JPH0747584B2 - 2−アセチルチオフエン誘導体の製造方法 - Google Patents

2−アセチルチオフエン誘導体の製造方法

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JPH0747584B2
JPH0747584B2 JP11014186A JP11014186A JPH0747584B2 JP H0747584 B2 JPH0747584 B2 JP H0747584B2 JP 11014186 A JP11014186 A JP 11014186A JP 11014186 A JP11014186 A JP 11014186A JP H0747584 B2 JPH0747584 B2 JP H0747584B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、一般式 (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示し、Zはア
セチル基又はカルボキシル基を示す。) で表わされる2−アセチルチオフエン誘導体、即ち、5
−アセチル−2−チオフエンカルボン酸及び2,5−ジア
セチルチオフエンの新規な製造方法に関する。
5−アセチル−2−チオフエンカルボンは、例えば、特
開昭50-25562号公報や、特開昭50-76069号公報に記載さ
れている不整脈、各種心疾患及び高血圧治療剤であるチ
エニルチアゾリルチオアミノアルコール誘導体 の重要な中間体である。
従来の技術 しかしながら、従来、5−アセチル−2−チオフエンカ
ルボン酸及び2,5−ジアセチルチオフエンを工業的に容
易に且つ高收率にて製造し得る方法は知られていない。
例えば、5−アセチル−2−チオフエンカルボン酸の製
造方法として、5−シアノ−2−アセチルチオフエンの
加水分解による方法(J.Chem.Soc.,1937,911)、2,5−
ジアセチルチオフエンの酸化による方法(J.Am.Chem.So
c.,69,1012(1947))、2−テノイル酸エステルのアシ
ル化による方法(Ann.der.Chem.,1(1962)),2−メチ
ル−2'−チエニル−1,3−ジオキソランのカルボキシル
化反応による方法等が知られているが、いずれも工業的
には原料、反応の安全性や制御性からみて好ましい方法
ではない。
そこで、これらの方法による問題を解決するために、特
開昭53-23963号公報や特開昭53-141264号公報に記載さ
れているように、2−チエニル酢酸のアセチル化によつ
て得られる5−アセチル−2−チエニル酢酸又はそのエ
ステルの酸化による方法が提案されているが、この方法
も、反応の制御が必ずしも容易ではない。
また、前記2,5−ジアセチルチオフエンの製造方法とし
ては、例えば、2−アセチルチオフエンをアセチル化す
る方法(J.Am.Chem.Soc.,69,1012(1947))が知られて
いるが、収率が極めて低い。
発明が解決しようとする問題点 本発明者らは、例えば、前記した5−アセチル−2−チ
オフエンカルボン酸及び2,5−ジアセチルチオフエンの
工業的に有利な製造方法を見出すべく鋭意研究し、工業
原料として容易に入手し得る2−アセチルチオフエンを
用いることに着目した。
しかしながら、2−アセチルチオフエンは、電子吸引性
であるアセチル基のために、チオフエン環における電子
密度が低いので、5−位置に求電子置換反応を行なうこ
とは困難である。例えば、前述したように、2−アセチ
ルチオフエンを直接にアセチル化する方法によつては、
2,5−ジアセチルチオフエンを極めて低収率にて得るこ
とができるにすぎない。
そこで、本発明者らは、2−アセチルチオフエンのチオ
フエン環における電子密度を高める誘導体について鋭意
研究した結果、2−アセチルチオフエンオキシムをO−
アルキル化して、アセチル基を電子供与性基であるα−
アルコキシイミノエチル基に変換し、2−(α−アルコ
キシイミノ)エチルチオフエンとするとき、この化合物
は、求電子置換反応によつて、容易に且つ高収率にて5
−アセチル置換化合物を与えることを見出した。
即ち、2−(α−アルコキシイミノ)エチルチオフエン
は、前述した理由によつて無水酢酸等によつて容易に5
−位置にアセチル化を受け、5−アセチル−2−(α−
アルコキシイミノ)エチルチオフエンに変換される。こ
の化合物を酸にて加水分解することによつて、2,5−ジ
アセチルチオフエンを得ることができる。また、ハロホ
ルム反応によつて、5−アセチル−2−(α−アルコキ
シイミノ)エチルチオフエンの5−位置のアセチル基を
カルボキシル基に酸化すれば、5−(α−アルコキシイ
ミノ)エチル−2−チオフエンカルボン酸を得ることが
でき、また、上記と同様に、この化合物を酸にて加水分
解すれば、5−アセチル−2−チオフエンカルボン酸を
得ることができる。
上述したように、本発明は、従来、有機化合物の同定法
としてよく知られているオキシムを工業原料として利用
する新規な方法を開示するものであり、上記した知見に
基づいて、新規化合物である5−アセチル−2−(α−
アルコキシイミノ)エチルチオフエンの酸加水分解によ
る2,5−ジアセチルチオフエンの製造方法、及び5−
(α−アルコキシイミノ)エチル−2−チオフエンカル
ボン酸の酸加水分解反応による5−アセチル−2−チオ
フエンカルボン酸の製造方法を提供することを目的とす
る。
問題点を解決するための手段 本発明による2−アセチルチオフエン誘導体の製造方法
は、一般式(I) (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示し、Zはア
セチル基又はカルボキシル基を示す。)で表わされる2
−(α−アルコキシイミノ)エチルチオフエン誘導体を
加水分解することによつて、 一般式(II) (式中、Zは前記と同じである。) で表わされる2−アセチルチオフエン誘導体を製造する
ことを特徴とする。
上記一般式(I)において、Rは炭素数1〜4のアルキ
ル基を示し、このアルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でも
よい。従つて、かかるアルキル基の具体例として、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
また、上記一般式(I)において、Zはアセチル基又は
カルボキシル基を示す。即ち、本発明によれば、一般式
(III) (式中、Rは前記と同じである。) で表わされる新規化合物5−アセチル−2−(α−アル
コキシイミノ)エチルチオフエンを酸加水分解して、2,
5−ジアセチルチオフエンを製造することができ、ま
た、一般式(IV) (式中、Rは前記と同じである。) で表わされる新規化合物5−(α−アルコキシイミノ)
エチル−2−チオフエンカルボン酸を酸加水分解して、
5−アセチル−2−チオフエンカルボン酸を製造するこ
とができる。
従つて、本発明において好ましく用いることができる5
−アセチル−2−(α−アルコキシイミノ)エチルチオ
フエンの具体例として、例えば、5−アセチル−2−
(α−メトキシイミノ)エチルチオフエン、5−アセチ
ル−2−(α−エトキシイミノ)エチルチオフエン、5
−アセチル−2−(α−n−プロポキシイミノ)エチル
チオフエン、5−アセチル−2−(α−イソプロポキシ
イミノ)エチルチオフエン、5−アセチル−2−(α−
n−ブトキシイミノ)エチルチオフエン等を挙げること
ができる。
また、本発明において好ましく用いることができる5−
(α−アルコキシイミノ)エチル−2−チオフエンカル
ボン酸の具体例として、例えば、5−(α−メトキシイ
ミノ)エチル−2−チオフエンカルボン酸、5−(α−
エトキシイミノ)エチル−2−チオフエンカルボン酸、
5−(α−n−プロポキシイミノ)エチル−2−チオフ
エンカルボン酸、5−(α−n−ブトキシイミノ)エチ
ル−2−チオフエンカルボン酸等を挙げることができ
る。
上記した5−アセチル−2−(α−アルコキシイミノ)
エチルチオフエンは、一般式(V) (式中、Rは前記と同じである。) で表わされる対応する2−(α−アルコキシイミノ)エ
チルチオフエンをアセチル化することによつて得ること
ができる。2−(α−アルコキシイミノ)エチルチオフ
エンは、2−アセチルチオフエンオキシムに塩基の存在
下にアルキル化剤を反応させることによつて得ることが
できる。
上記一般式(V)で表わされる2−(α−アルコキシイ
ミノ)エチルチオフエンも新規な化合物であるので、先
ず、この化合物の製造について説明する。
2−アセチルチオフエンオキシムは、常法に従つて、2
−アセチルチオフエンを例えばヒドロキシルアミンにて
オキシム化することによつて、高収率にて得ることがで
きる。
2−アセチルチオフエンオキシムをO−アルキル化する
には、従来より知られている通常のO−アルキル化法に
よることができるが、本発明においては、アルキル化剤
として、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジプロピル硫酸
等のようなジアルキル硫酸や、ヨウ化メチル、ヨウ化エ
チル、臭化イソプロピル、臭化n−ブチル等のハロゲン
化アルキルを好ましく用いることができる。
これらアルキル化剤の使用量は、特に限定されるもので
はないが、通常、用いる2−アセチルチオフエンオキシ
ムに対して0.5〜2倍モル、好ましくは1.0〜1.2倍モル
の範囲である。アルキル化剤の使用量が余りに少ないと
きは、目的とする2−(α−アルコキシイミノ)エチル
チオフエンの収率が低く、他方、余りに過剰量を用いて
も、特に有利な効果を得ることができないからである。
2−アセチルチオフエンオキシムのO−アルキル化反応
は、通常、塩基の存在下に行なわれる。かかる塩基とし
ては、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、
水素化物、炭酸塩、炭酸水素塩や、アルカリ金属アルコ
キシド等を好ましく用いることができる。しかし、必要
に応じて、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ピリ
ジン等の脂肪族、芳香族及び複素環式第3級アミンも用
いることができる。特に、アルカリ金属の水酸化物、水
素化物及びアルコキシドを用いるとき、高収率にて目的
とする2−(α−アルコキシイミノ)エチルチオフエン
を得ることができる。
これら塩基の使用量も、特に限定されるものではない
が、通常、用いる2−アセチルチオフエンオキシムに対
して0.8〜2倍モル、好ましくは1.0〜1.2倍モルの範囲
である。アルキル化剤についてと同様に、塩基の使用量
が余りに少ないときは、目的とする2−(α−アルコキ
シイミノ)エチルチオフエンの収率が低く、他方、余り
に過剰量を用いても、特に有利な効果を得ることができ
ない。
上記2−アセチルチオフエンオキシムのO−アルキル化
反応は、通常、溶剤中にて行なわれる。溶剤としては、
用いる2−アセチルチオフエンオキシムを溶解させると
共に、反応において不活性である限りは、特に限定され
るものではないが、好ましくは、水のほか、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等の低級脂肪族アル
コール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等のエーテル類、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩
化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド
等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシ
ド類、及びこれらの2以上の混合物を挙げることができ
る。特に、N,N−ジメチルホルムアミド及びその水溶
液、即ち、含水N,N−ジメチルホルムアミドが高収率に
て目的物を得ることができる観点から好ましい。
2−アセチルチオフエンオキシムのO−アルキル化反応
の温度は、通常、約−10℃から約50℃の範囲であり、好
ましくは約0℃から35℃の範囲である。特に好ましくは
約5℃から約20℃の範囲である。反応温度が約50℃より
も高いときは、副反応のために目的とする2−(α−ア
ルコキシイミノ)エチルチオフエンの収率が低下し、他
方、反応温度が約−10℃よりも低いときは、反応速度が
実用上、遅すぎるからである。
2−アセチルチオフエンオキシムのアルキル化反応の終
了後、反応混合物を例えばクロロホルムにて抽出し、こ
れを水洗した後、クロロホルムを留去し、残留物を更に
減圧下にて蒸留することによつて、通常、液体として、
前記一般式(IV)で表わされる2−(α−アルコキシイ
ミノ)エチルチオフエンを分離することができる。ま
た、反応混合物をそのまま減圧蒸留することによつて
も、前記一般式(IV)で表わされる2−(α−アルコキ
シイミノ)エチルチオフエンを分離することができる。
次に、5−アセチル−2−(α−アルコキシイミノ)エ
チルチオフエンの製造について説明する。
5−アセチル−2−(α−アルコキシイミノ)エチルチ
オフエンは、以上のようにして得られる2−(α−アル
コキシイミノ)エチルチオフエンを触媒の存在下にアセ
チル化剤にてチオフエン環をアセチル化することによつ
て得ることができる。
上記アセチル化剤としては、例えば、無水酢酸やハロゲ
ン化アセチル、例えば塩化アセチルが好適である。ま
た、触媒としては、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化
第二鉄等のルイス酸が好適である。尚、無水酢酸をアセ
チル化剤として用いるときは、触媒として硫酸、ポリリ
ン酸、過塩素酸等の酸触媒も用いることができる。特
に、ポリリン酸が好ましい。
アセチル化剤の使用量は、特に限定されるものではない
が、通常、用いる2−(α−アルコキシイミノ)エチル
チオフエンに対して1〜10倍モル、好ましくは1.0〜5
倍モルの範囲である。
アセチル化反応は、溶剤を必ずしも用いなくともよい
が、溶剤を用いる方が好ましい。このように、溶剤の存
在下に反応を行なうときは、溶剤としては、例えば、無
水酢酸、ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素等の脂肪族ハロゲン化炭化水素が
適当である。
上記アセチル化反応の温度は、通常、約40℃から約120
℃の範囲であり、好ましくは約50℃から110℃の範囲で
ある。反応温度が約120℃よりも高いときは、副反応が
起こり、他方、反応温度が約40℃よりも低いときは、反
応速度が実用上、遅すぎるからである。
一般に、よく知られているように、オキシムにはシン体
(syn)とアンチ体(anti)の2種の幾何異性体が存在
する。同様に、上記した2−(α−アルコキシイミノ)
エチルチオフエンにおいても、アルコキシ基がチオフエ
ン基と同じ側にあるシン体と、チオフエン環と反対側に
あるアンチ体との2種の幾何異性体が存在する。前述し
た方法によれば、これらシン体とアンチ体との混合物か
得られるが、本発明において用いる2−(α−アルコキ
シイミノ)エチルチオフエンの製造のためには、上記シ
ン体とアンチ体との混合物を用いることができる。勿
論、シン体やアンチ体をそれぞれ用いてもよい。
次いで、上記のようにして得られる5−アセチル−2−
(α−アルコキシイミノ)エチルチオフエンを溶剤中に
て次亜ハロゲン酸塩を用いる酸化分解反応、即ち、ハロ
ホルム反応によつて、5−(α−アルコキシイミノ)エ
チル−2−チオフエンカルボン酸を得ることができる。
上記次亜ハロゲン酸塩としては、例えば、次亜塩素酸ナ
トリウム、次亜臭素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム
等を好適に用いることができる。これら次亜ハロゲン酸
塩は、通常、5−アセチル−2−(α−アルコキシイミ
ノ)エチルチオフエンに対して2〜5倍モル、好ましく
は3〜4倍モルの範囲で用いられる。また、溶剤として
は、水や、水と水溶性有機溶剤、例えば、メタノール等
のような低級脂肪族アルコールとの混合溶剤を用いるこ
とができる。
上記ハロホルム反応の温度は、通常、約20℃から約100
℃の範囲であり、好ましくは約40℃から70℃の範囲であ
る。反応温度が約100℃よりも高いときは、副反応が起
こり、他方、反応温度が約20℃よりも低いときは、反応
速度が実用上、遅すぎるからである。
本発明の方法は、以上のようにして得られる5−アセチ
ル−2−(α−アルコキシイミノ)エチルチオフエンを
酸加水分解して、2,5−ジアセチルチオフエンを製造
し、また、5−(α−アルコキシイミノ)エチル−2−
チオフエンカルボン酸を酸加水分解して、5−アセチル
−2−チオフエンカルボン酸を製造するものである。
上記それぞれの酸加水分解反応においては、通常、例え
ば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸が好ましく用いられ
るが、必要に応じて、p−トルエンスルホン酸等のよう
な有機酸も用いることができる。かかる酸は、通常、原
料に対して5〜50倍モルが用いられるが、特に、原料に
対して10〜30倍モルを用いるとき、比較的短時間にて反
応を完結することができる。本発明においては、特に、
塩酸を用いるとき、高い収率にて目的とする生成物を得
ることができる。
加水分解反応は、水や、水と水溶性有機溶剤、例えば、
メタノール、アセトン等のような低級脂肪族アルコール
との混合溶剤中にて行なわれる。反応温度は、通常、約
20〜80℃、好ましくは40〜70℃の範囲である。反応温度
が余りに高いときは、副反応が起こり、他方、余りに低
いときは、反応速度が遅く、いずれの場合も、目的とす
る生成物の収率が低下するからである。
発明の効果 本発明の方法によれば、工業原料として容易に入手し得
る2−アセチルチオフエンから、そのオキシム化、得ら
れたオキシムのO−アルキル化、及びチオフエン環のア
セチル化(及びこのアセチル基のハロホルム反応)、及
び酸加水分解反応の工程を経て、従来の方法に比べて高
収率にて5−置換−2−アセチルチオフエン、中就、2,
5−ジアセチルチオフエン及び5−アセチル−2−チオ
フエンカルボン酸を製造することができる。
実施例 以下に参考例及び実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
参考例1 2−アセチルチオフエンオキシムの合成 攪拌器、滴下ろうと、温度計及び冷却器を備えた1容
量4つ口フラスコに2−アセチルチオフエン100g(0.79
4モル)、塩酸ヒドロキシアミン59.8g、炭酸ナトリウム
44.3g、メタノール192g及び水225gを仕込み、攪拌下に
還流温度まで昇温した後、これに酢酸を加えてpHを4と
し、2時間攪拌下に還流させた。この後、メタノールの
一部を留去し、冷却した後、生成した沈澱を濾別し、こ
れを水洗、乾燥して、白色の2−アセチルチオフエンオ
キシム(アンチ体とシン体との混合物)110.2g(収率9
8.5%)を得た。融点82〜93℃。
参考例2 2−(α−メトキシイミノ)エチルチオフエンの合成 攪拌器、滴下ろうと、温度計及び冷却器を備えた2l容量
4つ口フラスコにN,N−ジメチルホルムアミド141.7g、
水酸化ナトリウム32.9g(0.823モル)及び水35.4を仕込
んだ。
2−アセチルチオフエンオキシム110.2g(0.782モル)
を溶解したN,N−ジメチルホルムアミド溶液214gを上記
フラスコ内に15〜20℃の温度にて1時間を要して滴下
し、次いで、10℃に冷却した後、これに95%ジメチル硫
酸108.9g(0.821モル)を10℃の温度にて1時間を要し
て滴下した。滴下終了後、同じ温度で30分間攪拌した。
この後、反応混合物に水を加えて希釈し、クロロホルム
にて抽出し、このクロロホルム抽出液を水洗した後、ク
ロロホルムを留去した。残留物を減圧蒸留することによ
つて、2−(α−メトキシイミノ)エチルチオフエンを
無色透明の液体(70〜72℃/3mmHg)として100.6g得た。
収率は2−アセチルチオフエンオキシムに対して83%で
あつた。
2−(α−メトキシイミノ)エチルチオフエンの元素分
析値、核磁気共鳴吸収スペクトル及び赤外線吸収スペク
トルのそれぞれのデータ及び質量分析による分子量を以
下に示す。
元素分析値 C H N S 測定値 54.43 5.80 9.00 20.45 計算値 54.19 5.81 9.03 20.65 NMR(δppm,CDCl3) 2.18-2.30(s,3H),3.92-4.00(s,3H),6.90-7.69(m,3
H). IR(cm-1) 2960,2945,2900,2825,1440,1305,1240,1060,1040,896,8
55,710. 分子量 155 参考例3 参考例2において。第1表に示すアルキル化剤、塩基及
び反応溶剤を用いた以外は、参考例2と同様の操作を行
ない、また、同モル量を用いて、第1表に示す2−(α
−アルコキシイミノ)エチルチオフエンを得た。
第1表において番号5で得られた2−(α−エトキシイ
ミノ)エチルチオフエン及び番号7で得られた2−(α
−n−ブトキシイミノ)エチルチオフエンの外観、沸
点、元素分析値、スペクトル データ及び質量分析による分子量を示す。
2−(α−エトキシイミノ)エチルチオフエン 外観 無色透明の液体 沸点 77〜78℃/2mmHg 元素分析値 C H N S 測定値 56.52 6.78 8.32 18.71 計算値 56.80 6.51 8.28 18.93 NMR(δppm,CDCl3) 1.28-1.5(t,3H),2.18-2.29(s,3H),4.05-4.40(q,2
H),6.85-7.45(m,3H). IR(cm-1) 2980,2940,2880,1595,1442,1380,1300,1230,1095,1050,
990,910,921,890,855,705. 分子量 169 2−(α−n−ブトキシイミノ)エチルチオフエン 外観 無色透明の液体 沸点 94〜98℃/3.5mmHg 元素分析値 C H N S 測定値 60.68 7.50 7.31 16.50 計算値 60.91 7.61 7.11 16.24 NMR(δppm,CDCl3) 0.85-1.10(t,3H),1.20-2.00(m,4H),2.20-2.31(s,3
H),4.08-4.32(t,2H),8.9-7.50(m,3H). IR(cm-1) 2970,2950,2880,1600,1440,1380,1300,1240,1080,1040,
1000,920,900,860,710. 分子量 197 参考例4 5−アセチル−2−(α−メトキシイミノ)エチルチオ
フエンの合成 3l容量の4つ口フラスコに無水酢酸258g(2.53モル)、
ポリリン酸61g及び2−(α−メトキシイミノ)エチル
チオフエン100.6g(0.649モル)を仕込み、100℃にて9
時間攪拌した。反応後、室温まで冷却し、メタノール及
び水を加えて過剰の無水酢酸及びポリリン酸を希釈又は
分解した。更に、20重量%水酸化ナトリウム水溶液を加
えて中和し、クロロホルムにて抽出した。
この抽出クロロホルム溶液を水洗した後、クロロホルム
を留去して、粗5−アセチル−2−(α−メトキシイミ
ノ)エチルチオフエン得た。これをメタノールから再結
晶して、淡黄色固体として5−アセチル−2−(α−メ
トキシイミノ)エチルチオフエン67.1gを得た。
収率は2−(α−メトキシイミノ)エチルチオフエンに
対して52.5%であつた。
5−アセチル−2−(α−メトキシイミノ)エチルチオ
フエンの融点、元素分析値、スペクトルデータ及び質量
分析による分子量を示す。
融点 104〜105℃ 元素分析値 C H N S 測定値 54.58 5.69 6.98 16.28 計算値 54.82 5.58 7.11 16.24 NMR(δppm,CDCl3) 2.20-2.33(s,3H),2.53-2.56(s,3H),3.98-4.06(s,3
H),7.17-7.65(dd,2H). IR(cm-1) 3100,2930,2900,2810,1650,1530,1460,1360,1295,1270,
1050,920,890,590,495. 分子量 197 参考例5 5−(α−メトキシイミノ)エチル−2−チオフエンカ
ルボン酸の合成 2l容量の4つ口フラスコに実施例1において得られた粗
5−アセチル−2−(α−メトキシイミノ)エチルチオ
フエン114.8g(純度100%換算にて0.415モルに相当す
る。)及びメタノール116gを仕込み、攪拌下に70℃に昇
温した。これに同じ温度にて10%次亜塩素酸ナトリウム
水溶液1124gを30分を要して滴下し、更に、30分間攪拌
した。
反応後、室温まで冷却し、クロロホルムにて反応混合物
を洗浄して、未反応2−(α−メトキシイミノ)エチル
チオフエン等を除去した後、濃塩酸にて酸性とし、析出
物を濾過、水洗、乾燥して、白色固体として5−(α−
メトキシイミノ)エチル−2−チオフエンカルボン酸8
2.6gを得た。
収率は2−(α−メトキシイミノ)エチルチオフエンに
対して64.0%であつた。
5−(α−メトキシイミノ)エチル−2−チオフエンカ
ルボン酸の融点、元素分析値、スペクトルデータ及び質
量分析による分子量を示す。
融点 205〜206℃ 元素分析値 C H N S 測定値 48.42 4.43 7.21 15.92 計算値 48.24 4.52 7.04 16.08 NMR(δppm,CDCl3) 2.19-2.29(s,3H),3.90-3.99(s,3H),7.40-7.74(dd,
2H). IR(cm-1) 2950,2825,2675,1700,1670,1542,1480,1430,1310,1280,
1060,900,830,750,530. 分子量 199 参考例6 第2表に示す2−(α−アルコキシイミノ)エチルチオ
フエン、アセチル化剤、触媒及び溶剤を用いて、参考例
4と同様にして、第2表に示す5−アセチル−2−(α
−アルコキシイミノ)エチルチオフエンを得た。
また、このようにして得られた5−アセチル−2−(α
−アルコキシイミノ)エチルチオフエンを参考例5にお
けると同様に処理して、第2表に示すように、それぞれ
対応する5−(α−アルコキシイミノ)エチル−2−チ
オフエンカルボン酸を得た。
これら5−アセチル−2−(α−アルコキシイミノ)エ
チルチオフエン及び5−(α−アルコキシイミノ)エチ
ル−2−チオフエンカルボン酸について、外観、融点、
元素分析値、スペクトルデータ及び質量分析による分子
量を示す。
5−アセチル−2−(α−エトキシイミノ)エチルチオ
フエン 外観 白色固体 融点 42〜49℃ 元素分析値 C H N S 測定値 56.60 6.11 6.92 15.10 計算値 56.87 6.16 6.64 15.17 NMR(δppm,CDCl3) 1.22-1.48(t,3H),2.22-2.32(s,3H),2.52-2.56(s,3
H),4.1-4.45(q,2H),7.16-7.66(dd,2H). IR(cm-1) 2990,2940,1670,1470,1450,1360,1300,1280,1045,1000,
935,820,600,530. 分子量 211 5−(α−メトキシイミノ)エチル−2−チオフエンカ
ルボン酸 外観 白色固体 融点 150〜164℃ 元素分析値 C H N S 測定値 50.92 5.08 6.39 15.22 計算値 50.70 5.16 6.57 15.02 NMR(δppm,CDCl3) 1.16-1.38(t,3H),2.20-2.29(s,3H),4.03-4.35(q,2
H),7.35-7.72(2H). IR(cm-1) 3125,2990,2680,1700,1540,1480,1425,1345,1310,1280,
1120,1000,920,846,760,505. 分子量 213 5−(α−n−ブトキシイミノ)エチル−2−チオフエ
ンカルボン酸 外観 白色固体 融点 125〜135℃ 元素分析値 C H N S 測定値 54.68 5.99 5.71 13.21 計算値 54.77 6.22 5.81 13.28 NMR(δppm,CDCl3) 0.83-0.99(t,3H),1.16-1.90(m,4H),2.20-2.30(s,3
H),4.05-4.30(t,2H),7.36-7.73(dd,2H). IR(cm-1) 2960,2950,2880,1710,1678,1545,1482,1422,1342,1310,
1280,1120,1080,1050,1000,925,830,755. 分子量 241 実施例1 2,5−ジアセチルチオフエンの製造 2l容量の4つ口フラスコに参考例4において得た粗5−
アセチル−2−(α−メトキシイミノ)エチルチオフエ
ン114.8g(純度100%換算にて0.415モルに相当する。)
及び濃塩酸424gを仕込み、70℃の温度にて8時間攪拌し
て、加水分解反応を行なつた。反応終了後、クロロホル
ムにて抽出し、このクロロホルム溶液を水洗した後、ク
ロロホルムを留去して、粗2,5−ジアセチルチオフエン
を得た。これをジエチルエーテルにて洗浄して、淡黄色
結晶60.0g(5−アセチル−2−(α−メトキシイミ
ノ)エチルチオフエンに対する収率86%)を得た。
尚、2−アセチルチオフエンに対する収率は45.0%であ
つた。
融点 171〜173℃(文献値172〜173℃) 元素分析値 C H S 測定値 57.40 4.70 18.97 計算値 57.14 4.76 19.05 NMR(δppm,CDCl3) 2.62(s,6H),7.98(s,2H). 分子量 168 実施例2 第3表に示す5−アセチル−2−(α−アルコキシイミ
ノ)エチルチオフエンを第3表に示す酸の存在下に実施
例1と同様にして加水分解して、それぞれ2,5−ジアセ
チルチオフエンを得た。
第3表に5−アセチル−2−(α−アルコキシイミノ)
エチルチオフエンに対する収率1及び2−アセチルチオ
フエン2に対する収率2を示す。
実施例3 5−アセチル−2−チオフエンカルボン酸の製造 2l容量の4つ口フラスコに参考例5において得た5−
(α−メトキシイミノ)エチル−2−チオフエンカルボ
ン酸82.6g、水390g及び濃塩酸1015gを仕込み、55℃の温
度にて6時間攪拌して、加水分解反応を行なつた。反応
終了後、反応混合物を冷却し、濾過、水洗、乾燥して、
白色結晶として5−アセチル−2−チオフエンカルボン
酸63.5g(5−(α−メトキシイミノ)エチル−2−チ
オフエンカルボン酸に対する収率90.0%)を得た。
尚、2−アセチルチオフエンに対する収率は47.1%であ
つた。
融点 208〜210℃(文献値203〜206℃) 元素分析値 C H S 測定値 49.53 3.50 18.78 計算値 49.41 3.53 18.82 NMR(δppm,CDCl3) 2.56(s,3H),7.72-7.93(d,2H). 分子量 170 実施例4 第4表に示す5−(α−アルコキシイミノ)エチル−2
−チオフエンカルボン酸を第4表に示す酸の存在下に実
施例3と同様にして加水分解して、それぞれ5−アセチ
ル−2−チオフエンカルボン酸を得た。
第4表に5−(α−アルコキシイミノ)エチル−2−チ
オフエンカルボン酸に対する収率1及び2−アセチルチ
オフエンに対する収率2を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示し、Zはア
    セチル基又はカルボキシル基を示す。)で表わされる2
    −(α−アルコキシイミノ)エチルチオフエン誘導体を
    加水分解することを特徴とする一般式(II) (式中、Zは前記と同じである。) で表わされる2−アセチルチオフエン誘導体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】一般式(I)において、Rがメチル基であ
    る特許請求の範囲第1項記載の2−(α−アルコキシイ
    ミノ)エチルチオフエン誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】一般式(I)において、Rがエチル基であ
    る特許請求の範囲第1項記載の2−(α−アルコキシイ
    ミノ)エチルチオフエン誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】一般式(I)において、Rがn−ブチル基
    である特許請求の範囲第1項記載の2−(α−アルコキ
    シイミノ)エチルチオフエン誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】一般式(II)において、Zがアセチル基で
    ある特許請求の範囲第1項記載の2−(α−アルコキシ
    イミノ)エチルチオフエン誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】一般式(II)において、Zがカルボキシル
    基である特許請求の範囲第1項記載の2−(α−アルコ
    キシイミノ)エチルチオフエン誘導体の製造方法。
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