JPH0766221B2 - 熱定着器クリーニング方法 - Google Patents

熱定着器クリーニング方法

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JPH0766221B2
JPH0766221B2 JP21546588A JP21546588A JPH0766221B2 JP H0766221 B2 JPH0766221 B2 JP H0766221B2 JP 21546588 A JP21546588 A JP 21546588A JP 21546588 A JP21546588 A JP 21546588A JP H0766221 B2 JPH0766221 B2 JP H0766221B2
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清 二木
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は乾式現像剤を用いる記録装置、特に電子写真記
録装置のヒートローラ型熱定着器において、ヒートロー
ラやバックアップローラをクリーニングする熱定着器ク
リーニング方法に関する。
従来の技術 従来のヒートローラ型熱定着器は、第9図に示すよう
に、内部にハロゲンランプ(図示せず)を有するヒート
ローラ1と、このヒートローラ1を矢印で示す方向に回
転駆動する駆動装置(図示せず)と、記録紙をヒートロ
ーラ1に押付けることができるように、ヒートローラ1
に対して押付けられる回転自在なバックアップローラ2
と、ヒートローラ1の汚れを除去するクリーニング装置
3等を有しており、ヒートローラ1とバックアップロー
ラ2との間に、画像形成プロセスを経て得られた、表面
に未定着トナー4が付着している記録紙5を矢印Aで示
すような経路で通過させることにより、熱でトナーを溶
融させた上で記録紙に固着させ、定着を行っていた。な
お、図中、6a,6bは分離爪、7a,7bは排出ローラである。
更に詳細に説明すると、ヒートローラ1は通常、中空の
金属ローラの表面にテフロン(PFA,PTFE等)コートが施
されていて、トナーのヒートローラ表面へのオフセット
を防止している。しかし、実際はトナー構成材料、定着
温度等の条件にもよるが、トナーオフセットが発生する
場合もある。そこで、そのオフセットトナーが後続の画
像を汚すのを防ぐため、ヒートローラ1に付着したトナ
ーを除去するためのクリーニング装置3が設けられてい
る。このクリーニング装置3は、大別すると、オイル塗
布型とオイルレス型に分けられ、オイル塗布型はフェル
トにシリコンオイルを常時供給して含浸させ、それをヒ
ートローラに当接させて塗布するタイプが多い。一方、
オイルレス型としては、フェルトやブレード,ウェブが
用いられる。
また、バックアップローラにもトナーオフセットを防ぐ
意味で、シリコンゴムが用いられている。
発明が解決しようとする課題 しかし、前述のように従来の熱定着器は、ヒートローラ
の汚れを除去するためのクリーニング装置を設けなけれ
ばならず、装置が複雑になり、特にオイル塗布型では複
雑な機構を必要とし、また、オイルレス型の場合は交換
周期が短いという問題があった。
一方、バックアップローラに至っては独自のクリーニン
グ装置は設けられることはほとんど無かったため、一度
汚れが付着するとそれを解消するのが困難であった。
上述問題は以下の理由で生ずる。すなわち、オイル塗布
型の定着器ではヒートローラ上に均一にシリコンオイル
を塗布し、また余分となったものについてはそれを回収
する機構が必要で、必然的に機構が複雑になってしま
う。一方、オイルレス型で、特にフェルトやブレードを
用いるタイプは機構的には単純であるが、オフセットト
ナーを溜めておく容量が少なかったり、それ自身の寿命
が短かかったりするため、交換周期が短く、通常、定着
器のメンテナンスの最短周期を決定する要因となってい
る。そのため、クリーニング装置の長寿命化を図る意味
でウェブやローラフェルトを用いる場合もある(例え
ば、特開昭62−47674号公報、特開昭62−2284号公報参
照)。しかし、この場合も、例えばウェブの場合は巻取
りモータを含めた複雑な機構が必要になり、また、ロー
ラフェルトでもスペースから考えて通常の板状の場合の
2〜3倍程度の寿命にしかならないという問題は残る。
つまり、基本的に汚れをためておく方法では必ず、それ
による寿命が訪れることになる。
また、バックアップローラの表面は通常シリコンゴムで
できているため、ヒートローラと同じような機械的な擦
りによるクリーニングは摩擦が大きく、事実上無理であ
った。
本発明は、上述の問題点に鑑みて為さたもので、クリー
ニング装置を設ける必要なく、熱定着器のヒートロー
ラ、バックアップローラのクリーニングを行うことの可
能な熱定着器クリーニング方法を提供することを目的と
する。
課題を解決するための手段 本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検討の結
果、ヒートローラ、バックアップローラは必ずしも常時
クリーニングする必要はなく、適当な間隔を開けてクリ
ーニングするのみで、記録紙に対するオフセットは防止
できること、ヒートローラの表面の汚れは記録紙で擦る
ことにより除去できること、更に、ヒートローラとバッ
クアップローラとの表面温度条件を或る温度範囲とし、
両者を接触させた状態で回転させるとによりバックアッ
プローラ上の汚れがヒートローラに転移することを見出
し、本発明を達成した。
すなわち、本願第一の発明は、通常用いられているよう
なクリーニング装置は全く用いず、非記録動作時に、熱
定着器のヒートローラとバックアップローラとの間に記
録紙を供給し、前記ヒートローラとバックアップローラ
とで記録紙をはさんだ状態で、前記記録紙の走行速度と
ヒートローラの周速との間に速度差を生じさせ、ヒート
ローラの汚れを記録紙で除去するという構成としたもの
である。
また、本願第二の発明は、非記録動作時に、熱定着器の
ヒートローラとバックアップローラとを相互に接触させ
て回転させ、その回転中に、ヒートローラ表面温度及び
バックアップローラ表面温度を、ヒートローラ表面とト
ナーとの間の付着力が、バックアップローラとトナーと
の間の付着力よりも大きくなる温度範囲とし、バックア
ップローラの汚れをヒートローラに転移させるという構
成としたものである。
更に、本願第三の発明は、上記第一の発明と第二の発明
を組み合わせたものである。すなわち、非記録動作時
に、熱定着器のヒートローラとバックアップローラとを
相互に接触させて回転させ、その回転中に、ヒートロー
ラ表面温度及びバックアップローラ表面温度を、ヒート
ローラ表面とトナーとの間の付着力が、バックアップロ
ーラとトナーとの間の付着力よりも大きくなる温度範囲
とし、バックアップローラの汚れをヒートローラに転移
させ、次いで、前記ヒートローラとバックアップローラ
との間に記録紙を供給し、前記ヒートローラとバックア
ップローラとで記録紙をはさんだ状態で、前記記録紙の
走行速度とヒートローラの周速との間に速度差を生じさ
せ、ヒートローラの汚れを記録紙で除去するという構成
としたものである。
作用 本願第一の発明では、上述のように記録紙を熱定着器の
ヒートローラとバックアップローラとの間にはさみ、記
録紙とヒートローラとの間に速度差を生じさせることに
より、ヒートローラ表面上のオフセットトナー等の汚れ
を記録紙で擦り落とし、ヒートローラのクリーニングを
行うことができる。その汚れた記録紙は排出して廃棄す
ればよい。
次に、本願第二の発明では、ヒートローラとバックアッ
プローラのそれぞれの表面温度を、トナーに対する接着
力がヒートローラ側の方が大きくなるように設定するこ
とにより、ヒートローラとバックアップローラとの互い
に接触した部分ではオフセットトナー等の汚れがヒート
ローラ側に転移する。従って、ヒートローラとバックア
ップローラとを互いに接触させて回転させることによ
り、バックアップローラ全面の汚れがヒートローラ側に
転移し、バックアップローラをクリーニングすることが
できる。
更に、本願第三の発明では、上記の方法を組み合わせる
ことにより、まず、バックアップローラの汚れをヒート
ローラに転移させてバックアップローラをクリーニング
し、次いでヒートローラの汚れを記録紙に擦り付けてヒ
ートローラをクリーニングし、熱定着器の両ローラをク
リーニングすることができる。
以上のように本発明の方法は、従来と異なりクリーニン
グ装置を必要とせず、構造を簡単にすることができると
ともに、クリーニング部材に汚れを堆積させる方式では
ないため、クリーニング部材の交換自体が不要となり、
定着器としてのメンテナンス周期の長期化、寿命の長期
化を図ることが可能となる。
実施例 第1図は本発明方法の実施に使用する電子写真記録装置
の概略構成を示すものであって、20は感光ドラム、21a
は記録紙ロール、21bは記録紙ロール21aから繰り出され
た記録紙、22は給紙ローラ、22aは駆動ローラ、22bは従
動ローラ、23はプーリ、24はカッタ、25は繰り出しロー
ラ、25aは駆動ローラ、25bは従動ローラ、26はプーリ、
27は給紙ローラ22、繰り出しローラ25の各駆動ローラ22
a,25aを駆動するパルスモータ、28は感光ドラム20から
のトナー転写と記録紙剥離を行う転写、剥離部、29は熱
定着器、29aは表面にテフロンコート層を有するヒート
ローラ、29bは表面にシリコンゴムを有する回転自在な
バックアップローラ、30はプーリ、31はヒートローラ29
aを駆動するモータ、32は記録紙が熱定着器29を通過し
たことを検知する排紙センサである。なお、本図では感
光ドラム20の周囲の作像プロセス部(初期帯電器,露光
器,現像器,クリーニング装置等)は省略している。
以上のように構成された電子写真記録装置における記録
動作及び熱定着器29のクリーニング方法を以下に説明す
る。
まず、記録時であるが、これは通常の電子写真記録装置
の記録時と全く同様の動作を行う。すなわち、まず、潜
像が形成され現像部を経てトナーが付着した感光ドラム
20が矢印方向に回転し、転写、剥離部28に達する。一
方、それに同期して記録紙21bが給紙ローラ22、繰り出
しローラ25によって転写、剥離部28まで搬送され、トナ
ー転写と記録紙の剥離が行われる。そしてその記録紙21
bが更に熱定着器29に達し、ハロゲンランプを内部に有
するヒートローラ29aの熱により記録紙21bへのトナー定
着が行われる。一方、記録紙21bは所定量だけ進むとカ
ッタ24で切断される。また、この記録時においては、記
録紙21bの搬送速度と定着ローラの周速はほぼ同じ程度
に設定している。
ここで、図示のように熱定着器29には、クリーニング装
置を設けていない。従来の定着器には、前記したように
ヒートローラの汚れを除去するためのクリーニング装置
が設けられている。これは、定着時にトナーがヒートロ
ーラ側にオフセットして後続の画像を汚す場合があり、
それを防ぐためである。
しかし、本発明者らが実験した結果、商品として用いら
れるトナーならば、そのトナーに対して適切な温度にヒ
ートローラ表面温度を設定したならば、ヒートローラ表
面のクリーニングを行わなくても、目に見えるようなオ
フセットはもちろん、画像を汚すようなオフセットは、
少なくとも千通程度の記録通紙オーダーでは発生しない
ことを確認した。従って、短期的にはクリーニング装置
を用いなくても特に問題とはならない。ただし、長期的
には、徐々に汚れが堆積し、それが目に見える様にな
り、記録紙の表裏を汚すようになるのも事実である。ま
た、記録紙ジャム発生時、特に定着部でのジャム発生時
には記録紙上の定着不良トナーがヒートローラに付着す
る場合があるため、その度に確実にクリーニングを行う
必要がある。
そこで、クリーニング装置を使用しない本発明のクリー
ニング方法について説明する。
まず、ヒートローラ29aのクリーニング方法を説明す
る。第1図に示すように、本装置では記録紙21bを搬送
する給紙ローラ22、繰り出しローラ25の駆動と、熱定着
器29のヒートローラ29aの駆動とを別個のモータ27,31で
行っている。従って、繰り出しローラ25による記録紙21
bの搬送速度とヒートローラ29aの周速とをお互い独立し
て制御することができる。そこで、非記録動作時におい
て、まず、モータ27,31を作動させて、記録紙21bを特に
記録は行わずに熱定着器29に搬送し、その記録紙21bが
ヒートローラ29aとバックアップローラ29b間に確実には
さまれた後(この状態は、例えば排紙センサ32で検出す
る)、繰り出しローラ25駆動用のモータ27を励磁した状
態で停止させ、ヒートローラ29aは引き続き回転させ
る。そうすると、記録紙21bは給紙ローラ22や繰り出し
ローラ25によって押えられるため走行せず、熱定着器29
では、ヒートローラ29aが記録紙21bを擦りながら空回り
をする。従って、その擦りによってヒートローラ29aに
付着した、トナーを中心とした汚れが記録紙21bに転写
され、ヒートローラ29a外面がクリーニングされる。ヒ
ートローラ29aがほぼ1回転すると、モータ27を僅かに
作動させて記録紙21bを若干進め、次いで再び記録紙を
停止させ、記録紙の新しい部分でヒートローラ29aを擦
り、クリーニングする。この動作を適宜回数繰り返した
後、カッタ24で記録紙21bを切断し、汚れた記録紙21bを
排出し、廃棄する。以上で1回のクリーニング動作が終
了する。このクリーニング動作は、図示しないシーケン
ス制御装置によって自動的に行われる。なお、クリーニ
ング動作の開始タイミングについては後述する。本発明
者の実験によると、5000通分程度を記録した際の汚れ
は、ヒートローラ29bを1回転させる毎に記録紙21aを若
干進める方法により、3回転で完全に除去することがで
きた。
この方法の場合、ヒートローラ29aを熱した状態で行う
のが良いことは事実であるが、クリーニングを擦りによ
る機械的な力で行っているため、常温で行うこともでき
る。但しヒートローラ29aへのダメージが増すため、基
本的には熱した状態で行うのが望ましい。
また、ヒートローラ29aと記録紙21bとは速度差されあれ
ば擦りが発生するため、確実に記録紙21bの走行を止め
る必要は特に無く、従って、そのために給紙ローラ22、
繰り出しローラ25のニップ圧を高めたりすることは不要
である。ただし、定着器29の搬送力が給紙ローラ22、繰
り出しローラ25のそれにより極端に大きい場合などは、
記録紙21bが逆に給紙ローラ22や繰り出しローラ25を滑
って引き出され、給紙ローラ22や繰り出しローラ25が記
録紙で擦られることとなる。従ってクリーニングの際に
この状態が常時発生してしまうため、それらのローラの
ゴム摩耗が多くなる。その様な場合には記録紙ロール21
aを回転しないように固定する方法がある。第2図は、
記録紙ロール21aが回転しないようにするための記録紙
走行ストッパの一例の要部を示すもので、21aは記録紙
ロール、33は記録紙スプール、33aはスプールの突起
部、34は装置本体側(図示せず)に固定されているソレ
ノイド、34aはその中で動くプランジャーである。動作
は至って簡単で、通常はプランジャー34aはソレノイド3
4の中に引っ込んでいて、記録紙の走行を止めたい場合
にスプール33側に飛び出させる。すると、突起部33aに
その先端が引っ掛かり、スプール33及びそれに保持され
た記録紙ロール21aの回転が妨げられ、記録紙の走行が
停止する。この様なストッパを用いる場合は、第1図に
おけるパルスモータ27を励磁した状態で止めておく必要
はなく、給紙ローラ22、繰り出しローラ25ともフリー状
態でよい。また、モータ27もパルスモータに限定される
ものではなく、例えばDCモータでもよい。
また、本実施例では、モータを2個用いていたが、モー
タ自体は1個とし、記録紙搬送系切り離し用のクラッチ
を設ける方法もある。その実施例を第3図に示す。第3
図において、35がモータ、36が記録紙搬送系ローラの回
転制御を行うクラッチ、37が記録紙ロール21aの回転を
止めるための記録紙走行ストッパである以外は、第1図
の場合と同様の構成である。ここで記録紙走行ストッパ
37としては、例えば、前述(第2図)の装置が用いられ
る。次に、動作を説明する。通常の記録時にはクラッチ
36が連結され、モータ35の駆動力が伝えられるため、給
紙ローラ22、繰り出しローラ25及びヒートローラ29aが
回転する。一方、クリーニング時には、少なくとも記録
紙21bの先端が熱定着器29の両ローラ間を通過するまで
は通常の記録時と同様であるが、その直後にクラッチ36
が切り離され、同時に記録紙走行ストッパ37が作動す
る。従って、この場合も熱定着器29においてヒートロー
ラ29aが、静止した記録紙21bを擦りながら空回りするた
め、その表面のクリーニングが行われる。
以上、本発明によるヒートローラのクリーニング方法に
ついてその動作を述べたが、次にそのクリーニングを行
うタイミング(時期)について述べる。まず、大原則と
してこのクリーニングは非記録時に行わなければならな
い。また、前述のように、通常のトナーを用いた場合、
画像を汚すようなヒートローラへのオフセットは千通記
録程度では発生しないことが実験によりわかった。従っ
て、本実施例に示したように、記録紙としてロール紙を
用いる場合には、ロール紙を装置にセットした際に、ク
リーニングを自動的に行う方法を採ることが望ましい。
何故ならば、一つにはロール紙の場合は1巻の記録紙長
が決まっていて、通常300通程度、多い場合でも500通程
度の記録で確実に交換され、従って記録画像を汚す程度
まで汚れが堆積することなく、定期的なクリーニングが
自動的に行われるからである。また、もう一つの利点と
して、通常、ロール紙を用いる装置の場合、装置へのセ
ット時に記録紙先端の位置合わせや、先端部の山型カッ
ト等を切り離す目的で、記録紙先端を所定の長さだけ繰
り出してカットし、排紙する動作を自動的に行う構成と
した場合が多い。その際に上記したクリーニングを自動
的に行う構成とすることにより、記録紙のロスを実質的
に解消できる。従って、この点からだけ考えてもロール
紙を用いる装置には、本発明は非常に適合している。一
方、カット紙を用いる装置においても本発明の効果は変
わりないが、ロール紙の場合と異なり、補充時の記録紙
枚数が不定であるため、記録装置のカウンタ等で記録通
数を管理し、所定の通数毎に自動的にクリーニングを行
わせる方法がよい。ただし、この場合、連続した記録を
行っている際にカウンタが所定の通数に達しクリーニン
グが自動的に行われると、正規の記録物の間にクリーニ
ングに用いた汚れた記録紙が入り込むという問題が発生
する。従ってこの様なことが発生するのを防止するた
め、例えば連続記録時にクリーニング時期(通数)に達
した場合には、一連の記録が終わるまで待ってからクリ
ーニングを行う制御回路を装置側に備えることが好まし
い。この制御回路としては、例えば、記録終了後、所定
の時間が経過しても次の記録が行われない場合を、記録
終了と判断し、クリーニングを開始する機能を備えたも
のとすることができる。
以上、ロール紙、カット紙を用いた場合のヒートローラ
の定期的なクリーニングについて述べてきた。クリーニ
ングはこの様な定期的なものとは別に、トラブル発生
時、特に定着部における記録紙ジャム時には逐次行う必
要がある。従って、ジャム発生時には、定期クリーニン
グと同じ動作を自動的に行う構成とすることが好まし
い。
次に、バックアップローラ29b(第1図、第3図参照)
のクリーニング方法について説明する。バックアップロ
ーラ29bは通常は記録紙の背面に接触するので、記録紙
に付着したトナーによって汚れることはほとんどない。
しかしながら、記録紙が介在しない時には、ヒートロー
ラ29aと接触して回転しており、且つヒートローラ29aを
定着温度に昇温している状態では、トナーのヒートロー
ラに対する付着力よりもバックアップローラに対する付
着力が大きいため、ヒートローラに付着していたオフセ
ットトナーがバックアップローラ側に転移し、バックア
ップローラが汚れることとなる。特に、上記したよう
に、定着部でのジャム発生により大量のトナーがヒート
ローラに付着した際には、バックアップローラにも多く
のトナーが付着し、クリーニングの必要が生じる。
バックアップローラ29bは、一般にシリコンゴムででき
ており、しかも従動ロールである場合が多い。従って前
述のヒートローラクリーニングと同じ方法を用いること
は難しい。そこで本発明では、温度によるトナーのヒー
トローラやバックアップローラへの付着力の変化を利用
する方法を用いる。前記したように、ヒートローラを定
着温度(例えば、160〜170℃)とした状態では、ヒート
ローラ29aとバックアップローラ29bとを転接させるとト
ナーがヒートローラ側からバックアップローラ側に転移
する。ところが、このヒートローラ温度を低下させ、或
る温度領域に保ちながらヒートローラとバックアップロ
ーラとを転接させると、バックアップローラに付着して
いた汚れがヒートローラ側に転移することが判明した。
本発明者が、このバックアップローラからヒートローラ
へのトナー移動の発生する温度領域を調べたところ、下
記の結果が得られた。
条件 ヒートローラ表面 :PFA被覆 バックアップローラ表面:シリコンゴム (RTV) 周速 :70mm(sec) トナーバインダ樹脂 :スチレン−アクリル
系 結果 (バックアップローラからヒートローラへの トナー転移の生じる温度領域) ヒートローラ表面温度TH=100〜130℃ バックアップローラ 表面温度TB=TH±5℃ 本発明方法では、この現象を利用してバックアップロー
ラ29bのクリーニングを行う。すなわち、非記録動作時
に、ヒートローラ29aとバックアップローラ29bを転接さ
せた状態で、ヒートローラ29aを定着温度から自然放熱
等によって上記温度領域に冷却し、或いは常温状態から
上記温度領域に昇温させる。これにより、バックアップ
ローラ29b表面温度も上記温度範囲となり、バックアッ
プローラ29bに付着していたトナー汚れがヒートローラ
側にオフセットされ、バックアップローラ29bのクリー
ニングが行われる。なお、上記したバックアップローラ
からヒートローラへのトナー転移が生じる温度範囲は、
トナー特性、ローラ表面特性等によって変るので、トナ
ー特性、ローラ表面特性等に応じて適当な温度範囲な選
定をすればよい。
バックアップローラ29bのクリーニング動作を終了した
後は、前記したヒートローラのクリーニング方法を実施
することにより、ヒートローラの汚れも除去できる。従
って、クリーニング装置を用いることなく、バックアッ
プローラ29b及びヒートローラ29aのクリーニングを行う
ことができる。
バックアップローラ29bからヒートローラ29aへのトナー
転移現象が起こる理由は必ずしもはっきりしないが、次
の様に考えられる。第1に、この場合のトナーは一種の
ホットメルト型と見なすことができ、被着物(この場合
はヒートローラやバックアップローラ)への付着力が温
度によって変化すると言うことと、第2にヒートローラ
とバックアップローラとでは表面状態(表面粗さ、表面
エネルギー等)が異なると言うことである。
ここでトナーとヒートローラやバックアップローラとの
トータルの付着力をそれぞれFH,FBとし、その構成要因
を考えてみる。以下にそれを示す。
FH=FT+FTH FB=FT+FTB ここで、FH:トナーのヒートローラへのトータル 付着力 FB:トナーのバックアップローラへのト ータル付着力 FT:温度Tにおけるトナーの凝集力 FTH:温度Tにおけるトナーのヒートロー ラへの吸着力 FTB:温度Tにおけるトナーのバックアッ プローラへの吸着力 そこでトナー凝集力とヒートローラ、バックアップロー
ラへの吸着力を分け、各々の力の温度に対する依存性を
考えてみる。
トナー凝集力FT 熱定着トナーのバインダーには熱可塑性樹脂が用いられ
ている。そこでトナーの凝集力の温度特性をモデル的に
表したのが第4図である。ここで横軸は温度T、縦軸は
トナー凝集力FTを表している。トナーの最初の状態は粉
体であるため、トナー粒子同志の凝集力は小さい。そし
て温度上昇と共に溶融し、凝集力が増す(図中PH1)。
そして所定の温度に達するとピークを迎え、その後は逆
に凝集力は減少する。この状態からトナーを冷却する
と、凝集力は増加する(図中PH2)。従って、一旦溶融
したトナーに対し、加熱、冷却を行う場合、凝集力はお
およそ図中PH2のような軌跡に沿った変化をする。これ
より、トナーの被着物への付着力のうち、凝集力の点か
ら考えると、溶融した状態のトナーが二つの被着物(表
面材質、状態は同じとする)と接していて、その状態か
ら冷却される場合、早く温度低下した方がトナーの付着
力は大きいということになる。そこで、この考え方をバ
ックアップローラとヒートローラの場合について当ては
めてみる。
まず、構造的には、一般にヒートローラは中空の金属管
でできているのに対し、バックアップローラは金属シャ
フトの回りにシリゴンゴム層が形成された形となってい
る。従って熱容量を比較すると、通常の場合、バックア
ップローラの方が大きいということになる。このことに
より、両ローラの表面温度の時間特性をモデル的に表す
と第5図のような関係となる。第5図において横軸は経
過時間t、縦軸はローラの表面温度Tを表す。ここで横
軸の見方としては、ローラ加熱時は時間tは図中右に向
かって進み、冷却時は図中左側に向かうものとする。ま
た、縦軸において、原点の0は常温(室温)を表してい
る。更に図中の記号は次の通りである。
TH :ヒートローラ表面温度 TH1 :加熱時のヒートローラ表面温度 TH2 :冷却時のヒートローラ表面温度 TB :バックアップローラ表面温度 TB1 :加熱時のバックアップローラ表面温度 TB2 :冷却時のバックアップローラ表面温度 THF :設定定着温度におけるヒートローラ表面温度 THB :設定定着温度におけるバックアップローラ表面温
度 ここで、加熱とはヒートローラ内部のハロゲンランプの
点灯を指し、冷却とはそれが消燈し、自然放熱している
状態を指す。
図から判るように、加熱時及び定着温度に保持されてい
る間は、 TH>TB ……(1) という関係が常に成り立つ。これはヒートローラが内部
に発熱体であるハロゲンランプを有しているのに対し、
バックアップローラがヒートローラとの転接による間接
的な加熱しかされず、しかも熱容量が大きいということ
を考え合わすと当然のことである。
一方、ハロゲンランプを消燈し、両ローラが冷却する場
合は、今度は熱容量が大きい分だけバックアップローラ
の温度低下が遅れ、図中斜線で示す領域のように、 TH<TB ……(2) という関係になる場合がある。従って、この場合はもち
ろん、(1)式のような関係でも両ローラの表面温度が
近接した領域であるならば、凝集力以外の要因による力
のバランスによっては、通常バックアップローラに付着
しているトナーがヒートローラへ移動(オフセット)す
ることが十分に考えられることがわかった。
次に、吸着力について考える。
吸着力FTH,FTB バックアップローラからヒートローラへのトナー移動は
本発明者の実験によると、設定定着温度より低い温度領
域において、トナーがある程度の粘性を有している場合
にのみ発生していた。従って、このことから考えると、
トナーの両ローラへの吸着力は主にトナーと被着物との
界面における粘着力とファンデルワールス力で代表され
てよい。そこで、トナーのバインダーに用いられている
熱可塑性樹脂の粘着力とファンデルワールス力の温度依
存性について考え、モデル的に表す。第6図はトナー粘
着力の温度依存性を表したもので、横軸は温度T、縦軸
はトナー粘着力Fcである。第7図はトナーと被着物の界
面におけるファンデルワールス力を分子レベルで考えた
場合の温度依存性をモデル時に表したもので横軸に温
度、縦軸にファンデルワールス力の大きさをとってい
る。これらのグラフから、粘着力はトナーを常温から加
熱して温度上昇させると増加し、所定の温度でピークを
迎え、それ以降は逆に減少に転じる。一方、ファンデル
ワールス力は温度上昇により分子運動が活発になり、力
自体は減少する。ただし、これは前提条件としてトナー
が十分に溶融した上で冷却されて固着した状態から再度
加熱した場合である。また、これはモデル図であって、
力の絶対値を合わすものではなく、被着物の表面形状
(粗さなど)や表面を形成する材料の表面エネルギーの
大きさにより、力の絶対値が大きく変わるのは言うまで
もない。
そこで、更に下記の項目を考慮に入れ、粘着力とファン
デルワールス力とを加え各々のローラへの吸着力を考え
てみる。
ヒートローラ表層構成材料:フッ素樹脂(PTE,PFA等) バックアップローラ 〃 :シリコンゴム 表面エネルギー:シリコンゴム>フッ素樹脂 表面粗さ:シリコンゴム>フッ素樹脂 このことにより、トナーの粘性が低い場合、例えば設定
定着温度付近(例えば、160〜170℃)では表面構成材料
の“濡れ性”の差からトナーはバックアップローラとの
吸着力の方が大きく、トナーの粘性が高くなる領域(例
えば、110〜140℃)では、表面の平滑度の差によるファ
ンデルワールス力の差により、ヒートローラとの吸着力
の方が大きくなることが十分に考えられる。この状況を
表したのが第8図である。横軸には温度T、縦軸には各
々のローラへの吸着力FTH,FTBをとっている。温度がTa
とTbとの間の領域では吸着力が、 FTH>FTB という関係となる。なお、このグラフにおいて設定定着
温度は通常Tbより高温側に設定する。
以上、トナーの凝集力と両ローラへの吸着力との組み合
わせにより、特定の温度領域ではバックアップローラに
付着しているトナーをヒートローラ側へ移動させること
ができることが説明できる。
以上、本発明者の実験結果を元にローラ間のトナー移動
が起こる原因を考察してみた。このことはトナーのバイ
ンダーに熱可塑性樹脂を用いているならば、基本的には
この特性を有していると考えられる。
さて、以上述べたようなバックアップローラのクリーニ
ング方法は、前記した記録紙擦りによるヒートローラク
リーニング方法と組み合わせて用いることにより、特に
メンテナンス周期の長期化の点で最も効果的である。し
かし、それに補らわれるものではなく、通常のフェル
ト、ブレード等を用いる(ヒートローラの)クリーニン
グ方法と組み合わせて使用することも可能であり、バッ
クアップローラの汚れによる記録紙裏汚れを防止する方
法として非常に有効である。
最後に本発明による熱定着器クリーニング方法のヒート
ローラ、バックアップローラの寿命との関係について述
べる。まず、記録紙による擦りを利用したヒートローラ
クリーニングについては次の通りである。すなわち、両
ローラ間のニップ圧や、クリーニング間隔(記録通数)
等の条件にもよるが、基本的には常時圧接している従来
のフェルトクリーニングやブレードクリーニングよりは
格段に寿命が伸びることが確実である。
一方、バックアップローラクリーニングにおいては、機
械的な力は特に用いず、しかも定着温度より低温で且
つ、トナーも固化しない領域での動作であるため、バッ
クアップローラの寿命には何等影響を与えることはな
い。
発明の効果 以上の説明から明らかなように、本願第一の発明は、非
記録動作時に、熱定着器のヒートローラとバックアップ
ローラとの間に記録紙を供給し、前記ヒートローラとバ
ックアップローラとで記録紙をはさんだ状態で、前記記
録紙の走行速度とヒートローラの周速との間に速度差を
生じさせることにより、ヒートローラの汚れを記録紙に
擦り取らせることができ、従来使用しているようなクリ
ーニング装置を用いることなく、ヒートローラをクリー
ニングすることができる。このため、クリーニング装置
を必要としないので、装置構成を簡略化でき、且つクリ
ーニング装置の部品交換等は全く必要ないので、熱定着
器のメンテナンス周期の長期化、寿命の長期化を図るこ
とができるという効果を有している。
また、本願第二の発明は、非記録動作時に、熱定着器の
ヒートローラとバックアップローラとを相互に接触させ
て回転させ、その回転中に、ヒートローラ表面温度及び
バックアップローラ表面温度を、ヒートローラ表面とト
ナーとの間の付着力が、バックアップローラとトナーと
の間の付着力よりも大きくなる温度範囲とすることによ
り、バックアップローラの汚れをヒートローラに転移さ
せ、バックアップローラをクリーニングすることができ
るという効果を有している。
更に、本願第三の発明は、上記第二の発明のバックアッ
プローラのクリーニング方法と第一の発明のヒートロー
ラのクリーニング方法とを組み合わせることにより、ま
ずバックアップローラの汚れをヒートローラに転移さ
せ、次いでそのヒートローラの汚れを記録紙に擦り付け
て除去することができ、従来のようなクリーニング装置
を使用することなく、バックアップローラ、ヒートロー
ラの両ローラをクリーニングでき、熱定着器の装置構成
を簡略化すると共に、熱定着器のメンテナンス周期の長
期化、寿命の長期化を図ることができるという効果を有
している。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法の実施に使用する電子写真記録装
置の概略構成を示す側面図、第2図は記録紙ロールの回
転を阻止するために使用する記録紙走行ストッパの要部
概略斜視図、第3図は本発明の方法の実施に使用する電
子写真記録装置の他の例を示す概略側面図、第4図〜第
8図は定着部のトナーに働く各力の温度依存性を説明す
るためのグラフであり、第4図はトナー凝集力と温度と
の関係を示すグラフ、第5図は熱定着器の各ローラ表面
温度と時間との関係を示すグラフ、第6図はトナー粘着
力と温度との関係を示すグラフ、第7図はファンデルワ
ールス力と温度との関係を示すグラフ、第8図はトナー
吸着力と温度との関係を示すグラフ、第9図は従来の熱
定着器の概略構成を示す側面図である。 20…感光ドラム、21a…記録紙ロール、21b…記録紙、22
…給紙ローラ、22a…駆動ローラ、22b…従動ローラ、24
…カッタ、25…繰り出しローラ、25a…駆動ローラ、25b
…従動ローラ、27…モータ、28…転写,剥離部、29…熱
定着器、29a…ヒートローラ、29b…バックアップロー
ラ、31…モータ、32…排紙センサ、33…記録紙スプー
ル、33a…突起部、34…ソレノイド、35…モータ、36…
クラッチ、37…記録紙走行ストッパ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 21/10 (72)発明者 二木 清 東京都目黒区下目黒2丁目3番8号 松下 電送株式会社内 (72)発明者 高田 弘太郎 東京都目黒区下目黒2丁目3番8号 松下 電送株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−284377(JP,A) 特開 昭60−263182(JP,A) 特開 昭63−274980(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非記録動作時に、熱定着器のヒートローラ
    とバックアップローラとの間に記録紙を供給し、前記ヒ
    ートローラとバックアップローラとで記録紙をはさんだ
    状態で、前記記録紙の走行速度とヒートローラの周速と
    の間に速度差を生じさせ、ヒートローラの汚れを記録紙
    で除去することを特徴とする熱定着器クリーニング方
    法。
  2. 【請求項2】非記録動作時に、熱定着器のヒートローラ
    とバックアップローラとを相互に接触させて回転させ、
    その回転中に、ヒートローラ表面温度及びバックアップ
    ローラ表面温度を、ヒートローラ表面とトナーとの間の
    付着力が、バックアップローラとトナーとの間の付着力
    よりも大きくなる温度範囲とし、バックアップローラの
    汚れをヒートローラに転移させることを特徴とする熱定
    着器クリーニング方法。
  3. 【請求項3】非記録動作時に、熱定着器のヒートローラ
    とバックアップローラとを相互に接触させて回転させ、
    その回転中に、ヒートローラ表面温度及びバックアップ
    ローラ表面温度を、ヒートローラ表面とトナーとの間の
    付着力が、バックアップローラとトナーとの間の付着力
    よりも大きくなる温度範囲とし、バックアップローラの
    汚れをヒートローラに転移させ、次いで、前記ヒートロ
    ーラとバックアップローラとの間に記録紙を供給し、前
    記ヒートローラとバックアップローラとで記録紙をはさ
    んだ状態で、前記記録紙の走行速度とヒートローラの周
    速との間に速度差を生じさせ、ヒートローラの汚れを記
    録紙で除去することを特徴とする熱定着器クリーニング
    方法。
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