JPH0778255B2 - 深絞り性に優れた熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

深絞り性に優れた熱延鋼板の製造方法

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JPH0778255B2
JPH0778255B2 JP63177776A JP17777688A JPH0778255B2 JP H0778255 B2 JPH0778255 B2 JP H0778255B2 JP 63177776 A JP63177776 A JP 63177776A JP 17777688 A JP17777688 A JP 17777688A JP H0778255 B2 JPH0778255 B2 JP H0778255B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、深絞り性に優れた熱延鋼板、具体的には、高
ランクフォード値(r値)の熱延鋼板を製造する方法に
関する。
(従来の技術) 熱延鋼板は、比較的安価な構造材料として、自動車、家
電製品、建材、各種の産業機器等に広く使用されてい
る。そして、通常はそのまま使用されることは稀でプレ
ス加工を施されて使用されることが多い。従って、熱延
鋼板には優れた加工性が要求される。とろろが、熱延鋼
板は冷延鋼板に比して加工性が劣っている。これは、熱
延鋼板が冷延鋼板に比べて深絞り性に劣るからである。
例えば、深絞り性を示す指標として用いられるr値が、
冷延鋼板では1.5〜1.8であるのに対し、熱延鋼板では0.
5〜0.9である。
このように、熱圧鋼板は冷延鋼板に比べ加工性に劣るこ
とから、前記の自動車をはじめとする家電製品等の加工
性が要求される用途には、安価な熱延鋼板よりも高価な
冷延鋼板の方が多く使用されている。
そこで、もし冷延鋼板と同等或いはそれ以上の深絞り性
を有する熱延鋼板の製造が可能となれば、工業的に大変
好ましいことである。近年、このような深絞り性に優れ
る熱延鋼板を製造する方法が種々検討されており、これ
に関する特許も出願されている。
例えば、特開昭59−153836号公報には、C、Mn、Sol.Al
を含むアルミキルド鋼を、AlNの析出処理後、特定条件
で熱間圧延を行い、次いで、酸洗、軽圧下圧延および再
結晶処理を行うという、深絞り性に優れた熱延鋼板の製
造方法が開示されている。しかし、この方法は析出処理
前の具体的な条件については何ら規定がないので析出処
理の加熱に、例えば100分以上という長時間を必要と
し、そのために製造能率が低下するという欠点がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の課題は、効率的に窒化物を析出させてr値の高
い優れた深絞り性を有する熱延鋼板を製造する方法を提
供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、特定組成のアルミキルド鋼に窒化物の析
出処理前に大圧下圧延を含む一次圧延を施せば、窒化物
の析出サイトが導入されて析出処理において、AlN,TiN
等の窒化物が迅速に析出すること、且つ一次圧延により
フェライト粒径も微細化すること、その結果、その後の
二次圧延および再結晶処理後の最終製品の深絞り性が著
しく向上することを見出し、本発明に至った。
ここに本願の第一の発明の要旨は「重量%で、C:0.05%
以下、Mn:0.01〜0.4%、Si:0.3%以下、Sol.Al:0.01〜
0.08%、N:0.01%以下、残部:Feおよび不可避不純物か
らなるアルミキルド鋼を、下記〜の工程で順次加工
熱処理することを特徴とする深絞り性に優れた熱延鋼板
の製造方法にある。
最終パス圧下を1100℃以下800℃以上の温度域で圧下
率45%以上とする一次圧延を行う工程、 1100℃以下800℃以上の温度域で1〜60分間保持する
工程、 800℃以下450℃以上の温度域で総圧下率を50%以上と
する二次圧延を行った後、再結晶処理を行う工程。
本願の第二の発明は、上記合金成分に更にBを0.0001〜
0.0050%を含有するアルミキルド鋼を使用して、第三の
発明は、上記合金成分に更にTi、Nb、Zr、Vのうちの1
種又は2種以上を合計で0.001〜0.100%含有するアルミ
キルド鋼を使用して、第四の発明は、上記合金成分に更
に前記と同量のBとTi、Nb、Zr、Vのうちの1種又は2
種以上を含有するアルミキルド鋼を使用して、前記〜
の工程で順次加工熱処理することを特徴とする深絞り
性に優れた熱延鋼板の製造方法を、それぞれの要旨とす
る。
(作用) 以下、本発明における各構成要件について、作用効果と
ともに数値限定の理由を説明する。
まず、本発明で使用するアルミキルド鋼の組成を前記の
ように限定した理由について述べる。
なお、鋼組成に関する「%」は、「重量%」である。
C: Cは深絞り性に悪影響を及ぼす元素であるので、少ない
方が望ましい。C含有量が0.05%を越えると著しく深絞
り性が劣下する。
Mn: Mnは鋼中に不純物として混入しているSをMnSとして固
定し、熱間加工性を向上させる有効な元素である。しか
し、Mn含有量が0.4%を越えると深絞り性が著しく劣化
する。一方、近年の脱S技術の進歩により極低S鋼の製
造が可能となり、Mn含有量が0.01%でもSをMnSとして
充分固定することができ、熱間加工割れを防止すること
ができる。かかる理由からMnの含有量を0.01〜0.4%と
する。
Si: Siは深絞り性を向上させる上からは可及的に少ない方が
好ましい。Siの含有量が多くなると深絞り性が劣化する
だけではなく、スケール性状をも劣化させて製品品質を
損なうことになるので、Si含有量を0.3%以下とする。
Sol.Al: Sol.Alは脱酸処理に用いられる元素であると同時に、鋼
中のNをAlNとして固定する重要な元素である。しか
し、Sol.Al含有量が0.01%未満では前記の作用効果が充
分に得られない。一方、0.08%を越えて含有させても効
果が飽和し、不経済になる。
N: NはAlおよび後述するTi、Nb、Zr、Vと窒化物を形成
し、フェライトの微細化に寄与する。しかし、深絞り性
に悪い影響を与える元素でもある。N含有量が多くなる
と固溶Nが残って、フェライトの微細化効果よりも寧ろ
深絞り性の劣化の方が著しくなるので、含有量を0.01%
以下とする。
本発明で使用するアルミキルド鋼は、上記の成分の外、
残部はFeおよび不可避不純物からなるもの、または、こ
れに加えてTi、Nb、Zr又はVの1種又は2種以上を合計
で0.001〜0.100%および/又はBを0.0001〜0.0050%含
有させたアルミキルド鋼である。
これらの元素の作用効果か下記の通りである。
Ti、Nb、Zr、V: これら元素は高価であるが、AlよりもNを窒化物として
強固に固定するとともに、二次圧延前のフェライト粒径
を微細化して深絞り性を向上させる非常に好ましい元素
である。しかし、その含有量が1種又は2種以上合計で
0.001%より少ないと前記効果が得られず、0.100%を越
えて含有させても効果が飽和し、経済的に不利となる。
B: Bは絞り加工部品で問題となるたて割れを防止するのに
有効な元素である。しかし、B含有量が0.0001%未満で
はその効果が少なく、0.0050%を超えて含有させても効
果が飽和し、経済的に不利となる。
次に、添付図に例示する本発明の一つの工程に沿って加
工熱処理と数値限定理由について述べる。
一次圧延: この圧延は、次の析出処理で迅速に窒化物を析出させる
窒化物の析出サイトを導入するためと、微細なフェライ
ト粒を得るためのものである。そのためには、最終パス
での圧延を1100℃以下800℃以上の温度域で45%以上の
大圧下率で行う必要がある。
最終パスの圧下率が45%より小さいと窒化物の析出サイ
トが充分導入されず、引き続き、1100℃以下800℃以上
の温度域で1〜60分間保持する析出処理を行っても効率
的な窒化物の析出が困難となる。また、最終パス温度が
1100℃より高いと圧延によるフェライトの細粒化効果が
得られず、800℃より低いと次工程の析出処理温度の確
保が困難となる。
なお、一次圧延に供するアルミキルド鋼のスラブは、連
続鋳造から直送されてくる高温のままのもの、或いは鋳
込後一旦冷却したスラブを再加熱したもののいずれでも
よい。
析出処理: 鋼中のNをAlN、TiN等の窒化物として析出させて深絞り
性を向上させるために、一次圧延後の圧延材を常温まで
冷却することなく、圧延後、直ちに1100℃以下800℃以
上の温度域で1〜60分間保持する必要がある。
1100℃より高い温度で保持すると、溶解度が大きいため
に窒化物の析出が迅速に進まないばかりか、オーステナ
イト粒が成長して粗大化し、二次圧延前のフェライト粒
が粗大化することになって、最終成品の深絞り性が向上
しない。一方、800℃より低い温度で保持すると析出速
度が著しく小さいことから、同じく窒化物の析出が迅速
に進まず、深絞り性の向上が得られない。また、保持時
間が1分未満では窒化物の析出量が少なく、一方、60分
より長いと窒化物の析出が飽和し、製造コストの上昇を
招くことになる。好ましい保持温度は、窒化物の析出挙
動からみてオーステナイト域の析出ノーズ近傍である10
50〜950℃の温度範囲、もしくはフェライト域の析出ノ
ーズ近傍である850〜800℃の温度範囲、である。
本発明において、前記一次圧延後の鋼板を圧延ラインに
おいて上記温度域に保持する手段は特に限定されない
が、例えば、近年開発されたコイルボックスを使用する
ことができる。また、一次圧延後に所定の析出処理温度
とするため、および析出処理後に二次圧延の開始温度と
するために、鋼板を急冷してもよい。急冷することによ
り製造時間の短縮が図られるとともにフェライト粒の粗
大化も防ぐことができて深絞り性が向上する。
二次圧延: これは最終板厚にするとともにフェライトの再結晶に必
要な加工歪みを得るためのものである。そのためには、
析出処理後、圧延材を常温まで冷却することなく800℃
以下450℃以上の温度域で総圧下率を50%以上とした二
次圧延を行う必要がある。
800℃を越える温度又は50%未満の総圧下率ではフェラ
イトの再結晶に必要な加工歪みが充分に蓄積されず、再
結晶処理後において良好な深絞り性が得られない。一
方、450℃より低い温度になると変形抵抗が著しく高く
なり、実用上圧延が困難となる。
なお、二次圧延を圧延潤滑油を用いて行えば、板厚方向
の加工変形が均一化されるので、板表層部まで含めてr
値が向上する。従って、板全体のr値が向上する効果が
ある。
再結晶処理: 以上の工程で所定の板厚まで加工された熱延鋼板は、コ
イルに巻取られ自己の保有熱で焼鈍(自己焼鈍)され再
結晶が進。この再結晶は鋼板の深絞り性向上に極めて重
要であるが、これまで述べた〜の工程を経た熱延鋼
板であれば、上記の自己焼鈍でも十分に深絞り性の向上
に好ましい再結晶集合組織がえられる。無論、再結晶を
促進するために別途焼鈍工程を設けてもよい。
熱延後に亜鉛めっきを施して最終製品とするものであれ
ば、溶融亜鉛メッキラインの連続焼鈍工程で再結晶させ
るのが有利である。
次に実施例により本発明を更に説明する。
(実施例) 第1表に示す化学組成のアルミキルド鋼を実験用50kg真
空溶解炉で溶製し、鋳造して60mm厚のスラブとした。
但し、鋼種Cについては一部8mm厚のものとした。
これらスラブを、第2表に示す条件で板厚3mmまで熱間
圧延して巻き取り、巻き取り後、徐冷中に再結晶処理す
るか、もしくは一旦冷却後に再加熱して焼鈍を施し再結
晶処理を行った。
一次圧延の総圧下率は、No.19、No.20以外は全て80%で
ある。
なお、二次圧延は潤滑油圧延(摩擦係数μ:0.100.15)
で実施した。
再結晶焼鈍は、800℃×2minの連続焼鈍、850℃×10sec
の溶融亜鉛めっきラインでの連続焼鈍、および700℃×5
hrのバッチ焼鈍に相当する熱履歴を付与して行った。
このようにして得られた鋼板から試験片を採取して、降
伏強さ(YP)、伸び(El)、ランクフォード値(r値)
および耐たて割れ遷移温度を調べた。その結果を第3表
に示す。
なお、ここでの耐たて割れ遷移温度とは、絞り比2.0で
絞ったカップの脆性割れ停止温度を意味するものであ
る。
第3表より明らかなように、本発明方法で製造したNo.1
〜No.12の熱延鋼板は、いずれも高延性を有し、且つ高
いr値である。また、No.10〜No.12のようにBを含むア
ルミキルド鋼を使用したものは、特に耐たて割れ遷移温
度が著しく低い。
これに対して、一次圧延、析出処理、二次圧延の何れか
が本発明で規定する範囲から外れる条件で製造した比較
例No.13〜No.20の熱延鋼板は、いずれもr値が低く、ま
た、同一成分の熱延ままの条件下(No.2、No.5)では比
較例の方が耐たて割れ遷移温度は高い。
(発明の効果) 以上説明した如く、本発明方法によれば高r値の深絞り
性に優れた熱延鋼板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
添付図は、本発明の工程を説明する図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.05%以下、Mn:0.01〜0.4
    %、Si:0.3%以下、Sol.Al:0.01〜0.08%、N:0.01%以
    下、残部:Feおよび不可避不純物からなるアルミキルド
    鋼を、下記の工程で順次加工熱処理することを特徴とす
    る深絞り性に優れた熱延鋼板の製造方法。 最終パス圧下を1100℃以下800℃以上の温度域で圧下
    率45%以上とする一次圧延を行う工程、 1100℃以下800℃以上の温度域で1〜60分間保持する
    工程、 800℃以下450℃以上の温度域で総圧下率を50%以上と
    する二次圧延を行った後、再結晶処理を行う工程。
  2. 【請求項2】重量%で、C:0.05%以下、Mn:0.01〜0.4
    %、Si:0.3%以下、Sol.Al:0.01〜0.08%、N:0.01%以
    下、更に、Bを0.0001〜0.0050%含み、残部:Feおよび
    不可避不純物からなるアルミキルド鋼を用いて、特許請
    求の範囲第1項記載の〜の工程で順次加工熱処理す
    ることを特徴とする深絞り性に優れた熱延鋼板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】重量%で、C:0.05%以下、Mn:0.01〜0.4
    %、Si:0.3%以下、Sol.Al:0.01〜0.08%、N:0.01%以
    下、更に、Ti、Nb、Zr、Vのうちの1種又は2種以上を
    合計で0.001〜0.100%含み、残部:Feおよび不可避不純
    物からなるアルミキルド鋼を用いて、特許請求の範囲第
    1項記載の〜の工程で順次加工熱処理することを特
    徴とする深絞り性に優れた熱延鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】重量%で、C:0.05%以下、Mn:0.01〜0.4
    %、Si:0.3%以下、Sol.Al:0.01〜0.08%、N:0.01%以
    下、更に、Ti、Nb、Zr、Vのうちの1種又は2種以上を
    合計で0.001〜0.100%、及びBを0.0001〜0.0050%を含
    み、残部:Feおよび不可避不純物からなるアルミキルド
    鋼を用いて、特許請求の範囲第1項記載の〜の工程
    で順次加工熱処理することを特徴とする深絞り性に優れ
    た熱延鋼板の製造方法。
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