JPH077875B2 - 電波吸収材 - Google Patents

電波吸収材

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JPH077875B2
JPH077875B2 JP1325077A JP32507789A JPH077875B2 JP H077875 B2 JPH077875 B2 JP H077875B2 JP 1325077 A JP1325077 A JP 1325077A JP 32507789 A JP32507789 A JP 32507789A JP H077875 B2 JPH077875 B2 JP H077875B2
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needle
electromagnetic wave
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shaped crystal
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實 芳中
栄三 朝倉
光正 奥
光二郎 松尾
秀之助 中村
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は電波吸収材、さらに詳しくはVHF,UHF,マイクロ
波,レーダ波、および準ミリ波,ミリ波等の電波を広帯
域にわたって吸収し、減衰させる高性能な電波吸収材に
関するものである。
従来の技術 従来より、電波吸収材としては、フェライト焼結体、フ
ェライト粉末,半導電性カーボン(ファイバー,粉),
金属繊維等をゴムや樹脂、あるいは発泡性のスチロール
やウレタン中に混合もしくは分散させ、さらには、それ
らを不織布中に混合や分散させたものが使用されてい
る。さらに、最近では、絶縁性のチタン酸カリウム短繊
維の表面を還元処理や被覆処理により半導電体化(加圧
力100kg/cm2で加圧した圧粉における抵抗率10-2〜102Ω
・cm)し、樹脂中に配合した電波吸収材が提案されてい
る(特開昭62-123799号公報)。ところが、これは電波
吸収の面では必ずしも十分満足できる性能が得られるも
のではなかった。
さらに、強磁性粉末の表面を10-2〜102Ω・cmの導電率
を有する導電性材料で被覆した電波吸収電磁シールド材
も提案されている(特開昭63-12198号公報)。この材料
は電波吸収材というよりもむしろ電磁遮蔽性の強い材料
で、電波吸収性能が低く、そのため吸収周波数帯域の狭
いものとならざるを得なかった。
発明が解決しようとする課題 これら従来の電波吸収材は、次のような種々の解決すべ
き課題が多く残されている。
すなわち、従来の電波吸収材は、電波吸収性が電波の入
射方向に依存すること,偏波に対して電波吸収に方向性
があること,十分な吸収性能を得るのがきわめて困難で
あること,電波吸収作用を示す周波数帯域が比較的狭い
ことなどの問題を有している。さらには、実際の電波吸
収体に適用した場合には、その設計・製作・実使用にお
いて、耐候性や特性の安定性が十分であるとは言えない
ものであり、また、施工時には、反射板(材)等への接
着性や電波吸収体の柔軟性に難点があり、さらには、実
使用中に反りなどの変形が生じやすく、電波吸収性能に
好ましくない影響を及ぼす。そして、混練機や撹拌機,
混合機,成形機等を使用して電波吸収材を製作する場合
には、電波吸収剤が機械の摩耗を早めるといった問題が
あった。
したがって、これらの多くの問題が解決され、あるいは
改善された電波吸収材の実現が強く望まれている。
本発明は、このような課題を解決した、性能が非常に高
い電波吸収材を提供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段 本発明は電波吸収材として全く新規な材料である酸化亜
鉛(ZnO)ウィスカーを用いてなるものである。そして
より好ましくは、酸化亜鉛ウィスカーは、その基部から
先端までの長さが3μm以上のものである。また、酸化
亜鉛ウィスカーは、核部とこの核部から異なる複数軸方
向に伸びた針状結晶部とを具備するものである。さら
に、酸化亜鉛ウィスカーの複数軸方向に伸びた針状結晶
部の軸数が4である。すなわち、本発明は、電波吸収性
または電波透過性の保持材に、核部とこの核部から異な
る四方向へ伸びた針状結晶部を有し、前記針状結晶部の
基部から先端までの長さが3ミクロンメートル以上であ
る酸化亜鉛ウイスカーを、保持材により保持、または、
保持材中に混入または分散したことを特徴とする電波吸
収材である。さらに本発明は、電波吸収性または電波透
過性の保持材に、核部とこの核部から異なる四方向へ伸
びた針状結晶部を有し、該針状結晶部の基部から先端ま
での長さが3ミクロンメートル以上である酸化亜鉛ウイ
スカーの四方向へ伸びた4軸の針状結晶部の一部が折損
してできる3軸、または、2軸、または、1軸の針状結
晶部を持つ酸化亜鉛ウイスカーから選ばれる、単体また
は組み合わされた前記酸化亜鉛ウイスカーが、保持材中
に混入または、分散されたことを特徴とする電波吸収材
である。さらに、本発明は、電波吸収性または電波透過
性の保持材に、核部とこの核部から異なる四方向へ伸び
た針状結晶部を有し、該針状結晶部の基部から先端まで
の長さが3ミクロンメートル以上である酸化亜鉛ウイス
カー、または、前記酸化亜鉛ウイスカーの四方向へ伸び
た4軸の針状結晶部の一部が折損してできる3軸、また
は、2軸、または、1軸の針状結晶部を持つ酸化亜鉛ウ
イスカーから選ばれる、単体または組み合わされた前記
酸化亜鉛ウイスカーが、保持材中に混入または、分散さ
れた部材と反射板より構成されたことを特徴とする電波
吸収材である。
さらに本発明は、電波吸収性または電波透過性の保持材
に、核部とこの核部から異なる四方向へ伸びた針状結晶
部を有し、該針状結晶部の基部から先端までの長さが3
ミクロン以上である酸化亜鉛ウイスカーを1重量%以上
と、フェライト、カーボン、導電性チタン酸カリウム、
炭化珪素、それに金属の粒子や繊維のいずれか一つまた
は組み合わせたものを、保持または分散させた電波吸収
材である。
また、本発明は、電波吸収性または電波透過性の保持材
に、核部とこの核部からなる異なる四方向へ伸びた針状
結晶部を有し、該針状結晶部の基部から先端までの長さ
が3ミクロン以上である酸化亜鉛ウイスカーを1重量%
以上と、フェライト、カーボン、導電性チタン酸カリウ
ム、炭化珪素、それに金属の粒子や繊維のいずれか一つ
または組み合わせたものを、保持または分散させた部材
と、反射板とから構成される電波吸収材である。
さらに本発明は、核部とこの核部から異なる四方向へ伸
びた針状結晶部を有し、該針状結晶部の基部から先端ま
での長さが3ミクロン以上である酸化亜鉛ウイスカーの
表面が磁性材料で被覆され、該酸化亜鉛ウイスカーが電
波吸収性または電波透過性の保持材に保持、あるいは分
散された電波吸収材である。
また本発明は、核部とこの核部からな異なる四方向へ伸
びた針状結晶部を有し、該針状結晶部の基部から先端ま
での長さが3ミクロン以上である酸化亜鉛ウイスカーの
表面が磁性材料で被覆され、該酸化亜鉛ウイスカーが電
波吸収性または電波透過性の保持材に保持、あるいは分
散された部材と反射板とから構成される電波吸収材であ
る。
なお、保持材には、樹脂,ゴム,塗料,セラミック,ガ
ラス,コンクリート,モルタル,無機あるいは有機の繊
維,粒状体,粉体またはフレーク,無機バインダーある
いは有機バインダー,ワックス類,ゲル状半固体物質、
もしくは発泡体が用いられる。
作用 本発明の電波吸収材が従来品と比べていちじるしく優れ
ている電波吸収性を示す機構について、まだ解明されて
いない点が多く残されているが、現在のところ次のよう
に推測される。
まず、本発明の電波吸収材は、吸収材内部まで効果的に
電波を導く作用がある。その主な理由として次のことが
あげられる。酸化亜鉛ウィスカー自体が適切な半導電体
としての導電性と、誘電率とを備えているので、電波の
反射が少ないことが考えられる。酸化亜鉛ウィスカー
が、従来の短繊維状のウィスカーとはまったく異なり、
核部とこの核部から互いに等しい角度をなして異なる四
方向へ伸びる針状結晶部とを備えた三次元構造をしてお
り、それらが集合すると、適度な空隙を備えた三次元メ
ッシュ構造を容易に作る。さらに、酸化亜鉛ウィスカー
は、従来のウィスカーのイメージとはまったく異なり、
すべてが端正な単結晶体であって、表面の凹凸が少な
く、無色透明の光沢性表面をもつものであるため、電波
の乱反射が少ない。
本発明の電波吸収材はこれまでの材料に比べてはるかに
効果的に電波を吸収する作用を示すが、その理由は次の
ように推測される。
上述のように電波を効果的に吸収材内部まで導き、より
多くの電波吸収材と回合の機会を生じさせるため、きわ
めて良好な吸収性能が得られる。酸化亜鉛ウィスカー
は、核部とこの核部から互いに異なる四方向へ伸びる針
状結晶部とを備えた三次元構造をしていて、平均的には
ランダムに配向するので、電波の入射方向や偏波に対し
てその吸収性に方向性がない。酸化亜鉛ウィスカーは上
述のような構造をしているので、一般の短繊維ウィスカ
ーとは異なり、三次元メッシュ構造を容易に作り、その
ため電波が到来したときに電磁誘導において一種のルー
プアンテナ的な働きをして、高能率な吸収性能を示す。
また、上記構造の酸化亜鉛ウィスカーをマトリックス中
に分散させると、それぞれが互いに適切な間隔で均一に
分散するため、高能率な電波吸収材が得られる。酸化亜
鉛ウィスカーの針状結晶の先端がきわめて尖鋭であるの
で、先端部分での電界がきわめて高くなり、その部分で
顕著な電波吸収が奏せられる。酸化亜鉛ウィスカー全体
が均一な単結晶体で、表面加工によって表面を半導体化
したものとは異なり、ウィスカー全体が半導体で均一な
電波吸収体となっているため、能率のよい電波吸収材と
なる。さらに、酸化亜鉛ウィスカーがアスペクト比の大
きな半導体であるため、大きな分極が期待でき、ε′,
ε″ともに大きな電波吸収材が得られる。また、従来の
電波吸収材と異なり、本発明の電波吸収材は大きな光導
電性やバリスター特性を示す材料である。さらに、酸化
亜鉛は、磁気的には、磁化率−0.31×10-6/0℃(CGS電
磁単位系)の反磁性を示す材料で、これまでにもフェラ
イトに混入して特異な性質を出すために使われてきた
が、この磁気効果が寄与していることも十分考えられ
る。
以上のように、酸化亜鉛材料の比類稀れな多機能さに加
え、酸化亜鉛ウィスカーが核部とこの核部から互いに等
しい角度をなして四方向へ伸びる針状結晶部とを備えた
独特の形状をしており、このような形状的な性質,結晶
体的,半導体的あるいは磁気的性質が作用して、高性能
な電波吸収材を現出せしめたものと考えられる。
次に、本発明の電波吸収体において、酸化亜鉛ウィスカ
ーは、上述したような独特の形状と尖鋭な形状をしてお
り、さらには、ウィスカー本来が持つ強度や補強性によ
り接着性の改善を促す。
また、それが複合材である場合には、酸化亜鉛ウィスカ
ーがその形状の特殊性による等方的配向をするため、構
造材としての反り変形が実質的になくなり、寸法安定性
が確保される。
さらに、酸化亜鉛は金属酸化物であるため、酸化劣化が
進むようなことがなく、さらに紫外線吸収や耐チョーキ
ング性を具備するために、耐候性に優れている。そし
て、上述のとおり、その形状の特質から均一分散が可能
で、酸化による劣化等も生じるおそれがないことから、
個々の電波吸収材間においてその特性が一定しており、
経時的にも安定したものが得られる。また、酸化亜鉛ウ
ィスカー自体は、硬度が4〜4.5で、C軸に垂直に劈開
面をもつなどのため、ウィスカーとしてきわめてしなや
かなであり、その複合物に補強効果とともに柔軟性を付
与する。
また、フェライト系や炭化珪素系等の電波吸収材と異な
り、比較的軟らかい電波吸収材であるため、成形機等の
摩耗を抑えることができる。
他の本発明の電波吸収材は、磁性損失と高い導電損失を
有機的に結び付けた、高効率な電波吸収材となる。
すなわち、酸化亜鉛ウィスカーは適切な抵抗率を持つ導
電性の単結晶であり、その表面に磁性材料が被覆される
ことにより、酸化亜鉛ウィスカー表面における高効率な
磁性損失が期待できる。さらに磁性皮膜を透過した電波
は酸化亜鉛ウィスカー内に侵入するが、ここではウィス
カー自体が適切な抵抗率をもつ抵抗体であるため、自由
電子に電界が作用して効率的な導電損失が生じる。以上
のように、本発明は、磁性損失と導電損失を有機的かつ
効果的に結び付けた電波吸収材である。
さらに、もう一つの他の本発明は、フェライト,カーボ
ン,導電性チタン酸カリウムウィスカー,金属の粒子や
繊維の少なくとも1種と、酸化亜鉛ウィスカーとを複合
して用いる複合電波吸収材である。酸化亜鉛ウィスカー
は、上述のように種々の長所を備えており、他の材料と
複合化することにより、従来の電波吸収材の性能を大幅
に改善することができる。
すなわち、酸化亜鉛ウィスカーは電波を吸収体内部にま
で導き、フェライト,カーボンなどの従来の電波吸収素
材とも回合の機会を多く作り、効果的な電波吸収性能が
得られる。
また、それ以外にも、複合化することにより電波吸収材
の接着性,反り変形防止,寸法安定性,耐候性を改善す
ることができる。
実施例 以下に実施例を用いて具体的に説明するが、本発明は以
下の実施例に限定されるものではない。
本発明では、電波吸収材としてまったく新規な酸化亜鉛
ウィスカーを用いる。この酸化亜鉛ウィスカーの中で
も、特に特性的に顕著な効果をもたらすのは、核部とこ
の核部から互いに異なる四方向へ伸びる針状結晶部とを
備えた三次元構造のものである。このような特殊な形状
の酸化亜鉛ウィスカーは、表面に酸化皮膜を有する金属
亜鉛粉末を酸素を含む雰囲気中で加熱処理することで生
成することができる。得られた酸化亜鉛ウィスカーは、
みかけの嵩比重が0.02〜0.1で、その製造の収率が70wt
%以上というきわめて高い値を示し、非常に量産性よく
得られる。
第1図および第2図はその電子顕微鏡写真で、生成品の
一例を示す。これによると、上述したとおりの、核部と
この核部から互いに異なる四方向へ伸びる針状結晶部と
を備えた形状的な特徴と,寸法的特徴とが明確に認めら
れる。
ところで、この酸化亜鉛ウィスカーに、針状結晶部が3
軸あるいは2軸、さらには1軸のものが混入する場合が
ある。これは元来4軸の結晶の一部が折損したものであ
る。また、ゴム,樹脂,セラミック,ガラス等にこの酸
化亜鉛ウィスカーを混入する場合には、十分配慮しない
と、混合時や成形時に上述したような特有の構造が崩れ
て、単純な針状ウィスカーに変化する場合が多い。
酸化亜鉛ウィスカーのX線回折をみると、すべて酸化亜
鉛のピークを示し、また、電子線回折の結果において
も、転移や格子欠陥の少ない単結晶性を示している。ま
た、不純物の含有量も少なく、原子吸光分析の結果、酸
化亜鉛が99.98%であった。
一方、単純な針状の酸化亜鉛ウィスカーも生成すること
ができ、たとえば金属亜鉛粉末を木炭等と同時に焼成し
て、ルツボの壁面等に生成させることができるが、量産
的ではない。
また、電波吸収性能の点から、針状結晶部の長さが30μ
m以上の酸化亜鉛ウィスカーを3wt%以上用いるのが望
ましい。さらに望ましくは、長さが50μm以上の酸化亜
鉛ウィスカーを70wt%以上用いる。なお、針状結晶部の
長さが30μmより短い酸化亜鉛ウィスカーが大きな割合
(たとえば99wt%以上)を占める系は好ましくない。
酸化亜鉛ウィスカーのアスペクト比については平均で3
以上であることが望ましい。さらに望ましくは平均で10
以上である。また、針状結晶部の先端部の径とその基部
の径との比の値については、電波吸収特性の点から0.8
以下であることが望ましい。より好ましくは0.5以下、
さらに好ましくは0.1以下である。
本発明で用いられる酸化亜鉛ウィスカーの抵抗率は、5k
g/cm2の圧力で加圧した0.2mm厚の圧粉体に50Vの直流電
圧を印加して測定したときの値で、10〜108Ω・cmの範
囲であればよく、用途に応じてそれに適した抵抗率の酸
化亜鉛ウィスカーを使い分ければよい。電波吸収性能か
らは6×102〜8×105Ω・cmが好ましく、さらには生産
コストを考慮すると、5×103〜8×104Ω・cmが特に有
効である。核部とこの核部から四方向へ伸びる針状結晶
部とを有する、上記抵抗率の範囲内の酸化亜鉛ウィスカ
ー(平均脚長:70μm)で、圧力350kg/cm2を加えた5mm
厚の圧粉体では、その抵抗率が1.2×107Ω・cm(ヒオキ
社製:デジタルテスターにて測定)であった。
本発明に用いる酸化亜鉛ウィスカーの抵抗率は、ウィス
カー製造時の焼成条件を選択したり、還元焼成処理を施
したり、または、他の元素たとえばアルミニウム,リチ
ウム,銅等を適切な方法でドープしたりすることによ
り、希望する値とすることができる。
本発明の電波吸収材の使用形態は種々ある。
すなわち、酸化亜鉛ウィスカーの粉体状態や堆積物状
態,焼結状態はじめ、各種保持材により適当な方法,形
態で保持されたものなどである。
粉体状態の酸化亜鉛ウィスカーは、織布,不織布,セラ
ミック,ガラス,樹脂,ゴム,コンクリート,モルタ
ル,ワックス,ゲル状半固体物質,発泡体等の容器ある
いは袋に入れたり、それらの材料で封じ込めたりして用
いられる。
酸化亜鉛ウィスカーの堆積物状態とは、抄紙(紙すき)
法によるウィスカー紙や、湿式濾過法(真空濾過など)
による酸化亜鉛ウィスカーの濾過堆積物などがあげられ
る。この場合、適切な有機バインダーや無機バインダー
を用いることができる。
さらに、酸化亜鉛ウィスカー集合体を適当な圧力でプレ
スしながら、あるいはプレスした後で、適当な温度たと
えば500〜1600℃で焼結した焼結体を用いることができ
る。この場合、一般に用いられる焼結助剤を適当量用い
ると効果的である。プレス圧に関しては、特にその値が
限定されるものではないが、1〜2000kg/cm2の範囲で、
特に10〜400kg/cm2の範囲で良好な結果がもたらされ
る。
酸化亜鉛ウィスカーの保持材は電波吸収性であっても透
過性であってもよい。保持材として各種樹脂が用いられ
る。具体的には、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂のいずれ
をも用いることができる。
熱硬化性樹脂としては、たとえばエポキシ樹脂や不飽和
ポリエステル樹脂,ウレタン樹脂,シリコン樹脂,メラ
ミン−ユリア樹脂,フェノール樹脂等が使用できる。ま
た、熱可塑性樹脂としては、たとえばポリ塩化ビニルや
ポリエチレン,塩素化ポリエチレン,ポリプロピレン,
ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレ
ート,ポリアミド,ポリスルホン,ポリエーテルイミ
ド,ポリエーテルスルホン,ポリフェニレンサルファイ
ド,ポリエーテルケトン,ポリエーテルエーテルケト
ン,ABS樹脂,ポリスチレン,ポリブタジェン,メチルメ
タアクリレート,ポリアクリルニトリル、ポリアセター
ル,ポリカーボネート,ポリフェニレンオキサイド,エ
チレン−酢酸ビニル共重合体,ポリ酢酸ビニル,エチレ
ン−テトラフロロエチレン共重合体,芳香族ポリエステ
ル,ポリ弗化ビニル,ポリ弗化ビニリデン,ポリ塩化ビ
ニリデン,ポリ弗化エチレン等が使用される。無論、保
持材に使用される樹脂としては、例示したこれらのもの
に限られるものではない。
特に電波吸収特性の観点からは、核部とこの核部から互
いに異なる四方向へ伸びる針状結晶部とを備えた酸化亜
鉛ウィスカーや針状酸化亜鉛ウィスカーが、できる限り
折損しないままで保持材に保持されることが望ましいの
で、従来その目的で提案されあるいは実施されてきた各
種方法を適用することができる。すなわち、酸化亜鉛ウ
ィスカーに対して応力や剪断力が極力発生しないように
した、混合方法,混練方法,押し出し方法または成形方
法が適用できる。そして、エポキシ樹脂や不飽和ポリエ
ステル樹脂,ウレタン樹脂,シリコーン樹脂等の熱硬化
性樹脂のような粘度の比較的低い液相状態の樹脂に酸化
亜鉛ウィスカーを混入し、その後、成形した後、硬化す
るという方法が実施的である。また、樹脂を溶剤に溶か
し、低粘度の溶液にした状態で酸化亜鉛ウィスカーを混
入し、その後、溶剤を揮発させるという方法も適用でき
る。さらに、数μm〜数十μm程度の樹脂の微粉と酸化
亜鉛ウィスカーを混合し、その後、熱または溶剤を作用
させることにより樹脂分を溶かし、酸化亜鉛ウイスカー
を保持する方法も好ましい。
保持材として用いるゴム材料としては、天然ゴムや合成
ゴムが用いられる。特に、酸化亜鉛に対して悪影響を及
ぼさないゴム材料であって、電波吸収特性の優れた材料
が好ましい。その点でポリウレタンゴムがもっとも好ま
しく、次に、アクリル系ゴム,シリコーンゴム,ブタジ
エン系ゴム,イソブチレン系ゴム,ポリエーテルゴム,
イソブチレン−イソプレン共重合体,イソシアナート系
ゴムが好ましい。用途によっては、ニトリルゴム,クロ
ロプレンゴム,クロロスルホン化ポリエチレン,ポリサ
ルファイドゴム,フッ素系ゴムも用いられ、また、天然
ゴムを溶媒に溶解したもの、ポリエチレン微粉末を水に
分散させたもの、ポリマーのエマルジョン等も使用され
る。ゴム材料を保持材とする場合も、一般に実施されて
いる、ウィスカーの折損を極力生じさせない方法を適用
するとより好ましいのは言うまでもない。また、一般的
に用いられる各種添加剤,充填剤等を同時に用いること
も言うまでもない。
また、酸化亜鉛ウィスカーを各種塗料中に分散させた
り、塗料材料を保持材として使用したりすることができ
る。すなわち、塗料としては、たとえばエポキシ系,ア
クリル系,ウレタン系その他各種塗料が使用できる。無
論、これに限られるものではないが、特に耐熱性,耐候
性の高い塗料材料がより好ましい。
各種無機質固体材料(粉状,繊維状,フレーク状,粒
状,固体状)を保持材として酸化亜鉛ウィスカーを分散
させることで電波吸収材を構成することができる。
具体的には、各種セラミックスやガラス,ほうろう等の
中に分散させ、あるいはそれらを保持材とする電波吸収
材を構成したり、あるいは、粘土粉,アスベスト,マイ
カ,砂,ガラス繊維等に酸化亜鉛ウィスカーを分散させ
た電波吸収粉体や電波吸収繊維集合体(織布,不織布
状)などを構成したりすることができる。
その他、コンクリートやモルタル等を保持材とすること
ができる。
パラフィンワックス,ポリエチレンワックス,マイクロ
クリスタンリワックス等のワックス類を保持材とするこ
ともできる。また、寒天やゼラチンなどのゲル状半固体
物質や、糊や、ゴム糊,高粘度ポリブテン等の粘性や付
着性の高い物質等を保持材にすることもできる。
さらに、各種発泡体が保持材として適している。特にウ
レタン系が特性的に優れ、次にエポキシ系であり、さら
にその次がスチレン系等である。
以上のような保持材系においては、電波の強さや、酸化
亜鉛ウィスカーの大きさ,その折損度合い,形状、ある
いは、マトリックス材料や保持材の種類,保持形態によ
り変わるために限定されるものではないが、ほぼ5wt%
以上分散させることにより電波吸収特性が確認可能とな
る。それが10wt%以上で顕著となり、きわめて少量の使
用で大きな吸収効果が得られる。
また、必要に応じて、他の粒子や繊維形状の電波吸収性
素材(カーボン系,炭化珪素系,フェライト系,金属
系,導電性チタン酸カリウム系等)と併用したり、混合
したりしてもなんらさしつかえない。効果的な酸化亜鉛
ウィスカーの配合量は全配合物に対して1wt%以上であ
り、より好ましくは5wt%以上である。
酸化亜鉛ウィスカーの表面を被覆する磁性材料として
は、軟質磁性材料や硬質磁性材料、あるいは金属磁性材
料(鉄,コバルト,ニッケルなどや合金)や酸化物磁性
材料(フェライト)、あるいは常磁性材料や強磁性材料
または反強磁性材料やフェリ磁性材料が用途に応じて選
択される。特に、使用周波数におけるμ″の大きな酸化
物磁性材料が好ましい。
具体的には、特に、MO・Fe2O3と表記されるセラミック
フェリ磁性体酸化物のうち、逆スピネル構造で、M2+
して2種以上の2価イオンを混合した多結晶複合フェラ
イトが望ましい。すなわち、M2+の主な組成としては、
(Ni,Zn),(Ni,Cu,Zn),(Ni,Mg,Zn),(Ni,Zn,C
o),(Ni,Cu,Zn,Co),(Mn,Zn),(Cu,Zn)等が好ま
しい結果を与える。その他六方晶形で、フェライトの一
種である商品名「フェロックスプレーナ」系の材料も使
用できる。
その被覆厚みは50Å〜200μmの範囲が用いられる。特
に100〜500Åが効果的である。また、被覆に関しては、
全面被覆であっても、部分被覆あるいは局部被覆であっ
てもよく、それぞれの用途に応じて大きな効果を生み出
す。
酸化亜鉛ウィスカー表面への磁性材料の被覆方法として
は種々のものが用いられる。特に、電解めっき法や無電
解めっき法,真空蒸着法などの蒸着法,エマルジョン塗
布法(微細粒子を分散した溶液をウィスカー表面に塗布
し乾燥する),塗料塗布法(塗料中に微細粒子を分散
し、ウィスカー表面に塗布し乾燥する)などが好まし
い。
また、この系の電波吸収材においても場合により、他の
電波吸収性素材(酸化亜鉛ウィスカー,カーボン系,炭
化珪素系,フェライト系,金属系,導電性チタン酸カリ
ウム系等)と併用したり、混合したりすることで、さら
に特性を向上させることができる。
本発明の電波吸収材は、その電波吸収効果が実用的に得
られる電波周波数と電波強度であれば、適用可能な周波
数と強度が限られるものではないが、特にVHF,UHF,マイ
クロ波,レーダ波および準ミリ波,ミリ波等で使用でき
る。周波数的には100MHz〜100GHz、より好ましくは100M
Hz〜20GHz、さらに好ましくは1〜15GHz、さらにもっと
も好ましくは10〜15GHz帯において適用されることがで
き、広い周波数帯域幅で、優れた吸収性を示す電波吸収
材となる。
〔実施例1〕 表面に酸化皮膜を有する金属亜鉛粉末を、酸素を含む雰
囲気中で加熱処理して、第1図に示すような、核部とこ
の核部から互いに同じ角度で四方向へ伸びる針状結晶部
とを備えた形状の酸化亜鉛ウィスカーを生成した。この
酸化亜鉛ウィスカーは、基部から先端までの長さが平均
100μmで、基部の径の平均が5μmであり、その大部
分が第1図に示す構造をしていた。その抵抗率は、加圧
力5kg/cm2を加えた200μm厚の圧粉体に直流電圧50Vを
印加して測定した値で、2.5×104Ω・cmであった。
次に、エピ・ビス系/酸無水物系硬化の二液性低粘度エ
ポキシ樹脂を用意し、上記酸化亜鉛ウィスカーを16wt%
の比率になるよう静かに混入し、120回転/分で2分間
混合してから、温度60℃で15分間予熱し、さらに15分間
減圧脱気した。それから、温度80℃で予熱した金型に上
記エポキシ樹脂組成物を流し込み、さらに15分間減圧脱
気した後、温度90℃で5時間硬化させた。
得られた試料は寸法が10cm角で4mmの厚板状であった。
この試料の断面を電子顕微鏡で観察したところ、大部分
の酸化亜鉛ウィスカーが、核部とこの核部から互いに同
じ角度で四方向へ伸びる針状結晶部とを備えた形状を保
っていて、樹脂中に均一に分布し、一様な三次元メッシ
ュ構造を呈していた。なお、この試料の抵抗率は2×10
6Ω・cmであった。
この試料について周波数対反射減衰特性を測定したとこ
ろ、第3図に示すように10〜15GHzの広い周波数帯域で
大きな減衰が得られ、偏波や斜入射に対しても同等の減
衰特性を示すことが確認された。
〔実施例2〕 液体ニトリルゴム(Nipol 1312 日本ゼオン製)100重
量部に対して、実施例1で用いた酸化亜鉛ウィスカーを
徐々に25重量部加え、さらに添加剤として加硫剤を2.0
重量部,活性剤酸化亜鉛を3.0重量部,促進剤を1.0重量
部,老化防止剤を1.0重量部加え、静かに撹拌して実質
的に剪断力のかからないように十分混合した。得られた
ペースト状混合物を、表面離型処理を施こした等速3本
ロールに通して、所定の厚みのシートにした。これをピ
ストン型金型を用いて加圧加熱して2mm厚の加硫ゴムシ
ートを得た。
この試料の断面を電子顕微鏡で観察したところ、40%程
度の酸化亜鉛ウィスカーが折損状態にあったが、大多数
の酸化亜鉛ウィスカーは核部とこの核部から互いに同じ
角度で四方向へ伸びる針状結晶部とを備えた形状を維持
していた。
この試料について、周波数対反射減衰特性を測定したと
ころ、10〜15GHzの広い周波数帯域で−7dB以下の大きな
減衰特性が得られた。
なお、このゴムは各種接着剤や両面接着テープ等への接
着性のきわめて高いものであることが確認された。
〔実施例3〕 粒径3〜10μmのポリエチレン微粉末100重量部と、実
施例1におけるものと同じ酸化亜鉛ウィスカー40重量部
とを静かに十分混合してから、プレス金型中に投入し、
温度160℃で5分間加熱した。そして、さらに圧力1kg/c
m2で加圧成形して、寸法が厚さ4mmで10cm角の板状試料
を得た。
この試料の断面を電子顕微鏡で観察したところ、大部分
の酸化亜鉛ウィスカーが核部とこの核部から互いに同じ
角度で四方向へ伸びる針状結晶部とを備えた形状を維持
していて、ポーラスな断面を形成し、ポリエチレンがバ
インダーの役目をしていた。
この試料でも、きわめて良好な電波吸収特性と偏波,斜
入射特性とが得られた。
〔実施例4〕 基部から先端までの長さが平均45μm、基部の径の平均
が2μmの、核部とこの核部から互いに同じ角度で四方
向へ伸びる針状結晶部とを備えた形状の酸化亜鉛ウィス
カーを用意し、EPDM100重量部に対して、200重量部混
入、混練し、加熱,加硫,成形した。このようにして2m
m厚で10cm角の寸法の試料を得た。
この試料の断面を電子顕微鏡で観察したところ、ほとん
どの酸化亜鉛ウィスカーの形状が崩れ、針状あるいは棒
状の酸化亜鉛ウィスカーとなっていることがわかった。
この酸化亜鉛ウィスカーのアスペクト比(=長さ/大
径)の平均値は11であり、基部の径と先端部の径の比は
平均値で0.65であった。
この試料を用いて周波数対反射減衰特性を測定したとこ
ろ、第4図に示すように、10〜15GHzの周波数帯域で−
5〜−17dBという高い減衰特性が得られ、従来市販され
ているゴムフェライト系の電波吸収材よりきわめて高い
性能を示していることがわかった。
なお、このゴムの抵抗値は1015Ω以上であった。
〔実施例5〕 実施例1と同じ酸化亜鉛ウィスカーを用意し、それが2
1.5wt%の比率になるようポリプロピレンのペレット溶
融物の中に徐々に投入し、混練してから射出成形して、
寸法が3mm厚で10cm角の試料を得た。
この試料の断面を電子顕微鏡で観察したところ、ほとん
どの酸化亜鉛ウィスカーがはじめの形状をとどめてい
ず、樹脂の流れ方向に配向していた。しかし、製造過程
において混練機,成形機が受ける摩耗は他材料に比べて
少ないものであり、また、成形試料も配合比率が高いに
もかかわらず曲げ等に対して軟らかく、しなやかである
ことが判明した。また、その断面中で観察できる酸化亜
鉛ウィスカーのアスペクト比は平均15以上であった。
この試料を用いて周波数対反射減衰特性を測定したとこ
ろ、第5図に示すように、10〜15GHzの周波数帯域で高
い減衰特性が得られることがわかった。
〔実施例6〕 実施例1で用いた酸化亜鉛ウィスカー、炭化珪素ウィス
カー、還元導電処理したチタン酸カリウムウィスカー
(太さ1〜5μm,アスペクト比100〜600,抵抗率1Ω・c
m)、非導電性チタン酸カリウムウィスカー、亜鉛華、
カーボンブラックを、それぞれポリエチレン袋に入れた
状態で、30mm厚に成形し、それぞれの周波数対反射減衰
特性を測定したところ、10〜15GHzの周波数帯域での減
衰効果は、酸化亜鉛ウィスカー≫炭化珪素ウィスカー>
導電性チタン酸カリウムウィスカー≫亜鉛華>カーボン
ブラック≒非導電性チタン酸カリウムウィスカーの順で
あり、酸化亜鉛ウィスカーが電波吸収にきわめて適した
素材であることが明確に確認できた。
〔実施例7〕 実施例1〜6と同様のサンプルで100MHz〜1GHzの周波数
帯における電波吸収評価をしたところ、きわめて広帯域
で顕著な電波吸収特性が得られた。
これらの実施例では、単層型の電波吸収体として評価し
たが、本発明の電波吸収材は、これにとどまらず、変成
層と組み合わせたり、各種電波吸収材と組み合わせた多
層型の電波吸収体を構成できるのは言うまでもない。
〔実施例8〕 表面に酸化皮膜を有する金属亜鉛粉末を酸素を含む雰囲
気中で加熱処理して、酸化亜鉛ウィスカーを生成した。
この酸化亜鉛ウィスカーは、基部から先端までの長さが
平均100μmで、基部の径が平均6μmであり、大部分
が核部とこの核部から互いに同じ角度で四方向へ伸びる
針状結晶部とを備えた構造をしていた。その抵抗率は、
圧力5kg/cm2で成形した200μm厚の圧粉体に直流電圧50
Vを印加して測定した値で、1.5×104Ω・cmであった。
次に、トルエンで濃度10%に稀釈したアクリル塗料溶液
1を用意し、それに粒径2〜5μmがMO・Fe2O3フェ
ライト粉末(M:Ni,Zn)100gと、上記酸化亜鉛ウィスカ
ー100gとを投入して静かに十分撹拌しながら、温度50℃
の雰囲気中で乾燥させ、フェライト被覆酸化亜鉛ウィス
カーを得た。その断面構造を第6図に示す。
これをアクリル塗料に30wt%の重量比率になるよう混入
し、フェライト被覆酸化亜鉛ウィスカー含有塗料を得
た。そのフェライト被覆厚さは平均2〜100μmであっ
た。
この塗料を2mm厚のアルミニウム板に厚さ3.5mmで均一に
塗布し、十分に乾燥させて、測定試料とした。
この試料の反射減衰特性を測定したところ、第7図に示
すように、広帯域で顕著な電波吸収特性を示すことが明
らかとなった。
〔実施例9〕 実施例8で用いた酸化亜鉛ウィスカーを無電解めっき法
でニッケルめっきし、ニッケル金属被覆酸化亜鉛ウィス
カーを得た。そのニッケル被覆厚さは平均100Åであっ
た。
このウィスカー500重量部をEPDMゴム中に練り込み、プ
レス成形して5mm厚のゴム板を得た。
この試料の背面にアルミニウム板(2mm厚)を当て、周
波数1GHzでの反射減衰量を測定したところ−14dBであ
り、顕著な電波吸収性を示すことが確認された。
これらの実施例では、単層型の電波吸収体として評価し
たが、本発明の電波吸収材はこれにとどまらず、変成層
と組み合わせたり、各種電波吸収材と組み合わせたりし
て多層型の構成にすることにより、さらに特性向上が図
れるのは言うまでもないことである。
〔実施例10〕 第8図に、粉体状態の状酸化亜鉛ウィスカー1とフェラ
イト2とを混合した複合電波吸収体の説明図である。
フェライト2には、実施例8で用いたフェライト粉末と
同種のものを使用した。酸化亜鉛ウィスカー1には、核
部とこの核部から互いに同じ角度で四方向へ伸びる針状
結晶部とを備えた構造をしていて、基部から先端までの
長さが平均100μm、基部の太さが平均4μm、径比が
0.05のウィスカーを使用した。この酸化亜鉛ウィスカー
1をフェライト2に6wt%の比率になるよう混合し、さ
らにこの混合物を液状のシリコーンゴム中に200重量部
添加して十分混練し、3mm厚のシートを成形した。
得られたシートの反射減衰量を測定したところ、−15dB
以下の帯域幅が、従来のフェライトのみのシートに比べ
て2倍以上拡大された。
〔実施例11〕 核部とこの核部から互いに同じ角度で四方向へ伸びる針
状結晶部とを備えた構造で、基部から先端までの長さが
平均120μm、基部の太さが平均6μm、径比が平均0.0
1の酸化亜鉛ウィスカーを用意した。その抵抗率は、5kg
/cm2で加圧して得た200μm厚の圧粉体に直流電圧50Vを
印加して測定した値で、1×104Ω・cmであった。これ
を、液状のシリコーンゴム(東芝シリコン社製,製品名
YE5822)中に17wt%の比率になるよう混入してから、金
型中に流し込み、温度100℃で1時間加熱硬化させて、
白色のゴムシート(厚さ3.5mm)を得た。
次に、アルミニウムの反射板を用いて上記ゴムシートの
反射減衰特性を測定したところ、第9図に示すように、
上記ゴムシートは広い周波数帯域にわたって減衰量の大
きな電波吸収体であることがわかった。
また、ウィスカーの配向度合を調べるために、ゴムシー
トを90°回転して反射減衰特性を調べたが、まったく変
化が認められず、酸化亜鉛ウィスカーが全方向にランダ
ムに向いており、入射方向と偏波にかかわりなく効果的
に電波を吸収することが確認された。
発明の効果 本発明によれば、酸化亜鉛ウィスカーを用いることによ
り、きわめて能率的に電波を吸収減衰させることができ
る新規な電波吸収材が得られる。昨今、衛星放送の開始
やマイクロ波通信,衛星通信,レーダ,電子レンジから
の漏洩電波にからむ問題やVHFやUHFのVT電波ゴーストの
問題等EMIやEMCに関する要望が急速に高まってきてお
り、その意味で、本発明はそれらの機器の設計を容易に
するだけでなく、その機器やシステムの信頼性を大幅に
高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はそれぞれ本発明に用いる酸化亜鉛
ウィスカーの結晶構造を示す電子顕微鏡写真、第3図,
第4図および第5図はそれぞれ本発明の電波吸収材の電
波吸収特性図、第6図は本発明に使用される被覆酸化亜
鉛ウィスカーの模式的断面図、第7図は本発明の電波吸
収材の電波吸収特性図、第8図は本発明の電波吸収材の
断面図、第9図は本発明の電波吸収材の電波吸収特性を
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 光二郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 中村 秀之助 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−82403(JP,A) 特開 昭63−47999(JP,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電波吸収性または電波透過性の保持材に、
    核部とこの核部から異なる四方向へ伸びた針状結晶部を
    有し、前記針状結晶部の基部から先端までの長さが3ミ
    クロンメートル以上である酸化亜鉛ウイスカーを、保持
    材により保持、または、保持材中に混入または分散した
    ことを特徴とする電波吸収材。
  2. 【請求項2】電波吸収性または電波透過性の保持材に、
    核部とこの核部から異なる四方向へ伸びた針状結晶部を
    有し、該針状結晶部の基部から先端までの長さが3ミク
    ロンメートル以上である酸化亜鉛ウイスカーの四方向へ
    伸びた4軸の針状結晶部の一部が折損してできる3軸、
    または、2軸、または、1軸の針状結晶部を持つ酸化亜
    鉛ウイスカーから選ばれる、単体または組み合わされた
    前記酸化亜鉛ウイスカーが、保持材中に混入または、分
    散されたことを特徴とする電波吸収材。
  3. 【請求項3】電波吸収性または電波透過性の保持材に、
    核部とこの核部から異なる四方向へ伸びた針状結晶部を
    有し、該針状結晶部の基部から先端までの長さが3ミク
    ロンメートル以上である酸化亜鉛ウイスカー、または、
    前記酸化亜鉛ウイスカーの四方向へ伸びた4軸の針状結
    晶部の一部が折損してできる3軸、または、2軸、また
    は、1軸の針状結晶部を持つ酸化亜鉛ウイスカーから選
    ばれる、単体または組み合わされた前記酸化亜鉛ウイス
    カーが、保持材中に混入または、分散された部材と反射
    板より構成されたことを特徴とする電波吸収材。
  4. 【請求項4】電波吸収性または電波透過性の保持材に、
    核部とこの核部から異なる四方向へ伸びた針状結晶部を
    有し、該針状結晶部の基部から先端までの長さが3ミク
    ロン以上である酸化亜鉛ウイスカーを1重量%以上と、
    フェライト、カーボン、導電性チタン酸カリウム、炭化
    珪素、それに金属の粒子や繊維のいずれか一つまたは組
    み合わせたものを、保持または分散させた電波吸収材。
  5. 【請求項5】電波吸収性または電波透過性の保持材に、
    核部とこの核部から異なる四方向へ伸びた針状結晶部を
    有し、該針状結晶部の基部から先端までの長さが3ミク
    ロン以上である酸化亜鉛ウイスカーを1重量%以上と、
    フェライト、カーボン、導電性チタン酸カリウム、炭化
    珪素、それに金属の粒子や繊維のいずれか一つまたは組
    み合わせたものを、保持または分散させた部材と、反射
    板とから構成される電波吸収材。
  6. 【請求項6】核部とこの核部から異なる四方向へ伸びた
    針状結晶部を有し、該針状結晶部の基部から先端までの
    長さが3ミクロン以上である酸化亜鉛ウイスカーの表面
    が磁性材料で被覆され、該酸化亜鉛ウイスカーが電波吸
    収性または電波透過性の保持材に保持、あるいは分散さ
    れた電波吸収材。
  7. 【請求項7】核部とこの核部から異なる四方向へ伸びた
    針状結晶部を有し、該針状結晶部の基部から先端までの
    長さが3ミクロン以上である酸化亜鉛ウイスカーの表面
    が磁性材料で被覆され、該酸化亜鉛ウイスカーが電波吸
    収性または電波透過性の保持材に保持、あるいは分散さ
    れた部材と反射板とから構成される電波吸収材。
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JP3861389 1989-02-17
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JP5401289 1989-03-07
JP8446089 1989-04-03
JP1-84460 1989-04-03
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