JPH0768802A - 記録材気化又は昇華装置、記録方法及び記録装置 - Google Patents

記録材気化又は昇華装置、記録方法及び記録装置

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JPH0768802A
JPH0768802A JP16869693A JP16869693A JPH0768802A JP H0768802 A JPH0768802 A JP H0768802A JP 16869693 A JP16869693 A JP 16869693A JP 16869693 A JP16869693 A JP 16869693A JP H0768802 A JPH0768802 A JP H0768802A
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JP
Japan
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recording
dye
heat
recording material
thermal conductivity
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Pending
Application number
JP16869693A
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English (en)
Inventor
Eiki Hirano
栄樹 平野
Hidemi Tomita
秀実 冨田
Kenji Shinozaki
研二 篠崎
Hiroyuki Shioda
裕之 塩田
Masanori Ogata
政徳 尾形
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 固体染料12がヒータ16によって加熱されて液
状染料12’となり、光熱変換体21に供給される。半導体
レーザチップ18からのレーザ光Lが光熱変換体21上の染
料を選択的に照射し、気化させる。気化した染料12”
は、間隙17を通って被記録紙50の受像層50aに移行し、
定着されて記録がなされる。記録部10の周囲は、アルゴ
ンその他の不活性ガスIG又は実質的に真空Vとしてあ
る。 【効果】 染料と被記録紙とが間隙を隔てて非接触とし
ているので、インクシートが不要であり、記録後に廃棄
物が発生しない。また、染料のみに加熱エネルギーを供
給するので熱効率が高い。更に、記録部周囲を空気より
も熱伝導率が低い不活性ガス又は真空にしているので熱
の放出が少なく、熱効率が更に高くなる。その結果、記
録濃度が高く、鮮明な記録が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録材気化又は昇華装
置、記録方法及び記録装置にに関し、更に詳述すれば、
熱記録に好適な記録材気化又は昇華装置、この記録材気
化又は昇華装置を使用して記録する方法及び前記記録材
気化又は昇華装置を具備する記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオカメラ、テレビジョン、コ
ンピュータグラフィクス等の画像記録のカラー化が進む
につれ、ハードコピーのカラー化に対するニーズが急速
に高まっている。これに対応して、色々な方式のカラー
プリンタが開発され、様々な分野に展開している。
【0003】これらの記録方式の中で、適当なバインダ
樹脂中に高濃度の転写染料の分散するインク層が塗布さ
れいてるインクシートと、転写された染料を受容する染
着樹脂がコーティングされた印画紙等の被転写体を、一
定の圧力で密着させ、インクシート上に位置する感熱記
録ヘッドから画像情報に応じた熱が加えられ、インクシ
ートから受像層に加えられた熱量に応じた転写染料を熱
転写させる方式がある。
【0004】上記の操作を、減法混色の三原色即ち、イ
エロー、マゼンタ、シアンに分解された画像信号につい
て夫々繰り返すことで、連続的な階調を持つフルカラー
画像を得ることを特徴とする、所謂熱転写方式は、小型
化、保守が容易で、即時性を備え、銀塩カラー写真並の
高品位な画像を得る優れた技術として注目を集めてい
る。
【0005】図17は、こうした熱転写方式のプリンタの
要部の概略正面図である。
【0006】感熱記録ヘッド(以下、サーマルヘッドと
呼ぶ)61とプラテンローラ63とが対向し、これらの間
に、ベースフィルム62b上にインク層62aを設けたイン
クシート62と、紙70b上に染着樹脂層70aを設けた被記
録紙(被転写体)70とが挟まれ、これらが回転するプラ
テンローラ63によってサーマルヘッド61に押し付けられ
て走行する。
【0007】そして、サーマルヘッド61によって選択的
に加熱されたインク層62a中のインク(転写染料)が、
被転写体70の染着樹脂層70aにドット状に転写され、熱
転写記録が遂行される。このような熱転写記録には、一
般に長いサーマルヘッドを被記録紙走行方向に直角に固
定して配したライン方式が採用されている。
【0008】然し、この方式は、以下のような欠点を有
している。
【0009】 インク供給体であるインクシートが一
回限りの使い捨てであり、これがプリント時に発生する
多量の廃棄物となって省資源及び環境保護上の課題にな
る。
【0010】 廃棄物を低減する目的でインクシート
を多数回使用してフルカラー画像を得る手段が提案され
ている。然し、転写染料層と被転写体は接触しているの
で、最初に転写染料Aを被転写体に転写し、次いで転写
染料Bを重ねて転写する場合に、逆に被転写体上の転写
染料Aが、インクシートの転写染料B層に逆転写されて
転写染料Bを汚染する。従って2枚目以降のプリント画
質は低下する。
【0011】 インクシートが大きな体積を占有する
ために、プリンタ装置の小型軽量化に限度がある。
【0012】 所謂熱転写方式は、実際には染料の熱
転写現象を利用した転写機構である。従って、被転写体
の受像層内への染料が拡散するためには、受像層も充分
に加熱する必要があり、熱効率が悪い。
【0013】 効率よく転写を行うためには、インク
シートと被転写体とを高い圧力で押しつけなければなら
ない。従って、プリンタは強固な構造を取る必要があ
り、プリンタ装置の小型軽量化に限度がある。
【0014】このように、所謂熱転写方式は数々の欠点
を内包している。従って、前記の利点を失うことなく廃
棄物及び転写エネルギーを低減し、プリンタを小型軽量
化する技術が強く望まれていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたものであって、高品質の記録が保証さ
れ、熱効率が高く、小型化、軽量化が容易であり、か
つ、使用済みインクシートのような廃棄物を発生するこ
とがない記録装置及び記録方法を提供することを目的と
している。
【0016】
【発明に至る経過】本発明者は、鋭意研究の結果、前記
の要請に応える熱記録方式として、次のような記録方式
の開発に成功し、本発明を完成させるに至った。
【0017】上記の方式では、熱溶融性の染料層を有す
る記録部と対向する染料を受容する受像層を持つ被記録
体の間に微小の空隙を設け、サーマルヘッドやレーザ等
の適当な加熱手段により記録部上の染料を選択的に気化
或いは昇華させて空隙間を移動させ、被記録体上に連続
的な階調を持つ画像を得る熱記録方式が考えられる。こ
の操作を減法混色の三原色であるイエロー、マゼンタ、
シアンに分解された画像信号について夫々繰り返すこと
で、フルカラー化が達成できる。
【0018】この方式では、記録時に失われる染料は、
バインダ樹脂を殆ど含まないために、失われた分だけ
を、染料溜めから溶融状態で転写部へ流すことにより、
或いは適当な基体上に連続的に塗布され、その基体が記
録部に移動することにより、記録部に連続的に供給する
ことができる。従って、記録部は原理的に多数回使用で
きるのでの課題は解決される。
【0019】また、染料層と被記録体とが接触しないた
めに、既に記録体に移行した記録染料が異なる記録染料
層に逆移行して画像を損なうの問題も解決され、同時
に染料供給に小体積の染料溜めを使用し、インクシート
を使用しないために、プリンタ装置を小型軽量化でき
る。
【0020】更に、この記録方式は、染料の気化或いは
昇華現象を利用した記録機構であるために、被記録体の
受像層を加熱する必要が無く、インクシートと被転写体
とを高い圧力で押し付ける必要もない。従って、、
の課題も解決される。そして、記録体と被記録体とが直
接接触しないために、記録部と被記録体との熱融着も原
理的に起こり得ないだけではなく、染料と受像層樹脂の
相溶性が小さくても記録可能である。従って、染料及び
受像層樹脂の設計、選択の幅が著しく広がる。
【0021】この方式の加熱手段としてレーザ光と、レ
ーザ光の波長領域を含む領域に吸収能を持ち、光エネル
ギーを熱エネルギーに変換する材料(光熱変換体)とを
組み合わせる方法が挙げられる。この場合には、レーザ
光を用いるために解像度が著しく向上すると共に、レー
ザ光密度を光学系で大きくすることにより集中的な加熱
が可能となり、到達温度が上がる。その結果熱効率が向
上する。
【0022】但し、光熱変換体は連続的に光エネルギー
のレーザ光を吸収するために、耐熱性を満足する必要が
ある。従って、この方式の光熱変換体としては、ポリイ
ミドフィルムに蒸着したコバルトやニッケル−コバルト
合金等の金属薄膜が使用されるほか、耐熱性に優れかつ
使用するレーザ光の波長領域に吸収能を持つ染料又は顔
料を記録染料に均一に分散して使用しても良い。
【0023】この方式の記録機構は、染料の気化又は昇
華現象を利用するために、記録量は殆ど温度に依存す
る。ところで記録部に適当な加熱手段で一定の熱量を与
えるとき、その最大到達温度は、記録部及び記録部中が
昇温する速度と、熱量が記録部系外へ伝導、対流又は放
射により失われる速度の釣合いで決定される。従って、
熱量が系外に失われる速度を小さくするほど記録部の到
達温度が高くなり、記録効率が増大する。即ち、高熱源
である記録部と低熱源である外部との間が熱伝導率の小
さい材料からなっていれば、熱の逃げる速度は低くな
る。
【0024】そこで、通常は、記録部を空気又は空気を
多く含む構造体で覆うことで記録部の熱放出を少なくす
る。具体的には、記録部を細い支持体で空間中に固定す
るか、或いは記録部を発泡性材料などの多孔質材料で囲
んで記録部の熱放出を少なくする方法が最も有効な手段
である。特に本方式による記録部は、上記の構造を多用
して製造され、記録部の表面積の98%以上は空気層を介
して外部と接触しているために、記録部の熱量損失速度
は殆どが空気の熱伝導率で決定されるようになる。
【0025】本発明者は、記録部を囲む空間の全部若し
くは一部の空気を、又は記録部を構成する多孔質断熱構
造体中の全部若しくは一部の空気を、空気よりも熱伝導
率の低い気体で置換することで記録感度が向上し、或い
は記録部を構成する構成部材の全部若しくは一部を低熱
伝導率材料によって形成することで、記録効率が向上す
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は、記録部に形成
された熱溶融性記録材の層が間隙を隔てて被記録体に対
向し、前記記録材を選択的に加熱して気化又は昇華さ
せ、前記間隙を通して前記被記録体に移行させるように
構成され、周囲空間の少なくとも一部が、空気よりも低
い熱伝導率を有する物質で満たされ又は実質的に真空に
なっている記録材気化又は昇華装置に係る。
【0027】上記「記録部」とは、記録材を気化又は昇
華させてこれを被記録体に移行させる部分を指す。
【0028】本発明において、上記周囲空間の少なくと
も一部が、空気よりも低い熱伝導率の気体で満たされて
いることが望ましい。
【0029】本発明はまた、前記と同様に、記録材を記
録部において被記録体に移行させるように構成され、前
記記録部を構成する構成部材の少なくとも一部が、空気
よりも低い熱伝導率を有する物質を内包している記録材
気化又は昇華装置に係る。
【0030】本発明はまた、前記周囲空間の少なくとも
一部が 100〜300 ℃の範囲内の温度で空気よりも低い熱
伝導率を有する物質で満たされているか、或いは記録部
を構成する構成部材の少なくとも一部が、 100〜300 ℃
の範囲内の温度で空気よりも低い熱伝導率を有する物質
を内包している記録材気化又は昇華装置に係る。
【0031】本発明はまた、前記と同様に、記録材を記
録部において被記録体に移行させるように構成され、前
記記録部を構成する構成部材の少なくとも一部が、熱伝
導率0.07J/K・sec ・m 以下の材料によって形成され
ている記録材気化又は昇華装置に係る。
【0032】本発明において、光照射によって記録材を
気化又は昇華させるように構成された記録部が、熱伝導
率0.07J/K・sec ・m 以下のフィルム材を接着した光
熱変換部材を具備するように構成することができる。
【0033】本発明はまた、前記の各本発明に係る記録
材気化又は昇華装置を使用して記録を行う記録方法を提
供するものである。
【0034】本発明はまた、前記の各本発明に係る記録
材気化又は昇華装置を具備する記録装置を提供するもの
である。
【0035】
【作用】記録部表面は事実上殆どが気体で覆われ、熱量
の殆どが気体を介して外部へ伝導して失われるために、
この気体の全部又は一部を空気よりも熱伝導率が低い気
体で置換するだけで熱量損失の速度が抑制され断熱効果
が上がるのである。
【0036】気体の熱伝導率の推算式及び混合気体の熱
伝導率の推算式は既に公知である。
【0037】前者については E. Eucken; Physik. Z.,
14, 324(1913)に下記(1)式が、また、 D. Misic,
G. Thodos; J. Chem. Eng. Data, 8, 540(1963)に下記
(2)式が夫々発表されている。 k=360 μ(Cp +2.48)/M〔kcal/m・hr・deg 〕 (1) kλ=3.6 Cp 3(bTr +c)n ×10-4(k:kcal /m・hr・deg ) (2)
【0038】後者については H. Cheung, L. A. Bromel
ey, C. R. Whike; AIChE J., 8, (1962)に下記(3)式
が発表されている。
【数1】 但し、kct=Akt /(1.32Cp +B)、 Kct=kt
ct、Mtf=(Mt +Mf )/2 単原子分子に対し、 A=7.5 B=0.90 線形分子に対し、 A=9.5 B=0.26 非線形分子に対し、 A=10.5 B=−0.06
【0039】これらの推算式を利用して本発明に適合す
る気体が探索できるが、これらの式から、分子量が大き
く、定圧比熱が小さく、かつ粘度が低い気体が好まし
い。具体的にはアルゴン、キセノン、クリプトン等の高
い分子量の希ガス類、ハロゲン化炭素などの高い分子量
の有機ガス、或いは二酸化炭素など 100℃から 300℃迄
の熱伝導度が空気よりも小さくかつ無害なガスが好まし
い。これらのガスは 100℃から 300℃迄の熱伝導度が空
気よりも小さい範囲で任意の割合で混合しても使用でき
る。上記 100℃は、記録材(記録に供される染料)の融
点であり、上記 300℃は同気化温度である。
【0040】これらの気体を含有する記録部は、発泡性
の材料を通常の手段で発泡させた後にこれらの低熱伝導
性ガスの気流中に置き、気泡中のガスを低熱伝導性ガス
に置換して作製する。置換した後の発泡性構造体は表面
を熱処理するか、或いは気体不透過性の樹脂等でコート
することでガスの漏れや逃げを防ぎ、完成する。又は予
め低熱伝導性のガスを生成する発泡材料を使用して構造
体を作製しても良い。これらの低熱伝導性ガスは、一般
に分子量が大きいために、通常の気体と比べて樹脂膜等
を透過し難く、長時間安定性を保つ。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0042】最初に、図4により、記録部の構造の概要
について説明する。
【0043】光熱変換部21の上方に半導体レーザチップ
18が位置し、同下側に被記録紙50が位置している。被記
録紙50は、ベースペーパ50bの上側表面に受像層50aが
形成されてなっている。光熱変換部21と受像層50aとは
間隙dを隔てて対向しており、間隙dの寸法は10〜100
μm、例えば60μmとしている。
【0044】光熱変換部21の下側に染料12又は溶融染料
12’が供給され、半導体レーザチップ18からのレーザ光
Lが光熱変換部21によって熱エネルギーに変換され、染
料12又は12’を気化(又は昇華)させ、これが間隙dを
通って受像層50aに移行し、定着されて記録がなされ
る。
【0045】図1は記録部の断面図、図2は記録装置の
分解斜視図、図3はこの例による記録機構を説明するた
めの記録部の概略断面図である。先ず、図2、図3によ
ってこの例による記録機構を説明する。
【0046】図2、図3中、1はレーザ昇華型カラービ
デオプリンタ(レーザ昇華型プリンタ)であり、筐体2
aで覆われたフレームシャーシ2上に、被記録紙50を入
れるカセット3と記録用の平面ベース4とを有してい
る。
【0047】筐体2a内の被記録紙排出口2b側には、
モータ5等により駆動する紙送り駆動ローラ6aが設け
られ、この紙送り駆動ローラ6aとの間で被記録紙50を
軽圧力で挟持する圧接従動ローラ6bが設けられてい
る。筐体2a内のカセット3の上方には、駆動ICをマ
ウントしたヘッド駆動回路基板7とDC電源8とを設け
てある。ヘッド駆動回路基板7と、平面ベース4上に配
置されたヘッド部(記録部)10とは、フレキシブルハー
ネス7aを介して接続されている。
【0048】ヘッド部10は、イエロー(Y)、マゼンタ
(M)及びシアン(C)の固形粉末状の各昇華性染料12
Y、12M、12C(総称して符号12で示す)を収納する各
固体染料収納槽11Y、11M、11C(総称して符号11で示
す)と;下側に位置する高強度材からなる耐摩耗性の保
護層13と上側に位置するガラス製又は透明セラミック製
等のヘッドベース14との間に形成され、上記各固体染料
収納槽11内の固形粉末状の昇華性染料12をヘッドベース
14側に取付けられた電気抵抗体からなるヒータ(発熱
体)16により加熱液化して収納する狭路状の各液体染料
収納槽15と;各液体染料収納槽15から導かれた液化昇華
性染料(液化分散染料)12’を気化させる各気化部17
と;ヘッドベース14に支持盤19を介して取付けられ、各
気化部17にレーザ光Lを照射する各半導体レーザチップ
(レーザ光源)18と;を備えている。
【0049】各気化部17の気化孔17a内には、上側より
順に、ヘッドベース14に取付けられた透明断熱層20と;
透明断熱層20に積層され、レーザ光Lを吸収して熱に変
換する光熱変換層21と;接着層23と;接着層23を介して
光熱変換層21に積層され、液化した液化昇華性染料12’
を保持する保持層としてのガラスビーズ22’と;を配置
してある。透明断熱層20は透明なPET樹脂により形成
してある。光熱変換層21は、バインダとカーボン微粒子
とを混合したものを透明断熱層20に塗布することにより
形成してある。
【0050】ガラスビーズ22’は直径5〜10μmのもの
を用いている。なお、ヒータ16は固形粉末状の昇華性染
料12を加熱液化しながらガラスビーズ22’迄拡散移行さ
せるためのものである。
【0051】そして、レーザ昇華型カラービデオプリン
タ1のカセット3内の被記録紙50は、1枚ずつ分離され
て平面ベース4とヘッド部10との間に供給され、紙送り
駆動ローラ6a迄送られる。ヘッド部10は一対の軽荷重
付加ばね9、9により被記録紙50を挟んで平面ベース4
に軽荷重(約50g)で押し付けられている。また、ヘッ
ド部10には3色(Y、M、C)分の半導体レーザチップ
18が3列に画素分だけ多数個並び、各液体染料収納槽11
(11Y、11M、11C)から夫々加熱液化されて各気化部
17に定量供給される。
【0052】即ち、各固体染料収納槽11内の固形粉末状
の昇華性染料12は、ヒータ16により融解点まで加熱され
て溶融(液化)され、各液体昇華性染料12’は、各液体
染料収納槽15の毛細管現象によって各気化部17の気化孔
17a内のガラスビーズ22’に定量供給される。この状態
より、1枚の被記録紙50が紙送り駆動ローラ6aと圧接
従動ローラ6bとに挟持されると、1ラインずつ1色ず
つ1ドット信号がヘッド部10に送られて、各半導体レー
ザチップ18により発生したレーザ光Lが各光熱変換層21
により熱に変換される。
【0053】これにより、各ガラスビーズ22’に保持さ
れた各液化昇華性染料12’が気化され、この各気化昇華
性染料(気化分散染料)12”のY、M、Cの気化昇華性
染料が平面ベース4と保護層13間に送られる被記録紙50
の表面に塗布された受像層50aにY→M→Cと順次移行
してカラープリントされる。
【0054】図1において、10はレーザ昇華型カラービ
デオプリンタ1に用いられるヘッド部である。ヘッド部
10は、図示しないケースに収容され、ケース内はアルゴ
ン、キセノン、クリプトン(いずれも空気よりも低熱伝
導率)IG雰囲気又は実質的に真空Vとしてある(後述
の図12、図14、図15のヘッド部10、100 、110 も同
様)。
【0055】ヘッド部10は、イエロー(Y)、マゼンタ
(M)及びシアン(C)の固形粉末状の各昇華染料(固
化分散染料)12Y、12M、12C(総称して符号12で示
す)を収納する各固体染料収納槽11Y、11M、11C(総
称して符号11で示す)と;下側に位置する高強度材から
なる耐摩耗性の保護層13と上側に位置するガラス製又は
透明セラミック製等のヘッドベース14との間に形成さ
れ、各固体染料収納槽11内の固形粉末状の昇華性染料12
をヘッドベース14側に取付けられた電気抵抗体からなる
ヒータ(発熱体)16により加熱液化して収納する各液体
染料収納槽15と;この各液体染料収納槽15から導かれた
液化昇華性染料(液化分散染料)12’を気化させる各気
化部17と;ヘッドベース14に支持盤19を介して取付けら
れ、各気化部17にレーザ光Lを照射する各半導体レーザ
チップ(レーザ光源)18と;を備えている。この点は、
図3の構成と同様である。
【0056】ここで、各固体染料収納槽11と各液体染料
収納槽15との接続口23には逆止弁24を夫々設けてある。
更に、各液体染料収納槽15内の気化部17に対向する位置
には、気化部17側に液化昇華性染料12’を加圧供給する
ための染料加圧供給手段(例えば振動体)25を夫々設け
てある。染料加圧供給手段25は、例えばバイモルフ又は
ピエゾ素子等から構成されているが、必ずしも必要なも
のではない。逆止弁24は染料加圧供給手段25の加圧時に
は接続口23を閉じ、減圧時と無加圧時には接続口23を開
放するようになっている。
【0057】各固体染料収納槽11内の固形粉末状の昇華
性染料12は、逆止弁24の開放時にヒータ16により加熱液
化されて昇華性染料12’になり、各液体染料収納槽15内
に貯留されるようになっている。
【0058】また、上記各気化部17の気化孔17a内の中
央には、ヘッドベース14に付着され、耐熱性と光透過性
と断熱性を兼ね備えた耐熱光透過性ベース材20と、耐熱
光透過性ベース材20に積層され、レーザ光Lを吸収して
熱に変換する光熱変換体21と、加熱液化された液化昇華
性染料12’を毛細管現象により保持する液体染料保持体
22(ビーズ内蔵)とを夫々配置してある。
【0059】耐熱光透過性ベース材20は、 180℃以上の
耐熱性、熱伝導率1W/m℃以下、近赤外光透過率85%
以上(厚さ10μm)、比熱2J/g℃以下、密度3g/
cm3以下の透明なフィルム材からなり、ヘッドベース14
に塗布されてなっている。
【0060】光熱変換体21は、ポリイミドフィルム35a
上にニッケル−コバルト合金の薄膜35bを蒸着又はスパ
ッタにより形成してなっている。
【0061】液体染料保持体22は光熱変換体21の上に直
接金属薄膜を形成し、この金属薄膜をエッチング加工な
どで網目状(メッシュ状)に加工することにより形成し
てある。
【0062】以上のレーザ昇華型カラービデオプリンタ
1によれば、各固体染料収納槽11内の固形粉末状の昇華
性染料12は、ヒータ16により融解点迄加熱されて溶融
(液化)される。この各液化昇華性染料12’は、各液体
染料収納槽15内の染料加圧供給手段25による移送及び毛
細管現象によって各気化部17の気化孔17a内の耐熱光透
過性ベース材20、光熱変換体21、液体染料保持体22に定
量ずつ高速に供給される。
【0063】そして、1枚の被記録紙50をカラープリン
トする際に1ラインずつ1色ずつ1ドット信号がヘッド
部10に送られて、各半導体レーザチップ18により発生し
たレーザ光Lが各光熱変換体21により熱に変換される。
これにより、各液体染料保持体22に保持された各液化昇
華性染料12’が気化され、各気化昇華性分散染料12”の
Y、M、Cの気化分散染料が平面ベース4と保護層13間
に送られた被記録紙50の受像層50aにY→M→Cの順に
夫々移行してカラープリントされる。
【0064】このように、各液体染料収納槽15内に振動
体25を設けたことにより、各液体染料収納槽15内の液化
分散染料12’に適度の軽圧力を加えて光熱変換体21及び
液体染料保持体22に定量の液化分散染料12’を高速で送
り出して供給することができる。また、液体染料収納槽
15と固体染料収納槽11の接続口23に逆止弁24を設けたこ
とにより、液体染料収納槽15内の液化分散染料12’が固
体染料収納槽11に逆戻りすることを確実に防ぐことがで
きる。
【0065】更に、液体染料収納槽15にヒータ16を設け
ることにより、液化分散染料12’を加熱して常に液化状
態に保持することができる。
【0066】更に、耐熱性の増した耐熱光透過性ベース
材20で連続使用に耐える構造体を得ることができる。ま
た、光熱変換体21を耐熱光透過性ベース材20に積層した
ことにより、連続使用に耐える構造が可能となる一方、
熱伝導率を大きくすることができ、レーザ光Lの光エネ
ルギー分布が例えばガウシアン分布のように非均一でも
面積方向に熱拡散が早く行われ、均一な温度分布を実現
することができて均一な染料の移行を行うことができ
る。
【0067】更にまた、光熱変換体21に液体染料保持体
22を積層し、特に、この液体染料保持体22をメッシュ状
に加工した金属薄膜により形成し、その深さやピッチを
加減することにより、記録に必要な適量の液化分散染料
12’を液体染料保持体22により常に確実に保持すること
ができ、常に記録に必要な適量の液化分散染料12’を光
熱変換体21により気化させることができる。液化染料保
持体22を直接光熱変換体21に形成することにより接着層
を省略することができる。これにより、余分な熱容量を
なくし、熱効率を高めることができる。
【0068】次に、本例による記録結果の品質及び記録
感度を調べるため、以下のような実験を行った。図5
は、実験用記録装置の概略正面図である。
【0069】台板43上に支柱44が立設し、支柱44にブラ
ケット45A、45B、45C、45Dが固定され、ブラケット
45A、45B、45C、45Dには夫々記録チップ32、レンズ
37a、37b、半導体レーザチップ(SLD203)38が
光軸を共通にして固定されている。レンズ37a、37bに
よってフォーカシングレンズ系37が構成される。記録部
(記録チップ)32の下にはXYステージ39が台板43上に
固定され、XYステージ39上に被記録紙50が載置され
る。
【0070】図6は記録チップ32の正面図、図7は同平
面図である。
【0071】ガラス板33Aの下側主面にはインジウム・
錫酸化物(ITO)からなる透明導電膜33Bが蒸着によ
って形成され、透明導電膜33Bには、枠状のスペーサ34
によって間隙を隔てて光熱変換部としての図8の4μm
厚のポリイミド(デュポン社製 商品名カプトン)フィ
ルム35aに 0.2μm厚のニッケル−コバルト合金蒸着膜
35bを設けてなる光熱変換フィルム35が固定されてい
る。光熱変換フィルム35の下には厚さ10μmのステンレ
ス鋼製カバー36が取付けられ、カバー36の中央に径1mm
の染料支持孔36aが貫通して設けられている。カバー36
と被記録紙50との距離は10μmとしてある。
【0072】染料支持孔36aに記録材としての染料12を
詰め、透明導電膜33Bに設けられた対の電極33C、33C
に電圧を印加して染料12を 150℃に加熱して溶融させ
る。そして、被記録紙50を10cm/sec の相対速度で移動
させ、溶融した染料に半導体レーザチップ38からレーザ
光Lを集光、照射して染料を気化させ、記録紙50上の受
像層に移行させる。
【0073】レーザ光Lの波長は 800nm、溶融染料に対
するレーザ光照射エリアは20μm×30μm、記録チップ
32面での出力は30mWである。なお、被記録紙50は、厚さ
180μmの合成紙に厚さ6μmのポリエステル系受像層
が塗布されてなっている。
【0074】以上のような装置により、以下に述べる染
料を記録材として用いて連続記録を行い、被記録紙をヒ
ータ付きブレードにより 150℃、10msec加熱することに
より、ポリエステル系受像層に移行した染料は受像層中
に拡散して完全に定着する。かくして得られた線条状記
録像の平均線径、光学濃度及び記録感度を測定した。
【0075】<実験1>融点 125℃、沸点 380℃で下記
構造のトリシアノスチル系マゼンタ染料(HSR−20
31)と、極大吸収波長 800nmを持つ下記構造のナフタ
ロシアニン系赤外吸収染料とを混合し、記録染料とし
た。
【0076】
【化1】
【0077】
【化2】
【0078】混合比は、HSR−2031 100部に対
し、ナフタロシアニン系染料が2部である。この例で使
用したナフタロシアニン系染料は、示差熱分析を用いた
熱重量測定法により、 350℃迄安定であることが判明し
ている。
【0079】上記混合染料を図5〜図7の実験装置の記
録チップ32にセットし、電極33C、33Cに電圧を印加し
て透明導電膜33Bに通電し、混合染料12を 150℃迄加熱
し溶融した。混合染料は厚さ4μmの平滑な層になっ
た。
【0080】以上の準備が終了したら、装置全体をドラ
イボックスDB中に入れて封じ、ドライボックスDB内
の空気を1気圧のアルゴンガスで置換した。次いで、半
導体レーザチップ38からレーザ光を前記の溶融混合染料
に照射しながら被記録紙50を移動し、被記録紙50の受像
層にマゼンタ染料による線条状記録像を形成した。
【0081】受像層上のマゼンタ染料の記録による線条
状の像の平均線幅は 115μmであり、その光学濃度はマ
クベス濃度計で 2.2であった。また、被記録紙の受像層
に移行した染料を溶剤に溶かしてその量から計算した記
録感度は、74μg/J(Jはレーザ光のエネルギー)で
あった。
【0082】60分間記録した後の記録チップをビーカー
に入れ、アセトンにより染料層の残存ナフタロシアニン
染料を抽出した。残存ナフタロシアニン染料は初期の約
75%に減少していた。失われたナフタロシアニン染料
は、被記録紙に移行した成分と、熱分解した成分とに分
けられる。然し、受像層上に移行したナフタロシアニン
染料は可視領域に殆ど吸収を持たないために全く目視で
きず、事実上、被記録紙は汚染されなかった。
【0083】<実験2>前記実験1におけるドライボッ
クスDB中の雰囲気のアルゴンガスをキセノンガスに替
え、その他は前記実験1におけると同じ条件にて実験を
行った。
【0084】その結果、受像層上のマゼンタ染料の記録
による線条状の像の平均線幅は 120μm、その光学濃度
はマクベス濃度計で 2.8、記録感度は86μg/Jであっ
た。
【0085】<実験3>図6、図7のスペーサ34と同一
形状寸法の発泡性ポリイミドからなるスペーサをキセノ
ンガス気流中で発泡させ、気泡内のガスをキセノンガス
で置換してキセノン置換発泡ポリイミドフィルムを作製
した。このフィルムの表面に 500℃に加熱したアルミニ
ウム板を押し付け、フィルム最表面を熱処理して気泡内
のキセノンガスを封じ込めた。そして、最終膜厚を10μ
mに調整した。
【0086】図9は、上記のスペーサを用いてなる記録
チップの図6と同様の断面図である。記録チップ132
は、ガラス33A上のITOからなる透明導電膜33B、キ
セノン置換発泡ポリイミドフィルム134aとアルミニウム
板134bとからなるスペーサ134及びニッケル−クロム合
金蒸着膜35bを設けたポリイミド(カプトン)フィルム
35aからなる光熱変換フィルム35からなっている。光熱
変換フィルム35でレーザ光から変換された熱は、キセノ
ン置換発泡ポリイミドフィルム134a(図1の光熱変換体
21に採用可能)内のキセノンガスにより、外部への放出
が抑制される。
【0087】記録チップ132 を組付けた図5の装置を使
用し、大気中にて前記実験1、2と同様にして記録を行
った。
【0088】その結果、受像層上のマゼンタ染料の記録
による線条状の像の平均線幅は 115μm、その光学濃度
はマクベス濃度計で 2.6、記録感度は77μg/Jであっ
た。
【0089】比較のため、前記実験1〜3に対応して次
の実験を行った。
【0090】<比較実験1>装置雰囲気をアルゴンガス
又はキセノンガスとせず、大気中にて前記実験1、2と
同様にして記録を行った。その結果、受像層上のマゼン
タ染料の記録による線条状の像の平均線幅は 105μm、
その光学濃度はマクベス濃度計で 2.2、記録感度は60μ
g/Jであった。
【0091】以上の実験1〜3の記録結果を纏めて下記
表に示す。表には、比較実験1の記録結果が併記してあ
る。
【0092】
【0093】表から、本発明に基づく実験では、記録濃
度、記録線幅及び記録感度が、いずれも比較実験に較べ
て高く、良好な記録がなされていることが解る。
【0094】<実験4>厚さ4μmのポリエチレンテレ
フタレート(PET)フィルム(熱伝導率0.14J/K・
sec ・m)に、光吸収体としてニッケル−コバルト合金
を 0.2μm厚で真空蒸着したものを光熱変換体とし、P
ETフィルム側に厚さ 0.1mmの発泡プロピレン(熱伝導
率0.07J/K・sec ・m)を接着した。この発泡プロピ
レンの層は、低熱伝導率であるほか、光熱変換体の補強
をも意図したものである。
【0095】図10は、上記のように構成した光熱変換フ
ィルム135 を示す。図中、135aはPETフィルム、135b
はニッケル−コバルト合金蒸着膜、135cは発泡ポリプロ
ピレン層である。このフィルム135 は図1の例にも適用
可能である。
【0096】ニッケル−コバルト合金膜135bの側にマゼ
ンタ染料HSR−2013を2μmの厚さにワイヤバー
にて塗布した。図10の光熱変換フィルム(マゼンタ染料
122を塗布)135 を図8の光熱変換フィルム35に替えて
図5の装置に組付け(図6のカバー36は不要)、これに
半導体レーザチップ(SLD203)38からのレーザ光
20mWで照射した。このときのレーザ光の半値幅は80μm
であった。被記録紙50は、塗布染料層122 から50μm離
れた位置にセットしてある。
【0097】染料が被記録紙の受像層に移行するのが確
認されたが、光学濃度2で記録がなされるためには、0.
02秒のレーザ光照射時間が必要であった。1ドット当た
りにかかる記録時間が0.02秒程度であると、A6版のプ
リント画1枚を得るのに数分間で済むことになり、実用
的なプリンタとして好ましい。
【0098】<比較実験2>図10の発泡ポリプロピレン
層135cに替えて厚さ 0.1mmのガラス(熱伝導率 1.1J/
K・sec ・m)をPETフィルム135aに接着し、前記実
験4におけると同様の記録を行った。
【0099】その結果、被記録紙上の記録層の光学濃度
が2に達するためには、 0.1秒のレーザ光照射時間が必
要であった。
【0100】前記実験4のように、光熱変換フィルムに
低熱伝導率の層(この例では発泡ポリプロピレンの層13
5c)を設けることにより、熱が有効に保持されて1ドッ
ト当たりのレーザ光照射時間が1/5に短縮され、記録
速度を速くできるようになる。即ち、記録効率が5倍に
高くなる。
【0101】記録装置は、図1に示した構造のほか、図
11、図13、図14に示す構造とすることができる。
【0102】図11は、レーザ昇華型カラービデオプリン
タに用いられるヘッド部を示す。
【0103】図11のヘッド部90は、図1の例におけると
同様に、固形粉末状の昇華性染料(固化分散染料)12を
収納する各固体染料収納槽11と;各固体染料収納槽11内
の固形粉末状の昇華性染料12をヘッドベース14側に取付
けられた電気抵抗体からなるヒータ16により液化して収
納する各液体染料収納槽15と;各液体染料収納槽15から
導かれた液化昇華性染料(液化分散染料)12’を気化さ
せる各気化部17と;ヘッドベース14に支持盤19を介して
取付けられ、各気化部17にレーザ光Lを照射する各半導
体レーザチップ18と;各固体染料収納槽11と各液体染料
収納槽15との接続口23に設けられた逆止弁24と;各液体
染料収納槽15内の気化部17に対向する位置に設けられ、
気化部17側に液化昇華性染料12’を加圧供給するための
振動体(染料加圧供給手段)25と;を備えている。
【0104】各気化部17の気化孔17a内の中央には、ヘ
ッドベース14に付着され、断熱性と光透過性とを兼ね備
えた耐熱光透過性樹脂材30と、耐熱光透過性樹脂材30に
積層され、レーザ光Lの光を吸収して熱に変換する光熱
変換体31とを夫々配置してある。耐熱光透過性樹脂材30
には芳香族ポリアミド(アラミド)を用いている。光熱
変換体31はポリイミド樹脂からなっている。
【0105】そして、各半導体レーザチップ18よりレー
ザ光Lを急峻に照射すると、レーザ光Lはガラス製等の
ヘッドベース14及び耐熱光透過製樹脂材30を通過して光
熱変換体31に達し、光分布に対応した熱に変換される。
この熱により、耐熱光透過製樹脂材30は、図12(a)〜
(c)に誇張して示すように急激に熱膨張し、図12
(c)に示すように、光熱交換体31に粘着した液化昇華
性染料12’に被記録紙50の受像層50aの方へ飛翔する運
動エネルギーを与える。この結果、図12(d)に示すよ
うに、上記熱により比例した量の気化昇華性染料12”が
被記録紙50の受像層50aに付着することになり、濃度階
調を得ることになる。
【0106】図12(c)におて、φ1 はレーザ光Lの照
射スポット径(φ1 =100 μm)を示し、図12(d)に
おいて、φ2 は1ドット(画素)の径(φ2 =60〜80μ
m)を示す。このようにして、各気化昇華性分散染料1
2”のY、M、Cの気化昇華性染料が平面ベース4と保
護層13間に送られた被記録紙50の受像層50aにY→M→
Cの順に夫々移行してカラープリントされる。
【0107】また、耐熱光透過性樹脂材30に芳香族ポリ
アミドを用いたことにより、耐熱光透過性樹脂材30の耐
熱性をより向上させることができて連続使用に耐えるこ
とができる。
【0108】図13は、レーザ昇華型カラービデオプリン
タに用いられる他のヘッド部を示す。図13のヘッド部10
0 は、固形粉末状の昇華性染料(固化分散染料)12を収
納する各固体染料収納槽11と;各固体染料収納槽11内の
昇華性染料12を保護層13側に取付けられた電気抵抗体か
らなるヒータ(発熱体)16により加熱液化して収納する
各液体染料収納槽15と;各液体染料収納槽15から導かれ
た液化昇華性染料(液化分散染料)12’を気化させる各
気化部17と;保護層13にに支持盤19を介して取付けら
れ、各気化部17にレーザ光Lを照射する各半導体レーザ
チップ18と;各固体染料収納槽11と各液体染料収納槽15
との接続口23に設けられた逆止弁24と;各液体染料収納
槽15内の気化部17に対向する位置に設けられ、気化部17
側に液化昇華性染料12’を加圧供給するための振動体
(染料加圧供給手段)25と;を備えている。
【0109】各気化部17の気化孔17a内の中央には、ヘ
ッドベース14を貫通して気化孔17aに迄延びてレーザ光
Lを導く光ファイバ40と、光ファイバ40より導かれたレ
ーザ光Lの光を吸収して熱に変換する光熱変換体41とを
夫々配置してある。光ファイバ40はレーザ光Lを外に漏
らすことなく光熱変換体41に確実に導くためのものであ
る。光熱変換体41はポリイミドフィルムからなってい
る。更に、各気化部17の気化孔17aは液化昇華性染料1
2’を供給する構造になっていて、その周囲が断熱材42
で取り囲まれている。
【0110】そして、各半導体レーザチップ18より照射
されたレーザ光Lは、各光ファイバを介して各光熱変換
体41に達し、光分布に対応した熱に変換される。この熱
により、各光熱変換体41に粘着した各液化昇華性染料1
2’が気化され、この各気化昇華性分散染料12”のY、
M、Cの気化分散染料が平面ベース4と保護層13間に送
られた被記録紙50の受像層50aにY→M→Cの順に夫々
移行してカラープリントされる。
【0111】このように、光熱変換体41を光ファイバ40
の下面に積層したことにより、光熱変換体41の耐熱性を
向上させて連続使用することができると共に熱伝導率を
大きくすることができ、レーザ光Lの光エネルギー分布
が例えばガウシアン分布のように非均一でも面積方向に
熱拡散が早く行われ、均一な温度分布を実現することが
できて均一な染料の移行を行うことができる。
【0112】光ファイバ40の下部及び光熱変換体41を囲
む気化部17の気化孔17aを断熱材42で覆ったことによ
り、光熱変換体41の周囲を断熱して熱を逃がさないよう
にして光熱変換体41による液化昇華性染料12’の気化率
を向上させることができる。
【0113】光熱変換体は、前記の各例におけるように
記録部に直接固定するほか、細い支持体で気化部17の空
間に吊り下げるようにして配置することができる。図14
はこのようにした図1の記録部に適用した例を示し、光
熱変換体21を液体染料保持体22を介して細径のワイヤ
W、Wで吊り下げ、液化染料12’を光熱変換体21に供給
した状態を示している。
【0114】また、前記実験3で使用したスペーサと類
似のスペーサを用いることができる。図15は、このよう
にして図1の例に適用した例を示す。耐熱光透過性ベー
ス材20に、枠状のキセノン置換発泡ポリイミド又は同ポ
リウレタン133 、カプトンフィルム135aとニッケル−ク
ロム合金蒸着膜135bとかならなる光熱変換フィルム135
、ガラスビーズからなる液化染料保持体22を順次配設
し、光熱変換体121 としている。
【0115】枠状のキセノン置換ポリイミド又は同ポリ
ウレタン133 内の空間133aには低熱伝導率のキセノンガ
スを封入してよい。この場合には、レーザ光から変換し
た熱の放出を抑制し、記録効率を上げることができる。
【0116】以上の例は、いずれも、ヘッド部上方から
レーザ光を照射し、下側に位置する被記録紙に記録を行
う例であるが、これらの例とは上下を逆にすることがで
きる。図16は、このようにしたヘッド部を示している。
【0117】図16のヘッド部110 では、ヘッドベース14
上にヒータ16を配し、これに通電して各固体染料収納槽
11から供給される固体染料12を加熱溶融して液化昇華性
染料12' とする。ヘッドベース14上に耐熱透光性ベース
材20、光熱変換体21、液状染料保持体22がこの順に下か
ら上に向かって積層されている。
【0118】ヘッドベース14の下側には半導体レーザチ
ップ18が位置していて、レーザ光Lが液状染料保持体22
に保持された液状染料に集光、照射し、これを気化させ
て気化部17を通って上方の被記録紙50の染料受容層50a
に移行させる。
【0119】その他は、図1のヘッド部10におけると同
様である。なお、ヘッド部の構造を図13のヘッド部100
と同様(但し上下逆)の構造として良いことは言うまで
もない。
【0120】光熱変換体21(図1)、31(図11)、41
(図13)は、ポリイミド製とせず、耐熱光透過性ベース
材20(図1)、30(図11)、40(図13)上にニッケル−
コバルト合金の薄膜(近赤外光透過率 0.9以上、厚さ1
μm以下、比熱 0.5J/g℃以上、熱伝導率20W/m℃
以上、密度20g/cm3 以下)を蒸着又はスパッタによっ
て形成し、設けても良い。
【0121】この場合、この薄膜の面積は、図1、図1
1、図13、図16に示した気化染料の記録面積Sに限定さ
れて良い。このようにして、光熱変換手段の耐熱性を向
上させて連続使用を可能にし、またその厚さを薄くする
と共に熱容量を小さく抑えることができて、光熱変換体
の周囲を液状染料で断熱して熱効率を高めることができ
る。
【0122】また、固体染料を一旦液状にし、これを気
化させて記録を行う他、固体染料をレーザ光によって加
熱して直接気化、即ち昇華させて記録を行うことができ
る。
【0123】アルゴンその他の希ガスに替えて、実質的
に真空にしても同様の効果が奏せられることは言う迄も
ない。また、気体としては、アルゴンその他の希ガスの
ほか、ハロゲン化炭素(例えばCCl4 )や二酸化炭素
も使用できる。更に、液化染料や気化又は昇華した染料
が通る場所以外の場所には、気体のほか、低熱伝導性の
液体や固体も使用可能である。
【0124】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明の技術的思想に基いて種々の変形を前記の実施例に加
えることができる。
【0125】例えば、記録層やヘッド部の構造や形状
は、前記以外の適宜の構造、形状として良く、ヘッド部
を構成する各部分の材料には、他の適宜の材料を使用し
て良い。
【0126】また、記録染料をマゼンタ、イエロー、シ
アンの3色としてフルカラーの記録を行うほか、1色の
モノカラー又は白黒の記録を行うことができる。
【0127】更に、染料等の熱溶融性記録材を気化又は
昇華させるエネルギーとしては、レーザ光のほか、他の
エネルギー、例えば他の電磁波やスタイラス電極を用い
た放電を使用することも可能である。
【0128】
【発明の効果】本発明は、被記録体に間隙を隔てて対向
する熱溶融性記録材の層が、選択的に加熱されて気化又
は昇華し、上記間隙を通って被記録体に移行するように
構成され、周囲空間の少なくとも一部が、空気よりも低
い熱伝導率を有する物質で満たされ又は実質的に真空に
しているので、次のような効果が奏せられる。
【0129】記録材を被記録材に接触させないことか
ら、記録材を担持体に担持させて供給する必要がないの
で、記録に供されずに担持体上に残存する記録材が担持
体と共に廃棄物として発生することがない上に、記録材
のみを加熱するのでエネルギー効率が高い。また、記録
材と被記録材との接触のための荷重が不必要で、記録装
置の小型化、軽量化が可能になる。
【0130】更に、複数種の記録材を重ねて記録する場
合、先に記録された記録材が次の記録に供される他の記
録材に移ってこれを汚染することがない。
【0131】周囲空間の少なくとも一部を空気よりも低
熱伝導率にすることにより、記録材が加熱のための熱エ
ネルギーの放出が抑制され、記録濃度が高く、鮮明な記
録がなされ、エネルギーの損失も少ない。
【0132】その結果、常に良質な記録が保証され、記
録効率も高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例による記録装置の記録部の断面図であ
る。
【図2】同記録装置の分解斜視図である。
【図3】同記録の機構を説明するための記録部の部分断
面図である。
【図4】同記録装置の記録部の概略断面図である。
【図5】同実験用記録装置の正面図である。
【図6】同実験用記録装置の記録チップの正面図であ
る。
【図7】同実験用記録装置の記録チップの平面図であ
る。
【図8】同実験用記録装置の光熱変換部(ポリイミドフ
ィルム)の拡大正面図である。
【図9】同実験用の他の記録チップの断面図である。
【図10】同実験用の更に他の記録チップの断面図であ
る。
【図11】他の実施例による記録装置の記録部の断面図で
ある。
【図12】同レーザ光照射時間の経過による耐熱光透過性
樹脂の温度変化と染料の移行関係とを示す説明図であ
る。
【図13】更に他の実施例による記録装置の記録部の断面
図である。
【図14】更に他の例による光熱変換体の正面図である。
【図15】更に他の例による光熱変換体の正面図である。
【図16】更に他の実施例による記録装置の記録部の断面
図である。
【図17】従来の感熱記録ヘッドを用いた記録装置の要部
正面図である。
【符号の説明】
18、38・・・半導体レーザチップ 10、32、90、100 、110 ・・・記録部 11・・・固体染料収納槽 12・・・固体染料 12’・・・液体染料 12”・・・気化染料 12a・・・偏析した光熱変換用顔料の層 15・・・液体染料収納槽 16・・・発熱体 17・・・気化部 20、30、40・・耐熱光透過性ベース材 21、31、35、35C、41・・・光熱変換体 22・・・液体染料保持体 22’・・・ガラスビーズ 33B・・・透明導電膜 36・・・カバー 36a・・・染料保持孔 50・・・被記録紙 50a・・・受像層 L・・・レーザ光 d・・・間隙 BD・・・ドライボックス IG・・・不活性ガス V・・・真空
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩田 裕之 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 尾形 政徳 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録部に形成された熱溶融性記録材の層
    が間隙を隔てて被記録体に対向し、前記記録材を選択的
    に加熱して気化又は昇華させ、前記間隙を通して前記被
    記録体に移行させるように構成され、周囲空間の少なく
    とも一部が、空気よりも低い熱伝導率を有する物質で満
    たされ又は実質的に真空になっている記録材気化又は昇
    華装置。
  2. 【請求項2】 周囲空間の少なくとも一部が、空気より
    も低い熱伝導率の気体で満たされている、請求項1に記
    載された記録材気化又は昇華装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載したと同様に、記録材を
    記録部において被記録体に移行させるように構成され、
    前記記録部を構成する構成部材の少なくとも一部が、空
    気よりも低い熱伝導率を有する物質を内包している記録
    材気化又は昇華装置。
  4. 【請求項4】 周囲空間の少なくとも一部が 100〜300
    ℃の範囲内の温度で空気よりも低い熱伝導率を有する物
    質で満たされているか、或いは記録部を構成する構成部
    材の少なくとも一部が、 100〜300 ℃の範囲内の温度で
    空気よりも低い熱伝導率を有する物質を内包している、
    請求項1、2又は3に記載された記録材気化又は昇華装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載したと同様に、記録材を
    記録部において被記録体に移行させるように構成され、
    前記記録部を構成する構成部材の少なくとも一部が、熱
    伝導率0.07J/K・sec ・m 以下の材料によって形成さ
    れている記録材気化又は昇華装置。
  6. 【請求項6】 光照射によって記録材を気化又は昇華さ
    せるように構成された記録部が、熱伝導率0.07J/K・
    sec ・m 以下のフィルム材を接着した光熱変換部材を具
    備している、請求項5に記載された記録材気化又は昇華
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載され
    た記録材気化又は昇華装置を使用して記録を行う記録方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか1項に記載され
    た記録材気化又は昇華装置を具備する記録装置。
JP16869693A 1993-06-14 1993-06-14 記録材気化又は昇華装置、記録方法及び記録装置 Pending JPH0768802A (ja)

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