JPH075817Y2 - 玩具ミシン - Google Patents

玩具ミシン

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JPH075817Y2
JPH075817Y2 JP1986125721U JP12572186U JPH075817Y2 JP H075817 Y2 JPH075817 Y2 JP H075817Y2 JP 1986125721 U JP1986125721 U JP 1986125721U JP 12572186 U JP12572186 U JP 12572186U JP H075817 Y2 JPH075817 Y2 JP H075817Y2
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needle
catching
thread ring
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義雄 桜井
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Soken Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 [考案の目的] (産業上の利用分野) この考案は玩具ミシンに係り、特に、布生地の硬軟、厚
薄にかかわらず、目飛びすることなく確実に縫糸できる
玩具ミシンに関する。
(従来の技術) 従来から本出願人は、種々の玩具ミシンを提案し、ま
た、種々に改良を試みており、その目的は、常に、構成
上簡素なものとして童幼児でも容易に取扱い得る堅牢な
ものとし、同時に安価な提供を可能とさせることにあっ
た。
例えば、古くは実公昭49−17550号公報、同49−25636号
公報であり、新しくは実公昭61−4288号公報、同61−12
942号公報のそれである。その基本的構成は、先端付近
に糸が挿通されている針を上下往復運動させて布生地に
刺し通し、これに伴ない針を縫糸方向に単振動させて布
生地を送り、布生地を鎖状縫目に縫糸させるとする。
また、その他にも、例えば、実公昭47−3872号公報、実
公昭46−29139号公報、実公昭31−9555号公報などに
て、ハンドミシンに於ける布送り装置、玩具ミシン、小
型ミシンに於けるルーバー調節装置などが提案され、針
の上下動に伴ってルーバーと可動金とにそれぞれカム溝
を形成して布送りと糸環補足とを行うように形成した構
造、擺動金に若干斜めの部分を含んだほぼ縦に直線状に
配されているカム溝を形成し、針の上下動に伴って擺動
金により糸環補足を行う構造、挟持子に、横方向で位置
をずらした2本の縦溝を上下方向に連結したカム溝を形
成し、針の上下動に伴って挟持子により糸環補足を行う
構造がそれぞれ開示されている。
(考案が解決しようとする問題点) ところが、前段の構成は、こうした玩具ミシンを童幼児
が取扱う場合には、縫糸すべき布生地として種々のもの
を使用し、これを縫糸する。したがって、任意に選択さ
れた布生地自体が硬いものあるいは軟かいもの、また、
厚いものあるいは薄いものであっても、童幼児にとって
はそれらの特性に応じて玩具ミシンを使い分けることは
困難であり、また、それは期待できない。
一方、前述した基本的構成での玩具ミシンは、布生地を
刺し通した針が下降して下死点に達し、再び上昇すると
きに糸環を形成する。そこで、形成された糸環内に、糸
環捕捉片先端の糸環捕捉端が進入し、糸環が捕捉され
る。糸環が捕捉されたままの状態で針が上昇し、再び下
降するときに糸環内に針が挿入される。すると、糸環捕
捉片先端の糸環捕捉端が針から離反後退して糸環を解放
するも、糸環内に挿入されたままの針が縫目を形成する
ことで、布生地が縫い合される。そのため、針の上下動
と糸環捕捉端の進退とが所定のタイミングで対応作動さ
れるように設定調整されて製造されている。それは、布
生地を刺し通す針の上下動と、これに対応する糸環捕捉
端の進退とが、同一の駆動源にて同期対応させて作動さ
れるものとし、布生地を刺し通し後の針の下降が、糸環
捕捉後でほぼ停止されている糸環捕捉端が捕捉している
糸環内に進入するタイミングに設定される。
ところが、前述したように、これを使用するに際し、布
生地自体が硬いもの、厚いもののような縫糸困難なもの
であると、針が布生地を刺し通すのに若干の抵抗が生
じ、糸環捕捉端にて捕捉されている糸環内への針の進入
とのタイミングにずれを生じることがあった。すなわ
ち、同一駆動源にて同期対応させて針、糸環捕捉端が作
動されるとしても、針の布生地への刺し通しに遅れが生
じ、糸環への挿入前に糸環捕捉片が揺振して糸環を解放
し、しかも、このとき糸自体は針にて強く牽引されてい
ることで糸環が消滅する結果、遅れて下降する針が糸環
内に挿入されなくなる場合である。したがって、このよ
うなずれが生じると、鎖状縫目が形成されず、いわゆる
目飛びとなり、縫目が不揃いとなり、布生地が縫い合せ
られない結果となる。
また、糸環捕捉端が後退して糸環が緩み、その緩みに起
因して糸環にたるみが生じると、そのたるみが大きく脹
らんでいる場合はともかく、小さくなることでその外側
に針が下降してしまうと、やはり目飛びが生じる。
これを防止すべく、針の上下動と糸環捕捉端の進退とが
所定のタイミングで対応作動されるよう正確な調整を行
なう必要がある。それは、針の下降時における最下死点
位置で、糸環捕捉端との間隔を極めて微少な範囲、すな
わち、針径の1/4程度の0.1mmの単位の範囲内で調整しな
ければならず、極めて面倒である。しかも、同一部品を
組立て製造した玩具ミシンであっても、夫々においての
針の上下動範囲が微妙に異なるから、その調整には熟練
を要するものであった。したがって、大量生産には不向
きなものとなり、この種の玩具ミシンに必要とされる安
価な提供、堅牢性、取扱いの容易性を期待するには困難
なものであった。
そのため、後段にて示した各公報にて開示されているよ
うに、それぞれカム溝を設けて針の上下動に伴って連動
して糸環捕捉を行えるものが提案されているが、実公昭
47−3872号公報にて開示されている構造は、針の上下動
に伴ってルーバーと可動金とにそれぞれカム溝を形成し
て布送りと糸環補足とを行うように形成してあるため、
構造が複雑であると共に、調整も面倒で、使用中に若干
でもカム溝の幅が拡がってしまったりするとルーバーと
可動金とのタイミングにズレが生じて縫糸が確実に行わ
れない欠点があり、また、実公昭46−29139号公報、実
公昭31−9555号公報それぞれに開示されている構造は、
カム溝の形状が、前者は若干斜めの部分を含んだほぼ縦
に直線状に配されていて、後者は横方向で位置をずらし
た2本の縦溝を上下方向に連結したものであって、いず
れもが針の上下動に連動しても糸環捕捉を行う爪が連続
して移動している状態であり、糸環捕捉のためのタイミ
ングを設定するのにほとんど余裕がなく、調整も面倒
で、使用中に若干でもカム溝の幅が拡がってしまったり
するとそのタイミングにズレが生じて縫糸が確実に行わ
れない欠点があった。
この現象は、特に、再度下降する針が糸環捕捉片先端の
糸環捕捉端に接触することでこの糸環捕捉端が針から側
方へ回避するようにした状態で、前記再度下降している
針が糸環内に挿入される構造の玩具ミシン、つまり、糸
環捕捉端が針に接触している状態であるからこそ確実に
針が糸環内に挿入される玩具ミシンにあって顕著に現れ
るものである。そして、前述したようにタイミングがズ
レるということは、糸環捕捉を行う爪が針の動きに対し
て先行することであり、そうすれば、針が糸環内に挿入
されない状態となり、いわゆる目飛びとなって、縫目が
不揃いとなり、布生地が縫い合せられない結果となる。
そこで、この考案は上述した従来の諸事情に鑑み案出さ
れたものであり、針の上下動と糸環捕捉端の進退とが、
布生地の硬軟、厚薄にかかわらず、常時、所定のタンミ
ングで対応作動されるようにし、しかも、タイミングの
調整、設定を極めて容易として熟練を要せずに製造で
き、大量生産可能なものとした玩具ミシンを提供するこ
とを目的とする。
〔考案の構成〕
(問題点を解決するための手段) 上記の目的を達成するため、この考案にあっては、先端
付近に糸が挿通されている針を上下動させて布生地に刺
し通し、これに伴ない針を縫糸方向に単振動させて布生
地を送り、布生地に刺し通された針が上昇復帰して布生
地下方で糸環を形成し、糸環の形成後で、縫糸方向での
前後に沿って揺振される糸環捕捉片先端の糸環捕捉端が
針に接近し糸環を捕捉し、次いで、再度下降する針が糸
環捕捉片先端の糸環捕捉端に接触することでこの糸環捕
捉端が針から側方へ回避するようにした状態で、その再
度下降している針が糸環内に挿入され、糸環捕捉端が糸
環を解放して布生地を鎖状縫目に縫糸する玩具ミシンに
おいて、糸環捕捉端が捕捉している糸環内に針が下降し
て挿入されるとき、遅延差動手段によって糸環捕捉端の
針がわからの離反揺振を遅らせるべく形成し、その遅延
差動手段は、針の上下動に対応してリンク機構によって
上下方向で揺動する糸環捕捉アーム先端に係合端を形成
し、この係合端を、糸環捕捉片を一体揺振させる軸支さ
れた揺振カムのカム溝に係合し、カム溝は、係合端が上
下動するも、少なくとも前記針先が布生地を刺し通して
糸環捕捉片先端の糸環捕捉端の近傍まで下降するまでは
揺振カム自体の揺振は待機させるべき溝長さを有する係
合端の上下動方向に沿って形成した待機部と、係合端が
下降するときに摺接し、揺振カム自体を縫糸方向での前
方へ揺振させるよう下がわに位置した前進揺振縁、係合
端が上昇するときに摺接し、揺振カム自体を縫糸方向で
の後方へ揺振させるよう上がわに位置した後退揺振縁夫
々を有し、待機部に対し斜めで連続している揺振部と、
係合端が下降したときでの最下死点位置で、揺振カムの
縫糸方向での前進状態を維持させて、揺振部に対して斜
めに連続している待機維持部との三つの部位を、待機部
と揺振部とがほぼ同じ長さで順次上方から略クランク状
に連続させて成り、待機部、待機維持部の幅員に比し揺
振部のそれは広くし、揺振部においては、待機維持部が
わでは狭幅にするも待機部がわでは若干広幅となるよ
う、前進揺振縁は後退揺振縁に対して下方がわへ僅かに
大きな角度で拡いて成ることを特徴とする。
(作用) この考案に係る玩具ミシンにおいて、縫糸すべき布生地
をミシン筐体の縫糸部分に載せ、駆動操作させると、そ
の駆動力は針を上下動させて布生地に刺し通させる一
方、布生地下方では糸環捕捉片を縫糸方向に揺振、進退
させる。
すなわち、先ず、針が下降し、布生地に刺し通されると
縫糸方向に移行し、布送りしながら糸を布生地下方に牽
引させ、最下死点位置に到達する。その一方、糸環捕捉
片は、針の下降前では縫糸方向での後方で待機してお
り、針が布生地を刺し通す時に対応して縫糸方向での前
方に揺振する。刺し通された針が糸環捕捉片先端の糸環
捕捉端に達すると、糸環捕捉端は側方に回避揺動し、糸
環捕捉端が糸環を捕捉している場合には、その糸環内に
針を挿入させる。
このとき、遅延差動手段によって、糸環捕捉片自体の針
がわからの離反揺振が遅れるから、布生地が硬くあるい
は厚いことで針の布生地への刺し通しに時間的遅れが生
じて、糸環捕捉端で捕捉している糸環内への針の挿入が
遅れることがあっても、糸環への挿入前には糸環捕捉片
は揺振せず、その糸環捕捉端にて捕捉している糸環内に
針を確実に挿入させる。次いで、糸環捕捉片自体の前方
への揺振が続行されると、糸環を解放する。
更に、糸環に絡まり、これを拘束している針が最下死点
位置に到達後、今度は逆に上昇を開始すると、針が上昇
を開始しても、刺し通された糸は布生地での抵抗を受
け、動かないから弛み、糸環が形成される。針の上昇に
対応して糸環捕捉片は縫糸方向での後方へ揺振し、糸環
捕捉端は糸環内に進入し、これを捕捉する。
次いで、針が上昇して布生地から抜け出し、布生地に鎖
状縫目が形成される一方では、縫糸方向で後退揺振を続
行している糸環捕捉片の糸環捕捉端は糸環を捕捉してい
て、次動作に備える。
特に、針の下降における動きの略半分程度は針先が布生
地を刺し通して糸環捕捉片先端の糸環捕捉端の近傍まで
に達するまでの動きであって、残りは、糸環内に針が通
りこの糸環から糸環捕捉片先端の糸環捕捉端が外れた状
態の動きである。
従って、カム溝における待機部と揺振部と待機維持部と
の三つの部位において、待機部と揺振部とがほぼ同じ長
さで順次上方から略クランク状に連続させて形成してあ
るので、針の上下動に対応し上下方向で揺動する糸環捕
捉アーム先端の係合端をこの待機部に係合させること
で、針先が布生地を刺し通して糸環捕捉片先端の糸環捕
捉端の近傍までに達するまで糸環捕捉端が揺振しないよ
うになる。
その後揺振部に前記係合端が移動すると、その揺振部に
おいては、待機維持部がわでは狭幅にするも待機部がわ
では若干広幅となるよう、前進揺振縁は後退揺振縁に対
して下方がわへ僅かに大きな角度で拡いて成るから、糸
環捕捉アームの係合端が進入し、前進揺振縁面に沿って
摺接することで揺振カム自体を前進揺振させる速さと、
係合端が待機維持部内を上昇して揺振部内に進入し、後
退揺振縁面に沿って摺接することで揺振カム自体を後退
揺振させる速さとは異なる。しかも、待機部上端での最
上死点位置から係合端が下降して前進揺振縁に摺接して
前進揺振を開始させるに至る時間と、係合端が上昇して
後退揺振縁に摺接することで後退揺振し、再び待機部に
至って待機させてからその上死点位置に至る時間とが異
なるものとなるものである。
(実施例) 以下、図面を参照してこの考案の一実施例を説明する。
図において示される符号1は、ベッド部2上にアーム部
3を立設させて一体の正面ほぼコ字形を呈するように形
成したミシン筐体である。ミシン筐体1の先端付近の縫
糸部分では、ボビンHから供給された糸Tが挿通されて
いる針12を上下往復運動させて布生地Cに刺し通し、こ
れに伴ない、針12を縫糸方向に単振動させて布生地Cを
送り、布生地Cを送りながら鎖状縫目に縫糸する。
すなわち、第1図に示すように、内蔵配置させたモータ
4の駆動を減速回転させてクランク5に伝え、クランク
5は中継リンク6を上下動させる。中継リンク6の上下
端夫々を、ミシン筐体1上部のアーム部3内で枢支した
針棒アーム7及びミシン筐体1下部のベッド部2内で枢
支した糸環捕捉アーム8に軸支してリンク機構を形成
し、モータ4の駆動回転は、針棒アーム7及び糸環捕捉
アーム8を同期して上下に揺動させるようにする。
そして、針棒アーム7先端には、アーム部3下方に突出
している針棒10が連繋されていて、針棒アーム7の上下
の揺動が針棒10下端の針12を上下動させ、布押え13にて
押えられている布生地Cに対して刺し通す。刺し通すと
同時に、針棒10側部に突設した進退突部11がアーム部3
下部の突出孔縁に摺接することで針棒10自体を縫糸方向
に移行させ、この移行は、押圧スプリング14の弾撥的な
押圧力に抗して行なわれる。
また、糸環捕捉アーム8先端には、ベッド部2内で縫糸
方向の前後に揺動する糸環捕捉片15が連繋されている。
この糸環捕捉片15は、糸環捕捉アーム8の上下の揺動に
よって、ベッド部2先端の縫糸部分内で枢支された揺振
カム16を前後に揺動させ、この揺振カム16と一体のもの
として前後に揺動される。このときの糸環捕捉片15の揺
動は針12の上下動に対応しており、針12が下降して、糸
環捕捉片15先端の糸環捕捉端17が捕捉している糸環内に
針12が挿入されることで鎖状縫目が形成されていく。そ
の際、糸環捕捉片15が縫糸方向での前方へ揺振して糸環
を解放するとき、遅延差動手段によって、糸環捕捉片15
の針12がわからの離反揺振を遅らせることで、針12が確
実に糸環を捕捉するものとしてある。
このような針12の上下動と糸環捕捉片15の揺振とによる
糸環の捕捉、縫目の形成は、先ず、針12の先端付近に挿
通されている糸Tを下降させて布生地Cに刺し通させ、
針12が布生地Cの下方に突出したとき、糸環捕捉片15の
尖鋭な糸環捕捉端17に針12が接触することで糸環捕捉端
17が側方へ揺動回避される(第5図、第7図、第8図参
照)。糸環捕捉端17が側方へ揺動回避されるのに対応し
て、糸環捕捉片15が縫糸方向での前方へ前進し、糸環捕
捉端17は針12から離反する(第8図、第9図参照)。針
12が最下死点位置に到達し、逆に、上昇を開始すると
き、糸Tは布生地C下方で弛み、環状になり、すると、
糸環捕捉片15の糸環捕捉端17は後退して針12に接近し、
糸環を捕捉する(第10図参照)。糸環が捕捉された状態
で針12が上昇し、布生地Cから抜け出し、布生地C上方
での最上死点位置に到達し(第6図参照)、再び下降を
開始し、布生地Cを刺し通し、糸環捕捉端17にて捕捉し
ている糸環内に挿入される(第8図参照)。挿入開始に
対応して糸環捕捉端17は縫糸方向で前進して糸環を解放
し、残したままで離反し、糸環をフリーにするも、この
糸環は針12に絡まり、拘束される。次いで、針12が下降
を続行し、最下死点位置で再び上昇するときに形成され
た糸環には糸環捕捉端17が進入し、捕捉する(第9図、
第10図参照)。このとき、捕捉された糸環はさきに形成
された糸環に絡まっていて縫目を形成し、更に、針棒10
が上昇して再び下降し、これらの作動を連続的に繰り返
し行なうことで布生地Cを鎖状縫目に縫糸する。
このように、針12の上下動に対応して縫糸方向で進退さ
れる糸環捕捉片15は、これと一体の揺振カム16が糸環捕
捉アーム8に連繋されていて、糸環捕捉アーム8の上下
動が揺振カム16の揺振動作に変換されることで、糸環捕
捉片15の進退動が得られる。そのため、第3図に示すよ
うに、揺振カム16自体に形成された斜めのクランク形状
のカム溝18に糸環捕捉アーム8先端の断面円形の係合端
9が係合しており、カム溝18に沿って糸環捕捉アーム8
が上下動するのに伴ない、揺振カム16は、揺振を停止さ
せての待機、前進がわへの揺振、停止、後退がわへの揺
振、待機が行なわれるようになっている。
なお、糸環捕捉片15と揺振カム16との一体化は、第4図
に示すように、揺振カム16下部に隆設した連結部19に軸
支孔20を開穿し、この軸支孔20開口縁に設けた筒部に糸
環捕捉片15基部を嵌め合せ、待機位置での揺振カム16に
対し、縫糸方向での後がわに糸環捕捉端17を位置させて
の斜めとなるような偏心状態で糸環捕捉片15を揺振カム
16にねじ止め21する。これは、糸環捕捉アーム8の上下
動に、糸環捕捉片15における糸環捕捉端17の進退作動対
応させるためであり、針12が布生地Cを刺し通した後に
糸環捕捉端17が前進し、針12の上昇直後に糸環捕捉端17
が後退するようにするものである。
しかして、前記遅延差動手段は、前記カム溝18の形状に
工夫を施してあり、カム溝18は、第3図に示すように、
待機部22、揺振部25、待機維持部26の三つの部位を有し
ている。すなわち、係合端9が上下動するも、少なくと
も前記針12先が布生地Cを刺し通して糸環捕捉片15先端
の糸環捕捉端17の近傍まで下降するまでは揺振カム16自
体の揺振は待機させるべき溝長さを有する係合端9の上
下動方向にそって形成した待機部22と、係合端9が下降
するときに摺接し、揺振カム16自体を縫糸方向での前方
へ揺振させるよう下がわに位置した前進揺振縁23、係合
端9が上昇するときに摺接し、揺振カム16自体を縫糸方
向での後方へ揺振させるよう上がわに位置した後退揺振
縁24夫々を有し、待機部22に対し斜めで連続している揺
振部25と、係合端9が下降したときでの最下死点位置
で、揺振カム16の縫糸方向での前進状態を維持させて、
揺振部25に対して斜めに連続している待機維持部26と
を、順次上方から連続させて成る。そして、待機部22、
待機維持部26の幅員に比し揺振部25のそれは広くし、し
かも、揺振部25においては、待機維持部26がわでは狭幅
にするも待機部22がわでは若干広幅となるよう、前進揺
振縁23は後退揺振縁24に対して下方がわへ僅かに大きな
角度で拡いている。
そして、これらの待機部22、揺振部25、待機維持部26そ
れぞれを連結すると、全体形状として待機部22と揺振部
25とがほぼ同じ長さで順次上方から略クランク状を呈し
ている。
したがって、糸環捕捉アーム8の係合端9が待機部22内
を下降して揺振部25内に進入し、前進揺振縁23面に沿っ
て摺接することで揺振カム16自体を前進揺振させる速さ
と、係合端9が待機維持部26内を上昇して揺振部25内に
進入し、後退揺振縁24面に沿って摺接することで揺振カ
ム16自体を後退揺振させる速さとは異なる。しかも、待
機部22上端での最上死点位置から係合端9が下降して前
進揺振縁23に摺接して前進揺振を開始させるに至る時間
と、係合端9が上昇して後退揺振縁24に摺接することで
後退揺振し、再び待機部22に至って待機させてからその
上死点位置に至る時間とが異なるものとなる。すなわ
ち、糸環を捕捉したままで糸環捕捉片15が縫糸方向での
後方で待機している状態にあるとき、針12が下降し、布
生地Cへの刺し通し後で糸環内に挿入されようとする。
すると、これに対応して、係合端9がカム溝18の待機部
22から揺振部25へ至り、揺振部25において前進揺振縁23
に摺接してその前進揺振を開始させる。ところが、その
前進揺振開始時期は若干遅くなっており、糸環を捕捉し
たままでの糸環捕捉端17はその分だけ待機時間が長くな
る。そのため、例えば、布生地Cが硬く、あるいは厚い
ような縫糸困難なものである場合に針12が布生地Cを刺
し通すのに抵抗が大きいために遅れ、また、糸環への挿
入に遅れが生じても、前進揺振開始時期が遅くされた糸
環捕捉端17では針12が下降して糸環内に挿入し、これと
絡まり、拘束するまで待機し、針12による糸環との絡ま
りを確実にする。また、針12の下降に伴なう糸環への挿
入時での糸環捕捉片15の前進揺振は速く行なわれるか
ら、糸環への挿入後でのこれとの絡まり、拘束を一層確
実にする。
更に、糸環捕捉端17は、針12が糸Tを牽引しながら布生
地Cに刺し通されるのと相俟ち、捕捉されている糸環を
緊張させているから、きっちりとした糸環を形成し、針
12が糸環内に確実に挿入される。その後、糸環捕捉端17
が糸環を解放しても針12と糸環とは絡まっており、目飛
びは生じない。
なお、一体となった糸環捕捉片15、揺振カム16は、糸環
捕捉片15の軸支孔20に挿通した軸支ピン27をベッド部2
先端における壁体部分に貫通支持させることで、揺振自
在に支持される。
また、軸支ピン27に外装したコイル状の弾圧スプリング
28にて糸環捕捉片15、揺振カム16を壁体部分に弾圧して
おり、弾圧スプリング28による弾圧力の調整によって糸
環捕捉片15、揺振カム16を確実に支持し、同時に針12の
下降時に糸環捕捉端17に接触したときでの糸環捕捉端17
の回避、復帰を円滑にする。
また、図中符号29は、手動によっての針12の上下動、糸
環捕捉片15の揺振を図る駆動ツマミであり、前記クラン
ク5に直結してある。
この考案は叙上のように構成されており、これが使用に
際しては、従来の玩具ミシンと同様に使用される。
すなわち、縫糸すべき布生地Cをベッド部2上の縫糸部
分に載せ、モータ4を起動させると、その駆動回転はク
ランク5を介しての中継リンク6の上下動によって、針
棒アーム7、糸環捕捉アーム8を上下に揺動させる。針
棒アーム7の上下動は針棒10を上下動させ、その下端の
針12を布生地Cに刺し通させ、また、刺し通しながら布
生地Cを縫糸方向に送る。
一方、糸環捕捉アーム8の上下動は、糸環捕捉アーム8
先端の係合端9が揺振カム16のカム溝18に係合している
ことで、揺振カム16と、これと一体の糸環捕捉片15とを
縫糸方向で揺振させる。
このとき、針12を下降させる針棒アーム7の上下動に対
応して糸環捕捉アーム8も上下動し、針12の下降時で
は、同じく下降する糸環捕捉アーム8の係合端9がカム
溝18内での待機部22に沿っている間は揺振カム16は揺振
せずに、そのまま待機しており、また、縫糸作動中では
糸環捕捉片15の糸環捕捉端17は糸環を捕捉している(第
6図参照)。
針12が下降し布生地Cを刺し通しながら針12が縫糸方向
に移行されると(第7図参照)、これに対応して糸環捕
捉アーム8の係合端9は揺振部25での前進揺振縁24面に
摺接し、揺振カム16及び糸環捕捉片15を縫糸方向へ前進
揺振させる。その際、糸環捕捉端17は針12と接触しなが
ら針12が接触することで側方へ回避しながら(第5図参
照)針12から前方へ離反し、その間、糸環捕捉片15にて
捕捉していた糸環内に針12が挿入される(第8図、第9
図参照)。
このとき、遅延差動手段によって、糸環捕捉片15自体の
針12がわからの離反揺振が遅れるから、布生地Cが硬く
あるいは厚いことで針12の布生地Cへの刺し通しに時間
的遅れが生じて、糸環捕捉端17が捕捉している糸環内へ
の針12の挿入が遅れることがあっても、糸環への挿入前
には糸環捕捉片15は揺振せず、その糸環捕捉端17にて捕
捉している糸環内に針12を確実に挿入させる。
針12が糸環に絡まり、これを拘束すると、糸環捕捉端17
は揺振して糸環を解放し、フリーなものとして縫糸方向
での最前進位置に達する。一方、針12が最下死点位置に
到達すると、係合端9は待機維持部26の最深奥部に達し
ており、また、針12は糸Tを布生地Cに刺し通し、糸環
に挿通された状態で最下端位置まで牽引している(第9
図参照)。更に、モータ4駆動にて、今度は針12が上昇
を開始すると、布生地C下方では新しい糸環が形成され
る一方、係合端9も上昇を開始し、今度は揺振部25にお
ける後退揺振縁24面に摺接して揺振カム16及び糸環捕捉
片15を縫糸方向での後退揺振、すなわち、針12がわへ接
近させ、糸環を捕捉する(第10図参照)。
次いで、針12が上昇し、布生地Cから抜け出すとき、糸
Tはさきの糸環に挿通していることで縫目が形成される
一方、係合端9は揺振部25から待機部22内に位置するこ
とで揺振カム16及び糸環捕捉片15は原位置に復帰し、そ
の糸環捕捉端17は糸環を捕捉した状態にある(第6図参
照)。
このように、針12の上下動及びこれに対応した糸環捕捉
片15の縫糸方向での前後の揺振によって、糸環の形成、
捕捉、針12の布生地Cへの刺し通し、布送り、糸環への
針12の挿入・絡まり、縫目の形成が順次行なわれ、布生
地Cを縫糸する。
[考案の効果] したがって、この考案によれば、先端付近に糸Tが挿通
されている針12を上下動させて布生地Cに刺し通し、こ
れに伴ない針12を縫糸方向に単振動させて布生地Cを送
り、布生地Cに刺し通された針12が上昇復帰して布生地
C下方で糸環を形成し、糸環の形成後で、縫糸方向での
前後に沿って揺振される糸環捕捉片15先端の糸環捕捉端
17が針12に接近し糸環を捕捉し、次いで、再度下降する
針12が糸環捕捉片15先端の糸環捕捉端17に接触すること
でこの糸環捕捉端17が針12から側方へ回避するようにし
た状態で、その再度下降する針12が糸環内に挿入され、
糸環捕捉端17が糸環を解放して布生地Cを鎖状縫目に縫
糸する玩具ミシンにおいて、糸環捕捉端17が捕捉してい
る糸環内に針12が下降して挿入されるとき、遅延差動手
段によって糸環捕捉端17の針12がわからの離反揺振を遅
らせたから、縫糸すべき布生地Cの硬軟、厚薄にかかわ
らず、いずれのものであっても、これを確実に縫糸で
き、綺麗な縫目と成す。
その遅延差動手段が、針12の上下動に対応してリンク機
構によって上下方向で揺動する糸環捕捉アーム8先端に
係合端9を形成し、この係合端9を、糸環捕捉片15を一
体揺振させる軸支された揺振カム16のカム溝18に係合
し、カム溝18は、係合端9が上下動するも、少なくとも
前記針12先が布生地Cを刺し通して糸環捕捉片15先端の
糸環捕捉端17の近傍まで下降するまでは揺振カム16自体
の揺振は待機させるべき溝長さを有する係合端9の上下
動方向に沿って形成した待機部22と、係合端9が下降す
るときに摺接し、揺振カム16自体を縫糸方向での前方へ
揺振させるよう下がわに位置した前進揺振縁23、係合端
9が上昇するときに摺接し、揺振カム16自体を縫糸方向
での後方へ揺振させるよう上がわに位置した後退揺振縁
24夫々を有し、待機部22に対し斜めで連続している揺振
部25と、係合端9が下降したときでの最下死点位置で、
揺振カム16の縫糸方向での前進状態を維持させて、揺振
部25に対して斜めに連続している待機維持部26との三つ
の部位を、待機部22と揺振部25とがほぼ同じ長さで順次
上方から略クランク状に連続させて成り、待機部22、待
機維持部26の幅員に比し揺振部25のそれは広くし、揺振
部25においては、待機維持部26がわでは狭幅にするも待
機部22がわでは若干広幅となるよう、前進揺振縁23は後
退揺振縁24に対して下方がわへ僅かに大きな角度で拡い
て成るから、前述した実施例の如く作動し、布生地Cが
硬く、あるいは厚いもののような縫糸困難なもので、針
12がそれを刺し通すのに抵抗が大きく、それに若干の時
間的遅れが生ずることで糸環捕捉端17が保持している糸
環への針12の挿入が遅れても、遅延差動手段によって、
糸環捕捉端17が前進して糸環をフリーにするのが遅れ、
糸環内に針12が挿入されるまで待機するから同期したも
のとなり、糸環に針12が確実に絡まる。そして、これ
は、縫糸が容易な布生地Cであっても同様に作動するか
ら何らの不都合もなく、無理のない縫糸を可能とする。
つまり、針12の下降における動きの略半分程度は針12先
が布生地Cを刺し通して糸環捕捉片15先端の糸環捕捉端
17の近傍までに達するまでの動きであって、残りは、糸
環内に針12が通りこの糸環から糸環捕捉片15先端の糸環
捕捉端17が外れた状態の動きである。
従って、カム溝18における待機部22と揺振部25と待機維
持部26との三つの部位において、待機部22と揺振部25と
がほぼ同じ長さで順次上方から略クランク状に連続させ
て形成してあるので、針12の上昇動に対応し上下方向で
揺動する糸環捕捉アーム8先端の係合端9をこの待機部
22に係合させることで、針12先が布生地Cを刺し通して
糸環捕捉片15先端の糸環捕捉端17の近傍までに達するま
で糸環捕捉端17が揺振しないようになる。そして、針12
の上下動に対して糸環捕捉片15が間欠的に動いているよ
うになるため、タイミングに余裕が生じ、若干タイミン
グがずれたとしても確実な縫糸を可能とするものであ
る。
また、その製造に際し、針12の下降時における最下死点
位置で、針12と糸環捕捉片15の糸環捕捉端17との間隔を
調整することで、針12の上下動と糸環捕捉片15の揺振遅
延との同期作動を図るも、その間隔は針12径の1倍半の
範囲、例えば1mmの単位の範囲で調整すればよいから、
極めて簡単であり、熟練を要せず、大量生産にも好適で
ある。
以上説明したように、この考案によれば、針の上下動と
糸環捕捉端の進退とが、布生地の硬軟、厚薄にかかわら
ず、常時、所定のタンミングで対応作動されるように
し、しかも、タイミングの調整、設定を極めて容易にし
て熟練を要せず、大量生産可能なものとして、童幼児が
取扱う際での布生地の選択に左右されずに使用できる等
の実用上優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
図面はこの考案の一実施例を示すもので、第1図は内部
構造を表わす正断面図、第2図は側断面図、第3図は糸
環捕捉片と一体の揺振カムの正面図、第4図は第3図に
おけるIV−IV線断面図、第5図は糸環捕捉端での要部平
面図、第6図乃至第10図夫々は縫糸作動時での要部側断
面図である。 C…布生地、T…糸、H…ボビン、1…ミシン筐体、2
…ベッド部、3…アーム部、4…モータ、5…クラン
ク、6…中継リンク、7…針棒アーム、8…糸環捕捉ア
ーム、9…係合端、10…針棒、11…進退突部、12…針、
13…布押え、14…弾圧スプリング、15…糸環捕捉片、16
…揺振カム、17…糸環捕捉端、18…カム溝、19…連結
部、20…軸支孔、21…ねじ止め、22…待機部、23…前進
揺振縁、24…後退揺振縁、25…揺振部、26…待機維持
部、27…軸支ピン、28…弾圧スプリング、29…駆動ツマ
ミ。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端付近に糸が挿通されている針を上下動
    させて布生地に刺し通し、これに伴ない針を縫糸方向に
    単振動させて布生地を送り、布生地に刺し通された針が
    上昇復帰して布生地下方で糸環を形成し、糸環の形成後
    で、縫糸方向での前後に沿って揺振される糸環捕捉片先
    端の糸環捕捉端が針に接近し糸環を捕捉し、次いで、再
    度下降する針が糸環捕捉片先端の糸環捕捉端に接触する
    ことでこの糸環捕捉端が針から側方へ回避するようにし
    た状態で、その再度下降している針が糸環内に挿入さ
    れ、糸環捕捉端が糸環を解放して布生地を鎖状縫目に縫
    糸する玩具ミシンにおいて、糸環捕捉端が捕捉している
    糸環内に針が下降して挿入されるとき、遅延差動手段に
    よって糸環捕捉端の針がわからの離反揺振を遅らせるべ
    く形成し、その遅延差動手段は、針の上下動に対応して
    リンク機構によって上下方向で揺動する糸環捕捉アーム
    先端に係合端を形成し、この係合端を、糸環捕捉片を一
    体揺振させる軸支された揺振カムのカム溝に係合し、カ
    ム溝は、係合端が上下動するも、少なくとも前記針先が
    布生地を刺し通して糸環捕捉片先端の糸環捕捉端の近傍
    まで下降するまでは揺振カム自体の揺振は待機させるべ
    き溝長さを有する係合端の上下動方向に沿って形成した
    待機部と、係合端が下降するときに摺接し、揺振カム自
    体を縫糸方向での前方へ揺振させるよう下がわに位置し
    た前進揺振縁、係合端が上昇するときに摺接し、揺振カ
    ム自体を縫糸方向での後方へ揺振させるよう上がわに位
    置した後退揺振縁夫々を有し、待機部に対し斜めで連続
    している揺振部と、係合端が下降したときでの最下死点
    位置で、揺振カムの縫糸方向での前進状態を維持させ
    て、揺振部に対して斜めに連続している待機維持部との
    三つの部位を、待機部と揺振部とがほぼ同じ長さで順次
    上方から略クランク状に連続させて成り、待機部、待機
    維持部の幅員に比し揺振部のそれは広くし、揺振部にお
    いては、待機維持部がわでは狭幅にするも待機部がわで
    は若干広幅となるよう、前進揺振縁は後退揺振縁に対し
    て下方がわへ僅かに大きな角度で拡いて成ることを特徴
    とした玩具ミシン。
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