JPH0760659B2 - 電子顕微鏡用偏向装置 - Google Patents

電子顕微鏡用偏向装置

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JPH0760659B2
JPH0760659B2 JP1215386A JP21538689A JPH0760659B2 JP H0760659 B2 JPH0760659 B2 JP H0760659B2 JP 1215386 A JP1215386 A JP 1215386A JP 21538689 A JP21538689 A JP 21538689A JP H0760659 B2 JPH0760659 B2 JP H0760659B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子顕微鏡に組み込まれる電子線偏向装置の
改良に関する。
[発明が解決しようとする問題点] 透過型電子顕微鏡においては、電子銃から発散する電子
線を平行な電子線束として電子光学系の光軸に沿って試
料面に垂直に照射させる通常の試料照射モードの他に、
幾つかの試料照射モードがある。
第4図は、傾斜モードにおける電子線束の中心経路を表
した略図で、傾斜モードにおいては、光軸1と角度α傾
けた方向から電子線2を試料3に照射するため、第1段
目の偏向子Aと第2段目の偏向子Bによって電子線を夫
々逆方向に偏向する。第5図は、(視野)移動モードに
おける電子線束の中心経路を表した略図で、移動モード
においては、電子線を光軸1と平行を保ったまま移動さ
せて試料3の所望領域を照射するため、第1段目の偏向
子Aと第2段目の偏向子Bによって電子線2を夫々逆方
向に偏向する。
第4図及び第5図に示す電子線経路は、試料3と偏向子
Aとの間に電子レンズ場がない場合のものであるが、実
際の装置においては第6図に示すように、試料3の近傍
に対物レンズ場の前磁場4やミニ対物レンズ磁場5の形
成されることが多い。このような光学系において、移動
モードの電子線照射を行うためには、光軸1上の定点P
を偏向支点として電子線を偏向する必要があり、傾斜モ
ードの電子線照射を行うためには、光軸1上の定点Qを
偏向支点として電子線を偏向する必要がある。これらの
偏向支点PおよびQの位置は、対物レンズやミニ対物レ
ンズの励磁変化に応じて移動する。
所で、二段の偏向子A,Bを用いることにより、光軸に沿
って入射する電子線を光軸上の任意の点を偏向支点とし
て偏向することが可能である。第7図は、偏向子Bの下
方の位置6を偏向支点とする場合の光学図で、第1段目
の偏向子Aによる偏向角βに対して、偏向子Bに対して
K1を定数としてKa・βの偏向角を与えるようにすれば
(偏向角βが小さい場合には)偏向支点を一定に保つこ
とができる。この場合、各偏向子によって偏向される電
子線の偏向角は、偏向子に供給される励磁電流または励
磁電圧等の信号強度に比例するので、第1段目の偏向子
Aに供給する励磁信号強度Iに対して、定数Ka倍の励磁
信号を偏向子Bに供給すれば、目的とする偏向を行うこ
とができる。このような偏向を行うための偏向電源は、
二つの定電流電源を連動させ、一方の定電流電源の出力
を調整する制御手段と、二つの電源の出力比を調整する
制御手段を設けるのが普通である。
第8図は、偏向子Aの上方の定点7を偏向支点とする場
合の光学図で、第1段目の偏向子Aによる偏向角γに対
して、偏向子Bに対してKbを定数としてKb・γの偏向角
を与えるようにすればよく、第1段目の偏向子Aに供給
する励磁信号強度Iに対して、定数Kb倍の励磁信号を偏
向子Bに供給すれば、目的とする偏向を行うことができ
る。
第9図は、偏向支点の位置(座標)と二段の偏向子に供
給する偏向信号強度比の関係を表す略図であり、横軸は
偏向支点の座標を、縦軸は偏向信号強度の比(係数)を
表している。曲線aは、第1段目の偏向子Aに供給する
偏向信号Iaに対して一定の定数Kaを乗じた励磁信号Ibを
第2段目の偏向子Bに供給する第1段主導モードに使用
される定数Ka(=Ib/Ia)の変化を表しており、曲線b
は、第2段目の偏向子Bに供給する偏向信号Ibに対して
一定の定数Kbを乗じた励磁信号Iaを第1段目の偏向子A
に供給する第2段主導モードに使用される定数Kb(=Ia
/Ib)の変化を表している。
第9図から明らかなように、偏向支点が偏向子Aの近傍
にくるとKbの値が著しく大きな値となり、その様な係数
を演算することが困難となる。同様に、偏向支点が偏向
子Bの近傍に達するとKaの値が著しく大きな値となり、
その様な係数を演算することが困難となる。従って、第
1段主導モードのみ又は第2段主導モードのみでしか作
動しない偏向電源では、任意の点を偏向支点とする電子
線偏向が困難となるので、第1段主導モードと第2段主
導モードのいずれでも作動できるように構成する必要が
ある。しかしながら、最適偏向支点の座標は、前述した
ように電子レンズの使用条件によって変化するため、定
数KaやKbが余り大きな値を取らないようにするために
は、第1段主導モードと第2段主導モードのいずれを使
用すべきかの判断が困難で、オペレーターの試行錯誤に
よって選択されるため、電子顕微鏡の操作性を難しくす
る一因となっていた。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、透過型電子顕微鏡における試料照射系の電子
線偏向操作をより簡便に行うことを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の透過型電子顕微鏡においては、電子銃と観察試
料位置との間に設けられた2段の偏向子と、試料位置と
偏向子との間に設けられた電子レンズと、第1段目の偏
向子に供給する励起信号に可変定数を乗じた励起信号を
第2段目の偏向子に供給する第1段主導モードと、第2
段目の偏向子に供給する励起信号に可変定数を乗じた励
起信号を第1段目の偏向子に供給する第2段主導モード
とを切り替える機能を有する偏向電源を具備した装置に
加えて、試料に入射する電子線を傾斜させる傾斜モード
又は試料に入射する電子線の照射位置を移動させる移動
モードを行うに必要な電子線偏向支点の位置を前記電子
レンズの強度から求める手段と、該手段の出力に基づい
て前記第1段主導モードと第2段主導モードのいずれを
選択すべきかを表示する手段を設ける事により、前述し
た課題を解決する。
[作用] 本発明においては、試料位置と偏向子との間に形成され
る電子レンズの強度から所望の偏向を行うための偏向支
点位置を求め、該結果により2段偏向子による最適偏向
モードを求めるようにしているので、透過型電子顕微鏡
における試料照射系の電子線偏向操作をより容易に行う
ことが出来る。
[実施例] 第1図は、本発明の一実施例装置の構成を示す略図であ
る。透過型電子顕微鏡の真空筐体10の上部には、電子銃
11が設けられており、電子銃11より発散した電子線は、
集束レンズ12、ミニ対物レンズ13及び対物レンズ14の前
方磁場により順次集束されて、対物レンズ14の磁場中に
置かれた観察試料15を照射する。集束レンズ12とミニ対
物レンズ13の間には第1段目の偏向子Aと第2段目の偏
向子Bが設けられている。偏向子A、Bには切替手段16
を介して偏向電源17の出力端子s又はtに接続されてお
り、偏向電源17には、キーボード等の入力手段を経て偏
向強度指定手段18と係数指定手段19から制御信号が印加
されており、その出力端子sには偏向強度調整手段18よ
り指定される偏向信号Ioが出力され、出力端子tには係
数調整手段19より指定された係数Koを偏向信号Ioに乗じ
た偏向信号Ko×Ioが出力される。切替手段16を操作する
ことにより、第1段主導モードと第2段主導モードのい
ずれかが選択される。
ミニ対物レンズ13と対物レンズ14の各レンズ電源20,21
の出力の一部は、演算装置22に入力されており、移動モ
ード又は傾斜モードのモードを指定する照射モード指定
手段23からの入力信号と共に、予め記憶されたデータを
基にして偏向支点の座標を計算する。次に、この座標値
が第9図における偏向子Aと偏向子Bの中間点Cよりも
上(図で右側)にある場合には第1段主導モードを、ま
た座標値が偏向子Aと偏向子Bの中間点Cよりも下(図
で左側)にある場合には第2段主導モードを表示するよ
うに切替表示手段24に出力する。偏向系の操作者は、照
射モード指定手段23による指示を行った後、切替示手段
24の表示の観察しながら、切替手段16によって第1段主
導モード又は第2段主導モードを選択する。次に、偏向
強度調整手段18と係数調整手段19を操作して所望の電子
線偏向を行う。この様に、偏向支点の座標が偏向子Aと
偏向子Bの中間点Cより上にあるか下にあるかによって
第1段主導モードと第2段主導モードの切替えを行う
と、係数の値が−1から+1の間の範囲に収まるため、
偏向電源の設計が容易となる。
第2図は、本発明の他の実施例装置の要部を示す略図で
あり、第1図と同じ符号を付したものは同じ構成要素を
表している。第2図の装置においては、第1図の装置の
ように演算装置22によって得た結果を切替表示手段24に
表示する代わりに、直接切替手段16を制御して自動的に
第1段主導モードと第2段主導モードの切替えが行われ
るように構成している。
第3図は、本発明の更に他の実施例装置を示す略図であ
る。第3図の実施例装置においては、演算装置22から出
力される第1段主導モードまたは第2段主導モードの指
示信号が、偏向制御装置25に印加される。偏向制御装置
25は、偏向強度調整手段18と係数調整手段19からの入力
信号と演算装置22からの指示信号に基づいて第1偏向電
源26と第2偏向電源27に制御信号を送り、第1段主導モ
ードまたは第2段主導モードによる偏向が行われるよう
に制御する。
[発明の効果] 第1の本発明により、第1段主導モードと第2段主導モ
ードのどちらを選択すればよいのかが直ちに分かり、任
意の点を電子線偏向支点とする電子線偏向の操作が容易
になる。また、第2の本発明により、第1段主導モード
と第2段主導モードの選択が自動的に行なわれ、任意の
点を電子線偏向支点とする電子線偏向の操作がより容易
になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例装置の構成を示す略図、第2
図及び第3図は夫々本発明の他の実施例装置を示す略
図、第4図は試料に入射する電子線を傾斜させる傾斜モ
ードを説明するための略図、第5図は試料に入射する電
子線を移動させる移動モードを説明するための略図、第
6図は傾斜モードと移動モードを行うために必要な電子
線の偏向支点を説明するための略図、第7図及び第8図
は2段偏向子により電子線の偏向支点を任意に選定する
際の光学系を説明するための略図、第9図は二段偏向系
における偏向信号強度化と偏向支点の関係を説明するた
めの略図である。 1……光軸 2……電子線 3……試料 4……対物レンズの前磁場 5……ミニ対物レンズ磁場 6,7……偏向支点 10……真空筐体 11……電子銃 12……集束レンズ 13……ミニ対物レンズ 14……対物レンズ 15……試料 16……切替手段 17……偏向電源 18……偏向強度調整手段 19……係数調整手段 20……ミニ対物レンズ電源 21……対物レンズ電源 22……演算装置 23……照射モード指定手段 24……切替表示手段 25……偏向制御装置 26……第1偏向電源 27……第2偏向電源

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子銃と観察試料位置との間に設けられた
    2段の偏向子と、試料位置と偏向子との間に設けられた
    電子レンズと、第1段目の偏向子に供給する励起信号に
    可変定数を乗じた励起信号を第2段目の偏向子に供給す
    る第1段主導モードと第2段目の偏向子に供給する励起
    信号に可変定数を乗じた励起信号を第1段目の偏向子に
    供給する第2段主導モードとを切り替える機能を有する
    偏向電源を具備した装置において、試料に入射する電子
    線を傾斜させる傾斜モード又は試料に入射する電子線の
    照射位置を移動させる移動モードを行うに必要な電子線
    偏向支点の位置を前記電子レンズの強度から求める手段
    と、該手段の出力に基づいて前記第1段主導モードと第
    2段主導モードのいずれを選択すべきかを表示する手段
    を設けた事を特徴とする電子顕微鏡用偏向装置。
  2. 【請求項2】電子銃と観察試料位置との間に設けられた
    2段の偏向子と、試料位置と偏向子との間に設けられた
    電子レンズと、一方の偏向子に供給する励起信号に所望
    の可変定数を乗じた励起信号を他方の偏向子に供給する
    偏向電源を具備した装置において、試料に入射する電子
    線を傾斜させる傾斜モード又は試料に入射する電子線の
    位置を移動させる移動モードを行うに必要な電子線偏向
    支点の位置を前記電子レンズの強度から求める手段と、
    該手段の結果に基づいて偏向電源から第1段目の偏向子
    と第2段目の偏向子に供給する二つの偏向信号の切り替
    えを制御する手段を設けた事を特徴とする電子顕微鏡用
    偏向装置。
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