JPH0772242B2 - ハロゲン含有アクリルエラストマ−組成物 - Google Patents

ハロゲン含有アクリルエラストマ−組成物

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JPH0772242B2
JPH0772242B2 JP3183583A JP18358391A JPH0772242B2 JP H0772242 B2 JPH0772242 B2 JP H0772242B2 JP 3183583 A JP3183583 A JP 3183583A JP 18358391 A JP18358391 A JP 18358391A JP H0772242 B2 JPH0772242 B2 JP H0772242B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン含有アクリル
エラストマー組成物に関する。更に詳しくは、貯蔵安定
性を改善せしめたハロゲン含有アクリルエラストマー組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、加硫剤、加硫促進剤などの加硫
系配合剤を添加したエラストマー組成物を貯蔵しておく
と、少しづつ加硫が進行し、その結果粘度の上昇、スコ
ーチタイムの減少、加硫速度の低下などの変化が起こ
り、製品への加工性や加硫物物性などが低下する。そし
て、これらの変化が小さい程、貯蔵安定性は良いといえ
る。
【0003】加硫系配合剤を添加しなければ、これらの
変化は少ないが、生産性の観点からは、加硫系配合剤を
予め添加した状態のエラストマー組成物が望ましく、そ
のようなエラストマー組成物にはある程度の貯蔵安定性
が望まれている。
【0004】ところで、ハロゲン含有エラストマーの加
硫剤として、トリチオール-s-トリアジン(トリチオシア
ヌール酸)を用いることが従来から知られているが(特開
昭58-180,539号公報、同61-76,542号公報、同61-78,858
号公報、同61-103,957号公報、同61-278,554号公報、同
62-50,347号公報、同63-223,054号公報、特開平2-107,6
58号公報、同2-173,149号公報)、このようなトリチオー
ル-s-トリアジン、またはジチオール-s-トリアジンを加
硫剤として含有するハロゲン含有アクリルエラストマー
組成物は、貯蔵安定性が良くないという欠点を有してい
る。
【0005】そこで、従来はN-シクロヘキシルチオフタ
ルイミド、無水フタル酸などの加硫遅延剤を添加するこ
とによりスコーチタイムを延長していたが、このような
手段は貯蔵安定性の向上には殆んど寄与しない。貯蔵安
定性の向上を目的とする方法としては、N,N´-ジ低級ア
ルキルチオ尿素、ジアリールチオ尿素などのチオ尿素誘
導体あるいはこれとN-シクロヘキシルチオフタルイミド
とをハロゲン含有アクリルエラストマーに添加する方法
(特開昭63-189,451号公報)などが提案されている。この
方法により、貯蔵安定性は若干向上するが、その向上の
程度はわずかであり、反対に加硫速度、加硫トルクを低
下させるので、とても実用的とはいえない。
【0006】また、ハロゲン含有エラストマーの早期加
硫抑制方法として、モノまたはジクロロ無水マレイン
酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタ
ル酸などの分子中の少なくとも1個の水素原子がハロゲ
ンで置換されているハロゲン置換脂肪族、芳香族または
脂環状多価カルボン酸無水物を早期加硫抑制剤として添
加する方法(特公昭62-185号公報)あるいは分子内で酸無
水物基を形成し得るカルボキシル基を2個以上有する脂
肪族、芳香族または脂環状多価カルボン酸化合物(また
は分子中の少なくとも1個の水素原子がハロゲンで置換
されたそのハロゲン化物)を早期加硫抑制剤として添加
する方法(特公平3-18654号公報)などが提案されてい
る。
【0007】しかしながら、前者の方法では使用される
薬品が高価であり、また、後者の方法では、加硫遅延の
効果はみられるが、貯蔵安定性に関しては、例えばフタ
ル酸の場合、加硫遅延剤として知られている無水フタル
酸よりも劣っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ジま
たはトリチオール-s-トリアジンを加硫剤とするハロゲ
ン含有アクリルエラストマーの組成物であって、貯蔵安
定性にすぐれたものを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
ハロゲン含有アクリルエラストマー、ジまたはトリチオ
ール-s-トリアジン化合物および水素原子がハロゲンで
置換されていない3価以上の芳香族カルボン酸の無水物
またはその酸ハライドを含有するハロゲン含有アクリル
エラストマー組成物によって達成される。
【0010】ハロゲン含有アクリルエラストマーは、い
わゆるハロゲン基の引き抜き反応で架橋するゴムであ
る。かかるハロゲン含有アクリルエラストマーとして
は、アルキルアクリレート、アルコキシアルキルアクリ
レート、アルキルチオアルキルアクリレート、シアノア
ルキルアクリレートなどの少なくとも一種類を主成分
(約60〜99.8重量%)とし、これにビニルクロロアセテー
ト、アリルクロロアセテートあるいはグリシジルアクリ
レート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジル
エステルなどのグリシジル化合物とモノクロロ酢酸との
付加反応生成物などを約0.1〜10重量%、好ましくは約1
〜5重量%共重合させた共重合体が用いられ、この共重合
体中には他のビニル化合物を30重量%以下の範囲内で共
重合させることもできる。
【0011】また、ハロゲン含有アクリルエラストマー
としては、ハロゲンおよびカルボキシル基含有アクリル
エラストマー、例えば上記ハロゲン含有アクリルエラス
トマー中に、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
マレイン酸モノ低級アルキルなどの不飽和モノまたはジ
カルボン酸を約0.1〜10重量%、好ましくは約1〜5重量%
共重合させたものなどが用いられる。
【0012】加硫剤としてのジまたはトリチオール-s-
トリアジンとしては、例えば2,4,6-トリチオール-s-ト
リアジン、2-ジブチルアミノ-4,6-ジチオール-s-トリア
ジン、2-フェニルアミノ-4,6-ジチオール-s-トリアジ
ン、2-フェニル-4,6-ジチオール-s-トリアジン、2-ジシ
クロヘキシルアミノ-4,6-ジチオール-s-トリアジン、2-
フェノキシ-4,6-ジチオール-s-トリアジンおよびこれら
のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩などが、ハ
ロゲン含有アクリルエラストマー100重量部当り約0.1〜
10重量部、好ましくは約0.1〜5重量部の割合で用いられ
る。
【0013】貯蔵安定性改良剤としての3価以上の芳香
族カルボン酸の無水物としては、水素原子がハロゲンで
置換されていない無水トリメリット酸、無水ヘリメリッ
ト酸、ピロメリット酸二無水物、メリット酸三無水物、
ナフタレン-1,2,6-トリカルボン酸無水物、ナフタレン-
1,2,6,7-テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物あるいはトリカルボン酸無水物
の酸ハライドである無水トリメリット酸の酸クロライ
ド、酸ブロマイド、無水ヘリメリット酸の酸クロライ
ド、酸ブロマイドなどが、ハロゲン含有アクリルエラス
トマー100重量部当り約0.05〜5重量部、好ましくは約0.
1〜1重量部の割合で用いられる。
【0014】本発明のハロゲン含有アクリルエラストマ
ー組成物は、以上の成分を必須成分として含有するが、
組成物中には加硫促進剤を含有させることが好ましい。
加硫促進剤としては、例えば有機カルボン酸のアルカリ
金属塩(特開昭58-180,539号公報)、有機カルボン酸のア
ルカリ土類金属塩または亜鉛塩(同61-78,858号公報、同
61-103,957号公報)、有機カルボン酸のアルミニウム塩
(同61-278,554号公報)、金属酸化物または金属水酸化物
(同61-76,542号公報、同61-278,554号公報、同63-223,0
54号公報)、金属炭酸塩、ジチオカルバミン酸金属塩(特
開平2-107,658号公報、同2-173,149号公報、同2-173,14
8号公報)、チウラムスルフィド(特開平2-173,149号公
報)などが、ハロゲン含有アクリルエラストマー100重量
部当り約0.1〜10重量部、好ましくは約0.5〜5重量部の
割合で用いられる。
【0015】組成物中には、更に必要に応じて補強剤、
充填剤、軟化剤、可塑剤、老化防止剤などの通常用いら
れる配合剤を添加することができる。組成物の調製は、
ハロゲン含有アクリルエラストマーに加硫剤、加硫促進
剤以外の配合成分を添加し、密閉型混練機などで混練し
た後、加硫剤および加硫促進剤をそこに添加し、オープ
ンロールなどで練り込むことによって行われる。調製さ
れた組成物の加硫は、一般に約150〜230℃、約0.5〜120
分間の一次加硫によって行われ、必要に応じて更に約14
0〜200℃、約1〜20時間の二次加硫が行われる。
【0016】
【発明の効果】ジまたはトリチオール-s-トリアジンを
加硫剤として含有するハロゲン含有アクリルエラストマ
ー組成物に、水素原子がハロゲンで置換されていない3
価以上の芳香族カルボン酸の無水物またはその酸ハライ
ドを添加することにより、ハロゲン含有アクリルエラス
トマー本来の加硫速度、加硫トルクなどを低下させるこ
となく、貯蔵安定性の飛躍的な向上および混練して調製
された組成物のスコーチタイムの大幅な延長を達成する
ことができる。
【0017】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。な
お、配合量を示す部は、いずれも重量部である。
【0018】実施例1 塩素含有アクリルエラストマー 100部 (日本メクトロン製品ノックスタイトPA402K) HAFカーボンブラック(三菱化成製品ダイアブラックH) 55部 ステアリン酸 1部 老化防止剤(大内新興化学製品ノクセラ−CD) 2部 [4,4´-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン] 以上の各配合成分を密閉型混練機で混練した後、混練物
に 2,4,6-トリチオール-s-トリアジン 0.5部 ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛 1.5部 (大内新興化学製品ノクセラーBZ) 無水トリメリット酸 0.3部 を加え、8インチオープンロールで練り込んだ。
【0019】このようにして調製された含塩素アクリル
エラストマー組成物を、温度30°±1℃、相対湿度85±
5%の条件下で14日間貯蔵した。貯蔵中の組成物につい
て、MLmin(JIS K-6300の最低ム−ニ−粘度を121°±1℃
で測定)、ムーニー・スコーチ・タイム t5(島津製作所
製SMV200型ムーニー粘度計を使用し、121°±1℃で測
定)および加硫トルク(JSRキュラストメータV型を使用
し、180°±1℃で測定)をそれぞれ測定した。また、調
製直後の組成物について、180℃、8分間の一次加硫およ
び175℃、4時間の二次加硫を行い、加硫物の常態物性お
よび圧縮永久歪(150℃、70時間)をそれぞれ測定した。
【0020】実施例2 実施例1において、無水トリメリット酸の代わりに、同
量のピロメリット酸ニ無水物が用いられた。
【0021】実施例3 実施例1において、無水トリメリット酸の代わりに、同
量の無水トリメリット酸クロライドが用いられた。
【0022】以上の各実施例における測定結果は、次の
表1に示される。
【0023】
【0024】比較例1 実施例1において、無水トリメリット酸が用いられなか
った。
【0025】比較例2 実施例1において、無水トリメリット酸の代わりに、同
量のシクロヘキシルチオフタルイミドが用いられた。
【0026】比較例3 実施例1において、無水トリメリット酸の代わりに、ジ
エチルチオ尿素0.3部およびシクロヘキシルチオフタル
イミド0.2部が用いられた。
【0027】以上の各比較例における測定結果は、次の
表2に示される。なお、×は生地焼けのため測定不能で
あった。
【0028】
【0029】比較例4 実施例1において、無水トリメリット酸の代わりに、同
量のフタル酸が用いられた。
【0030】比較例5 実施例1において、無水トリメリット酸の代わりに、同
量のトリメリット酸が用いられた。
【0031】比較例6 実施例1において、無水トリメリット酸の代わりに、同
量の無水フタル酸が用いられた。
【0032】比較例7 実施例1において、無水トリメリット酸の代わりに、同
量のテトラクロロ無水フタル酸が用いられた。
【0033】 比較例8 実施例において、ピロメリット酸二無水物の代わり
に、同量のピロメリット酸が用いられた。
【0034】比較例4〜8の測定結果は、次の表3に示
される。
【0035】
【0036】 以上の結果から、次のようなことがいえ
る。 (1)従来から加硫遅延剤として使用されているシクロ
ヘキシルチオフタルイミドを用いた場合には、比較的短
期間の貯蔵で、大幅な粘度上昇、スコーチタイムの減
少、加硫トルクの低下がみられ、このような結果から貯
蔵安定性には殆んど寄与していない。 (2)現在、最も貯蔵安定性がすぐれているとされるジ
エチルチオ尿素−シクロヘキシルチオフタルイミド系で
も、粘度の上昇は抑えられず、2週間の貯蔵でMLmi
n値が9ptsアップしている。更に貯蔵期間が長くな
るにつれて、スコーチタイムが延び、加硫トルクの低下
もみられる。 (3)フタル酸には、加硫遅延の効果はみられるが、貯
蔵安定性に関しては、加硫遅延剤として知られている無
水フタル酸よりも、スコーチタイムの点で劣っている。 (4)これに対して、3価以上の芳香族カルボン酸無水
物またはその酸ハライドを用いた本発明にあっては、1
週間経過後迄は初期の粘度を保持し、2週間経過後でも
粘度の上昇は5〜2ptsとわずかである。また、スコ
ーチタイムおよび加硫トルクも、対応する各比較例(実
施例1−比較例5、実施例2−比較例8)に比べ非常に
良く、組成物調製時の値を保ち、特に無水トリメリット
酸クロライドまたはピロメリット酸二無水物を用いた場
合には、2週間経過後の加硫トルク値が組成物調製時の
90%以上の値を示している。更に、貯蔵安定剤を添加
しないもの(比較例1)と比較すると、本発明では組成
物調製時の加硫トルク値は殆んど同じかあるいは増加し
ており、即ち加硫速度の低下は全くみられず、またスコ
ーチタイムの大幅な延長がみられることから、3価以上
の芳香族カルボン酸無水物(ハロゲン化物)が加硫遅延
剤としても有効であることを示している。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン含有アクリルエラストマー、ジ
    またはトリチオール-s-トリアジン化合物および水素原
    子がハロゲンで置換されていない3価以上の芳香族カル
    ボン酸の無水物またはその酸ハライドを含有してなるハ
    ロゲン含有アクリルエラストマー組成物。
JP3183583A 1991-06-28 1991-06-28 ハロゲン含有アクリルエラストマ−組成物 Expired - Fee Related JPH0772242B2 (ja)

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