JPH0776445B2 - 転倒堰 - Google Patents

転倒堰

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JPH0776445B2
JPH0776445B2 JP63324366A JP32436688A JPH0776445B2 JP H0776445 B2 JPH0776445 B2 JP H0776445B2 JP 63324366 A JP63324366 A JP 63324366A JP 32436688 A JP32436688 A JP 32436688A JP H0776445 B2 JPH0776445 B2 JP H0776445B2
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修二郎 井関
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、水路に設けた堰板を必要に応じて転倒させ、
水路内に貯められている水を放流することができるよう
にした転倒堰に関する。
[従来の技術] 基部が水路の底部に枢着された回動自在な堰板と、堤防
上に設置された巻上装置とを備え、該巻上装置のプーリ
に巻き取られたワイヤの自由端部を堰板の上部に繋着
し、常時は前記ワイヤで堰板を起立状態に支持して貯水
を行ない、大雨等で水路が増水した場合は、ワイヤをプ
ーリから繰り出すことによって水圧や堰板の自重で堰板
を転倒させて、貯められていた水を放流するようにした
転倒堰が実用されている。
[発明が解決しようとする課題] 上記従来の転倒堰は、放流によって水位が十分下がった
時に管理者が人力により再度堰板を巻き上げて起立させ
なければならないので、管理に不便であるとともに、多
大の労力が必要であった。最近、農村等における労働力
が不足しているので、農業用水路等に設けられている転
倒堰の管理に多くの手間や労働力を必要とするのは好ま
しくなかった。これを改良するものとして、バネ、重錘
等によって堰板を立ち上がらせる力を付与し、放流によ
って上流側の水の圧力が一定値以下に低下したら自動的
に起立させるようにすることが考えられるが、重錘等に
よって堰板に起立方向の力を常時付与しておくと、転倒
方向の力と起ち上げ方向の力のバランスをとるのが難し
く、転倒途中で十分に放流されないうちに再度起ち上が
りかけたり、起立、転倒を繰り返したりするので、実用
上問題があった。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するために、本発明は次のような構成と
した。
すなわち、本発明にかかる転倒堰は、基部が水路の底部
に枢着された回動自在な堰板と、堤防上に設置された巻
上装置とを備え、前記堰板は、その上部に取り付けたワ
イヤを介して巻上装置によって起立状態に支持されると
ともに、水位が一定以上に上昇したときは転倒させられ
て水路を開くように構成された転倒堰において、堰板を
起立させる力を加える起立手段と、該起立手段の作動を
阻止するストッパ手段と、該ストッパ手段の機能を解除
する解除手段とを巻上装置に設けるとともに、水路の側
部には、増水時に水路の水が流入する取水口と該取水口
よりも下方にあって流入した水を排出する排水口とを有
する蓄水室を設け、前記排水口は、堰板が転倒して水路
の水位が低下したとき、その低下よりも遅れて蓄水室の
水位が低下する大きさに形成されているとともに、該蓄
水室の水位を検出し、その水位が所定値以下になるとそ
の下動により前記解除手段を作動させるフロートが設け
られていることを特徴としている。
[作用] 増水により水路の水位が上昇すると、蓄水室の取水口か
ら水路の水が蓄水室内に流入する。この水は、下方の排
水口から少量ずつ排出される。水路の水位が予め設定さ
れている転倒水位に達すると、堰板が自動的に転倒して
上流側に貯められている水を放流する。この放流により
水路の水位が次第に低下するが、この水位が充分に低下
し、かつ水路に並設した蓄水室内の水位が一定以下にな
ると堰板が自動的に起立する。
堰板の起立開始の時期を適切に設定することにより、起
立手段による堰板を起立させる力を水圧、堰板の自重に
よる堰板を転倒させる力よりも充分大きくすることがで
き、堰板の起立動作が安定確実なものとなる。
[実施例] 第1図および第2図は本発明にかかる転倒堰の1実施例
の側部断面図と平面図であって、この転倒堰1は、水路
2の底部に基部3aが枢着された堰板3と、堤防上に設置
された巻上装置4を備え、巻上装置4のプーリ6に巻き
取られた堰板支持ワイヤ7の自由端部が、堰板3の上端
部の巻上装置側に固着した取付片8に繋着されている。
堰板3は、スキンプレート10の裏面側が中空容器状の水
タンク11として形成され、堰板の上面中央部に該水タン
クの取入孔12が設けられ、裏面側下部に排水孔13が設け
られている。なお、取水孔12の方が排水孔13よりも断面
積が大きく形成されている。
巻上装置4は、外箱20の内部に複数の回転軸、ギヤおよ
びその他の部品が収納されたものであって、その構造に
ついて以下に詳述する。
外箱20からの突出部に前記プーリ6が取り付けられたプ
ーリ軸22には、ギヤ22aと作動レバー25が嵌着されてい
る。ギヤ22aには、プーリ軸22の両側に設けた重錘軸23
と中間軸24のギヤ23a,24aがそれぞれ噛合している。重
錘軸23にはプーリ26が取り付けられており、これに巻き
掛けられた重錘用ワイヤ27の自由端部は堤防に垂直に設
けた縦穴28に垂下され、その下端部に堰板起立用の重錘
29が繋着されている。重錘29は、各回転軸に堰板を起立
させる方向のモーメントを付与する起立手段となってい
る。
一方、中間軸24には、左右一対の板体からなる回動枠31
が回動自在に取り付けられている。この回動枠31は、径
方向の中間部に板ばね32によって下向きに付勢されたラ
チェットレバー33が設けられ、先端部にはベアリング35
が軸36によって支承されている。そして、回動枠31全体
はばね37によってプーリ軸22の方向に引っ張られてい
る。
中間軸24に隣接する巻上軸40には、中間軸のギヤ24aと
噛合するギヤ40aと、ラチェットレバー33と噛合するラ
チェットホイール41と、油圧ブレーキのプーリ42aとの
間にチエン42が張架されたプーリ42bとが嵌着されてい
る。また、巻上軸40は水路と反対側の端部は外箱20から
突出しており、その先端部に巻上ハンドルを嵌着できる
ようになっている。
プーリ軸22とベアリング軸36の中間部にはカム軸43が設
けられ、該カム軸に、外周部に前記ベアリング35が嵌入
する概略扇形の凹部44aが形成されたカム44が取り付け
られている。このカム44の側面には、前記プーリ軸の作
動レバー25と係合する作動爪45が一体に取り付けられて
いる。また、カム44の外周部には、その先端部が転倒用
フロート支持棒48の受皿49の上方に位置するようにカム
レバー47が突設されている。転倒用フロート支持棒48
は、下部に設けた水の出入口50aで水路2と通じる垂直
な水孔50内に収納されており、その下端部に転倒用フロ
ート51が固着されている。
さらに、巻上軸40の側方には、カウンタ軸53と、ラチェ
ットホイール55が取り付けられたラチェット軸54が設け
られており、これら各軸はそれぞれのギヤ40a、53a、54
aを介して互いに伝動連結されている。また、ラチェッ
ト軸54の隣には、前記回動枠31と同様に、ラチェットレ
バー57とベアリング58が取り付けられた第2の回動枠59
が軸60に設けられている。そして、ラチェットレバー57
はラチェット軸54のラチェットホイール55に噛合し、ベ
アリング58は、前記カム44と同様に外周部に概略扇形の
凹部62aが形成されたカム62に当接している。回動枠59
全体は、ばね61によってラチェット軸54と逆方向に引っ
張られている。カム62は、ばね64によって、外力が作用
しないときは所定の角度を向くようになっている。上記
ラチェットホイール55とラチェットレバー57は、堰板の
起立を阻止するストッパ手段となっている。また、回動
枠59、ベアリング58、カム62等は、上記ストッパ手段を
解除する解除手段となっている。
カム62にもカムレバー63が突設されており、該カムレバ
ーの先端部は起立用フロート支持棒65の受皿66の下方に
位置している。起立用フロート支持棒65は、水路2から
隔てて設けられた蓄水室68と下部で連通する第2の水孔
69内に収納されており、その下端部に起立用フロート70
が固着されている。そして、水孔69の上下中間部で満水
時の水位より若干低位置に、堰板3よりも上手側で水路
2に通じる取水口72が設けられている。また、蓄水室68
の下端部に、堰板3よりも下手側で水路2に開口してい
る排水口73が設けられている。この排水口73には排水の
量を調節することのできる流量調整器73aが設けられて
いる。
以下に、この転倒堰1の動作について説明する。
通常の貯水時においては、第1図(a)に示すように、
堰板支持ワイヤ7によって堰板3は起立状態に支持され
ている。満水になると、上流側の水は堰板3を越えて下
流側に流出する。このとき、取水孔12から堰板の水タン
ク11内に常時少量づつ水が流入し、かつ流入した水が排
水孔13から排出されるが、取水孔12の方が排水孔13より
も大きいので、水タンク11の内部は水で満たされた状態
となっている。したがって、堰板3自体の重量と、水タ
ンク11内の水の重量と、上流側の水圧とが、堰板3を転
倒させようとする力F1として作用している。一方、巻上
装置4は、第3図(a)に示すように、ラチェットレバ
ー33がラチェットホイール41に噛合した状態となってい
る。このため、巻上装置内の各回転軸は堰板を転倒させ
る方向に回転が拘束されており、プーリ6から堰板支持
ワイヤ7が繰り出されないため、堰板3は起立状態に保
持される。また満水近くになると取水口72から水路2の
水が流入するので、満水時には、水孔69および蓄水室68
の水位も水路2の水位と同レベルになる。
つぎに、大雨等によって水路2が増水すると、水孔50の
水位も上昇し、それにともなって転倒用フロート51が上
動する。すると、カムレバー47が押し上げられ、カム44
がA方向に回転する。そして、第1図(b)に示すよう
に水位が転倒水位WL1を越えると、第3図(b)に示す
ように、カム44の凹部44aにベアリング35が嵌まり込む
ので、回動枠31はばね37の作用でB方向に回動する。そ
れによって、ラチェットレバー33がラチェットホイール
41から外れて各回転軸が回転可能となり、プーリ6から
ワイヤ7が繰り出され、前記転倒方向の力F1によって堰
板3が転倒し、貯えられていた水が下流側に放流され
る。なお、図示を省略した油圧ブレーキの働きで、堰板
はゆっくりと転倒する。
堰板3が倒伏すると、取水孔12から水タンク11内に水が
入りにくくなるので、水タンク11内の水は徐々に減少す
る。この水タンク11内の水重量の減少と水圧の低下によ
って、ある時点で重錘29による堰板を起立させようとす
る力F2の方が堰板3を倒伏状態に保とうとする力F1′よ
りも大きくなる。しかしながら、その時点では、ラチェ
ットレバー57がラチェットホイール55に噛合しているた
め、堰板3が起立する方向への各回転軸の回転が拘束さ
れており、堰板は倒伏状態のままに保たれる。
一方、放流によって水路2の水位が取水口72よりも低く
なると、排水口73からの排水量に応じて水孔69の水位も
徐々に低下する。水孔69が比較的大容量の蓄水室68と連
通されているとともに、流量調整器73aによって排水口7
3からの排水量が少量に調節されているため、水孔69の
水位の低下速度は充分に小さく、前述の堰板を起立させ
ようとする力F2の方が堰板3を倒伏状態に保とうとする
力F1′よりも大きくなった時点から一定の時間が低下し
てから所定の起立水位WL2になる。なお、蓄水室68及び
水孔69の水位の低下速度は、これらの容積と排水口73の
大きさによって変化し、しかもこれらの水位と水路の水
位との差は、水路の大きさや流水量等によっても変化す
るので、種々の条件に対応できるように、排水口73に図
示例のような流量調整器73aを設けておくのが好ましい
が、このような流量調整器を設けておくかわりに、この
転倒堰を設置する水路の条件に最適な大きさにその都度
設計するようにしてもよいことは言うまでもない。排水
口が小さい程、起立開始のタイミングを遅らせることが
できるが、余り小さすぎると起立までの時間が長くかか
りすぎるので好ましくない場合も多い。
前述の堰板転倒時とは逆に、水孔69の水位が低下するに
ともなって、起立用フロート70が下動するので、受皿66
によってカムレバー63が押し下げられ、カム62がC方向
に回転する。そして、第1図(c)に示すように水孔69
の水位が起立水位WL2になると、第3図(c)に示すよ
うに、カム62の凹部62aにベアリング58が嵌まり込み、
回動枠59はばね61の作用でD方向に回動する。それによ
って、ラチェットレバー57がラチェットホイール55から
外れて各回転軸が起立方向に回転可能となる。このとき
は既に、堰板を起立させようとする力F2の方が堰板3を
倒伏状態に保とうとする力F1′よりも充分に大きくなっ
ているため、堰板3は確実に起立する。
蓄水室68の排水口73の流量を調節して水孔69内の水位の
低下速度を変えることによって、堰板が起立するタイミ
ングを任意に設定することができる。なお、下降したフ
ロート70が増水により再度上昇したら、レバー63が図の
反時計回りに持ち上げられ、図3(a)の状態、すなわ
ち、起立を阻止する状態に復帰する。
何らかの事情で堰板3を強制的に起立させる必要がある
場合は、巻上軸40の突出部にハンドルを取り付けて、手
動で巻上軸40を所定方向に回転させることにより、堰板
を起立させることができる。
図示例では、堰板3に水タンク11を設けることにより、
転倒時と起立時における堰板全体の重量を変化させて、
転倒および起立が円滑に行なわれるよう構成されている
が、場合によっては水タンクを設けなくてもよい。
[発明の効果] 以上の説明から明らかなように、本発明にかかる転倒堰
は、水路の増水によって水位が一定以上に上昇したら自
動的に転倒して貯められている水を放流するので、水路
の水が溢れることが防止されるとともに、水路の水位が
充分に低下したときは一旦転倒した堰板を自動的に起立
させるので、特別な監視を必要とせず、しかも巻き上げ
に必要な労力が不要となった。また、堰板を起立させる
時期を適切に設定することにより、堰板の起立動作を安
定確実なものとすることができるとともに、水路の水量
に関わりなく一定のタイミングで堰板が起立するように
なった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかる転倒堰の1実施例の側部断面
図、第2図はその平面図、第3図はその巻上装置の機構
図であって、第1図および第3図における(a)は貯水
時の状態を、(b)は転倒開始時の状態を、(c)は起
立開始時の状態をそれぞれあらわしている。 1…転倒堰、2…水路、3…堰板、4…巻上装置、6…
プーリ、7…堰板支持ワイヤ、29…重錘(起立手段)、
51…転倒用フロート、68…蓄水室、70…起立用フロー
ト。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基部が水路の底部に枢着された起立・転倒
    自在な堰板と、堤防上に設置された堰板の巻上装置とを
    備え、前記堰板は、その上部に取り付けたワイヤを介し
    て巻上装置によって起立状態に支持されるとともに、水
    路の水位が予め設定されている転倒水位に上昇したとき
    は転倒させられて水路を開き、貯められている水を放水
    するように構成された転倒堰において、堰板を起立させ
    る力を加える起立手段と、該起立手段の作動を阻止する
    ストッパ手段と、該ストッパ手段の機能を解除する解除
    手段とを巻上装置に設けるとともに、水路の側部には、
    増水時に水路の水が流入する取水口と該取水口よりも下
    方にあって流入した水を排出する排水口とを有する蓄水
    室を設け、前記排水口は、堰板が転倒して水路の水位が
    低下したとき、その低下よりも遅れて蓄水室の水位が低
    下する大きさに形成されているとともに、該蓄水室の水
    位を検出し、その水位が所定値以下になるとその下動に
    より前記解除手段を作動させるフロートが設けられてい
    ることを特徴とする転倒堰。
JP63324366A 1988-12-21 1988-12-21 転倒堰 Expired - Fee Related JPH0776445B2 (ja)

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