JPH0768305B2 - ポリビニルアセトアセタール樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリビニルアセトアセタール樹脂の製造方法

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JPH0768305B2
JPH0768305B2 JP14899688A JP14899688A JPH0768305B2 JP H0768305 B2 JPH0768305 B2 JP H0768305B2 JP 14899688 A JP14899688 A JP 14899688A JP 14899688 A JP14899688 A JP 14899688A JP H0768305 B2 JPH0768305 B2 JP H0768305B2
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研一 朝比奈
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はポリビニルアセトアセタール樹脂の製造方法に
関し、特に、高アセタール化度であり且つ粒径のバラツ
キが小さい樹脂が比較的短時間で得られるポリビニルア
セトアセタール樹脂の製法に関する。
(従来の技術) ポリビニルアセトアセタール樹脂の製造方法は、ポリビ
ニルブチラール樹脂ほど研究されていない状況であり、
その反応条件は余り知られていないのが現状である。
本発明者等の知見によればポリビニルアセトアセタール
樹脂の製法上の問題点は以下の通りである。
アセトアルデヒドとポリビニルアルコールとの反応性が
低いために、水相中に析出させる迄の時間がポリビニル
ブチラール樹脂に比較して長時間を必要とする。
また、ポリビニルアルコールとアセトアルデヒドとの初
期の反応によって得られる低アセタール化物が水溶性を
有するため、水相中では水分子がアセタール化物の未反
応水酸基と水和状に結合し、アセトアルデヒドによる攻
撃から該水酸基を保護していると考えられ、このことか
ら、高アセタール化度の樹脂を得ることが難しい。
このポリビニルアセトアセタール樹脂のアセタール化度
を高める方法としては、使用する酸触媒を増量し、且つ
その低アセタール化物が水溶性であるポリビニルアセト
アセタール樹脂特有の性質を利用して、アルデヒドを投
入後、所定温度で一定時間以上保持することにより、そ
の低アセタール化物とアセトアルデヒドとをさらに反応
させる方法が挙げられる。
(発明が解決しようとする課題) 上記方法では、比較的アセタール化度の高いポリビニル
アセタール樹脂が得られるが、得られた樹脂は粒径のバ
ラツキが大きいという欠点があった。
樹脂の粒径にバラツキを生じる原因は以下のように推測
される。
ポリビニルアルコールとアセトアルデヒドとが反応する
際の温度の変動は、アセタール化度の上昇度合を変動さ
せ、そのアセタール化度の上昇度合の変動は析出する樹
脂の一次粒子の大きさを変化させる。そして、この一次
粒子の大きさの変化が樹脂粒子のその後の粒径分布を決
定づける主な要因となっているのである。
従って、得られる樹脂の粒度分布を狭くするためには、
反応温度を厳格に制御しなければならないが、このよう
な反応温度を厳格に制御するためには、撹拌熱、外気温
度、反応熱など内的、外的要因を全て制御する必要があ
って、設備費が高くなる欠点がある。
本発明は上記欠点を解決するものであり、その目的は、
アセタール化度が高く、しかも粒径分布の狭いポリビニ
ルアセトアセタール樹脂を厳格な温度制御を必要としな
い比較的安価な設備で、比較的短時間に製造することが
できるポリビニルアセトアセタール樹脂の製造方法を提
供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明のポリビニルアセトアセタール樹脂の製造方法
は、酸触媒の存在下に水相中でポリビニルアルコールと
アセトアルデヒドとを反応させてポリビニルアセトアセ
タール樹脂を製造する方法であって、前記アセトアルデ
ヒドの全量をポリビニルアルコールと混合し終わる前、
又はアセトアルデヒドの全量をポリビニルアルコールと
混合すると同時に、炭素数3以上のアルデヒドをポリビ
ニルアルコール中のビニルアルコールユニット2モルに
対して0.002モル〜0.2モル混合する工程と、ポリビニル
アルコールとアセトアルデヒド及び炭素数3以上のアル
デヒドとの反応によってアセタール化物を析出させる工
程とを包含しており、そのことにより上記目的が達成さ
れる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
まず、ポリビニルアルコールを水に完全に溶解させ、ま
たこの水に酸触媒を加えてポリビニルアルコール水溶液
を調製する。こゝでポリビニルアルコールは、重合度30
0〜3500のものが通常使用され、ケン化度88.0〜99.5モ
ル%のものが好適に使用される。水に溶解されるポリビ
ニルアルコールの量は、水溶液に対して4〜15重量%と
するのが好ましい。酸触媒の添加量は、通常、水溶液に
対して4〜10重量%とする。酸触媒の添加量が水溶液に
対して4重量%未満の場合には、一般にアセタール化が
充分に進行せず製造時間が長くなり、10重量%を越える
場合には、過剰の酸によってアセトアルデヒドがアルド
ール縮合を起こすため、得られるポリビニルアセトアセ
タール樹脂が着色するおそれがある。使用し得る酸触媒
には、例えば、塩酸、硫酸、硝酸があり、特に塩酸が好
ましい。
次に、このようにして調製したポリビニルアルコール水
溶液とアセトアルデヒド及び炭素数3以上のアルデヒド
とを混合してポリビニルアルコールとアセトアルデヒド
及び炭素数3以上のアルデヒドとを反応させる。炭素数
3以上のアルデヒドは、アセトアルデヒドの全量をポリ
ビニルアルコール水溶液と混合し終わる前、又はアルデ
ヒドの全量をポリビニルアルコール水溶液と混合すると
同時に、該水溶液と混合してポリビニルアルコールと反
応させる。
ここで、ポリビニルアルコールとアセトアルデヒド及び
炭素数3以上のアルデヒドとを混合する形態は、例え
ば、以下の方法を採用することができる。
タンクに入れたポリビニルアルコール水溶液に炭素数
3以上のアルデヒドの全量を投入し、所定時間の後、こ
のタンク内にアセトアルデヒドの全量を投入して反応に
供する。
タンクに入れたポリビニルアルコール水溶液に、炭素
数3以上のアルデヒドの全量とアセトアルデヒドの全量
とを同時に投入することにより、ポリビニルアルコール
と炭素数3以上のアルデヒド及びアセトアルデヒドとを
共に反応に供する。
ここにおいて、炭素数3以上のアルデヒドとアセトアル
デヒドとを同時に投入するとは、次の場合を含めるもの
とする。
上記の場合を除いて、タンク内に炭素数3以上のアル
デヒドを投入した直後に、アセトアルデヒドを投入する
場合、タンク内にアセトアルデヒドを投入した直後に炭
素数3以上のアルデヒドを投入する場合、およびタンク
内に炭素数3以上のアルデヒドとアセトアルデヒドとを
所定時間内で一緒に投入する場合、炭素数3以上のアル
デヒドとアセトアルデヒドとを混合した混合アルデヒド
をタンク内に投入する場合等。
タンクに入れたポリビニルアルコール水溶液に、アセ
トアルデヒドを所定時間をかけて投入すると共に、その
アセトアルデヒドの投入の間に炭素数3以上のアルデヒ
ドをタンク内に投入する。又はこの逆の場合。
タンクに入れた炭素数3以上のアルデヒドまたは/及
びアセトアルデヒドにポリビニルアルコールを投入する
場合。
なお、タンク内に入れられた各液体は通常の撹拌装置に
よって常時撹拌・混合するのが好ましいが、上記各液体
の投入の際、あるいは投入時を含めた反応の際に撹拌を
停止したり、撹拌速度を遅くしても良い。
本発明で使用し得る炭素数3以上のアルデヒドとして
は、例えば、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒ
ド、2−エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルア
ルデヒド、ベンズアルデヒド、ベンズアセトアルデヒド
等が挙げられるが、例示したものに限らない。この炭素
数3以上のアルデヒドは上記した各アルデヒドを単独で
用いてもよく、あるいは併用することもできる。炭素数
3以上のアルデヒドの添加量は、ポリビニルアルコール
中のビニルアルコールユニット2モルに対して0.002モ
ル〜0.2モル、好ましくは0.005モル〜0.15モルとする。
添加量が、0.002モルを下回る場合には、後述するよう
に得られるポリビニルアセトアセタール樹脂の粒径分布
を狭くする効果は小さい。0.2モルを越える場合には、
相対的にアセトアルデヒドによる樹脂のアセタール化部
分の割合が低下するため、ポリビニルアセトアセタール
樹脂の特性が得られ難い。
アセトアルデヒドの添加量は、良好な物性を得るために
ビニルアルコールユニット2モルに対して0.7〜2.2モル
とするのが好ましい。さらに、反応温度は8〜17℃の範
囲で実施するのが好ましい。
このようにしてポリビニルアルコールと炭素数3以上の
アルデヒド及びアセトアルデヒドとを反応させると、ア
セタール化が徐々に進行して反応物であるアセタール化
物が水溶性から非水溶性へ変化していくためにアセター
ル化物が比較的容易に析出してくる。ここで、反応温度
が8℃未満の場合には、アセタール化物の析出に長時間
を要する上に、得られるポリビニルアセトアセタール樹
脂の粒径にバラツキを生じ易く、反応温度が17℃を越え
る場合には、アセタール化物の溶解限界点が低下するた
め、低アセタール化物の析出を生じる傾向にある。この
低アセタール化物は巨大粒子状となっており、アセトア
ルデヒドがさらに反応し難いため、アセタール化がそれ
以上進行することがなく、従って、高アセタール化度の
ポリビニルアセトアセタール樹脂が得られないこととな
る。
アセタール化物が析出した後の反応系の温度は特に限定
されないが、例えば25〜40℃の温度範囲で1〜2時間以
上保つのが好ましい。
その後、通常行われている方法で、酸触媒の中和、塩の
除去、未反応アルデヒドの除去を行い、乾燥工程を経て
粉末状のポリビニルアセトアセタール樹脂が得られる。
このようにして製造されたポリビニルアセトアセタール
樹脂のアセタール化度は、一般に65モル%以上であり、
アセトアルデヒドによるアセタール化部分の割合は通
常、全アセタール化部分の約85重量以上%である。ま
た、粒子の平均粒径は一般に30〜60μmである。さら
に、粒子の粒度分布を示す指標として、この樹脂に含ま
れる100μm以上の粗大粒子及び10μm以下の微細粒子
の割合を測定すると、該粒子は夫々樹脂全体量の0.5重
量%以下である。なお、上記した反応の諸条件について
は、適宜変更することができ、反応条件の範囲外であっ
ても、本発明の趣旨を逸脱するものではない。
上記したように、炭素数3以上のアルデヒドをポリビニ
ルアルコールに添加することにより、炭素数3以上のア
ルデヒドによるビニルアセタール環が形成され、ここで
生成するアセタール化部分は疎水性であるので、従来の
ようにポリビニルアルコールとアセトアルデヒドとだけ
を反応させる場合に比べて、アセタール化物が析出し易
いと共に、均一な粒径のアセタール化物が析出し易いの
である。
これは、炭素数3以上のアルデヒドの添加により、疎水
性のアセタール化部分が形成されてアセタール化物全体
の水に対する溶解限界点(水に対する限界アセタール化
度)が低下することと、早期に均一な核を形成しつつア
セタール化物が析出することに起因するものと推察され
る。
(実施例) 以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
尚、樹脂の組成分析は、先ずJIS K 6728「ポリビニルブ
チラール試験方法」に準拠して、2種のアルデヒドによ
ってアセタール化された部分の重量%を、測定法によっ
て算出した。又、同じくJIS K 6728に基いてビニルアセ
テート部分の割合(重量%)を算出し、ビニルアルコー
ル部分は、上記2成分を100から減ずることにより算出
した。
一方樹脂を、流延法等により厚さ数十μm程度の膜に調
製し、その赤外吸収スペクトルから混合アルデヒドの夫
々のアルデヒドによるアセタール化部分の割合を算出し
た。
又ポリビニルアルコールの重合度は、実施例4で1700、
実施例7で1000のものを用いた以外は比較例も含めて全
て2400のものを用いた。
実施例1 撹拌羽根を備えた5lのセバラブルフラスコに純水2810g
を入れ、これにポリビニルアルコール(重合度2400、ケ
ン化度98.8モル%)220gを加えて撹拌することにより、
ポリビニルアルコールを水に完全に溶解させた。次に、
この溶液を20℃に保ち、これに35重量%濃度の塩酸645g
を加えた。その後、液温を10℃まで下げて、このフラス
コ内にブチルアルデヒドを3.6g(ビニルアルコールユニ
ット2モルに対して0.02モル)添加した。添加後、5分
間放置し、次いでフラスコ内にアセトアルデヒド143gを
加えたところ、50分後にアセタール化物が析出した。続
いて、この反応系を35℃に昇温して4時間この温度で保
った後、水洗及び中和して、溶液に含まれる触媒、塩及
び未反応のアルデヒドを除去し、微粒子状のポリビニル
アセトアセタール樹脂を得た。
得られた樹脂のアセタール化度は75.3モル%であった。
また、この樹脂の平均粒径は35μmであった。この樹脂
に含まれる100μm以上の粗大粒子は樹脂全体量の0.1重
量%、10μm以下の微細粒子は樹脂全体量の0.1重量%
であった。
実施例2〜7 表1に示すように、ポリビニルアルコールの重合度、反
応温度、ビニルアルコールユニット2モルに対するアセ
トアルデヒドの添加モル数、炭素数3以上のアルデヒド
の種類とその添加量、アセトアルデヒドの投入時を基準
とした時の炭素数3以上のアルデヒドの投入時期等を変
えた以外は、実施例1と同様にして微粒子状のポリビニ
ルアセトアセタール樹脂を製造した。但し、塩酸触媒の
水溶液濃度は、実施例3及び7では5重量%、実施例4
では4重量%とした以外は全て6重量%とした。また、
得られた樹脂の平均粒径、粗大粒子及び微細粒子を実施
例1と同様にして測定した。それらの結果を表1にまと
めて示す。
比較例1 添加するブチルアルデヒドの量をビニルアルコールユニ
ット2モルに対して0.001モルとした以外は、実施例1
と同様にしてポリビニルアセトアセタール樹脂を製造し
た。
得られた樹脂の平均粒径、粗大粒子及び微細粒子を実施
例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。比較例
1の樹脂の平均粒径は、各実施例の平均粒径とほぼ同等
であるが、比較例1の樹脂に含まれる粗大粒子及び微細
粒子の割合は、各実施例と比較して多く、樹脂の粒度分
布が広いことが分る。又、析出に要する時間が長い。
比較例2 ブチルアルデヒドを添加しないで実施した以外は実施例
1と同様にしてポリビニルアセトアセタール樹脂を製造
した。比較例2の樹脂の平均粒径は、各実施例の平均粒
径とほぼ同等であるが、比較例2の樹脂に含まれる粗大
粒子及び微細粒子の割合は、各実施例と比較して多く、
樹脂の粒度分布が広いことが分かる。又析出に要する時
間が長い。
(発明の効果) このように、本発明によれば、炭素数3以上のアルデヒ
ドをポリビニルアルコールに対して所定量添加している
ので、反応温度に大きく影響されることなくほぼ均一な
粒径のアセタール化物を短時間に析出させて、ポリビニ
ルアセトアセタール樹脂の粒径分布を狭めることができ
る。
従って、従来のように、反応温度を厳格に制御する高価
な設備を必要とすることなく、高アセタール化度を有
し、且つ粒度分布の狭いポリビニルアセトアセタール樹
脂を短時間に得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸触媒の存在下に水相中でポリビニルアル
    コールとアセトアルデヒドとを反応させてポリビニルア
    セトアセタール樹脂を製造する方法であって、 前記アセトアルデヒドの全量をポリビニルアルコールと
    混合し終わる前、又はアセトアルデヒドの全量をポリビ
    ニルアルコールと混合すると同時に、炭素数3以上のア
    ルデヒドをポリビニルアルコール中のビニルアルコール
    ユニット2モルに対して0.002モル〜0.2モル混合する工
    程と、ポリビニルアルコールとアセトアルデヒド及び炭
    素数3以上のアルデヒドとの反応によってアセタール化
    物を析出させる工程とを包含すること特徴とするポリビ
    ニルアセトアセタール樹脂の製造方法。
JP14899688A 1988-06-16 1988-06-16 ポリビニルアセトアセタール樹脂の製造方法 Expired - Lifetime JPH0768305B2 (ja)

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