JPH0775558B2 - 生体液中の無機リンの定量方法及びその定量用試薬 - Google Patents

生体液中の無機リンの定量方法及びその定量用試薬

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JPH0775558B2
JPH0775558B2 JP11290087A JP11290087A JPH0775558B2 JP H0775558 B2 JPH0775558 B2 JP H0775558B2 JP 11290087 A JP11290087 A JP 11290087A JP 11290087 A JP11290087 A JP 11290087A JP H0775558 B2 JPH0775558 B2 JP H0775558B2
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善章 片山
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国際試薬株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、主として臨床検査の分野での利用を目的とし
た生体液中の無機リンの定量方法およびその定量用試薬
に関する。
〔従来の技術〕
リンはカルシウムとともに骨を形成しているが、生体内
でリンは有機化合物代謝に関与するものとして知られて
いる。血清中ではリンは通常、無機リン酸、有機リン酸
エステル及びリン脂質等として存在しているが、なかで
も無機リンは臨床検査の分野において副甲状腺機能検査
や腎炎、骨軟化症等の診断に重要な役割を果たしてい
る。
無機リンの測定法には古くからマグネシウムとアンモニ
アとの反応により、リン酸マグネシウムアンモニウムと
して沈澱させてその重量を測定する方法があるが、操作
が繁雑なため現在ではそれに代わって、酸性下でモリブ
デン酸との反応によって生じたリンモリブデン酸塩を還
元させて発色したときの吸光度を測定する方法が最もよ
く用いられている。その代表的なものとしてFiske−Sub
ba Raw法がある。
これとは別に酵素反応による無機リンの定量方法も報告
されている。その第一の例としては、イノシンとリンを
基質にするプリヌクレオシドホスフォリラーゼ(PNP)
の酵素反応にキサンチンオキシターゼの酵素反応及びペ
ルオキシターゼ(POD)の酵素反応を組合せた共役反応
により生成されるキノン色素を測定する方法がある。ま
た酵素反応による無機リンの定量法の第二の例として
は、グリセロアルデヒド−3−リン酸(GAP)とニコチ
ンアミドアデニンジヌクレオチド酸化型(NAD)および
リンを基質にするグリセロアルデヒド−3−リン酸脱水
素酵素(GAPDH)の酵素反応により紫外部域波長での吸
光度を測定する方法がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このような従来の方法のうち、最も一般的なモリブデン
酸との反応による方法は発色の感度が低いという欠点に
加え、試薬に強酸を用いなければならないため、操作上
の安全性の点からも問題となっている。一方、近年酵素
反応についての研究がすすめられるに従い試薬組成が穏
和なことと、操作が簡便で自動化しやすい点から酵素反
応による方法は臨床検査でも広く用いられるようになっ
た。しかし酵素反応は温度、時間、pHなどの条件により
変動を受けやすい上、反応系に存在する干渉因子による
影響等の問題についても考えておく必要がある。また酵
素を用いた定量方法においては、一つの酵素反応では直
接計測できる指示物質がないために測定できない場合は
更に酵素反応を組合せ、適切な指示物質を有する共役酵
素反応に展開させることが多い。しかしこの共役酵素反
応の場合、それぞれの酵素反応には異なった至適条件が
あり、例えばpHや緩衝液の種類、濃度の相違等によりそ
れぞれの酵素反応を同時に一液下ですすめる際には問題
をひき起こすことがある。また組合せとして選択した共
役酵素の非特異性のためかえって性能が劣化することも
あり、更に反応の平衡が完全に生成物側に偏っていない
場合などでみられる反応速度の低下等、共役酵素反応で
はこのようにより問題が複雑化することに対して十分な
注意を払う必要がある。特に臨床検査で用いる試料であ
る血液、尿その他の生体液中には、測定対象以外に前述
のような干渉因子となる成分が種々混在していたり、ま
た共役酵素反応系と何らかの反応性を示す成分も存在し
ていることが多い。この他測定するための試薬にした場
合、不純物が混在する例もしばしば問題になっている。
このような背景から酵素反応による従来の無機リンの定
量方法をみると、まず前述の第一の例である酵素PNPを
用いた方法では、共役酵素のPODの非特異性のため、生
体液中に干渉因子として共存する種々の還元性物質の影
響を受けるという問題があり、それについて特別な対策
が必要となる。このような還元性物質としては、ビリル
ビン、アスコルビン酸、尿酸、グルタチオン、タンパク
質などの種々のものが指摘されている。次に第二の例で
ある酵素GAPDHを用いた方法では、基質であるGAPが不純
物としてリンを含むという欠点があり、更にGAPはそれ
自体が不安定でグリセロアルデヒドとリンに分解されや
すいということもあり、試薬にした場合には問題があ
る。
本発明の目的は、上述の欠点を除去し臨床検査の分野で
用いることができる生体液中の無機リンを定量する方法
と、その定量用試薬を提供することにある。
〔問題を解決するための手段〕
本発明者らは、このような問題を解決し上述の目的を達
成するため鋭意研究をすすめた結果、ポリヌクレオチド
ホスフォリラーゼ(Polynucleotide phosphorylase)に
よる酵素反応と、ピルビン酸キナーゼ〔Pyruvate kinas
e,E C2.7.1.40(PK)〕による酵素反応と、乳酸脱水酵
素〔Lactate de−hydrogenase(LDH)〕による酵素反応
を組合せることにより、上述の如き共役酵素反応系にみ
られる欠点なく、高感度に生体液中の無機リンが定量で
きることを見い出し、さらに研究を重ねた結果本発明を
完成した。
本発明は (1)生体液試料をPKによる酵素反応系とLDHによる酵
素反応系からなる試薬と反応させ、次にポリヌクレオチ
ドホスフォリラーゼによる酵素反応系からなる試薬と反
応させることを特徴とする生体液中の無機リンの定量方
法、 (2)PKによる酵素反応系とLDHによる酵素反応系から
なる試薬、およびポリヌクレオチドホスフォリラーゼに
よる酵素反応系からなる試薬よりなることを特徴とする
生体液中の無機リンの定量用試薬に関する。
即ち、本発明は次式(1)、(2)および(3) (1)ポリヌクレオチドホスフォリラーゼによる酵素反
応: ポリアデニル酸(RNA)n+1+0−リン酸 (RNA)n+アデノシン−5′−二リン酸(ADP) (2)PKによる酵素反応: ADP+ホスフォエノールピルビン酸(PEP) アデニシン−5′−三リン酸(ATP)+ピルビン酸 (3)LDHによる酵素反応: ピルビン酸 +ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元型(NAD
H) +H乳酸 +ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド酸化型(NA
D) 以上の3つの酵素反応を組合せた共役酵素反応を用いる
ことを特徴とする生体液中の無機リンを定量する方法
と、その定量用試薬に関するものである。
本発明において、定量される生体液は、無機リンを含有
するものであれば特に制限はなく、たとえば血液(特
に、血清)、尿、髄液などであり、動物の由来には特に
制限はない。
本発明では上記共役酵素反応で0−リン酸の代わりに生
体液中の無機リンが基質となって反応がすすみ、指示物
質であるNADHの減少量を測定することによって生体液中
の無機リンが定量できる。ここでNADHは一般に共役酵素
反応における指示物質として広く知られているもので、
紫外部域とりわけ340nmの波長における吸光度を計測す
ることによって容易に測定ができる。
本発明で用いる共役酵素反応は前述のPODによる酵素反
応のような干渉因子として還元性物質の影響を受けるこ
とはほとんどない。またこの共役酵素反応では、生体液
中に共存するADPとピルビン酸も基質となり同時に反応
してしまうことが予測できるが、本発明では生体液試料
をあらかじめPKによる酵素反応系とLDHによる酵素反応
系からなる試薬に混和し、反応させることによりADPと
ピルビン酸は消去できるので、これらによる干渉の影響
は回避できる。更に本発明ではNADHの減少速度を測定す
るため酵素反応を停止させる必要がなく、従って反応停
止液を加える操作ステップが省略できる。このNADHの減
少速度は高感度に測定することができるため、試料を微
量化することができる。
このような知見から本発明は構成されているが、本発明
による生体液中の無機リンの定量方法は次のように要約
できる。まず、生体液試料をPKによる酵素反応系とLDH
による酵素反応系からなる第1試薬に混和して反応さ
せ、次にポリヌクレオチドホスフォリラーゼによる酵素
反応系からなる第2試薬を加えて反応させて紫外部域波
長での吸光度変化量を測定する。このとき、生体液試料
の代わりに既知濃度の無機リンを含む標準液を試料とし
て同様に測定しておき、これと比較することによって生
体液中の無機リンが定量できる。なお、この測定に際し
ては精製水を試料として測定したものをブランクとす
る。
第1試薬においてPKは0.05〜500U/ml、好ましくは0.2〜
15U/mlの量で、LDHは0.05〜50U/ml、好ましくは0.2〜20
U/mlで配合される。第1試薬には、この外PEP、NADH、
無機塩(たとえば、マグネシウム塩、カリウム塩など)
を配合してもよく、さらに緩衝剤等が配合される。マグ
ネシウム塩としては、たとえば塩化マグネシウムなど
が、カリウム塩としては、たとえば塩化カリウムなどが
例示される。マグネシウム塩は通常0.2〜50mM、好まし
くは1〜10mM配合することが、カリウム塩は通常2〜50
0mM、好ましくは10〜100mM配合することが好ましい。緩
衝剤の例としては、たとえばトリエタノールアミン緩衝
液が例示され、その配合量は通常10〜500mM、好ましく
は50〜200mMであり、またpH7.4〜7.8であることが好ま
しい。
また、第2試薬はポリヌクレオチドホスフォリラーゼを
含み、さらに無機塩(たとえば、マグネシウム塩、カリ
ウム塩など)を配合してもよく、また緩衝剤等が配合さ
れる。マグネシウム塩としては、たとえば塩化マグネシ
ウムなどが、カリウム塩としては、たとえば塩化カリウ
ムなどが例示される。マグネシウム塩は通常0.2〜50m
M、好ましくは1〜10mM配合することが、カリウム塩は
通常〜500mM、好ましくは10〜100mM配合することが好ま
しい。緩衝液としては、第1試薬において例示したと同
様のものが例示され、その配合量は通常10〜500mM、好
ましくは50〜200mMである。ポリヌクレオチドホスフォ
リラーゼは、酵素の由来によって適宜その分量を選択す
ればよく、たとえばM.lysodeiktiscus由来の場合は通常
2〜500U/ml、特に10〜200U/ml、大腸菌(E.coli)由来
の場合は通常0.5〜200U/ml、特に2〜50U/mlを含有させ
ることが好ましい。
なお、初反応の基質であるポリアデニル酸は第1試薬又
は第2試薬のいずれに含有させても良い。これは第2試
薬を第1試薬に混合させたときに本発明に用いた共役酵
素反応が進行するためである。たとえば第1試薬に含有
させた場合のポリアデニル酸の分量の例としては0.2〜1
0mMであり、第2試薬に含有させた場合のポリアデニル
酸の分量の例としては0.2〜10mMである。
上記第1試薬および第2試薬における各成分の配合量な
いしは配合割合は上記の量に限定されるものではなく、
上記の配合量は好ましい態様を例示したに過ぎないもの
であり、上記の量比の範囲外でもよく、また上記量の割
合で各成分の量比を増減してもよいことはいうまでもな
い。
本発明の方法は臨床検査で実施する場合、使用条件によ
り操作方法が異なるが、その例をあげると、まず試料を
0.1〜0.02mlとり、それにPKによる酵素反応系とLDHによ
る酵素反応系からなる第1試薬を2.0〜0.5ml加えて混合
して25〜37℃で2〜10分間反応させ、次にポリヌクレオ
チドホスフォリラーゼによる酵素反応系からなる第2試
薬を0.5〜0.05mlを加えて25〜37℃で加温して反応さ
せ、水を対照に反応後1〜3分後と4〜7分後、波長34
0nmまたは波長340nmを主波長とする2波長での吸光度を
測定し、時間あたりの吸光度変化量を求める。なお、こ
れは吸光度変化量を自動計測してもよい。ここで試料と
しては生体液試料(Sとする)、既知濃度の無機リンを
含む標準液(STとする)、および精製水(Bとする)に
ついてそれぞれ測定し、(S−B)/(ST−B)×(標
準液の濃度)によって生体液中の無機リンの濃度を算出
する。なお、これはBを対照にSとSTを自動計測しても
良い。このようにして本発明の方法により生体液中の無
機リンが定量できる。
本発明は、また生体液中の無機リンを定量する試薬に関
する。本発明による試薬は前記第1試薬および第2試薬
よりなるものであり、通常は当該2種の試薬に、さらに
既知濃度の無機リンを含む標準液と、精度管理用のコン
トロール等を加えキットとすることが好ましい。
〔発明の作用・効果〕
本発明である生体液中の無機リンの定量方法は、前述の
ような共役酵素反応に起こりがちな種々の問題が解消さ
れ、生体液という特殊な試薬に対して優れた効果を発揮
するものである。さらにこの方法は操作ステップが少な
く反応時間も短いため近年臨床検査で増加している自動
分析装置へも応用することができるという利点がある。
また、本発明である生体液中の無機リンの定量用試薬
は、それ自体測定に影響を与えるような不純物を含むこ
とがなく、本発明の方法を実施するための具象物として
日常の臨床検査で使用できるものである。さらにこの試
薬は使用者の保存を考えると、たとえば凍結乾燥のよう
に長期間保存できるような形態にすることが可能なた
め、この試薬を製品として供給する道も開かれている。
このように本発明は臨床検査の分野において有用なもの
として供することができる。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
(実施例1) 本発明による2種類の試薬は次の組成により調製した。
第1試薬 PK 0.9 U/ml LDH 8.0 U/ml PEP 0.87mM NADH 0.21mM ポリアデニル酸 1.2 mM 塩化マグネシウム 5.0 mM 塩化カリウム 50 mM トリエタノールアミン緩衝液 100 mM(pH
7.6) 第2試薬 ポリヌクレオチドホスフォリラーゼ M.lysodeiktiscus(由来) 50 U/ml 塩化マグネシウム 5.0mM 塩化カリウム 50 mM トリエタノールアミン緩衝液 100 mM(pH7.
6) (実施例2) 実施例1で調製した試薬を用いて次のような操作方法に
より生体液中の無機リンを定量した。
試料として血清50μをとり第1試薬0.9mlを加えて37
℃で5分間反応させ、次に第2試薬0.1mlを加え37℃で
反応させた。そして水を対照に3分後と5分後について
波長340nmでの吸光度を測定し2分間あたりの吸光度変
化量を求めた(これをSとする)。更に試料として5.0m
g/dlの無機リンを含む標準液、及び精製水について同様
に2分間あたりの吸光度変化量を求めた(それぞれST,B
とする)。
血清の無機リンの濃度は下式により算出した。
無機リン(mg/dl)=(S−B)/(ST−B)×5.0 このとき血清を1/5段階毎に希釈し、それぞれの希釈率
に対する無機リンの濃度をプロットしたところ第1図に
示すように血清の希釈率に対し無機リンの濃度が比例し
ていることがわかった。
(実施例3) 実施例1の第2試薬中のポリヌクレオチドホスフォリラ
ーゼを大腸菌由来のものに代え、その分量を10U/mlとし
たところ、実施例2と同様に生体液中の無機リンが定量
できることがわかった。またこのとき標準液の濃度をか
えて検量線を作成したところ、第2図に示すような良好
な直線性が得られた。
(実施例4) 本発明の方法によるポリヌクレオチドホスフォリラーゼ
の無機リンに対する反応性をみるため、Km値を測定し
た。測定条件は試薬組成が実施例1の第1試薬と第2試
薬を実施例2の比率で混和したものと同様である。その
結果Km=1.3×10-3Mが得られた。このKm値は本発明を実
施する上で低濃度の無機リンを含む試料に対しても反応
性が優れていることを示している。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例2で得られた希釈した血清の無機リンの
濃度を表したもので、縦軸に無機リンの濃度を、横軸に
血清の希釈率をとっている。 第2図は実施例3で得られた検量線を表したもので、縦
軸に2分間あたりの吸光度変化量を、横軸に標準液の濃
度をとっている。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体液試料をピルビン酸キナーゼによる酵
    素反応系と乳酸脱水素酵素による酵素反応系からなる試
    薬と反応させ、次にポリヌクレオチドホスフォリラーゼ
    による酵素反応系からなる試薬と反応させることを特徴
    とする生体液中の無機リンの定量方法。
  2. 【請求項2】ピルビン酸キナーゼによる酵素反応系と乳
    酸脱水素酵素による酵素反応系からなる試薬、およびポ
    リヌクレオチドホスフォリラーゼによる酵素反応系から
    なる試薬よりなることを特徴とする生体液中の無機リン
    の定量用試薬。
JP11290087A 1987-05-08 1987-05-08 生体液中の無機リンの定量方法及びその定量用試薬 Expired - Lifetime JPH0775558B2 (ja)

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