転速
度差が生じる走行状態にある場合、入力軸1を介して前
輪と連動回転するロータと、出力軸2を介して後輪と連
動回転するケーシングとの間に、前記回転速度差に相当
する速度にて相対回転が生じる。このように相対回転が
生じた場合、油タンクT内の油は、吸込孔42及び吸込チ
ェック弁41を経て、相対回転方向上流側に位置する吸込
口40aから各ポンプ室40内に導入される。この導入油
は、相隣するベーン30a,30a間に封止され、ロータ本体3
0の回転に伴って回転せしめられて昇圧し、各ポンプ室4
0内部に油圧が発生する。この発生油圧は、ロータ本体3
0の外周面とポンプ室40の内壁面との間に、前記相対回
転を抑止する方向に作用し、これにより、ロータとケー
シングとの間、即ち入力軸1と出力軸2との間に駆動力
の伝達がなされる。
ポンプ室40内部における昇圧の過程を更に詳述すれば、
相隣するベーン30a,30a間に封止された油は、その一部
が、ベーン30aの先端部近傍にこれを厚さ方向に貫通す
る態様にて形成された極細径の絞り孔39を通過して、低
圧側(相対回転方向上流側)に漏出して再度圧縮される
一方、残部は、相対回転方向下流側に位置する吐出口40
bから、前記吐出孔44に送出され、該吐出孔44、吐出チ
ェック弁45及び環状溝46を経て前記収納溝30b,30b…の
底部に導入される。この圧油は、各収納溝30bに内挿さ
れたベーン30aに半径方向外向きの押圧力を加えると共
に、ロータ本体30両側の前記間隙を経て、サイドプレー
ト32,33の中抜き部に漏出し、針状ころ軸受32a及び玉軸
受33aの潤滑作用をなした後、還流孔47,48を経て油タン
クTに還流する。
各ポンプ室40内の油圧は、主として、前記絞り孔39及び
ロータ本体30両側の間隙における通流抵抗に抗して発生
し、また、この通流抵抗の大小はこれらを通流する油量
の多少に対応し、更に、該油量の多少はロータとケーシ
ングとの間の相対回転速度の大小に対応する。従って、
ポンプ室40内部における発生油圧の高低は、入力軸1と
出力軸2との間の回転速度差、換言すれば、前,後輪間
の回転速度差の大小に対応することになり、前記回転速
度差に応じた駆動力が、前2輪から後2輪に配分され、
4輪駆動状態が実現されるのである。
ベーンポンプ3を備えてなる駆動連結装置は以上の如く
動作し、これの駆動力の伝達特性は、ベーンポンプ3に
おける油圧発生特性に依存するから、ロータとケーシン
グとの間の相対回転に応じて、各ポンプ室40における確
実な油圧の発生が要求される。ポンプ室40内部における
油圧発生挙動は前述した如くであり、確実な油圧の発生
を実現するためには、ベーン30a,30a…をカムリング31
の内周面に確実に押付け、相隣するベーン30a,30a間に
おける高い封止性能を実現することが重要である。前述
した如く、ベーン30aの押付け力は、これと収納溝30bの
底部との間に介装されたコイルばね30c,30cの付勢力
と、前記吐出孔44を経て収納溝30bに導入される油圧で
ある。ところが、後者は、ベーン30aの先端にポンプ室4
0内部において作用するの油圧と打ち消し合うから、前
記封止性能の良否は、前者、即ちコイルばね30c,30cに
よる付勢状態の良否に主として依存する。従って、コイ
ルばね30c,30c…が正しく装着されると共に、これらの
伸縮が阻害されることなくベーン30a,30a…の確実な押
圧が可能であるか否かは重要な課題である。本考案に係
るベーンポンプ3は、この課題を解決すると共に、コイ
ルばね30c,30c…の装着に要する手間の削減を図るべ
く、コイルばね30c,30cを収納溝30bの底部において保持
するばね保持体5を備えている。
第3図は、本考案の特徴たるばね保持体5の側面図であ
り、第4図は、コイルばね30cの装着状態を示す要部拡
大断面図である。
ばね保持体5は、これを収納溝30bの底部に支持させる
ための支持板50と、コイルばね30c,30cを各別に保持す
るための一対の保持棒51,51とを備えてなる。支持板50
は、細幅,薄肉の板材を用いてなり、これの長手方向両
端部は共に、厚さ方向同側に図示の如く屈曲せしめてあ
り、ロータ本体30を後述する如く挾持する挾持部50a,50
aが形成されている。挾持部50a,50aの先端は、前記屈曲
の向きと逆向きに若干屈曲され、前記挾持の際の案内作
用をなすようにしてある。また、支持板50には、これの
長手方向中心位置から両側に振り分けて、該支持板50を
厚さ方向に貫通する一対の貫通孔50b,50bが形成されて
いる。一方、前記保持棒51は、一端部を半球形に成形し
てなる丸棒であり、これの他側には、端部に向けて縮径
する縮径部と、該縮径部の端部に連なる小径部とが形成
されている。
ばね保持体5は、第3図の左半部に示す如く、貫通孔50
b,50bの夫々に、保持棒51,51の小径部を支持板50の表面
(挾持部50a,50aの突出側と逆側の面)側から挿通せし
め、これの突出端部を支持板50の裏面側からかしめるこ
とにより、第3図の右半部に示す如く、支持板50と保持
棒51,51とを、後者が前者上に略直角をなして立設され
た態様にて一体化させて構成されている。これに保持さ
せるコイルばね30c,30cは、図示の如く、軸長方向一側
の座部が他部よりも若干小径となるように成形されてお
り、この小径座部側から前記保持棒51に挿通せしめら
れ、前記座部を保持棒51の縮径部に嵌着させることによ
り、保持棒51に確実に保持されるようになっており、前
記挿通の後にコイルばね30c,30cが保持棒51から脱落す
る虞はない。また、保持棒51は丸棒であり、しかも先端
部が半球形に成形されているから、これへのコイルばね
30cの嵌装は容易に行い得る。また、前記コイルばね30c
両端の座部は共に、図示の如く2巻き以上としてある。
これにより、保持棒51への装着に際し、多くのコイルバ
ネ30c,30c…中から1個を取出す場合に、これに絡まっ
て不要なコイルばね30cが取出されることがなくなり、
コイルばね30c,30cの装着に要する時間を削減すること
が可能となる。
ばね保持体5は、保持棒51,51の夫々にコイルばね30c,3
0cを保持させた状態で、第4図に示す如く、ロータ本体
30の収納溝30bの底部に装着される。この装着は、支持
板50側から収納溝30bに内挿され、該支持板50両側の前
記挾持部50a,50aにより、ロータ本体30両側面の前記環
状溝46,46の底面を挾持せしめることにより、収納溝30b
の底部に固定される。これにより、保持棒51,51及びこ
れらに夫々装着されたコイルばね30c,30cは、収納溝30b
に沿って半径方向外向きに確実に固定される。ばね保持
体5は、ばね鋼等、弾性に優れた材料製としてあり、前
記挾持部50a,50aが十分な弾性を有するようにしてあ
る。従って、ばね保持体5を前述の如く収納溝30bに内
挿せしめ、挾持部50a,50a…先端を収納溝30bの底部に当
接させた後、これを軽く押し込むことにより、挾持部50
a,50aが拡がり、これらによりロータ本体30を確実に挾
持させることが可能である。このように、ばね保持体5
の固定は、容易にしかも確実に行え、その後、ベーン30
aの基部に形成された2個所の切欠部30d,30dを、コイル
ばね30c,30cの先端部に夫々係合させつつ、ベーン30aを
収納溝30bに内挿せしめるだけでロータの組立てが終了
するから、ロータの組立てが確実に行える上、組立工数
が大幅に削減される。
また、保持棒51,51は丸棒であり、円形断面を有してい
るから、コイルばね30c,30cが伸縮する際に、これが保
持棒51,51にて阻害される虞がなく、ベーン30aの押圧が
確実なものとなる。
なお、ばね保持体5の固定方法は本実施例に示すものに
限らず、これを収納溝30bに内挿せしめた後、挾持部50
a,50aを、環状溝46,46の底面に夫々ねじ止めする等、他
の固定手段を用いてもよいが、本実施例に示すものは、
前記内挿の後、ばね保持体5を軽く押圧することにより
容易に固定状態が得られるという利点がある。
また、コイルばね30c,30cを保持する保持棒51,51は、本
実施例中に示す円形断面のものに限らず、楕円形、多角
形等、他の断面形状を有するものであってもよい。
更に、本実施例においては、4輪駆動車用の駆動連結装
置に用いるベーンポンプについて説明したが、本考案の
適用はこれに限定されないことは言うまでもない。
〔効果〕
以上詳述した如く本考案による場合はばね保持部材にコ
イルばねを外嵌すべく保持棒を備えているので、従来の
嵌合部61のような経時的変形がなく、ベーンの進退が動
作が阻害されることがない。
またコイルばねの小径座部を保持棒の縮径部に嵌着する
のでこの嵌着作業が容易かつ確実に行えることは勿論、
組立時にコイルばねが保持棒から抜け落ちることがな
い。更にポンプ運転時においてコイルばねの伸縮が反復
され、また駆動連結装置のような振動が激しいものに用
いられてもコイルばねの脱落がない。
更にばね保持部材は流体通流用に設けてある環状溝に跨
がって固定するものであるからロータ本体に係止孔30e
を形成する等の特別な加工の必要がなく、またばね保持
部材の固定が簡単である。また、本考案はベーン数の奇
偶の如何に拘らず適用できるなど本考案は優れた効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係るベーンポンプを用いて構成した4
輪駆動車用の駆動連結装置の縦断面図、第2図は第1図
のII−II線による拡大横断面図、第3図は本考案の特徴
たるばね保持体の側面図、第4図は本考案に係るベーン
ポンプにおけるベーン付勢用コイルばねの装着状態を示
す図、第5図は従来のベーンポンプの要部拡大図、第6
図及び第7図は従来のベーンポンプにおけるベーン付勢
用コイルばねの装着状態を示す図である。 3…ベーンポンプ、5…ばね保持体、30…ロータ本体、
30a…ベーン、30b…収納溝、30c…コイルばね、31…カ
ムリング、32,33…サイドプレート、50…支持板、51…
保持棒
フロントページの続き (72)考案者 中川 義浩 大阪府大阪市南区鰻谷西之町2番地 光洋 精工株式会社内 (72)考案者 小河 雄二 愛知県愛知郡東郷町大字春木字蛭池1番地 株式会社東郷製作所内 (72)考案者 中野 美徳 愛知県愛知郡東郷町大字春木字蛭池1番地 株式会社東郷製作所内 (56)参考文献 実開 昭62−105386(JP,U) 実公 昭50−30650(JP,Y1) 実公 昭31−16484(JP,Y1)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】円柱体の周面に形成された複数の収納溝夫
    々に、これに沿って摺動自在に内挿されたベーンを、各
    別の前記収納溝底部との間に介装されたコイルばねによ
    り半径方向外向きに付勢してなるロータを備えたベーン
    ポンプにおいて、 前記コイルばねを外嵌保持する保持棒がその一部に立設
    されており、前記収納溝夫々の底部を相互に連通する態
    様でロータの軸長方向両端部側に形成された流体通流用
    環状溝に跨がって固定されたばね保持部材を具備し、 前記保持棒は収納溝の底部側軸端部に軸端側に向け縮径
    する縮径部を有し、前記コイルばねは一方の軸端側に他
    方の軸端部より小径の小径座部を有し、該小径座部を前
    記縮径部に嵌着してあることを特徴とするベーンポン
    プ。
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