JPH0780791B2 - 有機フッ素化合物の製造方法 - Google Patents

有機フッ素化合物の製造方法

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JPH0780791B2 JP11704387A JP11704387A JPH0780791B2 JP H0780791 B2 JPH0780791 B2 JP H0780791B2 JP 11704387 A JP11704387 A JP 11704387A JP 11704387 A JP11704387 A JP 11704387A JP H0780791 B2 JPH0780791 B2 JP H0780791B2
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宏之 百武
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は有機フッ素化合物の製造方法に関する。さらに
詳しくは、活性なクロル基及び/またはブロム基を有す
る有機化合物中のクロル基及び/またはブロム基をフル
オロ基で置換する、いわゆるハロゲン交換法による有機
フッ素化合物の製造方法に関する。
有機フッ素化合物は農薬や医薬の原料物質として広く利
用されている。
(従来の技術及び発明が解決しようとする問題点) 有機フッ素化合物を製造する従来の方法は、活性なクロ
ル基またはブロム基を有する有機化合物を有機溶媒中で
フッ素化剤と反応させる、いわゆるハロゲン交換法が操
作が簡単であるので広く利用されている。
しかして、上記ハロゲン交換法においては、フッ素化剤
は反応収率を高める必要から専らフッ化アルカリ、特に
フッ化カリウム(KF)が用いられている。しかし、フッ
化アルカリ、特にフッ化カリウムは、潮解性が非常に強
いので、通常空気中の水分を吸湿している。従って、こ
の様なフッ化カリウムをフッ素化剤として用いたのでは
収率が極端に低くなるので、これを防止するため使用前
に粉砕、焙焼する必要があるという問題がある。また、
上記反応は他の一般の有機反応に比べて反応収率が低い
例が多い。
上記問題を改良する手段として、スプレー乾燥法により
合成したフッ化カリウム(KF)を使用する方法(特開昭
58−65226号)も知られているが、この方法を用いて
も、対象有機化合物によっては必ずしも高反応収率が得
られない。
また、反応収率(反応活性)を向上させる目的で、有機
溶媒を選択する工夫が種々なされている(特開昭47−34
236号、特開昭49−14430号、特開昭51−39633号、特開
昭61−7217号など)。しかし、本発明者の検討によれ
ば、これらの方法は何れも反応収率向上の点で不充分で
あり、しかも有機溶媒はジメチルスルホキシド、ジメチ
ルスルホン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、テトラメチレンスルホンなどの高価な非プロトン
性極性溶媒を用いる必要があり、従って、製造コストが
高くなるという欠点を併せ持っている。
本発明の目的は、操作が容易で収率が高くかつ安価な有
機フッ素化合物の製造方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段及び作用) 本発明者は、上記問題点に鑑み、操作が容易で収率が高
くかつ安価な有機フッ素化合物の製造方法について鋭意
検討した結果、その活性が弱いため、特に有機化合物の
ハロゲン交換反応のフッ素化剤としては不都合であると
考えられていた、フッ化亜鉛(ZnF2)が非プロトン性非
極性溶媒と組合せることで以外にも良好な結果を示すこ
とを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、活性なクロル基及び/またはブロ
ム基を有する有機化合物を、非プロトン性非極性有機溶
媒中でフッ化亜鉛と反応させることを特徴とする有機フ
ッ素化合物の製造方法である。
本発明を詳細に説明する。
本発明が対象とする、有機フッ素化合物の原料として用
いる有機化合物(以下原料有機化合物と略記する)とし
ては、活性なクロル基及び/またはブロム基を有するも
のであれば、その炭素骨格は芳香族、脂肪族のいずれの
化合物でもよく、また、分子内に窒素、酸素などのヘテ
ロ原子を含有するものでもかまわない。上記原料有機化
合物中の活性なクロル基及び/またはブロム基は、分子
内に1個または2個以上のいずれでも良く、また、クロ
ル基とブロム基を併せ持つものでも差し支えない。
本発明においてフッ素化剤として使用するフッ化亜鉛
は、その製造履歴を特に限定するものではないが、ハロ
ゲン交換反応の際における副反応を抑制し反応収率を向
上させるためには、含有水分の極力少ないものが望まし
い。従って、例えば、酸化亜鉛とフッ化水素酸の反応に
よって得られたフッ化亜鉛無水物を乾燥したものや、通
常市販のフッ化亜鉛4水和物を脱水して無水物としたも
のなどが、好適に使用される。かくして得られたフッ化
亜鉛無水物は、フッ化カリウムなどと異なり、殆んど吸
湿性を示さないので、保存に特別の対策を取る必要がな
く好都合であり、また取り扱いが容易でもある。尚、上
記の如くして得られたフッ化亜鉛は、ハロゲン交換反応
に先立ち表面に付着した微量の水分の完全に除去するた
め、例えば、200℃で4時間程度加熱処理すればさらに
好ましい。
また、本発明ではフッ化亜鉛は高比表面積のものが高反
応収率を得る上で好ましく、このようなフッ化亜鉛は、
例えば、酸化亜鉛と高濃度のフッ化水素酸の反応による
方法によって得ることができる。
本発明では、原料有機化合物や非プロトン性非極性有機
溶媒も、水分含有量の極力少ないものが好ましい。この
ような、極力水分の少ない原料有機化合物や有機溶媒
は、蒸留やシリカゲル等の脱水剤で処理することにより
容易に得ることができる。
本発明では先ずハロゲン交換反応を行なうが、このハロ
ゲン交換反応は、原料有機化合物と有機溶媒との混合液
に、撹拌などの手段でフッ化亜鉛を懸濁させる方法、ま
たは、有機溶媒にフッ化亜鉛を懸濁させた後、これに原
料有機化合物を添加する方法により実施される。
かくして得られた反応生成物は、次いで上記反応により
生成した塩化亜鉛及び/または臭化亜鉛並びに未反応の
フッ化亜鉛を濾別した後、有機溶媒と生成した有機フッ
素化合物の混合液を蒸留等の操作によりこの両者を分離
すれば、製品である有機フッ素化合物を得ることが出来
る。尚、この蒸留等により分離された有機溶媒は、勿論
繰り返し再使用することができる。
本発明においては、原料有機化合物に対するフッ化亜鉛
の量は、ハロゲン交換反応に必要な当量以上、特には2
〜10倍当量が好ましい。フッ化亜鉛の量が該当量より少
ないと反応収率が悪くなるので好ましくない、逆に多す
ぎるとそれだけフッ化亜鉛の損失になるばかりでなく、
有機溶媒の使用量増加につながるのでこれまた好ましく
ない。
本発明に使用する有機溶剤は、前記の如く非プロトン性
非極性溶媒でなければならない。かかる溶媒を具体的に
例示すると、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン、ナフタレン、メチルナフタレン等の芳香族炭化
水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカ
ン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン等の脂肪族炭化
水素、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタ
ン等の脂環式炭化水素、ニトロベンゼン等の芳香族ニト
ロ化合物、アニソール、フェネトール、メトキシナフタ
レン、ジフェニルエーテル、ジブチルエーテル、ジペン
チルエーテル、ジヘキシルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類、塩化n−プロピル、塩
化イソプロピル、塩化n−ブチル、塩化イソブチル、塩
化s−ブチル、塩化t−ブチル、塩化n−ペンチル、塩
化n−ヘキシル等のアルキル塩化物、クロロベンゼン等
の芳香族塩化物等が挙げられる。
本発明の有機フッ素化合物の製造方法は、原料有機化合
物を非プロトン性非極性溶媒中で、フッ素化剤としてフ
ッ化亜鉛を使用してハロゲン交換反応させる方法である
が、フッ化亜鉛と非プロトン性非極性溶媒を使用する
と、何故高収率で有機フッ素化合物が得られるかその理
由については定かではないが、おそらく次の理由による
ものと考えられる。すなわち、フッ化亜鉛によるハロゲ
ン交換反応(フッ素化反応)は固液反応であるが、上記
溶媒が、反応によって生成した塩化亜鉛や臭化亜鉛をす
みやかにフッ化亜鉛の表面から排除し固体として存在し
ているフッ化亜鉛の表面を、常に活性な状態に保ってい
るためと考えられる。
有機溶媒中に懸濁させるフッ化亜鉛のスラリー濃度は、
5重量%(以下単に%と記す)以上、50%以下程度が好
ましい。スラリー濃度が高すぎると撹拌が困難になるた
め副反応が起こり易く、また、反応収率も低下する。逆
に、スラリー濃度が低すぎると、それだけ有機溶媒の使
用量が増加するので、何れも好ましくない。
上記ハロゲン交換反応における反応温度及び反応時間
は、原料有機化合物及び有機溶媒の種類によって決定さ
れる。反応温度は低い方が、また反応時間は短い方が、
副反応生成物を抑制する点では好ましいが、反応収率の
点では逆の方が好ましい。これらを勘案し実際上は、反
応温度は室温〜300℃、反応時間は0.5〜100時間で実施
される。
(実施例) 以下、実施例及び比較例によって本発明を更に具体的に
説明する。
実施例1 還流コンデンサーを取りつけた容積2lの撹拌機付きガラ
ス製フラスコに、有機溶媒としてアニソールを1000g入
れ、これにフッ化亜鉛517g(10.0当量)を加えて懸濁さ
せた。さらに、これに2−クロロニトロベンゼン473g
(3.0当量)を添加したのち、フラスコを加熱しアニソ
ールの還流温度下(約154℃)で8時間反応させた。反
応終了後、フラスコ内容物の濾過して、生成した塩化亜
鉛及び未反応のフッ化亜鉛からなる固形物を除去したの
ち、濾液を蒸留分離して製品である2−フルオロニトロ
ベンゼン208g得た(収率49%)。
実施例2 実施例1で用いた装置に有機溶媒としてトルエンを800g
入れ、これにフッ化亜鉛310g(6.0当量)を加えて懸濁
させた。これに塩化ベンゾイル281g(2.0当量)を添加
して室温で12時間反応させた。反応終了後、実施例1と
同様フラスコ内容物を濾過して固形物を除去したのち、
濾液を蒸留分離して製品であるフッ化ベンゾイル170gを
得た(収率71%)。
比較例1 実施例1で用いた装置に、有機溶媒として極性溶媒であ
るテトラメチルスルホンを1000g入れ、これにフッ素化
剤としてスプレードライKF(森田化学製)290g(10.0当
量)を加えて懸濁させた。さらに2−クロロニトロベン
ゼン743g(3.0当量)を添加したのち、フラスコを加熱
し200℃で8時間反応させた。反応終了後実施例1と同
様フラスコ内容物を濾過して固形物を除去したのち、濾
液を蒸留分離したところ、製品である2−フルオロニト
ロベンゼンはわずか30gしか得られなかった(収率7
%)。
比較例2 実施例1で用いた装置に、有機溶媒としてアセトニトリ
ル800gを入れ、これにスフプレードライKF(森田化学
製)174g(6.0当量)を加えて懸濁させた。さらに塩化
ベンゾイル281g(2.0当量)を添加して室温で12時間反
応させた。反応終了後、実施例1と同様フラスコ内容物
を濾過して固形物を除去したのち、濾液を蒸留分離した
ところ、製品であるフッ化ベンゾイルの収得量は134g
(収率36%)と実施例に比べ低い収率であった。
(発明の効果) 以上詳細に説明した通り、有機溶媒として非プロトン性
非極性溶媒を使用して、活性なクロル基及び/またはブ
ロム基を有する有機化合物をフッ化亜鉛と反応させ、有
機フッ素化合物を製造する本発明によれば、実施例及び
比較例が示す通り、従来公知の方法によりはるかに高収
率で目的生成物である有機フッ素化合物が得られるので
ある。
また、従来公知の方法では極性溶媒を使用せざるを得な
かったが、本発明の方法では、上記の通り安価な非極性
溶媒を使用するので、この点と併せて産業上の意味は大
なるものがある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性なクロル基及び/またはブロム基を有
    する有機化合物を、非プロトン性非極性有機溶媒中でフ
    ッ化亜鉛と反応させることを特徴とする有機フッ素化合
    物の製造方法。
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