JPH0776796B2 - 金属繊維複合シートおよびその製造方法 - Google Patents

金属繊維複合シートおよびその製造方法

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JPH0776796B2
JPH0776796B2 JP61101916A JP10191686A JPH0776796B2 JP H0776796 B2 JPH0776796 B2 JP H0776796B2 JP 61101916 A JP61101916 A JP 61101916A JP 10191686 A JP10191686 A JP 10191686A JP H0776796 B2 JPH0776796 B2 JP H0776796B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、充填密度が高いにも拘らず柔軟性のすぐれた
金属繊維複合シートおよびその製造方法に関するもので
ある。
[従来技術] 従来、特開昭54−67899号や実公昭56−30880号のよう
に、金属繊維複合シートは金属繊維をシート状に集合さ
せて不織布を形成したのち、これを合成樹脂で含浸した
複合シート、あるいは前記不織布をフィルムなどでラミ
ネートした複合シート、さらには特開昭58−60299号の
ような合成樹脂と金属繊維とを混合した混合組成物をス
リット間から押出すか、またはロール間に通してシート
にした複合シートなどがある。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、かかる複合シートには次のような欠点がある。
(1) 金属繊維不織布を樹脂で含浸したものはピンホ
ールが発生し易い。さらにかかるシートは平面的に配向
しており、金属繊維の充填量に比例して硬くなる。
(2) 金属繊維と樹脂とからなる混合組成物を押出す
か、圧延したものは、シート状にするために、金属繊維
の充填密度に限界があり、高密度の複合シートが得られ
ない。さらにこのシートは金属繊維が押出し方向または
圧延方向に平面的に配向する傾向が強く、極めてピンホ
ールが発生し易く、この場合も金属繊維の充填量に比例
してシートは硬くなる。
(3) いずれの場合も金属繊維の充填密度には限界が
あり、したがって、要求に応じた性能を有する複合シー
トを提供できない場合があった。
本発明は、従来技術では到底達成し得なかった二つの要
件を同時に達成した画期的な複合シートを提供するもの
である。
すなわち、本発明は、充填密度も、柔軟性も高い金属繊
維複合シートである。
かかる効果を達成したことにより、導電性、電磁波遮蔽
性、熱伝導性、防音性、高比重性など金属の有する多機
能特性をいかんなく発揮し得るシートを提供し得たもの
である。それも、通常、粗硬である筈の充填量で、極め
て柔軟なシートとして提供し得たものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明は上記目的を達成するために次のような構成を有
する。すなわち、 本発明の金属繊維複合シートは、樹脂と金属繊維とから
なる複合シートにおいて、該樹脂中に分散した短繊維状
の金属繊維が三次元の分散構造を有することを特徴とす
るものであり、かかる金属繊維複合シートの製造方法
は、短繊維状の金属繊維を、樹脂溶液上に散布すること
を特徴とするものである。
本発明は、樹脂溶液に金属繊維を上から散布して、さら
に該金属繊維を樹脂溶液中に沈降させると、驚くべきこ
とに該金属繊維の充填密度を著しく高くできるにも拘ら
ず柔軟性に優れた複合シートを提供し得ることを究明し
たものである。
本発明でいう金属繊維は、通常の繊維形成性金属からな
る繊維を全て包含する。
たとえば、金、銀、銅、鉄、錫、鉛、ニッケル、アルミ
ニウム、モリブデン、タングステン、カドミウム、ビス
マス、亜鉛、ステンレス等、さらにこれらの金属からな
る合金等があげられる。
これらの金属は溶融法、ビビリ振動法、線伸法などによ
り繊維化される。かかる繊維の太さを限定する必要はな
いが、充填密度や分散性の点からすれば、直径約8〜20
0μ、さらに好ましくは8〜150μ程度のものが選択され
る。
金属繊維の太さが均一な場合には、一般に8μ未満の細
いものでは粉状、球状のものに類似した挙動を示し、三
次元分散を形成しにくく、充填密度もあがらない欠点が
惹起する傾向を示し、また、200μを越えると、太すぎ
て充填密度が低く硬くなる傾向を示し、さらにピンホー
ルが発生し易くなる上に表面形状、外観も悪くなる傾向
がある。
ただし、かかる8μ未満の細い繊維であっても、比重と
樹脂溶液粘度の関係によって上記問題を克服できる場合
があるので、一概に細い繊維は好ましくないことにはな
らない。たとえば、細い繊維である程、樹脂溶液粘度の
低いものを選択するなどの手段によって改善される。さ
らに200μを越える太い繊維でも8μ未満を含めた細い
繊維と混合、併用する場合は、配合の仕方によって、上
記欠点を是正することができる場合がある。無論かかる
混合の場合でも、直径約8〜200μの範囲の中から選択
して配合併用することが好ましい。
かかる金属素材は要求される性質、たとえば導電性、電
磁波シール性、電波吸収性などでは、銀、銅、鉄、錫、
アルミ、ニッケル、亜鉛、ステンレスなどが、また、放
射線遮蔽性には、鉛、鉄、タングステンなど、中性子遮
蔽性には、カドニウム、ビスマスなど、その種類によっ
て適宜選択される。
かかる金属繊維は長繊維状でもさしつかえないが、充填
密度や柔軟性、シート特性の点から短繊維の方が好まし
く、さらにはシートの厚みよりも短いものが選択され
る。特に繊維長Lとシート厚みTとの関係がL≦√2Tで
あるものが好ましい。
繊維長が長すぎると、ピンホールの発生にもつながる危
険がある。一般的には長くとも1mm未満であるのが特に
好ましい。
かかる金属繊維を三次元分散構造で複合する樹脂として
は、天然ゴム、熱可塑性樹脂、特にエラスマーなど可撓
性に富む樹脂が好ましい。無論柔軟性の要求されない用
途では熱硬化性樹脂も適用可能である。
具体的には、たとえば、天然ゴムの他、SBR、NBR、CR、
シリコーンゴムなどの合成ゴムや、フッ素樹脂、ポリ酢
酸ビニール、ポリアクリル酸エステル、ポリビニールア
セタール、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リエチレン酢酸ビニール、ポリウレタン、ポリアミド、
ポリエステルなどの熱可塑性合成樹脂などがあげられ
る。
本発明の金属繊維複合シートにおいて重要なことは、第
1図の如く該樹脂中で金属繊維が上下、左右にランダム
な三次元分散構造を有し、かつ該構造はシートの縦横、
斜め方向のどの切断面を見ても同じであることである。
この点が、通常の金属繊維複合シート、すなわち、第2
図のような二次元平面分散構造のもとの最も相違すると
ころである。
この三次元分散構造が、樹脂中における金属繊維同志の
動きを柔軟にし、かつ、充填率を向上せしめ得たもので
ある。
本発明において、かかる三次元分散構造に金属繊維を固
着する樹脂に空隙部分が存在する場合、柔軟性に耐久効
果が付加される。
かかる空隙は通常扁平で不定形であり、かつ全体に微分
散している方が好ましい。その長径は大きくても1000
μ、大多数は500μ以下の程度である。この空隙は金属
繊維の近辺に樹脂が凝集することにより惹起されるもの
であり、これにより該繊維の動きの自由度が増大する。
その結果、柔軟性の耐久性が向上するものである。かか
る空隙はシート体積に対して、10〜60%、好ましくは20
〜50%存在する。60%を越える空隙率ではシート特性を
損う傾向がある。
従来、ピンホールや充填率などの関係から、空隙が存在
しない方が好ましいとされていたものであるが、かかる
常識を本発明は金属繊維を三次元構造にすることで打破
したものである。本発明の金属短繊維は三次元にかつラ
ンダムに分散されており、しかも金属繊維の樹脂に対す
る充填率(容量)は、低い充填率は勿論のこと、通常10
0〜300%、好ましくは150〜200%まで高くすることがで
きるものである。これは通常の練り込み(混合組成物)
の場合での、金属繊維の樹脂に対する充填率(容量)が
精々43%以下であることを考えると格段の相違である。
本発明の金属繊維複合シートの製造法の一例について、
次に説明する。
本発明の金属繊維複合シートは、短繊維状の金属繊維
を、樹脂溶液の上から散布することによって製造され
る。かかる樹脂溶液は樹脂の溶媒を用いて調整するが、
この溶液は純粋な溶剤系でも、エマルジョン系でも、い
ずれでもさしつかえない。かかる溶液には各種の添加剤
を添加してもよい。たとえば、樹脂溶液粘度調整剤など
が必要に応じて配合される。
溶液粘度は金属の比重や繊維の太さなどによって適宜選
択されるが、要するに金属繊維が少なくとも沈降する程
度の粘度に調整される。
本発明においては、一般的には1000〜30000cp、好まし
くは5000〜20000cpの範囲のものが適用される。
樹脂溶液中の樹脂濃度は通常60重量%以下、好ましくは
15〜50重量%で、要は金属繊維を十分に固着し得る濃度
に調整する。
かかる樹脂溶液をシート状物上に付与し、該溶液からな
る粘稠被膜層を形成する。
かかる付与方法としては、浸漬法、パディング法、コー
ティング法、スプレー法などいずれでもさしつかえない
が、通常コーティング法が適用される。かかるコーティ
ング法としては、たとえばナイフコーティング、ローラ
コーティングなどの方法がある。該樹脂溶液の付与量
は、所望する性能ならびに柔軟性などによって、適宜設
定される。たとえば、柔軟性と充填率を同時に望む場合
には、限界はあるが、樹脂量は比較的少なく粘度のやや
高い系が適用され、充填量のみを問題にする場合は樹脂
量は多く、比較的粘度の低い系のものが適用される。
該樹脂溶液をシート基布上にコーティングした後、金属
短繊維を該コーティング層上に散布する。
この散布方法が重要であり、コーティング層上に均一
に、万便なく散布する。この場合、一度に散布しない
で、経時的に少しずつ万便なく散布することが、三次元
構造に好ましい結果を与える。経時的に散布すること
で、金属繊維を逐次沈降させるものである。この時間の
ずれが空隙率、ひいては柔軟性に大きく影響を与えるも
のである。勿論、かかる散布を該樹脂の硬化、乾燥前に
完了するのが、本発明においては好ましい。
かかる散布を数段階に分けて行うことも可能である。そ
の場合、第2回目以降の散布の際に、予め樹脂溶液を新
に付与してもさしつかえない。
(実施例) 実施例1 溶融紡糸法によって、直径30μ、繊維長0.5mmの鉛短繊
維を用意した。
別に、ポリステル系繊維織物の表面上に、粘度12000cp
(MB型粘度計、20℃)のポリアクリル酸エステルのエマ
ルジョン(ポリマー濃度;45%)をナイフコーティング
法により、0.5mmの厚さにコーティング塗布したシート
を用意した。
このシートのコーティング層面に、前記鉛短繊維を徐々
に散布した。
散布は、金網フルイ(20メッシュ)に該短繊維を通しな
がら、均一に、かつ経時的に落下させて、約2mmの厚さ
になるように調整した(重量割合=金属繊維:樹脂=8:
2)。
散布終了後、該シート基布に微振動を与え、エマルジョ
ン中に、該金属短繊維を沈降させた。
このシートを120℃で10分間、乾燥し、固着した。次い
で、該シートの金属繊維堆積面をブラシッシングして余
剰の金属繊維を除去した。
かくして得られた金属繊維複合シートをクリアランスが
0.5mmのニップロールに通して厚さ1mmのシートにした。
このシートの断面における樹脂中での鉛繊維の構造を電
子顕微鏡で観察して、第1図に模式図で示した。このシ
ートの評価結果は表1に示した。
実施例2〜6 実施例1において、鉛短繊維の太さまたは長さを次のよ
うに変更した。その他の方法および条件は同一にして金
属繊維複合シートを形成した。
得られたシートの評価を表1に示す。
比較例1〜3 実施例1と同じ鉛短繊維80部を塩化ビニル樹脂12.5部、
可塑剤7.5部と混合して、バンバリーミキサーにより混
練した。この混合樹脂をロールに通して0.5mmの厚さの
シートをつくり、このシートを2枚積層して厚さ1mmの
金属繊維複合シートを作った。(比較例1) このシートにおける鉛繊維の配向構造を電子顕微鏡で観
察して、第2図に模式図で示した。
次に、実施例1において、鉛短繊維の代りに、鉛粒子
(直径0.5mm)、ならびに鉛パウダー(平均粒径10μ)
に変更したものを用い、それぞれ比較例2、比較例3と
した。その他の方法および条件は同一にして金属複合シ
ートを形成した。
結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜6のシートは柔軟
性、耐屈曲性の点で、従来技術である、いずれの比較例
と対比しても優れていることがわかる。ただし、X線遮
蔽性の点で比較例1のシートがかなりのレベルを示した
ものの、柔軟性も、耐屈曲性も劣るモロイものであり、
商品展開の上から自由度のないものであった。また、比
較例2、3のものはX線遮蔽性が極端に悪く、柔軟性や
耐屈曲性を云々する前に、商品価値のないものであっ
た。
[発明の効果] 本発明は、導電性、電磁波遮蔽性、熱伝導性、防音性、
高比重性など金属の有する多機能特性を良好に発揮し得
る柔軟性に富んだシートを提供するものである。それも
極めて柔軟なシートであるために、従来この種の金属複
合シートの用途において、適用不可と考えられていた用
途にも何の不都合もなく応用、展開し得るという自由度
の高い素材を提供するものである。
すなわち、本発明の特徴は、樹脂中で金属繊維が三次元
の方向にランダムに充填されている点にあるが、さらに
該繊維は樹脂表面に突出した状態で存在させることもで
き、すなわち、金属繊維からなる立毛を樹脂表面に形成
させた状態のものも形成し得る特徴を有する。たとえ
ば、かかる表面繊維のみをローラで圧延すると、従来技
術では考えられなかった高性能の、しかも柔軟な金属繊
維複合シートが得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の金属繊維複合シートにおける樹脂中で
の金属繊維構造を示す模式図であり、第2図は従来の圧
延法による金属繊維複合シートにおける樹脂中での金属
繊維構造を示す模式図である。 図中 1:金属短繊維 2:樹脂 3:空隙

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂と金属繊維とからなる複合シートにお
    いて、該樹脂中に分散した短繊維状の金属繊維が三次元
    の分散構造を有することを特徴とする金属繊維複合シー
    ト。
  2. 【請求項2】前記樹脂が、空隙を有する特許請求の範囲
    第(1)項記載の金属繊維複合シート。
  3. 【請求項3】短繊維状の金属繊維を、樹脂溶液上に散布
    することを特徴とする金属繊維複合シートの製造方法。
  4. 【請求項4】散布された金属繊維が、樹脂中に沈降させ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第(3)記載の金属
    繊維複合シートの製造方法。
  5. 【請求項5】樹脂溶液が、シート基布上にコーティング
    されたものである特許請求の範囲第(3)記載の金属繊
    維複合シートの製造方法。
  6. 【請求項6】金属繊維の散布方法が、経時的に散布時間
    をずらせて散布する方法である特許請求の範囲第(3)
    記載の金属繊維複合シートの製造方法。
  7. 【請求項7】金属繊維の散布方法が、数段階に別けて行
    なう方法である特許請求の範囲第(3)記載の金属繊維
    複合シートの製造方法。
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