JPH0750827B2 - 回路転写用シート - Google Patents

回路転写用シート

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JPH0750827B2
JPH0750827B2 JP25546787A JP25546787A JPH0750827B2 JP H0750827 B2 JPH0750827 B2 JP H0750827B2 JP 25546787 A JP25546787 A JP 25546787A JP 25546787 A JP25546787 A JP 25546787A JP H0750827 B2 JPH0750827 B2 JP H0750827B2
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    • H05—ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05K—PRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00—Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/10—Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern
    • H05K3/20—Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern by affixing prefabricated conductor pattern

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、回路転写用シートに関するものであり、更に
詳しくは、プリント回路基板の射出成形と基板上での電
気回路パターンの形成を射出成形用金型内で同時に行な
うのに使用するための回路転写用シートに関するもので
ある。
[従来の技術] プリント回路基板として従来から一般的に用いられてき
たのは、ガラス・エポキシ樹脂板等の銅張積層板上にレ
ジストパターンを形成し、銅箔をエッチング処理した
後、レジストパターンを除去して得られる回路基板であ
った。しかし、この方法は工程が複雑であるためコスト
上問題があり、更にパターン形成後に回路部品を実装す
るための孔あけ加工等の工程が必要であった。
これらの問題を解消する方法として、インモールド法と
呼ばれる、射出成形用金型内に回路パターンを形成した
転写シートを配置し、射出成形と同時に回路パターンの
転写を行なってプリント回路基板を得ようとする方法が
検討されている。この方法は、工程を簡略化するだけで
はなく、銅張積層板を使用する方法では困難であった3
次元形状を持つ立体回路基板を実現するという点でも有
用である。
たとえば特開昭60-121791では、メラミン樹脂で離型処
理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)フィル
ム上に、導電ぺーストをスクリーン印刷して回路パター
ンを形成し、更にこの上に接着剤を印刷して作製した回
路転写用シートを使用して、金型内で射出成形と同時に
回路転写を行なう方法が提案されている。また、特開昭
60-138988では、メラミン樹脂で離型処理を施したPETフ
ィルム上に、レジストインキをグラビア印刷して回路パ
ターンのネガパターンを形成し、更にこの上に接着剤を
印刷して作製した回路転写用シートを使用して、金型内
で射出成形と同時に回路パターンのネガパターンを成形
基板上に転写し、次にこれを無電解銅メッキ、レジスト
除去を行なう方法が提案されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、上記のような方法は未だ広く実用化には至って
いない。その理由としては第1に、回路転写用シートの
基材フィルムが、提案されているようなポリエステルフ
ィルムあるいはポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロ
ンフィルムでは耐熱的に不十分であることが挙げられ
る。インモールド法による回路転写における射出成形用
樹脂としては、製造されたプリント回路基板の耐熱的、
電気的要求特性の点から、ポリフェニレンサルファイド
(PPS)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン
(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)等の樹脂が用いら
れるが、これらの樹脂の射出成形温度は一般に250℃以
上と、上記フィルムの融点近くあるいはそれ以上であ
る。
第2の理由としては、回路転写用シートの基材フィルム
と転写パターン層の間に離型層が存在する点である。回
路パターン転写の際に離型層も転写されるため、転写後
の回路パターンの表層が離型用樹脂で被覆されることに
なる。従って、上記の公知例のように導電ペーストを転
写する場合には回路部品のハンダ付け、あるいは転写後
の回路パターン上に更に銅メッキを行なう場合等におい
て問題を生じ、またレジストパターンを転写するような
場合にも、銅メッキ層の形成において転写された離型用
樹脂の存在が問題となる。
本発明は、かかる問題点を解決し、インモールド法によ
る回路転写に使用するにあたって十分な耐熱性を有し、
かつ離型層を持たなくても転写に支障を生じない回路転
写用シートを提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、基材フィルムの少なくとも片面に回路パター
ンが形成された回路転写用シートにおいて、該基材フィ
ルムが、フィルム表面の水の接触角が30度以上85度以
下、250℃の伸度が40%以上の芳香族ポリアミドフィル
ムあるいは芳香族ポリイミドフィルムからなる回路転写
用シートを特徴とするものである。
本発明における回路転写用シートとは、熱可塑性樹脂を
射出成形する際に、インモールド法によって射出成形品
上に電気回路を転写形成するのに用いられる回路転写用
シートである。すなわち、射出成形用金型内の所定の位
置に、該シート上の回路パターンが溶融樹脂と接触する
向きに回路転写用シートを配置し、次に溶融樹脂を射出
して成形を行なうと同時に回路パターンの射出成形品上
への転写を行なう方法である。
ここで転写される回路パターンとは、後述するようにプ
リント回路基板上の電気回路の形成法によって、目的と
する電気回路のポジパターンである場合もあるし、ネガ
パターンである場合もある。また最終的に基板上に形成
された電気回路はプリント回路基板の使用目的、要求さ
れる条件によって、電気容量、電気抵抗などが決定され
るものであって、本発明では特に限定されるものではな
い。
本発明におけるプリント回路基板を構成する熱可塑性樹
脂としては射出成形時の成形温度が少なくとも250℃以
上であるような熱可塑性の耐熱性樹脂であり、例えばポ
リフェニレンサルファイド(PPS)、ポリスルホン(PS
F)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミ
ド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポ
リアリレート(PAR)、ポリアミドイミド(PAI)、液晶
ポリエステル等が挙げられる。なお、これらの樹脂中に
は、成形後の基板の特性の面からガラス繊維、炭素繊
維、酸化チタン、シリカ粒子等のフィラーやその他の添
加剤が含有されていてもよい。
本発明の回路転写用シートの基材フィルムとして用いら
れるのは、芳香族ポリアミドフィルムと芳香族ポリイミ
ドフィルムである。これは、両フィルムとも、本発明の
回路転写用シートが適用される射出成形樹脂の成形温度
においても溶融せず、更にフィルム上の回路パターンと
の間で適度な離型性を有するからである。
本発明における芳香族ポリアミドフィルムとは、一般
式、−NH−Ar1−NHCO−Ar2−CO−または、−NH−Ar3−C
O− で示される繰り返し構成単位を単独または共重合の形で
含む芳香族ポリアミド重合体から成るフィルムであり、
好ましくは上記構成単位を80モル%以上含むフィルムで
ある。
ここで、Ar1,Ar2,Ar3は少なくとも1個の芳香環を含
み、同一でも異なっていてもよく、これらの代表例とし
ては次のものがあげられる。
また、これらの芳香環の環上の水素原子の一部が、ハロ
ゲン基、ニトロ基、C1〜C3のアルキル基、C1〜C3のアル
コキシ基から選ばれる置換基で置換されているものも含
む。また、Xは−O−,−CH2−,−SO2−,−S−,−
CO−, の中から選ばれる。
本発明における芳香族ポリイミドフィルムとは、一般式 で示される繰り返し構成単位を単独または共重合の形で
含む芳香族ポリイミド重合体からなるフィルムであり、
好ましくは上記構成単位を80モル%以上含むフィルムで
ある。
ここでAr4は少なくとも1個の芳香環を含み、イミド環
を形成する2つのカルボニル基は芳香環上の隣接する炭
素原子に結合している有機基である。このAr4基は、一
般式 を有する芳香族テトラカルボン酸二無水物に由来する。
Ar4の代表例としては次のようなものが挙げられる。
ここでYは、−O−,−CO−,−CH2−,−S−, −SO2−から選ばれる。
また、Ar5は少なくとも1個の芳香環を含み、一般式H2N
−Ar5−NH2を有する芳香族ジアミンに由来している。A
r5の代表例としては次のようなものが挙げられる。
ここで、これらの芳香環の環上の水素原子の一部が、ハ
ロゲン基、ニトロ基、C1〜C3のアルキル基、C1〜C3のア
ルコキシ基から選ばれる置換基で置換されているものも
含む。Zは、−O−,CH2,−S−,−SO2−,−CO−, から選ばれる。
本発明における基材フィルムは、フィルム表面の水の接
触角が30度以上85度以下、好ましくは35度以上80度以下
である。これは、基材フィルム上に回路パターンを形成
し、これを射出成形用金型内で成形樹脂側に転写するに
あたっては、フィルムと回路パターンの間で、適度な密
着性と離型性とが同時に求められるからである。すなわ
ち、基材フィルム表面の水の接触角が85度より大きい、
つまりフィルムの表面張力が小さい場合には、基材フィ
ルムと回路パターンとの密着性が小さすぎるため、回路
パターンの形成時にこれが剥離してしまうというような
問題が生じる。特に導電ペーストを転写し、その上へ銅
メッキを施すような場合には、若干の密着性が重要であ
る。これは、ペーストの剥離があまりに良すぎると転写
された回路パターンの銅微粒子がバインダー樹脂に包ま
れてメッキの形成が困難となるからであり、フィルムに
接するペーストの界面の極く薄い層は転写箔側に残る程
度の方が銅微粒子が露出してメッキが容易になるからで
ある。一方、水の接触角が30度未満、つまりフィルムの
表面張力が大きい場合には、基板の射出成形時に金型内
で回路パターンが良好に転写せず、転写された回路パタ
ーンに抜けが生じるという問題が起こる。
このフィルム表面の水の接触角は基材フィルムを構成す
る耐熱樹脂の種類によって異なり、極性の強い基を多く
持つ樹脂の場合には一般的に接触角は小さくなり、また
表面の微少な凹凸の状態も多少の影響を与える。一方、
接触角を接触的に減少させる方法としては種々の表面処
理を用いることが出来る。表面処理法としては、コロナ
放電処理、グロー放電処理(プラズマ処理)、アルカリ
水溶液処理等が挙げられる。これ等のなかでは、コロナ
放電処理、グロー放電処理がドライブプロセスであると
いう点において好ましく、処理を行なう場合の雰囲気ガ
スとしては、空気、酸素、窒素、アルゴン、水素、二酸
化炭素、アンモニア等のガスから選ばれる。
本発明における基材フィルムの伸度は250℃において40
%以上、好ましくは80%以上であることが必要である。
これは射出成形の際に、フィルムが成形品の形状にあわ
せてある程度伸びることが必要なためであり、特に平板
の縁のような曲率の小さな部分では、伸度が小さい場合
にはフィルムが破断するため重要である。また、芳香族
ポリアミドあるいは芳香族ポリイミドフィルムは耐熱性
が優れているため一般に高温下でも伸度は小さいが、必
要以上の耐熱性はこの点から本発明の用途においては不
適であるため注意を要する。
本発明における基材フィルムは、吸湿率が好ましくは10
%以下である。これはフィルム中の水分量が多いと射出
成形時に水分の突沸によって射出成形基板表面が荒れる
からである。
本発明における基材フィルムの厚さは、5μ以上100μ
以下であることが好ましい。5μ以下では金型内に回路
転写用シートを装着する際などに皺が生じるなど作業性
が著しく悪く、また100μ以上では、フィルムが断熱材
となり樹脂の冷却を妨げるため射出成形あるいは回路転
写上好ましくない。
本発明における基材フィルムの熱収縮率は、250℃にお
いて5.0%以下であることが好ましい。これは金型内で
溶融した成形樹脂に接触した時の収縮が大きいと、回路
パターンの転写位置精度が低下するためであり、また転
写した回路パターンに大きな残留応力を与え、転写後の
回路パターンと基板との密着力の低下をもたらすので好
ましくない。
次に本発明の回路転写用シートの製造方法について説明
する。
芳香族ポリアミドフィルムは、溶媒中に芳香族ポリアミ
ド樹脂を溶解させたポリマー溶液から、溶液製膜法によ
って成形される。
ポリマーの重合は、ジメチルアセトアミド、N−メチル
ピロリドン、ジメチルホルムアミドなどの極性アミド系
溶媒中に原料モノマーを添加して行なう溶液重合法、あ
るいは水系媒体を使用する界面重合法などによって行な
われ、ポリマーの構成単位によっては硫酸中で重合され
る場合もある。
フィルムを製膜するにあたっては、重合後のポリマー溶
液をそのまま使用する場合と、ポリマーを水中などで一
旦単離し、乾燥後に再度溶媒に溶解させて製膜に使用す
る場合がある。
原料モノマーとして酸クロライドとジアミンを使用する
場合には重合時に塩化水素が副生するため、必要に応じ
て中和を行なう。中和剤としては、水酸化カルシウム、
炭酸カルシウム、水酸化リチウム、炭酸リチウムなどの
無機塩基あるいはそれらの水和物や、アンモニア、ジエ
タノールアミンなどの有機塩基が好ましく用いられる。
中和時に無機塩基を使用した場合には、塩化カルシウ
ム、塩化リチウムなどが副生するが、これらの無機塩基
はポリマーの溶解助剤としての効果を持つ。したがっ
て、同様の理由から、重合時あるいはポリマーの再溶解
にあたって、溶媒中にこれらの無機塩を添加、溶解させ
ておくこともある。
以上のように調製されたポリマー溶液から、フィルムは
一般の溶液製膜法によって製造される。溶液製膜法はポ
リマー溶液からの溶媒の脱溶媒法によって、乾式法、湿
式法、乾湿式法に分けられる。乾式法はドラムなどの支
持体上へ流延したポリマー溶液を、熱風などによって加
熱して溶媒を蒸発させる方法である。但し、ポリマー溶
液中に無機塩が含有されている場合には、フィルムの機
械的物性が低下するため好ましくない。
湿式法は凝固浴中でポリマー溶液を脱溶媒する方法であ
り、凝固浴組成としては一般に水が主体であるが、有機
溶媒や無機塩等を混合溶解させる場合もある。凝固浴か
ら取り出されたフィルムは、次に水分の乾燥がなされて
最終的なフィルムとなる。
乾湿式法は、乾式法と同様に支持体上での加熱、乾燥を
行なってゲルフィルムを作り、これを水浴中で残存溶媒
の抽出をして得た含水フィルムの水分の乾燥を行なって
フィルムを得る方法である。
これらいずれの方法においても、製膜工程中で延伸ある
いは熱処理を行なうことが、本発明の配線転写用シート
の基材フィルムとして必要な特性を得る上で重要であ
る。具体的には、延伸はフィルム長手方向、幅方向それ
ぞれ1.0〜5.0倍程度の範囲の倍率で行なわれる。延伸を
行なう状態としては、空中、水中、水と溶媒あるいは無
機塩の混合液中、水蒸気中、加熱空気中などがある。ま
た、熱処理は200℃〜400℃、好ましくは250℃〜350℃
で、0.1〜10分間行ない、熱処理を行なう直前のフィル
ムの状態としては、乾燥状態、水分あるいは溶媒を含有
した状態などから選ばれる。これらの延伸、熱処理の条
件を、ポリマーの構成単位に応じて設定することによっ
て、本発明に用いる芳香族ポリアミドフィルムが得られ
る。
芳香族ポリイミドフィルムは、芳香族ポリイミドの前駆
体であるポリアミド酸を溶媒中で重合し、得られたポリ
マー溶液から、溶液製膜法によって成形されるが、この
製膜の途中においてポリアミド酸は閉環されてポリイミ
ドとなる。また、ポリマーの構成単位によっては、溶媒
に溶解するものもあり、その場合にはポリイミド樹脂を
溶媒中に溶解させたポリマー溶液を用いることもでき
る。
ポリアミド酸の重合は、ジメチルアセトアミド、N−メ
チルピロリドン、ジメチルホルムアミドなどの極性アミ
ド系溶媒中にテトラカルボン酸二無水物とジアミンを添
加して行なう溶液重合法で行なわれる。
得られたポリアミド酸溶液は、芳香族ポリアミドフィル
ムの場合と同様に、前述の乾式法、湿式法、乾湿式法に
よってフィルムが製造されるが、通常多く行なわれてい
るのは乾式法である。この製膜工程中にポリアミド酸の
閉環が、加熱あるいはポリアミド酸溶液に、流延直前に
ピリジン等のイミド化剤を添加することにより行なわ
れ、最終的には芳香族ポリイミドフィルムが得られる。
以上のようにして得られた基材フィルム上に回路パター
ンを形成するには、次のような方法を採用すればよい
が、これらに限定されない。
まず、目的とするプリント回路基板の電気回路のポジパ
ターンを導電性材料で形成する場合としては、 (1)基材フィルムに銅などの導電性材料を真空蒸着
し、これにレジストインクを印刷した後エッチングを行
ない、回路パターンを形成する方法。
(2)基材フィルム上に電気回路のネガパターンをポリ
ビニルアルコール樹脂などの易溶性樹脂をネガティブ印
刷した後、その上に銅などの導電性材料を蒸着し、つぎ
に易溶性樹脂とともに導電性蒸着膜層を洗い流して回路
パターンを形成する方法。
(3)銅、銀、カーボン等の微粉末からなる導電性材料
とエポキシ樹脂等の硬化性樹脂から構成された導電ぺー
ストを用いて、回路パターンを基材フィルム上に印刷す
る方法。
などがある。印刷の方式としては、スクリーン印刷、オ
フセット印刷、グラビア印刷等から適宜選択される。ま
た、転写後の回路パターンと成形基板との密着性を向上
させるために、基材フィルム上に形成された回路パター
ンの上に、更に接着剤を回路パターン上に印刷してもよ
い。
以上の方法により作製された回路転写用シートを使用し
てインモールド法により射出成形および回路パターンの
転写を行ない、必要に応じて銅メッキ等の処理を施して
本発明のプリント回路板が製造される。
一方、プリント回路基板の電気回路のネガパターンを基
材フィルム上に形成した回路転写用シートを使用する方
法は、まず、基材フィルムにレジストインクをネガティ
ブ印刷して作製した回路転写用シートを作製し、インモ
ールド法によりネガパターンを成形基板に転写し、この
成形基板をメッキ処理してネガパターン以外の部分に導
電層を形成してプリント回路基板を製造する。この方法
は、レジストインクの種類により、次のような方法に分
けられる。
(1)メッキ処理液でメッキされない樹脂からなるイン
クを用いる方法。ここで、成形基板にメッキ処理により
電気回路を形成した後必要に応じてレジストインクは除
去してもよい。
(2)溶剤、アルカリ、水等に可溶あるいは膨潤する樹
脂からなるインクを用いて、成形基板のメッキ処理後に
インクとともにメッキされた導電層を洗い流す方法。
があり、ポジパターンの場合と同様に、基材フィルム上
に形成された回路パターンの上に接着剤を、転写を確実
にする目的で印刷してもよい。また、成形基板上に電気
回路を形成する方法として、メッキ処理の代わりに銅な
どの導電性材料を蒸着する方法を採用することもでき
る。
[特性の測定方法] 本発明の特性値は次の測定方法による。
(1)水の接触角 水平に置いた基材フィルム上に、蒸溜水の小滴を接触、
滴下して直径1〜3mmの液滴を載せ、このフィルム上の
液滴の接触角をゴニオメーターにより測定した。温度は
25℃である。
(2)吸湿率 25℃、75%RHの雰囲気下で96時間調湿したフィルムサン
プルの重量を測定して吸湿状態の重量とし、更に同サン
プルを150℃で10分間乾燥して絶乾状態の重量を測定し
た。吸湿率の計算は次式になる。
(3)伸度 ASTM−D882によるテンシロン型引張り試験機にフィルム
を幅10mm、試長50mmとなるようにセットし、250℃に加
熱した状態で引張り速度300mm/分で引張り、フィルムが
破断する時の伸度を測定した。
(4)熱収縮率 幅10mm、試長200mmの試験片を作製し、これを250℃雰囲
気下で10分間加熱し、放冷後の長さを測定して熱収縮率
を次式から算出した。
[実施例] 本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1 N−メチルピロリドン(以下NMPと略す)に0.9モル比に
相当する2−クロル−p−フェニレンジアミンと0.1モ
ル比に相当する4,4−ジアミノジフェニルエーテルを溶
解させ、つぎに0.2モル比に相当するテレフタル酸クロ
ライドと0.8モル比に相当する2−クロルテレフタル酸
クロライドを添加し、2時間攪拌して重合を完了した。
これに水酸化カルシウムを添加、攪拌して中和を行な
い、ポリマ濃度10wt%、粘度3000ポイズの透明な芳香族
ポリアミド溶液を得た。このポリマー溶液をステンレス
製ドラム上に流延し、120℃の熱風によって乾燥時間が1
2分間となるよう溶媒乾燥を行ない、自己保持性を得た
ゲルフィルムを連続的にドラムから剥離した。次に水槽
中へゲルフィルムを導入して溶媒の抽出を行ない、更に
テンター内で水分の乾燥と熱処理を行なって厚さ25μの
フィルムを得た。この間、フィルム長手方向に1.2倍、
幅方向に1.2倍の延伸を行ない、350℃で5分間の熱処理
を施した。得られたフィルムの水の接触角は69度、吸湿
率は1.8%、250℃での伸度はフィルム長手方向75%、幅
方向95%、熱収縮率はフィルム長手方向2.8%、幅方向
2.5%であった。
このフィルムを基材フィルムとして、銅微粉末と熱硬化
性エポキシ樹脂から成る導電性ペーストをスクリーン印
刷し、フィルム上に転写用回路パターンを形成した。
この転写用シートを射出成形用金型内にセットし、成形
樹脂としてポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂を用
いて射出成形を行なった。この時の条件は、シリンダー
温度315℃、金型温度120℃であり、成形した基板の形状
は50×50mm、厚さ4mmの平板状のものである。射出成形
終了後、PPS成形品を金型より取り出し転写用シートを
剥離したところ剥離抵抗はほとんど無く、シート上の回
路パターンは抜けなくPPS成形品側に転写してプリント
回路基板が作製でき、基材フィルムと回路パターンの離
型性、基材フィルムと成形樹脂との離型性が良好である
ことが確認された。また、回路パターンを予め平板より
大きく印刷しておいたところ、平板の縁(厚さ方向)に
まで回路転写され、フィルムには破れは生じなかった。
さらに、このPPS成形品を無電解銅メッキを行ない転写
された導電ペースト層の上に銅メッキを10μmの厚さに
形成し、メッキの密着度、電気容量においても十分な配
線基板を得ることができた。
実施例2 実施例1の芳香族ポリアミドフィルム上に、ポリビニル
アルコール樹脂を主体とする水溶性インクを回路パター
ン以外の部分に(すなわちネガパターンを)スルリーン
印刷し、この印刷面の上に、真空蒸着によって銅を900n
mの厚さに形成した。次に、水洗して水溶性インクとと
もにインク上の銅蒸着層を洗い落として、基材フィルム
上に回路パターンが形成された転写用シートを得た。
この転写用シートを用いて、実施例1と同様の方法によ
りPPS樹脂製の射出成形基板を型内回路転写で作成し
た。この場合も、転写シート上の回路パターンは完全に
基板側に転写されており、転写された回路の基板への密
着力も十分なものであった。
比較例1 実施例1の芳香族ポリアミドフィルムをArガス雰囲気下
でグロー放電処理を行なったところ、フィルムの水の接
触角は28度となった。この処理済みフィルムを用いて実
施例1と同様の回路転写テストを行なったところ、基材
フィルム側にペーストが残った部分があり転写された回
路パターンに抜けが生じた。これは導電ペーストとフィ
ルムの間の密着力が大きすぎたためであると考えられ
る。
実施例3 0.6モル比に相当するメタフェニレンジアミン、0.4モル
比に相当するパラフェニレンジアミンと、0.6モル比に
相当するイソフタル酸クロライド、0.4モル比に相当す
る4,4′−ジアミノジフェニルエーテルから実施例1と
同様の方法で芳香族ポリアミドフィルムを作製した。但
し、フィルム延伸は長手方向、幅方向とも1.5倍、熱処
理温度は350度で6分間である。このフィルムの水の接
触角は81度、吸湿率は3.5%、250℃での伸度はフィルム
長手方向123%、幅方向136%、熱収縮率はフィルム長手
方向4.5%、幅方向4.8%であった。このフィルムを用い
て、実施例1と同様の回路基板の成形テストを行なった
ところ、回路転写は良好に行なえた。しかし、成形した
基板に更に無電解銅メッキを行なった場合には、転写さ
れたペーストとメッキの界面の密着力をセロハンテープ
での剥離テストで調べたところ、実施例1の場合ほどの
密着力ではなかった。これは前述のように、フィルムの
離型性が良好でありすぎるために、転写後のペースト表
面に銅微粒子の露出が少なかったためであると考えられ
る。
そこで、同じフィルムにコロナ処理を施し、水の接触角
を53度としたフィルムで同様のテストを行なったとこ
ろ、十分な密着力を持った銅メッキが転写されたペース
ト上に形成された。
比較例2 0.9モル比に相当する2−クロル−パラフェニレンジア
ミンと0.1モル比に相当する4,4′−ジアミノジフェニル
エーテルをジアミン成分とし、0.5モル比に相当する2
−クロル−テレフタル酸クロライドと0.5モル比に相当
するテレフタル酸クロライドを酸クロライド成分とし
て、実施例1と同様の方法で芳香族ポリアミドフィルム
を作製した。但し、フィルムの延伸は、フィルム長手方
向に1.2倍、幅方向に1.7倍、熱処理温度は300度で4分
間とした。このフィルムの水の接触角は71度、吸湿率は
2.1%、250℃での伸度はフィルム長手方向110%、幅方
向36%、熱収縮率はフィルム長手方向4.8%、幅方向4.0
%であった。このフィルムを用いて、実施例1と同様の
回路基板の成形テストを行なったところ、成形された四
角形の平板の4辺のうち、成形用金型内で上記フィルム
の長手方向に直交する位置にあった相対する2辺の部分
では、平板の縁の厚さ方向にまで周り込んで回路パター
ンが転写されており、フィルムに破れは生じなかった。
一方、フィルム幅方向に直交する位置にあった2辺で
は、平板の縁(厚さ方向)までは回路パターンは転写さ
れず、フィルムに破れが生じた部分もあった。
実施例4 芳香族ポリイミドフィルム(25μ、デュポン社製)に実
施例1と同様の方法によって、回路転写用シートの作
成、インモールド法による回路基板の射出成形テストを
行なったところ、良好に回路パターンは転写され、更
に、無電解銅メッキ処理により十分な密着力を持った銅
メッキを形成することができた。このフィルムの水の接
触角は74度であった。
比較例3 芳香族ポリアミドフィルム以外の耐熱フィルムの、転写
用シートへの適用可能性を調べるために、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリフェニレンスルフィド(P
PS)、ポリエーテルスルフォン(PES)の各樹脂の厚さ2
5μmのフィルムおよび実施例1のフィルムを用いて、
実施例1と同様の方法によって、転写用シートの作成、
ならびに型内転写による射出成形基板の成形テストを行
なった。射出成形樹脂としてはPPS,PES,PEIの各樹脂を
使用した。その結果を表1に示す。得られた結果をまと
めると、 (1)基材フィルムと同一の樹脂を射出成形に使用する
と、ほぼ完全にフィルムと成形樹脂とが融着してしまい
転写シートが剥離できなくなる。
(2)転写シート上の回路パターンが完全に成形樹脂側
に転写されず、シート上に残る。
という問題が生じた。これらは、同種の樹脂同士では、
高温下で、その親和性のためにフィルムと成形樹脂の間
で離型性を確保できないため、また、フィルムのガラス
転移点よりはるかに高い温度ではフィルムの表面状態が
変化して、導電性ペーストに含まれる樹脂と親和性が生
じるためということが、それぞれの原因であると考えら
れる。
[発明の効果] 本発明は特定の表面特性および高温下での機械特性を有
する芳香族ポリアミドまたは芳香族ポリイミドフィルム
を基材フィルムとして使用するため、その回路転写用シ
ートはインモールド法による回路基板の製造において、
次のような効果をあげることができる。
(1)耐熱性エンジニアリング・プラスチックと呼ばれ
るPPS,PES,PEI等の成形樹脂に対して、同一の転写用シ
ートで対応でき、回路転写を良好に実現することができ
る。
(2)従来は必要であった基材フィルムと回路パターン
間の離型層がない場合であっても、回路転写を行なうこ
とができ、このことは転写後の回路パターン上に更に銅
メッキ等を施すことを容易にするという面においても重
要である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材フィルムの少なくとも片面に回路パタ
    ーンが形成された回路転写用シートにおいて、該基材フ
    ィルムが、フィルム表面の水の接触角が30度以上85度以
    下、250℃の伸度が40%以上の芳香族ポリアミドフィル
    ムあるいは芳香族ポリイミドフィルムからなることを特
    徴とする回路転写用シート。
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