JPH0763698B2 - イオン水生成器用電解槽 - Google Patents

イオン水生成器用電解槽

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JPH0763698B2
JPH0763698B2 JP4038782A JP3878292A JPH0763698B2 JP H0763698 B2 JPH0763698 B2 JP H0763698B2 JP 4038782 A JP4038782 A JP 4038782A JP 3878292 A JP3878292 A JP 3878292A JP H0763698 B2 JPH0763698 B2 JP H0763698B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陽陰極間に種々のイオ
ンを含む水を連続的に供給しながら水電解して、アルカ
リ性水と酸性水を得るイオン水生成器に利用できる電解
槽の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】イオン水生成器は、医療物質生成器また
は医療用電解水製造装置の承認品目名で、薬事法の医療
機器に指定されている。厚生省薬務局長通知「薬発第7
63号(昭和40年10月8日)」に記載された「効能
および使用上の注意」から引用すれば、陰極液(以下、
アルカリ性水と記す)は飲用して慢性下痢、消化不良、
胃腸内異常発酵、制酸、胃酸過多に有効であり、陽極液
(以下、酸性水と記す)は弱酸性のアストリンゼントと
して美容用に用いられる、とのことである。
【0003】水を電解してアルカリ性水を得る方法とし
ては、古くからバッチ式があったが、最近では連続式が
主流となってきた。これは、陽極・陰極・セパレータ
(隔膜)などの主要部品を電解槽容器の中に適切な形で
配置して、水道水などを通水すると同時に両極間に直流
電圧を印加して電解し、アルカリ性水と酸性水を連続し
て取り出せるようにしたものである。
【0004】従来の電解槽のタイプは、電極の形状など
によって、概ね、円筒状と平板状の二通りに分けられ
る。前者は円柱状の陽極を用い、その同心円まわりに容
器を兼ねた円筒状の金属製陰極を配置し、両極間にセパ
レータを介して陽陰極室を形成し、長手方向に通水させ
電解する(例、特開昭61−78489)。後者として
は形状の単純な平板電極、例えば、フェライト製陽極と
金属製陰極とを使用する角形の電解槽などが知られてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】円筒状のタイプは、陽
陰両極とも断面が円形(筒または柱)であるため、両極
間に介在させるセパレータも円筒状であり、どの部分も
同心円上の一定位置に保持されなければならない。両極
の位置が偏心したりすると、その部分で短絡したり、水
の流れが片寄り混入物や不溶解生成物が詰まったりす
る。従って、両電極をはじめその他の部品も寸法精度の
高いものを使用する必要があり、高価になる。しかも、
形状は複雑な円筒か円柱状などであるから、組立時にお
けるセパレータの挿入、電極端子の取り出し、水の出入
口の配置、漏水対策等々、膨大な苦労と工数の増加をき
たす。工数削減や組立ラインの自動化などは不可能であ
り、量産に不都合な構造であった。このように、根本的
に複雑な構造しか取りえない円筒状タイプに関しては本
発明の構造は対象外で適用できないが、これら従来の欠
点は後で述べる本発明の電解槽によって解決される。
【0006】上述とは別の平板状タイプのものとして
は、陰極よりもかなり分厚いフェライト陽極を使用し、
アルカリ性水と酸性水とを分離するために複雑な二重構
造を採用した電解槽が公知だが(特開平2−20398
9、第7図、第8図に記載)、ここでは、これと似た従
来の一般的な電解槽の構造を示す図4の側部断面図につ
いて説明する。1はフェライト製の陽極板、11a、1
1bは金属製陰極板で、その間にコの字形の一体型セパ
レータ20を介在させて陽極室と陰極室とを形成し、陽
極室2で酸性水を、陰極室12でアルカリ性水を、それ
ぞれ生成する。このセパレータ20は、酸性水とアルカ
リ性水とを別々に分離可能ならしめるために前述の二重
構造を構成しているとも言える。図4とは逆に、陰極板
1枚、陽極板2枚を用いてもよいが陽極は高価なので、
普通は陽極を中央に置いてその両側に陰極板を配置し陽
極の両表面を有効に利用することが多い。また、図4の
陽陰極板の数は合計3枚だがもっと多く用いることもあ
る。電解槽容器40の下部には水入口30が、上部には
酸性水排出口5とアルカリ性水排出口15とが備えられ
ている。3、13は陽極室、陰極室への水の導入部であ
る。図4の矢印で示した水の流れ方向から分かるよう
に、従来タイプの電解槽では、酸性水の排出口5を設け
る場所は、セパレータ20の内側で、しかも、紙面に垂
直な方向でしか取り出しにくいことが理解されよう。つ
まり、排出口5は陽極板1の厚さと陽極室2の間隔の合
計で表される距離tと同一平行面の範囲内でしか設ける
ことができない。ただし、その口径は距離t未満ならど
の箇所にも自由に設定できる。分厚いフェライト電極1
を用いる従来の構造では、tは少なくとも10mm近く
あり、水の出口径5を大きくして大流量を得るには十分
な寸法である。ところが、後述の薄い金属製陽極板を用
いようとすると、距離tが5mm程度と小さくなり大口
径どころか排出口すら設け難いため、従来の構造は採用
できない。よって、新規な電解槽の構造を提供しなけれ
ば実施実用化できないことになる。
【0007】さて、分厚いフェライト電極を用いた従来
の電解槽は寸法と重量が大きくなる欠点があった。フェ
ライトは金属酸化物の焼結物すなわちセラミックである
から、仕上がり寸法精度が悪いだけでなく、金属板と同
等に薄くすると焼成時に湾曲して積層圧迫のときに割れ
たり、落下や衝撃にも弱くなり、よって、機械的強度を
高めるために、少なくとも5mm程度の厚さをもって製
作されることが多い。従って、薄型・小型・軽量を目指
した高性能電解槽の陽極板としては、到底採用しづら
い。さらに、フェライトは、Fe3 O4 を主成分とし、
副成分には相当量(数10%)のNiをはじめとして、
Mn・Zn・Cuなどを混合したり、焼結を可能にする
ためその他の焼結助剤を添加するのが普通である。この
ように、フェライト中には人体健康上有害な重金属を含
むことが多く、厳しい電解条件下で陽極腐食して飲料水
に混入してくる恐れも多分にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるイオン水
生成器用電解槽は、薄板状陽極板と、薄板状陽極板の前
面に狭空間を有する陽極室と、薄板状陽極板面に添って
流れてきた酸性水の流れを薄板状陽極板面に直角方向に
変更して酸性水排出部に誘導するための流路変更水路部
とを備えた酸性水生成部と、 薄板状陰極板と、薄板状陰
極板の前面に狭空間を有する陰極室と、薄板状陰極板面
に添って流れてきたアルカリ性水の流れを薄板状陰極板
面に直角方向に変更してアルカリ性水排出部に誘導する
ための流路変更水路部とを備えたアルカリ性水生成部と
が、 少なくとも1つ以上の薄板状陽極板と2つ以上の薄
板状陰極板、又は、少なくとも2つ以上の薄板状陽極板
と1つ以上の薄板状陰極板を有するよう、セパレータを
介して、各々の薄板状極板が対向するよう積層されたこ
と、 及び、少なくとも1つ以上の薄板状陽極板と2つ以
上の薄板状陰極板、又は、少なくとも2つ以上の薄板状
陽極板と1つ以上の薄板状陰極板を有するよう、セパレ
ータを介して、各々の薄板状極板が対向するよう積層さ
れ、積層配列に従って、順次段階的に極板及びセパレー
タの流れ方向の寸法が変化しているとともに、各々の流
路変更水路部が薄板状極板面に沿って段階的に配置され
ていることを特徴とする。陰極には薄いステンレス板や
チタン板等の金属極を用い、陽極にはチタンなどの耐蝕
性金属基板の表面に、白金やパラジウム、イリジウムそ
の他の貴金属を電解もしくは無電解メッキした薄板状の
金属電極を用いて電解槽を構成し、電解水の排出構造に
特徴を持たせることにより、上記課題を解決せんとする
ものである。分厚いフェライトにかえて薄い金属板を用
いれば、電解槽は相当コンパクトにできる。しかし、図
4に示したように、酸性水の排出口5は自由な箇所に設
けられないから、水をうまく取り出すには特別の工夫が
いる。このため、各々の極板とセパレータとの長さを陰
陽極室の出口で順次変化させて階段状の開口部を形成
し、各極室で電解された水が極板面に対し直角方向に転
換するよう水路を構成し、それぞれを区別して取り出し
可能な電解槽構造としたものである。尚、本発明におい
て、薄板状極板の前面に狭空間を有する極室とは、その
ままでは薄板状極板面に添って流れてきたイオン水を取
り出すための排出口を設けることができないほどにまで
極室の薄板状極板前面の空間寸法を狭めた極室を意味し
ている。かかる極室で生成されたイオン水の流れは、流
路変更水路部により、薄板状極板面に直角方向に変更さ
れるが、薄板状極板面は相対的に十分大きな面を有する
ので、流路変更水路部には容易にイオン水排出口を形成
することができ、もってイオン水生成器用電解槽のコン
パクト化が達成できる。
【0009】
【作用】上水道などの一般の飲料用水中には、通常、陽
陰両イオンが含まれる。この水を電解したときの反応と
しては、次式が考えられる。 陽極反応 (A) 2H2 O→O2 +4H+ +4e- (B) 4OH- →O2 +2H2 O+4e- 陰極反応 (C) 4H2 O+4e- →2H2 +4OH- (D) 4H+ +4e- →2H2 全体反応 (E) 6H2 O→O2 +2H2 +4H+ +4OH- 陽極が酸性、陰極がアルカリ性の環境下では、それぞれ
の電極付近はOH- イオン不足およびH+ イオン不足に
なっているから、主として、式(A)と(C)が起こ
り、全体反応は式(E)になると考えられる。陽極では
酸素が発生し、生成した水素イオンと陰極付近から移動
してくる陰イオンとで酸ができる。反対の陰極では水素
が発生し、生成した水酸基イオンと陽極付近から移動し
てくる陽イオンとでアルカリができる。
【0010】電解時に流れる電流は種々の要因によって
変化するが、印加電圧が高いほど電流は大きくなり、ア
ルカリ性および酸性度のより強い水になる。高性能の電
解槽が備えるべき条件に通水流量とPHがある。すなわ
ち、電解槽が小型で電極面積が小さくとも大流量で通水
でき、印加電圧が低くても大電流が流せて、望みのPH
値の電解水が得られることである。広範囲のPH値を得
るには電流は大きいほど好都合だが、限られた寸法の電
極で電流をできるだけ大きくするためには電極間は狭い
方がよいが、大流量はとれなくなるからどこかに最適条
件が存在する。なお、陽極板は高価であるから電極面積
をかせぐために裏表両面を有効利用するのは常道だが、
そのぶん、構造は難しくなる。
【0011】これらの必要条件を同時に満たしながら、
効率よくアルカリ性水と酸性水とが分離できる本発明の
電解槽においては、陽陰極板やセパレータの幅は同じだ
が長さが違う。すなわち、3枚の陰・陽・陰極板やその
間のセパレータの長さを少なくとも片側端面部におい
て、長・中・短の順に変化させ積層群の端面(水出口
部)で斜めに切られたような階段状の切口を形成する。
このようにすると、極板群の片側表面から透視したとき
の開口部分(投影面)は長さを加減することでいくらで
も自由に大きくできるので、実質的に開口部を拡大する
のと同じ効果がある。故に、通水時の圧力損失が減少し
て大流量が取り出せる。
【0012】
【実施例】次に、本発明の実施例について図1と図2を
説明する。図1は本発明のイオン水生成器用電解槽の主
要構成部品を示す側部断面図であり、図2は図1のA−
A’線における、同じく平面断面図である。図中の1は
陽極板であり、具体的には、チタンやタンタルなどの基
板表面に白金族金属をメッキやスパッタ法で被覆表面処
理することにより、耐蝕性を向上させ電気化学的活性を
付与した薄板状金属電極が使用される。陽極板1として
ステンレス板をメッキなしで用いても通電できるが、耐
蝕性が不十分で寿命が短い。チタンは耐蝕性はよいが、
メッキせずに用いると直流電圧印加時に酸化被膜が表面
に形成されて通電できなくなる。電極が不働態化しない
ように白金メッキを施すが、その厚さは0.1μm以上
あればよい。11a、11bはいずれも陰極板で、陽極
板1ほどの耐蝕性は必要でない。通常のステンレス板や
ニッケル板などが使用できる。その寸法は、図で示すよ
うに、陽極板1の片側に対面させる陰極板11aはより
短くし反対側の陰極板11bはより長くしてある。20
a,20bはイオン交換膜や紙、布、不織布などででき
たセパレータであり、陽極板1と陰極板11a、及び陽
極板1と陰極板11bとの間に介在させて、その間に陽
極室2a、2bと陰極室12a、12bとを形成する。
セパレータ20に必要な性質としては、極室に水を流し
ながら通電したときその中を陽イオンと陰イオンが容易
に移動でき、それぞれの極室で生成したアルカリ性水と
酸性水とができるだけ混じり合わないように分離できる
ことである。尚、セパレータ20と陽陰極板1、11と
の間隔保持のために、図示していないが実際には、水の
流通を妨げないような小球や短冊状のいわゆるスペーサ
をその間に配置させることが多い。
【0013】これら電極とセパレータを重ね合わせた積
層群は、プラスチック製の電解槽容器40および蓋50
のなかに、挿入または配置される。各極板からは容器の
外部に適切な方法で電極端子を取り出し、これに電圧を
印加する。電解槽容器40には水入口30と酸性水排出
口5a、5b及びアルカリ水排出口15a、15bが設
けてある。4、14は互いに平行な溝状水路より成る流
路変更水路部である。陽陰極板やセパレータを積層して
から電解槽容器40に挿入するか容器内で順次積層する
か、いずれにしても、各々の極室2、12と流路変更水
路部4、14とは、その部分で水漏れが生じないよう
に、密接に連通せしめることが重要である。図1の矢印
は水の流れ方向を示しており、各極室へは共通の水入口
30から導入部3、13を経て一様に水が入り、排出部
5、15では各極室ごとに区別して水が取り出される様
子が分かる。
【0014】次に、本発明の他の実施例を示す図3の側
部断面図を用いて、より実用的なイオン水生成器用電解
槽について説明する。前記、図1、図2と同様に、1は
陽極板、11a、11bは陰極板、20a、20bはセ
パレータであり、これらの部品によって陽陰極室2a、
2b、12a、12bが形成され、これら積層群は電解
槽容器40と蓋50との中に入れられる。前述の図1と
異なる点は、各極室への水導入部分が各室ごと区画され
ていて開口部30a,30b,30cを通じて順次各極
室に通水されることと、陽極室2a、2b及び陰極室1
2a、12bからの電解水は、各々まとめて酸性水用排
出部5とアルカリ水用排出部15とから取り出されるこ
とである。また、各極室の、図面上部に示す流路変更水
路部は3個で構成され、2つの陰極室の流路変更水路1
4a、14bは連通させてあり、アルカリ水は共通の排
出部15から取り出される。陽極室2a,2bには共通
の水路4が設けてあり、酸性水は排出口5から取り出さ
れる。図3の水の流れは基本的には図2とほぼ同じであ
るが、陽陰極室下部においても上部と同様に極板とセパ
レータの長さを変えてある。このように実施すると、各
極室間隔が一定に保持しやすく、組立が容易で迅速にな
るという利点が得られる。
【0015】
【発明の効果】本発明の電解槽は、人体衛生上安全な金
属電極を薄い平板状の形で採用し、水の流れ方に特徴を
持たせた構造とすることにより、薄型・小型・軽量・高
性能・高品質が達成される。しかも、構造が簡単で工業
的な量産にも向いているから、本発明の電解槽を組み込
んだイオン水生成器は大幅なコスト削減を可能ならしめ
その普及に貢献すること間違いなく、実用的価値は極め
て大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るイオン水生成器用電解
槽の側部断面図である。
【図2】本発明の図1のA−A’線における平面断面図
である。
【図3】本発明の他の実施例に係るイオン水生成器用電
解槽の側部断面図である。
【図4】従来の代表的な構造を有するイオン水生成器用
電解槽の側部断面図である。
【符号の説明】
1 陽極板 11 陰極板 2 陽極室 12 陰極室 3、13 導入部 4、14 流路変更水路部 5、15 排出部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄板状陽極板(1)と、薄板状陽極板
    (1)の前面に狭空間を有する陽極室(2)と、薄板状
    陽極板(1)面に添って流れてきた酸性水の流れを薄板
    状陽極板(1)面に直角方向に変更して酸性水排出部
    (5)に誘導するための流路変更水路部(4)とを備え
    た酸性水生成部と、 薄板状陰極板(11)と、薄板状陰極板(11)の前面
    に狭空間を有する陰極室(12)と、薄板状陰極板(1
    1)面に添って流れてきたアルカリ性水の流れを薄板状
    陰極板(11)面に直角方向に変更してアルカリ性水排
    出部(15)に誘導するための流路変更水路部(14)
    とを備えたアルカリ性水生成部とが、 少なくとも1つ以上の薄板状陽極板(1)と2つ以上の
    薄板状陰極板(11)、又は、少なくとも2つ以上の薄
    板状陽極板(1)と1つ以上の薄板状陰極板(11)を
    有するよう、セパレータを介して、各々の薄板状極板が
    対向するよう積層されたことを特徴とするイオン水生成
    器用電解槽。
  2. 【請求項2】 少なくとも1つ以上の薄板状陽極板
    (1)と2つ以上の薄板状陰極板(11)、又は、少な
    くとも2つ以上の薄板状陽極板(1)と1つ以上の薄板
    状陰極板(11)を有するよう、セパレータを介して、
    各々の薄板状極板が対向するよう積層され、積層配列に
    従って、順次段階的に極板及びセパレータの流れ方向の
    寸法が変化しているとともに、各々の流路変更水路部が
    薄板状極板面に沿って段階的に配置されていることを特
    徴とする、請求項1記載のイオン水生成器用電解槽。
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