JPH0780778B2 - 糖尿病治療剤 - Google Patents

糖尿病治療剤

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JPH0780778B2
JPH0780778B2 JP62204905A JP20490587A JPH0780778B2 JP H0780778 B2 JPH0780778 B2 JP H0780778B2 JP 62204905 A JP62204905 A JP 62204905A JP 20490587 A JP20490587 A JP 20490587A JP H0780778 B2 JPH0780778 B2 JP H0780778B2
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陽一 石井
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野: 本発明は糖尿病の治療剤に関する。さらに詳しく述べれ
ば、すぐれた血中糖量(以下血糖と称する。)低下活性
と安全性をもつミミズの乾燥粉末及び/又はミミズの抽
出部の糖尿病治療剤に関する。その内、特に新規で且つ
進歩性のある改良製法によるミミズ乾燥粉末さらに、こ
れの抽出物を有効成分とする糖尿病の治療・予防剤に関
する。
従来の技術: ミミズは太古の昔より主として東洋諸国において蚯蚓、
地竜と称し、薬として用いられてきた。従来の文献に報
告されているミミズの薬理・薬効作用を下記に示す。
「みみずと人生」大淵眞龍著1947年(昭和22年)10
月30日、牧書房発行、第223〜226頁及び「復刻みみず」
畑井新喜司著1980年4月30日、株式会社サイエンテイス
ト社発行、第160〜163頁に、ミミズが膀胱内結石の縮小
作用剤及び体外への排出作用剤、黄疽の治療剤・分娩剤
・強壮剤、毛生薬、強精剤及び解熱剤の薬理作用を有
し、一方、ミミズ毒として、一つは神経系統を侵し、他
は赤血球の破壌即ち、溶血作用を有することを報告して
いる。
「中華人民共和国葯典」中華人民共和国衛生部葯典
委員会編、1977年版、一部第197〜198頁には、次のこと
が記載されている。慣習的に地竜製品には2種類があ
る。その一つの広地竜(Lumbricus Kwangtungesis)
は、腹部を裂いて内臓と泥砂を洗い流し、天日、日陰又
は低温で乾燥させたものである。他の土地竜(Lumbricu
s Nativus)は草木灰の中に入れて殺したのち、灰をと
り去って天日、日陰又は低温で乾燥したもので、ミミズ
体内には泥土がつまっている。これらの2種の地竜は解
熱剤、ひきつけ治療剤、血行促進剤、半身不随治療剤、
関節鎮痛剤、排尿剤、気管支喘息剤及び高血圧症剤とし
て4.5〜9g/日使用すると報告している。
「わたしたちの漢方薬シリーズ3、地竜・烏賊骨/
中国の科学研究」1978年10月30日、松浦薬業株式会社発
行、第7頁には地竜チンキ(地竜のエチルアルコール抽
出物)には降圧作用のあることを報告している。
「天然薬物事典」奥田拓男編、昭和61年4月15日、
廣川書店発行、第215頁には、地竜が下熱剤、鎮痛剤、
利尿剤及び解毒剤に利用されていることを報告してい
る。
田中護〔北海道医学雑誌第24巻、第18〜24頁(1949
年)〕は、蚯蚓(乾燥細片物から泥土に除いたもの)は
煮沸水で抽出し、この抽出液の濃縮液にエチルアルコー
ルを添加して得た沈澱物質(Lumbrofebrin)をリンゲル
氏液に溶解し、この液を麻酔下の猫に静脈注射すると急
激な血圧降下をきたし、かつショックに比例して血液凝
固の促進が認められたと報告している。
居川賢二郎〔山口医学第9巻、第571〜第576頁(19
60年)〕は地竜の生理食塩水の抽出液、地竜のエチルア
ルコール又はアセトン抽出乾燥物を生理食塩水に溶解し
た液を成熟家兎に静脈注射して血圧の降下を認めた。
「中葯大辞典」下巻江蘇新医学院編、1980年、上海
科学技術出版社発行、第2112頁には広地竜チンキ、蚯蚓
乾燥粉末懸濁液、蚯蚓の熱水浸せき液、蚯蚓の煎じ液等
を麻酔下の犬・大きなネズミ、猫又は慢性腎性高血圧の
ハツカネズミに投薬したら緩慢にして持続的な血圧降下
作用がみられた。麻酔下の犬又は猫に地竜エキスを静脈
注射したところ、血圧降下作用が急速に現された。ただ
し、経口投薬したり、臨床への応用では効果がなかった
と報告している。更に同誌の第2114頁には、濃度40%の
地竜チンキ(地竜40gを60度のエチルコール100mlに浸せ
き)を毎回10ml、一日に3度〔すなわち地竜12g/日に相
当する。(本発明者が換算)〕服用する。チンキを飲め
ない者は、純粋な地竜粉末に水を加えて丸薬(少量の賦
形剤を加える)をつくり、毎回3〜4g、一日に3度〔地
竜9〜12g/日に相当(本発明者が換算)〕服用し、30〜
60日間服用続けると本態性高血圧症に効果がある。又、
地竜B1液(HgCl2を用いてヒポキサンチンを除き、イオ
ン交換樹脂を用いて血圧降下成分を分離し、とり出した
もの)を毎回2ml(生薬の地竜8gを含む)を一日に3度
〔地竜24g/日に相当(本発明者が換算)〕服用すると本
態性高血圧症に効果があったと報告している。
従来の慣習的なミミズの乾燥物又は乾燥粉末の製法は大
別すれば次のとおりである。
iミミズの腹部を裂いて体内の内容物(内臓と泥土)を
とり去って天日、日陰又は低温(通常50℃以下)で乾燥
する方法。
iiミミズを草木灰の中に入れて殺したのち、灰をとり去
って天日、日陰又は低温(通常50℃以下)で乾燥し、ミ
ミズ体内に泥土がつまったままのものを得る方法。
iiiミミズ体内の泥土をとり去ったのち、草木灰又は火
灰の中に入れて乾燥する方法。
などである。これらの乾燥物は必要時又は使用時に粉砕
して使用していた。これらの製法は簡易かつ経済的な方
法で、家庭でも安易に実行できる長所がある。
然しながら、これらの製法で得たミミズの乾燥物又は乾
燥粉末は0〜5℃の冷蔵庫内、又は5〜45℃の室温に開
放状態で貯蔵したとき約6ケ月以内、密閉状態で貯蔵し
たとき1年以内の短期間内に黴が発生し使用不可能とな
る欠点がある。
前記iiの製法のように、体内に泥土がつまったまま乾燥
したミミズ、又はiiiの製法のように草木灰もしくは火
灰の中で乾燥したミミズは、薬として用いるときにはほ
とんどの場合、熱水で抽出又は煮沸水で煎じたのち過
し、液を服用することが多い。特にiiの製法によるミ
ミズの乾燥物又は乾燥粉末は地竜チンキ又は粉末のま
ま、もしくは丸薬などにして服用することが稀である。
iの製法によるミミズは、熱水浸せき液、煎じ液として
服用する他に、地竜チンキ又は地竜粉末のまま、もしく
は粉末に少量の水もしくは少量の賦形剤を加えて丸薬と
して服用することが多い。i及びiiの製法によるとき、
生きミミズから水分10〜16%の乾燥ミミズの収率は5〜
9%、同じくiiの製法によるときの収率は13〜19%(本
発明者らの実測値)である。
最近、本発明者の一人である石井陽一は、ミミズの蛋白
質及び脂質を主成分とする健康食品又はその製造法〔日
本特許出願公開公報昭59−216572号(公開日1984年12月
6日)〕を報告した。この製法は、健康食品としてのミ
ミズ乾燥粉末を得るためには、一つのすぐれた方法であ
る。然し、動脈硬化剤(別名抗高脂血症剤)、糖尿病治
療剤及び血圧降下剤などの薬用を目的としたミミズ乾燥
粉末の製法としては、薬効の点で十分でないことが判明
した。すなわち、生きミミズの生体内に残っている排泄
物を除去するために外的な作用を施すときには、糞土の
みを選択的に除去することができない。いくら注意深く
操作しても、薬効上、重要な役割をなす成分を多く含有
する内臓及び体液が、糞土と一緒に除去されるので薬効
不足となることがわかった。又、生きミミズに対する収
率は10〜19%と少ない。更に、大きな問題は、最終仕上
げ工程の真空乾燥を80℃、0.3トールの真空度で20時間
以上の長時間操作するために、薬理・薬効上、重要な作
用をなすミミズ乾燥粉末中の酵素類が破壊又は失活する
ことがわかった。従って、本発明の製法で得られたミミ
ズ乾燥粉末に比較すると、日本特許出願公開公報昭59−
216572号で得たミミズ乾燥粉末の糖尿病治療剤の薬効は
約50%であった。
最近、本発明者の一人である美原恒とその他の共同研究
者等により、ミミズの線溶活性物質は至適pHが8〜10、
安定pHが5〜10、トラジロール(商標名)、トランサミ
ン(商標名)、大豆トリプシンインヒビター及び血清で
阻害され、プラスミノーゲン活性化作用及びフイブリン
溶解作用を有し、フイビリノーゲン溶解作用を有しない
諸性質を保有する酵素蛋白質であることが確認された。
ミミズからの水性溶媒の抽出法による粗製酵素蛋白質画
分と、その精製処理による糖製酵素蛋白質画分からなる
線溶活性物質の製造法の出願特許即ち、日本特許出願公
開公報昭58−148824号(出願日1982年2月27日)と、こ
れの優先権主張による外国出願のアメリカ特許出願No.4
70394(出願日1983年2月28日)、イギリス特許出願No.
8305359(出願日1983年2月25日)、イタリア特許出願N
o.47795A(出願日1983年2月25日)、フランス特許出願
No.03165(出願日1983年2月25日)、西ドイツ特許出願
No.P3306944.1(出願日1983年2月28日)及びカナダ特
許出願No.422034(出願日1983年2月21日)が報告され
ている。
さらに、美原恒らによりミミズからの6種の新規なプロ
テアーゼの物質特許の出願、即ち日本特許出願公開公報
昭59−63184号(出願日、昭和57(1982)年10月2日)
及びこれらのプロテアーゼを有効成分とする血栓溶解剤
の特許出願即ち、日本特許出願公開公報昭59−184131号
(出願日、昭和58(1983)年3月31日)と、これらの併
合出願の優先権主張の外国特許出願即ち、韓国特許出願
第2990号(出願日1983年6月30日)をはじめ次の特許出
願が報告(AU.P.App.16293(出願日1983年6月27日)、
CA.P.App.431387(出願日1983年6月28日)、DK.P.App.
3008(出願日1983年6月29日)、EP.P.App.83106288.0
(出願日1983年6月28日)、EP.P.App.523754(出願日1
983年6月30日)、FI.P.App.832383(出願日1983年6月
29日)、No.P.App.2399(出願日1983年6月30日)、PH.
P.App.29151(出願日1983年6月30日)、TW.P.App.7211
983(出願日1983年6月18日)、US.P.App.508163(出願
日1983年6月27日)〕されている。
本発明者等の調査結果では、ミミズの乾燥粉末及びミミ
ズの抽出物を有効成分とする糖尿病治療・予防剤又は血
糖低下剤の作用活性を報告した文献を見出すことができ
なかつた。
すなわち、アロキサンによる実験的糖尿病マウスにミミ
ズの乾燥粉末及びミミズの抽出物を投与したとき、有意
に血糖値を低下させることを報告した文献を見出すこと
ができなかつた。
又、ヒトの糖尿病患者に食事療法と共に、ミミズ乾燥粉
末を4〜9ケ月間投与した。特に軽・中程度の糖尿病患
者の場合には、投与2〜3ケ月後から血糖値は改善さ
れ、投与4ケ月後以降からは健康人の標準値まで血糖を
降下させることができたなど、このすぐれた効果を報告
した文献を見出すことができなかつた。
更に、かかる効果をもつミミズの乾燥粉末及びミミズの
抽出物の製法を報告した文献を見出すことができなかつ
た。
発明が解決しようとする問題点: 従来から経口的糖尿病治療剤としては、スルフオニルウ
レア(Sulfonyl urea)及びビグアニド(Biguanide)化
合物などの有機合成化合物が広く用いられている。
本発明者らは、このような合成有機化合物の中からでは
なく、天然物から副作用のない安全性の高い医薬品の創
製を目的としてミミズ乾燥粉末の利用について長年鋭意
研究してきた。意外にもミミズの乾燥粉末及びミミズの
抽出物が糖尿病治療・予防に有効であることを見い出
し、本発明を完成したものである。
問題点を解決するための手段 本発明はミミズの乾燥物を一部の形態として含むミミズ
の乾燥粉末;ミミズを水性溶媒、水混和性有機溶媒(水
と混和する性状の有機溶媒の意味。)及び水非混和性有
機溶媒(水と混和しない性状の有機溶媒の意味。)から
なる群から選ばれる少なくとも一種類の抽出剤によって
抽出処理して得たミミズの抽出物を有効成分として含有
する糖尿液治療・予防剤に関する。さらに、安全ですぐ
れた糖尿病治療効果を有し、かつ、密閉状態で少なくと
も4年間貯蔵又は保管が可能な無菌ミミズの乾燥粉末を
高い収率で得るために詳細に研究した結果、次に示す新
規でかつ進歩性のある改良製法を確立した。
製法1.: 生きミミズを真水中又は酢酸、クエン酸、コハク酸、リ
ンゴ酸、酒石酸、乳酸などの有機酸又はリン酸、硫酸、
塩酸などの無機酸またはこれらの酸のナトリウム又はカ
リウム塩の少なくとも1種類の化合物を0.3(重量)%
以下含有好ましくは0.1(重量)%以下含有の低濃度又
はpH3〜6.5の微酸性の水溶液中に温度1〜25℃にて0.5
〜72時間、好ましくは温度2〜15℃、1〜40時間放置し
て生きミミズ自身が有する排泄力によって生きミミズの
消化管内の糞土を十分排泄させたのち、水で生きミミズ
の体表面に付着している汚物を洗い落とし、湿式粉砕を
行なつた。湿式粉砕されたミミズを−5℃以下の低温、
好ましくは−10〜−60℃の低温で凍結したのち、次に凍
結・真空乾燥を行なつた。凍結・真空乾燥の条件は温度
−60〜+90℃、真空度100mmHg以下、好ましくは−40〜
+80℃で30mmHg以下の真空度で温度は階段的に上げなが
ら5〜100時間好ましくは10〜60時間凍結・真空乾燥を
行なつて無菌のミミズの乾燥粉末を得た。
製法2: 生きミミズの体表面に付着している汚物を水で洗い落と
したのち、真水中又は酢酸、クエン酸、コハク酸、リン
ゴ酸、酒石酸、乳酸などの有機酸又はリン酸、硫酸、塩
酸などの無機酸又はこれらの酸のナトリウム又はカリウ
ム塩の少なくとも1種類の化合物を0.3(重量)%以下
含有好ましくは0.1(重量)%以下含有の低濃度又はpH3
〜6.5の微酸性の水溶液中に、温度1〜25℃にて、0.5〜
72時間好ましくは温度2〜15℃にて1〜40時間放置して
生きミミズ自身が有する排泄力によって、生きミミズの
消化管内の糞土を十分排泄させたのち、湿式粉砕を行な
つた。湿式粉砕されたミミズを−5℃以下の低温、好ま
しくは−10〜−60℃の低温で凍結したのち、次に凍結・
真空乾燥を行なつた。この凍結・真空乾燥の条件は温度
−60〜+90℃、真空度100mmHg以下、好ましくは−40〜
+80℃、30mmHg以下の真空度で温度を階段的に上げなが
ら5〜100時間好ましくは10〜60時間凍結・真空乾燥を
行なつて無菌のミミズの乾燥粉末を得た。
ミミズの湿式粉砕方法、即ち、ミミズの組織(細胞)破
壊方法としては、ホモジナイザー、ブレンダー、ホモミ
キサー、擂漬機、加圧型細胞破壊装置の機器を利用して
懸濁液又は均質液とすることが好ましい。この湿式粉砕
時の温度は1〜25℃好ましくは2〜15℃が望ましい。
前記の操作により生きたミミズから黄褐色又は褐色のミ
ミズ乾燥粉末を収率20〜35%で得ることができた。通常
の場合、このミミズ乾燥粉末の水分は5〜16%好ましく
は7〜14%、灰分は3〜8%好ましくは4〜7%、窒素
は1〜11%好ましくは6〜11%含有するように調製し
た。又、ミミズ乾燥粉末中にはアスパラギン酸、スレオ
ニン、セリン、グルタミン酸、プロリン、グリシン、ア
ラニン、システイン、バリン、メチオニン、イソロイシ
ン、ロイシン、チロシン、フエニルアラニン、トリプト
フアン、リジン、ヒスチジン、アルギニンの18種類又は
それ前後のアミノ酸を含有する。
試験例1 前記製法1及び2の方法で得たミミズ乾燥粉末の粗分析
結果を表−1に示す。
試験例2 製法1の方法で得たM−2とM−4及び製法2の方法で
得たM−5のミミズ乾燥粉末製品の成分分析結果を表−
2に示す。
試験例3 製法1の方法で得たM−2とM−4及び製法2の方法で
得たM−5のミミズ乾燥粉末製品中の粗蛋白質のアミノ
酸分析をおこない、蛋白食品のフイシユミール及び大豆
粉の分析値と比較した結果を表−3に示した。
表−2及び表−3より、製法1及び2の方法により得た
ミミズ乾燥粉末中には粗蛋白質、粗脂質及び各種金属類
が豊富に含有していることがわかり、又、粗蛋白質中の
アミノ酸組成では必須アミノ酸を多量に含有しているこ
とがわかった。
前記製法1の方が、製法2で得られたミミズ乾燥粉末よ
りも、若干好ましい製品が得られた。又、前記の有機酸
又は無機酸又はこれらの両酸のナトリウム又はカリウム
塩の少なくとも1種類の化合物を上記のような低濃度に
含む水溶液中に生きミミズを放置した方が、真水中に放
置するよりも生きミミズの消化管内の糞土の排泄が早く
かつ、排泄率が大きい。
前記の製法1及び2において乾燥終了後のミミズ乾燥物
製品の仕上り状態は集合状態又は固まりが混合した状態
となっていることが多い。然し、これを粉砕機にかける
と容易に粉末となる。ミミズの乾燥物及びミミズの抽出
物をヒトを含め哺乳動物に投与するときには固まりより
も粉末の方が好ましい。
が発生し使用不可能となる欠点がある。
美原恒ら〔日本特許出願公開公報昭59−63184号及び昭5
9−184131号〕は、ミミズから線溶酵素の6種の新規プ
ロテアーゼを分画した。即ち、美原恒らはミミズ乾燥粉
末に10倍量の生理的食塩水を加えて2日間のインキユベ
ーシヨン(Incubation)を行なつた上清液について硫安
分画を行なつたのち、その沈渣をSephacryl S−200によ
るゲル過を行ない、得られた蛋白分画についてDEAE−
セルロースイオン交換クロマトグラフイーを行なつた結
果、カゼイン分解とフイブリン分解活性を有するI、I
I、III分画の蛋白を得た。このI、II、IIIの分画につ
いて更にDEAE−セルロース、Sephadex G−75、トヨパー
ルHW55、ACH−Sepharose、Benzamidine−Sepharoseなど
による精製処理を行なつた結果、6分画の精製酵素を得
た。SDS−PAGEで分子量を測定すると分画I−0の分子
量が一番低く、23,500と計算され、その後、順次にI−
1、I−2、II、III−1、III−2と分子量が増加し、
III−2は分子量34,200であつた。また等電点電気泳動
でこの6分画の等電点を測定するとI−0が最も高く、
pH4.12であり、その後、順次pHは低くなり、III−2でp
H3.52であつた。これらの6分画はセリン酵素とも異な
る新しい蛋白分解酵素であり、また、これらの6分画の
蛋白分解酵素の至適pHは8付近またはpH8〜10、安定pH
は4〜12または5〜12、至適温度50℃または50〜60℃、
失活条件は70℃で60分間であつたと報告されている。
前記の製法1及び2で得たミミズの乾燥粉末製品M−4
及びM−5に10倍量の生理的食塩水を加え、その上清を
標準フイブリン平板で測定すると、表−4に示すよう
に、直ぐに線溶活性が認められた。このM−4のミミズ
乾燥粉末の生理的食塩水溶液を37℃でインキユベートし
ておくと、表−4に示すようにその上清の線溶活性は10
日目で約4倍となり、50日目で5倍、75日目で5.5倍と
なる。この事実は、ミミズの凍結乾燥粉末中にはこの蛋
白分解酵素の前駆物質が大量に存在し、自己消化により
酵素活性の発現があるものと考えられる。この50日目の
上清の活性をウロキナーゼの国際単位に換算して比較す
ると約8,000IU/mlと計算された。また、この酵素はプラ
スミノゲン・フリーフイブリン平板、標準フイブリン平
板とも溶解し、標準フリブリン平板の方がプラスミノゲ
ン・フリー平板に比較して溶解窓が大きく、フイブリン
を直接分解する酵素活性とともに、プラスミノゲン・ア
クチベータ活性も示された。前記操作において、M−4
の代りに、M−5のミミズ乾燥粉末を用いて測定した結
果は表−4と同一結果が得られた。
本発明品のミミズ乾燥粉末及びミミズの抽出物をラツト
及びヒトへ経口投与することにより糖尿病治療・予防効
果又は血糖降下作用効果を示す理由についての詳細は不
明であるが、ミミズの乾燥粉末及びミミズの抽出物中に
含有されている蛋白分解酵素(蛋白質)自体又はこの酵
素の前駆物質(蛋白質)自体もしくは蛋白質又は脂質物
質もしくはその他の未知化合物自体又はこれらの併合の
作用によるものと考えられる。糖尿病治療剤として最も
好ましい本発明品のミミズ乾燥粉末の窒素含量は7〜10
%、即ち粗蛋白含量43.8〜62.5%のものである。
次に前記の製法1及び2の方法で得たミミズの湿式粉砕
による懸濁液の凍結・真空乾燥操作の好ましい具体例を
示すと次のとおりである。
ミミズの湿式粉砕物すなわち、ミミズの懸濁液を−10〜
−60℃好ましくは−30〜−50℃で5〜60時間凍結したの
ち、同温度で0.01〜0.2mmHgの真空下、5〜12時間の凍
結乾燥する。次に20〜30℃で5〜15時間、0.01〜0.2mmH
gの真空下で乾燥する。次に35〜50℃、0.1〜0.5mmHgの
真空下で10〜20時間乾燥する。次の最終仕上げ工程の真
空乾燥は、0.01〜0.5mmHgの真空下、70〜80℃好ましく
は75〜80℃で5〜10時間真空乾燥すると無菌で且つ水分
5〜15%含有のミミズ乾燥粉末を得ることができた。特
に最終仕上げの真空乾燥が重要操作である。ミミズ乾燥
粉末中に含まれる蛋白分解酵素及びその酵素の前駆物質
の活性を失活させることがなく、ミミズの乾燥粉末を無
菌状態に仕上げるために本発明者は詳細に研究した結
果、凍結・真空乾燥の最終工程の真空乾燥条件の真空
度、加温温度、時間の3要素の組合わせが重要条件であ
ることを見出し、前記の運転条件を確立した。
前記に示すように、ミミズ乾燥粉末からの精製蛋白分解
酵素の6種共(日本特許出願公開公報昭59−63184号及
び昭59−184131号)70℃、60分間で失活することが報告
されているが、本発明の製法で得たミミズ乾燥粉末中の
蛋白分解酵素は表−4に示すように失活されていない。
製法1及び2の方法で得たミミズ乾燥粉末は、5〜45℃
の室温に密閉状態に5年間、保存した例では、黴の発生
その他の変質は全く認められなかった。
本発明の糖尿病治療剤のミミズ乾燥粉末の形態は、前記
の製法1及び2で得たミミズ乾燥粉末のほかに、従来の
公知のi,ii,iiiの製法により得たミミズの乾燥物及び
その乾燥粉末でもよい。
又、糖尿病治療剤のミミズの抽出物は、次の製造方法に
より得ることができる。
原料のミミズを水性溶媒、水混和性有機溶媒及び水非混
和性有機溶媒からなる群から選ばれる少なくとも一種類
の抽出剤によって抽出処理し、得られた抽出液を濃縮し
て沈澱物として析出せしめるか、又は濃縮抽出液に他種
もしくは同種の有機溶媒を加えて沈澱物として得るか、
もしくは常圧、加圧又は減圧下で抽出溶媒を完全に除去
して抽出物を得た。
原料のミミズは、前記の製法1及び2で得たミミズ乾燥
粉末;前記のi,ii及びiiiの公知の製法で得たミミズの
乾燥物及びその乾燥粉末;糞土を除去したもの又は糞土
を含んで生きミミズもしくは、これらのなまミミズ;こ
れらの生きミミズ及び/又はなまミミズの粉砕懸濁液な
どの形状のミミズを使用することができる。
これらの内、最も好ましい原料ミミズの形態は、前記の
製法1及び2の操作処理工程において湿式粉砕をおこな
って得たミミズの懸濁液である。
すなわち、生きミミズを酢酸、クエン酸、コハク酸、リ
ンゴ酸、酒石酸又は乳酸からなる有機酸;リン酸、硫酸
又は塩酸からなる無機酸;これらの有機酸ナトリウム
塩;これらの有機酸カリウム塩;これらの無機酸ナトリ
ウム塩;これらの無機酸カリウム塩からなる群から選ば
れた少なくとも一種類の化合物を0.3(重量)%以下の
低濃度又はpH3〜6.5の微酸性の水溶液中又は真水中に放
置して生きミミズの消化管内の糞土をはかせたのち、生
きミミズの体表面に付着する汚物を水で洗浄除去して湿
式粉砕をおこなうか、又は、生きミミズの体表面に付着
する汚物を水で洗浄除去したのちの生きミミズを前記水
溶液中又は真水中に放置して生きミミズの消化管内の糞
土をはかせたのち、湿式粉砕をおこない、得たミミズの
ペースト状の懸濁液である。この懸濁液を原料としたと
きには、他の形態のミミズよりも溶媒の使用量が節約で
き、かつ、糖尿病治療剤としての有効物質を短時間に抽
出することができ、さらに処理時間単位当りの抽出物量
が多いなどの抽出効率がすぐれている。次に好ましい原
料形態は前記製法1及び2で得たミミズ乾燥粉末であ
る。
抽出溶媒の水性溶媒は、真水、蒸留水、生理食塩水、pH
5〜10の各種の緩衝液又は各種の調製水を用いるのが好
ましい。緩衝液はリン酸、酢酸、ホウ酸、クエン酸、ト
リス・塩酸などのpH5〜10好ましくはpH6〜8の各種組成
の緩衝液の一種以上が使用できる。又、pH5〜10好まし
くはpH6〜8の調製液とは塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、
乳酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸又は酒石酸などの
水溶性の無機酸、有機酸とナトリウム、カリウムなどの
アルカリ金属の水酸化物又は炭酸塩から自家調製した稀
薄水溶液を意味する。最も好ましい水性溶媒は生理食塩
水、緩衝液、真水である。これらの水性溶媒を使用する
ときには、パラヒドロキシ安息香酸エチルエステル、安
息香酸ナトリウム塩、アジ化ナトリウムなどの防腐剤を
0.01〜0.3(重量)%使用することが好ましい。
水混和性有機溶媒としては、例えば、メチル、エチル、
アリル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s
−ブチル、又はt−ブチルアルコールなどの炭素数1〜
4の低級アルコール類;アセトン又はメチルエチルケト
ンなどの炭素数3〜4のケトン類;エチルエーテル、1,
2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジ
オキソラン又はジオキサンなどの炭素数3〜4のエーテ
ル類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチルなどの炭素
数2〜4のエステル類を用いるのが好ましい。これらの
内、最も好ましい水混和性有機溶媒は炭素数1〜4のア
ルコール類である。
水非混和性有機溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、
i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、オクタ
ン、i−オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン又はエチルベンゼンなどの炭素数6〜10の
炭化水素類;n−ヘキシル、2−メチルペンチル、2−エ
チルブチル、s−ヘキシル、s−ヘプチル、n−オクチ
ル、2−エチルヘキシル、2,6−ジメチル−4−ヘプチ
ル、n−デシルアルコールなどの炭素数6〜10のアルコ
ール類;メチル−n−アミルケトン、メチルシクロヘキ
サノン又はメチルヘキシルケトンなどの炭素数7〜8の
ケトン類;酢酸s−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸−2
−エチルブチル、酢酸s−アミル又は酢酸メチルアミル
エステルなどの炭素数6〜8のエステル類;クロロホル
ム、ジクロルペンタン又はエピクロルヒドリンなどの炭
素数1〜5のハロゲン化炭水素類などを用いるのが好ま
しい。
抽出方法は一般的な方法で実施すればよく、特に限定さ
れないが、その一例は次のとおりである。
前記の形態の原料ミミズに対し、水性溶媒、濃度5〜70
(容量)%好ましくは10〜60(容量)%の有機溶媒の水
溶液、濃度80〜100(容量)%の水混和性有機溶媒、濃
度約100%の水非混和性有機溶媒から成る群から選ばれ
る少なくとも一種類の抽出剤を1〜100倍量(容量/重
量)好ましくは2〜30倍量用い、抽出温度は−40〜+60
℃、抽出接触時間は10分間から約100日間好ましくは30
分間から約40日間の間、時々又は連続撹拌したのち、静
置し、過して抽出液を分取した。過は加圧又は減圧
過器(機)又は遠心分離機を用いるとよい。抽出残渣
はよく洗浄したのち、抽出液と洗液とを合体する。抽出
液又は合液を60℃以下の温度で常圧、加圧又は減圧下で
濃縮、限外過濃縮又は凍結乾燥などの濃縮法で抽出溶
媒を除去して抽出物を得た。ただし、抽出剤として例え
ばエタノールを使用したときには、最終目的剤形の種類
により、完全に除去せずにエタノールを残留させること
もある。又、前記の抽出液又は合液の濃縮液の放置によ
る結晶析出法又は濃縮液に有機溶媒を添加して結晶を析
出せしめたのちに、過、乾燥して抽出物を得る方法も
用いられる。
上記の操作における原料ミミズに対する抽出液物の収率
は乾物換算で3〜60(重量)%である。この収率の相違
は、原料ミミズの形態、溶媒の種類、抽出温度、抽出時
間その他の抽出条件による。抽出温度が高いと、有効物
質が分解される危険があるので抽出温度は−40〜+60℃
が好ましい。
抽出物中の含有成分は表−2及び表−3に示すように、
ミミズの乾燥粉末の成分と同じように18種のアミノ酸、
8種の金属などを含有する。特に、この抽出物中の蛋白
質は、原料ミミズと同じアミノ酸からなる蛋白質、糖質
蛋白質、金属結合蛋白質などを含有する。さらに抽出物
中には遊離アミノ酸、脂質、各種糖質、ATP及びATP様物
質その他の組成不明の有効な化学物質を含有する。
本発明において使用するミミズはアカミミズ(Lumbricu
s rubellus)、LTミミズ(別名ツリミミズ)(Lumbricu
s terrestris)、シマミミズ(Eisenia foetida)、カ
ッショクツリミミズ(Allolobophora caliginosa)、ム
ラサキツリミミズ(Dendrobaena octaedra)、サクラミ
ミズ(Allolobophora japonica Michaelsen)、ハッタ
ミミズ(Drawida hattamimizu Hatai)、セグロミミズ
(Pheretima divergens Michaelsen)、フツウミミズ
(Pheretima communissima)、ハタケミミズ(Pheretim
a agrestis)、シーボルトミミズ(Pheretima sieboldi
Horst)、ヒトツモンミミズ(Pheretima hilgendorf
i)、イソミミズ(Pontodrilus matsushimensis Iizuk
a)、イトミミズ(Tubifex hattai Nomura)、ゴトウイ
トミミズ(別名:ユリミミズ)〔Limnodrilus gotoi Ha
tai=L,socialis Stephenson〕などであり、通常生育
し、かつ有毒でないミミズならいずれのミミズでも利用
できる。
本発明のミミズ乾燥粉末及びミミズの抽出物を臨床治療
用として投与するときには、それの単独又は混合して用
いることもできる。その形態は経口剤又は非経口剤のい
ずれでもよいが、特に経口投与が好ましい。本発明品の
経口用の剤形としては、本発明品自体又は適宜な薬理的
に許容される医薬担体と混合してカプセル剤、錠剤、顆
粒剤、散在(粉剤)、コーテイング剤、糖衣錠、乳剤な
どの製剤が用いられる。医薬担体としては、例えば賦形
剤として乳糖、白糖、マニトール、ブトウ糖、デン粉、
ソルビトール、グリシン、リン酸カルシウム、微結晶セ
ルロースなど;結合剤としてデン粉、ゼラチン、アラビ
アゴム、ブドウ糖、白糖、ソルビトール、マニトール、
トラガント、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキ
シプロポキシメチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、2−メチル−5−ビニルピリジン−メタアクリ
ル酸−アクリル酸メチルエチル共重合体、ポリビニルピ
ロリドン、アルギン酸ナトリウムなど;滑沢剤としてス
テアリン酸、硬化油、ステアリン酸マグネシウム、ステ
アリン酸カルシウム、ポリオキシエチレンモノステアレ
ート、タルク、酸化ケイ素、ポリエチレングリコールな
ど;崩壊剤としてバレイシヨデン粉、界面活性剤などを
含むデン粉;湿潤剤としてラウリル硫酸ナトリウムなど
があげられる。更に非経口的に投与する場合には坐剤と
して用いることができる。特に坐剤の基剤としてカカオ
脂、ウイテプソール(Witepsol)、サバナール(Subana
l)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、グリセロゼラチン、ゼラチンカプセルなどが用い
られる。その他、メチルパラヒドロキシベンゾエート、
プロピルパラヒドロキシベンゾエート、ブチルパラヒド
ロキシベンゾエート、ブチルヒドキシアニソールなどの
公知の安全な防腐剤、その他の安全な色素を配合して用
いる。
本発明の糖尿病治療剤のミミズ乾燥粉末及びミミズの抽
出物の投与量は、投与方法、患者の年齢、体重、状態及
び疾患の種類によつても変動するが、通常ヒトに一日当
り0.01gから5g程度が好ましい。最も好ましいのは一日
当り0.02gから2gで一日1〜3回に分けて投薬すること
である。
作用: 本発明のミミズ乾燥粉末の毒性及び糖尿病治療効果又は
血糖降下の薬理試験法とその結果について、以下、詳細
に説明する。
A.急性毒性試験: 体重30±2gのddy系雄マウス及び体重100±2gのウイスタ
ー(Wistar)系雄ラツト各一群5匹を用いて経口投与で
の急性毒性試験を行なつた。本発明のミミズ乾燥粉末M
−1(水分10.2%、灰分5.1%、窒素9.4%含有);同M
−2(水分10.4%、灰分5.3%、窒素8.6%含有);同M
−3(水分10.7%、灰分5.2%、窒素9.2%含有);同M
−4(水分10.6%、灰分5.6%、窒素9.6%含有);同M
−5(水分9.5%、灰分4.5%、窒素7.8%含有);同M
−6(水分9.2%、灰分4.7%、窒素8.4%含有)のそれ
ぞれの服用量を0.1g/Kgから8g/Kgに増加して前記のマウ
ス(0.1から5g/Kg)及びラツト(2から8g/Kg)に咽喉
さぐり棒で強制投与によつて個々に投薬した。試験期間
中動物は動物室温度22〜23℃に維持し、投薬後14日間観
察した。投薬された服容量での死亡は全く認められなか
つた。投薬後の中毒症及び行動を経時的に観察したが、
正常動物群と何等の相違は認められなかつた。又、体重
増加も正常動物群とほとんど差がなかつた。試験後に実
施した検視において主要器管のいかなる部分にも何等巨
視的障害は認められなかつた。従つて、本発明のミミズ
乾燥粉末は非常に低い毒性のためにLD50値を決定するこ
とができなかつた。
B.実験的糖尿病マウスに対する作用 1.動物:体重30±2gのddy系雄性マウス1群5匹を用い
た。
2.飼料及び飼育条件:日本クレア社製固型飼料を用い、
1ケージにマウス一匹を入れ、飼料及び水は自由摂取と
した。温度23±1℃及び湿度55±5%の恒温恒湿で飼育
した。
前記のddy系雄性マウスを16時間絶食後、アロキサン75m
g/Kgを静脈内に投与し、48時間後に、本発明のミミズ乾
燥粉末M−1(水分10.2%、灰分5.1%、窒素9.4%);
同M−2(水分10.4%、灰分5.3%、窒素8.6%);同M
−3(水分10.7%、灰分5.2%、窒素9.2%);同M−4
(水分10.6%、灰分5.6%、窒素9.6%);同M−5(水
分9.5%、灰分4.5%、窒素7.8%);同M−6(水分9.2
%、灰分4.7%、窒素8.4%)の6種(300mg/Kg)をそれ
ぞれ生理的食塩水にけん濁して経口投与し、150分後に
心臓から採血し、グルコースオキシダーゼ法により血中
糖量を測定した。
測定結果は表−5に示した。本発明のミミズ乾燥粉末は
有意に血糖を降下することがわかつた。
製法3 原料ミミズの調製: 生きミミズ(アカミミズ)10kgを、リンゴ酸と乳酸2:1
の混合酸を溶解したpH5.8の酸性水溶液20l中に温度10℃
で3時間放置し、消化管内の糞土を十分に排泄させた。
この生きミミズを水で良く洗浄して生きミミズの体表面
に付着している泥、糞などの汚物を洗い落したのち、ウ
ルトラホモミキサー(日本精機株式会社製)で湿式粉砕
し、ミミズの懸濁液9.3kgを得た。このミミズ懸濁液を
1.55kgずつに6等分し、それぞれをE−1,−2,−3,−4,
−5及び−6とする。
前記で得たE−1とE−2のミミズの懸濁液1.55kgを各
々のトレーに入れ−40℃で30時間凍結する。次に品温を
−40℃で0.1mmHgの真空下で6時間凍結乾燥し、次に25
℃で0.1mmHgの真空下で8時間乾燥したのち、次に45℃
で0.1mmHgの真空下で12時間乾燥し、最後に80℃で0.1mH
gの真空下で6時間乾燥することにより、2個のトレー
の各々にミミズの乾燥物318gを得た。これをK−1及び
K−2とする。
抽出物の調製: X−.ミミズの乾燥物(K−1)315gに5倍量の99%
メタノール1.575lを加え25℃で3回抽出したのち、最後
に残渣を3倍量の99%メタノール0.945lで洗浄し、抽出
液と洗液の合液を30℃で減圧濃縮乾固し、次に真空乾燥
することにより88.2gの粉末抽出物を得た。これを抽出
物X−とする。
X−.ミミズの乾燥物(K−2)315gに、3倍量のク
ロロホルム0.945lと2倍量のエタノール0.63lの合液を
加え、20℃で3回抽出したのち、最後に残渣を2倍量の
エタノール0.63lで洗浄し、抽出液と洗液の合液を30℃
で減圧下濃縮乾固し、次に真空乾燥することにより72.5
gの粉末抽出物を得た。これを抽出物X−とする。
X−.ミミズの懸濁液(E−3)1.55kgに真水6.2lを
加えて10℃で2時間かきまぜたのち、過し、抽出液と
残渣に分取する。残渣を水洗したのち抽出液と洗液との
合液7.7lを得た。この合液7.7lにn−ヘキサン2.3lを
加えてかきまぜたのち、静置し、水溶部層とn−ヘキサ
ン層に分離後、水溶部層を分取し、30℃で減圧濃縮乾固
したのち、凍結乾燥し、粉末抽出物86.8gを得た。これ
を抽出物X−とする。
X−.ミミズの懸濁液(E−4)1.55kgに40%エタノ
ール水溶液10lを加え、40℃で12時間かきまぜたのち、
過し、抽出液と残渣に分取する。残渣は40%エタノー
ル0.3lで洗浄したのち抽出液と洗液との合液を40℃で減
圧濃縮乾固したのち、真空乾燥し、粉末の抽出物69.7g
を得た。これを抽出物X−とする。
X−.ミミズの懸濁液(E−5)1.55kgにpH6.4のリ
ン酸緩衝液2.5lを加えて、37℃で8時間インキュベーシ
ョンし、ミミズ体内に元来から含有するプロテアーゼの
作用を促進させたのち、過し、残渣をpH6.4のリン酸
緩衝液で洗浄し、抽出液と洗浄液との合液3.9lを得た。
この合液にアジ化ナトリウム1gを加えて37℃で8時間イ
ンキュベーションしたのち、30℃で減圧濃縮し、得た濃
縮液に2倍量のエタノールを加えて沈澱物を過し、分
取した沈澱を真空乾燥し、次に凍結乾燥して粉末の抽出
物64.2gを得た。これを抽出物X−とする。
X−.ミミズの懸濁液(E−6)1.55kgを天日で自然
乾燥したのち、粉末化したミミズの乾燥粉末(K−3と
する。)にエタノールとエチルエーテル2:1の混合溶媒9
00mlを加え、20℃で3回抽出た。最後に、残渣を前記の
混合溶媒で洗浄し、抽出液と洗液の合液を30℃で減圧下
濃縮乾固し、次に真空乾燥することにより61.5gび抽出
物を得た。これを抽出物X−とする。
製法4 泥がついている養殖生きミミズ(アカミミズ)13kgを水
で良く洗浄し、体表面に付着している泥を洗い落したの
ち、リンゴ酸とクエン酸の1:1の混合酸を溶存するpH6.2
の酸性水溶液40l中に温度8℃で3時間放置し、消化管
内の糞土を十分に排泄させたのち、生きミミズを水でよ
く洗浄して生きミミズの体表面に付着している泥、糞な
どの汚物を洗い落したのち生きミミズをミキサーにかけ
て湿式粉砕し、ミミズの懸濁液9.0kgを得た。このミミ
ズ懸濁液を1.5kgずつに6等分し、それをE−7,−8,−
9,−10,−11及び−12とする。
前記で得たE−7とE−8のミミズ懸濁液1.5kgを各々
のトレーに入れ−30℃で40時間凍結したのち、次に品温
−40℃で0.1mmHgの真空下6時間凍結乾燥し、次にトレ
ーの乗せている棚温を30℃に上げ0.1mmHgの真空下6時
間乾燥したのち、棚温を50℃に上げ0.2mmHgの真空下で
8時間真空乾燥し、最後に棚温を78℃に上げ0.2mmHgの
真空下で8時間乾燥することによりミミズの各々の乾燥
物305gずつを得た。これをK−7とK−8とする。
抽出物の調製: X−.ミミズの乾燥物(K−7)300gに、3lの0.02%
パラヒドロキシ安息香酸エチルエステルを含む0.9%塩
化ナトリウム水溶液を加え、30℃で96時間かきまぜたの
ち、過し、残渣を0.9lの0.9%塩化ナトリウム水溶液
で洗浄し、抽出液と洗浄液とを合わせた清澄抽出液3.8l
を得た。これを限外過法で濃縮し、液量を0.16lと
し、これにエタノール0.16lを加えて沈澱分別したのち
の液に終濃度としてエタノール濃度が80%になるよう
に添加して得た沈澱を真空乾燥し、結晶粉末14.4gを得
た。これを抽出物X−−1とする。
抽出物X−−1の液を30℃で減圧濃縮乾固すること
により72.5gの結晶粉末を得た。これを抽出物X−−
2とする。
X−.ミミズの乾燥物(K−8)300gに、3lの0.1%
安息香酸ナトリウムを含む真水を添加し、32℃で72時間
かきまぜ抽出したのち、過し、残渣を0.6lの真水で洗
浄し、抽出液と洗浄液とを合わせた清澄抽出液3.5lを得
た。この抽出液を限外過法で濃縮した液を、次の減圧
濃縮乾固することにより69gの結晶粉末を得た。これを
抽出物X−とする。
X−.ミミズの懸濁液(E−9)1.5kgを40℃で真空
乾燥し、粉末化したミミズの乾燥粉末(K−9とす
る。)に、3lの0.02%のパラヒドロキシ安息香酸エチル
エステルを含む蒸留水を加え、32℃で120時間かきまぜ
たのち、過し、抽出液と残渣に分取する。残渣を蒸留
水でよく洗浄したのち、抽出液と洗浄液との合液を30℃
約1/10量に減圧濃縮したのち、4倍量のエタノールを加
え、よくかきまぜたのち、一昼夜静置し、生成した沈澱
を過し、エタノールで洗浄したのち、真空乾燥し粉末
抽出物72.5gを得た。これを抽出物X−とする。
X−.ミミズの懸濁液(E−10)1.5kgに60%エタノ
ール水溶液7.5lを加え、密栓状態で時々かきまぜながら
20〜22℃で8日間静置した。
その後、過し、残渣を50%エタノール水溶液0.5lで洗
浄し、抽出液と洗浄液との合液を30℃で減圧濃縮乾固し
たのち凍結乾燥し、粉末抽出物40.5gを得た。これを抽
出物X−とする。
X−.ミミズの懸濁液(E−11)1.5kgに50%エタノ
ール水溶液4.5lと50%イソプロパノール水溶液3lの混合
溶媒を加え、密栓状態で時々かきまぜながら8℃で16日
間静置した。
その後、過し、残渣を50%エタノール水溶液0.5lで洗
浄し、抽出液と洗浄液との合液を35℃で減圧濃縮乾固し
たのち凍結乾燥し、粉末抽出物28.2gを得た。これを抽
出物X−とする。
X−.ミミズの懸濁液(E−12)1.5kgに60%エタノ
ール水溶液7.5lを加え、25℃で2時間かきまぜながら3
回抽出し、最後に残渣を60%エタノール水溶液1で洗
浄し、抽出液と洗液の合液を30℃で減圧濃縮乾固し、次
に凍結乾燥することにより90.5gの粉末抽出物を得た。
これを抽出物X−とする。
本発明のミミズの抽出物、すなわち、原料ミミズを水性
溶媒、水混和性有機溶媒及び水非混和性有機溶媒からな
る群から選ばれる少なくとも一種類の抽出剤によって抽
出処理し、得られた抽出物の毒性及び血糖低下活性の薬
理試験法とその結果は次のとおりである。
A−1.急性毒性試験: 前記Aの急性毒性試験法と同じ方法により測定した。す
なわち、体重30±2gのddy系雄マウス各一群5匹を用い
て経口投与での急性毒性試験をおこなった。
例えば、前記の本発明のミミズの抽出物X−,−,
−,−,−,−,−及び−の8種類を用い
て、前記のマウスに0.1g/kgから5g/kgにに増加して、咽
喉さぐり棒で強制投与によって個々に投薬した。
試験中マウスは動物室温度22〜23℃に維持し、投薬後14
日間観察した。投薬された服用量での死亡は全く認めら
れなかった。かつ中毒症状の所見または剖検では異常は
全く認められなかった。従って、本発明のミミズからの
水性溶媒及び/又は有機溶媒による抽出物は非常に低い
毒性のためにLD50値を決定することができなかった。
B−1.実験的糖尿病マウスに対する作用 薬理試験: 前記Bの実験的糖尿病マウスに対する作用の薬理試験と
同じ方法により測定した。すなち、 1.動物:体重30±2gのddy系雄性マウス各1群5匹を用
いた。
2.飼料及び飼育条件:日本クレア社製固型飼料を用い、
1ケージにマウス1匹を入れ、飼料及び水は自由摂取と
した。温度23±1℃及び湿度55±5%の恒温恒湿で飼育
した。前記のddy系雄マウスを16時間絶食後、アロキサ
ン75mg/kgを静脈内に投与し、48時間後に、本発明のミ
ミズ乾燥粉末の4種〔K−1,−3,−7及び−9〕を300m
g/kg、又、本発明のミミズからの抽出物の9種〔X−
,−,−,−,−,−,−,−及び−
〕の50mg/kgをそれぞれ生理的食塩水に懸濁して経口
投与し、150分後に心臓から採血し、グルコースオキシ
ダーゼ法により血中糖量を測定した。
測定結果は表−5−1に示した。本発明のミミズの乾燥
粉末及びミミズの抽出物は有意に血糖を低下することが
わかった。ミミズの抽出物は、ミミズの乾燥粉末の1/6
の量でミミズの乾燥粉末よりも血糖値の低下率が大であ
った。
C.ミミズ乾燥粉末のヒトに対する経口投与実験: 本実験に賛同を得た5人のボランテイア(Volunteer)
に食事療法と共に、後述の実施例6で製造したカプセル
剤C〔1カプセル剤にミミズ乾燥粉末(前記のM−3、
水分10.7%、灰分5.2%、窒素9.2%)150mg含有〕を1
回1カプセル剤1日3回を食後30分以内に経口服用とし
た。採血は62才の男性のみ投与1ケ月経過毎に行ない、
9ケ月間投薬し、採血した。59才の男性は投薬前と投薬
2、3、4ケ月後に採血した。76才の女性は投薬前と投
薬4ケ月後に採血し、79才の女性は投薬前と投薬3及び
6ケ月後に採血した。61才の女性は投薬前と投薬1、
3、4及び8ケ月後に採血を行なつた。血中糖量はグル
コールオキシダーゼ法により測定した。この結果は表−
6に示した。
この実験を行なつた地方住民健康人の血糖の標準値(mg
/dl)は朝食前50〜100、朝食2時間後150以下、昼食前5
0〜100、昼食2時間後150以下、夕食前50〜100、夕食2
時間後150以下である。表−6に示した5人のボランテ
イアとも、薬物投与前の朝食前の空腹時の血中糖量がい
ずれも高血糖値であり、糖尿病患者であつた。
中程度の糖尿病と考えられる62才の男性の場合は、本発
明のミミズ乾燥粉末投与2ケ月後から血中糖量の改善が
みられ、投与3ケ月後では6項目の検査値の内、外食2
時間後の1項目の値が185mg/dlと高い以外は、ほぼ標準
値近くまで改善された。投与4ケ月後は6項目の検査値
全部が標準値に達した。それ以後、5ケ月間の6項の血
中糖量は標準値の範囲内を保持した。
59才の男性は、投薬3ケ月後に6項目の検査値の内、昼
食前の1項目の値が114mg/dlと僅かに高いほかは、標準
値に達し、投与4ケ月後には6項目すべて標準値の範囲
内に達した。
79才の女性は投与3ケ月後で、6項目の検査値の内、昼
食2時間後と夕食前の値が171及び107mg/dlと僅かに高
い値である以外の4項目の値は、標準値の範囲内に改善
され、投与6ケ月後には完全に標準値に達した。
76才の女性は軽度の糖尿病患者であつたが、投与4ケ月
後に6項目の血中糖量は標準値に達した。
61才の女性は、かなり重度の糖尿病患者である。この女
性に、本発明のミミズ乾燥粉末を投与した4ケ月後か
ら、血中糖量の改善が見られ、8ケ月後には朝食2時間
後と昼食前の値がそれぞれ197と210mg/dlと高い値であ
る以外の4項目は標準値に達した。
このミミズ乾燥粉末のヒトへの経口投与実験は、安全
に、かつ、副作用は何等発生することなく、無事に終了
することができた。たとえば、6〜9ケ月間の長期投与
においても、標準下限値以下まで血中糖量値が低下する
低血糖発生の危険は一度もなく、本発明のミミズ乾燥粉
末は安全な薬剤であることがわかつた。
上記の結果を総括すると次のとおりである。すなわち、
ミミズ乾燥粉末の経口投与では、かなり重度の糖尿病患
者の場合、前記6項目全部の血中糖量値を標準値まで降
下させることは稍々困難であつたが、投与8ケ月後には
6項目中4項目の血中糖量を標準値まで降下させるなど
の改善効果のあることがわかつた。然し、軽・中程度の
糖尿病患者の場合には、投与4ケ月後以降から6項目全
部の血中糖量を標準値以内まで低下させることができ
た。本発明のミミズ乾燥粉末は安全ですぐれた血糖降下
剤、すぐれた糖尿病治療・予防剤であることがわかつ
た。
上記の結果により、ミミズからの溶媒抽出物であるミミ
ズの抽出物もミミズ乾燥粉末と同じように、ヒトに対し
安全で、かつ、すぐれた血糖降下剤、すぐれた糖尿病・
予防剤であることが容易にわかった。すなわち、ミミズ
の抽出物とミミズの乾燥粉末とは製造法に僅少の相違は
あるが、同じ出発原料の生きミミズ又はなまミミズから
製造したものゆえ、当然の結果と考える。
実施例1. 錠剤A ミミズの乾燥粉末 150mg (成分は前記M−3と同じ) マニトール 123 ヒドロキシプロポキシメチルセルロース 7 タ ル ク 5 微結晶セルロース 60 水素化ヒマシ油 計350mg 錠剤B ミミズの乾燥粉末 150mg (成分は前記M−3と同じ) トウモロコシデン粉 60 乳 糖 80 タ ル ク 7 ステアリン酸マグネシウム 計300mg 錠剤C ミミズの乾燥粉末 150mg (成分は前記M−3と同じ) 可溶性デン粉 20 トウモロコシデン粉 125 微結晶セルロース 45 酸化ケイ素 6 ステアリン酸マグネシウム 計350mg 上記処方に従い均一によく混合した粉末を打錠機によ
り、各種重量の錠剤を製造した。
実施例2. 顆粒剤A ミミズの乾燥粉末 150mg (成分は前記M−2と同じ) 乳 糖 20 微結晶セルロース 60 トウモロコシデン粉 15 ヒドロキシプロピルセルロース 計250mg 上記処方に従い、流動層造粒装置を用い、ミミズの乾燥
粉末、乳糖、微結晶セルロース及びトウモロコシデン粉
をよく混合し、ヒドロキシプロピルセルロースの5%水
溶液を結合剤として噴霧し、低温乾燥後顆粒とした。
実施例3. 顆粒剤B ミミズの乾燥粉末 100mg (成分は前記M−2と同じ) マニトール 10 微結晶セルロース 85 カルボキシメチルセルロースカルシウム 2 ステアリン酸マグネシウム 1.5 硬 化 油 1.5 計200.0mg 顆粒剤C ミミズの乾燥粉末 150mg (成分は前記M−2と同じ) 乳 糖 53 トウモロコシデン粉 39 バレイシヨデン粉 2 タ ル ク 3 ステアリン酸マグネシウム 計250mg 上記処方に従い、よく混合した粉末を押出機で顆粒剤を
製造した。
実施例4. カプセル剤A ミミズの乾燥粉末 150mg (成分はM−2と同じ) 乳 糖 28 微結晶セルロース 47 マニトール 10 トウモロコシデン粉 10 ポリビニルピロリドン 2 ヒドロキシプロピルセルロース 計250mg 上記処方の内、ヒドロキシプロピルセルロース以外の成
分を流動層造粒装置を用いてよく混合したのち、ヒドロ
キシプロピルセルロースの5%水溶液を結合剤として噴
霧し、低温乾燥後顆粒とした。この顆粒を硬カプセルに
250mgずつ充填して硬カプセル剤を製造した。
実施例5. カプセル剤B 実施例3により製造した顆粒剤Cを硬カプセルに、250m
gずつ充填して硬カプセル剤を製造した。
実施例6. カプセル剤C ミミズの乾燥粉末 150mg (成分は前記M−3と同じ) リン酸−水素カルシウム 60 リン酸−水素ナトリウム 10 マニトール 28 ステアリン酸マグネシウム 計250mg 上記処方したものをよく混合し、この混合粉末をNo.1の
ゼラチンカプセルに250mgずつ充填し、カプセル剤を製
造した。
実施例7. 腸溶錠剤 ミミズの乾燥粉末 100mg (成分は前記M−1と同じ) マニトール 10 微結晶セルロース 85 カルボキシメチルセルロースカルシウム 2 ステアリン酸マグネシウム 1.5 硬化油 1.5 計200mg 上記の処方に従い、均一に混合した粉末を打錠機にて素
錠を製造したのち、次に示す腸溶剤皮のコーテイング剤
でコーテイングし、腸溶錠剤を製造した。
コーテイング剤 ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート14.8mg ジオクチルフタレート 2.3 ステアリン酸 2.3 軽質酸化ケイ素 0.6 計20.0mg 実施例8. 散剤A ミミズの乾燥粉末 150mg (成分は前記M−4と同じ) マニトール 50 トウモロコシデン粉 50 計250mg 散剤B ミミズ乾燥粉末 150mg (成分は前記M−4と同じ) リン酸−水素カルシウム 20 トウモロコシデン粉 80 計250mg 上記成分をそれぞれ円錐混合機中で均一によく混合して
散剤とした。
実施例9. 坐剤A ミミズの乾燥粉末 200mg (成分は前記M−5と同じ) ウイテツプソール 540 (Witepsol)E−85 ウイテツプソール 1,454 (〃)W−35 メチルパラヒドロキシベンゾエート 3 ブチルパラヒドロキシベンゾエート 計2,200mg 坐剤B ミミズの乾燥粉末 200mg (成分は前記M−6と同じ) ブチルヒドロキシアニソール 6 半合成グリセリド 2,900 計3,106mg 上記処方したものをそれぞれよく混合した熔融物をアル
ミニウム製の型に注入し、冷却して坐剤を製造した。
実施例10. カプセル剤D ミミズ乾燥粉末 150mg (成分は前記M−2と同じ) ラウリル硫酸ナトリウム 4 リン酸−水素ナトリウム 1 マニトール 93 ステアリン酸マグネシウム 計250mg 上記処方したものをよく混合する。この混合粉末をNo.1
のゼラチンカプセルに250mgずつ充填し、カプセル剤を
製造した。
実施例11 カプセル剤 E ミミズの抽出物 30mg (前記X−) 乳 糖 28 微結晶セルロース 47 マニトール 100 トウモロコシデン粉 40 ポリビニルピロリドン 2 ヒドロキシプロピルセルロース 計250mg 上記処方の内、ヒドロキシプロピルセルロース以外の成
分を流動層造粒装置を用いてよく混合したのち、ヒドロ
キシプロピルセルロースの5%水溶液を結合剤として噴
霧し、40℃で乾燥後顆粒とした。この顆粒硬カプセルに
250mgずつ充填して硬カプセル剤を製造した。
実施例12 カプセル剤 F 顆 粒 剤 ミミズの抽出物 30mg (前記X−) 乳 糖 103 トウモロコシデン粉 89 バレイショデン粉 22 タ ル ク 3 ステアリン酸マグネシウム 計250mg 上記処方に従い、よく混合した粉末を抽出機で顆粒剤を
製造した。この顆粒剤を硬カプセルに250mgずつ充填し
て硬カプセル剤を製造した。
実施例13 カプセル剤 G ミミズの抽出物 30mg (前記X−) リン酸−水素カルシウム 60 リン酸−水素ナトリウム 20 マニトール 38 ステアリン酸マグネシウム 計150mg 上記処方したものをよく混合し、この混合粉末をゼラチ
ンカプセルに150mgずつ充填し、カプセル剤を製造し
た。
実施例14カプセル剤 H ミミズ抽出物 30mg (前記X−) ラウリル硫酸ナトリウム 4 リン酸−水素ナトリウム 1 マニトール 113 ステアリン酸マグネシウム 計150mg 上記処方したものをよく混合する。この混合粉末をゼラ
チンカプセルに150mgずつ充填し、カプセル剤を製造し
た。
実施例15 カプセル剤 I ミミズ乾燥粉末 75mg (前記M−2と同じ) ミミズ抽出物 15mg (前記のX−) ラウリル硫酸ナトリウム 4 リン酸−水素ナトリウム 1 マニトール 153 ステアリン酸マグネシウム 計250mg 上記処方したものをよく混合する。この混合粉末をゼラ
チンカプセルに250mgずつ充填し、カプセル剤を製造し
た。
実施例16 カプセル剤 J ミミズ乾燥粉末 50mg (前記M−4と同じ) ミミズの抽出物 20mg (前記のX−) ラウリル硫酸ナトリウム 2 マニトール 176 ステアリン酸マグネシウム 計250mg 上記処方したものをよく混合する。この混合粉末をゼラ
チンカプセルに250mgずつ充填し、カプセル剤を製造し
た。
発明の効果: 上記に述べたように、本発明は、ミミズの乾燥粉末及び
ミミズの抽出物を有効成分とする糖尿病治療剤に関す
る。アロキサンによる実験的糖尿病マウスに、ミミズの
乾燥粉末及びミミズの抽出物を投与することにより、有
意に血中糖量を低下させることができた。
次に、5人の糖尿病患者のボランテイアに、食事療法と
共にミミズ乾燥粉末カプセル剤(150mg含量)を1回1
剤1日3回食後経口で4〜9ケ月間投与した。投与1ケ
月、2ケ月又は3〜4ケ月後から少なくとも1ケ月経過
毎に、朝食前、朝食2時間後、昼食前、昼食2時間後、
夕食前、夕食2時間後の6回採血し、血中糖量を測定し
た。この結果、軽・中程度の糖尿病患者の場合、ミミズ
乾燥粉末投与2〜3ケ月後から改善され、投与4ケ月後
以降からは、前記6項目全部の血中糖量を標準値(朝・
昼・夕の3食前の血糖の標準値は50〜100mg/dl、同じ各
3食2時間後の血糖の標準値は150mg/dl以下)の範囲内
まで降下させることができた。重度の糖尿病患者の場
合、前記6項目全部の血糖を標準値の範囲内まで降下さ
せることは稍々困難であつたが、投与8ケ月後には6項
目中4項目の血糖を標準値まで降下させる改善効果を示
した。又、ミミズ乾燥粉末6〜9ケ月間の長期投与にお
いても、血糖が標準値の下限値以下まで降下した低血糖
発生の危険は皆無であつた、すなわち、動物実験及びヒ
トへの経口投与実験により、本発明のミミズの乾燥粉末
及びミミズの抽出物は、安全で、かつ、すぐれた糖尿病
治療・予防剤であることがわかつた。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ミミズ乾燥粉末を有効成分として含有する
    糖尿病治療剤。
  2. 【請求項2】生きミミズを有機酸、無機酸、有機酸ナト
    リウム塩、無機酸ナトリウム塩、有機酸カリウム塩及び
    無機酸カリウム塩から成る群から選ばれた少なくとも1
    種類の化合物を0.3(重量)%以下含有する水溶液中又
    は真水中に放置して生きミミズの消化管内の糞土をはか
    せたのち、生きミミズの体表面に付着する汚物を水で洗
    浄除去して、湿式粉砕をおこなうか、又は生きミミズの
    体表面に付着する汚物を水で洗浄除去したのちの生きミ
    ミズを前記水溶液中又は真水中に放置して生きミミズの
    消化管内の糞土をはかせたのち、湿式粉砕をおこない、
    得た懸濁液を−10〜−60℃で凍結したのち、−60〜80℃
    の範囲内で温度を階段的に上げながら10mmHg以下の真空
    度で10〜100時間凍結・真空乾燥をおこない、この内、
    最終工程の真空乾燥を70〜80℃で0.01〜0.5mmHgの真空
    下で5〜10時間乾燥することを特徴とするミミズ乾燥粉
    末を有効成分として含有する糖尿病治療剤。
  3. 【請求項3】生きミミズを前記水溶液中又は真水中に放
    置して生きミミズの消化管内の糞土をはかせたのち、生
    きミミズの体表面に付着する汚物を水で洗浄除去し、次
    に湿式粉砕以降の前記工程をおこなう特許請求の範囲第
    2項記載の糖尿病治療剤。
  4. 【請求項4】前記水溶液中又は真水中に放置される前の
    生きミミズが汚物の一部を水で洗浄した生きミミズであ
    る特許請求の範囲第3項記載の糖尿病治療剤。
  5. 【請求項5】生きミミズの体表面に付着する汚物を水で
    洗浄除去したのち、生きミミズを前記水溶液又は真水中
    に放置して生きミミズの消化管内の糞土をはかせ、次に
    湿式粉砕以降の前記工程をおこなう特許請求の範囲第2
    項記載の糖尿病治療剤。
  6. 【請求項6】生きミミズの体表面に付着する汚物を水で
    洗浄除去したのち、生きミミズを前記水溶液又は真水中
    に放置して生きミミズの消化管内の糞土をはかせ、さら
    に水で洗浄したのち、次に湿式粉砕以降の前記工程をお
    こなう特許請求の範囲第5項記載の糖尿病治療剤。
  7. 【請求項7】有機酸が酢酸、クエン酸、コハク酸、リン
    ゴ酸、酒石酸又は乳酸である特許請求の範囲第2,3,4,5
    又は6項記載の糖尿病治療剤。
  8. 【請求項8】無機酸がリン酸、硫酸又は塩酸である特許
    請求の範囲第2,3,4,5又は6項記載の糖尿病治療剤。
  9. 【請求項9】ミミズを水性溶媒、水混和性有機溶媒及び
    水非混和性有機溶媒からなる群から選ばれる少なくとも
    一種類の抽出剤によって抽出処理して得た抽出物を有効
    成分として含有する糖尿病治療剤。
  10. 【請求項10】前記水性溶媒が真水、蒸留水、生理食塩
    水、pH5〜10の緩衝液又はpH5〜10の調製水である特許請
    求の範囲第9項記載の糖尿病治療剤。
  11. 【請求項11】前記水混和性の有機溶媒が炭素数1〜4
    のアルコール類、ケトン類、エーテル類又はエステル類
    である特許請求の範囲第9項記載の糖尿病治療剤。
  12. 【請求項12】前記水非混和性の有機溶媒が炭素数6〜
    10の炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類
    又は炭素数1〜5のハロゲン化炭化水素である特許請求
    の範囲第9項記載の糖尿病治療剤。
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