JPH076989B2 - 糖化ヘモグロビンの測定法 - Google Patents
糖化ヘモグロビンの測定法Info
- Publication number
- JPH076989B2 JPH076989B2 JP13289187A JP13289187A JPH076989B2 JP H076989 B2 JPH076989 B2 JP H076989B2 JP 13289187 A JP13289187 A JP 13289187A JP 13289187 A JP13289187 A JP 13289187A JP H076989 B2 JPH076989 B2 JP H076989B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hba
- hemoglobin
- sample
- blood
- dissociation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,血液中の糖化ヘモグロビン(ヘモグロビン
A1),特にヘモグロビンA1Cの測定法に関する。
A1),特にヘモグロビンA1Cの測定法に関する。
(従来の技術) 糖尿病の指標のひとつとして血液中の糖化ヘモグロビン
(ヘモグロビンA1),特にヘモグロビンA1Cが知られ,
その測定が行われている。ヘモグロビンA1Cは,下記式
に示されるように,ヘモグロビン(以下,ヘモグロビン
をHbで示す)のβ鎖N末端に存在するバリンのアミノ基
にグルコース1分子が非酵素的に結合した複合体であ
る。Hbの上記アミノ基にグルコースが結合すると,ま
ず,下記式に示すようなシッフ塩基である不安定型ヘモ
グロビンA1C(I)が形成される: 上記式(1)において,β‐A-NH2はHbを示し,そのな
かのNH2は,該Hbのβ鎖N末端のバリンのアミノ基を示
す。
(ヘモグロビンA1),特にヘモグロビンA1Cが知られ,
その測定が行われている。ヘモグロビンA1Cは,下記式
に示されるように,ヘモグロビン(以下,ヘモグロビン
をHbで示す)のβ鎖N末端に存在するバリンのアミノ基
にグルコース1分子が非酵素的に結合した複合体であ
る。Hbの上記アミノ基にグルコースが結合すると,ま
ず,下記式に示すようなシッフ塩基である不安定型ヘモ
グロビンA1C(I)が形成される: 上記式(1)において,β‐A-NH2はHbを示し,そのな
かのNH2は,該Hbのβ鎖N末端のバリンのアミノ基を示
す。
この不安定型HbA1C(I)の生成反応は可逆反応であ
り,グルコース濃度に応じて平衡が不安定型HbA
1C(I)の生成方向もしくは解離方向に傾く。(I)
は,さらにアマドリ転位を経て,不可逆的に安定型HbA
1C(II)に変化する。
り,グルコース濃度に応じて平衡が不安定型HbA
1C(I)の生成方向もしくは解離方向に傾く。(I)
は,さらにアマドリ転位を経て,不可逆的に安定型HbA
1C(II)に変化する。
HbA1Cは,例えば,高速液体クロマトグラフィーによりH
bを各Hb成分に分離し,そのODを測定することにより定
量され得るが,上記安定型HbA1C(S-HbA1C)および不安
定型HbA1C(L-HbA1C)を分離して測定することができな
い。そのためHbA1Cを安定した値で得られない。なぜな
ら,L−HbA1Cは,グルコース(つまり血糖)量により,
その量が変化し,該血糖値は,食事や運動により急激か
つ大幅に変化するためである。
bを各Hb成分に分離し,そのODを測定することにより定
量され得るが,上記安定型HbA1C(S-HbA1C)および不安
定型HbA1C(L-HbA1C)を分離して測定することができな
い。そのためHbA1Cを安定した値で得られない。なぜな
ら,L−HbA1Cは,グルコース(つまり血糖)量により,
その量が変化し,該血糖値は,食事や運動により急激か
つ大幅に変化するためである。
上記欠点を解消するため,血液検体からL-HbA1Cを除去
し,S-HbA1Cのみを測定する試みがなされている。例え
ば,Dsvid M.Nathanら,Clinical Chemistry,28 512〜515
(1982)には,セミカルバジドおよびアニリンを用い,p
H5.0,38℃にて30分間血液検体を処理する方法が開示さ
れている。セミカルバジドは,グルコースを捕捉し,か
つ求該試薬として作用し,Hbのアミノ基と競合する。ア
ニリンは触媒として作用する。その結果,L-HbA1Cは実質
的に除去される。しかし,L-HbA1Cの除去反応が酸性側
(pH5.0)にて,かつ比較的高温(38℃)でなされるた
め,Hbの変性(例えば脱ヘム)が生じる。例えば,イオ
ン交換クロマトグラフィーによる溶出パターンを観察す
ると,脱ヘムによる退色に起因するピーク強度の低下や
HbA1aとHbA1bとに起因するピークの増大が観察される。
し,S-HbA1Cのみを測定する試みがなされている。例え
ば,Dsvid M.Nathanら,Clinical Chemistry,28 512〜515
(1982)には,セミカルバジドおよびアニリンを用い,p
H5.0,38℃にて30分間血液検体を処理する方法が開示さ
れている。セミカルバジドは,グルコースを捕捉し,か
つ求該試薬として作用し,Hbのアミノ基と競合する。ア
ニリンは触媒として作用する。その結果,L-HbA1Cは実質
的に除去される。しかし,L-HbA1Cの除去反応が酸性側
(pH5.0)にて,かつ比較的高温(38℃)でなされるた
め,Hbの変性(例えば脱ヘム)が生じる。例えば,イオ
ン交換クロマトグラフィーによる溶出パターンを観察す
ると,脱ヘムによる退色に起因するピーク強度の低下や
HbA1aとHbA1bとに起因するピークの増大が観察される。
特開昭58-210024号公報には,ジヒドロキシボリル化合
物(ホウ酸化合物)を用いることが開示されている。こ
のジヒドロキシボリル化合物はグルコースのOH基をエス
テル化するためグルコースが系内から除去され,その結
果,L−HbA1Cの解離が進行する。しかし,L-HbA1Cを除去
するためには,高濃度のジヒドロキシボリル化合物を必
要とする。例えば,溶血させた血液を含む試料液中で約
0.1〜1.0M,該ジヒドロキシボリル化合物を含む溶離液を
用いて,溶血物を溶出させる場合には,該溶離液中に0.
01〜0.15Mの割合で含有されることが必要である。この
ように高濃度のジヒドロキシボリル化合物が含有される
と,イオン交換クロマトグラフィーにかける場合にその
イオン強度が通常の場合とは異なり,その結果,分離条
件が変わり,測定が困難となったり測定条件の補正が必
要となる。さらに,最適pHが約4.5〜6.5,好ましくは5.0
〜6.0であるため,Hbの変性が生じるおそれがある。
物(ホウ酸化合物)を用いることが開示されている。こ
のジヒドロキシボリル化合物はグルコースのOH基をエス
テル化するためグルコースが系内から除去され,その結
果,L−HbA1Cの解離が進行する。しかし,L-HbA1Cを除去
するためには,高濃度のジヒドロキシボリル化合物を必
要とする。例えば,溶血させた血液を含む試料液中で約
0.1〜1.0M,該ジヒドロキシボリル化合物を含む溶離液を
用いて,溶血物を溶出させる場合には,該溶離液中に0.
01〜0.15Mの割合で含有されることが必要である。この
ように高濃度のジヒドロキシボリル化合物が含有される
と,イオン交換クロマトグラフィーにかける場合にその
イオン強度が通常の場合とは異なり,その結果,分離条
件が変わり,測定が困難となったり測定条件の補正が必
要となる。さらに,最適pHが約4.5〜6.5,好ましくは5.0
〜6.0であるため,Hbの変性が生じるおそれがある。
L-HbA1Cその他の除去方法としては,血液検体を希釈し
てグルコース濃度を下げ,L-HbA1Cの解離を促進させる方
法が知られている。これを実施するには,例えば,赤血
球を大過剰の生理食塩水でインキュベートしたり,溶血
物を透析する方法が採用される。しかし,これらの方法
はいずれも長時間を必要とするため、臨床検査のための
方法としては適切ではない。
てグルコース濃度を下げ,L-HbA1Cの解離を促進させる方
法が知られている。これを実施するには,例えば,赤血
球を大過剰の生理食塩水でインキュベートしたり,溶血
物を透析する方法が採用される。しかし,これらの方法
はいずれも長時間を必要とするため、臨床検査のための
方法としては適切ではない。
(発明が解決しようする問題点) 本発明は上記従来の欠点を解決するものであり,その目
的とするところは,血液検体中の不安定型ヘモグロビン
A1Cを除去し,安定型ヘモグロビンA1Cのみを,精度良く
簡便にかつヘモグロビンを変性させることなく測定しう
る,ヘモグロビンA1Cの測定方法を提供することにあ
る。
的とするところは,血液検体中の不安定型ヘモグロビン
A1Cを除去し,安定型ヘモグロビンA1Cのみを,精度良く
簡便にかつヘモグロビンを変性させることなく測定しう
る,ヘモグロビンA1Cの測定方法を提供することにあ
る。
(問題点を解決するための手段および作用) 本発明の糖化ヘモグロビンの測定法は,血液中の少なく
とも赤血球および/またはヘモグロビンを含む試料を,
リン酸縮合体および/またはリン酸縮合体の塩を含む解
離用媒質と接触させて,該赤血球および/またはヘモグ
ロビンに含まれる不安定型ヘモグロビンA1Cをヘモグロ
ビンとグルコースとに解離させる工程,および,該解離
後の試料中のヘモグロビンをイオン交換クロマトグラフ
ィーで各ヘモグロビン成分に分離し,該試料中に存在す
る安定型ヘモグロビンA1Cを測定する工程を包含し,そ
のことにより上記目的が達成される。
とも赤血球および/またはヘモグロビンを含む試料を,
リン酸縮合体および/またはリン酸縮合体の塩を含む解
離用媒質と接触させて,該赤血球および/またはヘモグ
ロビンに含まれる不安定型ヘモグロビンA1Cをヘモグロ
ビンとグルコースとに解離させる工程,および,該解離
後の試料中のヘモグロビンをイオン交換クロマトグラフ
ィーで各ヘモグロビン成分に分離し,該試料中に存在す
る安定型ヘモグロビンA1Cを測定する工程を包含し,そ
のことにより上記目的が達成される。
本発明に用いられるリン酸縮合体は,L-HbA1Cの解離剤と
して機能する。このようなリン酸縮合体としては,(HPO
3)n(nは2以上の整数)で表されるメタリン酸,2原子
以上のリンを含みP-O-P結合を有するポリリン酸および
それらの類似体がある。メタリン酸としては,トリメタ
リン酸(III),テトラメタリン酸(IV)などが,ポリ
リン酸としては,ピロリン酸(V),テトラポリリン酸
(VI)などがある。
して機能する。このようなリン酸縮合体としては,(HPO
3)n(nは2以上の整数)で表されるメタリン酸,2原子
以上のリンを含みP-O-P結合を有するポリリン酸および
それらの類似体がある。メタリン酸としては,トリメタ
リン酸(III),テトラメタリン酸(IV)などが,ポリ
リン酸としては,ピロリン酸(V),テトラポリリン酸
(VI)などがある。
これらに関連する類似体としては,上記化合物が側鎖を
有する化合物やさらに複雑に縮合している化合物が挙げ
られる。例えば,下記(VII),(VIII)および(IX)
の化合物が挙げられる。
有する化合物やさらに複雑に縮合している化合物が挙げ
られる。例えば,下記(VII),(VIII)および(IX)
の化合物が挙げられる。
上記化合物の他,水に溶解させるとこれらのリン酸縮合
体を生成する化合物も包含される。例えば,5酸化リンも
本発明に使用され得る。5酸化リンは,水に溶解すると
加水分解によりウルトラポリリン酸(IX),テトラメタ
リン酸(IV),テトラポリリン酸(VI)などに変化す
る。しかし加水分解最終産物であるモノオルソリン酸(H
3PO4)にはその効果が認められない。
体を生成する化合物も包含される。例えば,5酸化リンも
本発明に使用され得る。5酸化リンは,水に溶解すると
加水分解によりウルトラポリリン酸(IX),テトラメタ
リン酸(IV),テトラポリリン酸(VI)などに変化す
る。しかし加水分解最終産物であるモノオルソリン酸(H
3PO4)にはその効果が認められない。
上記リン酸縮合体の縮合度はL-HbA1Cの除去効果からみ
て2〜6が最も好ましい。しかし,より重合度の高い化
合物でも水溶液中において加水分解によりP2〜P6のリン
酸縮合体を生成するので使用が可能である。
て2〜6が最も好ましい。しかし,より重合度の高い化
合物でも水溶液中において加水分解によりP2〜P6のリン
酸縮合体を生成するので使用が可能である。
これらのリン酸縮合体は,その塩であっても同等の効果
が得られる。塩の種類は特に限定されないが,例えばア
ルカリ金属やアルカリ土類金属の塩が挙げられ,Na塩,K
塩などが好適である。
が得られる。塩の種類は特に限定されないが,例えばア
ルカリ金属やアルカリ土類金属の塩が挙げられ,Na塩,K
塩などが好適である。
HbA1Cを測定する場合の上記リン酸縮合体および/また
はリン酸縮合体の塩(L-HbA1C解離剤)の使用量は,該
解離剤の種類や測定時の条件(血液の溶血などの前処理
の条件,pHなど)によって異なるが,通常,血液(全
血)1mlあたり1〜6000mgの割合で用いられる。例え
ば,血液検体3μlを450μlの溶血剤溶液にて溶血さ
せた試料溶液中にピロリン酸であれば約0.1〜4.0W/V%
(W/V%は、単位容量あたりの重量割合を表わすものと
する),好ましくは0.5〜2.0W/V%の割合で,テトラポ
リリン酸であれば,約0.001〜1.0W/V%,好ましくは0.0
1〜0.2W/V%の割合で含有される。クロマトグラフィー
の溶離液中に含有させる場合には,例えばテトラポリリ
ン酸であれば,0.001〜0.1W/V%の割合で含有される。過
少であるとL-HbA1Cの解離・除去効果が得られず、過剰
であるとクロマトグラフィー分離時における分離が困難
となる。
はリン酸縮合体の塩(L-HbA1C解離剤)の使用量は,該
解離剤の種類や測定時の条件(血液の溶血などの前処理
の条件,pHなど)によって異なるが,通常,血液(全
血)1mlあたり1〜6000mgの割合で用いられる。例え
ば,血液検体3μlを450μlの溶血剤溶液にて溶血さ
せた試料溶液中にピロリン酸であれば約0.1〜4.0W/V%
(W/V%は、単位容量あたりの重量割合を表わすものと
する),好ましくは0.5〜2.0W/V%の割合で,テトラポ
リリン酸であれば,約0.001〜1.0W/V%,好ましくは0.0
1〜0.2W/V%の割合で含有される。クロマトグラフィー
の溶離液中に含有させる場合には,例えばテトラポリリ
ン酸であれば,0.001〜0.1W/V%の割合で含有される。過
少であるとL-HbA1Cの解離・除去効果が得られず、過剰
であるとクロマトグラフィー分離時における分離が困難
となる。
血液中のHbを測定するときには,該Hbは赤血球中に存在
するため,通常,血液をあらかじめ溶血させておく場合
が多い。溶血剤としては,界面活性剤が好適に用いられ
る。溶血剤としは,高級脂肪族アルコール,アルキルア
リールポリエーテルアルコール,スルホネート化合物の
ポリオキシエチレンエーテル,サルフェート化合物のポ
リオキシエチレンエーテル,ソルビット脂肪族エステル
のポリオキシエチレン付加体などがある。溶血剤の使用
量は,その種類などによっても異なるが,通常,血液1m
lあたり10〜2000mgである。例えば,溶血剤を0.01〜2
容量%の割合で含有する溶血用処理液を血液1mlあたり
2〜400mlの割合で添加してインキュベートすることに
より溶血させることができる。溶血剤が過剰であるクロ
マトグラフィーによるHbの分離が困難となる。
するため,通常,血液をあらかじめ溶血させておく場合
が多い。溶血剤としては,界面活性剤が好適に用いられ
る。溶血剤としは,高級脂肪族アルコール,アルキルア
リールポリエーテルアルコール,スルホネート化合物の
ポリオキシエチレンエーテル,サルフェート化合物のポ
リオキシエチレンエーテル,ソルビット脂肪族エステル
のポリオキシエチレン付加体などがある。溶血剤の使用
量は,その種類などによっても異なるが,通常,血液1m
lあたり10〜2000mgである。例えば,溶血剤を0.01〜2
容量%の割合で含有する溶血用処理液を血液1mlあたり
2〜400mlの割合で添加してインキュベートすることに
より溶血させることができる。溶血剤が過剰であるクロ
マトグラフィーによるHbの分離が困難となる。
本発明方法により糖化Hbの測定を行うには,まず,血液
検体を必要に応じて溶血剤で前処理して溶血させ,少な
くとも赤血球および/またはHbを含む試料を調製する。
この試料を,上記解離剤(リン酸縮合体および/または
リン酸縮合体の塩)を含む解離用媒質と接触させる。こ
の解離剤は,試料が後述のクロマトグラフィーのカラム
中でイオン交換により分離されて溶出される以前に赤血
球および/またはHbと接触すればよい。従って,解離剤
は,血液検体を適当な濃度に希釈するための希釈液,溶
血剤を含む溶血剤溶液,クロマトグラフィーに用いられ
る溶離液などに含まれていてもよく,このような溶液や
溶離液もまた,本発明における解離用媒質と考えられ
る。その他,例えば試料の赤血球分散液,その溶血物,H
b溶液に固体のまま解離剤が添加される場合も,該解離
剤は速やかに溶解し,試料中のHbは解離用媒質と接触す
ると解離される。
検体を必要に応じて溶血剤で前処理して溶血させ,少な
くとも赤血球および/またはHbを含む試料を調製する。
この試料を,上記解離剤(リン酸縮合体および/または
リン酸縮合体の塩)を含む解離用媒質と接触させる。こ
の解離剤は,試料が後述のクロマトグラフィーのカラム
中でイオン交換により分離されて溶出される以前に赤血
球および/またはHbと接触すればよい。従って,解離剤
は,血液検体を適当な濃度に希釈するための希釈液,溶
血剤を含む溶血剤溶液,クロマトグラフィーに用いられ
る溶離液などに含まれていてもよく,このような溶液や
溶離液もまた,本発明における解離用媒質と考えられ
る。その他,例えば試料の赤血球分散液,その溶血物,H
b溶液に固体のまま解離剤が添加される場合も,該解離
剤は速やかに溶解し,試料中のHbは解離用媒質と接触す
ると解離される。
本発明方法のうち,試料を解離剤で解離させた後,クロ
マトグラフィーにかけて分離・測定する方法について,
次に説明する。試料と解離剤(解離用媒質)との接触時
のpHは酸性側であるほど,L-HbA1Cの解離速度は上昇する
が,pHが低すぎるとHbの変性が生じる。さらに,極端に
高いか低いpH条件下ではクロマトグラフィーよるHbの分
離が困難になる。従って,通常,試料および解離剤を含
む混合液のpHが4.6〜7.0,好ましくは5.3〜6.5となるよ
うに調整される。試料と解離剤との接触時間は解離剤の
種類や濃度,pH条件などにより異なるが,通常,室温に
おいては10分以上,好ましくは10〜30分である。温度を
上げることによる接触時間の短縮も可能であり,例えば
37℃にて約3〜7分,50℃にて約1〜3分間インキュベ
ートすることもできる。このように処理された試料は,
イオン交換クロマトグラフィー(例えば高速液体クロマ
トグラフィー)にかけられ,Hbの各成分が分離されて溶
出され,測定される。
マトグラフィーにかけて分離・測定する方法について,
次に説明する。試料と解離剤(解離用媒質)との接触時
のpHは酸性側であるほど,L-HbA1Cの解離速度は上昇する
が,pHが低すぎるとHbの変性が生じる。さらに,極端に
高いか低いpH条件下ではクロマトグラフィーよるHbの分
離が困難になる。従って,通常,試料および解離剤を含
む混合液のpHが4.6〜7.0,好ましくは5.3〜6.5となるよ
うに調整される。試料と解離剤との接触時間は解離剤の
種類や濃度,pH条件などにより異なるが,通常,室温に
おいては10分以上,好ましくは10〜30分である。温度を
上げることによる接触時間の短縮も可能であり,例えば
37℃にて約3〜7分,50℃にて約1〜3分間インキュベ
ートすることもできる。このように処理された試料は,
イオン交換クロマトグラフィー(例えば高速液体クロマ
トグラフィー)にかけられ,Hbの各成分が分離されて溶
出され,測定される。
試料溶液を直接イオン交換クロマトグラフィーにかけ上
記解離剤が含有される溶離液を用いて溶出させる場合に
は,該溶離液のpHは,Hbを変性させず,かつクロマトグ
ラフィーにより容易にHbA1Cが分離されて測定され得る
ような範囲であればよい。通常,pH5.0〜6.5の範囲が選
択される。リン酸縮合体やその塩は緩衝作用を有するた
め溶離液に緩衝作用を持たせるためのバッファーとして
も機能する。さらにリン酸縮合体やその塩は,イオン交
換クロマトグラフィーでの分離に悪影響をおよぼす重金
属イオンの封鎖機能をも有する。試料がクロマトグラフ
ィーのカラムを通過する間に含有されるL-HbA1Cが解離
され,次いで各Hb成分に分離されて溶出され,測定され
る。解離剤は,上記試料の希釈液や溶血用前処理液など
とクロマトグラフィー用溶離液との両者に含有させるこ
とも可能で,この場合は特に効果的にL-HbA1Cの解離が
なされる。
記解離剤が含有される溶離液を用いて溶出させる場合に
は,該溶離液のpHは,Hbを変性させず,かつクロマトグ
ラフィーにより容易にHbA1Cが分離されて測定され得る
ような範囲であればよい。通常,pH5.0〜6.5の範囲が選
択される。リン酸縮合体やその塩は緩衝作用を有するた
め溶離液に緩衝作用を持たせるためのバッファーとして
も機能する。さらにリン酸縮合体やその塩は,イオン交
換クロマトグラフィーでの分離に悪影響をおよぼす重金
属イオンの封鎖機能をも有する。試料がクロマトグラフ
ィーのカラムを通過する間に含有されるL-HbA1Cが解離
され,次いで各Hb成分に分離されて溶出され,測定され
る。解離剤は,上記試料の希釈液や溶血用前処理液など
とクロマトグラフィー用溶離液との両者に含有させるこ
とも可能で,この場合は特に効果的にL-HbA1Cの解離が
なされる。
このようなリン酸縮合体および/またはリン酸縮合体塩
によるL-HbA1Cの解離・除去作用は,Hb上の2,3−DPGポケ
ットの性質に起因すると考えられる。2,3−DPGポケット
に関しては,Beneschら,(Biochem.Biophys.Res.Commu
n.,26,162,1967);Chanutinら,(Arch.Biochem.Biophy
s.,121:96,1967)などにより詳しく報告されている。こ
の2,3−DPGポケットはHbのβ鎖のヒスチジン,リジンな
どの塩基性アミノ酸残基,およびHbA1CのHbβ鎖のN末
端バリンによって形成されており,カチオン性を帯びて
いることが知られている。本発明に用いられるリン酸縮
合体およびリン酸縮合体の塩はアニオン性を有しかつそ
の分子形状も適切であるため上記2,3−DPGポケット対し
て強力な親和性を有する。そのため,グルコースと競合
してHbのβ鎖末端に結合する。その結果,L-HbA1Cの解離
が促進される。
によるL-HbA1Cの解離・除去作用は,Hb上の2,3−DPGポケ
ットの性質に起因すると考えられる。2,3−DPGポケット
に関しては,Beneschら,(Biochem.Biophys.Res.Commu
n.,26,162,1967);Chanutinら,(Arch.Biochem.Biophy
s.,121:96,1967)などにより詳しく報告されている。こ
の2,3−DPGポケットはHbのβ鎖のヒスチジン,リジンな
どの塩基性アミノ酸残基,およびHbA1CのHbβ鎖のN末
端バリンによって形成されており,カチオン性を帯びて
いることが知られている。本発明に用いられるリン酸縮
合体およびリン酸縮合体の塩はアニオン性を有しかつそ
の分子形状も適切であるため上記2,3−DPGポケット対し
て強力な親和性を有する。そのため,グルコースと競合
してHbのβ鎖末端に結合する。その結果,L-HbA1Cの解離
が促進される。
このようにしてリン酸縮合体および/またはリン酸縮合
体塩のL-HbA1Cの解離作用によりL-HbA1Cが試料中から除
去され,S-HbA1Cのみが試料中に残留する。この解離剤
は,Hbのイオン交換クロマトグラフィーによる溶出パタ
ーンに影響を与えない。そのため上記S-HbA1Cは,従来
と同様の方法でイオン交換クロマトグラフィーにより分
離され,精度よく測定される。
体塩のL-HbA1Cの解離作用によりL-HbA1Cが試料中から除
去され,S-HbA1Cのみが試料中に残留する。この解離剤
は,Hbのイオン交換クロマトグラフィーによる溶出パタ
ーンに影響を与えない。そのため上記S-HbA1Cは,従来
と同様の方法でイオン交換クロマトグラフィーにより分
離され,精度よく測定される。
(実施例) 以下に本発明を実施例につき説明する。
測定方法 以下の実施例においてHbA1の測定は,(株)京都第一科
学製のHi-Auto A1CHA-8120を用い適切条件を選択して測
定した。このHA-8120はHPLCによるHbA1C測定専用装置で
あり,陽イオン交換により各Hb成分を4分間で分離して
溶出する。溶出用緩衝液は専用の溶離液(リン酸緩衝
液)が用いられる。この装置を用いたHbの溶出パターン
は一般に第1図に示される。第1図において,P1および
P2はHbA1a+b成分に起因するピークであり,P3およびP4
はL-HbA1CおよびS-HbA1C成分に起因するピークである。
P5は他のヘモグロビンに起因するピークである。ここ
で,HbA1C(S型とL型との合計)は次式で算出され
る。
学製のHi-Auto A1CHA-8120を用い適切条件を選択して測
定した。このHA-8120はHPLCによるHbA1C測定専用装置で
あり,陽イオン交換により各Hb成分を4分間で分離して
溶出する。溶出用緩衝液は専用の溶離液(リン酸緩衝
液)が用いられる。この装置を用いたHbの溶出パターン
は一般に第1図に示される。第1図において,P1および
P2はHbA1a+b成分に起因するピークであり,P3およびP4
はL-HbA1CおよびS-HbA1C成分に起因するピークである。
P5は他のヘモグロビンに起因するピークである。ここ
で,HbA1C(S型とL型との合計)は次式で算出され
る。
本実施例においては同一人(健常人)の血液を使用し,
採血後直ちにヘパリンを添加したものを新鮮血液として
用いた。
採血後直ちにヘパリンを添加したものを新鮮血液として
用いた。
リファレンス値の測定 pH6.3の0.005Mリン酸緩衝液(100ml中に溶血剤としてTr
iton X-100(和光純薬製)0.1mlを加えて溶血用試薬を
調製した。この溶血用試薬450μlに新鮮血液3μlを
加えて溶血させた後に,上記方法によりHbA1C(L型お
よびS型を含む)を測定したところ,全Hb中HbA1Cは5.0
%の割合で存在することがわかった。この値をブランク
値とした。
iton X-100(和光純薬製)0.1mlを加えて溶血用試薬を
調製した。この溶血用試薬450μlに新鮮血液3μlを
加えて溶血させた後に,上記方法によりHbA1C(L型お
よびS型を含む)を測定したところ,全Hb中HbA1Cは5.0
%の割合で存在することがわかった。この値をブランク
値とした。
次に,新鮮血10mlを遠心分離して得た血球約5mlを8/32i
nchセロファンチューブ(和光純薬製)に入れ生理食塩
水1を用いて各2回,計5時間37℃にてインキュベー
トした。このようにしてL-HbA1Cを解離させた後,これ
を約1.5μl採取し,上記溶血試薬450μlを用いて溶血
させた。このサンプルについてHbA1Cを同様の方法で測
定したところ4.3%であった。この値は,血液中のS-HbA
1Cに相当すると考えられる。
nchセロファンチューブ(和光純薬製)に入れ生理食塩
水1を用いて各2回,計5時間37℃にてインキュベー
トした。このようにしてL-HbA1Cを解離させた後,これ
を約1.5μl採取し,上記溶血試薬450μlを用いて溶血
させた。このサンプルについてHbA1Cを同様の方法で測
定したところ4.3%であった。この値は,血液中のS-HbA
1Cに相当すると考えられる。
実施例1 0.005Mリン酸緩衝液100ml中に溶血剤としてTritonX-100
(和光純薬製)0.1mlおよび解離剤としてテトラポリリ
ン酸(和光純薬製)約0.1gを溶解させ,塩基を加えてpH
を6.3に調整し,溶血剤を含む解離用媒質を得た。この
溶血剤含有解離用媒質450μlに新鮮血液3μlを添加
し,室温で約10分間放置して溶血ならびにL-HbA1Cの解
離を行った。このサンプルのHbA1Cを測定したところ4.4
%であった。別に,テトラポリリン酸(解離剤)を加え
ない溶血剤溶液を調製し,同様の方法でHbA1Cの測定を
行った。
(和光純薬製)0.1mlおよび解離剤としてテトラポリリ
ン酸(和光純薬製)約0.1gを溶解させ,塩基を加えてpH
を6.3に調整し,溶血剤を含む解離用媒質を得た。この
溶血剤含有解離用媒質450μlに新鮮血液3μlを添加
し,室温で約10分間放置して溶血ならびにL-HbA1Cの解
離を行った。このサンプルのHbA1Cを測定したところ4.4
%であった。別に,テトラポリリン酸(解離剤)を加え
ない溶血剤溶液を調製し,同様の方法でHbA1Cの測定を
行った。
次に、上記溶血剤含有解離用媒質および溶血剤溶液(解
離剤を含まない)のそれぞれについてpHを5.8,5.3,5.0
および4.6に設定し,同様にHbA1Cの測定を行った。溶血
剤を含む解離用媒質を用いたときの総Hb中のHbA1C含有
量を第2図に実線(白プロット)で,そして,溶血剤溶
液(解離剤を含まない)を用いたときのHbA1C含有量を
実線(黒プロット)で示す。さらに,溶血剤を含む解離
用媒質を用いたときの総Hb量を第2図に一点鎖線(白プ
ロット)で,そして溶血剤溶液(解離剤を含まない)を
用いたときの総Hb量を一点鎖線(黒プロット)で示す。
総Hb量は,もとの血液中の総Hb量を100%として換算し
た。
離剤を含まない)のそれぞれについてpHを5.8,5.3,5.0
および4.6に設定し,同様にHbA1Cの測定を行った。溶血
剤を含む解離用媒質を用いたときの総Hb中のHbA1C含有
量を第2図に実線(白プロット)で,そして,溶血剤溶
液(解離剤を含まない)を用いたときのHbA1C含有量を
実線(黒プロット)で示す。さらに,溶血剤を含む解離
用媒質を用いたときの総Hb量を第2図に一点鎖線(白プ
ロット)で,そして溶血剤溶液(解離剤を含まない)を
用いたときの総Hb量を一点鎖線(黒プロット)で示す。
総Hb量は,もとの血液中の総Hb量を100%として換算し
た。
第2図から,pH条件が低くなるにつれてHbA1C値が低くな
り,L-HbA1Cが解離・除去されていることが明らかであ
る。しかし,pHが5.3を下まわると脱ヘムによる退色が認
められ,総Hb量が低下するのがわかる。特にテトラポリ
リン酸を含む本発明方法の系においてはこの傾向が顕著
であり,pH4.6における総Hb量はpH6.3の場合の約75%で
ある。本発明方法においては,pH6.3〜5.3の領域におい
て,Hbが変化することなくL-HbA1Cが解離・除去されるこ
とが明らかである。
り,L-HbA1Cが解離・除去されていることが明らかであ
る。しかし,pHが5.3を下まわると脱ヘムによる退色が認
められ,総Hb量が低下するのがわかる。特にテトラポリ
リン酸を含む本発明方法の系においてはこの傾向が顕著
であり,pH4.6における総Hb量はpH6.3の場合の約75%で
ある。本発明方法においては,pH6.3〜5.3の領域におい
て,Hbが変化することなくL-HbA1Cが解離・除去されるこ
とが明らかである。
実施例2 実施例1に準じ,テトラポリリン酸の量をそれぞれ1.0
g,0.2g,0.05g,0.005gおよび0.001g含有する溶血剤含有
解離用媒質(いずれもpH約6.0)を調製した。これを用
いて実施例1と同様の方法でHbA1Cの含有量を測定し
た。その結果を下表に示す。
g,0.2g,0.05g,0.005gおよび0.001g含有する溶血剤含有
解離用媒質(いずれもpH約6.0)を調製した。これを用
いて実施例1と同様の方法でHbA1Cの含有量を測定し
た。その結果を下表に示す。
表から,テトラポリリン酸が0.005%程度の低濃度であ
ってもL-HbA1Cの除去効果が得られることがわかる。テ
トラポリリン酸濃度が1.0%の場合は,クロマトグラム
のパターンがブロードに変化するため,濃度をやや低く
することが望ましい。
ってもL-HbA1Cの除去効果が得られることがわかる。テ
トラポリリン酸濃度が1.0%の場合は,クロマトグラム
のパターンがブロードに変化するため,濃度をやや低く
することが望ましい。
実施例3 実施例1に準じ,pHを6.0に調整した溶血剤含有解離用媒
質を調製した。これを用い,温度条件を37℃,50℃およ
び60℃に設定して,それぞれ所定時間インキュベートし
た後にHbA1Cの測定を行った。その結果を第3図に示
す。
質を調製した。これを用い,温度条件を37℃,50℃およ
び60℃に設定して,それぞれ所定時間インキュベートし
た後にHbA1Cの測定を行った。その結果を第3図に示
す。
第3図から反応温度を上げるにつれてより迅速にL-HbA
1Cが除去されることがわかる。しかし,60℃で3.5分間イ
ンキュベートするとHbの変性が認められ,総Hb量が約90
%に低下した。そのため,高温で長時間インキュベート
することは好ましくないと考えられる。
1Cが除去されることがわかる。しかし,60℃で3.5分間イ
ンキュベートするとHbの変性が認められ,総Hb量が約90
%に低下した。そのため,高温で長時間インキュベート
することは好ましくないと考えられる。
実施例4 新鮮血液10mlを遠心分離して得た血球約5mlを8/32inch
セロファンチューブ(和光純薬製)に入れ1000mg/dlの
D−グルコースを含有する等張液1000mlにて5時間37℃
で透析し,L-HbA1C高含量の試料を得た。実施例1に準じ
てpH6.0の溶血剤溶液(解離剤を含有しない)を調製
し,この溶血剤溶液450μlに上記試料約1.5μlを加え
て溶血させた。溶血物を用いて測定したHbA1C含有量は
6.0%であった。このときのクロマトグラムの溶出パタ
ーンを第4図(a)に示す。次に上記溶血剤溶液にテト
ラポリリン酸が0.1%となるように加えられた溶血剤含
有解離用媒質を調製し,これに同様の方法で,上記L-Hb
A1C高含量の試料を加えた。これを50℃にて2分間イン
キュベートした後に,そのHbA1C量を測定したところ,4.
4%であった。このときのクロマトグラムの溶出パター
ンを第4図(b)に示す。第4図(a)に認められるピ
ークP3は第4図(b)ではほぼ消失しているのがわか
る。このように本実施例のようなL-HbA1Cを高割合で含
有する試料においても本発明方法によりL-HbA1Cが充分
に除去されることが明らかである。
セロファンチューブ(和光純薬製)に入れ1000mg/dlの
D−グルコースを含有する等張液1000mlにて5時間37℃
で透析し,L-HbA1C高含量の試料を得た。実施例1に準じ
てpH6.0の溶血剤溶液(解離剤を含有しない)を調製
し,この溶血剤溶液450μlに上記試料約1.5μlを加え
て溶血させた。溶血物を用いて測定したHbA1C含有量は
6.0%であった。このときのクロマトグラムの溶出パタ
ーンを第4図(a)に示す。次に上記溶血剤溶液にテト
ラポリリン酸が0.1%となるように加えられた溶血剤含
有解離用媒質を調製し,これに同様の方法で,上記L-Hb
A1C高含量の試料を加えた。これを50℃にて2分間イン
キュベートした後に,そのHbA1C量を測定したところ,4.
4%であった。このときのクロマトグラムの溶出パター
ンを第4図(b)に示す。第4図(a)に認められるピ
ークP3は第4図(b)ではほぼ消失しているのがわか
る。このように本実施例のようなL-HbA1Cを高割合で含
有する試料においても本発明方法によりL-HbA1Cが充分
に除去されることが明らかである。
実施例5 テトラポリリン酸の代わりにピロリン酸ナトリウム(半
井化学薬品製)を1.0%の割合で含有する溶血剤含有解
離用媒質を用いたこと以外は実施例4と同様である。Hb
A1C含量は,4.5%であった。
井化学薬品製)を1.0%の割合で含有する溶血剤含有解
離用媒質を用いたこと以外は実施例4と同様である。Hb
A1C含量は,4.5%であった。
実施例6 テトラポリリン酸の代わりにヘキサメタリン酸ナトリウ
ムを1.0%の割合で含有する溶血剤含有解離用媒質を用
いたこと以外は実施例4と同様である。HbA1C含量は,4.
5%であった。
ムを1.0%の割合で含有する溶血剤含有解離用媒質を用
いたこと以外は実施例4と同様である。HbA1C含量は,4.
5%であった。
実施例7 リン酸緩衝液からなるHbA1測定用専用溶離液A液(積水
化学工業(株)製)にテトラポリリン酸を0.005%にな
るように添加し,解離剤含有溶離液を得た。別に,実施
例1と同様の溶血剤溶液(解離剤を含有しない)を調製
し,これを用いて,新鮮血液を実施例1と同様に溶血さ
せた。この試料をすみやかに上記溶離液を用いてクロマ
トグラフィーにかけて,分離・測定したところ,溶出パ
ターンは,実施例1の解離用媒質を用いた場合と,ほぼ
同様であり,HbA1C含量は4.4%であった。本実施例の方
法で充分にL-HbA1Cが除去されることがわかる。
化学工業(株)製)にテトラポリリン酸を0.005%にな
るように添加し,解離剤含有溶離液を得た。別に,実施
例1と同様の溶血剤溶液(解離剤を含有しない)を調製
し,これを用いて,新鮮血液を実施例1と同様に溶血さ
せた。この試料をすみやかに上記溶離液を用いてクロマ
トグラフィーにかけて,分離・測定したところ,溶出パ
ターンは,実施例1の解離用媒質を用いた場合と,ほぼ
同様であり,HbA1C含量は4.4%であった。本実施例の方
法で充分にL-HbA1Cが除去されることがわかる。
比較例1 実施例1のテトラポリリン酸の代わりにリン酸2水素ナ
トリウム(和光純薬製)を使用し,該リン酸2水素ナト
リウム約1.0%を含有しpHが6.0に調製された溶血用試薬
を調製した。これを新鮮血に加え,溶血後50℃にて2分
間インキュベートを行った後に実施例1と同様に,HbA
1Cの測定を行った。HbA1C値は5.0%であり,L-HbA1Cが除
去されていないことがわかる。
トリウム(和光純薬製)を使用し,該リン酸2水素ナト
リウム約1.0%を含有しpHが6.0に調製された溶血用試薬
を調製した。これを新鮮血に加え,溶血後50℃にて2分
間インキュベートを行った後に実施例1と同様に,HbA
1Cの測定を行った。HbA1C値は5.0%であり,L-HbA1Cが除
去されていないことがわかる。
比較例2 実施例1と同様の溶血剤(実施例1と同濃度),セミカ
ルバジド塩酸塩(和光純薬製)0.01M,アニリン(和光純
薬製)0.004Mを含むpH5.3の0.005Mリン酸緩衝液からな
る溶血剤含有L-HbA1C除去剤溶液を調製した。これを用
いて新鮮血を実施例1と同様に溶血させ,溶血物を60℃
にて2分間インキュベートした。これを測定したところ
HbA1C含量は4.6%であった。しかし,分画パターンはか
なりブロードになり,Hbピーク総面積は当初の約70%で
あった。
ルバジド塩酸塩(和光純薬製)0.01M,アニリン(和光純
薬製)0.004Mを含むpH5.3の0.005Mリン酸緩衝液からな
る溶血剤含有L-HbA1C除去剤溶液を調製した。これを用
いて新鮮血を実施例1と同様に溶血させ,溶血物を60℃
にて2分間インキュベートした。これを測定したところ
HbA1C含量は4.6%であった。しかし,分画パターンはか
なりブロードになり,Hbピーク総面積は当初の約70%で
あった。
比較例3 実施例1と同様の溶血剤(実施例1と同濃度)およびホ
ウ酸1.0%を含有するpH5.3の0.005Mリン酸緩衝液からな
る溶血剤含有L-HbA1C除去剤溶液を調製した。これを用
いて新鮮血を実施例1と同様に溶血させ溶血物を50℃に
て2分インキュベートした。これを測定したところ,Hb
A1C含量は4.4%であった。しかし,ホウ酸濃度を0.1%
としpHを6.0に調整して同様の測定を行ったところ,HbA
1C含量は4.8%となった。このように,ホウ酸が低濃度
である場合には,充分にL-HbA1Cを除去することができ
ない。
ウ酸1.0%を含有するpH5.3の0.005Mリン酸緩衝液からな
る溶血剤含有L-HbA1C除去剤溶液を調製した。これを用
いて新鮮血を実施例1と同様に溶血させ溶血物を50℃に
て2分インキュベートした。これを測定したところ,Hb
A1C含量は4.4%であった。しかし,ホウ酸濃度を0.1%
としpHを6.0に調整して同様の測定を行ったところ,HbA
1C含量は4.8%となった。このように,ホウ酸が低濃度
である場合には,充分にL-HbA1Cを除去することができ
ない。
(発明の効果) 本発明によれば,このように,血液中のHbA1CのうちL-H
bA1Cが除去され,S-HbA1Cのみが精度良く簡便にかつヘモ
グロビンを変性させることなく短時間のうちに測定され
る。S-HbA1Cは,一時的な血糖の上昇もしくは降下に左
右されずに比較的安定して血液中に存在するため,この
測定値はより信頼度の高い糖尿病の指標とされ得る。測
定系を自動化することにより,さらに効果的な臨床検査
が可能となる。
bA1Cが除去され,S-HbA1Cのみが精度良く簡便にかつヘモ
グロビンを変性させることなく短時間のうちに測定され
る。S-HbA1Cは,一時的な血糖の上昇もしくは降下に左
右されずに比較的安定して血液中に存在するため,この
測定値はより信頼度の高い糖尿病の指標とされ得る。測
定系を自動化することにより,さらに効果的な臨床検査
が可能となる。
第1図は血液中のHbをイオン交換クロマトグラフィーに
より分離して測定したときの溶出パターンを示すチャー
ト,第2図は,本発明方法および従来の方法を用い,血
液を異なるpH条件下で溶血させた後に測定したときの該
pH条件とHbA1C含量との関係,および該pH条件と総Hb量
との関係を示すグラフ,第3図は本発明方法により血液
中のHbA1Cを測定したときの解離反応時間とHbA1C含量と
の関係を示すグラフ,そして第4図(a)および(b)
は,HbA1C含量を高くした血液サンプルおよび該サンプ
ルを本発明方法により処理したときのイオン交換クロマ
トグラフィーの溶出パターンをそれぞれ示すチャートで
ある。
より分離して測定したときの溶出パターンを示すチャー
ト,第2図は,本発明方法および従来の方法を用い,血
液を異なるpH条件下で溶血させた後に測定したときの該
pH条件とHbA1C含量との関係,および該pH条件と総Hb量
との関係を示すグラフ,第3図は本発明方法により血液
中のHbA1Cを測定したときの解離反応時間とHbA1C含量と
の関係を示すグラフ,そして第4図(a)および(b)
は,HbA1C含量を高くした血液サンプルおよび該サンプ
ルを本発明方法により処理したときのイオン交換クロマ
トグラフィーの溶出パターンをそれぞれ示すチャートで
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】血液中の少なくとも赤血球および/または
ヘモグロビンを含む試料を,リン酸縮合体および/また
はリン酸縮合体の塩を含む解離用媒質と接触させて,該
赤血球および/またはヘモグロビンに含まれる不安定型
ヘモグロビンA1Cをヘモグロビンとグルコースとに解離
させる工程,および, 該解離後の試料中のヘモグロビンをイオン交換クロマト
グラフィーで各ヘモグロビン成分に分離し,該試料中に
存在する安定型ヘモグロビンA1Cを測定する工程, を包含する糖化ヘモグロビンの測定法。 - 【請求項2】前記解離用媒質が,前記試料の調製に用い
る希釈液,該試料の溶血用前処理液および前記クロマト
グラフィーに使用される溶離液のうちの少なくとも1種
である,特許請求の範囲第1項に記載の測定法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13289187A JPH076989B2 (ja) | 1987-05-28 | 1987-05-28 | 糖化ヘモグロビンの測定法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13289187A JPH076989B2 (ja) | 1987-05-28 | 1987-05-28 | 糖化ヘモグロビンの測定法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63298063A JPS63298063A (ja) | 1988-12-05 |
| JPH076989B2 true JPH076989B2 (ja) | 1995-01-30 |
Family
ID=15091969
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13289187A Expired - Fee Related JPH076989B2 (ja) | 1987-05-28 | 1987-05-28 | 糖化ヘモグロビンの測定法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH076989B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH03293563A (ja) * | 1990-04-11 | 1991-12-25 | Sekisui Chem Co Ltd | 不安定型ヘモグロビンA↓1cの定量法およびその定量装置 |
| JP2782470B2 (ja) * | 1990-07-20 | 1998-07-30 | 株式会社日立製作所 | グリコヘモグロビンの分離方法および分離装置並びに分離カラム |
| JPH0912598A (ja) * | 1995-06-29 | 1997-01-14 | Sekisui Chem Co Ltd | ヘモグロビンの分離精製方法 |
-
1987
- 1987-05-28 JP JP13289187A patent/JPH076989B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63298063A (ja) | 1988-12-05 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| Glatzle et al. | Glutathione reductase test with whole blood, a convenient procedure for the assessment of the riboflavin status in humans | |
| EP0202543B1 (en) | Method of inhibiting glycolysis in blood samples | |
| Giroux et al. | Competition for zinc among serum albumin and amino acids | |
| EP0031955B1 (en) | Process for purification of lipoprotein cholesterol for use as a cholesterol reference material | |
| EP0978724B1 (fr) | Réactif pour la mesure de l'hémoglobine et la détermination des leucocytes dans un échantillon de sang | |
| JPS634145B2 (ja) | ||
| CA1189774A (en) | Method for separation of hemoglobin a.sub.1.sub.c | |
| EP2562539B1 (en) | Method of analyzing hemoglobins | |
| CN105738634A (zh) | 糖化血红蛋白质控物的制备方法 | |
| CN112334767A (zh) | 血红蛋白类测定用试剂以及血红蛋白类的测定方法 | |
| US4116635A (en) | General purpose in vitro anticoagulant | |
| JP2008541046A (ja) | シアニドを含まない溶解試薬組成物;ならびにヘモグロビンおよび白血球の測定のための使用の方法 | |
| HU188211B (en) | Process and reagent for determining glycolyzed hemoglobine | |
| JPH076989B2 (ja) | 糖化ヘモグロビンの測定法 | |
| JPH076990B2 (ja) | 不安定型糖化ヘモグロビン解離剤 | |
| DE19713088C1 (de) | Verfahren und Blutabnahmegefäß zur Aufbereitung von Blutproben für die Homocystein- und/oder Folatbestimmung | |
| US4054488A (en) | Preservation of glucose in blood samples | |
| JP2506870B2 (ja) | 糖化ヘモグロビン測定用溶離液 | |
| DE3311458C2 (de) | Verfahren zur Herstellung einer glukosefreien Hämoglobinkontrolle | |
| US5292663A (en) | Method of treating blood containing labile glycosylated hemoglobin A1C | |
| JPH06331629A (ja) | 不安定型糖化ヘモグロビン解離剤およびこれを用いた糖化ヘモグロビンの測定法 | |
| JPH071275B2 (ja) | 糖化ヘモグロビン測定用溶血試液 | |
| JPH071277B2 (ja) | 不安定型糖化ヘモグロビン解離剤 | |
| JP3177863B2 (ja) | 不安定型糖化ヘモグロビンの除去方法 | |
| EP0319454B1 (en) | An eliminating agent for glycosylated hemoglobin |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |