JPH0770250B2 - 絶縁電線およびこれを用いた耐熱絶縁コイルの製造方法 - Google Patents

絶縁電線およびこれを用いた耐熱絶縁コイルの製造方法

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JPH0770250B2
JPH0770250B2 JP61047764A JP4776486A JPH0770250B2 JP H0770250 B2 JPH0770250 B2 JP H0770250B2 JP 61047764 A JP61047764 A JP 61047764A JP 4776486 A JP4776486 A JP 4776486A JP H0770250 B2 JPH0770250 B2 JP H0770250B2
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宰 河野
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、高温雰囲気下で使用可能な耐熱性の良好な
耐熱絶縁コイルの製造方法およびこれに使用される絶縁
電線に関する。
「従来の技術およびその問題点」 従来、このような高温雰囲気下で使用される耐熱絶縁コ
イルを製造するには、導体上にガラスフリットなどの無
機絶縁物を塗布し、これを加熱してガラス質の絶縁層を
形成して絶縁電線とし、この絶縁電線をコイル状に巻き
回する方法がある。
しかしながら、このものは可撓性に乏しいためコイル巻
きする際に絶縁層にクラックを生じたり、絶縁層が剥離
したりするという問題が有り、また導体と絶縁層層との
熱膨張率が異なるため、ヒートショックなどにより歪み
が絶縁層に蓄積され、絶縁層層が剥離しやすいという問
題があった。
このような問題を改善するため、導体上にガラス繊維な
どの無機繊維をバインダー樹脂を用いて固着せしめ、つ
いで加熱してバインダー樹脂を硬化せしめて絶縁電線と
し、これをボビンなどにまきつけたのち、空気中で高温
に加熱してバインダー樹脂を分解消失せしめて、無機繊
維のみとし、導体と無機繊維との密着性をほとんど消失
せしめ、かつ十分な耐熱性が得られるようにする方法が
知られている。
しかしながら、この耐熱絶縁コイルの製造方法にあって
は、空気中でのバインダー樹脂の熱分解の際、導体やボ
ビンなどが同時に酸化されるため、導体やボビンは耐酸
化性の良好な材料からなるものを用いる必要があり、材
質的に限られる不都合があった。また、導体と無機繊維
および無機繊維同志が接着されていないため、大径の導
体や硬質の導体をもちいた場合には、導体と無機繊維と
の熱膨張係数の差により無機繊維がこすられたり、引っ
張られたりして切断し、バラバラの状態となり、部分的
に線間短絡が生じる欠点があった。
「問題点を解決するための手段」 そこで、この発明にあっては導体上に、ガラスフリット
を主成分とする無機物粒子(これにはガラスフリットま
たはガラスフリットと高融点無機粒子との混合物が含ま
れる。)と可溶性バインダー樹脂とからなる第1絶縁層
および無機繊維と可溶性バインダー樹脂とからなる第2
絶縁層を設けて絶縁電線とし、これを巻き回してコイル
とし、このコイルを可溶性バインダー樹脂の良溶媒中に
浸漬し、第1絶縁層および第2絶縁層の可溶性バインダ
ー樹脂を溶解除去したのち、非酸化性雰囲気でガラスフ
リットの軟化温度以上に加熱して第1絶縁層を焼成する
ことにより、上記問題点を解決するようにした。
第1図は、この発明の絶縁電線の一例を示すもので、図
中符号1は導体である。この導体1は、特に限定される
事はなく、銅、銅合金およびこれら金属で表面被覆され
ている超伝導線などの高温での耐酸化性の乏しい材料か
らなるものが、特に好ましい。導体1の径は0.05〜5mm
程度とされるが、これに限られることはない。
この導体1の表面には、第1絶縁層2が設けられてい
る。この第1絶縁層2は、ガラスフリットを主成分とす
る無機物粒子と可溶性バインダー樹脂とからなるもの
で、無機物粒子100重量部と可溶性バインダー樹脂0.5〜
70重量部とからなる組成物を可溶性バインダー樹脂の良
溶媒に溶解してスラリー状物とし、このスラリー状物を
導体1に塗布し、可溶性バインダー樹脂の硬化温度以下
で加熱し、良溶媒を揮発させることにより得られるもの
である。
この第1絶縁層2の厚さは100μm以下とされる。100μ
mを越えると、焼成後ヒートショツクなどにより、絶縁
層2に歪みが蓄積され、剥離などが生じやすくなる。
無機物粒子としては、ガラスフリットが体積比で35%以
上含まれているものが好ましく、ガラスフリット以外の
無機物粒子としてはアルミナ、シリカ、ジルコニア、マ
グネシア、チタニアなどの高融点無機物や、鉄、ニッケ
ル、コバルト、銅、マンガン、アンチモンなどの結合性
金属酸化物が含まれているものが用いられる。また、ガ
ラスフリットとしては、使用目的、温度などにより多少
異なるが通常は、次に示すような組成の軟化流動温度が
600ないし700℃程度のものが好ましい。
A PbO 50〜85%(重量%) B2O3 3〜9 % SiO2 1〜4 % ZnO 4〜15% B PbO 50〜85% B2O3 3〜9 % SiO2 2〜15% Al2O3 1〜8 % ZrO2 2〜10% C PbO 50〜85% B2O3 2〜9 % SiO2 1〜8 % Al2O3 0.5〜4 % ZnO 15〜28% このガラスフリットが体積比で35%未満では第1絶縁層
2の導体1への密着性が低下し、高融点無機物や金属酸
化物間の結合力が不足して不都合である。
また、可溶性バインダー樹脂としては、水、有機溶媒に
溶解しやすい樹脂であればどのようなものでもよいが、
万一微量残存してもモノマーとなって分解消失しやすい
樹脂、例えばメタクリル酸エステル重合体、アクリル酸
エステル重合体およびこれらの共重合体、水、有機溶媒
のいずれにも溶解するポリエチレンオキサイドなどが望
ましい。この可溶性バインダー樹脂の配合量は、無機物
粒子100重量部に対し0.5〜70重量部程度とされ、出来る
だけ少ないほうがよい。
また、上記良溶媒としては、水、ケトン類、エステル
類、アルコール類、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類
などが可溶性バインダー樹脂との組み合わせにおいて適
宜選択される。
無機物粒子と可溶性バインダー樹脂と良溶媒とからなる
スラリー状物中の固形分(無機物粒子と可溶性バインダ
ー樹脂)濃度は、50〜80%程度とされ、その粘度などに
よって決められる。
良溶媒除去のための加熱は、溶媒気化温度以上、可溶性
バインダー樹脂硬化温度以下の温度範囲で行なわれ、熱
可塑性樹脂では通常100〜150℃で行なわれ、時間は1〜
10時間程度でよい。
このような第1絶縁層2の表面には、第2絶縁層3が設
けられている。この第2絶縁層3は、無機繊維を導体1
上にスパイラル状に巻きつけながら上記可溶性バインダ
ー樹脂とその良溶媒からなる樹脂液を塗布含浸し、可溶
性バインダー樹脂の硬化温度以下で加熱して無機繊維を
固化するとともに第1絶縁層2に固着させたものであ
る。無機繊維としては、電気用ガラス繊維、アルミナ繊
維、ジルコニア繊維、シリカ繊維などの単繊維あるいは
これらからなるより糸、引きそろえ糸、織物にしたテー
プなどが使用される。また、可溶性バインダー樹脂とし
ては、第1絶縁層2に用いられたものと同一のものを用
いるのが好ましいが、必ずしも同一の樹脂でなくともよ
い。この樹脂液としては、これら樹脂を溶解した濃度0.
5〜20重量%程度のものが使われる。また、溶媒除去の
ための加熱温度は、水、溶剤が揮散する温度であればよ
く、可溶性バインダー樹脂に熱硬化型樹脂をもちいた場
合には、その架橋温度よりも低い温度に保つ必要があ
る。また、熱可塑性樹脂を用いた場合には、100〜150℃
程度で良い。
この第2絶縁層3の厚さは、通常5〜500μm程度とさ
れる。また、第2絶縁層3内での無機繊維の割合は、重
量比で60〜99.5%とされ、可溶性バインダー樹脂が出来
るだけ少ないものが好ましい。
この第2絶縁層3上には、必要に応じて潤滑層を設けて
もよい。この潤滑層はこの絶縁電線をコイル巻きなどす
る際、表面の滑り性を改善し、加工性を向上させるため
のもので、可溶性のワックス類を塗布することにより形
成される。
次に、このような絶縁電線4を用いて、耐熱絶縁コイル
を製造する方法を説明する。
まず、絶縁電線4を第2図に示すようにボビン5に巻き
付け、コイル6とする。次いで、このコイル6を可溶性
バインダー樹脂の良溶媒中に浸漬して可溶性バインダー
樹脂を溶解除去する。絶縁電線4に潤滑層が被覆されて
いるものでは、予め潤滑層をなす潤滑剤を溶解する溶媒
中に浸漬して、潤滑層を除去しておく。潤滑剤と可溶性
バインダー樹脂とが同一の溶媒に溶解するものであれ
ば、同時に、これらを溶解除去することができる。
必要に応じて、これら溶媒を60〜70℃程度に加熱して樹
脂の溶解を促進してもよい。可溶性バインダー樹脂の具
体的な溶解にあたっては、溶媒を数回取り替えて行うの
が好ましい。
この溶媒浸漬により絶縁電線4の第1絶縁層2および第
2絶縁層3の可溶性バインダー樹脂が溶解除去され、第
1絶縁層2は無機物粒子のみから、第2絶縁層3は無機
繊維のみからと耐熱性の良好な無機材料から形成される
ことになる。なお、可溶性バインダー樹脂が0.02%程度
までならば、除去されずに残っていても、次工程の加熱
焼成時に熱分解されて除去されるので、さほどの悪影響
は生じない。ついで、このコイル6を不活性雰囲気ある
いは真空不活性雰囲気などの非酸化性雰囲気に置いて、
第1絶縁層2のガラスフリットの軟化流動温度以上の温
度に加熱する。この加熱により、ガラスフリットは熔融
し、導体1に固着するとともに高融点無機物や金属酸化
物粒子を結合保持し、さらにその一部が第2絶縁層3の
無機繊維にも部分的に付着し、第2絶縁層3を間接的に
導体1に接合させる。
このようにして得られた耐熱絶縁コイル6は、不活性ガ
ス雰囲気あるいは真空雰囲中、高温で使用される。
[作用] このような絶縁電線4にあっては、導体1に対する固着
性のない無機物粒子および無機繊維を可溶性バインダー
樹脂を利用して導体1に固着しているので、コイル巻き
などの加工時に第1および第2絶縁層2、3が導体1か
ら剥離するようなことがなく、良好な加工性を示す。
また、このような耐熱絶縁コイル6の製造方法にあって
は、第1絶縁層2および第2絶縁層3の可溶性バインダ
ー樹脂をこれの良溶媒で溶解除去しているので可溶性バ
インダー樹脂除去のための熱処理が不要となり、銅、銅
合金、鉄などの耐酸化性に劣る材料からなる導体1やボ
ビン6を使用することができる。
さらに、このようにして得られた耐熱絶縁コイル5は導
体1表面がすべて無機材料からなる絶縁物で構成されて
いるので、その耐熱性は極めて高くなる。また、導体1
表面にはガラスあるいはガラスと無機物粒子とからなる
絶縁物が密着し、その外側に無機繊維からなる絶縁物
が、内側のガラスによって部分的に密着した状態となっ
ているため、熱歪みの蓄積がすくなく導体1上の絶縁層
が導体1から剥離することがない。さらに、外側の無機
繊維が内側のガラスによって部分的に固着されているの
で、熱膨張係数の差による導体1との伸縮差によって無
機繊維がこすられ切断されてもバラバラになるようなこ
とがないため、部分的な線間短絡を生じることがなく、
かつ絶縁物の厚さが厚くなるので絶縁耐圧も増大する [実施例] 径1.5mmの銅線表面につぎの組成のスラリー状物を塗布
した。
a ガラスフリット(軟化点700℃) 65重量部 b アルミナ 35重量部 c ノルマル・ブチルメタアクリレート50部とイソ・ブ
チルアクリレート50部からなる共重合体(ガラス転移温
度40℃) 35重量部 d トルエン 50重量部 ついで、これを約150℃で乾燥してトルエンを揮散さ
せ、30μmの第1絶縁層を形成した。この第1絶縁層上
に径7μmのガラス繊維をスパイラル状に密に巻きつけ
ながら、上記共重合体35重量部とトルエン50重量部とか
らなる樹脂液をこれに塗布含浸し、約150℃で乾燥しト
ルエンを揮散させ、100μmの第2絶縁層を設けて、絶
縁電線を得た。
ついで、この絶縁電線を胴径50mm、内幅150mmのセラミ
ックコーティングした金属製ボビンに10層バイフアイラ
ー巻きにしてコイルを作成した。
このコイルをアクリレート共重合体の良溶媒であるジク
ロルメタンに浸漬し、コイルの2ないし3層程度の樹脂
が溶解したところで新しいジクロルメタンにとりかえる
方法でアクリレート共重合体を溶解除去した。さらに、
このコイルを窒素雰囲気中で700℃、0.5時間加熱し、導
体上に多孔質の無機物層とその上に部分的にこの層と接
着したガラス繊維層とが設けられた耐熱絶縁コイルをえ
た。
この耐熱絶縁コイルの高温での線間の絶縁抵抗値、絶縁
破壊電圧を窒素雰囲気中で測定したところ、別表に示す
結果が得られた。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明の絶縁電線は導体上にガ
ラスフリットを主成分とする無機物粒子と可溶性バイン
ダー樹脂からなる第1絶縁層および無機繊維と可溶性バ
インダー樹脂とからなる第2絶縁層が設けられたもので
あるので、導体に対する固着性のない無機物粒子および
無機繊維を可溶性バインダー樹脂を利用して導体に固着
しているので、コイル巻きなどの加工時に第1および第
2絶縁層が導体から剥離するようなことがなく、良好な
加工性を示す。また、この発明の耐熱絶縁コイルの製造
方法は、導体上にガラスフリットを主成分とする無機物
粒子と可溶性バインダー樹脂からなる第1絶縁層および
無機繊維と可溶性バインダー樹脂とからなる第2絶縁層
が設けられた絶縁電線を巻き回してコイルとし、このコ
イルを可溶性バインダー樹脂の良溶媒中に浸漬し、第1
絶縁層および第2絶縁層の可溶性バインダー樹脂を溶解
除去したのち、非酸化性雰囲気でガラスフリットの軟化
温度以上に加熱して第1絶縁層を焼成するものであるの
で、バインダー樹脂の分解除去のための酸化雰囲気での
加熱処理が不要となるので、耐熱性に劣る材料からなる
導体やボビンなどを使用することができる。また、大径
の導体を用いても、高温からの急冷による熱歪みなどに
より、無機繊維が切断されてバラバラになり部分的な線
間短絡を起こすことがなく、絶縁層を厚く出来るから絶
縁耐圧値の高い耐熱絶縁コイルが得られるなどの利点が
あるものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の絶縁電線の一例を示す概略断面
図、第2図はこの発明の耐熱絶縁コイルの製造方法によ
って得られた耐熱絶縁コイルの一例を示す部分断面図で
ある。 1……導体、 2……第1絶縁層 3……第2絶縁層 6……コイル
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−167303(JP,A) 特開 昭56−167304(JP,A) 特開 昭56−167305(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導体上に、ガラスフリットを主成分とする
    無機物粒子と可溶性バインダー樹脂とからなる第1絶縁
    層および無機繊維と可溶性バインダー樹脂とからなる第
    2絶縁層が設けられたことを特徴とする絶縁電線。
  2. 【請求項2】導体上に、ガラスフリットを主成分とする
    無機物粒子と可溶性バインダー樹脂とからなる第1絶縁
    層および無機繊維と可溶性バインダー樹脂とからなる第
    2絶縁層が設けられた絶縁電線を巻き回してコイルと
    し、このコイルを可溶性バインダー樹脂の良溶媒中に浸
    漬し、第1絶縁層および第2絶縁層の可溶性バインダー
    樹脂を溶解除去したのち、非酸化性雰囲気でガラスフリ
    ットの軟化温度以上に加熱して第1絶縁層を焼成するこ
    とを特徴とする耐熱絶縁コイルの製造方法。
JP61047764A 1986-03-05 1986-03-05 絶縁電線およびこれを用いた耐熱絶縁コイルの製造方法 Expired - Lifetime JPH0770250B2 (ja)

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