JPH075348B2 - 坏土組成物並びにその特性を利用したセラミツクス - Google Patents

坏土組成物並びにその特性を利用したセラミツクス

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JPH075348B2
JPH075348B2 JP60108447A JP10844785A JPH075348B2 JP H075348 B2 JPH075348 B2 JP H075348B2 JP 60108447 A JP60108447 A JP 60108447A JP 10844785 A JP10844785 A JP 10844785A JP H075348 B2 JPH075348 B2 JP H075348B2
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英雄 居上
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は特殊な性質を有する坏土組成物並びにこの坏土
組成物を焼成して得られる特殊なセラミックスに関す
る。
(従来の技術) 坏土とは、本来、陶磁器などを製造するための原料土を
意味する言葉であるが、ここでは、陶磁器のみにとらわ
れず、セラミックスを製造するための配合原料の意味で
用いる。
最近のセラミックスの進歩は著しいものがある。これ
は、成形、焼成等の技術が産業全般の技術的進歩を背景
に大きく改善されたことが寄与しているとみることが出
来る。陶磁器はセラミックスの重要な一分野であり、そ
の製造技術は現在のセラミックス製造技術の根幹として
受け継れている。セラミックスとくにニューセラミック
スの分野においては、原料はあまり大きな問題になって
いないようにもみえる。これは、ニューセラミックスで
用いる原料が管理された工場で製造されるものを用いる
ためである。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、この場合でも、何等かの理由で原料の製造工程
を変更した場合には、最終製品への影響は無視できない
ものがあるとされている。陶磁器など、比較的古い範ち
ゆうのセラミックスの場合には坏土を如何に調製するか
が、現在でも大きな問題とされている。
しかしながら、陶磁器などで原料の配合を検討する場
合、既に製造される目的物が定められており、その目的
物を支障なく製造するために坏土を調製するのが通常で
ある。この場合、調製の範囲は狭く、製造技術が進歩す
る程、より狭い範囲で精密なコントロールを行うように
なるのが通例である。例えば、坏土の化学組成について
みると、その化学組成の変更は焼成条件の変更を必要と
する。このような変更は、同一規格の製品を大量生産す
るという現在の製造方式においては好ましいものでない
ことは明らかである。
さらに原料の形状についてみるといわゆる薄片状の原料
は坏土中で配向し、このことが不均一な焼成収縮などを
引き起こすとされ、このような原料は意識的に用いられ
なかった。従って、急激な乾燥焼成に耐え難い欠点を生
じ易く、自由な造形も行い難く、切削切断加工もし難い
場合があった。
本発明者等は現在の技術的な考えに囚われず、坏土の性
質そのものを追求した結果、従来の坏土にみられない秀
れた性質を備えた坏土組成の条件を見出し、本発明をな
すにいたった。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、 (1)自由水零の状態に換算して無機物質90%以上を含
有し、以下の(イ)乃至(ニ)の全ての条件を満すこと
を特徴とする坏土組成物。
(イ)アスペクト比5以上の板状物質を30%以上含有す
る。
(ロ)焼成物に換算して、CaO、及びMgOの含有率(重量
%)に次の不等式が成立する。
CaO+MgO≧15 (ハ)焼成物に換算してSiO2の含有率(重量%)が次の
不等式を満たす。
80≧SiO2≧15 (ニ)40重量%以上が44μmの篩を通過する。
(2)(1)の坏土組成物を均一な方向性を持たせるよ
うに成形したのち、500℃以上の温度で焼成したことを
特徴とするセラミックス。
である。
尚、アスペクト比とは、雲母のような板状の薄片粒子に
おいて、長さ/幅の比をいう。(キンゲリー著:セラミ
ック材料科学入門基礎編:第543頁)。
本発明に用いる板状物質としては、天然あるいは人工的
に合成した珪灰石、雲母族鉱物、滑石、水酸化マグネシ
ユウムなどがある。
これらの板状物質のアスペクト比は5以上であることが
必要である。アスペクト比がこの値を下廻ると成形性が
低下する傾向が認められる。アスペクト比は7以上であ
ることが特に望ましい。板状物質の含有率は30%以上で
あることが必要である。板状物質の含有率が30%を下廻
ると乾燥時や焼成時の急加熱により、亀裂を生じるなど
の好ましくない現象を生じる。板状物質の含有率は60%
以上が特に望ましい。
CaO,MgOの含有率(重量%)は全般に大きい方が望まし
く、これらの含有率から計算されるCaO+MgOなる指数の
値と成形性ひいてはこの坏土の特性を利用したセラミッ
クスの諸特性とは密接な関係がある。この値が15未満の
場合には、坏土としての成形性は大きく低下するばかり
でなく、焼成温度が比較的低温度でも多量の液相を生
じ、かつこの坏土組成物を焼成して得られるセラミック
スの機械加工性も急低下するに至る。本発明の効果を上
げるためには、前記指数の値が30以上であることが特に
望ましい。
SiO2の含有率は本発明の坏土組成物の特性を利用し焼成
して得られるセラミックスの機械加工性に大きな影響が
あり、15から80重量%の間にあることが必要である。15
%未満であるとAl2O3などが相対的に増大し焼成物が硬
くなるので機械加工性が低下する。また80%を超えても
矢張り焼成物の硬度は大となり機械加工性は低下するか
らである。而して成形性機械加工性等の諸性質から見て
特に好ましいのはSiO2の含有率は20%から50%の間にあ
ることである。
坏土組成物の粒度も重要な要件であり、44μmの篩を通
過する部分が少くとも40重量%以上あることが成形性を
良好にするために必要である。40重量%未満であると混
練も均一に行われにくく、好ましい成形性は得られな
い。この値は50重量%以上であることが特に良好な成形
性を得るためには望ましい。
(作用) この坏土は組成的にはCaO,MgO,SiO2,Al2O3,Fe2O3を通
常90%以上(焼成物換算)含む。その構造の状態は薄片
状物質の間に微粒子状の物質がほぼ均一に分散している
ものとみられる。この構造は各原料がほゞ混練された段
階で形成されるので坏土は混練されやすくなり、一層均
一なものとなると思われる。かつ、焼成のための成形の
段階においては、薄片状物の存在のために剪断力が比較
的大となるため、成形の途中でくずれ落ちる等の不都合
がなくなり、同時に微粒状物の存在により、潤活性も与
えられるため成形が意のまゝに自由に行われやすくなる
等成形性がよくなるものと考えられる。更にまた成形物
が焼成物とされた状態においても前述の薄片状物は一般
に硬度は低目の性状を呈することが多いため機械加工性
も良好となるものと思われる。
坏土の調製は配合する原料をドレン機などで混合し適度
な粘性の出るよう水量を調節することによって行なわれ
る。
本発明の坏土組成物は均一な方向性を持たせることによ
り、さらに秀れたセラミックスを製造することが出来
る。均一な方向性を持たせる成形法としては、ドレン機
による押し出しなどの比較的簡単な方法によって行うこ
とが出来る。この方法によって角柱、パイプなどのセラ
ミックス製品を製造することが出来る。本発明の坏土組
成物と特開昭58−76208のセラミックス板を製造する方
法を組合せると、とくに秀れたセラミックス板を製造す
ることが出来る。また、スリップキャステイング等の従
来の方法を用いることもできる。
本発明の坏土組成物をセラミックス化する温度は或程度
の強度を得るため、500℃以上が必要であり、800℃乃至
1300℃の焼成温度がセラミックスに機械加工性を付与す
る上からもとくに望しい。
以下実施例により本発明の効果を説明する。
実施例−1 アスペクト比7.2の天然のワラストナイト60%に木節粘
土35%長石5%の組成物をつくり、これに水20%を配合
して押出成形用の坏土を調製した。この坏土の自由水零
の状態に換算した無機物質量率は99%以上であり、CaO
+MgOの値は約34.5%であり、SiO2の含有率は45.0%で
あった。またこの坏土を水で稀釈し、44μmの篩に掛け
たところ、篩上は自由水零の状態に換算して1.3%であ
った。
この坏土を真空押し出し機により外側直径220mm、肉厚2
0mmの円筒状に押し出すときの圧力は36kg/cm2であっ
た。この円筒状に押し出された成形物を縦に切開き、ロ
ールで圧延して厚さ3mm巾60cm長さ1mの板状となしたと
ころ、成形性が従来になく良いことがわかった。この成
形物の破断面を顕微鏡で観察したところ、加えたワラス
トナイトの70%以上が板の表面にほぼ平行になるように
配向していることが認められた。次いで板の両面を赤外
線加熱装置を用いて10分間で自由水1%以下の状態にま
で乾燥した。乾燥物は亀裂も全くなく強さも大きくハン
ドリングも容易であった。更にこの乾燥物をローラーハ
ース炉で70℃/分の温度で1150℃まで加熱したところ、
乾燥物と同様に、亀裂の発生もなく、得られた焼成物は
曲げ強度が585±15kg/cm2であり、叩くと金属音を発
し、かつ通常の材木用鋸で自由な形で切断することもで
きた。
比較例 自由水零の状態に換算して重量で粘土35%、長石55%、
石英10%、従ってCaO+MgOは5%以下である組成物をつ
くり、これに水20%を配合した坏土を調製した。この坏
土を実施例−1と同様に切開き圧延した。この組成の成
形物は一般陶磁器質組成の成形物に近似のものである
が、圧延成形の際の剪断応力によって大きい亀裂が発生
し、厚さ3mmの生地を成形する事は出来なかった。そこ
でこのものを厚さ7mm以上として成形し、加熱速度を20
℃/分以下にして乾燥したところ、亀裂のない乾燥物が
できたけれども、矢張り壊れ易くハンドリング性は実施
例−1のものに比較してはるかに劣った。
(発明の効果) 以上詳細に説明したところにより、本発明の効果は次の
通りである。
(1)本発明の坏土は従来の坏土に見られない、配向性
を持った構造を基本とするものであり、この配向が坏土
自体の特性或はその特性を利用する成形乾燥焼成におい
ても、また焼成して得られるものにおいても特徴を発揮
するものである。
(2)本発明の坏土組成物は前記説明したサンドイッチ
状微構造のための混練均一化の容易性並に良好な成形性
を有する特長がある。
(3)またその成形性の良さによって、成形中に端部が
かけたり、亀裂が入ったり、全体として変形したりする
ことがなく、自由な造形を行うことができる。
(4)本発明坏土は上記のような特長を有するので、急
激な乾燥、焼成に耐えて、亀裂、変形のない焼成品、セ
ラミックスを得ることができるという効果を奏する。
(5)本発明坏土組成物の特性を利用したセラミックス
焼成物として、上記の特長によって亀裂変形なく3mm以
下の、従来には見られない超薄形かつ大形の板状製品を
得ることができる。
(6)本発明の坏土組成物並にその特性を利用したセラ
ミックスとして、成形性良く、亀裂変形なく自由な造形
乾燥焼成ができる故に、創作者の意のまゝの造形芸術作
品も特に作り易いという効果も奏し得る。
(7)本発明に係る前記セラミックスは更に1200℃以上
の耐熱性を有し、かつ気孔率5%以上になるように成形
焼成されたものは簡単な工具を用いて切断切削などの加
工が容易に可能となるので、不燃薄板はもとより、建設
をはじめとし、工業用にまた家庭用に広範な需要を期待
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 35/14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自由水零の状態に換算して、無機物質90%
    以上を含有し、以下の(イ)乃至(ニ)の全ての条件を
    満すことを特徴とする坏土組成物。 (イ)アスペクト比5以上の板状物質を30%以上含有す
    る。 (ロ)焼成物に換算して、CaO及びMgOの含有率(重量
    %)に次の不等式が成立する。 CaO+MgO≧15 (ハ)焼成物に換算して、SiO2の含有率(重量%)が次
    の不等式を満たす。 80≧SiO2≧15 (ニ)40重量%以上が44μmの篩を通過する。
  2. 【請求項2】自由水零の状態に換算して、無機物質90%
    以上を含有し、以下の(イ)乃至(ニ)の全ての条件を
    満たすことを特徴とする坏土組成物を均一な方向性を持
    たせるように成形したのち、500℃以上の温度で焼成し
    たことを特徴とするセラミックス。 (イ)アスペクト比5以上の板状物質を30%以上含有す
    る。 (ロ)焼成物に換算して、CaO及びMgOの含有率(重量
    %)に次の不等式が成立する。 CaO+MgO≧15 (ハ)焼成物に換算して、SiO2の含有率(重量%)が次
    の不等式を満たす。 80≧SiO2≧15 (ニ)40重量%以上が44μmの篩を通過する。
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