JPH0771733B2 - 冷却能に優れた熱交換体鋳物及びその製造方法 - Google Patents

冷却能に優れた熱交換体鋳物及びその製造方法

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JPH0771733B2
JPH0771733B2 JP2059998A JP5999890A JPH0771733B2 JP H0771733 B2 JPH0771733 B2 JP H0771733B2 JP 2059998 A JP2059998 A JP 2059998A JP 5999890 A JP5999890 A JP 5999890A JP H0771733 B2 JPH0771733 B2 JP H0771733B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高炉用ステーブクーラー等に適用されて好適
な、冷却能に優れた熱交換体鋳物及びその製造方法に関
する。
[従来の技術] 一般に、高炉用ステーブクーラー等の熱交換体鋳物は、
冷却媒体の通路となる冷却管を母材に鋳込んで構成され
ている。
そして、熱交換体鋳物は、基本的に、(A)、(B)の
性能を備えることが必要とされる。
(A)冷却管と母材との密着性が良く伝熱性に優れるこ
と。
即ち、熱交換体鋳物は、長時間の使用に伴う熱亀裂、折
損、溶損、摩耗等により次第に損耗するが、この損耗
は、鋳物自体の冷却能が高くなるほど、熱負荷が緩和さ
れるため、抑制される。従って、冷却管と部材の間の伝
熱性が良い方が、損耗抑制の点から有利になるのであ
る。
(B)母材に発生したクラックが冷却管に伝播しないこ
と。
即ち、熱交換体鋳物は、上述の如くの熱亀裂や折損を母
材に生ずるが、この母材の亀裂や折損が鋳造時に同時に
鋳ぐるんだ冷却管に及ぶことを防止する必要があるので
ある。
然るに、従来の熱交換体鋳物にあっては、母材のクラッ
クが冷却管へ進展するのを防止するため、下記〜の
如くの方法により、冷却管を母材に対し、非溶着となる
ように鋳ぐるむこととしている。
硅石質、クロム質、マグネシア質、シャモット質等の
耐火物を管表面に被覆する方法(特公昭54−44650)。
耐火物を管表面に炎溶射する方法(特公昭54−4196
6)。
二重管の冷却管を鋳ぐるみ、外管が母材に溶着しても
内管は非溶着となる方法(特公昭58−49607)。
[発明が解決しようとする課題] 然しながら、従来技術には下記の問題点がある。
管表面に熱伝導率の低い耐火物層が設けられたり、空隙
が設けられることから、冷却管と母材の間の伝熱性が大
幅に低下する。このことは、熱交換体鋳物の冷却能を劣
化せしめ、前述の(A)の性能を損なうことを意味す
る。
本発明は、冷却管と母材との伝熱性に優れ、かつ母材に
発生したクラックが冷却管に伝播しない熱交換体鋳物及
びその製造方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 請求項1に記載の本発明は、金属被覆層を外表面に備え
た金属製冷却管を鋳ぐるんでなる熱交換体鋳物であっ
て、該被覆層が、Crを10wt%以上〜70wt%以下含有し、
残部がCoと不可避的不純物からなる合金からなるととも
に気孔を有し、該被覆層の表面及び気孔の一部又は全部
が酸化クロムにより被覆かつ充填されるようにしたもの
である。
請求項2に記載の本発明は、金属被覆層を外表面に備え
た金属製冷却管を鋳ぐるんでなる熱交換体鋳物であっ
て、該被覆層が、Crを10wt%以上〜70wt%以下含有し、
20wt%以下のAlと2wt%以下のYの少なくとも一種を含
有し、残部がCoと不可避的不純物からなる合金からなる
とともに気孔を有し、該被覆層の表面及び気孔の一部又
は全部が酸化クロムにより被覆かつ充填されるようにし
たものである。
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の本
発明において更に、前記被覆層の気孔率が、5〜25%で
あるようにしたものである。
請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3のいずれかに
記載の本発明において更に、前記被覆層の厚みが、50〜
400μmであるようにしたものである。
請求項5に記載の本発明は、請求項1〜4のいずれかに
記載の冷却能に優れた熱交換体鋳物の製造方法におい
て、前記酸化クロムの少なくとも一部が、前記被覆層に
含浸せしめた可溶性クロム化合物を酸化雰囲気で熱処理
することにて生成されるものであるようにしたものであ
る。
[作用] 本発明の熱交換体鋳物にあっては、以下の如くの金属被
覆層が形成された冷却管が母材に鋳ぐるまれる。
即ち、冷却管は例えば5〜25%の気孔率で気孔を有する
金属被覆層を形成した後、例えば無水クロム酸等の可溶
性クロム化合物の水溶液を該被覆層に塗布又は浸漬含浸
する。そして、該冷却管を酸化雰囲気で熱処理(好まし
くは500℃前後)することにより、塗布含浸したクロム
化合物を酸化クロムに化学変化させる。必要に応じ、ク
ロム化合物水溶液の含浸と熱処理操作を繰り返すことが
できる。これにより、該被覆層の表面及び気孔の少なく
とも一部が酸化クロムで被覆かつ充填される。
金属被覆層は、Co−Cr合金、若しくは必要に応じてAlと
Yの少なくとも一種を添加したCo−Cr合金にて構成され
る。
請求項1、2に記載の本発明のそれぞれによれば、下記
〜の作用がある。
母材溶湯と冷却管とが直接溶着しないように冷却管に
被覆層を設けるが、この被覆層としては冷却管の伝熱性
を向上させるため、熱伝導性の良い金属が用いられる。
上記の金属被覆層のみでは冷却管と母材との溶着を
生じてクラックの伝播を防止できない。そこで、金属被
覆層に気孔を形成し、該被覆層の表面及び気孔の少なく
とも一部に酸化クロムを被覆かつ充填する。酸化クロム
は化学的に安定であり溶融母材金属と濡れにくいことか
ら母材と金属被覆層の完全な合金化を防ぎ、母材と冷却
管の強固な溶着が防止され、母材から冷却管へのクラッ
クの伝播を防止できる。
又、該被覆層は、溶融母材金属と、部分的には軽度な拡
散接合部を形成し、冷却管と母材との伝熱性を向上せし
める機能をも果たす。
金属被覆層の気孔には酸化クロムが充分に充填される
ため、該被覆層の気孔率が軽減し、気孔の存在による被
覆層の保熱効果を低下せしめることとなり、該被覆層の
熱伝導性を向上し、冷却管と母材との伝熱性を向上せし
める。
金属被覆層に形成される酸化クロムの充填気孔は、母
材に発生したクラックの先端応力を分散、解放する作用
をもつ。このため、母材から冷却管へのクラックの伝播
を防止できる。
金属被覆層は、Co−Cr合金、若しくは必要に応じてAl
とYの少なくとも一種を添加したCo−Cr合金にて構成さ
れ、溶湯鋳込み時の高温と熱衝撃に耐える性能を備え
る。
Co基合金は耐熱性に優れ、鋳込み時の熱衝撃に耐える。
又、Crを含有することにより、耐熱性、耐酸化性を向上
することができる。Crの含有量は10wt%未満では、耐熱
性が不十分となり溶融金属と溶着する傾向が高くなる。
70wt%を超えると耐熱衝撃性が低下し、鋳込み時に亀裂
や冷却管からの剥離を生じ易い。よって、Cr含有量は10
wt%以上〜70wt%以下に限定した。又、必要に応じて20
wt%以下のAlと2wt%以下のYの少なくとも一種を含有
することにより、熱処理時に金属被覆層の表面及び気孔
内表面にそれら酸化物を生成し、酸化クロムの効果を助
長できる。尚、Alが20wt%を超えて含有しても、効果が
飽和するばかりか合金の融点を低下させるためAlの含有
量は20wt%以下に限定した。又、Yは2wt%を超えて含
有しても効果が飽和するとともに高価であるため、2wt
%以下に限定した(Al、Yはそれぞれ8wt%前後、0.6wt
%前後が好適範囲である)。
請求項3に記載の本発明によれば、下記の作用があ
る。
金属被覆層が5〜25%の気孔率にて気孔を有するもの
であるから、上記〜の伝熱性向上効果とクラック伝
播防止効果を確保できる。即ち、気孔率が5%未満では
充分なクラック伝播防止効果を得ることができず、25%
より多い場合には充分な伝熱性向上効果を得ることがで
きない。
請求項4に記載の本発明によれば、下記の作用があ
る。
金属被覆層が50〜400μmの厚みを有するものである
から、上記〜の伝熱性向上効果とクラック伝播防止
効果を確保できる。即ち、厚みが50μm未満では充分な
クラック伝播防止効果を得ることができず、400μmを
超えると充分な伝熱性向上効果を得ることができない。
請求項5に記載の本発明によれば、下記の作用があ
る。
金属被覆層の表面及び気孔の少なくとも一部に酸化ク
ロムを被覆かつ充填する方法としては、無水クロム酸や
塩化クロム等の可溶性クロム化合物の溶液を減圧雰囲気
若しくは大気雰囲気で該被覆層に塗布又は浸漬含浸した
後、酸化雰囲気で熱処理することにて、クロム化合物を
酸化クロムに化学変化させる方法を採用できる。この方
法によれば、金属被覆層の少なくとも一部の表面を酸化
クロムの薄膜で被覆でき、微細気孔にも酸化クロムを充
填できるため、気孔残留による熱伝導率の低下を防止で
きる等、上記〜の伝熱性向上効果とクラック伝播防
止効果を確保できる。
[実施例] 外径65mmφ、肉厚7.3mmtの高温配管用炭素鋼管(C:0.12
%)を鋳ぐるみ冷却管とする。
本発明例として、上記冷却管の外表面にプラズマ溶射法
により、表1に示す合金を被覆した。この被覆層の表面
及び気孔の一部にクロム酸水溶液をスプレーで塗布含浸
した後、大気中490℃の雰囲気で2時間加熱した。これ
により、溶射被覆層に数十Åの酸化クロムの被膜を形成
し、気孔の60%以上を酸化クロムで充填したことを認め
た。
比較例として、上記冷却管の外表面に、表1に示す被覆
を行なった。
これら本発明例の被覆層を備えた冷却管と、比較例の被
覆層を備えた冷却管とを、それぞれ鋳込み温度1270℃、
2500kgの球状黒鉛鋳鉄溶湯で鋳ぐるみ、厚み200mmの熱
交換体鋳物を製造した。
この熱交換体鋳物から各鋳ぐるみ鋼管1本毎に外径120m
mφの円筒状試料を切り出し、鋳ぐるみ鋼管の内面を600
℃に加熱保持し、鋳鉄内部の温度分布を測定することに
より伝熱特性を比較した。測温結果に基づき、鋳ぐるみ
鋼管内面から被覆層を介して鋳鉄内部に2.5mm入った位
置までの間の見かけの熱伝導率を計算した。結果を表2
にしめす。比較例F、Gの見かけ熱伝導率に比べ、本発
明A〜Dの見かけの熱伝導率は高い値を示しており、本
発明の有効性が明白である。又、本発明例では、いずれ
の冷却管も鋳物母材から容易に剥離することができ、ク
ラック伝播につながる強固な溶着は認められなかった。
尚、第1図は本発明例Aの鋳ぐるみ鋼管を鋳物母材から
剥離した断面ミクロ組織を示す写真である。鋳ぐるみ冷
却管1の外表面には被覆層2が健全なまま残存してお
り、溶着及び浸炭を生じていない良好な鋳ぐるみ鋼管を
得られることが認められた。
[発明の効果] 本発明によれば、冷却管と母材との伝熱性に優れ、かつ
母材に発生したクラックが冷却管に伝播しない熱交換体
鋳物を得ることができる。従って、ステーブクーラー等
の熱交換体鋳物において、冷却能を向上し、かつ熱亀
裂、折損、溶損、摩耗等を抑制して寿命の延長を達成で
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の熱交換体鋳物を構成する鋳ぐるみ鋼管
の金属組織を示す顕微鏡写真である。
フロントページの続き (72)発明者 新中 博昌 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 黒木 信之 兵庫県神戸市東灘区深江北町4―13―4 トーカロ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−205480(JP,A) 特開 昭62−44567(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属被覆層を外表面に備えた金属製冷却管
    を鋳ぐるんでなる熱交換体鋳物であって、該被覆層が、
    Crを10wt%以上〜70wt%以下含有し、残部がCoと不可避
    的不純物からなる合金からなるとともに気孔を有し、該
    被覆層の表面及び気孔の一部又は全部が酸化クロムによ
    り被覆かつ充填されたものである冷却能に優れた熱交換
    体鋳物。
  2. 【請求項2】金属被覆層を外表面に備えた金属製冷却管
    を鋳ぐるんでなる熱交換体鋳物であって、該被覆層が、
    Crを10wt%以上〜70wt%以上含有し、20wt%以下のAlと
    2wt%以下のYの少なくとも一種を含有し、残部がCoと
    不可避的不純物からなる合金からなるとともに気孔を有
    し、該被覆層の表面及び気孔の一部又は全部が酸化クロ
    ムにより被覆かつ充填されたものである冷却能に優れた
    熱交換体鋳物。
  3. 【請求項3】前記被覆層の気孔率が、5〜25%である請
    求項1又は2に記載の冷却能に優れた熱交換体鋳物。
  4. 【請求項4】前記被覆層の厚みが、50〜400μmである
    請求項1〜3のいずれかに記載の冷却能に優れた熱交換
    体鋳物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の冷却能に
    優れた熱交換体鋳物の製造方法において、前記酸化クロ
    ムの少なくとも一部が、前記被覆層に含浸せしめた可溶
    性クロム化合物を酸化雰囲気で熱処理することにて生成
    されるものであることを特徴とする冷却能に優れた熱交
    換体鋳物の製造方法。
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