JPH0776029A - 射出成形金型およびその成形金型の表面処理装置およびその表面処理装置による成形金型の表面処理方法 - Google Patents

射出成形金型およびその成形金型の表面処理装置およびその表面処理装置による成形金型の表面処理方法

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JPH0776029A
JPH0776029A JP22292293A JP22292293A JPH0776029A JP H0776029 A JPH0776029 A JP H0776029A JP 22292293 A JP22292293 A JP 22292293A JP 22292293 A JP22292293 A JP 22292293A JP H0776029 A JPH0776029 A JP H0776029A
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ion
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injection
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JP22292293A
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Kiyoto Shibata
清人 柴田
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Ricoh Co Ltd
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C33/00Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor
    • B29C33/56Coatings, e.g. enameled or galvanised; Releasing, lubricating or separating agents
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/26Moulds
    • B29C45/37Mould cavity walls, i.e. the inner surface forming the mould cavity, e.g. linings

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Abstract

(57)【要約】 【目的】金型表面に密着性に優れた耐摩耗層を得ること
ができ、長期に亘って使用することができる射出成形金
型およびその成形金型の表面処理装置およびその表面処
理装置による射出成形金型の表面処理方法を提供するこ
とを目的としている。 【構成】射出成形金型が、Al合金から構成されるとと
もに成形材料が接するその表面に耐摩耗層14を有し、該
耐摩耗層14が、金型母材11の表面に形成されたイオン窒
化層13と、該イオン窒化層13上面に設けられた窒化膜と
14、から構成されている。また、金型母材11の表面の前
処理およびイオン窒化層12の成形を行なうECRプラズ
マ源24と、イオン窒化層12上に窒化膜13を形成する真空
アーク蒸着源28と、を同一の真空チャンバー21内に設け
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は射出成形金型およびその
成形金型の表面処理装置およびその表面処理装置による
射出成形金型の表面処理方法に関し、詳しくは、Al合
金からなる金型表面に密着性の優れた耐摩耗層を成形す
ることができる射出成形金型およびその成形金型の表面
処理装置およびその表面処理装置による射出金型の表面
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、射出成形金型にあっては、鉄系の
金型に比べて型製作コストを安くし、さらに製品の開発
期間の短縮化を図るために切削等の機械加工性が良好な
JIS7000系のAl合金(超々ジュラルミン)を用いてい
る。ところが、このAl合金にあっては、摩耗に対して
耐久性が低いことから現在のところ試作用金型やごく少
量生産用の金型への適用が主流となっている。特に、ガ
ラス繊維等の無機物フィラーが添加された強化樹脂の成
形に際しては、摩耗が著しく数千ショットが限界となっ
ている。
【0003】そこで、Al合金の金型の耐摩耗性を向上
させるために、金型表面にPVD(物理蒸着法)によって
耐摩耗層を形成することが種々行なわれている(このよ
うな耐摩耗層の従来例としては、例えば、特開昭61−
91354号公報、特開昭63−121652号公報、
あるいは特開平1−152024号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、析出硬
化型合金のJIS7000系Al合金は耐熱性が低く、約20
0℃の加熱でその機械的強度が著しく劣化してしまうた
め、この金型の表面に耐摩耗層を成形するためにはそれ
以下の低温度で成形しなければならなかった。このた
め、金型母材と耐摩耗層との拡散層が形成されず、両者
の境界面に組成的な不連続面が明確に存在するため、充
分な膜の密着性を得ることができないという問題があっ
た。また、金型表面に存在する自然酸化膜が極めて安定
なため、耐摩耗層の密着性を悪化させる要因になってし
まった。
【0005】この様子を図6に示す。図6はAl合金金
型のコアあるいはキャビティの断面の一部を模式的に示
したものである。同図に示すようにAl合金金型母材1
と耐摩耗層2の境界面には、明確な組成的不連続3が存
在し、かつ、自然酸化膜4が島状に残存している。この
自然酸化膜4は、耐摩耗層成膜前のイオンボンバードに
よってある程度除去することができるが、このようにす
ると、過度のイオンボンバードによって金型表面に微細
なノジュール構造が発現してしまい、金型の表面性を損
ねてしまうという不具合が発生してしまった。
【0006】そこで請求項1〜3記載の発明は、金型表
面に密着性に優れた耐摩耗層を得ることができ、長期に
亘って使用することができる射出成形金型を提供するこ
とを目的としている。請求項4記載の発明は、ECRプ
ラズマ源によって自然酸化膜を除去した後、その表面を
大気に曝すことなしに金型表面にイオン窒化層および窒
化膜あるいはTi1-XAlxN膜を連続的に形成して、金
型表面に密着性に優れた耐摩耗層を得ることができ、長
期に亘って使用することができる射出成形金型の表面処
理装置を提供することを目的としている。
【0007】請求項5記載の発明は、耐摩耗膜の密着不
足およびイオン窒化層の形成の障害となるAl合金金型
表面の自然酸化膜を効率良く除去することができる射出
成形金型の表面処理方法を提供することを目的としてい
る。請求項6記載の発明は、イオン窒化に寄与する窒素
プラズマ中の窒素イオンが多い放電圧力でECRプラズ
マ源を作動させて、イオン窒化膜を効率良く成形するこ
とができる射出成形金型の表面処理方法を提供すること
を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記課題を解決するために、内部にキャビティが形成さ
れ、該キャビティ内にガラス繊維等の無機物フィラーを
含む溶融した成形材料を射出充填して成形品を成形する
射出成形金型において、Al合金から構成されるととも
に前記成形材料が接する金型表面に耐摩耗層を有し、該
耐摩耗層が、金型母材の表面に形成されたイオン窒化層
と、該イオン窒化層上面に設けられた窒化膜と、からな
ることを特徴としている。
【0009】請求項2記載の発明は、上記課題を解決す
るために、内部にキャビティが形成され、該キャビティ
内にガラス繊維等の無機物フィラーを含む溶融した成形
材料を射出充填して成形品を成形する射出成形金型にお
いて、Al合金から構成されるとともに前記成形材料が
接する金型表面に耐摩耗層を有し、該耐摩耗層が、金型
母材の表面に形成されたイオン窒化層と、該イオン窒化
層上面に設けられたTi1-XAlxN膜と、からなり、該
Ti1-XAlxN膜の組成が前記イオン窒化層の直上でx
=1で、かつ金型表面に向かってxが小さくなるように
傾斜されたことを特徴としている。
【0010】請求項3記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項2記載の発明において、前記Ti1-X
AlxN膜の組成が0、8≦x≦1、0であることを特徴とし
ている。請求項4記載の発明は、上記課題を解決するた
めに、請求項1〜3何れかに記載の射出成形金型の表面
処理装置であって、金型表面の前処理およびイオン窒化
層の成形を行なうECR(電位サイクロトロン共鳴)プラ
ズマ源と、イオン窒化層上に窒化膜あるいはTi1-X
xN膜を形成する真空アーク蒸着源と、が同一チャン
バー内に具備されたことを特徴としている。
【0011】請求項5記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項4記載の表面処理装置を用いて金型表
面の処理を行なう方法であって、金型表面にイオン窒化
層を形成する前に、ECRプラズマ源にCCl4、BC
3、あるいはCl2等のハロゲンガスを導入し、反応性
エッチングによってAl合金金型表面の自然酸化膜を除
去することを特徴としている。
【0012】請求項6記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項4記載の表面処理装置を用いて金型表
面の処理を行なう方法であって、1、3×10-2Pa以下の
圧力でECRプラズマ源を作動し、金型にプラズマを照
射することにより、イオン窒化層を形成することを特徴
としている。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明では、射出成形金型が、A
l合金から構成されるとともに成形材料が接するその表
面に耐摩耗層を有し、該耐摩耗層が、金型母材の表面に
形成されたイオン窒化層と、該イオン窒化層上面に設け
られた窒化膜と、から構成されている。
【0014】したがって、窒化反応は窒素原子の拡散に
より生成されることになり、イオン窒化層の内部に向か
って窒素原子濃度が指数関数的に変化した組成となり、
金型母材とイオン窒化層には明確な不連続面が存在しな
くなる。また、イオン窒化層と窒化膜の境界には窒化膜
を構成する金属元素の種類によって組成的不連続面が存
在するが、同じ窒化物の境界面であるため、密着性に支
障をきたすことはない。この結果、金型表面に密着性に
優れた耐摩耗層が形成され、射出成形金型が長期に亘っ
て使用される。
【0015】請求項2記載の発明では、射出成形金型
が、Al合金から構成されるとともに成形材料が接する
その表面に耐摩耗層を有し、該耐摩耗層が、金型母材の
表面に成形さたイオン窒化層と、該イオン窒化層上面に
設けられたTi1-XAlxN膜と、からなる。したがっ
て、窒化反応は窒素原子の拡散により成形されることに
なり、イオン窒化層の内部に向かって窒素原子濃度が指
数関数的に変化した組成となり、金型母材とイオン窒化
層には明確な不連続面が存在しなくなる。
【0016】また、Ti1-XAlxN膜の組成がイオン窒
化層の直上でx=1、すなわち、AlNで、かつ金型表
面に向かってxが小さくなるように傾斜されている。し
たがって、イオン窒化層とTi1-XAlxN膜にも明確な
不連続面が存在しなくなり、表面の耐酸化性および耐摺
動性がTiNあるいはAlN単体よりも優れたTi1-X
AlxN膜が密着性良く形成される。この結果、金型表
面に密着性に優れた耐摩耗層が形成され、射出成形金型
が長期に亘って使用される。
【0017】請求項3記載の発明では、Ti1-XAlx
膜の組成が0、8≦x≦1、0に設定されている。したがっ
て、結晶構造がAlN中にTiの固溶した相となり、イ
オン窒化層のAlN中と同じウルツ鉱型の結晶構造を引
き継ぐため、組成的および構造的に不連続面が存在しな
い耐摩耗層が形成される。この結果、Ti1-XAlxN膜
が極めて密着性良く形成され、射出成形金型がさらに長
期に亘って使用される。
【0018】請求項4記載の発明では、金型表面の前処
理およびイオン窒化層の成形を行なうECR(電子サイ
クロトロン共鳴)プラズマ源と、イオン窒化層上に窒化
膜あるいはTi1-XAlxN膜を形成する真空アーク蒸着
源と、が同一チャンバー内に具備される。したがって、
ECRプラズマ源によって自然酸化膜が除去された後、
その表面が大気に曝されることなしに金型表面にイオン
窒化層および窒化膜あるいはTi1-XAlxN膜が連続的
に形成される。この結果、金型表面に密着性に優れた耐
摩耗層が形成される。
【0019】また、ECRプラズマ源が無電極放電であ
るため、ターゲット電極を浸食させずに反応性ガスを用
いた効率的なエッチング前処理が可能になる。すなわ
ち、アークイオンプレーティング装置を用いて金型表面
をエッチングする場合には、ターゲット電極をカソード
電極としてターゲット金属のイオンボンバードによって
金型表面のエッチングを行なうため、反応ガスを流すと
ターゲット金属まで浸食されてしまい、反応性エッチン
グが行なえなかった。本発明では、上述したようにEC
Rプラズマ源を使用しているので、ターゲット電極を浸
食させずに反応性ガスを用いた効率的なエッチング前処
理を行なうことができる。
【0020】請求項5記載の発明では、金型表面にイオ
ン窒化層を形成する前に、ECRプラズマ源にCC
4、BCl3、あるいはCl2等のハロゲンガスを導入
し、反応性エッチングによってAl合金金型表面の自然
酸化膜を除去している。したがって、耐摩耗膜の密着不
足およびイオン窒化層の形成の障害となるAl合金金型
表面の自然酸化膜を効率良く除去することができる。
【0021】また、Arやターゲットの金属イオンによ
る物理的なスパッタエッチングに比べてエッチングレー
トが大きいため、短時間での処理が可能であるととも
に、長時間のスパッタエッチングにより金型表面に微細
なノジュール構造が発現して表面性を損ねるようなこと
もない。さらに、ハロゲンガスのBCl3は、酸素や水
蒸気に対して大きなターゲット作用を有しているので、
真空排気後に僅かに残った酸素や水分によるエッチング
プロセス中の酸化反応を防止するため、自然酸化膜を残
存させずに完全に除去することができる。
【0022】請求項6記載の発明では、1、3×10-2Pa
以下の圧力でECRプラズマ源を作動し、金型にプラズ
マを照射することにより、イオン窒化層を形成してい
る。したがって、イオン窒化に寄与する窒素プラズマ中
の窒素イオンが多い放電圧力でECRプラズマ源を作動
させて、イオン窒化膜を効率良く成形することができる
【0023】。
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
図1〜3は請求項1、4、5、6何れかに記載の発明に
係る射出成形金型およびその成形金型の表面処理装置お
よびその表面処理装置による射出成形金型の表面処理方
法の一実施例を示す図である。
【0024】まず、構成を説明する。図1は、射出成形
金型の一部分の構造を示す図である。本実施例の射出形
成金型は、内部にキャビティが形成され、該キャビティ
内にガラス繊維等の無機物フィラーを含む溶融した成形
材料を射出充填して成形品を成形するものである。図1
において、11はAl合金から構成された金型母材であ
り、該金型母材11の成形材料が接するその表面にはイオ
ン窒化層12が形成されているとともに、このイオン窒化
層12上には窒化膜13が形成され、これらイオン窒化層12
および窒化膜13は耐摩耗層14を構成している。
【0025】図2は金型母材11に耐摩耗層14を成形する
処理装置である。図2において、21は真空チャンバーで
あり、このチャンバー21内には、金型母材11を保持する
ワークホルダー22が回転自在に設けられている。このワ
ークホルダー22は図示しない水冷機構を有しているとと
もに、直流バイアス印加機構23に接続され、直流バイア
スが印加されるようになっている。
【0026】また、真空チャンバー21内のワークホルダ
ー22に対向する位置にはECR(電子サイクロトロン)プ
ラズマ源24が設けられており、このプラズマ源24は金型
母材11の表面の前処理およびイオン窒化層の成形を行な
うために金型母材11の表面にプラズマを照射するように
なっている。真空チャンバー21の下端部にはガス導入ラ
イン25が設けられており、この導入ライン25は真空チャ
ンバー21内にAr、N2、あるいはCCl4、BCl3
Cl2等のハロゲンガス等を導入するようになってい
る。また、プラズマ源24の周囲にはコイル26が設けられ
ており、このコイル26はECR放電に必要な磁場(例え
ば、875ガウス)を発生させるものである。
【0027】プラズマ源24にはマイクロ波導入管27が接
続されており、この導入管27は放電のためのエネルギー
を電子に供給するようになっている。真空チャンバー21
の側面にはアーク蒸着源28a、28bが設けられており、
この蒸着源28a、28bはゲートバルブ29a、29bによっ
て真空チャンバー21内と連通、遮断され、連通時にメタ
ルソースを蒸発させて反応性イオンプレーティングを行
なうことにより、金型母材11表面に窒化膜を形成する。
また、30はアーク蒸着源29に対する供給電力源である。
【0028】次に、この処理装置によって金型母材11に
耐摩耗層14を成形する方法について説明する。まず、ゲ
ートバルブ29a、29bを閉じた状態で真空チャンバー21
内を1、0×10- 5Paになるまで真空排気した後、ガス導
入ライン25からECRプラズマ源24にCCl4、BC
3、あるいはCl2等のハロゲンガスを最高1、0×10-1
Pa程度導入する。次いで、ワークホルダー22をGND
電位に保持した状態でマイクロ波導入管27から電力を供
給して反応エッチングを行なう。
【0029】このとき、発散磁場によって引き出された
ECRプラズマは20eV程度の低エネルギーで金型母材11
に照射され、金型母材11の表面に過大なダメージを与え
ることなしに自然酸化膜が除去される。次いで、ガス導
入ライン25からArを供給してプラズマ照射を数分間行
ない、反応性エッチングによる生成物を除去した後、イ
オン窒化層12の形成を行なう。
【0030】このイオン窒化は、金型母材11に最高500m
V程度の負バイアスを印加しながら1、3×10-2Pa以下の
圧力で窒素プラズマ照射を行なう。このとき、図3に示
すようにイオン窒化に寄与する窒素分子イオンはこの圧
力領域において生成され易く、イオン窒化が効率良く進
行する。上述した自然酸化膜の除去処理およびイオン窒
化膜12の形成に際しては、ゲートバルブ29a、29bを閉
じているため、アーク蒸発源28a、28bのメタル表面が
変質するのを防止することができる。
【0031】次いで、ゲートバルブ29a、29bを開放
し、ワークホルダー22に200Vの直流負バイアスを印加し
ながら、N2雰囲気でアーク蒸着源28a、28bからメタ
ルソースを蒸発させて反応性イオンプレーティングを行
なう。このとき、アーク蒸発源28a、28bのターゲット
材料は窒化膜13がTiNやAlN、あるいはCrN等の
時、それぞれTi、AlおよびCrにすれば良い。
【0032】このように本実施例では、射出成形金型
が、Al合金から構成されるとともに成形材料が接する
その表面に耐摩耗層14を有し、該耐摩耗層14が、金型母
材11の表面に形成されたイオン窒化層12と、該イオン窒
化層12上面に設けられた窒化膜、13と、から構成されて
いるため、窒化反応は窒素原子の拡散により生成される
ことになり、イオン窒化層12の内部に向かって窒素原子
濃度が指数関数的に変化した組成となることから、金型
母材11とイオン窒化層12には明確な不連続面が存在しな
くなる。
【0033】また、イオン窒化層12と窒化膜13の境界に
は窒化膜を構成する金属元素の種類によって組成的不連
続面が存在するが、同じ窒化物の境界面であるため、密
着性に支障をきたすことがなくなる。この結果、金型表
面11に密着性に優れた耐摩耗層14を形成することがで
き、射出成形金型を長期に亘って使用することがきる。
また、金型母材11の表面の前処理およびイオン窒化層12
の成形を行なうECRプラズマ源24と、イオン窒化層12
上に窒化膜13を形成する真空アーク蒸着源28a、28b
と、を同一の真空チャンバー21内に設けているため、E
CRプラズマ源24によって自然酸化膜を除去した後、そ
の表面を大気に曝さずに金型母材11表面にイオン窒化層
12および窒化膜13を連続的に形成することができる。こ
の結果、金型母材11表面に密着性に優れた耐摩耗層14を
形成することができる。
【0034】また、ECRプラズマ源24が無電極放電で
あるため、ターゲット電極を浸食させずに反応性ガスを
用いた効率的なエッチング前処理を可能にすることがで
きる。すなわち、アークイオンプレーティング装置を用
いて金型表面をエッチングする場合には、ターゲット電
極をカソード電極としてターゲット金属のイオンボンバ
ードによって金型表面のエッチングを行なうため、反応
ガスを流すとターゲット金属まで浸食されてしまい、反
応性エッチングが行なえなかった。本実施例では、EC
Rプラズマ源24を使用しているので、ターゲット電極を
浸食させずに反応性ガスを用いた効率的なエッチング前
処理を行なうことができる。
【0035】また、金型母材11表面にイオン窒化層12を
形成する前に、ECRプラズマ源24にCCl4、BC
3、あるいはCl2等のハロゲンガスを導入し、反応性
エッチングによってAl合金からなる金型母材11表面の
自然酸化膜を除去しているため、耐摩耗膜の密着不足お
よびイオン窒化層12の形成の障害となるAl合金金型表
面の自然酸化膜を効率良く除去することができる。
【0036】また、Arやターゲットの金属イオンによ
る物理的なスパッタエッチングに比べてエッチングレー
トが大きいため、短時間での処理が可能であるととも
に、長時間のスパッタエッチングにより金型表面に微細
なノジュール構造が出現して表面性を損ねるようなこと
もない。これに加えて、ハロゲンガスのBCl3は、酸
素や水蒸気に対して大きなターゲット作用を有している
ので、真空排気後に僅かに残った酸素や水分によるエッ
チングプロセス中の酸化反応を防止するため、自然酸化
膜を残存させずに完全に除去することができる。
【0037】また、1、3×10-2Pa以下の圧力でECR
プラズマ源24を作動し、金型母材11にプラズマを照射す
ることにより、イオン窒化層12を形成しているため、イ
オン窒化に寄与する窒素プラズマ中の窒素イオンが多い
放電圧力でECRプラズマ源24を作動させて、イオン窒
化膜12を効率良く成形することができる。図4、5は請
求項2または3何れかに記載の発明に係る射出成形用金
型の一実施例を示す図である。なお、本実施例では、イ
オン窒化層12の上面にTi1-XAlxN膜を形成した点お
よびその処理方法が上記実施例と異なるのみで他の点は
同様であるため、特徴部分についてのみ説明する。
【0038】図4において、イオン窒化層12の表面には
該窒化層12と共に耐摩耗層32を構成するTi1-XAlx
膜31が形成されており、該膜31の組成はイオン窒化層12
の直上でx=1、すなわち、AlNで、かつ金型母材11
表面に向かってxが小さくなるように傾斜されている。
なお、このTi1-XAlxN膜の組成が0、8≦x≦1、0に設
定されている。
【0039】このTi1-XAlxN膜をイオン窒化層12の
上面に形成するには、図2に示す装置で上記実施例と同
様に自然酸化膜の処理およびイオン窒化層12の成形を行
なった後、ゲートバルブ29a、29bを開放し、ワークホ
ルダー22に200Vの直流負バイアスを印加しながら、N2
雰囲気でアーク蒸発源28a、28bからメタルソースを蒸
発させて反応性イオンプレーティングにより行なう。こ
のとき、2つのアーク蒸発源28a、28bのターゲット材
料をそれぞれTiとAlあるいはTiAlとAlにして
それぞれのアーク蒸着源28a、28bの供給電力を変化さ
せれば良い。
【0040】このように本実施例では、該耐摩耗層32
を、金型母材11の表面に成形さたイオン窒化層12と、該
イオン窒化層12上面に設けられたTi1-XAlxN膜31
と、から構成しているため、窒化反応は窒素原子の拡散
により生成されることになり、イオン窒化層の内部に向
かって窒素原子濃度が指数関数的に変化した組成となる
ことから、金型母材11とイオン窒化層12には明確な不連
続面が存在しなくなる。
【0041】また、Ti1-XAlxN膜31の組成をイオン
窒化層31の直上でx=1かつ、かつ金型表面に向かって
xが小さくなるように傾斜させているため、イオン窒化
層12とTi1-XAlxN膜31にも明確な不連続面が存在し
なくなり、表面の耐酸化性および耐摺動性がTiNある
いはAlN単体よりも優れたTi1-XAlxN膜31を密着
性良く形成することができる。この結果、金型母材11の
表面に密着性に優れた耐摩耗層32を形成することがで
き、射出成形金型を長期に亘って使用することができ
る。
【0042】また、Ti1-XAlxN膜31の組成を0、8≦
x≦1、0に設定しているため、図5に示すように結晶構
造をAlN中にTiの固溶した相とすることができ、イ
オン窒化層12のAlN中と同じウルツ鉱型の結晶構造を
引継ぐため、組成的および構造的に不連続面が存在しな
い耐摩耗層32を形成することができる。この結果、Ti
1-XAlxN膜31を極めて密着性良く形成することがで
き、射出成形金型をさらに長期に亘って使用することが
できる。
【0043】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、窒化反応
は窒素原子の拡散により生成されることになり、イオン
窒化層の内部に向かって窒素原子濃度が指数関数的に変
化した組成となることから、金型母材とイオン窒化層に
は明確な不連続面が存在しなくなる。
【0044】また、イオン窒化層と窒化膜の境界には窒
化膜を構成する金属元素の種類によって組成的不連続面
が存在するが、同じ窒化物の境界面であるため、密着性
に支障をきたすことがなくなる。この結果、金型表面に
密着性に優れた耐摩耗層を形成することができ、射出成
形金型を長期に亘って使用することがきる。請求項2記
載の発明によれば、窒化反応は窒素原子の拡散により生
成されることになり、イオン窒化層の内部に向かって窒
素原子濃度が指数関数的に変化した組成となることか
ら、金型母材とイオン窒化層には明確な不連続面が存在
しなくなる。
【0045】また、Ti1-XAlxN膜の組成をイオン窒
化層の直上でx=1かつ、かつ金型表面に向かってxが
小さくなるように傾斜させているため、イオン窒化層と
Ti 1-XAlxN膜にも明確な不連続面が存在しなくな
り、表面の耐酸化性および耐摺動性がTiNあるいはA
lN単体よりも優れたTi1-XAlxN膜を密着性良く形
成することができる。この結果、金型母材の表面に密着
性に優れた耐摩耗層を形成することができ、射出成形金
型を長期に亘って使用することができる。
【0046】請求項3記載の発明によれば、結晶構造を
AlN中にTiの固溶した相とすることができ、イオン
窒化層のAlN中と同じウルツ鉱型の結晶構造を引き継
ぐため、組成的および構造的に不連続面が存在しない耐
摩耗層を形成することができる。この結果、Ti1-X
xN膜を極めて密着性良く形成することができ、射出
成形金型をさらに長期に亘って使用することができる。
【0047】請求項4記載の発明によれば、ECRプラ
ズマ源によって自然酸化膜を除去した後、その表面を大
気に曝さずに金型母材表面にイオン窒化層および窒化膜
を連続的に形成することができる。この結果、金型母材
表面に密着性に優れた耐摩耗層を形成することができ
る。また、ECRプラズマ源が無電極放電であるため、
ターゲット電極を浸食させずに反応性ガスを用いた効率
的なエッチング前処理を可能にすることができる。
【0048】請求項5記載の発明によれば、耐摩耗膜の
密着不足およびイオン窒化層の形成の障害となるAl合
金金型表面の自然酸化膜を効率良く除去することができ
る。また、Arやターゲットの金属イオンによる物理的
なスパッタエッチングに比べてエッチングレートが大き
いため、短時間での処理が可能であるとともに、長時間
のスパッタエッチングにより金型表面に微細なノジュー
ル構造が出現して表面性を損ねるようなこともない。
【0049】これに加えて、ハロゲンガスのBCl
3は、酸素や水蒸気に対して大きなターゲット作用を有
しているので、真空排気後に僅かに残った酸素や水分に
よるエッチングプロセス中の酸化反応を防止するため、
自然酸化膜を残存させずに完全に除去することができ
る。請求項6記載の発明によれば、イオン窒化に寄与す
る窒素プラズマ中の窒素イオンが多い放電圧力でECR
プラズマ源を作動させて、イオン窒化膜を効率良く成形
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1、4、5、6何れかに記載の発明に係
る射出成形金型の表面処理装置およびその処理装置によ
る射出成形金型の表面処理方法によって形成された成形
金型の一実施例を示すその要部構成図である。
【図2】その射出成形金型の表面処理装置の構成図であ
る。
【図3】そのN2プラズマ発光強度の放電圧力依存性を
示す図である。
【図4】請求項2または3何れかに記載の発明に係る射
出成形金型の一実施例を示すその要部構成図である。
【図5】そのTi1-XAlxN膜の生成領域を示す図であ
る。
【図6】従来の射出成形金型の要部構成図である。
【符号の説明】
11 金型母材 12 イオン窒化層 13 窒化膜 14、32 耐摩耗層 24 ECRプラズマ源 28a、28b アーク蒸着源 31 Ti1-XAlxN膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部にキャビティが形成され、該キャビテ
    ィ内にガラス繊維等の無機物フィラーを含む溶融した成
    形材料を射出充填して成形品を成形する射出成形金型に
    おいて、 Al合金から構成されるとともに前記成形材料が接する
    金型表面に耐摩耗層を有し、 該耐摩耗層が、金型母材表面に成形されたイオン窒化層
    と、該イオン窒化層上面に設けられた窒化膜と、からな
    ることを特徴とする射出成形金型。
  2. 【請求項2】内部にキャビティが形成され、該キャビテ
    ィ内にガラス繊維等の無機物フィラーを含む溶融した成
    形材料を射出充填して成形品を成形する射出成形金型に
    おいて、 Al合金から構成されるとともに前記成形材料が接する
    金型表面に耐摩耗層を有し、 該耐摩耗層が、金型母材の表面に形成されたイオン窒化
    層と、該イオン窒化層上面に設けられたTi1-XAlx
    膜と、からなり、 該Ti1-XAlxN膜の組成が前記イオン窒化層の直上で
    x=1で、かつ金型表面に向かってxが小さくなるよう
    に傾斜されたことを特徴とする射出成形金型。
  3. 【請求項3】前記Ti1-XAlxN膜の組成が0、8≦x≦
    1、0であることを特徴とする請求項2記載の射出成形金
    型。
  4. 【請求項4】請求項1〜3何れかに記載の射出成形金型
    の表面処理装置であって、 金型表面の前処理およびイオン窒化層の成形を行なうE
    CR(電子サイクロトロン共鳴)プラズマ源と、イオン窒
    化層上に窒化膜あるいはTi1-XAlxN膜を形成する真
    空アーク蒸着源と、が同一チャンバー内に具備されたこ
    とを特徴とする射出成形金型の表面処理装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の表面処理装置を用いて金型
    表面の処理を行なう方法であって、金型表面にイオン窒
    化層を形成する前に、ECRプラズマ源にCCl4、B
    Cl3、あるいはCl2等のハロゲンガスを導入し、反応
    性エッチングによってAl合金金型表面の自然酸化膜を
    除去することを特徴とする射出形成金型の表面処理方
    法。
  6. 【請求項6】請求項4記載の表面処理装置を用いて金型
    表面の処理を行なう方法であって、 1、3×10-2Pa以下の圧力でECRプラズマ源を作動
    し、金型にプラズマを照射することにより、イオン窒化
    層を形成することを特徴とする射出形成金型の表面処理
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007077494A (ja) * 2005-08-08 2007-03-29 Nanofilm Technologies Internatl Pte Ltd 金属コーティング
CN103909615A (zh) * 2014-04-16 2014-07-09 昆山市大久电子有限公司 改性注塑模具
KR101466221B1 (ko) * 2013-02-20 2014-11-28 인하대학교 산학협력단 절삭 공구의 내마모성 향상방법 및 이에 따라 내마모성이 향상된 절삭 공구

Cited By (4)

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CN103909615B (zh) * 2014-04-16 2016-04-27 昆山市大久电子有限公司 改性注塑模具

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